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「三重県密集市街地整備基本方針」について

平成24年3月31日をもって、「三重県密集市街地整備基本方針」を廃止しました。

しかしながら、当該整備方針の策定時に得られた調査データ及び知見については、県内市町・地区住民が密集市街地の解消・危険性の低減に向けて取り組むうえで、有効なものであることから、技術的な指針として、今後も有効にご活用ください。

以下、「三重県密集市街地整備基本方針」をそのまま掲載します。

三重県密集市街地整備基本方針の概要

 基本方針の策定にあたっては、三重県における密集市街地に該当する地区の地理的立地状況・形成背景といった様々な特性を把握した上で、実現性の高い整備方針を策定する必要があると考えました。
 そこで、「三重県密集市街地整備基本方針」では、三重県で定めた基準によって密集市街地を抽出し、地域特性により抽出した密集市街地を8つに分類しています。そして、分類した8地域それぞれについて住民と市町・県が一体となってワークショップや意識調査を実施し、整備課題・整備方針・実現方策を検討しました。その検討結果を踏まえて、有識者・住民代表・行政担当者で構成される検討会で協議し、とりまとめを行い、これを「三重県密集市街地整備基本方針」として策定しました。(基本方針の詳細は、こちらをご覧下さい。)


↑密集市街地内の狭あい道路

三重県の密集市街地

 基本方針では、県内全域を対象に下の基準に該当する「密集市街地」の抽出をおこないました。(抽出方法及び基準の詳細については、基本方針をご覧下さい。)

 (1) 地区面積 0.5ha以上
 (2) 建物密集度 30棟/ha以上
 (3) 不燃領域率※ 60%未満

 (4) 老朽木造建築物※

50%以上
  (昭和56年以前に建築された木造建築物)割合
 (5) 避難路整備率 100m/ha未満
  (幅員6m以上の道路の配置密度)
 (6) 市町として整備・改善が必要と考えている地区

※ 不燃領域率とは、市街地の燃えやすさを示す指標で、対象区域内の耐火建築物の割合・空地面積により算出します。
※ 昭和56年以前の旧耐震基準により建築された建築物が阪神・淡路大震災において多く被害がでたことから、昭和56年以前に建築された建築物を老朽木造建築物としました。

抽出の結果、「三重県における密集市街地」として
 309地区、約4,000haの市街地が該当しました。

 また、抽出された地区を、都市計画上の位置づけ・地区の地理的立地状況・歴史的形成背景・まちづくりの方向性・津波の危険性の有無の地区特性により8つに分類し、それぞれの分類に応じた密集市街地の改善方針を提示しています。
 地区特性による分類結果は、以下のようになっています。

 各市町の密集市街地はこちらをご覧下さい。また、各分類の課題・改善の目標は、各分類名からご覧になれます。

分類 特徴
中心市街地型  津波の危険性が低い都市中心部の商業系の用途地域の指定がなされている既成市街地にある密集市街地
周辺市街地型  津波の危険性が低い中心市街地周辺にある住居系の用途地域が指定されている密集市街地
観光市街地型  津波の危険性が低く、観光資源を有する都市的地域にある密集市街地
沿岸観光市街地型  津波の危険性が高く、観光資源を有する都市的地域にある密集市街地
農村集落型  津波の危険性が低い集落的地域にある密集市街地 
漁村集落型  海岸沿いで津波の危険性が高い、集落的地域にある密集市街地
都計外漁村集落型  海岸沿いで津波の危険性が高く、都市計画区域外の漁村にある密集市街地
離島型  海岸沿いに立地し津波の危険性が高い、離島にある密集市街地

密集市街地の改善に向けて

地震等災害発生時における火災の延焼・建築物の倒壊・避難路の閉塞等の被害を軽減し、安心して暮らせるようにするためには、まちぐるみで話し合い、問題点を解決していくことが大切です。基本方針は、火災の延焼等の危険性の高い密集市街地の改善にあたっての整備方針や実現に向けた手法及び取り組み方を示しています。今後、基本方針に基づき、住民・市町・県それぞれが考え、行動し、密集市街地の改善に取り組むことが望まれます。

各分類の整備課題と整備方針

【中心市街地型】

<密集市街地の課題>
 中心市街地としての魅力が少ないことから、商業・業務施設の新規出店や更新が行われず、老朽化した建築物や空き家等が残る結果となっていると考えられることから、地域の活性化を踏まえた密集市街地改善方策を検討していく必要があります。 
<密集市街地改善の目標>
 老朽木造建築物の更新と建築物の不燃化を進め、延焼の危険性が低い安全な市街地を形成するとともに、建築物の整備に合わせて良好な店舗・オフィス・住居等を形成・提供することにより、中心市街地としての魅力の向上や地域の活性化を実現する。

【周辺市街地型】

<密集市街地の課題>
 敷地が狭小で道路が十分に整備されていないことから、老朽木造建築物の更新が行われず、居住環境の悪化と、防災上の危険性が高くなっています。一方で、地域の特性を表現する街並み等が存在する地区もあります。よって、地域特性の保全や活用を視野に入れ、防災上安全で良好な居住環境を形成していく必要があります。
<密集市街地改善の目標>
 地域特性のある街並みの保全・活用と、防災上の安全性確保を前提とした避難路設定及び整備と、狭小敷地と接道条件の悪い居住環境に配慮した建築規制の緩和措置を検討し、延焼の危険性の低い建築物への更新を図ることで、地域特性を活かした良好な居住環境の形成と、災害発生時に安全に避難できる地域の形成を図る。

【観光市街地型】

<密集市街地の課題>
 市街地の形成背景が城下町等で、狭小な通路等が残っている一方、観光資源を活用したまちづくりを進めることが必要な地域であることから、歴史的・観光的価値の高い建築物等がある区域については、地域の資産として街並みを保全し、現在以上に延焼の危険性が高くならないよう、防災意識の向上等のソフト対策等を講じていく必要があります。

<密集市街地改善の目標>
 観光地域としての街並み等の保全・活用のあり方と、密集市街地としての整備・改善方策を一体的に検討し、地域住民のみならず、来訪者の避難等の安全性を確保するとともに、観光地域としての魅力を向上する。

【沿岸観光市街地型】

<密集市街地の課題>
 老朽木造建築物が狭い敷地に密集して建っていることと、避難路となるべき生活道路が狭い一方、観光資源を活用したまちづくりを進めることが必要な地域であることから、歴史的・観光的価値の高い建築物等がある区域については、地域の資産としてその建築物を中心として街並みを保全し、現在以上に延焼の危険性が高くならないよう、防災意識の向上等のソフト対策等を講じていく必要があります。
<密集市街地改善の目標>
 観光地域としてのあり方と、津波の危険性の高い密集市街地としての整備・改善の方針を一体的に検討し、地域住民のみならず、来訪者の避難等の安全性を確保するとともに、居住環境の向上と観光地域としての魅力を向上する。

【農村集落型】

<密集市街地の課題>
 避難路の整備が不十分である一方、農業振興地域に立地することから、市街化を促進するのは好ましくなく、現在ある農村景観を維持しながら、災害発生時に人的・物的被害を軽減する必要があります。
<密集市街地改善の目標>
 避難場所・道路の配置状況及び現在の建築物の分布状況を勘案して、必要な避難路の設定・整備を行う。また、農村景観の保全を図りつつ、現在以上に建物密度が上がらないようにする。これらの対応により、住民の安全な避難を実現するとともに、農村地域としての良好な景観の保全と居住環境の向上を図る。

【漁村集落型】

<密集市街地の課題>
 老朽木造建築物が狭い敷地に密集して建っていることと、避難路となるべき道路が狭い一方、傾斜地に集落が形成されており、その地形的特性や地域の歴史的資産や観光資源を保全しつつ、漁業のまちを継承していくため、漁業に携わる人の生活と生業が折り合った生活環境を維持・改善していく必要があります。
<密集市街地改善の目標>
 丘陵地(傾斜地)特有の狭い路地に住宅が密集して建ち並ぶ漁村特有の集落形態と、地域の歴史的資産や観光資源を生かしつつ、地震、火災、津波に対して防災力のある集落形成を目指す。

【都計外漁村集落型】

<密集市街地の課題>
 津波の危険性の高い地域で、老朽木造建築物が狭い敷地に密集して建っていることと、避難路となるべき生活道路が狭い一方、高齢化が進行していますが、漁業を中心としたまちを継承していくためには、漁業に携わる人の生活と生業が折り合った生活環境を維持・改善していく必要があります。
<密集市街地改善の目標>
 狭い路地に住宅が密集している漁村集落特有の集落形態を生かしつつ、火災、津波に対して防災力のある集落形成を目指す。また、都計外で建築基準法の集団規定が適用されないことから、集団規定の適用方策を検討しつつ、不燃化・耐震化・基礎の嵩上げ等建替え時の建築規制に関するルールをつくり、漁業の継承と防災力の強化を図る。

【離島型】

<密集市街地の課題>
 津波の危険性の高い地域で、狭小な通路に延焼の危険性が高い老朽建築物が密集している一方、離島であることから、孤立対策を検討する必要があるとともに、高齢化が進行していますが、漁業を中心としたまちを継承していくためには、漁業に携わる人の生活と生業が折り合った生活環境を維持・改善していく必要があります。
<密集市街地改善の目標>
離島ならではの集落形態を生かしつつ、街並みの継承と地震、火災、津波に対する防災力の向上を図るため、不燃化・耐震化・基礎の嵩上げ等建替え時の建築規制に関するルールをつくる。また、災害時には海上等からの交通アクセスが遮断され、孤立するおそれがあるため、孤立対策を検討する。

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