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伊佐地 真知子先生

 

伊佐地 真知子先生

 
母子手帳を活用しましょう

 皆様、母子手帳はご存知ですね。もしかしたらお母様からいただいたご自身の母子手帳もお持ちかもしれません。
 日本の母子健康手帳(通称母子手帳)は、それまで使われていた「妊産婦手帳」と「乳幼児体力手帳」が1冊になり、1948年に母子健康手帳の初版が発行されました。日本発祥の母子手帳、今や世界50か国にまで普及しているそうです(2021年現在)。80年近くも続く市町村長印が押された公文書です。出産後、必ず役所で1ページ目、出生届出済証明の所に公印をもらっておいて下さいね。
 さて、母子手帳には母親の妊娠中の記録があり、ついで子どもの成長の記録へと続いていきます。特に赤ちゃんのページには一言でいいので、ママの一言、書き込んでおきましょう。1人目の時はいっぱい書き込みがあるけれど、お子さんの数が増えてくると、だんだん少なくなってほとんど真っ白という母子手帳もよく見かけます。大人になってもお母様の愛情が感じられる宝物になるでしょう。
 次に、身体発育曲線という成長の記録があります。一番下の線は、100人並んで前から3番目、一番上の線は97番目を意味しています。体重、身長そのものの数字よりも、この間にきれいな右肩上がりの曲線となって成長しているかその経過が重要です。大人のBMIとよく似た肥満度は乳幼児ではカウプ指数を用います。大人の基準とは異なり、乳児期はあまり気にする必要はありませんが、1歳半を過ぎて増えてくるようなら注意しましょう。また予防接種の記録は、大人になってからも海外渡航や追加接種等の際に必要になる大切なものです。確認すると同時に、病気にかかった時の記録も忘れずに書いておきましょう。
 母子手帳は、私達が生まれてから大人になるまでの生涯何物にも変え難い記録です。近い将来の電子化に向けて検討が始まっていますが、紙に直筆で書かれた、ちょっと汚れた母子手帳、後世に引き継がれていってほしいと願っています。