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岡田 聖子先生

 


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勇気からつながる子育て

 私は児童家庭支援センターで相談支援員として日々悩みや困り感を抱えた保護者や子供たちと向き合う仕事をしています。

 最初に相談に来られるのは保護者が多く、幼児期から20歳くらいまでの子供に関わることになります。幼児期で相談の多い発達面での不安や問題は、子供の成長が早く、他児との成長差を否応なしに突き付けられます。悲しいもので、出来ない事に目を向けがちになり、子供を授かった時に考えていた子育てとはいかない事も多いと思います。そこで感じるのは『助けて』と言える力の重要性です。センターに電話や来所して下さる事はきっととても勇気のいる事だと思います。又コロナ禍で『助けて』の声はより発信しづらく、気づかれにくくなっていると感じています。

 親だから、友達だから言えない事や感情的になってしまう事はよくある事ですが、思いを吐き出す場は必要です。こうならねばと自分で自分をしばって自分を否定される姿を見るとただ『頑張ってここに来て下さってありがとうございます』と思えます。

 幼児期の子供に一人で向き合う保護者には外出すらままならない方もいらっしゃいます。悩みや不安の答えをインターネット上で探してしまう事もあるように思います。目の前の我が子を見失うほど追い詰められている方もおられます。そのような時、同じ地域で生活をし、顔を見ながら話が出来る人間が近くにいる事を知って頂けるように情報発信していく事は相談機関として大切だと感じています。

 具体的に支援を考えていくと、保護者と子供の立場の違いから親子で求める支援の違いが見つかる事もよくあります。不安の強い子供には行事に支援するかたちで一緒に参加し、安心して力が出せる環境作りのお手伝いをしたり、人前や交渉事が苦手な保護者には保育所等に同行し、そばに居る事で安心して気持ちを伝える体験をして頂いたり、代弁者となる事もあります。

 私たちに出来る事には確かに限界があります。力が及ばないこともあります。だからこそ、目の前の問題に真摯に向き合い続けることしかできないかもしれません。一人一人に声を掛ける事が難しくても、自分の近くで支援を受けた人が変わっていく姿を見て、自分も!と声を上げて下さる方が一人でも増える事を願っています。

 物事には必ず理由がある。ならばその理由を一緒に考え、一人で抱え込む事なく行政や保育所、学校、地域等が連携しチームで支援していく。大人や子供に関係なく、一人の人として大切にされる、手を差し伸べてもらい問題を乗り越えいく経験こそが人生には必要であり、自分がそのチームの要になれるようこれからも日々精進していきたいと思っています。