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林 千智先生

 

林千智先生


子どもたちの笑顔と成長のために Part1

 先日、映画会を行いました。いきいきと元気によく食べよく遊ぶ子どもたちが画面いっぱい駆け回るドキュメンタリー映画です。
 ポスター
 そこで、あらためて大切なことに気づかされました。子どもたちの笑顔と成長のために大切な基本は3つ!それは、食べること、寝ること、遊ぶこと。大人も子どもも不安になりがちな昨今“だからこそ”です。あふれる情報の洪水に巻き込まれるのではなく、シンプルにブレずに大切なことを続けることこそ、心身の安定につながるのだと再認識しました。今日はそのエッセンスを関連本とともにご紹介!
*『いただきます ここは、発酵の楽園』イーハトーヴスタジオ
*『四快のすすめ』神山潤/新曜社

<その1>「食べること」:ごはんと味噌汁!
毎回、凝ったものを作る必要はありません。(凝ったものは時々のお楽しみ!)
まずは、これさえあれば大丈夫。肩の力を抜いてみて!
*『子どもに食べさせたいすこやかごはん』おかあさんの輪/暮しの手帖社
*『一汁一菜でよいという提案』土井善晴/グラフィック社

<その2>「寝ること」:たっぷり!
日本は、大人も子どもも世界一睡眠時間が短い、とのこと。睡眠が脳を創り育て守るのだという専門家の声に耳を傾けましょう。「寝る子は育つ」は本当でした!
*『子どもの夜ふかし脳への脅威』三池輝久/集英社
*『早起きリズムで脳を育てる』成田奈緒子/芽ばえ社

<その3>「遊ぶこと」:心も身体も!
外遊び・手仕事遊び・そして本を読む楽しみ!ぜひ!(詳しくは、また次回)


子どもたちの笑顔と成長のために Part2

 今回は、前回に引き続き「3つの基本」のうちの<その3>「遊ぶこと」についてお話ししたいと思います。
<その3>「遊ぶこと」:心も身体も!
 勢和図書館には「遊」という書が掲げられています。写真絵本『月人石』の作者、書家の乾千恵さんによる書で、「勢和図書館にこの字をぜひ!」と贈っていただきました。
   遊
 乾さんは、幼少期からお母さんにたくさんの物語を読んでもらい、身体は自由にならなくても、心は自由自在に遊んでいたのだと言います。本を読む(読んでもらう)ことは、心を開放して想像と創造の世界に「遊ぶ」ことに他ならないのですね。
 図書館(本)では様々な世界・時代の森羅万象あらゆることに出会えます。冒険あり、涙あり、笑いあり、楽しみながら違う空間・時間を生き、人生を豊かに耕していけます。乾さんは、この字を「子どもたちがそりにのっているところ」と教えて下さいました。まさに、雪をけり走り抜けていくそりの上で、歓声を上げて満面笑顔に輝いている子どもたちの姿が目に見えるようです。
 この字に象徴されるような、こんなひとときが、本を通して繰り広げられていけば嬉しいです。心の動きは内面でのことですが、子どもたちが垣間見せてくれる表情や目の色から、しっかりたっぷり遊んだ喜びが伝わってくるはずです。直接体験と同じそんな時間を、どうか保障してやっていただけたらと思います。
 そして、手を動かすこと、身体を動かすことを通して五感を育む「遊び」も、もちろん大切にしてくださいね。子どもは、心も身体も「遊ぶ」ことでしか“育つ”ことはできません。豊かな「遊び=子ども時代」がその子の一生を支え続けます!


今回はこの写真から!

 夏休みブッククラブ
 勢和図書館の「夏休みブッククラブ」の様子です。(2020・21年は未開催)
 『名探偵シリーズ』でおなじみの杉山亮さんが提唱する「朝の連続小説」の図書館お昼バージョン。絵本ではなく、「物語」を大人(司書)が読みます。(最終日には、物語の中に出てきた「おいしいもの」を作って、まるごと味わいつくします)
 子どもが本を自分で読めるようになるには、自転車の練習で大人が後ろを持ってあげることと同じように補助が必要だ、と杉山さんは言います。乗れるようになったとたん、世界がぐーんと広がりどこまででも行ける!そして身体で覚えたらもう二度と乗れなくなるなんてことはありません!それはもう、実は、読書にもぴったりあてはまることなのですね。(オススメ!です:『朝の連続小説1・2』杉山亮編著/仮説社)
 絵本からの移行がうまくいかず本嫌いになるケースはとても多く、ぜひ、この「背 中押し」で楽しい時間を作っていただきたい!と先生方やおうちの方々に“説得力を持って”お伝えしたく「夏休みブッククラブ」を始めたのが、2008年です。その後ずっと当館の人気行事となり、13年からは冬休みも開催しています。
 耳から聞いて、すっかり「物語を体験」したかのようになること。読み手と聞き手(集団の場合は聞き手同士も)の間に深い連帯感が生まれること。未知の世界に飛び込むのが不安で読書から遠ざかってしまう子も、「安心」してその世界に浸ることができるということ。それらが「自分で読む」につながります!特に昨今は、この「安心」の占める比重が、子どもにとって非常に大きいと実感しています。
 不安定な世情で、その変動に順応するだけで精一杯になっている子どもたち。もちろん大人も大変ですが、だからこそ、大人も一緒に楽しめる「連続小説」つまり「家読(うちどく)」を、ご家族みなさんでぜひ!と心から願っています。  


今回はこの写真から!

 玉川大福さん
 このお顔を見ているだけで幸せになれそうな、この方!お名前もまさに玉川「太福」さんとおっしゃいます。勢和図書館で現在、この方の浪曲会を企画しているところです。(2022年2月26日開催予定)~ソノココロハ?
 まず、「浪曲って何?」ですね。日本の伝統的な話芸のひとつで、絵本ならば『ねぎぼうずのあさたろう』の世界です。太福さんは、“創作もの”も多く手掛けていて、今、人気沸騰中の方!圧倒的な「声」と「間」のおもしろさ、三味線の音色とともに、初めての体験でも笑い転げてしまうのですが・・・。
 その体験から、「言葉」自体が持つ“楽しさ”や、人の生の「声」から受け取る“ほんもの感”をもう一度、思い起こしてもらえたら、というのが今回の企画意図です。本来、「言葉」は、人と人とが息の通う範囲であたたかさをもって交し合うもの。コロナ禍でのソーシャルディスタンスやマスク生活で、それらが受け取りにくくなった昨今。子どもたちには、この「言葉の感性」を心して返してかなければ、と思います。会場の空気をも震わす浪曲の”うなり”で、ライブ感を満喫してくださいね。
 「言葉遊び」も楽しいですよね!子どもたちは、実は大好きです。親子で浪曲、の前に!親子で言葉遊び、ぜひぜひオススメです。おうち遊びにも最適!
 『外郎売』齋藤孝編・長野ヒデ子絵/ほるぷ出版
 『しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩』はせみつこ編・飯野和好絵/冨山房 など
 そして、なんと当日は、太福さんが『ねぎぼうずのあさたろう』も読んでくださいます!「声」から”元気”ってもらえるんですね、の実感になることを祈ります。
 


「たんぽぽのお母さん」と「雲のおばさん」

 今回はこの写真から!

 たんぽぽ雲
 
 春です。
 今回は、心浮き立つ嬉しいこの季節にぴったりな「わらべうた」をご紹介。
   ♪たんぽぽ たんぽぽ むこうやまへとんでけ ふー
 手折ったたんぽぽをそっとつまむしぐさで歌いながら、最後に綿毛をふーと飛ばします。お部屋の中で「うそっこまねっこ」で歌っても、子どもたちにはちゃんと見えるんですね。手折ったたんぽぽも、飛んでいくたんぽぽの綿毛も。
 とても愛おしそうに優しくうたってくれます。
 先日、おじゃました保育園では、3歳児さんのおはなし会の最後にこのうたで遊びました。すると、帰ろうとする私に「たんぽぽのお母さん♪」と言って、にこにこ笑顔で見送ってくれたのです。子どもたちの素敵な感性に脱帽です。
 きっと散歩や外遊びの時にも、実際にたんぽぽを摘んで自然に歌い出してくれるでしょう。こんな小さなひと時に、子どもたちのどんな大きな“センスオブワンダー”が隠されているのでしょうか。そっと見守り大切にしたいですね。
 もうひとつご紹介するのは、我らが三重県、それも私の住む勢和で採譜された「わらべうた」です。
   ♪雲のおばさん 風おくれ あまったらかえすぞ ようけようけおくれ
 元々は、冬の遊び、「凧揚げ」の時にうたっていたそうですが、あたたかい春風が嬉しい季節にうたっても、暑い夏、「極楽のあまり風」がほしい時にうたっても、「どっどどどどうど」の元気な秋風が恋しい季節にうたっても、素敵です!
 ある猛暑の夏、小学4年生のおはなし会でうたったところ、なんと、うたい終わったちょうどその時「ふー・・・」と気持ちの良い風が、窓から入ってきたのです。子どもたち「え?」と一瞬顔を見合わせた後、「うわあ、ほんとやあ!」と弾けるような笑顔!教室がいっとき魔法にかかったような不思議を体験しました。このように、懐深く“五感”で感じる「喜び」を与えてくれるのが「わらべうた」です。ぜひうたってみてくださいね! (【参考】『わらべうたと子どもの育ち』エイデル研究所/2019、『三重のわらべ歌』柳原書店/1992)