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県と市町の地域づくり連携・協働協議会

H23年度 県と市町の地域づくり連携・協働協議会トップ会議(桑名地域)の概要

開催日時

平成23年8月1日(月) 14:30~17:30

開催場所

くわなメディアライヴ 1階 多目的ホール

出席者

市町:水谷桑名市長、日沖いなべ市長、加藤木曽岬町長、水谷東員町長

県  :鈴木知事、小林政策部長、植田総務部長、梶田政策部理事(地域支援担当)、小川桑名県民センター所長

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知事あいさつ

 本日は大変お忙しい中、このようにお集まりいただきまして本当にありがとうございます。

 この会議は、「県と市町の地域づくり連携・協働協議会」のトップ会議として位置付け実施させていただくものです。皆様の大変貴重なお時間を長時間にわたっていただくことを心から感謝申し上げ、その分、有意義な時間にしたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 このトップ会議は、県政最大のパートナーである皆様のところに私共が直接出向き、ご意見をいただき、対話させていただいて、互いに理解を深めていくために開催させていただくものです。長時間にわたりますが、有意義な意見交換を行わせていただきたいと考えています。

 私は4月21日に知事に就任させていただきましたが、それから3ヶ月が経過しました。昨日で100日ぐらいだと思いますが、バタバタしながら毎日を送っているところです。

 本日お集まりの市長や町長の皆さんには、既に、その都度その都度お越しいただき、いろいろご意見をいただいていますが、エネルギー問題については、県民の皆さんの不安や、なんとかしてほしいという声を、いろいろなところで聞かせていただいています。また、今日も放射性セシウムを含む稲わらを餌として与えた可能性のある牛の全頭検査について発表させていただきましたが、食の面についても、県民の皆さんにはいろいろな不安が募っています。なかなか目の行き届かないところ、対応の行き届かないところが多数あると思います。しかし、そのような中、市長や町長の皆さんと一緒になって進めさせていただくことで、県だけではカバーできないこと、あるいは基礎自治体だけでは進めにくい部分を一緒になってパートナーシップを組んで進めさせていただくことで、県民の皆さんの不安感を取り除き、県民の皆さんが幸せを感じ、この三重県、あるいはそれぞれの市町に住んで良かったと思っていただけるようにしていきたいと考えています。まだまだ経験も浅く、足りないところ、行き届かないところもたくさんあると思いますが、引き続きご指導をいただきたいと思っています。

 どのような県政運営を行っていくかについては、後ほど、新しい県政ビジョンの中で政策部分にも触れたいと思っていますが、当面、防災対策やエネルギー対策、食の安心・安全等、危機管理対応を中心に進めてきています。ほかにもいろいろな取組を行っていきたいと考えていますので、その都度ご相談させていただきたいと思っています。

 桑員地域は、岐阜県、愛知県、滋賀県と隣接しており、これまでも道路網が整備されてきているところです。先般も水谷市長と一緒に東海環状自動車道の整備促進についての会議に出席させていただきました。この地域は産業が集積しているし、他県との連携などを行っていく中で、これからさらに発展していける可能性もあるでしょう。しかし、一方でまだまだ解決し切れていない問題もたくさんあると思いますので、今日は多くのご意見をいただきたいと思っています。

 東海環状自動車道、新名神高速道路、そしてこの前開通した石榑(いしぐれ)トンネル等を含め、他県との連携でも重要な地域であると認識しています。ぜひ、いろいろなご意見をいただきながら連携を深め、三重県が良くなっていくように、力を合わせて進めていきたいと思っています。

 また、産業面におきましても、県内のものづくり企業がたくさん集積している拠点の一翼であります。私も経済や産業についてはいろいろな思いを持っており、新しい戦略を考えていかなければならないと思っている一方、円高や空洞化等、非常に懸念される状況でありますので、地域産業の現状もいろいろ教えていただいて、新しい対策にあたっていくことができればよいと考えています。

 さらに、防災対策については、海抜が低いところが多い地域や、伊勢湾台風で被害を受けた地域、あるいは河川の氾濫が心配されるところが多数あります。そのようなことについてもいろいろご意見をいただいて、課題解決に結びつけていけるようにできればよいと考えています。

 新たに、市町長の皆さんと私の一対一という形で、具体的な課題解決につながるような場の設置もお願いをしていきたいと考えています。あらゆる場面を通じて、課題解決につながっていく、前に進んでいく、そういうことを通じて、信頼関係を構築させていただきたいと考えています。

 今日は、新しい県政ビジョンについてお話をさせていただきます。まだまだ策定の途についたばかりであり、これから大きく変わっていく部分も多くあると思いますが、皆様にアドバイスをいただき、ご指導いただいて、しっかりしたものを作っていきたいと思っています。そのビジョンができた際には、それに基づく政策・施策の事業をしっかり遂行していきますが、皆様のお力をお借りし、一緒になって効果のある意義のある事業を頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 

意見交換

(1)県から提案する議題 「新しい県政ビジョンの策定に向けて」

小林政策部長

 鈴木県政になり、総合計画は県政ビジョンという形で今年度中に策定して、県議会で議決していただきたいと思っています。県政ビジョンは大体10年ぐらい先を見越したビジョンです。また、同時に5年間の実施計画を作っていきたいと考えています。

 ビジョンを作るにあたっての現状認識ですが、1つ目は東日本大震災によって加速したパラダイム転換です。目標がかなり大きく変わったのではないか、東日本大震災は、かなり大きなメッセージを投げかけているのではないかということです。この点については有識者にいろいろご意見を伺っています。トヨタ自動車株式会社の奥田様からは、明治維新、第二次世界大戦、そして、東日本大震災という3つ目の大きな分水嶺だという指摘がございました。知事の方からもこのようなパラダイム転換について認識しなくてはいけないと言われています。

 2つ目は、人口構造の変化です。昨年、国勢調査がありましたが、やはり三重県も人口が減るような結果になりました。29市町のうち20の市町で減少しました。北勢地域は今まで増えているところが多かったですが、南部地域を中心に20市町で減少しています。この点が大きな要素になってくるのではないかと考えています。

 3つ目は、経済・産業構造の変化です。リーマンショックは1929年の大恐慌に匹敵する産業構造の変化につながると言う方もいらっしゃいます。そういう意味では、大きな構造の変化と認識しています。

 4つ目は、生活不安の広がりと格差の課題です。社会保障制度等いろいろな制度が激変しています。また、過疎地域ではかなり人口が減ってきており、その問題も大きくなってきています。

 5つ目は、絆の稀薄化です。絆の稀薄化や無縁社会については昨年よく言われましたが、コミュニティを支える絆の稀薄化がかなり問題となっています。一方で東日本大震災を境に、絆についてもう1度見直そうということで、アンケートでは、やっぱり結婚した方が良いとか、絆の見直しが出てきているように聞いています。

 6つ目は、国・地方のあり方と財政問題です。遅々として進まない地方分権型社会。財政については、三重県も借金を背負っていますが、これから10年間は、東日本大震災の復興等を考えていくと、地方への配分はかなり厳しく考えていく必要があり、その影響はかなりたくさん出てくると思われます。

 今回の震災を通じて、今後は、行政には限界があり、最終的には自分の命は自分で守る必要がある、地域のことは地域に住む人々が主体的に取り組んでいく必要がある、ということをはっきりと申し上げていく必要があります。

 10年後のバラ色の未来を描くことができない環境にありますが、一所懸命やり、幸せを実感できるような三重にしたいというのが知事の考えでございます。具体的には、三重県にはすごいところがいっぱいあるので、その力をできる限り発揮して、新しい豊かさを発信していきたいということです。真の豊かさとは何かということについて、はっきりしているわけではございません。ただ、経済的に豊かになれば良いということではなく、例えば人口減少に陥っても、それなりにきちんと生活していくことができる、未来に対して希望を持てる、そのような形にしていきたいと考えていますので、皆様方のご意見をたくさんいただきたいと思っています。

 政策展開の方向性は3本に集約しました。「安全・安心」、「人と地域が輝くという理念、」「産業や経済で元気な三重県」の3つです。

 本日は特に、市町の皆さんがどのような形で協力していただけるのかということについてご意見をいただければありがたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

水谷桑名市長

 知事におかれましては、「日本一、幸福が実感できる三重」を目指すということで、新しい三重づくりに期待しているところでございます。桑名市も平成19年度を初年度とした10年間の総合計画を立案いたしました。ちょうど今、その真ん中でございますが、今年はその折り返しに向かって、後期基本計画の9月の議会承認に向けて進めているところでございます。

 今年の2月に、後期基本計画のための市民意識調査を実施いたしましたが、その結果では、大規模地震からの防災対策と暮らしの安全・安心に取り組むニーズが増えてまいりました。

 また、保健・医療・福祉サービスへ向けて、地域経済対策などが求められているという結果が出ています。このような時期だからこそ、行政の経営資源を有効に活用することは重要であると思っています。県政ビジョンをつくる際には、時代の潮流をしっかりと提示していただき、課題を洗い出してから計画されるよう期待いたしています。

 本年5月に発表されたOECDによる各国の生活の豊かさを示す新たな指標を見ますと、住居や仕事、健康など国民生活に密接にかかわる11項目について調査をされています。国民の幸福度の1位がオーストラリア、2位がカナダ、スウェーデンと続き、加盟国34ヶ国中、残念ながら我が国は19位です。この指標では、安心・安全などの指標が全体的に高い数値を示していますが、生活の満足度と健康については、平均を下回っています。平均を下回る理由とされているのが、将来を案じているということです。若干悲観的なところもあると思いますが、将来を憂慮しているということです。

 そのような中で、新しい格差を超えることが大切であるということですが、幸せや幸せの実感は抽象的ですので、まず豊かさが必要であるということです。その基礎となるのは産業です。豊かさを生むための手段として産業が育つという感覚です。育てる環境、しくみ等を考えるようにするということです。

 そこで、桑名市の地域資源について考えてみますと、この地で集積された産業は、歴史・文化という資源になります。桑名市の歴史と文化について、多様な資源を最大限に活かしながら魅力を創出し、発信したいと考えています。改めて、従来から持っている地域資源についてしっかり認識し、再評価し、活用していくことが必要ではないかと思っています。三重県もそれをしっかりフォローして、地域を元気にしていくことが大切であると思います。

 例えば、桑名の鋳物には大変古い歴史があり、「東の川口、西の桑名」と言われるほど鋳物産業の一大生産拠点です。近年では観光、フレキシブルな建設資材、自動車部品等の素材に非常に貢献しており、県を代表する地場産業です。鋳物産業は、今では幅広い分野に活用されており、鋳物産業の出荷自粛は、ものづくりに深刻な影響を及ぼすと思っています。近年、事業所数や従業員数は減少していますが、製品に対する高付加価値などについては、全国的にみても進んでいます。

 市としても、この重要な産業を続けていくため、日用品など生活に近い新商品開発に対するものづくりサポート事業の制度を設けています。このような新しい仕組みづくり、商品開発を応援するためのご協力をよろしくお願いしたいと思います。

 また、本年6月に、桑名ものづくりプロジェクトの構想を練りました。試作品の総合開発に向けた取組として、新たな連携を確立したと思っています。このように地域の優れた人材が地域資産となり、さらに地域につながるしくみを創っていきたいと思っています。

 観光等につきましては、桑名市は歴史的建造物が関心の高い対象となっていますが、「長島温泉」、「なばなの里」を中心に、入り込み客数は年間950万人と非常に高いものを示しています。歴史的資源などとともに、全国的にも知名度の高い「はまぐり」をはじめ、第一次産業、第二次産業、第三次産業の融合した観光交流創出の可能性があると考えています。

 また、「はまぐりのしぐれ」という別の取組に漁師さんと主婦の皆さんが取り組み、伝統的な地場産業として発展してきたということがございます。まさに地の利を有する産業となっています。

 それと最近は、「なばなの里」のイルミネーションがすごくて、震災前は一晩に4万3千人の人が訪れ、非常に盛り上がっています。その「なばなの里」の隣で、地域の農業生産者が連携して、野菜や特産物、農産物を売る青空市場という施設をつくっており、その年間売上は約1億円となっています。これは、第三次産業と農業との連携が得られるものとして取り組まれています。歴史や伝統、食文化の再認識をしっかりと行い、そういった財産に光を当てながら取組を進めていくことが必要になってくると思います。

 生活不安の広がりや、格差による将来への不安の広がりを見つつ、地域といたしましても、量的なものから質的なものへ変革しなければいけないと思っています。地域それぞれの優れた特徴を明らかにしながら、地域のつながりに、より深く関わっていきたいと思っています。

 そこで、県への提案としては、県主導で各市町とうまく連携して、地域開発、地域資源を照らし合うためのモデル事業を展開していただく取組です。例えば農水産業、商工と観光、そして大学との連携による地域資源のプロジェクトなど、各地域の課題解決と発展に対応する事業などに、積極的な関わりを持つことが必要だと考えています。元気なしくみというものを期待しています。

 最近の話ですが、テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」で、カレーの具材がビーフかポークかの境目が桑名の長島であるというのを放送しました。100人の方が真面目にそれぞれのカレーを持ち寄っていましたが、まさしく50対50に分かれました。私も全然知りませんでしたが、呼び出されてテレビに映していただきました。これは一つ何かやれるということで、地元の醤油会社「ヤマモリ」の社長にそのような話をしてみたら、「おもしろいから、やろう。」ということで製品化されました。そして、それらが広がって、ミニストップが「桑名カレー」を店頭に置き、マックスバリュグループでもこの商品を置いているということです。「ヤマモリ」は「三重大カレー」にも関わっておられますが、こういった取組を産業と捉えていますが、この取組は行政との連携から生まれてきたものであるということです。これがどこまで売れるか分かりませんが、若い人の力によるプロジェクトということで、例に挙げさせていただきました。このようなしくみづくりを県から発信していただくことを願うわけです。

日沖いなべ市長

 新しい県政ビジョンの「幸福が実感できる三重」について、市の意見をと言われますが、難しい要素は2つあります。

 1つは幸福感という点です。不幸を最小限にすることと置き換えられると思います。問題を解決していけば、徐々に幸福につながると思います。震災等、生存の危機のときは、生きていること自体が幸福だったりしますが、やはり最終的には自己実現が鍵になっていくと思います。

 もう1つ、「実感できる」ということが理想になってくると思います。三重県に今ある力を、県民の皆さんがどこまで把握しているのか。市も同じで、いろいろ説明していますが、繰り返し、繰り返しいろいろな形で説明していくことが必要だと思います。三重県の持っている力がどういうものかをPRしていただくことが第一だと思います。だから、今持っている力を実感してもらう中で、一部幸福につながり、ある程度、問題は解決につながると思います。それにもう1つ、不満であったり要求であったり、そういったものを実現できれば、プラスになるのかなと思ったりもします。

 そのような中で、震災があって、パラダイムというか、いろいろなものが変わりました。豊かなところ、人間の絆が豊富なところに新たな価値観が生まれつつあると思います。だから、そういう時に、県民の皆さんに三重県の良さを理解していただき、自らPRしていただくことが大事だと思います。

 全国地域づくりサミットで長野県小布施町の町長に会いましたが、町民の皆さん自ら、この町は綺麗ですごい町だということを、どこへ行ってもPRされるということでした。

 企業も一緒です。三重県の企業は、社員の皆さんが、こういう意識でこうやっていますよ、とPRしますよね。元気で満足感が豊富な町というのは、その構成員である市民や企業の社員が、自らPRしてくれます。だから、三重県民がどこへ行ってもPRする、そういった県民づくり、市民づくりが必要になってくるのではないかと思います。

 今後、県政ビジョンを作られるにあたって、2つお願いしたいことがあります。

 1つ目は、三重県は結構細長い地域ですから、地域性があります。我々は名古屋圏域ですし、大阪圏域のところもあります。地域気質というのがありますので、三重県で一つの統一的な規格で、一つの目標に対して何%達成したかということでよいのでしょうか、ということです。

 2点目です。コミュニティの再生と言いますか、地域の絆づくりが大きなウェイトを占めてくると思いますが、その際、市も町も自治会や町内会といった組織に負うところが非常に大きくなります。しかし、これらは法律的な位置づけがない任意団体ですので、県政ビジョン等の指標の中には出てきづらい。法律的に位置付けられていない任意団体をフルに利用させていただいているにも関わらず、それを指標として目標管理できない状況です。また、自治会構成員と自治会に入っていらっしゃらない方を差別してはいけない、といったことも議論になります。

 今までの県政ビジョンは目標に対する達成度でしたが、今後そういった指標をつくるにあたっては、目標に対する達成度だけでなく、今ある力を絶対評価して、絶対評価での指標を示していただかなければ、その目標が絶対評価の中でどのように使用されているのかが分かりません。県の職員が目標設定しただけなのか、それとも、ここまでくれば概ね市民生活としてはいいだろうという数字なのか、ということがはっきりしないわけですから、そのようなことも含めてご検討いただきたいと思っています。

加藤木曽岬町長

 私なりに考え方を持ってきたのですが、今、日沖市長がおっしゃったことと重複している部分も多々あります。幸福を実感できるということで、幸福感が多様化している時代の中で、県民がこぞって幸せを共有するのは、非常に難しいのではないかと思っています。

 先ほど日沖いなべ市長がおっしゃったように、まずは不安感やいろいろなマイナス志向の部分を取り除いていくことが一つだと思います。例えとして挙げていいのかどうか分かりませんが、震災によって大変なご苦労をいただいている被災者の皆さん方に対して、国や県や市町の行政がどのようなことができるかということを、知事が求められているテーマに重ね合わせると、非常に分かりやすいのではないかと思います。それが満たされてきますと、それぞれ幸福のニーズが変わってくると思います。国も県もそうですが、特に国がなぜ混迷を来たしているのか、国の政権以外でも、なぜ混迷を来たしているのかというと、それは、昔と違って求めるものが細分化しているということと、強力なリーダーシップがないということではないかと感じています。

 何よりも自分たちの暮らしの中で、平和で豊かで、これをどのような物差しを当てて、「幸福」をどのように考えるかということだと思います。これは数値で示すことができませんので、まずはマイナス感を持たないようにして、そのうえで、細分化したニーズに対応するため、先ほど日沖いなべ市長がおっしゃられたように、三重県全県を一つの方向性に向けるのではなく、それぞれの地域が自治を高めていけるようなしくみ、それぞれの地域の特性を生かすような方向がこれから必要であると思っています。三重県の場合、経済も文化もそうだと思いますが、中部圏、関西圏、日本の真ん中、あるいは中部と関西の中間という位置的な条件を生かすべきだと思います。特に、桑員地区は名古屋圏、名古屋市に非常に近い。そして、名古屋港と四日市港の中間にある。ですから、その地の利を生かすのは当然だと思います。

 今回の大震災は、ちょうど分岐点だと私は思います。特に、木曽岬町は桑名市にお世話になって、文化も交流もサイクルが合うのですが、実は、尾張、知多の方の文化が非常に脈々と生きている町でもあります。ですから、それぞれの市町の独自性を生かすようなもの、地域の人たちに任せるような地域主体の地域づくりや地域おこしによって、三重県にはこのような魅力がある県である、三重県の食べ物はこんなに魅力的のである、三重県民にはこのようなアクティブ性、豊かなものを持っているのだということで、木曽岬町の良さを十分引き出すような方向へ持っていきたいと思っています。だから、三重県が全国に向けて非常に誇れる県である、あるいは魅力のある県であるということでいくならば、伊勢神宮をはじめ他県にない歴史文化もございますし、地形を見ても自然の豊かな県でございます。これを全面的に発信し、併せて、私たち県民が三重県の良さを認識し、桑名市、木曽岬町においても、木曽岬町にはこのような魅力があって、このような人たちがいるから、全国、近隣の市町の皆さんに足を運んでいただけるのだ、私たちの町はいい町なのだ、他の市町にない魅力がある町なのだと感じる、そのようなまちづくりを考えていくべきだと思います。

 三重県は他県にないものが非常に豊富ですか・轣Aそれを発信していくことが大事です。今回の知事選挙で、鈴木知事が全国から注目されました。その全国一の若い知事を選択したのは三重県民です。これはある意味、三重県民の先見性と言いますか、時代を感じる感性だと思います。それを私は誇りに思います。

 これからの県の計画についても、過去の遺産の整理も大事だと思いますが、鈴木知事自らが行動されることが、以後、三重県から発信することになります。そのような意味で期待しています。そういうことで、市町の人たちが幸せを感じるには、やはり周辺の人たちが私たちに目を向け、足を運んでくれるような県づくりや県民づくりをしていくことが大事だと思います。私たちの県は、他県からどのように見られているかを認識し、それに誇りを感じる。それが満足度、幸せ度につながっていくと感じています。特に、三重県は、南北に長いリアス式海岸を持つ豊かな県ですから、これをどんどん発信していただきたい。

 もう1つは、ブランド化についてです。三重県を全国に発信しようとすると、様々な産物があります。基本的にブランド化できない産物が多いので、この点を鈴木知事自らがカメラに向かって呼びかけていただくだけで、三重県、木曽岬町、桑名市のPRにつながると思います。時間がある時に、あるいは足を運んでいただくたびに、そういったことをお願いしたいと思っています。それが県に対しての思い、誇り、満足度になり、それがひいては幸せ度につながると思います。是非よろしくお願いしたいと思っています。 

水谷東員町長

 県政ビジョンに対する意見ということですが、これから私が東員町で実施しようとしていることを例に挙げ、それに沿って具体的に提案申し上げたいと思います。

 今あるものを大事にしていく。そして、それを振興していく。それはそうなのですが、考え方を少し変えていくことが必要です。例えば、農業と福祉を合体させる等です。農業分野と福祉分野を一緒にして、新しいものを創っていく、あるいは、農業を利用して福祉を振興させていく、あるいは、環境と地場産業を連携させていく、という考え方です。例えば、環境の問題を解決するために、地域の産業を活用していく、このように今までの縦割りでは改善が見られなかったものを連携させていくことによって、新しいものが生まれると思っています。そういう取組のプログラムを地域で提案させていただきたい。それに対して、県は縦割りではなく、一緒に取り組んでいただきたいと思っています。

 それから、公共の施設や公共的な政策に対して、それぞれの地域が意見を持っていますから、それを県に調整していただきたいと思います。県は、その中へ入ると県が責任を持たなければいけなくなると言われますが、別に県に責任を持ってくれと言いませんから、そういった取りまとめ、主催、そのようなことを積極的にやっていただかないと、なかなか前へ進んでいきませんので、それをお願いしておきたいと思います。

 新しい豊かさの応援ということでございますが、この前の震災、福島の原発事故、それに派生する浜岡原発の停止、玄海原発の問題など、いろいろな問題が出てきています。私は、これからは地域で発電して地域で使うという、送電ロスの少ない方向へ向かっていくと思います。知事の提案されている太陽光や風力といったものもありますが、それ以外の地域で発電するということもあるはずですし、我々もそれに取り組もうと考えています。それに関していろいろなご提案をさせていただきますので、ぜひともご尽力をいただきたい。一緒に考えていってほしいと思っています。

 また、今まで福祉は補助的な対象、支援する位置づけだったと思います。障害者自立支援法は少し問題ありますが、私は方向性としては問題ないと思います。障がい者が自立して、社会で堂々と生きていくことは、とても大切なことだと思っています。それに対して我々は支援をしていきたい。これは期待ですが、障がいのある子の働く場所をつくり、行政がそこに投資して、そこが自立して企業化すれば、それからの支援は要らなくなります。障がい者が自分たちで生計を立て、堂々と生きていける、そんなようなことを考えています。それについて、県のご支援、ご指導も賜りたいと思っています。そういうものを県政のビジョンとして取り組んでいただきたいと思います。

 教育ですが、文部科学省が、ゆとり教育に期待したり、もう駄目だと言って、また締め付けたり、そのようなことをしているから日本がおかしくなってくるのだと思います。全部とは言いませんが、今の青少年の問題行動は、そこに端を発している部分もあると思います。ですから、そのようなものに振り回されず、これからの三重県、これからの日本を担う人材を育成していくということであるならば、文部科学省に左右されない三重県独自のものが必要だと思います。

 東員町は今、公共交通としての路線バスがほとんど廃止になりました。コミュニティバスはどこでもそうだと思いますが、実態はほとんど空虚なものです。本当に必要な人が利用できないのが、コミュニティバスの実態です。ですから、本当に実態に合った新しい公共交通システムを考えていきたいと思っています。県に相談にしたら、公共交通の空白地帯であればいくらでも支援できるが、東員町は違うと言われました。私どもの地域だけでなく、どこでも交通の空白地域ばかりです。空白地でないところはありません。ですから、新しい公共交通システムの特区をつくりたいと言ったら、それは無理だと断られました。どうして無理なのかを一緒に考えていくのが県の仕事だと思います。一緒になって目線をもっと低くして、一番困っている人が何とか助かる方法を考えていくことが、行政の役割だと思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。

鈴木知事

 大変貴重なご意見をたくさんいただきましたので、是非とも今後の検討に反映していきたいと思います。せっかくそれぞれお話しいただきましたので、私からも少しお話しさせていただきます。

 まず、水谷桑名市長からいただいた課題についてです。確かに日本の指数で、生活満足度は34ヶ国中28位、ワークライフバランスは34ヶ国中32位で、幸せのいろいろな客観的な指標はいいかもしれないけれども、内面的な気持ちの部分などにおいて低い数字が出ています。実は、このOECDの調査以外でも、台湾や韓国、シンガポールなどにおいても、客観的指標は結構いい数字なのですが、内面的調査をすると、実は幸せ度が低いというような調査結果も出ている。そのようなところもありますので、それをどうやって克服していくのかということについて、いい指標をご提示いただきましたので、我々も研究していきたいと思っています。

 ものづくりについてですが、古くて新しい技術ということで、ものづくりプロジェクト、デュアルシステムの関係では農業で、日本の中でも先進的に取り組んでいただいている部分がたくさんありますので、そういうものを生かして企業を伸ばしながら、どんどんやっていければいいと考えています。

 カレーの件について、私は津のマックスバリュにカレーのPRに行ったのですが、地物一番のコーナーで相当売れています。カレーが2つに分かれていて、いつかき混ぜようかという楽しみもありますし、大変おいしいです。このように、アイディアをものづくりに生かすモデル事業をとおっしゃっていただきましたが、我々もモデル事業がいいのかどうか、いただいたご提案を踏まえて、今後の事業の中で考えていきたいと思います。

 観光については、子どもたちの遊ぶ場、子どもたちが楽しめる見学系の施設ということで、その一翼を担っていただいているのが、長島スパーランドになると思います。そのような部分もどんどんPRしていきたいと考えています。

 日沖いなべ市長からは、県民に認識されてない三重県の良さどうPRをしていくかということが非常に重要だとおっしゃっていただきました。私は三重県に住んでまだ4年ですが、なかなか見たことがないような、いいものがたくさんあります。私は鈴鹿市白子に住んでいますが、すごく大きなアサリやハマグリがその辺で獲れます。たくさんいいものがあり、それに気づいているのにPRしていないのか、あるいは気づいていないからPRできないのか、そこは現状をしっかりと分析していく必要があると思いますが、まさしくおっしゃるとおりだと思います。今回のビジョンの中でも、今ある力を発揮するというところで、具体として、市長がおっしゃったことも取り入れていければいいと考えています。

 それから、県の統一規格でなく、それぞれの地域独自の指標というか考え方でやってほしいというご意見がありました。これは、木曽岬町長がおっしゃったことにも通じます。三重県だけに限らず、他府県の知事からお話をお聞きしても、多様性を生かす一方で、まだ結果平等を求める地域運営の名残が残っている。つまり、「なぜ向こうがしたのに、こちらはないのか。」ということです。現在はまだそういうものとの間にあるような気がしますが、時代は多様性の方でしっかりいくというようにもうなってきています。最低限必要なものを保障するのはもちろんですが、もっともっとシフトしていくためには、多様性と結果平等の間で板挟みにならないようにしながら、最低限はしっかり保障するが、やっぱり三重県は多様性を求めて進めていくことが大切だと改めて思いました。このビジョンの中では、そのようにしたいと思います。別に結果平等を求められると困るわけではありません。日本全国全体でそのようなことがあるということです。

 今ある力という点では、県の理論で指標を作るのではなく、しくみの中でどのような絶対的位置にあるのかを踏まえた指標づくりをしてほしいということで、ビジョンが改まると、それによって事業計画も改まることになりますから、そのような指標についても、いただいたご意見を踏まえてしっかり十分に検討していきたいと思っています。

 加藤木曽岬町長がおっしゃった点についてですが、まず、マイナス志向を取り除くことが非常に重要だと思っています。震災や、先ほど申し上げた肉牛のこともあります。まず、そのような不安を取り除いていくことが、幸せを実感する前段として大切なことだと改めて感じさせていただきました。

 日沖いなべ市長がおっしゃった自治会については、私が知事に就任する前の政策集等の中で、防災等で自治会と一緒に進めていくとか、いろいろな学びの場としていくといったことも書いていました。法律の位置づけがなく、支援の対象とするのはなかなか難しいと言われていますが、実態としては、自治会長はほとんどボランティアのように一所懸命に地域のために尽力いただいています。心ある者が集まってできるかもしれませんが、皆で関わっていこうということもあると思います。そのようなものを生かしていくというか、協力してもらわなければならないところですので、自治会に焦点をあてていきたいと思っています。

 加藤木曽岬町長からは、どんどん発信・PRしてほしいと、大変ありがたい期待のお言葉をいただきました。もちろん発信・PRをしていきたいと思います。町長がおっしゃった中で、本当にそうだなと思ったのは、ブランド化できるものはいいけども、ブランド化できないものが圧倒的に多いということです。ブランド化できるもののPRだけではなく、圧倒的多数のブランド化できていないものについても、あらゆる場面で発信・PRをしてほしいというご意見をいただきました。本当におっしゃるとおりだと思います。そういうものを発信・PRしていくしくみはどのようなものかということも、今回のビジョンの中でしっかり考えていきたいと思います。

 水谷東員町長からは、今までの縦割りではなく、連携で新しいものを生み出していくことが大切だとおっしゃっていただきました。私自身も、経済産業省の職員時代に、農商工連携を言い出した時には、農水省から「なんだ、それは。」とか文句を言われたりしましたが、その中で新しいものも生まれてきたと思っています。おっしゃっていただいた農業と福祉の連携などを就労支援と重ねて、例えば、福祉と一緒に水耕栽培をしている例もたくさんあります。そのような新しい連携について、「一つの枠組みでは読み込めないからできません。」と県や行政が言ったりするのではなく、どうすればできるかということを、町長からもご提案いただけるということですので、一緒になって考え、応えられるように頑張っていきたいと思っています。

 地域の発電については送電ロスの少ない形がよいとおっしゃっていただきました。このような状況ですから、エネルギーを無駄にするわけにはいきません。現在では、かなりの送電ロスがありますので、送電ロスを少なくする形で、地域での発電を積極的に推進していきたいとおっしゃっていただきました。そういうことを一緒に考えて欲しいということでしたので、我々も考えていきたいと思っています。

 人材育成のための独自の教育方針についてですが、昨日も鈴鹿高校へ行ってそのような教育の話をしてきました。単に文部科学省を追いかけていては、良い人材を創っていくことは難しいと思います。県では、4月からの新しい教育ビジョンを定めたものの、それが本当に日本を、三重県を支える人材育成につながるビジョンなのかということを、虚心坦懐で見つめ直して、改めてつくっていきたいと考えています。教育を受けたくても受けられない人たちもいらっしゃいますし、人づくりの中でいろいろ困難な条件もあると思いますので、それらの点等も、さきほど町長がおっしゃっていただいたように、目線を低くし、一番困っている人がなんとか生きていけるような支援、いろいろな観点での人材育成、人づくりを考えていきたいと思います。骨子よりも内容だと思っています。

 公共交通システムについては、これまで国土交通省では、広域幹線につながる交通等に関する事業が主でしたが、最近はデマンド交通や、市町村が実施している取組に対して支援をしていくというように、少しずつ新しい事業を考えてきているようです。県も今までと全く同じ考え方ではいけないと思います。地域の実態をよく踏まえていくべきだと思います。私が特区の担当をしている時、徳島県上勝町が全国で最初に特区による取組を行いたいということで、道路舗装の規制緩和について、このようにしたらよいのではないかということを、町長や町役場の皆さんと一緒に考えたことがあります。どのように規制緩和を広げていくのかという検討は、国土交通省の考え方では非常に難しいですが、一緒に考えていけると思います。

(2)地域で選定する議題 「防災対策の強化について」

水谷東員町長

 防災体制の強化として、1つは地域防災計画の見直しを早くしていただきたい。それから、それぞれの地域が被災したときに、救援隊が入っていくルートをある程度明示をしておいていただきたい。当然被災地によって変わりますが、大まかなところだけは明示していただいておいた方が対応しやすくなりますので、お願いします。

 当町は自治会ごとに自主防災組織が100%組織されていますが、その組織のトップが自治会長であったり、自治会の役員がその会員であったり、形式的な場合が多いので、地域ごとにもう1回きちんと見直して、もっと実働部隊になれるように考えていかなければならないと思っています。

 また、防災コーディネーターを養成しなければならない。現在、東員町には3名いますが、何名養成するという目標を掲げて進めたい。災害ボランティアも増やしていきたい。これは県の養成講座を活用させていただきながら進めたいと思っています。

 東員町では、指定した避難所の耐震化は全部きちんとできていますが、バリアフリー化は一部できていませんので、進めていかないかなければなりません。また、避難所へ行く避難ルートを確実に設定し、確保していかなければならないということと、そのルートのバリアフリー化が非常に大きな課題になっています。避難ルートのバリアフリー化までしようとすると、相当な予算がかかると思っています。毎年できるだけ手当できるところはしますが、国にも要望していただいて、県である程度援助していただける形を取っていただけるとありがたいと思っています。

 郊外にスーパーなどいろいろな店舗があります。これから、その業者の皆さんと災害協定を結んで、災害時の物資の供給はもちろんですが、避難所としての指定もしていきたい。その駐車場や大企業の駐車場も物資や缶詰の配送等に活用させていただけるようなことを進めていこうと思っています。そのようないろいろな点について、ご支援、助成もいただきたいと思っています。

加藤木曽岬町長

 防災については、木曽岬町は全町が海抜マイナス・ゼロメートル地帯で、高いところはございません。それだけに住民の人たちは、どこへ避難するかということで、非常に心配しています。昨日、知事にお越しいただいたときに、現場を回って見ていただいたとおりでございます。

 三重県内の各自治体が防災計画を見直す中で、それぞれ問題を抱えているとは思いますが、私どもの町は海抜マイナス・ゼロメートル地帯で、しかも地盤が弱く、液状化が心配される中で、高い所が確保できない町でございます。いわゆる箱物行政は優先度が低い時代になったと感じていますが、今回の大震災を目の当たりにし、いわゆる三連動の地震、あるいは津波を想定した時に、なんとしても、1年でも一時でも早く高い所を確保し、早急に避難所の建設に入りたいと思っています。公共施設としては、東部地区に津波センターがございますが、ここも限られています。それぞれの地域に、避難所の機能を併せ持った施設を考えたいと思っています。いずれにしても財源が限られておりますので、なんとか三重県においても独自の支援策を考えていただきたいということを、まずお願いしておきたいと思います。

 国も県も災害想定、地域防災計画の策定を急いでいただいていますが、いち早く示していただきたいと思っています。私どもは、そういう会議に全面的に関わって、町としてのしっかりとした考え方をお示しすることができないので、非常に苦慮しています。今、どうしてもしなければならない、待っておれないことで、今できることを担当部局に指示して、一つひとつ進めているところですが、民間の企業に協力願って、高い建物を持っておられるところにご協力いただいて、協定を結ばせていただく準備をしており、こういうご協力を願って進めています。

 そのような中で、今後、町として取り組んでいく方法もいろいろとあるわけでございます。しかし、今回の東日本大震災の時もそうですし、新潟中越地震の時も阪神淡路大震災の時もそうですが、災害が起きた時に、最も激震のところが、助けや協力を求める手立てがない。発信できない。あるいは、分かっていてもその地域からの情報を取ることができない。つまり、過去の教訓が生かされていないことが、今回の東日本大震災で明らかになったと思っています。

 プライベートで南三陸町の災害ボランティアセンターへ出向き、いろいろとお手伝いさせていただきながら、その合間にいろいろなところへ行かせていただきました。やはりどこでお聞きしても、一番激震の地域に入ってきていただくのに非常に時間がかかったということです。テレビや新聞の報道で知る限り、例えば大槌町、南三陸町、石巻市あたりのお話を聞くと、自衛隊も含め、国の機関がその町へ入るのは非常に遅かったようです。ですから、何よりも早く情報、通信を確保することが大事だと思います。そして、防災行政無線が必要であると非常に強く感じています。お陰様で整備しておりますが、もう更新の時期が来ています。一番大きな差し迫った課題としては、新設する時には国の補助がいただけるが、更新については補助がないということです。私どもの町としては、箱物にしても行政無線にしても、待ったなしの問題です。この点等の整備、更新について、三重県にご支援いただきたいと思います。また、国にもお力添えいただきたいと思っています。

 国土交通省でも、いろいろと整備を進めていただいていますが、昨日、沿岸整備の専門家に見ていただきましたところ、いかにも心細く、安心を持っていただくのは非常に難しいということでしたので、県としても残る区間の堤防の補強をお願いしたい。それから、特に樋門・樋管あたりが非常に心配になります。東北地方においても、いくら堤防が低くても、樋門・樋管がないところはそれほど強い影響を受けていません。ところが、樋管や樋門があるなど形が違うところが決壊、あるいは崩壊しています。木曽岬町の堤防も非常に高くしていただいて、しっかりとした堤防を造っていただきましたが、いろいろなことが起こり得ます。三重県も一緒になって、国の関係機関等にお力添えをいただくようにお願いしたいと思っています。

 防災についてはお願いしたいことや、実施していただきたいことが多くあるわけですが、今回、被災地の状況を見て、伊勢湾台風の被害を思い出しました。伊勢湾岸の名古屋港や四日市港、木曽川河口部等の海抜マイナス地帯で地盤が弱い。そして、何より心配されるのは、危険な部分が点在していることです。ここは中部のものづくりの大きな基盤になっている地帯でございます。同時に、非常に危険なものが点在しています。コンビナート、ガス、貨物コンテナ、自動車がいっぱいあります。今回のような震災が伊勢湾で起こることを想定すると、非常に心配でございます。

 今回のような大震災への対応に向けて、防災の基地も当然あって然るべきだと思っています。県も、愛知県、名古屋港、四日市港などと連携し、国の機関に強く働きかけていただきたい。まさに必要であると思います。聞くところによると、海上保安庁にはそのような構想、計画があるようですが、それぞれの省庁ではなく、一体化した態勢の取れる防災基地があって然るべきだと思います。しかもこの地域は海抜がマイナスで、軟弱地盤の液状化が心配されるところですから、陸路だけではなく、海上からすぐ入れるような形も当然あって然るべきだと思います。このように、広域の県が市町と一緒に席を並べていただいている機会に、私から一つ提案をさせていただきたいと思います。

 それぞれの自治体独自の要望は、個々にお願いできる機会もございますが、今回の震災を教訓に、住民の皆さんに安心できる説明ができるようにしたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

日沖いなべ市長

 いなべ市は、藤原岳の大貝戸、坂本地区という土石流現場を抱えております。6月12日には、県と国土交通省と一緒に大規模な防災訓練をさせていただきました。本当にご協力ありがとうございました。県がいち早く砂防堰堤を築いていただいたために、一人の犠牲も出ておりません。県の砂防事業が人命を守っていると思っており、そういうPRもさせていただいておりますので、またよろしくお願いしたいと思います。

 東日本大震災の関係で、いなべ市は岩手県大船渡市を応援させていただいていますが、その際に感じたのは、やはり、本音で「助けてください。」と言える関係を、日頃から築いておく必要があるということです。これは首長レベルの問題でもありますし、市民レベルでも要ると思います。

 国道421号石榑(いしぐれ)トンネルができたのを契機に、滋賀県東近江市と、災害も含めて総合協定を結んでいますが、結んでいるだけでは、そのような関係は築けません。県ともそうですし、国土交通省とも同じと思いますが、やはり日頃の関係、日頃の絆が大事です。先ほど申しました自治会も一緒だと思います。

 浦安市長にお聞きしたのですが、浦安市は液状化で大変なことになっています。しかし、旧市街地の自治会組織がしっかりしているところは、応援体制、相互援助関係が生まれているということです。ところが、新興マンションの管理組合は財産管理で結びついている組合ですので、災害時のお互いの協力が全くなく、全て行政がやらなければならない。やはり、日頃のおつき合い、日頃の関係づくりが防災には必要だと痛感いたしましたので、コミュニティの再生は事業の中で要ると思います。

 ハード事業について2,3点お願いがあります。員弁川もそうですが、二級河川の河床が上がって天井川になっており、河床に堆積している土砂を撤去していただく必要があるのですが、予算の関係上、どうしても後回しにならざるを得ない状況があります。

 もう1点。河川を長らく放置しておりますと樹木が大きくなってきています。そうしますと、大災害の時に樹木が流れ出して橋の橋脚に引っかかるのです。それがダムになって、橋もろとも大きな崩落につながりますので、河川の樹木はできる限り早く撤去する必要があります。しかし、これも単費になってしまいますので、そのあたりの工夫が必要です。

 地元の方が切って燃やすと言ってくれていますが、県管理ですので適切に処理してください、という話です。ですから、もう少し規制緩和して、スムーズに処理できるようにするか、有価物として買っていただくか、予算をつけていただいて撤去するか、いずれかしかないですよね。ですから、もう少し中間の落としどころとして、欲しいと言われる方に、この手順であればどうぞ取ってください、というような制度をつくっていただけるのであれば、予算もかからずに河床が下がるケースもありますので、そのような工夫も含めてお願したいと思いますので、よろしくお願いします。

水谷桑名市長

 桑名市においても、木曽岬町長がおっしゃったように、海抜ゼロメートル地帯ということで、高潮堤防補強とか、低地排水にしっかり取り組んでいただきまして、随分としっかりしたものになっています。平成20年度から堤防耐震化対策に着手していただいており、感謝します。

 東日本大震災から様々な課題が出てきたと思いますが、私が現地に伺って一番感じたことは、想定にとらわれすぎた防災が被害を拡大したということでございます。防災に対する意識を変えていかなければならない時期が来ていますが、本当に必要であると痛感しています。

 木曽岬町長がおっしゃっていましたが、広域に海抜ゼロメートル地帯がありますので、広域的な連携体制を考えていただき、愛知県等との連携をしっかり進めていただきたいと思っています。それと、地域特性がありますので、いろいろな想定をして、防災計画の見直しにもご支援をいただきたいと思っています。

 災害時要援護者に対する自立支援をいただけるということで、個別支援計画を作成して、情報伝達、避難誘導、安否確認が必要になってきますが、要援護者台帳システムの導入についてもご支援いただきたいと思っています。

 災害に関する情報を迅速かつ正確に伝えることは非常に大切なことだと感じています。本年4月からNTTドコモのエリアメールによって、市民や観光客に情報発信するシステムを稼動させました。これはドコモ以外の携帯電話への伝達方法がないということですので、その点が非常に不安です。長島地域においては、情報無線を整備していますが、桑名地域に同じようなものを整備するには、多大な経費を要しますので、まだ整備できておりません。ぜひご支援をいただきながら、新たな地域防災情報の伝達システムを整備したいと思っています。

鈴木知事

 防災対策の関係について、各市長、町長からご意見をいただきましたので、お答えをさせていただきますとともに、お配りした資料を簡単に説明させていただきます。

 大きく言いますと、2段階に分けて進めていきたいと考えています。本年9月までに策定する「緊急地震対策行動計画」、24年度中に策定する「新地震対策行動計画」という形で進めたいと思います。

 それぞれの内容についてですが、「緊急地震対策行動計画」は、簡単に言うと、津波避難、住宅の耐震、防災教育等の方向を示すこととしています。

 東日本大震災の教訓があります。自助や共助をどう確保するか。公助だけでは対応できないので、自助、共助をどう支援するかということがポイントになってくるという観点から、緊急地震対策行動計画については、県独自の津波浸水予測調査と、県内避難所の避難路の総点検をしたうえで、それをどう直していくのか、避難経路については、地域のことは地域の住民が一番よくご存知であるということから、県民の皆さんと一緒になって避難経路を点検していただくなど、そのような取組も進めていきたいと思っていますし、市町が行う地域における津波避難計画づくりや避難訓練の実施の支援を取り込んでいくこととしています。

 市町が実施する津波避難施設、避難路などの津波避難対策に対して、地域減災対策推進事業として支援を行っています。この地域減災対策推進事業については、後ほど少しご説明しますが、補正予算を確保して、既に枠付をしていますので、各市町で執行にあたっていただけると思います。一方で、その中身が少し足りない、もっとしたいことがあるといったご要望もたくさんいただいていますので、9月以降の補正予算でそれに対応できるかどうか、再度吟味、精査したいと考えています。それが確保できた時、住宅等の耐震化、防災教育等にも力を入れたい。これが緊急地震対策行動計画です。

 「新地震対策行動計画」につきましては、現在、国の中央防災会議などで国の被害想定等が議論されていますので、それらを踏まえて中長期のものを作っていきたいと考えています。この新地震対策行動計画では、今申し上げた緊急地震対策行動計画に盛り込んでいるものに加えて、医療救護、帰宅困難者対策、社会基盤整備等も含めてトータルのものにしていきたいと考えています。

 「地域防災計画の見直しについて」ですが、今申し上げた2つの計画の上位になる地域防災計画災害救助法に基づく地域防災計画の見直しについては、国において専門調査会が設置され、本年秋頃に最終とりまとめが行われます。中央防災会議の国の防災基本計画の見直しがありますので、それを踏まえた形にしたいと考えています。

 総務省消防庁の動向ですが、「地域防災計画における地震・津波対策の充実・強化に関する検討会」を6月に発足させ、本年秋ごろに報告書を取りまとめる予定となっていますので、これも踏まえた形にしたいと思います。実際の広域の緊急消防援助対応で、どこの県が来てくれるか、そのようなことについては、総務省消防庁が作る応急活動要領に拠るものでありますので、内閣府の中央防災会議の動向のみならず、消防庁の具体的な中身についても重視していきたいと考えています。

 本県においては、年内を目標に見直し項目の検討、課題の抽出を行って修正案を作り、県の防災会議においてご審議いただきたいと考えています。これが県の動向です。

 地域における減災事業の関係ですが、今回の6月補正予算でトータル2億8,700万円の予算をつけました。しかし、市町が造る津波タワー、民間のビルの外付け階段、高台への避難指示、避難路の拡幅、避難路の階段の手すり、避難誘導標識、市町で作っていただく津波避難計画、衛星携帯電話の整備、避難所に置く資機材、発電機や簡易トイレ、粉ミルク、そのような整備を市町が行う場合に県が2分の1支援ことに対するご要望が多数あり、少し足りない状況ですので、今後精査・吟味していきたいと考えています。

 水谷東員町長がおっしゃった、地域防災計画の早期の見通しは、今申し上げたスケジュールで行います。応援隊が入るルートの明示については、県が実施している図上訓練の中では、東員町の場合、東名阪自動車道を経由して国道421号を通って行くルートが考えられますが、本当にそれで良いのかどうか、さらに具体化し、共有していくことが大切だと思います。いろいろな計画の見直しも踏まえ、図上訓練等の実績なども踏まえて、いろいろと相談させていただきたいと思っています。

 自主防災組織について、町でしっかり進めていただくということで、大変心強いところです。我々も県内の約3,600の自主防災組織の実態調査をさせていただき、その結果に基づいて、どのような支援を市町と一緒にしていくのか考えているところです。それについても相談させていただきながら、進めていきたいと思っています。

 防災コーディネーターについてですが、今年度は、津市と熊野市で「みえ防災コーディネーター育成講座」を実施し、200名近くの方に受講していただきました。来年度も引き続き育成講座を実施していきますので、ぜひ活用していただけるとありがたいと思います。

 避難所のバリアフリー化は、地域減災事業の対象外になっています。避難所のバリアフリー化を全部入れると相当な額になりますので、どういう方法が良いのか、その地域の実態に応じた進め方を相談させていただきたいと思っています。現在、対象外となっているのは事実ですので、ご意見を聴かせていただきながら研究していきたいと考えています。

 加藤木曽岬町長がおっしゃった情報通信の途絶についてですが、私が4月に宮城県に行かせていただき、村井宮城県知事と話をさせていただいた時に、一番困ったのは何ですかと聞いたところ、情報の途絶と電気が無くなることの2つだとおっしゃっておられました。宮城県内には35の市町村がありますが、市町村長と連絡を取るのに3日かかったということです。72時間かけて、やっと全員と連絡が取れた。つまり、72時間も首長と連絡が取れない大変厳しい状況になりますので、我々も衛星電話をはじめ、情報通信の確保について進めています。

 木曽岬町は海抜の低いところばかりです。昨日も見させていただきましたが、堤防がひび割れているなど、非常に大変な状況を目の当たりにしました。高台があるところはそこへ走って逃げれば良いのですが、どうやって走って逃げてもらうかということを考えています。高台がないところは、地域の実情に合わせて一緒に検討させていただきたいと思っています。

 陸路だけでなく海からの支援というお話を町長からいただきました。鳥羽海上保安部に「いすず」という船があるのですが、3月12日の朝、海上から最初に駆けつけたのが「いすず」なのです。鳥羽海上保安部の「いすず」が石巻市に行き、60人の幼稚園児たちを海から救って、船に乗せて避難させたという事実がありました。一昨日も昨日も鳥羽海上保安部の本部長とお話をさせていただきました。海上保安庁の方々が宮城県や東北に応援に行かれていますが、「海のことだけでなく、陸でも支援したい。しかし、指令系統も全くないし、自分たちで行って助けるしかない。」ということで、非常に早く動いたとおっしゃっていました。では、第4管区海上保安部と我々は、どのような想定をすれば、海上保安庁の皆さんの力が最大限に発揮でき、全体の支援との整合性が取れ、重複がなく、混乱しないで済むのか、そのようなことも研究しましょうとお話させていただいております。その点についても、議論の進展に合わせていろいろ相談させていただきたいと思っています。

 避難する経路がないということについては、高速道路等に逃げていくことを考えなければならないし、東北では道路に逃げてうまくいったケースもあります。昨日見させていただいたように、高速道路に上がっていけるようにするにはどうしたらいいのか、国土交通省とも調整して、きちんと相談して考えていく課題だと思っています。

 日沖いなべ市長からは、本音を言い合える関係を日頃から作っておくことが大切だとおっしゃっていただきました。本当にそのとおりだと思います。いなべ市が支援していただいている大船渡市も大変だったと伺っております。東日本大震災の教訓を踏まえ、本音を言い合える関係を、私たち県と市町も作っていけるように、意思疎通が大切だと思います。そのことを我々もしっかりと意識していかなければいけないと思っています。

 河川の件ですが、今の規制では、なかなか難しい部分があるのは事実です。現状は、市町から要望があって、県の建設事務所が現地で対応している状況です。法令や指針などで難しい部分があるほか、料金等いろいろな条件があり、慎重な検討が必要な部分もありますが、そう言っていられない部分もたくさんあります。研究を進めるにあたって、いろいろご意見をいただきたいと思っています。

 水谷桑名市長からは、想定にとらわれ過ぎない防災、地域特性を考慮した避難場所や経路の総点検等のご意見をたくさんいただきました。県域を越えた連携態勢の構築については、中部圏知事会議に行った時に、大村愛知県知事と話をしましたが、具体的に話を進めていきたいと考えています。想定にとらわれ過ぎない防災ということでは、釜石市の例があります。防災ノートを作って全ての学校に配布し、親子が一緒に考えて、どのように逃げるかを書いてもらう。学校でも、どのように逃げるかをみんなで一緒に考えて書いてもらう。そのような取組を今進めています。本年6月に教育委員会に学校防災緊急対策プロジェクトというのを立ち上げ、その中で検討しています。

 学校関係で、東日本大震災で悲惨な事例がありました。避難勧告や警報が出て、子どもたちを家に帰してしまったばかりに、その子どもたちが亡くなってしまい、学校の先生が非常に後悔したという事例です。子どもが学校にいる時間に地震が起こった場合など、東日本大震災の教訓を踏まえた防災の指針を、遅くとも年内には、教育委員会に設置した学校防災緊急対策プロジェクトを中心に考えていきたい、まとめていきたいと思います。もちろん小学校、中学校については、市町にお世話にならないといけませんので、ぜひお力をお借りして、一緒になって学校においても安全を図れるようなものにさせていただきたいと考えています。

加藤木曽岬町長

 今回の震災の発生後の自衛隊の対応を、知事はどう思いましたか。東松島市に航空基地があります。そこのブルーインパルスが、地震でつぶれたのならともかく、津波に襲われて被害を受けましたが、これについてどのようにお考えでしょうか。

鈴木知事

 自衛隊の活動の評価ということですね。久居の33連隊から被災地に実際に行っていただいた方々にお話を聞きましたが、指揮命令系統がしっかりしておらず、指示が出ないばかりに、遺体の捜索ばかりやっていて、本当に助かる命も助けられない場合があり、悔しい思いをたくさんされたということも聞いています。自衛隊の方々も含め、どのような指揮命令系統ですればいいのかということを相談させていただいているところです。

加藤木曽岬町長

 ブルーインパルスは緊急発進できます。どのような指揮命令系統になっているかは知りませんが、あまりにも情けないです。なぜかと言いますと、伊勢湾台風の時に、翌朝、自衛隊のヘリコプターが来て、隣の愛知県に物資を落としてくれました。木曽岬村の人は、物資を落としてくれたので喜んで駆け寄ったそうです。しかし、愛知県の人は、これは私達がもらった物資だと言われたそうです。だから、情報通信が大切だと思うのです。そこをきちんとしていただいて、初動体制を早くとっていただきたいと思います。

(3)地域で選定する議題 「産業振興について」

水谷桑名市長

 桑員地域は、産業振興が非常に進んでおり、さらに、ポテンシャルが高い地域ということで、企業誘致についての意見でございます。私どもも頑張りますけど、知事も支援をさらに強めていただきたいと思いますし、立地奨励制度の拡充にも踏み込んでいただきたいと思っています。

 広域観光についてです。歴史・伝統・文化が連携した観光交流の創出・振興の可能性があるまちです。我々も一生懸命やってまいりますので、県全体の観光について、市町と協力して、推進・PRに取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それから、遷宮に向けてキャンペーンをしていらっしゃいますが、桑名は伊勢参りの一番の入り口ですので、しっかりと入口としてのアピールをしていきたいと思います。県からも、順番につないでいくような、おかげ参りツアーみたいなお話がありますけども、これを具体的にしたいと思います。

日沖いなべ市長

 いなべ市は、今まで、輸出企業の誘致に力を入れてきました。現在も、できる限り市がリスクを負って企業誘致を進めています。これはそのまま気を緩めずに進めていきたいと思っていますし、幹線道路も整備されつつあり、チャンスだと思っています。しかし、輸出企業だけでは全体として心もとない状況になってまいりましたので、市としては内需型の企業の振興も合わせて、力を入れていかなければいけないと思っています。

 いなべ市には、太平洋セメントの藤原工場があります。ここではセメントを作っていますが、実際は廃棄物を大量に処理していただいています。このような静脈産業についても、安全な環境対策を見ていただき、住民を説得しながら、できる限りリサイクルを構築できる企業の誘致をしていきたいと思っています。

 農業についても、実際に企業が積極的にうまく入る地区がございます。しかし、農地法の関係で農地の所有ができません。ですから、できる限り農地を所有できるように、法改正も含めて情報を知りたいと思っています。魅力ある企業が農業分野に入っていただけるような環境を整え、誘致していきたいと思っていますし、観光と農業を一緒にしたような企業も誘致しています。

 しかし、大きな問題となるのが獣害です。サル、イノシシ、シカが非常に多くなってきており、頭数を減らさざるを得ない状況です。シカは里に住み着いており、頭数を減らすしかありませんが、銃規制が強化されているほか、猟友会が高齢化しており、撃つ方が少なくなっているという二重苦になっています。ですから、農業組合の方に積極的に入っていただきたいとお誘いしているところです。サル、イノシシ、シカの害も考慮に入れた銃規制をお願いしていきたいと思っています。

加藤木曽岬町長

 木曽岬町の基幹産業は農林水産業であり、三重県有数の産地として謳歌した時代が続きましたが、長引く不況、燃料や資材の高騰などによって、非常に厳しい時代となっています。私もつい先日まで専業農家でした。一所懸命頑張ってきましたが、それにも関わらず、農家の人たちは農地を手放すという、考えられないような事態が起きています。このような実態を何とかしたいと思っていますが、農産物は非常に厳しい状況が続いています。そのような中で、新しい農業を開発したり、得意の農産物を付加価値の高いものに高めたり、六次産業化したり、そのような取組をしてきたいと考えています。知事がおっしゃった農商工連携で、これから新たな取組をしていっていただきたいと思います。現在、農家の人たちと、いろいろな提案をさせていただきながら、取組を行っています。

 そのような厳しい中でも、町内には、自社で開発したフライパンが非常に注目を集め、自慢できる企業もございます。また、食品スーパーが立地していただいたことによって、外から木曽岬町に一日千人単位で足を運んでいただくことが話題になっています。県の企業立地室の方にご指導いただいて、新しい立地を考えていきたいと思っています。

 また木曽岬干拓地の話かということになってしまうかもしれませんが、30年40年来の悲願でありました木曽岬干拓が、ようやく見えてきている中で、まだまだ具体的なものが示されてこないということで、私どもとしては非常に焦りを感じています。皆さんの気持ちがもたないという思いがしています。特に現在は、日本が国策として防災やエネルギー問題等に取り組んでいかなければいけない時です。防災関連の企業にしても、電気関係にしても、私共としては非常に関心を持っています。私の就任直後から、太陽光発電の設置といったエネルギー産業の集積を、木曽岬干拓に計っていただきたいという提案をしてまいりました。昨日も知事に直接申し上げたところです。政治的な判断があると思いますが、昨日、菅総理が長野県で講演されている中で、エネルギー産業は農林水産省でとおっしゃられたと聞きました。農林水産省でも経済産業省でも、私共としては構いませんので、このような国難の時こそ、そのような省庁の壁を乗り越えていただく時ではないかと思います。鹿野農林水産大臣は、桑名や木曽岬に非常にご縁のある方で、実情をよくお分かりになっていますので、直接知事が、その点を本人にぶつけていただいきたいと思います。方向転換するチャンスですので、ぜひお願いしておきたいと思います。そして、そのような産業集積を新たな起爆剤にして、町の財政基盤の安定を図りたいと思っていますので、ぜひお願いしておきたいと思います。

水谷東員町長

 私の政策の中に、一つだけ中長期のものがあります。それは東員町の顔を作りたいということです。東員町には中心市街地がありませんので、そういうものを作りたいと考えています。町外資本の大きな大型スーパーがどんどん入ってきていることについては、競争原理が働いて消費者にとって良いと思いますが、車がないと行けません。これから急激に高齢化しますが、高齢者のニーズに応えられなのです。全国に600万人いると言われる買い物弱者に目線を合わせれば、それではいけないと思います。誰でも使える便利でコンパクトな市街地を提供できたらよいと思っています。

 もちろん商農連携も考えています。具体的には、観光農業についての問い合わせが一つあって、そういう誘致もしてきたいと思います。農業、加工、販売、それから管理農業、そのようなものを作り出し、連携をとっていきたいと考えています。これからの政策に対応できるものを作り出せる企業が東員町内にあります。その中で対応できるものはできるだけ対応します。ですからその前に、当然新しい誘致もあるでしょうし、作っていただけるものはできるだけ町内に作っていただく方針で、そういうものについては、当面、町も入って育てながら作っていきたいと思っています。

 そこで非常に大きなネックになるのが、東員町の顔を作りたいところが農業振興地、農業用地であるということです。これを外していかなければならないし、非常に厳しい状況があると思います。しかし、これは町の大きな目標の一つです。外に向けた東員町の顔を作っていくわけですから、規制緩和していただき、そして国にも胸を開いていただいて協力していただきたい。もちろん、自分のところで描きたいと思っていますので、それに対する注文は付けていただいても結構ですが、できるだけ規制を緩和していただいて、地域の要望を吸い上げていただきたい。何でもかんでも東京方式というのは、これからは絶対に避けるべきです。地域のことは地域でやるべきです。そのためには、その中心となるものを作っていかなければだめだと思っています。ぜひとも若い知事の気力と体力と発想で、国の対応をよろしくお願いしたいと思います。

鈴木知事

 水谷桑名市長がおっしゃった企業立地の関係は、企業立地促進法の基本計画が、桑員地域の2市2町でできていません。今年度中に何とか策定して、企業立地に向けた取組を進めていきたいと考えています。企業誘致に関するトップセールスについては、桑名の工業団地のお話をお伺いしましたので、いろいろな形で企業誘致を進めていきたいと思っています。立地奨励制度の拡充などについては、22年度には環境・エネルギーについて増やすなど、随時やってきていますが、もっと先を見て、これから産業戦略をどうすべきか考えなければならないと思っています。日沖いなべ市長のおっしゃった件にも関係しますが、その中で、どういう産業の集積を図れば良いかという観点から、立地奨励制度の見直しを検討したいと思います。また、ご相談させていただきたいと思っています。

 広域の観光については、市の立場の話、それから、おかげ参りツアーについてお話がありました。具体的に遷宮に向けてのご提案もいただきました。平成25年の遷宮は、三重県にとって最大のチャンスであると思います。しかし、ポスト遷宮をどうするかを考えないと、上海万博のように終わってしまいます。先日、奈良県知事は、ポスト遷都ということで、万葉集あるいは日本書紀、古事記、そういうもので大きいプロジェクトを立ち上げるということをおっしゃっていました。三重県では、26年の「美(うま)し国おこし・三重」の集大成と、ポスト遷宮が時期的に重なりますので、その後の活動も踏まえて、遷宮のキャンペーンをしたいと思っています。その中に、市長のご提案をどのように盛り込んでいけば良いか、具体的に考えていきたいと思っています。

 日沖いなべ市長からは、輸出産業だけに頼っていてはいけないというお話がございました。まさにおっしゃるとおりです。インフレの時は供給よりも需要が多いから、インフレの経済になっていくわけで、今のデフレは需要よりも供給が多いわけですから、需要をいかに増やすかが大事です。その基盤となる産業をどう攻めていくのか、どのような経済基盤にしていくかが大切です。私も毎日のようにその話をしています。市長からおっしゃっていただいたような、内需型の産業、リサイクルあるいは農業や植物工場、そのようなことも含めた内需型の産業の誘致に力を入れることは、私も方向性を同じくしています。先ほどの立地奨励金の話は県も一緒に頑張りますが、市なり町で進めていただく内需型の産業の誘致などをどう支援していけるかということも、具体的に考えていきたいと思います。

 獣害の件については、最近、県庁の食堂で、豆腐の鹿肉巻きと、鹿肉のトマトスープを食べました。三重県全体でのサルの農業被害額が全国2位、シカの農業被害が全国6位ということで、非常に獣害に苦労しているところであります。ですから、これまでも獣害に強い集落づくりや狩猟期間の延長、規制緩和などに取り組んでまいりましたし、獣害で捕獲した鳥獣を活かすようなことも、少しずつ進めているところです。

 市長からのご提案のありました猟銃の免許などについては、公安委員会の所管です。銃刀法の関係では、海外の大学で銃を連射する事件があったりして、そのようなことに対する不安感がありますので、慎重な対応が必要だと思いますが、規制緩和という手法以外で、今おっしゃっていただいた猟友会の高齢化や、射撃練習場の問題などについては、警察と一緒になって相談していかなければいけないと思っています。また、猟銃の免許を持っていることにより、免許の更新や訓練等でいろいろな経費がかかりますので、その経費の支援も含めて考えていかなければならないところもあるし、大変なことも多々ありますので、それを進めていきたいと考えています。

 加藤木曽岬町長がおった特産品のブランド化、農商工連携、企業誘致、産業振興については、今申し上げたことを含めて、町長がおっしゃっていただいたように、ブランド化されてない良いものをどう支援していくかという視点で、策を検討したいと思います。

 木曽岬干拓地については、昨日もお伺いさせていただいて、町長にも聞いていただきました。私も見てそう思いましたが、東に愛知県のドル箱の港があり、西にはナガシマスパーランドをはじめとした大リゾートがある。その間が、草が生えた地域になっている違和感ですね。町長も焦りを感じているとおっしゃいましたが、私も昨日のぶら下がり記者会見で、焦燥感という言葉を使わせていただきました。このままで良いということは、絶対ないと思いました。一方で、愛知県、農林水産省等関係者が多いということもあります。今後どうしていくか、新しい歩みを進めていかなければならないという思いに至りました。今後、時間も限られていますから、いろいろ協議、相談、調整をさせていただきたいと思います。町長がおっしゃった先生方の意見も受け、これからしっかり取り組んでいきたいと思いますので、またご相談させていただきたいと思います。

 水谷東員町長、日沖いなべ市長がおっしゃった規制緩和についてです。経済産業省の職員時代に、私もメンバーに入って特区を発案しました。全国一律で規制緩和するには事情や事由が足りないので、地域にはこういう事実があって、こういうことをしたい人がいて、こういうことが障害になってくるから、ここだけ規制緩和する、具体的に事例を生んでいくことは規制緩和の大きな一歩だと思っています。日沖市長がおっしゃった件も含め、規制緩和を国に持っていくときには、こういう地域でこういうことをしていきたいけれど、具体的にこのようなことが、このように出てきた、という具体案の構想を、一緒に汗を出していただいて、国に働きかけを進めたいと考えています。

 町の顔を作るということは、中長期的に大切なことだと思います。我々がお教えさせていただけることがあれば、一緒になって考えていきたいと思っています。

 産業振興、防災関係についても、両市長、両町長がおっしゃったことの背景には、それぞれ具体的にこのようなことをしたい、ということがあると思います。時間の関係で、このようにご発言いただいていると思いますので、具体的な部分を一歩でも半歩でも前へ進めていくように、元気に調整や協議を進めさせていただきたいと思っています。

水谷桑名市長

 産業振興についてですが、保安林の解除が必要なのですが、これには5年くらいかかるということで、地域の住民も焦っています。

鈴木知事

 保安林解除については、林野庁に一緒になって働きかけていきたいと思います。5年は長い。通常でも2年、長くて3年ぐらいです。5年というのはあまりに長いと思いますので、一緒になって働きかけていきたいと思います。

日沖いなべ市長

 廃棄物の関係ですが、我が市には、プラスチックのリサイクル品が集められ、長年放置されている現場があります。結局は産業廃棄物になって、県が代執行をやっていただくしかなくなってしまい、多額のコストがかかってしまいます。担当の方も承知だと思いますが、自動車は有価物として集められ、野積みされています。なにも法規制がないのです。古タイヤも古紙もそうだと思います。そのような場合、有価物であっても、条例や法律を超えて何とかできないものかと思います。四日市の件は、多分担当課は知っておられたと思います。大きな課題にならない限り何もできない状況になってしまって、直訴せずにはいられなくなります。ですから、何とかしなければいけないと思っています。

鈴木知事

 法的な視点で言うと、結果として廃棄物になってしまったものの処理をどうするか、その物の認定という観点からも非常に難しいとは思いつつも、私も産業廃棄物の関係で相当苦労していますし、ちゃんとルールを守っている人がいらっしゃいますので、ルールを守らずにほったらかしということが認められることがあってはならないと思います。そういうことにならないためにも、何らかの措置を研究しなければならないと思っています。

水谷東員町長

 東員町は、知事の言う新しい豊かさという考え方に沿って、これから政策を進めていきます。その新しい豊かさがどんなものであるかという議論を進めていきたいと思います。

閉会

鈴木知事

 本日は長時間にわたりましてありがとうございました。ご発言いただく時間が大変短くて申し訳ありませんでした。

 先ほども申し上げましたが、本日おっしゃっていただいたことの背景には、それぞれ具体的な課題があったと思います。その具体的な課題が解決され、事業が前へ進んでいくことがなければ意味がないと思っています。うわべだけの会議は意味がないと思っています。

 両市町長には、せっかく長時間お時間をいただいたわけですから、そういうことのないようにしたいと思います。今日のご発言の裏にある具体的な考え方や事業について、私も含め、県の事務方もしっかりと協力させていただいて、一歩でも半歩でも前へ進めていけるように。これから努力をしてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

 

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