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県と市町の地域づくり連携・協働協議会

H23年度 県と市町の地域づくり連携・協働協議会トップ会議(津・伊賀地域)の 概要

 開催日時

平成23年8月8日(月) 14:30~17:30

開催場所

名張シティホテル 3階 天平・白鳳の間

出席者

市町:前葉津市長、亀井名張市長、内保伊賀市長

県  :鈴木知事、小林政策部長、植田総務部長、梶田政策部理事(地域支援担当)、鳥井伊賀県民センター所長、大西津県民センター所長

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知事あいさつ

 本日は、大変お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。「県と市町の地域づくり連携・協働協議会」のトップ会議ということで、3人の市長にお集まりいただきました。大変長時間、貴重なお時間をいただきますので、その分しっかりと有意義な議論をさせていただきたいと思っております。

 市町の皆さんとは、県政最大のパートナーとして対等な形でパートナーシップを組み、県民のため市民のために取組を進めていきたいと思っており、それは、変わらず一番大切なことだと思っております。その原点の下、このような会議においても有意義な議論をさせていただきたいと思っております。

 私が知事に就任して3ヶ月余りが経ちましたが、ここにいらっしゃる3人の市長におかれましては、既にたくさんのご協力をいただき、日頃よりお世話になっていることに対して、改めて感謝申し上げたいと思います。

 亀井名張市長におかれましては、三重県市長会の会長も務めていただき、たくさんの行事などでご一緒にさせていただいております。大変ご多忙の中、お時間をいただきましたことに感謝申し上げたいと思います。

 また、本日は前葉津市長と一緒に津市内を歩かせていただきましたが、クラボウ(倉敷紡績株式会社)やファナック株式会社等、企業誘致の面でも協力させていただいています。

 名張市では、4月に近畿大学工業高等専門学校が開校しました。伊賀市では、再開発ビル「ハイトピア」等が整備されるなど各地域で明るい話題が少しずつ出てきている一方、東日本大震災や今の経済状況の中では、県民の皆さんが閉塞感や不安を感じており、まだまだ厳しい状況です。ぜひスクラムを組んで県民の皆さんの不安感や閉塞感を払拭し、少しでも夢や希望を持っていただけるように一緒になって進めていただきたいと思います。

 本日は前半の議題で、本年度、策定予定の新しい県政ビジョンについてご意見を承る予定です。このビジョンも、閉塞感や不安感を打ち破って夢や希望を持てるものにしていきたいと思っておりますので、ぜひご指導をいただきたいと思っております。

 本日いただいたご意見は、新しい県政ビジョンに反映させていただきますとともに、できるものについては、いろいろな事業にどんどん取り入れていきたいと考えておりますので、なにとぞよろしくお願いします。

 本日は長時間になりますが、よろしくお願いします。

意見交換

(1)県から提案する議題 「新しい県政ビジョンの策定に向けて」

小林政策部長

 県の政策部長の小林と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 今朝の新聞に鈴木県政らしさがないと書かれておりましたが、今、県庁の中でもいろいろと議論しておりまして、より良い県政にしていきたい、そして、より鈴木英敬らしさを出していきたいと考えておりますので、忌憚のないご意見をいただきたいと思っております。

 今年度中に、概ね10年先を見越した長期の県政ビジョンを策定し、併せて4年間の実施計画も作っていきたいと考えております。9月に中間案、11月に最終案、そして2月に県議会に議案として提出し、3月に議決をお願いしたいと考えています。

 現状認識は6点ございますが、まず、東日本大震災によって加速したパラダイム転換、価値観の転換です。大きなことでは命が大切であるということと、最後には自分の命は自分で守ることの大切さ、人びとが一人で生きることの困難性、人が共に生きることの大切さ、社会に参画することの重要さ・大切さ、そのようなことがかなり大きく出てきたのではないかということです。そのような時代認識もしっかりと取り入れていきたいと考えております。

 2点目が人口構造の変化です。昨年の国勢調査では、三重県は初めて減少に転じました。29市町のうち20の市町で減少となっております。三重県が初めて迎えた状況でございますので、この人口構造の変化についても、きっちりと対応していく必要があると考えております。

 3点目は経済産業構造の変化です。これはリーマンショックの頃からでございますが、有識者の方々からも、産業構造が変わっていく時期に来ているのではないかというご意見をいただいています。産業につきましては、今回の東日本大震災を見ましても、水平分業をしていると、かなりの痛手を被ることがございますので、地域の中で完結・循環するような産業を育てていく必要があると認識しています。

 4点目の生活不安の広がりと格差の拡大については、これはセーフティネットの崩壊と再生だという方もいます。特に三重県は、過疎地域の人口減少が毎年大きく出ておりますので、そのような問題についても対応していく必要があると認識しております。

 5点目の絆につきましては、希薄化していると言われてきましたが、最近は社会に参画することの重要性が大きく取り上げられているところでございます。

 6点目は、国、地方のあり方と財政問題です。地方分権改革については、方向性としては間違っていないと思いますが、なかなか進んでいない状況です。財政については、東日本大震災の復旧・復興を考えると、この10年間はかなり厳しいものになってくると認識しております。

 それから、今、求められているものということでは、今ある力を一層発揮し活力ある社会を作っていくとしています。三重県を外から見ると、かなり良いものをたくさん持っている。“すごいやんか”と言えるものをたくさん持っています。そういうものの力をより一層発揮すれば、東日本大震災後のわが国を引っ張っていける力を持っているのではないかということで、今ある力を存分に発揮することを掲げております。

 「新しい豊かさについて考える」とは、経済的な部分についてだけではありません。今まで「協働」と呼んできましたが、もっと県民の皆さんと一緒になって、県民の皆さんのお力をいただいて一緒に進めていく「協創」という言葉を知事から言われました。「協創」の中で、みんなでやっていくことが決してバラ色の未来ではないと思いますが、一緒になってしていくこと自体が、新しい豊かさにつながっていくということで、この部分もキーワードにしていきたいと考えております。

 政策展開の方向性については、これまでの5本柱を、今回は「安全・安心」、「人や地域の問題」、「雇用と産業、経済」という3本の柱で整理していきたいと考えております。

 本日もいろいろなご意見をいただければありがたいと思っております。

 以上で、説明を終わらせていただきます。

前葉津市長

 今日はこのように貴重な意見交換の機会をつくっていただき、ありがとうございます。

 午前中、一対一対談で大門を歩いていただき、いつも“すごいやんか”と言われる知事に、三重のすごくない部分を見ていただきました。大門は、昔はすごかったのですが、今は全然すごくない。その中で“すごいやんか”ということを発見していただきながら、すごくない部分をどうしていくのか、これからの課題の一つの例として見ていただきました。

 私自身、20年間ずっと地方自治の業務に携わってきて、その後5年間、民間で地方自治体に融資する仕事をしてきました。ライフワークとして地方自治にずっと携わってきましたが、市長をさせていただいて3ヶ月経った今、県と市町村との関係について、より実感していることがあります。市長というのは、全面的に住民に対して責任を持つ仕事、それを直接受ける仕事をさせていただいておりますので、福祉、教育、水道、ごみ、防災、文化、スポーツ、観光、道路と、いろいろなことが非常にダイレクトに跳ね返ってくるということです。そのような意味で、津市長として、市民に対する非常に大きな責任を感じながら、市民生活をどうやって少しでも豊かにしていくのか、津市としてどのような行政サービスを供給していくのかということを非常に直接的に肌身で感じながら、毎日仕事をさせていただいています。そのようなダイナミックな時間を過ごしております。

 一方、私も県という組織に長く勤務しましたが、県は市町村を支援するとか、地域の振興を図るなど、支援や振興といったキーワードで語られることが多かった。それはそれとして、しっかりと役割を果たしてきたわけですが、市町村合併が進み、特に津市は10の市町村が一緒になり、従来の基礎的自治体としての役割を果たしながら、することが非常にダイナミックになってきており、県との役割分担が非常に微妙になってきている面があります。そのような中で、市町村のする仕事は、エリアが大きくなっても性質的にはあまり変わらないので、これまでと同様に、職員も一所懸命仕事をしていますが、市町村合併後、県の姿が変わったかというと、正直、あまり変わってないような気がします。例えば、津県民センターは津市だけをエリアとして所管をしており、いくつかの市町村の調整を図る仕事はしていらっしゃらないのです。そういう意味で、県庁の姿はまだまだ変わっていない。

 このような中、これから県政ビジョンで新しいパートナーシップを考えていただきますが、今までの支援する、振興する、補助金を配るという立場から、ぜひもう一歩進んで、新しい時代の県の役割を進めていただきたいというお願いと意見でございます。どういうことかと申しますと、これまで我々は、助成や補助のお願いに県庁へ行っていました。例えば3人の市長が競争して、よりアピール力のある施策、事業を三重県に提案して、うちの方を先に補助してください、うちの方にたくさん補助金をください、というお願いの行政をしてきました。15人の市長が、ほぼイーブンで横に並んでいるだけですので、亀井市長と闘って、亀井市長に後に回っていただくという話ではないのです。そうなると、市町同士が競争するよりも、県と市町相互にプラスに働くことをしなければいけない。我々が三重県に対して、遠慮しないでダイレクトに、こうしたい、ああしたいと提案していきますので、それに対して県は何ができるのかということです。このようなことをしようではないか、ということを待ちの姿勢でなく積極的にしていただきたいと思います。例えば、知事が“すごいやんか”と思われたことは、すごいとして応援していただきたいということです。それは市町の仕事だから三重県は遠慮した方が良いのではないのかと思わないでいただきたい。このような時代だと思っております。

 私も長く県庁におりましたが、県は、特に県の幹部職員は、だいたい、これは県の仕事ではない、あるいは、県はこういうことしかしない、こういうことは市町の仕事だという理屈をつけてしない。県はしない理屈づけが得意なのですが、今はそのようなことを言っている場合ではないでしょう。そのようなことを言っていたら、誰も県に頼っていきません。ですから、市町に遠慮なく、少なくとも津市には遠慮なく、気付かれたことや三重県民である津市民のためにこれをしようではないか、ということをどんどんしていただければ良いです。もし、それが津市民のためなら、私は、県がでしゃばってくる話ではないとは言いません。ぶつかれば話は別です。我々がしている方向と違う方向を県が言われた場合は協議しなければいけませんが、少なくとも津市民である三重県民のために、知事が発見されて、していただけることであれば、遠慮なくしていただきたい。これが新しい時代の県と市のパートナーシップのあり方だと思います。これが、今までの経験から、そして、市長になってから非常に強く感じることですので、このような会議の最初に、ぜひ申し上げたかったわけでございます。今、県の政策部長がそのようなニュアンスで、県と市町のあり方について少し話されたように私は受け止めましたので、今後、ぜひそのような方向でこの計画において思い切って、新しい時代の市町とのパートナーシップをつくっていただきたいと思います。

内保伊賀市長

 伊賀市長です。前葉津市長からも発言がありましたが、伊賀市も6つの市町村が合併し、私もその合併を経験してきた首長の一人です。昭和の合併から50年、大きな市も小さな村もありましたが、それぞれが少なくとも50年間は、一つの自治体として村民、町民、市民のためのいろいろな行政をしてきました。今回、合併すると同時に、伊賀市も自治基本条例を作りました。自分たちのことは自分たちでする、自分たちの町は自分たちでつくるという自治のあり方を市民の皆さんにご理解いただく中で、今やっと7年目を迎えました。少なくともこれまでの50年間の政治スタイルを大きく変えようとしておりますので、市民の方には補完性の原則について繰り返しお話ししております。

 そのような中、県と市町の関係では、新しい公の仕組みづくりを考える時です。伊賀市は合併して10万人規模の市になりましたが、6つの旧自治体それぞれに長い行政文化がありました。一括りに伊賀市という括り方も一体化のためには大変大事ですが、行政としてはそれぞれの特色をきっちり押さえながら、まちづくり、地域づくり、あるいは県土づくりに参加させていただく、そのようなスタイルでこれからしていきたいと思いますので、合併した市町に対する考え方をお聞きしたいと思います。

亀井名張市長

 今日は遠いところまでお越しいただき、誠にありがとうございます。

 私は議員生活が11年、市長として10年、田川、北川、野呂県政とお付き合いさせていただいてきました。そのようなことも踏まえ、自分の感想も述べながらいろいろお話をさせていただきたいと思っております

 私ども地方自治体にとって最も大きな出来事は、平成12年4月に475本の法律を改正して分権一括法がスタートしたことだと思っております。それまで国と地方は上下・主従関係でしたが、これからは対等・協働の関係です、このように申されたわけです。聞こえはよろしいのですが、要するに、国は地方に対して保護者としての責めを負えないから、自立に向けて努力してくださいというメッセージを発せられたのだと思っております。そのような中で、ある自治体は合併して合理化を図り、ある自治体は徹底的に改革を行って自立していく努力をしているわけでございます。分権一括法が施行されて10年が経過したわけですが、どちらが良かったのか、もうすぐその結論が出てくると思っています。

 平成12年当時、知事や前葉津市長は国の方におられた方です。前葉津市長にあっては、地域へ出られた経験をお持ちですが、10年前に国の方から眺めていた時と、今10年経過して見る時と、どのように変わってきたのかという感想を聞かせて欲しいと思っています。

 私が市長にしていただいたのは平成14年4月ですが、それから2年経過した時に総合計画を作ることに着手しました。その時のテーマが「福祉の理想郷プラン」です。この「福祉」は、狭義の社会福祉ではなく、地方自治法でいうところの幸福を指すものです。幸せが実感できる名張をつくっていくという副題も付け、住民の皆さんの方へ出向いて聞き取りをさせていただいて、平成16年にスタートしました。

 野呂県政が誕生したのが平成15年4月ですが、野呂知事がつくられた総合計画は、「県民しあわせプラン」というテーマでございます。鈴木県政が誕生しましたが、テーマは「日本一幸福が実感できる三重」で、今ほとんどが幸福ということに集約されてきていると思います。高度経済成長の時は、車に乗りたい、クーラーを入れたい、そのような「物の豊かさ」を求めた時代でしたが、社会がある程度熟し、「物の豊かさ」から「心の豊かさ」へと意識がどんどん変わってきたのだろうと思います。人間が生きていく究極の目的は幸せになることでございますし、行政の究極の目的も住民の幸福ですから、そのようなところに集約されていくのも必然ではないかと思います。ただ、幸福を測る尺度は非常に難しく、毎日変わってきます。それでは、行政はテーマに何をもって幸福を測っていけば良いのか、と思ったわけです。

 GNP(Gross National Product:国民総生産)からPを取ってハピネス(H)をつけた、GNH(Gross National Happiness:国民総幸福量)では、今、ブータンが世界で一番幸福を実感できる国だということです。東京都の荒川区は「GAH」、グロス荒川ハピネスという行政を展開しています。我々は、幸福度を測る尺度としては住民満足度が一番近いと思っています。毎年、総合計画の進捗状況を見るための市民アンケート調査を、50項目に分けて実施していますが、その中で「名張は住みよいまちですか。」という質問と、「名張で住み続けたいですか。」という質問をしています。すると、名張は住みよいと言われる市民の方が80%以上、名張に住み続けたいという方も85%以上いらっしゃいます。なぜこのように高いのかと思っていますが、私は今、2つのテーマで市政運営をしています。

 1つは財政再建です。平成14年に市長にしていただいた時、3年後には財政破綻するという状態でしたので、財政再建が最も大きなテーマであったことは確かです。それで、市民の代表の方、団体の代表の方、学識経験者で「市政一新市民会議」をつくっていただき、今でいう事業仕分けを徹底して実施していただきました。そして、「市政一新プログラム」を作っていただき、これを3、4年ごとにローリングしています。この「市政一新プログラム」を着実に実行していくために、「市政一新本部」を庁内に作り、私が本部長、各部局長が本部員になり、今着実に実行している状況です。どのような作業をしているのかというと、今までの行政サービスを縮小する、あるいは、今まで税金だけでしていた行政サービスに受益者負担をいただく、あるいは、市役所が直接していたことを住民の皆さんにお願いする、企業にお願いする、このような作業をずっと今までしてきています。

 一方、2本目の柱は、市民主権の社会をつくっていこうということです。まず、本日も地域づくり組織の方にたくさん来ていただいていますが、15年4月から小学校区単位あるいは公民館単位で地域づくり組織を作っていただきました。そして、補助金を全廃し、交付金に変えたのです。地域によってテーマも課題も違いますから、それぞれの地域で自己決定して、自己責任でその事業を進めてください、そして自己実現を図ってください、という形にしたわけです。

 続いて、第2段階で何をしたのかと言いますと、区長制度を廃止させていただきました。50年以上続いたこの制度をなぜ廃止するのかということで、この時もいろいろ議論がありました。しかし、地域の中に、地域づくり組織があり、区長会制度があり、自治会がある中で、窓口がどこなのか、どこが主体的にしていくのか、ということがありましたから、地域づくり組織に一元化し、これを条例で制定して格上げさせていただいたわけです。今、そこでどのようなことをしていただいているのかと言いますと、地域のビジョンを作っていただいています。このような課題があるから、このような予算を使ってこうしていく、というビジョンです。10年ぐらいのスパンで自分たちの小学校区をどのようなまちにしていくのか、というビジョンを2年がかりで作っていただいています。来年の3月までに作っていただいて、これを総合計画の地域プランとして位置づけ、来年の4月からそれに対して予算をつけ、まちづくりに使っていただく。このような作業をしていく中で、住民満足度が80%、あるいは85%になってきたということは、このような地域づくりが行政の足らざる点をかなり補っているがゆえのことだと思っています。また、これによって、住民納得度がかなり伸びたと思います。住民納得度は住民満足度につながり、住民満足度は幸福度につながっていく、そういうものだと思っています。

 江戸の社会というのは完全な分権社会でした。しかしながら、明治維新で中央集権にせざるを得なかった。欧米列強がそれぞれの国を植民地化していった時代ですから、分権で守ることはできません。紀州藩、来たら頼むぞと、会津藩、横向いてないでこれ頼むよということでは守っていけないから、中央集権にした。そして戦後は、経済大国を作るためにこれをより強化しました。経済産業省が主導して、企業の本社をすべて東京に集中していきました。そのような中で、まさに経済大国ができたわけですが、この制度が疲労し、少子高齢化の中、これではいけないということで、平成12年4月の分権一括法に結びついたと思います。ということは、揺り戻しが来て、まさに江戸の社会へ向けて動いてきているということです。市民主権でいろいろなことをしていく社会が望まれてきたということだと、私は思っています。ですから、いろいろな地域づくりの関係は、県があまり細かいことを決めない方が良いと思います。もう基礎自治体に任せなさい。私は、これを一番に言わせていただきたいと思います。我々基礎自治体は、地域に対して、あるいは目的別団体に対して、いろいろと都市内分権、地域内分権を行ってきており、そこがものすごく成長してきています。ですから、広域自治体は、基礎自治体に対してあまり言わない方が良いと私は思っています。

 ただ、広域自治体の取組は必要です。我々が広域で行っていくことに対しては、お手伝いをいただきたいと思っていますし、それができないような県民センターであれば、廃止なさっても良いのではないかと思っています。

 我々自治体は、団体自治と住民自治で成り立っていますが、今、どんどん住民自治の方が膨らんできています。団体自治と住民自治が重なる部分も大きくなってきています。それが市民主権に向けての動きであり、良いことです。これと同様に、広域自治体と基礎自治体が重なる部分も増えてくると思います。今いみじくも前葉津市長もおっしゃいましたが、基礎自治体をどんどん膨らませることに配慮いただいた方が良いと思っています。私は「美(うま)し国おこし・三重」の取組に際してもそのことを申し上げましたが、これからもきちんと申し上げていきたいと思います。

鈴木知事

 ありがとうございます。まず、前葉津市長からは、熊本県庁や宮城県庁での経験を踏まえて、県の役割についてお話しいただきました。市町村合併が進んでいく中、県の仕事の仕方、役割認識が変わっていないのではないかというご指摘でした。私は知事に就任してまだ3ヶ月ですが、合併が進む前と変わってない、本当はこう変わらなければいけないのに、と思うような制度や仕組みがたくさんあります。新しい県政ビジョンの中では、前葉津市長がおっしゃったような観点で、市町村合併が進んできた中での県の役割についても議論を深めて提示させていただきたいと思います。それは自己満足的なものであってはならないので、ぜひご議論させていただきながら、提示していきたいと思っています。

 それから、結果的に津市民にとって、各市町の住民の皆さんにとってプラスになることであれば、待ちの姿勢ではなくアクティブに、遠慮せずにどんどん進めて欲しいということ、そして、亀井名張市長がおっしゃった重なる部分を膨らませていくということ、そのような部分についても非常に賛同できますので、これからそのようなことに留意して、県の役割を考えていきたいと思います。特に思うのは、県が遠慮せず、待ちの姿勢でなく、アクティブに行く時には、県がもっともっと専門性を高め、プロ化しなければならないということです。例えば今日の一対一対談で行った商店街の活性化問題についても、住民生活全般に関わり、かつ一番近いところで基礎自治体がしていただいていることに重なっていくわけですから、それなりの付加価値をつけることができなければ、する意味がないと思うのです。では、その付加価値とは何かと言うと、例えば首都圏等をマーケティングして、プロフェッショナルな営業を行うといったことです。29市町よりも県がプロであるようにどんどん専門性を高め、プロ化していく。このように専門性を研ぎ澄ませていくことは、これからの県の人材育成において、あるいは市町との関係を果たしていく中において、大変重要なポイントであると思っております。県が待ちの姿勢でなくアクティブに行く時に付加価値を出せるよう、プロ化していくことは非常に重要ですが、全ての分野でプロになるのか、メリハリをつけていくのか、それは県の全体の役割も踏まえて考えなければならないと思っています。今のお話をお伺いさせていただき、そのような取組をしていきたいと思っております。

 内保伊賀市長がおっしゃった件につきましても、合併後の地域のそれぞれの特色をということで、前葉津市長がおっしゃったことと重なる点があると思います。合併前の課題について、伊賀市で全部していただくべきなのか、それとも、お手伝いした方が良いのか、それはぜひ相談させていただき、協議しながら、地域の実情に合わせて県の役割を明確にしていきたいと考えています。

 亀井名張市長がおっしゃった点についてですが、平成12年当時、私は経済産業省全体を取りまとめる大臣官房総務課におりました。当時、前葉津市長は自治省におられたのでご存知かと思いますが、本当にこのようなことがうまくいくのかということで、霞ヶ関は「てんやわんや」の状態でした。例えば経済産業省ですと、今は都道府県が持っていますが、高圧ガス保安法関係の権限や安全基準等は、本当に全部任せてしまって大丈夫なのか、大きな都がある一方、まだまだ財政基盤がぜい弱である、あるいは、専門的な人材がいないところもあるが、本当に大丈夫なのか、といった大きな議論がありました。その当時、私はまだ若かったので、「ああそうなのか、なかなか大変なことが起こるのだなあ。」と思っていました。それから10年経った今、県で働かせていただいて、この10年間の経過を見ると、目指した方向は絶対間違っていませんが、まだまだ不十分だと思います。掛け声は良いが中身が伴ってない。魂がこもってないのではないかと思います。慶応大学の跡田先生が、「分権でそんないろいろなことを市や町に任せても、できる能力がないではないか。」という議論を展開された時に、私は、「能力がないから分権をしない、あるいは、能力がないから任せないというのは、権限を持っている側の甘えだ。」と申し上げました。もちろん、絶対に要らないと言っているものを渡すのはどうかと思いますが、させて欲しい、すると言っているにも関わらず、まだ能力がないから渡せないというのは、渡す側の甘えだという話をさせていただきました。根本的にこのような思いを持っているので、先ほど亀井名張市長がおっしゃったように、住民満足度、あるいは県民の皆さんが幸せを感じる度合が高まるのであれば、どんどんお任せして、していただくべきだと思っています。

 話が行ったり来たりしましたが、平成12年の地方分権の方向性は正しいですし、そうあるべきですが、掛け声だけが良くて魂が伴っていないというのが、私の感想であります。

 全頭検査の問題や、放射性セシウムを含む肉牛の問題等に対していろいろなことをしても、権限を持っているのは国です。国に決めてくれと言っても全然決めないので、住民の皆さん、県民の皆さんが求めるスピードや感覚に全く合わない状況に私も板ばさみになって、忸怩たる思いというかやきもきしています。それなら全部任せてほしいと言いたいようなことがあっても、なかなかそうなっていない現状に直面して、今申し上げたような感じを持っております。

 亀井名張市長の「福祉の理想郷プラン」、そしてずっと進めていただいている地域づくりの話には、大変感銘を覚え、共感するところです。新しい県政ビジョン策定の中で、「アクティブシチズン」と言っていますが、県民一人ひとりが自立し、自分で考え、自分で行動するようになることを目指していこうとしています。今までの「官から民へ」というのは、官がしていたことを一部切り出して民間にしていただくということでした。民主党が言っていた新しい公共というのは、役割分担の話でした。行政が担っている部分について、財政やいろいろな事情も考慮し、新しい公共という形で地域づくりの担い手の方々にしていただくという役割分担論だったわけです。しかし、亀井名張市長がおっしゃったように、地域で作っていくということは、その一歩先へ進んで、みんなが自分でしないと間に合いませんよ、という話なのです。今言った切り出し論、役割分担論を超えて自分たちが作っていかなければならないという話なのです。私は、地域運営、地域経営はその方向に行かざるを得ないと思いますし、そうした方が良いと思います。さきほど亀井名張市長が、住民納得度とおっしゃいましたが、他人に任せて結果が悪いよりは、自分でプロセスについても責任を負った方が、その結果がどうであれ住民納得度も高いと思うし、自分の思いも深まると思います。そういう方向に進んでいくべきだと思っています。先程、亀井名張市長がおっしゃったことには、非常に感銘を受けました。

 幸福をどうやって測るのかということですが、治安、物質的な整備、衛生度などの客観的指標において、三重県も含めて日本は世界でも相当上位ですが、心の内面において豊かさや幸せを実感できていないのは事実です。これまでの行政は、あのようなことをしました、このようなことをしました、という遂行主義で客観的指標を整えていましたが、その果実が県民に届いているのか、それによって県民生活が変わったのかというところまでは踏み込んでいなかったと思います。新しい県政ビジョンの中では、客観的指標はもちろんのこと、そのような視点で、遂行主義ではなく結果を伴う事業をしたいと思っています。これから私が県政で展開していく事業の中で、前と同じではないかと言われる事業があるかもしれませんが、手法は同じであっても、遂行主義ではない、結果を伴う事業にしたいと思います。これはいろいろな事業においてもそうだと思います。例えば、失業率の改善や介護のことなど、目標は同じだが仕方を変えるものもたくさんあると思います。そのような思いでおります。

 非常に雑ぱくな意見でありましたが、3市長から、私も思っていたこと、あるいは、さらに一歩進んだアドバイス、ご指導をいただきましたので、今後のビジョンの中でしっかり議論していきたいと思います。ありがとうございました。

前葉津市長

 私が、県は遠慮せずに入ってきて欲しいと申し上げたところ、知事からは、県が専門性を高め、専門的な能力を持って入ってきてくださると言っていただきました。非常にありがたいことです。県は優秀な方が多く、何でもできるゼネラリストの育て方をしておられるケースが多いのですが、この分野は任せてくださいというスペシャリストの方に津市に出向していただきたい。そしてその部分をお任せして、2年間なら2年間でやり遂げていただくといった人事交流であれば、どんどんしていただきたいと思います。誰でもできるようなことをするための人事交流は、すべきでないと思いますが、この分野で2年間責任を持ってこれだけしましょうというミッションを両者で合意し、そのようなチームなどに入っていただくのであれば、いつでも入ってきて欲しいという気持ちです。

 市町のしていることと県との関係で話したのですが、もう一つ、積極的にお考えいただきたいのは、亀井名張市長の言われた分権の話です。できれば国の仕事で、県に任せていただいて良いことを積極的に提案し、取ってきていただければどうかと思うのです。特に国の出先機関は、住民の意見がダイレクトに届かないがゆえに、旧態然とした形でしている。仕事のために仕事を作っているようなことがあると思います。そういう仕事をこちらから提案して取ってきていただきたい。名古屋に攻め込むような形です。幸い名古屋市は、愛知県とどのように一体化するのかということで、割と内向きの議論をしておられますので、我々三重県は、名古屋市でしておられることの中で、三重県ができることを取ってきていただきたい。中部経済産業局や中部地方整備局などの仕事の中で、自治体がした方が良いことは広域自治体でしますと提案していただき、彼らがそれを地域の自治体にお願いするところまでいけば、愛知県、名古屋市がごたごたしている間に、三重県が極めて骨太の議論をしている、ということになると思います。ぜひご検討いただきたいと思います。よろしくお願いします。

内保伊賀市長

 特に農政や林政の個々のメニューについては自治体も力をつけておりますので、鳥獣害対策、森林や農村集落が国土保全に果たす役割などについて県から国に強く当たっていただき、私どもはそれぞれの地域の集落をしっかり守っていく施策に取り組んでいきたいと思っています。その点についてご検討いただきたいと思います。

 これから公共交通関係で県の政策を立案していただく中で、ご検討いただきたいことがあります。三重県にはJRの他に近鉄も走っています。JRは西日本と東日本に分かれており、大変難しい状況もあると思いますが、長年の懸案事項である関西線の複線化、電化ということがございます。現在は電化に取り組んでおりますが、同じように京都から柘植までの草津線の電化については、嘉田滋賀県知事が促進協議会長をされて取り組んでおられ、伊賀市も柘植駅が最終駅ということで、おつき合いをしております。電化の区間が加茂と亀山間ということで、他の市町も工事等について十分熱意を持っておりますので、この点について政策でどのように位置付けをされるのか、お伺いしたいと思います。将来のリニアを補完する在来線としての活用もあるわけですので、県としての交通政策の中でお考えいただきたいと思います。さらに、近鉄伊賀線の経営が非常に難しいことから、伊賀鉄道として第三セクターで運営をしております。国や県の応援もいただきながら地元は頑張っておりますので、これのことについてもご理解をいただきたいと思います。 

 県からは在来の交通を存続させるための補助金を出していただいたり、コミュニティバスに対する補助をいただいたりしていますが、今後どんどん高齢化が進み過疎化が進んでいく中、農村集落や限界集落の交通弱者対策について、市もどのように進めていくのが一番効率的で、また満足度を高められるか、幸せを実感できるかという観点からしっかり頑張っていきたいと思いますので、県のアドバイスや応援をいただきたいと思います。このことについても政策としてお考えいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

亀井名張市長

 元中央官僚の方から、方向性は間違っていなかったと聞いて安堵しています。

 地域主権三法ができましたが、スピード感がない。早くこれを回していって欲しいと思います。国はいかなる場合も、新しいことに対してものすごく慎重です。自治体がすれば良いではないかという思いはあるのです。それが成功したら、良かったなということになります。このような方向で変えていっても良いという思いは持っています。ところが、失敗したら、ほら見たことかと言います。今、我々はまちづくりの関係で、地縁団体の法人化が必要になってきています。なぜかと言うと、契約等が非常に多くなってきたからです。コミュニティバスを走らせる契約やワゴン車を買って送迎する契約も、代表者の名義で行っています。コミュニティビジネスにおいても契約が多くなってきています。ですから、法人化が必要になってきており、内閣府等々に相談しているわけです。地域の地縁法人は財産を持つ時に必要なものですが、これで契約行為等をできないか交渉したところ、良いとは言わないが、してみたらどうかということでした。国はこのようなスタンスですから、我々はこれをして成功させようと思っているわけです。市長の許認可の地縁法人で成功させようと思っているわけでございます。

 行政の今後のスタンスについては一致するところですが、市民の自発的活動に対して我々がサポートしていくというスタンスです。ですから、県にあっても基礎自治体の仕事をサポートしていく。そのようなスタンスに今後、より変えていって欲しいと思っています。なぜかと言うと、住民に喜んでもらえるだろうと思った仕事に対して、反対が多くなったりする。考えが多様化していますから致し方ないことです。ですから、市は市民の自発的活動をサポートし、県は基礎自治体のそのような活動、事業をサポートする。そのようなスタンスをより鮮明にして欲しいと思っています。

 それで、遂行主義はいかがなものかということですが、正にそのとおりです。インプットしたらアウトプットされますが、行政側はこれで満足していたのです。ところが、住民側は満足してないわけです。要するにアウトカムは何かということが必要なのです。アウトカムが住民満足度につながっているのです。そして、その住民満足度が幸福度につながっているわけですから、きちんと先を見据えた中での事業展開がこれから非常に重要になってくると思います。

鈴木知事

 ありがとうございます。前葉津市長をはじめ、おっしゃっていただいた国の権限関係のものについては、名古屋市を含めた9県1市で構成されている中部圏知事会議で議論しています。中部圏の出先機関の事務について、広域のままでないといけないか、単独県でできるかどうかを整理した結果、97.2%が単独県でできるもので、残り7つぐらいは例えば麻薬捜査などでした。出先機関の事務を中心に、国が行っている事務の中にもできることがたくさんあると思います。先ほど亀井名張市長がおっしゃったように、とにかく権限移譲してくださいという話では、多分国は、総論は分かりました、分権は重要ですから私たちも頑張りますと言いながら、各論では反対してくるので、各論できちんと詰めていかなければならないと思います。私が特区を担当している時は、長年の課題であり、なかなか進まない規制緩和を進めるために、この地域だけでこのような代替措置をとるから良いではないかということで進めようというものもありましたので、国の仕事で、県でできることをどんどん提案していくこともしっかり考えて、具体的な提案活動に結び付け、勝ち取れるようにしたいと思っています。

 内保伊賀市長からは、特に国との関係で、農政や林政のメニューについてお話しいただきましたので、それも十分配慮したいと思います。

 いくつかあった地域交通の問題についてです。まず、電化ですが、JRも相当固いところがあります。一方で、滋賀県がそうやって勝ち取ったものもありますから、しっかりと要望活動を強めていきたいと思います。市長にもいろいろお世話になって要望活動を続けてきた結果、電化はまだですが、ダイヤ改正で土曜日の運休がなくなり、少しずつ前進していると思います。そこは引き続き強く要望していきたいと思います。

 伊賀線についてです。28年度で運営費補助が終わりますので、29年度以降をどうするかという話ですが、これまで鉄道関係は、経費の欠損部分についての運営費補助の制度を、国で作って欲しいと要望してきましたが、今後はどのような方法が良いのか、再度相談させていただいて考えたいと思います。もちろん要望は続けますが、そのような方法が良いのかどうか考えなければいけないと思っています。

 コミュニティバスについては、これまで県は単独で、廃止代替路線やコミュニティバス等を支援してきました。国も市町村をまたぐようなものには補助を出していたのですが、今回から市の中のものに対しても補助を出すように、少しずつ考え方を変えてきています。それを合わせて、県がやるべき交通政策を考えたいと思いますので、いろいろと相談させていただきたいと思っています。

 亀井名張市長がおっしゃった、国が新しいことに慎重で、地方が失敗したらそれ見たことかと言うことと、地縁法人の話です。私も鈴鹿市に住んでいる時、鈴鹿市の自治会の方々から、財産の関係などで相談を受け、内閣府に取り次いだことがありました。内閣府はいつもグレーな対応で、はっきり言わないので困っていたことを思い出しました。方向性は、今、市長と議論させていただいたとおりだと思います。市は市民の皆さんの自発的な活動をサポートし、県は市の自発的な活動をサポートしていくということで、その辺はしっかりと役割を考えていきたいと思います。アウトカムは何かということについても、これからの事業の中でしっかり考えていかなければいけないと思いました。

 今は経済的な側面の方が少し強いのかもしれませんが、産業交流や観光交流においても、国に中小企業庁なども解体してもらって、各県に中小企業施策、海外展開支援なども任せてもらったら良いのにと思っています。海外との関係などにおいて、各市町で難しいところがあれば、広域的にサポートしていくことも県の役割としてはあると思っていて、それもプロ化していかなければいけない、能力を高めていかなければいけないと思っています。海外との関係や広域的に競争力を高めていかなければいけないことは、県の大きな役割のひとつだと思っています。

(2)地域で選定する議題 「日本一、幸福が実感できる三重の実現のための、津・伊賀地域における地域づくり(絆づくり)のあり方について」

前葉津市長

 このテーマで津市が取り上げさせていただきたいのは、防災の問題です。一昨日でしたか、予算要望で少しお話をさせていただきましたように、防災計画をきっちり作っていくことが、これからの課題としてあるわけでございます。そこで、一つ具体的な提案を申し上げたいのです。山元町の町長から聞いた話ですが、発災直後に庁舎が使えなくなり、町役場の前にテントを立て、そこを災対本部にしてスタートしたということです。その時すぐに自衛隊が来てその隣にテントを立て、そのテントをベースに活動しました。それは宮城県知事が派遣要請をしたからですが、その時宮城県知事は山元町長とは連絡が取れてなかったということです。それで、情報伝達の訓練をというご提案を申し上げたわけです。

 この2つのテントが何を意味するかというと、この時に宮城県の姿はありません。それどころか、知事自身が町長と連絡が取れていない状況です。ところが、自衛隊はどんどん動いている。私は県に自衛隊のようなことをしていただきたいと申し上げているのではなく、県はどのようなことをすれば良いのかということです。情報連絡の中に入っていただいているとは思いますが、例えば、県民センターに一役買っていただけないかという提案です。発災してかなり重い被災状況になると、県民センターはフル稼働されると思います。フル稼動するのですが、本庁向けにそのエリアの情報を伝える役割を前線で担われるのだと思います。向きが本庁に、知事に向いているのです。そうではなく、ぜひ被災者の方を向いて欲しいのです。県民センターが災害対策本部を作ることはできませんから、避難所を開設する市町に職員を出していただくようなことを、事前に県と市町両方の防災計画や行動計画に書いておいたらどうかと思うのです。と申しますのは、自衛隊はそのように現場にテントを立てましたし、最近、整備局もリエゾンで人を出しますと盛んに宣伝されています。国の立場上はそれで結構ですが、県を飛び越えて市町にリエゾンで人を出しますと言っておられます。県はぜひ被災地のために、避難所に特定の県職員を配置していただきたい。例えば、避難指示が出た場合、あるいは被災状況が大きい場合は、県民センターに行かずに指定の避難所へ行くというように決めておいて欲しいのです。例えば、津県民センターの職員は津にお住まいの方多いので、何々中学校の避難所へ行くというようにしてくださって、その時に限っては私どもの指揮下に入って手伝っていただく。これぐらいのことをしていただいた方が良いと思います。先ほど亀井名張市長さんが厳しめに、「何かができないのであれば県民センターは要らない。」と言われましたが、県民センターが一つの方向性として、このようなことを事前に決めておいていただければ、我々も助かりますし、県民センターも廃止の危機から脱することができるのではないかと思い、ご提案するものであります。

 なぜこの津、伊賀地域だけでやるのか、他の地域でもしなければいけないではないかと言われるかもしれませんが、特区の発想もありますから、この地域でしてみて、うまくいったら他の地域でもするという発想もできます。うまくいくかどうかという検証のようなもの、そもそも現実化しない方が本当は良いのですが、そのようなことを考えていただきたい。我々は地域づくりの最前線にいますので、このような防災のアイデアもいろいろ出てきます。なぜ津だけ先にやらなければならないのかと言われると立つ瀬がありません。首長は、ラストランナーが来るまで待っていられないのです。他にいろいろなアイデアがあれば柔軟に協議させていただきますが、ぜひ考えていただきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いします。

内保伊賀市長

 防災関係で、伊賀地域の避難所、あるいは災害対策本部の果たす役割というところから、少しだけ提言させていただきたいと思います。県立の農業高校が統合しましたので、そのグラウンドと校舎の一部を使って、ヘリポートや備蓄を検討していくというお考えを聞かせていただいております。三重県は伊勢湾沿いの沿岸部が非常に長く、海抜ゼロメートル以下のところもございますので、津波発生時の拠点として将来的に考えていただきたいと思います。伊賀市も今回の災害に学んで、農業高校のそばを防災拠点にしようと考えておりますので、県と私どもが情報交換を行い、計画のすり合わせができれば良いと思います。幸い津の方へは国道163号線、国道165号線、名阪国道、伊勢自動車道などの陸路もございます。さらにヘリを使えば、15分、20分で行動できる範囲ですので、ヘリポートを造っていただく中で、第2の防災対策の拠点という考え方を県全体の中で位置づけていただけたらありがたいと思います。今年、名張市をメイン会場に、この伊賀地域で県の防災訓練を行っていただきます。両市とも三重県の計画にしっかり載せていただいて協力させていただきますので、そのようなことをご検討いただき、取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

亀井名張市長

 あの大震災からもう5ヶ月が経過しようとしていますが、あの震災で我々は多くの学びをいただきましたが、3つだけ紹介させていただきたいと思います。

 その1つは、地域づくり、まちづくりがいかに重要であるかということです。助け合い、支え合い、絆がしっかりしているまちは、有事の際に大きな力を発揮することが証明されました。宮城県の塩釜市に桂島という島があります。行ってびっくりしましたが、島の村がなくなっているわけです。後ろの山から津波が来たという感じで、道路も無くなってしまっている状態です。ところが、死者ゼロ、行方不明ゼロということで、島民の方が心を一つに前向きに明るく復旧作業に取り組まれていました。阪神淡路大震災の時にも、このようなまちがございました。兵庫県の北淡町は、死者ゼロ、行方不明ゼロ、そして、いち早く復旧を遂げられたまちでございます。これらのまちに共通していることは、地域づくり、まちづくりがきちんとなされていたということです。地域の絆、困った時はお互いさまという関係、このようなまちづくりがいかに重要かということで、私どももできる限りこのような地域ごとの活動をより活性化していこうとしています。私は機会あるごとに、自助、共助、公助の順に重要であると言っています。市役所をあてにしないで欲しいと言っているわけではありませんが、全て私に任せておきなさいと言うことほど無責任なこともないわけでございます。まさに自助、共助、公助の順に重要だということが、あの大震災で証明されたと思っています。

 2つ目は、基礎自治体間の連携が、初期段階に非常に有効だということです。あれ以来、被災された地域の首長さんといろいろ勉強させていただいていますが、県も国もあてにならないと言われます。ある自治体では、津波に備えて3,000人分の食料を1週間分備蓄していたが、被災された方が9,000人だったので2日で食料が底をつき、県に言って乾パンが届いたのが5日後だったということです。ある自治体では、被災してない自治体からの救援物資が3日で届き、これほどありがたいことはなかったということです。県はまずい動きをしていたわけではないと思いますが、あれだけの規模の災害ですから、まず県下全域を掌握して、それから、この自治体にはこれ、この自治体にはこれ、ということに4、5日間かかったのでないかと思います。一方、基礎自治体間の連携は早い。「あの市長のところが大変だ。物資集めよ。それ、行け。」ということで、10tトラックで物資を届けたのが3日後だったということです。2、3日と4、5日の差は大きいので、基礎自治体間の連携は非常に重要だと思います。特に津波の被害はかなり広範囲に広がりますから、このようなところへの支援もきちんとできる体制をとっていかなければならないと思っています。

 3つ目ですが、2次災害で最も顕著だったのは医療の問題だと言われています。災害弱者と言われている方々を避難所にお連れしたが、医者はいない、看護師もいない、病院は使えない、薬は来ないということで、避難所でたくさんの方が亡くなられ、これほど無念なことはなかったということです。これについては、病院間の連携も非常に重要だと我々は思っています。自治体間、民間病院も含め、これから医療機関の連携もきちんとしていかなければならないと思っているところです。ここにも、県が担う役割があるのではないかと思っています。

 9月4日に県の防災訓練を行っていただくわけですが、この教訓を生かした、今までにないような訓練にしてまいりたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

鈴木知事

 ありがとうございます。3市長には何回も説明させていただいておりますが、改めて地震対策の枠組み的なところを説明させていただきます。

 今後の地震対策の取組方向についてですが、2段階に分けて対応したいと思います。9月には緊急地震対策行動計画をまとめ、24年度に中期の新地震対策行動計画を策定します。後者の新地震対策行動計画は、国の被害想定結果も踏まえたものにしていきます。

 緊急地震対策行動計画は一言で言えば、さきほど亀井名張市長からお話がありましたように、自助、共助をサポートする計画という位置づけです。特に、津波については県独自で予測調査を行い、その結果を市町の皆さんにフィードバックして、それぞれの避難計画を作っていただきます。津波に関係するところだけでなく、伊賀地域も含め、避難所、避難路の総点検に取り組みます。地域のことは地域の皆さんがよくご存じですので、県民の皆さんに参画していただきながら避難経路を点検するなど、そういったことにも力を入れていきたいと思います。また、市町に行っていただく津波避難計画づくりや避難訓練の支援、それから、津市でもしていただいている外付け階段や民間ビルの話なども含めた市町が実施する地域減災対策、防災教育や住宅の耐震化といったことに力を入れ、自助、共助という部分に焦点を置いた計画です。

 新地震対策行動計画は、国の防災計画の見直しなどを踏まえ、24年度に作りたいと思います。これは、自助、共助に加え、医療、救護、帰宅困難者対策等のソフト事業、堤防等の社会基盤整備、そのようなことも含めた計画にしたいと思います。その計画を策定するにあたり、国の動向なども申し上げますと、中央防災会議において、この秋をめどに最終取りまとめが行われ、それを踏まえた防災基本計画の見直しが行われます。前葉津市長はよくご存じだと思いますが、総務省消防庁については、緊急消防援助隊等を含めた応急活動要領があり、その関係で消防庁も秋頃には取りまとめを行うことになっています。これらを踏まえ、三重県でも年内を目標に課題抽出などを行ったうえで、県の防災会議や市町さんと協議させていただき、なるべく早く県の防災計画の見直しを行うという段取りを考えています。県の報告は以上ですが、今、各市長さんから言っていただいたことについて、少し申し上げさせていただきます。

 前葉津市長からおっしゃっていただいた、災害発生時の県民センターの役割についてです。3月11日の大震災以前にもマニュアルはあったと思いますが、震災の教訓を踏まえ、いろいろな計画の見直しの中で必ず考えていきたいと思います。地震のみならず大雨や洪水の警報も多く、県民センターもかなり頑張っていますが、地震や津波だけでなく風水害も含め、県民センターがどのような役割を担わなければならないのか、そのためにはどのような組織体制が良いのかとかいうことも含め、今回の教訓を生かしてしっかり見直していきたいと思っております。

 内保伊賀市長から言っていただいた防災拠点の県と市のすり合わせについてはおっしゃるとおりです。せっかく今回伊賀で防災拠点を作らせていただきますので、備蓄品等いろいろな役割も含め、しっかりとすり合わせを行い、計画に盛り込んでしていきたいと思っています。

 亀井名張市長からおっしゃっていただいた3つの点についてですが、病院については先ほど申し上げましたとおり、新地震対策行動計画でぜひ盛込んでいきたいと思います。基礎自治体間の連携については、私も被災地でお話を聞きましたし、被災地に派遣した県職員からも聞いており、基礎自治体間の連携をより促進するサポートを県ができればいいと思っています。

 県レベルの連携では、荒井奈良県知事から、奈良県には津波が来ないので、津波が来た時に、三重県や和歌山県を助けに行く方策を県の防災計画に盛込むとおっしゃっていただいております。これは、県内においても適用できると思います。津波が来る地域と津波に遭わない地域が、どのように助けあっていくのかということも計画に盛込み、今ある協定をより具体的化した方が良いと思っています。それについても、ぜひ各市町に相談させていただき、連携が取れる方法を考えたいと思っています。

 絆の部分です。桂島の話は本当にすごいと思いました。今度、被災地に行った時に、いろいろな情報を聞いていきたいと思っています。県は頼りにならないという話を本当によく聞きますが、県の間でも結構差があるようです。例えば、岩手県山田町に行ってもらっている、三重県のボランティア支援センターのメンバーからは、「静岡県は非常にサポートが厚いので、静岡県のような支援であれば、県としても役割があると思うし、どんどんしたら良いのではないですか。静岡県の勉強をしていただいたら良いと思います。」と言われました。今度、被災地に行って、静岡県のサポート体制などを勉強していきたいと思います。

前葉津市長

 私の言い方が弱かったので、真意が伝わってないかもしれません。もう一度、私が意図したところを申し上げます。まず、県民センターだけではなく、県の出先機関全体です。県の津庁舎をイメージしてください。私はその中での支援ということをイメージしていたのです。それが1点目です。

 2点目は、私が言ったのは普段のことではなく、実際にヘビーダメージを受けた時の支援体制のことだということです。普段は警報が出たら待機されているでしょうし、被害の状況報告などを行っていただければ良いのです。私は、普段何かをして欲しいとは全然言っていません。そうではなく、本当にヘビーダメージの時、被災者が避難所に押し寄せている状態を想定してください。その時に県が何をするかということを、ぜひお考えいただきたいということです。今ご紹介いただいた、奈良県の防災計画のようなイメージです。津市内中の避難所が全部開設されているような状態で、私が亀井名張市長に「美杉へ入ってください。」と電話をする、内保伊賀市長に「近いところに人を出していただけませんか。」と頼んでいる状態を想定してください。その時には、もちろん県にもお願いするのですが、県は職員派遣要請が来てから、「さて、誰をどのように出すかな。」と始められるわけですよ。そのような手間を事前に省いておいていただきたい。つまり、このような状況になったら、県の津庁舎のどの職員がどこへ行くか、というところまで決めておいていただきたいのです。津市役所では決まっています。どの避難所に誰が行くかということが、既に決まっているわけです。それをサポートするような形で、入っていただきたいと思います。24時間体制になりますから、交替要員がものすごく必要なのです。人が何人いても大変なので、そこに入っていただきたいということです。ここまで決めておけば、総力体制になった時にかなり有効ではないかと思いましたので、ご提案を申し上げました。ぜひご理解いただきたいと思います。よろしくお願いします。

亀井名張市長

 今、前葉津市長がおっしゃったように県民センターに一定の権限を持たせ、判断し、即対応するスピード感が、被災時の初期対応として重要ではないかと思います。今回の大震災においても、東北地方整備局の女性課長が自分の判断でヘリを飛ばし、それがすごく活きたという話があり、なかなかすごい女性幹部職員がいるのだと思いました。そのようなことを、事前にきちんと書面で決めておいたら良いと思いました。

 初期の部分では基礎自治体間の連携が非常に重要ですが、中長期になりますと、県が窓口になってもらわないと非常にややこしくなります。町村会の会長もそのように申されていて、この前の津波被害総額は40億円ほどでしたが、その陳情の折にも申し上げたとおり、県が窓口になってきちんと対応していただくのが良いと思っています。

 奈良県は、津波はありませんが山津波があります。私どものところも急傾斜がたくさんあるので、山津波があります。今度の想定も、山津波というか、頓子山の急斜面が名張川に崩落してダム化したという、中越地震のような想定です。それで、地域の方に避難していただく訓練も実施しようと思っています。新たにそのような訓練も入れたということでご理解をいただき、ご協力をいただきたいと思います。

(3)地域で選定する議題 「津・伊賀地域の課題解決に向けた、県と市の連携と役割分担について」

前葉津市長

 内保伊賀市長と亀井名張市長は、救急医療や地域医療のあり方の話をされると伺っておりますので、それらについては、両市長のご発言の後、知事のお話を伺ってから私どもの考え方を申し述べることにさせていただきたいと思います。

 最初は高齢者福祉のところで、地域で見守り支え合う体制づくりということでご提案をさせていただきます。県と市町の間で地域福祉をどのようにしていくのかという、地域福祉のあり方論のようなことです。これについては、こうして欲しいという具体的なアイデアをまだ持っていないので、むしろ鈴木知事が今どのようなアイデアをお持ちなのか、お考えをいただきたいと思います。

 例えば、三重県支え合い体制づくり事業がありますが、非常にきめ細かなご支援をいただき、大変ありがたいと思っております。そのような形で今後もぜひ、県の継続的なご支援をお願いしたいと思います。まさにこのあたりは、県と市が同じ方向を向いて、どんどんアクティブに、積極的にしていこうと考えていただいている部分だと思います。これはこれで結構だと思います。

 一方、新しい課題を考えてみますと、私が一部事務組合の組合長をしている後期高齢者医療制度、名張市長が会長をされている国民健康保険といった、市町が運営者になっている福祉制度において共通の課題があり、これに県がどのように関わっていただくかといったことが、これから議論になってくる、あるいは話題として出てくるのではないかと思います。

 これに関連する話では、例えばこども園の話があります。この前も知事は、保育所の休日保育に対する国の補助金の仕組みが悪いと言ってくださいました。私も悪いと思います。あのようなことを知事が言ってくださると、国へのアピールとして非常に良いと思います。こども園の制度がこれからどうなっていくのかということは、非常に興味津々の事項です。津市は、私立の幼稚園も保育所もあるものですから、私立の方々との関係をどのようにつくっていくのか、非常に悩ましいところです。ですから、こども園の仕組みがどのようにあるべきなのかということも、県からますます発信していただきたいし、市町の意見も聞いていただき、現場を確認しながら進めていただきたいと思います。

 このような新しい課題の解決に向けた、津・伊賀地域における県と市の連携と役割分担についてですが、特に福祉や保育、幼児教育等の、地域の実態、実情、課題、制度に対する意見等を、これまで以上に把握していただき、三重県というまとまりで発信していただきたい。場合によっては、県と市町、市長会長、町村会長が一緒になって動いていただくケースも出てくるのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。

内保伊賀市長

 地域の課題解決ということで、伊賀市から2点提案させていただきます。

 1点目は平成20年三重県消防広域化推進計画についてです。国の消防組織法の改正があり、義務規定ということで、県も積極的に広域化を目指してきました。特にこの計画策定当時は、まず8ブロックに再編して、それから4ブロック化に取り組み、将来的には、消防組織を県で1本に再編するということでした。このような強い思いの中で、県から指導がございました。伊賀地域は、この趣旨を取り入れ、現在、名張市と24年末の広域の合併に向けて取り組んでいるところです。しかし、国の義務規定が努力規定に変わり、県は最近、この広域の業務から後ずさりしていると思います。他の地域からも、県は広域の呼びかけをほとんどしていないと聞いていますし、伊賀市としては、議会等への説明に非常に困っております。また、28年に防災無線のデジタル化を計画していますが、この事業にも県が関わっています。県はもう少し強いリーダーシップをとって、防災無線のデジタル化に向けて広域化も同時に進めるというお気持ちを持っていただきたいと思います。そして、現在まだ協議の整っていない地域の広域化に、しっかり取り組んでいただきたい。このことをお願いしておきたいと思います。

 2点目は救急医療についてです。後ほど亀井名張市長からもお話があると思いますが、私の方からは、特にピンチであります上野総合市民病院のことについてお願いしておきたいと思います。3年前までは、上野総合市民病院の内科医が5人あるいは6人おりまして、二次救急の輪番制を受け入れた時には、それ相当の内科医がおりました。しかしながら、その後、三重大学の医局の方針もあったと思いますが、三重大学からの派遣を打ち切られ、現実的にはゼロという状況です。そのような中、とにかく医師確保ということで、非常勤の医師を延べ40~50人お願いし、その費用だけでも今回1億を超える金額を補正しております。それぞれの先生方には、例え1日でも、例え1晩でも、ということでお願いして、その穴埋めをしております。何としても近いうちに常勤医を確保しようということで、懸命の努力をしておりますので、県がご指導いただいている地域医療再生計画の中で、再生事業の中に取り上げていただき、ぜひとも市の目指す医師確保にご協力、ご理解をいただきたい。このことも強くお願いさせていただきたいと思います。

亀井名張市長

 先ほど、内保伊賀市長から地域医療の現状をお話いただきましたが、この伊賀地域は、最も医療過疎の地域であることをご理解いただきたいと思います。人口10万人あたりの医師数は、全国平均が213人、三重県はそれより30人少ない183人ですが、伊賀地域は115人で、全国平均の約半数です。また、三重県は、人口10万人あたりの「診療所に勤務する医師数」では、47都道府県中23位の75人、「病院に勤務する医師数」は43位の106人です。ところが伊賀地域は、人口10万人あたりの「診療所に勤務する医師数」は63人、「病院に勤務する医師数」は53人で、全国43位の三重県の中の、さらに半分になっています。これは、救急がピンチであることを意味します。医療法にも書かれておりますが、自治体病院の最大の責めは、二次救急医療を担うことです。

 平成12年に医師法が改正されて医師の研修制度が変わり、その4年後の平成16年にその改正医師法が施行されました。その平成16年の医師数と、その4年後の平成20年年の医師数を比較すると、三重県の公立病院が6%減のところ、伊賀地域の公立病院は20%減ということで、より救急が厳しいわけです。その救急を守るために3輪番を実施していますが、平成16年から平成23年5月にかけて、名張市立病院は27人から22人に、上野総合市民病院は27人から12人に、医師数が減ってしまいました。内科医はゼロになってしまいました。内科医ゼロというのは非常に厳しい状況です。例えば、整形外科で手術をした方が糖尿病や高血圧だった場合、内科医がサブで付かなければいけません。このように、病院は内科が基本になっておりますので、それがゼロというのは非常に厳しいわけです。岡波総合病院も32人から29人と減っており、この2次救急医療体制を維持していくことが非常に厳しい状況にあるということです。

 それで、県に何をお願いしていこうかということになりますと、県にも医師確保の力は無いわけです。なぜかと言いますと、人事権がないからです。私は名張市立病院の設置者で、知事は県立総合医療センターの設置者です。設置者は通常、予算権と人事権を持って仕事をするわけですが、私も知事も、予算権は持っていますが、人事権は持っていません。その辺が非常に歯がゆいところです。

 では、どのようなことをお願いしなければならないかと言うと、今やっている事業を、地道にやっていただくことしかないと思っています。県は奨学金や臨床研修資金の貸付などをやっていただいています。三重大学も地域枠を拡大していただいいていますし、地域基盤の教育を強化していただいて、地域を愛するドクターの養成もやっていただいています。我々基礎自治体は、給与や手当の問題、機器の更新、最新鋭の機器の導入、研修体制を整備といった環境整備をしています。三者のこのような努力によって、三重県に残る医師は去年から若干増えてきています。これを地道にやっていくしかないと思っておりますので、引き続き、さらなる充実に向けていろいろ協議していただきたいと思います。

 前葉津市長が国民健康保険の話をされましたが、国保は私が理事長をさせていただいて4年目になるわけですが、県でやってはどうかという動きがございました。ただ、知事会としては、財政の裏づけがきちんとなっていないので受けられないという話です。これについては、これから我々も含めて国と話し合いをしていかなければならないと思っています。

 それから、保育の話もされました。我々としては、これから声を大きくしていかなければならないのですが、子ども手当を現金給付することは、政治的に大事なのかもしれませんが、我々基礎自治体、あるいは広域自治体からすると、現物給付によって、その地域に合った子ども手当がきちんとできていくと思うのです。乳幼児医療の問題にしても、中学生まで医療費を無料化するといったことについても、子ども手当のほんの一部でかなえられるわけですので、そのようなことも含め、これからも国に対して、子ども手当の現物給付を要請していかなければならないと思います。

 消防の広域化の問題について内保伊賀市長からご提案いただきましたが、これについては、私は2つ大きな目標を持ってやっていかなければならないと思っています。その1つは、伊賀盆地は一つだということです。人口18万人の中に2つの自治体があるわけですが、それぞれの自治体がフル装備していくことはナンセンスです。合併前の7市町村の時代からずっと、一緒にいろいろな事業を協働で進めさせていただいていますので、これからも医療の問題、消防の問題、ごみの問題、し尿処理の問題、観光の問題、教育の問題等について、連携して一緒にやっていけたらと思っているわけです。

 その中で、消防の問題ですが、喫緊の課題は救急医療の問題です。火消しも大事ですが、年に何回もありません。広域で取り組まなければならない災害も、何年に1回あるかないかです。喫緊の課題は救急医療の問題なのです。例えば、家の前に救急車が2時間も停まっているような状態を、どうやって解消していくかということです。例えば、今日は名張市立病院が当番だが、大きな手術が入ったため救急車を受け入・黷轤黷ネい。では、バックアップ病院はどこかということで、そこに消防が電話する。しかし、そこも一杯、その次に電話した病院も一杯で駄目だということが再々あるわけです。これを何とか解消していかなければならない。そのためには、やはり広域的に一元化して、ここが駄目ならここというバックアップ体制を整えておかなければならない。それがきちんとできていれば、そのようなことにはならないのではないかと思っています。

 そのように考えた時、平成25年というのはものすごく重要な年となります。2年ぐらいで、ある程度医師確保できる目途がついていたのですが、今、3輪番が非常に厳しい環境の中で、一挙に駄目になり、救急の体制をきちんと組んでいくことも難しい状況にあります。ただ、単独でそのようなことをしていくよりも、広域的にきちんとしておいた方が、将来のために良いと思っています。この2つの理由で広域化は進めていかなければならないと思っているところです。

鈴木知事

 ありがとうございます。いくつか共通していることもありましたので、改めて申し上げます。順不同になりますが、前葉津市長から地域の福祉のあり方論についてお話をいただきました。亀井名張市長からもありました。特に保育や子育て支援について、前葉津市長からこども園を例にとってお話をいただきました。市や町の現場を確認したうえでやって欲しいということですが、まず、地域福祉のあり方全体については、私も、「答えはこれだ。」というものは、今はまだ持ちあわせていません。例えば、民生委員さん等がしていただいている、地域で支え合ってしていく日頃の見守りのような話もありますし、保育のような話もあります。一方で、障がいをお持ちの方々への対応のように、非常に専門性を問われるものもあります。障がいには、軽度、重度、身体、知的、精神等いろいろあり、対応には非常に専門性を要するのです。このように、地域福祉のあり方全体については、なかなか一括りでは言いづらいところがありますので、カテゴリーごとに、県と市の役割分担を議論していかなければいけないと思っています。

 本来、国の税と社会保障の一体改革の中で、福祉の部分をどうするのかという議論をしてもらわなければならないのですが、全く抜けています。年金、医療、介護という高齢3事業のことしか議論されていません。知事会においても申し上げましたが、国と地方の協議の場も含め、福祉のあり方を議論しなければいけないと思っています。

 子育てについては、今、国は、子ども子育て新システムというのを考えようとしています。今回、こども園、こども園給付、そして総合施設というものができます。総合施設とは、認定こども園の延長線上のようなよく分からない施設なのですが、はっきり言って現場は絶対混乱します。幼稚園も保育園も総合施設もあって、どれをどのように選択したら良いのかということになります。今、子ども子育て新システムには、利用者の皆さんが混乱しない方法が想像つかないくらいにひどい状況で、議論が全く進んでない状況です。保育所については、市町村の関与なく園との直接契約でいくということですが、では、契約に漏れた人はどうするのか、市町村にしてくれと言うがその本来の仕組みはどうするのか、保育料はこども園給付で直接払うのか、ぐちゃぐちゃな状況なのです。これをしっかり整理して正しい議論をしていくためには、市長がおっしゃったように、現場の実情はこうだというのが、一番説得力がある話だと思います。例えば、認定こども園は全く普及していないわけですが、なぜ普及しないかというと、現場の実態にあってないからなのです。私も今回、全国知事会の子どもプロジェクトチームに入らせてもらって、そのような議論を加速させていくつもりです。現場の部分については私もいろいろ確認させていただきましたが、県内でも全然違います。今回の休日保育の件でも、お金を取るのか取らないのか、現場の意識と乖離していることを厚労省に申し上げましたが、全く進展がありませんでした。電力制限にかかる休日保育の部分について、県単独で何かできないか考えているところです。これは自分も非常に関心があるところですので、もっと現場を研究して言っていきます。

 支え合いの話は、非常に使いやすい交付金ですので、国に対して延長を求めていきたいと思っています。延長されれば、残金も基金が残っていますので使えると思います。

 内保伊賀市長からは、消防の広域化に対する県の姿勢が弱まっているので、強いリーダーシップを持ってやって欲しいというお話がありました。これについては、この前も防災危機管理部と話をしましたが、きっちりと進めていきたいと思っています。先ほど亀井名張市長からもありましたとおり、救急車の現場到着時間の短縮、消防関係や災害関係の初動体制の強化のためには、統一的な指揮命令系統でした方が良いと思っています。例えば、消防ポンプ自動車は、伊賀市消防本部に12台、名張市消防本部に7台ありますので、計19台で対応できます。19台が統一的な指揮命令系統の中で活動した方が、県民の皆さんにメリットがあると確信しています。県の担当者の方々のやり取りの中で、県の姿勢が弱まっていると感じられたかもしれないので、担当の部署にも指示してきっちり進めていきます。特にこの伊賀ブロックについては、これまでも県のトップランナーとして話を進めさせていただいており、きちんとサポートさせていただきます。ぜひトップランナーとして県の一番を走ってもらえるようにお願いしたいと思いますし、我々も力を尽くしていきたいと思っております。

 それから、子ども手当のことで亀井名張市長からお話がありました。私も子ども手当の制度が変わる時にコメントを出させていただきました。全く地域の実情を反映してないし、その議論もなされていない。それから、国は現金給付、地方は現物給付という話も全く無視されている状況です。幼稚園のお金、保育園のお金、総合施設のお金を統合して、こども園給付というものを出す仕組みになるようですが、そこには子ども手当の財源も含まれてくるようですので、それに伴って基礎自治体はどのような役割を果たすのか、県はどのような役割を果たすのか、各施設はどのようにすれば良いのか、利用者の皆さんはどうすれば良いのか、といったことについても、しっかり議論していきたいと思っています。

 それから、医療の件ですが、今具体的に語っていただきましたように、本当に厳しい状況にあることは我々も十分認識をしています。輪番の非常勤の医師確保や、勤務医の休暇や手当のことと、あるいは奨学金やバディホスピタル、寄付講座等、本当に地道ではありますが、平成21年に医療再生計画に折り込ませていただいた事業を、引き続き強力に進めさせていただき、一方でこの医療再生計画に書かせていただいた中身がこのままで良いのか、状況が大分変わってきているので、中長期的なところを今の状況に合わせて変えて議論していった方が良いのか、まだ分かりかねているところもあるので、これから相談させていただきながら進めたいと思っています。

 答えが一気に出る問題ではないにしても、あらゆる可能性を捉えて、できることはどんどんやらなければいけない。両市長だけでなく、伊賀地域のどの方にお会いしても、まず医療の話が出てまいります。県としても医療政策の中で非常に大きな課題と捉え、改めて地道にしっかりやっていくことと、中長期的な先の姿をどのようにするかということの両方を議論させていただければと思います。

前葉津市長

 ありがとうございます。では、医療に絞って発言します。

 先輩市長である亀井名張市長から、県に医師確保の力がないという断言や、2時間停まっている救急車の話を伺いますと、この問題は本当に根が深い、本当に難しいのだということを改めて感じ、正直なところ若干あんたんたる思いをしていました。

 津市は、市立病院をお持ちの伊賀市や名張市とは状況が違いますが、救急車の問題は非常に大きな問題です。私は宮城県で、県の小林政策部長や植田総務部長の立場を経験しました。その時の実感で言えば、医師確保や医療政策について、政策や総務の責任者として話を聞いていても、つかみどころがないというのが正直なところです。決定的にどうすれば良いのか、県においても打ち出しにくい部分であると想像します。地域医療再生計画等、一所懸命していただいていますが、一方で、救急車が現場に着いてから患者の病院収容までにかかる時間が、平成21年と22年と比較すると悪くなっている。地元の医師会にはこの前はっきり言ったのですが、いろいろな原因があるとしても、結果が出ていないことに変わりありません。医師会からは平成23年の数字が出るまで待って欲しいと言われ、楽しみにしながら待っているのですが、ただ待っているだけでなく、何らかのことをしていかなければいけないと思っています。

 医療政策や医師確保という観点は非常に重要なのですが、私の分析では、これらの限界はサプライサイドなのです。医療を提供するサイドの支援策を考え、より力を尽くしていただくようお願いする立場だと、なかなか決定打に至らないと思います。

 一方、消防のことを考えてみますと、内保伊賀市長、亀井名張市長から、消防で一番考えていかなければならないことは救急だという話がありましたが、実際に救急車に乗っている救急隊員は、好き好んで動かないわけではありません。現場で必死に救命措置をとりながら、必死で受入病院先を探しています。あの人たちは本当につらいだろうと思います。消防は現場で病院に連絡を取って患者を受け入れていただき、そこへ運び込むまでが仕事なので、あまり声を上げてないというのが実情なのかもしれませんが、やはり消防サイドからもどんどん実情を言って、何とか解決策をお願いしますということを、情報公開していっても良いのではないかと思います。

 先般、当市では医師会と消防の意見交換会を行いました。ざっくばらんに意見をぶつけ合おうということで、消防の救急救命士も出席させて、ダイレクトに津地区、久居地区、両方の医師会の先生方と意見交換をさせていただきました。県の防災消防課からのご支援もぜひいただきたいので、消防という観点からの声の取りまとめを、この場で着眼点とさせていただきたいと思いまして発言しました。私もこれからいろいろと考えながら研究してまいりますので、この課題については引き続きフォローアップをお願いしたいと思います。

内保伊賀市長

 先ほど知事から、消防の広域化と医療について県の考え方、お話を聞かせていただきました。消防の広域化についても、県はしっかり組んでいくというお話でございます。県の消防の担当の方と、もう少し突っ込んだ議論をさせていただきたいと思いますので、県民センター所長の方でそのような機会を作っていただくことをお願いしておきます。名張市と伊賀市で広域の事務組合をつくっており、消防の広域化についてもそこで業務をしております。その中で、伊賀市は管理者を受け持たせていただいておりますので、伊賀市議会はもちろん、広域の事務組合の議会でも、この点についてしっかりと説明しなければならない立場でございます。他のブロックから、消防の広域化の話はなくなったのではないかというお話も聞かせていただく中で、そのような情報を結構聞いている議員もいますので、もう少し詰めた話をさせていただきたいと思います。よろしくお願いしておきたいと思います。

 それから、医療の関係でございますが、本当に厳しい状況です。先ほど亀井名張市長から、伊賀の1次応急診療、2次についてもお話をいただきました。3輪番制ですので、岡波総合病院のご協力もお願いしなければなりませんが、何をおいても、上野総合市民病院の一定の診療体制が整わなければいけません。市として、市民病院の開設者として、懸命の努力をいたしてまいりたい、早い時期に内科の常勤医を確保できるよう最大の努力をはらっていきたいと思っています。

 そのような中で、国に提出している地域医療の再生計画についてですが、いったん出したものの手直しということになれば、いろいろ国との話し合いもあると思いますが、末端の自治体が非常に困って頑張っておりますので、できるだけ再生事業に乗れる扱いを、国との協議の中から見出していただきたい。このこともお願いさせていただきたいと思います。

亀井名張市長

 内保伊賀市長が今おっしゃったように、ぜひそのような動きをお願いしたいと思います。

 救急の問題について前葉津市長も若干触れられましたが、私も救急については少し苦い思い出がございます。市民目線で対応していって大変なことになったことがあるのです。ドクターに対して「もう少し頑張ってくれ、もう少し頑張ってくれ。」とお願いして、小児科医2人で24時間365日診療していただいた時期があります。この時に、市民の方がドクターに暴力を振るわれ、ドクターが一挙に引き上げ、ゼロなってしまったのです。私は、この轍は絶対踏んではならないと肝に命じました。まずはドクターを守らなければならないのです。ドクターを守ることが病院を守ることになり、病院を守ることが市民を守ることになる。このサイクルを絶対に乱してはならないと思っています。これは非常に悩ましい問題ですが、このような運営をしていかざるを得ない厳しい現実をご理解いただきたい。

 それから、地域福祉のお話をいただいたので、名張市の取組等についてお話をさせていただきたいと思います。今、社会保障と税の一体改革の中でも、地域包括ケアシステムを構築していく、そして、在宅介護を充実させていくことが上げられています。今の社会保障と税の一体改革というのは、前政権の時の国民会議の焼き直しになっています。福田総理の時に国民会議を作り、麻生政権になってから、その国民会議から麻生総理に出されたのが基本になっております。私はそれ以前に社会保障審議会の委員をしていたことがありますが、財源の手立てなく議論していくことは、非常に空虚な感じがしていました。そこで、これは厚労省だけではなく国全体で議論すべき問題だということで、格上げされ、国民会議でそれが議論されたわけです。今の政権も、社会保障と税の一体改革を非常に大事な問題として議論し、大体以前の方向で政府与党の決定がなされたということです。

 ですから、名張市の取組みの方がかなり早かったわけです。3年、4年ぐらい前から、これをしてきています。厚生労働省と一緒に、在宅・纓テ、在宅介護をより充実させていくための取組をしてきたわけです。国はこのような考え方であります。在宅にすると、入院あるいは施設介護と比較して、給付額が2分の1から3分の1で済むので、在宅へ誘導したいという考え方です。それも重要かもしれませんが、基礎自治体からすれば、もっと重要なことは、患者様や高齢者の方が何を望んでおられるかということなのです。医療、介護を含め、どこでケアを受けたいかを調査したことがありますが、住み慣れた地域で家族の顔を見て生活したいとおっしゃった方の割合は、全国では45%、三重県はそれより多く51%、名張市はもっと多く70%でした。家族にとっては「おじいちゃんに帰ってきてもろたらかなわん。」となる場合もありますが、名張市の場合、体制さえ整えば在宅の方が良いという家族が60%もいらっしゃいます。この願いを叶えてあげなければならないという思いで、我々は取り組んできたということがあります。今日は地域づくり組織の方も来ていらっしゃいますが、基本になるのは、地域づくりの方々の見守りや助け合い、向こう3軒両隣の互助活動ですが、その前に、医療も介護も必要な場合や、その境目も分からない場合があります。ですから、チームできちんとケアカンファレンスができるようにしなければならないわけです。地域ケアをしていくためには、チームケアでなければならないわけです。この方のケアにはドクターに入っていただく、介護福祉士にも入っていただく、地域の民生児童委員さんやボランティアの方にも入っていただく、そういったチームケアです。地域ケアはチームケアでもあるわけですから、そういうものをきちんと作り上げていくということです。こういうものは初めから完全にはできませんが、それに向けてやってきており、今、地域包括は市一本でしています。ブランチとして各地域づくり組織さん、つまり各公民館に「まちの保健室」を作り、そこに看護師あるいは介護師、保健師などを2名ずつ置いています。その「まちの保健室」が地域の民生委員さんと連絡を取りながら、きちんとした体制を整えていくことにしており、これを段々進化させていきたいと思っております。

 やはり地域づくりがきちんとなっていないとこれもできないので、地域づくりが一番ベースになっていることは確かでございます。地域づくり組織の方々がきちんと地域づくりをしているがゆえに、このような取組ができているわけです。

内保伊賀市長

 話題を変えて、企業誘致についてです。これまでも県のご努力をいただき、最近ではトヨタ系のジェイテクトの進出もいただいており、これに関連する自動車産業の進出を期待しております。

 また、名張市さんも含め伊賀地域には観光資源がたくさんありますので、これからの地域づくりに活用していきたいと考えております。また、お隣の津市とはこれまでも連携をとらせていただいておりますが、先ほど申し上げたとおり、国道163号線、国道165号線、名阪国道、伊勢自動車道でつながっており、交通事情においても本当にお隣です。伊賀地域と津市が連携した観光事業も、これからさらに進めていくべき大きな事業だと思います。鈴木知事も観光を売りにと力を込めておっしゃっていますので、一緒によろしくお願いいたします。

閉会

鈴木知事

  本日は大変お忙しい中、長時間ありがとうございました。

 亀井名張市長と内保伊賀市長は首長として先輩でありますし、前葉津市長は県の経験もあるということで、先輩の皆さんの深い議論をたくさんいただき、今後のヒントになることがたくさんございました。

 今日、非常に印象的だったことは、3市長とも、あれをして欲しい、これをして欲しいというよりは、むしろ一緒に考えよう、一緒に答えを出していこう、ちなみにうちはこのようなことをしている、という形での議論をしていただきました。非常にありがたかったです。このような形で一緒に考え、一緒に答えを出していくことがあるべき姿であり、その契機になったと思います。今日は具体的な話もいくつかありました。大きな議論もありましたが、その基にはそれぞれ具体的な課題があると思います。その具体的な課題が、一歩でも半歩でも解決に向かっていかないと、今日のこの3時間は何していたんだと住民の皆さんから言われることになってしまいます。今日のこの3時間の議論で具体的なことが一歩でも半歩でも進んでいくように、私どももしっかり頑張っていきますし、一緒に考えて、一緒に答えを出すということで、今後ともご協力、ご指導いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 本日は、誠にありがとうございました。

 

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