第6章 平成13年度の成果及び14年度以降に向けた実施計画
こころの健康づくり (こころの健康センターの取組み)
1.健康づくりに関する考え方
「ヘルシーピープルみえ・21」では、「健康づくり」をこころと身体の現状を少なくとも維持し、さらによりよい状態になろうとする行動ととらえています。
したがってこの計画では、「精神的に良好な状態」(メンタルヘルス)を中心課題として位 置付けています。
そこで、こころの健康がすべての健康づくりの基礎にあるという認識のもとにこころの健康に関する関心を高めるとともに、相談機関の育成や関係機関のネットワークを構築します。また、こころが不健康になったときに気軽に相談できる機関はもちろん、身近な生活場面 で気づいてくれる人、適切な助言やサポートできる人を育成します。
2.平成13年度の具体的な取組み状況
[1] こころのケアネットワークづくりの構築
社会的に問題となっている青年期・中壮年期におけるメンタルヘルスケアの実態把握のため青年期こころのケア実態調査および中壮年期こころのケア実態調査を実施しました。
さらに、青年期こころのケアネットワーク検討委員会および中壮年期こころのケアネットワーク検討委員会を立ち上げ関係機関との協働をすすめています。
1)青年期こころのケア実態調査県立高校生(2,415名)と県内私立4年制大学生(750名)を対象に健康状況調査を実施しました。その結果、回答者のうち生きがいを感じている学生は47.4%あり、人とふれあうことが楽しいと感じている学生は、89.9%でした。しかし反面、ストレスを感じている学生は、40.6%あり、この世の中からいなくなりたいと悩んだ学生も39.4%あることがわかりました。
また、県立高校教職員(520名)と県内私立4年制大学教職員(180名)を対象に青年期におけるメンタルヘルス対策に関する調査を実施しました。
その結果、回答者のうち85.9%の教職員は学生からこころの相談を受けていましたが、そのうち49.4%の教職員は専門知識がないため相談時、困ったという経験をもっていました。
2)中壮年期こころのケア実態調査県内13ヶ所の民間事業所の社員(8,414名)を対象に健康状況調査を実施しました。その結果、回答者のうち生きがいを感じている人は63.6%であり、人とふれあうことが楽しいと感じている人は85.0%でした。しかし反面ストレスを感じている人は57.2%でした。
また、産業医会名簿をもとに産業医・産業保健婦等(288名)を対象に職場におけるメンタルヘルス対策に関する調査を実施しました。その結果、回答者のうち52.0%が職場においてメンタルヘルス対策が実施されていないと答えていました。
3)こころのケアネットワーク検討委員会の開催青年期こころのケアネットワーク検討委員会 3回
中壮年期こころのケアネットワーク検討委員会 2回
[2] ストレス対策
県民ひとりひとりが不安や緊張を経験しながらも著しい不適応な状態に陥ることなく、こころの健康を維持向上させ、また、適応障害、心的外傷後ストレス障害など境界域のこころの病を持つ人々への社会的支援体制を確立するためにこころの健康センターのストレスルームを活用し、リラックス体験、ストレス相談等のストレス対処の指導を行っています。
また、市町村および企業における職員のメンタルヘルス研修の場としても利用されています。
1) リラックス体験ボディーソニック(リクライニングの椅子)に横になり癒しの音楽の低重音がリラックスを導くなか、α波の脳波をとりストレス解消のアドバイスを行っています。
平成13年度 368件
ストレスケアダイアルにて予約し、心理テスト・リラックス体験・面接を行い、専門スタッフが助言相談を行っています。なお必要時、診療も実施しています。
平成13年度 24件
[3] 薬物相談ネットワークの整備
深刻な社会問題となっている薬物問題に対してこころの健康センターにおける相談機 能を充実し、それを中核とする薬物相談ネットワークを構築することにより、薬物相談 に総合的に対応する体制を整備しています。
1) 薬物相談三重ダルク(薬物依存者の回復のためのリハビリセンター)・ナラノン(薬物依存症家族の会)と協働で薬物依存者およびその家族の相談を実施しています。
2) 薬物相談家族教室月1回薬物依存症の家族を対象に教室を開催しています。
3) 薬物問題関係機関職員研修年1回開催し、薬物関連問題への関係機関の理解を深めるとともに、広く嗜癖に対する健康教育が早い段階から取り組まれるように啓発を図っています。
4) 薬物相談ネットワークを考える地域会議4圏域(北勢・中勢伊賀・南勢志摩・東紀州)ごとに開催し、相談事例をとおして各機関の機能や役割を検討し、連携を深めていくよう努力しています。
3.成果
- 青年期・中壮年期こころのケア実態調査を実施することで学校・産業保健関係機関のメンタルヘルスへの取り組みの現状が把握できました。各機関ともこころの健康づくりの重要性は認識しているものの、それを支援する体制整備が課題となっていました。この課題解決へむけて関係機関と協働を図りながら具体的に取り組んでいく必要があると考えます。
また、今回の調査の協力依頼を通じてこころの健康センターでのメンタルヘルス対策事業の啓発活動ができ、調査を依頼した企業等からその後メンタルヘルスに関しての相談もあり、少しずつ連携の場が広がっています。今後もさらに連携を深めていきたいと考えます。 - ストレス対策を実施することで、県民等にこころの問題への関心をもってもらえるようになり、啓発活動の効果が少しずつでています。さらに、13年度は各市町村・事業所等の健康管理者の利用が増えており、健康管理者が関心を持ってもらえるようになりました。今後はストレスマネジメントを指導できる人材の育成にむけて取り組んで行く必要があります。
- 薬物相談ネットワークに関しては地域の第1線機関(保健福祉部・学校・警察等)との人的ネットワークができました。今後はこのネットワークをシステム化した形にしていく必要があります。
しかし、システムを充実させるためには医療とのネットワークが必須であり、これが大きな課題といえます。
4.平成14年度の取り組み(事業計画)
- 青年期・中壮年期の実態調査結果を踏まえ、こころのケアネットワーク検討委員会においてこころのケアサポートネットワークシステム構築のための具体策を検討していきます。
- 地域機関におけるこころの健康づくり担当者と連携をとりながら、こころのケアネットワーク事業の地域モデル化を図っていきます。
- 職場や学校、地域でメンタルヘルスケアのできる指導者の育成をしていきます。
- ストレス対策を引き続き実践するとともにストレスマネジメントマニュアルを作成します。
- 薬物相談ネットワークの整備においては関係機関との協働を図りながらさらに充実したものにしていきます。
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