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県政だより みえ

スクラムを組んで前へ進もう

  「つなげよう絆 届けよう紀伊半島から勇気・希望・笑顔」をスローガンに開催された「第22回世界少年野球大会」。紀伊半島大水害から1年、王 貞治(おう さだはる)さんから復興に向けて力強いエールをいただきました。

日本の原点が三重にある

 

知事:今日はよろしくお願いします。並んで笑う知事と王さん

:よろしくお願いします。

知事:今回は、ここ熊野市を中心に15の国と地域の少年少女が交流する「第22回 世界少年野球大会 三重・奈良・和歌山大会」の開催にご尽力いただき、ありがとうございます。記念撮影で、王さんのところに集まった子どもたちの嬉しそうな顔を見て、本当に今回の大会を開催できて良かったと実感しました。王さんはこれまで三重県に何度かお越しいただいたことはありますでしょうか?

:確か、津市で野球の試合をしましたよ。公式戦ではなくて、春のオープン戦だったと思います。あと、プロ野球界のスーパースターである沢村 栄治(さわむら えいじ)さんが三重県出身ですよね。ジャイアンツのユニフォームを着ている頃に、お墓参りに行ったことがあります。沢村さんといったら、巨人軍の絶対的な人ですから。

知事:そうでしたか。では、今回あらためてお越しいただいて感じたことや、三重県について、普段持ってらっしゃる印象などを教えてください。

:ここ熊野市に着くまでに、名古屋から、かなり時間がかかりましたので、とにかく広いんだなぁと感じました。道中、山や海が近くて自然が多いところで、皆さんが一生懸命仕事をしている姿を見て、やっぱりこういう場所が、日本の原点なんだな、と思いました。

知事:そう言っていただけて、ありがたいです。確かに、県民の皆さんに三重県の誇りに思っている点を尋ねると、まず「自然」と答えられることが、結構多いんです。日本中、世界中を回られている王さんに、三重県の自然を褒めていただけるのは、大変嬉しいです。

:最近は、いろんな面で便利になってきていることが、かえって、自然の元々の良さをなくしている部分があると思うんです。私たちの小さい頃と同じ風景が残っている場所に来て、現在ある自然を大切にしなければと改めて思いましたね。

知事:おっしゃるとおりですね。三重県に住んでいる者として、みんなでこの自然を大切にしていけるよう努力していき、三重県を訪れる皆さんをおもてなししなければと思っています。

 

笑顔が復興の力に


知事:そんな中、昨年、紀伊半島大水害がありました。今回の大会を開催するきっかけとなったこの大水害は、三重県で死者2名、行方不明者1名という状況ですが、ニュース報道などをご覧になられて、どのようなことを感じられましたか。また、復興に対して思われていることはありますでしょうか。

:テレビで災害の場面も見ましたが、映像で見るのと、実際に被害に遭われ、避難された皆さんの状況などをいろいろとお聴きするのとでは、全然違いますね。本当に大変な災害だったということがよく分かりました。おそらく、東日本大震災が大きく扱われていましたので、紀伊半島大水害の被害は、県外の方には理解されにくかったんじゃないでしょうか。しかし、そんな大変な中でも、地元の皆さんはとても前向きで、「とどまっていられないんだ」という強い思いをお持ちであると感じました。

知事:そうですね。今なお、復興途上にありますが、特に、子どもたちに前を向いてほしいという思いから、この大会の開催を決意しました。

:大きな被害を受けた中で、大会の趣旨をご理解いただき、開催を引き受けていただいたことに大変感謝しています。子どもたちの元気いっぱいな姿を見ていただいて、少しでも皆さんを元気づけたいです。

知事:そうですね。お越しいただいた地域の皆さんが、世界中の子どもたちの笑顔に触れて、前を向いて元気になっていただけるものと思っています。

入場行進の様子

 


スポーツは人を素直にする

 

:子どもたちは小さい時からいろんなことを経験すればするほど、大きく成長していきますよね。この大会が開催されている一週間でも、がらっと変わるんですよ。最後の日に、子どもたちがどれだけたくましくなって帰るかっていうのを毎回楽しみにしているんです。体の大きさは変わらないけど、もう表情とかが全然違うんです。最初は不安もあって、おどおどしたところもありますが、最後は胸を張って堂々としています。何かを乗り越えて、子どもが大人に成長したような雰囲気が感じられるんですよ。だから、このような大会はやめられないです。成長していく子どもたちの表情を見たいという思いがあって、続けているところがありますね。

座って話す知事と王さん知事:そのように、子ども自身も変われた経験があったからでしょうか。この野球大会をサポートしているスタッフは、子どもの頃、選手としてこの大会に参加した人たちだそうですね。

:はい。参加した経験を生かして、何か役に立ちたい、と申し出ていただいた方々です。実際に参加したことのある人が手伝ってくれると、また、違うんですよね。今回参加した子どもたちも、スタッフとして手伝う先輩たちを見て、7,8年後にはお世話する側になろうと思ってくれたら嬉しいです。参加した子どもたちがどんどんバトンタッチしていく、そういうつながりが出てくればいいですね。この大会を運営していると、多くの人の力を借りないと何事もできない、ということを痛感します。一人でどんなに強い思いを持っていてもできないものなのです。

知事:三重県は、今スポーツに力を入れているところです。スポーツは、する人、見る人、支える人が、みんなそろって成り立っていると感じます。王さんが考えるスポーツの持つ力というものを、お聞かせ願えますか。

:スポーツ以外のことでは、自分の思想とか、自分の利害関係とかがあって、なかなか気持ちを一つにして、団結することが難しいんですよ。でも、スポーツは主役になる人も、脇役になる人も、それぞれの立場の人が自分の役割を大切に思い、しっかり取り組むことで、大きな力になっています。不思議ですが、スポーツは人を素直にするんです。勝っても負けても気持ちが一つになる。勝ったら「また今度も勝とう」、負けても「また次は頑張ろう」となりますし、今のような時代には、このスポーツが持つ力はとても大切だと感じますね。


それぞれの役割が大切

 

知事:ファンや支えてくれる裏方さんから、何か感銘を受けたことや、感動したエピソードなどはありますか。

:ファンの方たちは、試合をしている選手があきらめてしまうような戦いでも、選手を信じて、応援してくれるんです。裏方さんは、マウンドや打席に立てないにもかかわらず、感情を持って勝ち負けを受けとめてくれるんですよ。真剣に願ってくれる、こういう支えてくれる方たちの表情を見ていると、もっと頑張んなきゃという思いが強くなりますね。

知事:スポーツは、プレーヤーに注目が集まりがちですが、見ている人や支える人がいることで成り立つと思います。三重県でやっている地域づくりも同じだと思うんですよね。目立つ人ばかりだけでなく、それぞれに役割分担があって、一人ひとりが一生懸命取り組むことで、いい地域ができていくというように。

:外に向けて伝える力、発信する力という点では、目立つ人がいないと弱くなるし、目立つ人がいればいるほど強くなりますよね。目立つ役割をする人は、それなりの意味をしっかり考える。反対に、支える人はこの役割の大切さを理解する。このようにお互いが自分の立場と、相手の立場を理解し合って取り組めば、すごくうまくいくと思いますね。

知事:確かにそうですね。

 

野球の魅力

 

知事:ところで、王さんにとって野球とは何ですか。笑顔で話す王さん

:とにかく、高校を卒業してからは、野球しかやってないですからね(笑)。高校を卒業してから55年くらい、野球を通して歩んできたので、野球こそ我が人生みたいなところがあります。野球は、夢中になったり熱中したりする、価値のあるものでした。私が野球界に入ったころは、野球は生涯の仕事にできるような感じではなく、やれるうちだけやればいいというような感覚でした。でも、打てたら嬉しい、打てなかったら悔しいという、野球そのものの魅力を感じるようになり、一生をかける存在になっていきました。どうしたら、もっとうまく打てるようになるかと、繰り返しやっているうちにいつの間にか、22年間の選手生活、8年間の監督コーチ生活、そのあとも14年と経っていきました。野球はやればやるほど難しくなってくるので、その度に征服したくなってくるんです。そういうのがあるから年齢に関係なく、どんどんのめり込んでいったんでしょうね。

知事:自分の体力や能力に関係なく、野球に対する思いがあればいつまでも続けられるのも魅力ですよね。

:それに、人に感動を与えられますしね。誰も見てくれていなかったら、ここまでのめり込めなかったと思います。

知事:周りで喜んでくれた人も、幸せを感じますし、喜んでもらった側も幸せになりますしね。


スランプから得たもの

 

知事:長い野球人生で、いろいろ大きな記録を立てられていますが、今まで野球をやってきた中で、一番嬉しかったことを教えていただけないでしょうか。

:私の野球人生の中で、今でも一番鮮明に覚えているのは、高校生の時に甲子園で優勝したことです。純粋に野球が好きで、仲間たちと喜びを分かち合いたいという一心でつかみとった優勝は、どんなタイトルと比べても別格でした。

知事:大リーグ本塁打記録を破った756本目のホームランを打ったときや、9年連続して日本シリーズを制覇したV9時代などではなく、高校生の時の甲子園優勝が、現在になっても一番なんですね。それでも、このような数々の輝かしい成績の裏には、挫折もあったと思います。どう乗り越えられたのでしょうか。

:プロとして10年以上が経った昭和46年、スランプに陥ったことがありました。その時はどこから手を付けていいか分からない状態で、いま考えると、対戦相手ではなく、自分と勝負していたように思います。しかし、このままでは絶対終われないという気持ちで、とにかく朝から晩まで無心にバットを振りました。その結果、1年かかって、やっと打てるようになってからは、成績も良くなり、精神的にもたくましくなったような気がします。あの経験に比べれば、このくらいどうってことない、というように、苦しんだ経験が人生の支えに変わっていきました。

知事:王理事長の、今後の夢といいますか、これからやりたいなと思うことは何ですか。

:年齢的なこともあるので、後進に道を譲っていきたいなと思います。より良い形で若い人に譲れるように、良い環境を作っておきたいですね。このようなスポーツは、受け継がれなければ意味がないと思うので、そのために皆が参加しやすい環境を作って、バトンタッチしていきたいです。

 

力を合わせて前進しよう

 

知事:県民、特に紀伊半島大水害を乗り越えようと復興イベントなども行う熊野市、御浜町、紀宝町の皆さんにメッセージをお願いします。

:まず、あのような災害が二度と起こらないことを一番に願いたいです。ただ、人間は自然とともに生きているのですから、自然の力をどう受け入れ、どう前に進んでいくか、みんなで知恵を働かさなければなりません。三重県の皆さんは、紀伊半島大水害という苦難に立ち向かい、本当に強くなったと思うのです。そういう自分たちを頼もしく思いながら、みんなでスクラムを組み、力を合わせて前進していただきたいです。

知事:今、みんなが少しずつ立ち上がっている中で、大変勇気の湧く言葉をいただきました。本当にありがとうございました。

横断幕の前で握手する知事と王さん

 

対談場所:くまのスタジアム(熊野市有馬町)

9月8日に里創人熊野倶楽部で開催する復興イベントの情報はこちらから確認できます。

/HKISHU/HP/index.htm

 

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