現在位置:
  1. トップページ >
  2. 県政・お知らせ情報 >
  3. 県政情報 >
  4. 県政だよりみえ >
  5. 知事対談 >
  6.  平成24年12月号知事対談【第6回】桂文枝さん
担当所属:
  1.  県庁の組織一覧  >
  2. 戦略企画部  >
  3. 広聴広報課  >
  4.  広報班 
  • facebook
  • facebook share
  • twitter
  • google plus
  • line

県政だより みえ

人との交わりが伝統をつなぐ

 人を楽しませるために、挑戦し続ける文枝さん。一人の落語家として、また、落語界をけん引するリーダーとして、熱い思いを語っていただきました。

 畳の部屋で正座して並ぶ文枝師匠と知事

 新しいことも受け入れる

 

知事:ご襲名おめでとうございます。襲名披露の成功祈願を伊勢でされたほか、三重県と深い関わりがあると伺いました。

文枝:三重県の皆さんには、若いころから大変お世話になっているんです。落語家になったばかりのころ、古典落語をまねてお伊勢さんまで歩いて旅をしました。道中で皆さんにとても親切にしていただいたことが今でも忘れられません。三重の方は誠実で一本筋が通っているという印象があります。「~してござる」という言葉が今も使われていますよね。伊勢地域では年中、玄関に、しめ縄がかけられていますし、私も全国回ってきましたけども、そういう古い言葉や文化が残っているというのは、やっぱりすごいことだと思います。身の引き締まる思いがしますね。

知事:ありがたいですね。 

文枝:「明日、あさって、ささって」なんてね、言われますでしょ。はじめ聞いたときはどこに刺さんのかなと(笑)。

知事:ははは。今日は、三重県の皆さんが元気をもらえるようなお話をいただけたらと思っています。まずは、長らく親しまれてきた「三枝」から由緒ある「文枝」を受け継がれていかがですか?

文枝:代々受け継いでいくことと、新しいものを取り入れることが、伝統をつなぐということだと思っています。単に古いままだったら、時代に合わずそこで途切れてしまう。そして、その新しいものを取り入れるために、いつもアンテナを張って、頭を柔軟にすることですかね。若い人の格好を「なんやあの格好」と思っても、それは若者をひきつける魅力があるわけですから、いっぺん興味を持ってみることが大事だと思います。なので、歌もお芝居も映画もよく行きますよ。我々の世界がすごいのは、狭い楽屋に人間国宝である桂米朝師匠から、昨日今日入った者まで一緒にいるわけです。90歳近い人の話を10代の若者が聞くという環境があるんです。今の日本の社会には、なかなかないですよね。そこで、いろいろなことが受け継がれますし、新しいことにも敏感になれるんです。

知事:来年は、伊勢神宮式年遷宮の年です。1300年続いてきた伝統の行事は厳格に守り伝えられるものですが、県としても周辺イベントやおもてなしなどでは、新しい感覚で取り組んでいきたいと思っています。若い人にも興味をもってもらうことが伝統をつなぐことになるのですね。

文枝:やっぱり若い人に興味をもってもらうようなものをやらないといけないですね。もちろんお年寄りもそうですけども、次の世代が受け継いでいくわけですからね。

知事:そうですね。師匠はいろんな古典のほか、たくさんの創作落語にも取り組まれていますね。なかでも鳥羽の御木本幸吉を描いた「夢いちもんめ」や坂本龍馬を主人公にした話など、人に関わるものが印象的です。

文枝:人の話を落語にしたい、という気持ちがありますね。御木本幸吉と坂本龍馬は、ともに鳥羽と高知という海を見てきた男で、どこか似ていると思うんです。御木本幸吉というのは、もともと八百屋の息子なんですが、艱難辛苦(かんなんしんく)のなかで養殖真珠を成功させた人で「世界中の女性の首を真珠でしめたい」と言ったとか。すごいと思いますね。海を見ている男は、日本の国だけでなくて世界を見ているというか。坂本龍馬もそうですけど、発想が広いなと思いました。

 談笑する文枝師匠と知事


 良いところを見つけ出す


知事:テレビを見ていると、文枝さんは人の可能性や魅力を引き出すことが、とてもお上手ですよね。しかもそれを笑いにして。

文枝:人が好きなんですよ。楽しく仲良くしたい気持ちがあるから、その人の良いところ、面白いところを引き出そうとするだけです。弱いところや欠点も、うまく表現して気分良くなってもらえると嬉しくなります。

知事:私も県民の皆さんの良いところを引き出して、県全体を元気にしたいと思っています。

文枝:引き出す言うても、県民の皆さんってぎょうさんおるから全部は引き出せませんやろ(笑)。でもね、一極集中が進んでいる今こそ、地域を活性化しないといけないと思うんです。最近、全国どこへ行っても同じようなお店が並んでいる気がします。駅を降り立ったら、ここは三重や!くらいに地域の個性を出してほしいです。その街にまつわるイベントなどがあれば面白いかなと思いますね。例えば、岐阜市には、落語の祖といわれる約400年前のお坊さん「安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)」という人がいたんですが、その人にちなんで毎年、全日本学生落語選手権大会が開催されているんです。また、私の住んでいる池田市では池田の落語がいくつかあって、社会人落語日本一決定戦というものもやってます。三重はなんといってもお伊勢さんがありますし、上方落語にはお伊勢さんへ参ってまた帰るという道中の落語を集めた話があります。そういうところから全国中の人が年に一度集まってくるような、いろんなイベントをされたらいいんじゃないかと思います。知事さんからはパワフルさを感じます。ぜひ頑張ってください。

知事:顔が大きいだけです。

センスを片手に笑顔の文枝師匠文枝:でかいでんなぁ(笑)。顔がでかいということは、顔が広いということですわ。そやから、人のつながりを生かしていくことが大切です。私たちの本拠地である寄席「天満天神繁昌亭(てんまてんじんはんじょうてい)」をつくった時は、多くの方から寄付をいただき、また、「上方落語協会会館」建設の時は、世界的に活躍されている建築家の安藤忠雄(あんどうただお)さんにもご協力をいただき、みんな心からの付き合いで、いずれも素晴らしいものが出来上がりました。長い間にできた人とのつながりから生まれたんです。


  「いちびる」精神

 

知事:文枝さんは上方落語協会の会長としても、落語界を引っ張っていかれていますね。みんなをまとめたり、改革を進めたりする時に心掛けていることを教えてください。

文枝:やはり、人の和というのが一番大事ですよね。繁昌亭をつくるのは大きな改革だったと思います。まず風通しを良くして、たくさんの人に関わってもらえるようにしました。また、会長になると大きな決断を求められますので、何でも素早くやる、と決めました。迷ったら取りあえずやる、間違っていると思ったらすぐやめる、というように。

身振り手振りで真剣に話す文枝師匠知事:関西地方でよく使われる「いちびる」精神ですね。「調子に乗ってはしゃぐ」という意味のほか、「いち早く試してみる」「先陣を切って手を上げる」という意味もありますよね。とても大切なことだと思います。

文枝:繁昌亭をつくるにあたっては、僕はとにかく、天満宮に合うような建物にしようと考えていました。昔のまま桟敷(さじき)でやりたかったんです。これからはやっぱり座ってみんなに聞いてもらいたいというか。お年寄りもおるし、席が必要だと思っていました。ただ、協会のみんなそれぞれがいろんな意見をもっていると思うので、検討する時には、みんなの意見が出やすいように自分の意見を言うわけです。そうすると自然に、みんなの意見が丸く収まるんですよ。そして、お客さんを大事にするというような、根本的な部分は、ぶれない。また、「機を見るに敏」ということがリーダーには必要です。周りにはかるものと、自分で決断するものの見極めも重要です。

 

 

 


  世界に誇れる魅力

  文枝:三重には桑名があり名張があり、津もある。「サンシ」というスーパーもあるし(笑)。なんで「サンシ」やねんって思ったけど(笑)。それから尾鷲や鳥羽など魚がおいしいところもある。海の幸に山の幸、こんなにそろっているところは、なかなかないと思いますよ。

知事:ああもう、おっしゃるとおりですね。

文枝:そういう意味ではまだまだね、全国に知らしめてないと私は思いますね。知事さんにはそこに力入れて全国に発信していただけたら。

知事:まさに、PRは私の重要な仕事だと思っています。まだまだお話を伺いたいのですが、時間になってしまいました。最後に三重県民の皆さんへメッセージをお願いします。

文枝:私にとって三重県は青春の思い出であり、ずっとつながりのあるところです。風光明媚で、食べ物はおいしいし、伊勢神宮もあって、どれをとっても日本だけでなく、世界に誇れるようなものがたくさんあると思います。これからもたびたび来ますし、応援もしていきます。皆さんも自信を持って頑張っていただきたいと思います。

知事:大変心強いお言葉をいただきました。三重県の素晴らしさを自らが強く思って、発信していきます。ありがとうございました。本当に今日は嬉しかったです。私あの、実は、小学4年生のときに初めてやった部活が落語研究部でありまして、私は黒いズボンをよくはいていたので、「鈴木家まるこげ」という名前を付けて、大喜利を中心にやっていたんです。人からかまってもらいたいとか、おもしろいと言ってもらいたくて。

文枝:ぜひまた私の落語を覚えてくださいよ。

知事:え、覚えるんですか?

文枝:ぜひどうぞ。覚えて全部やらなくても、やっぱり落語家の話を聞いていただくと、普段行う演説に生かせることがあると思うんです。間であるとか、ツッコミであるとか面白いこと、笑わせるというのを話に入れると聞きやすいし、親しみが出ますよね。

知事:なるほど。わかりました。勉強させていただきます。本当に今日はありがとうございました。

握手して頭を下げ合う文枝師匠と知事 

  対談場所:名張公民館和室(名張市)


本ページに関する問い合わせ先

三重県 戦略企画部 広聴広報課 広報班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁3階)
電話番号:059-224-2788 
ファクス番号:059-224-2032 
メールアドレス:koho@pref.mie.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

ページID:000037900