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平成25年06月01日

情報公開・個人情報保護

三重県情報公開審査会 答申第24号

答申

1 審査会の結論

 「(平成7年度)事業計画の変更について(有限会社○○○○に係るもの)」で、法人情報に該当するとして非開示とした別表2に掲げられている公文書のうち、産業廃棄物焼却施設仕様書中、第1章一般事項の部分は開示すべきであるが、その余の部分について実施機関が非開示としたことは妥当である。

2 異議申立ての趣旨

 異議申立ての趣旨は、異議申立人が平成7年11月21日付けで三重県情報公開条例(昭和62年三重県条例第34号。以下「条例」という。)に基づき行った「(平成7年度)事業計画の変更について(有限会社○○○○にかかるもの)」の開示請求に対し、三重県知事(以下「実施機関」という。)が平成7年12月5日付けで行った別表1に定める対象公文書(以下「本件対象公文書」という。)の部分開示決定の取消しを求めるというものである。

3 実施機関の部分開示理由説明要旨

 実施機関の主張を総合すると、次の理由により、本件対象公文書を部分開示にしたというものである。

(1) 産業廃棄物処理施設設置に係る手続きについて

 事業者が産業廃棄物処理施設を設置しようとする場合、三重県では廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」という。)に基づく手続きに先立ち、廃掃法との適合性、関係地域住民等との合意形成を確認するため、事業者の任意の協力のもと、三重県産業廃棄物処理指導要綱(以下「要綱」という。)に基づき、産業廃棄物処理事業計画書を提出させ、その手続きが終了した後、施設の種類ごとに産業廃棄物処理施設設置許可申請書を提出させている。
 また、事業者がその施設の構造等を変更しようとする場合には、廃掃法に基づく手続きに先立ち、要綱に基づき産業廃棄物事前協議書を提出させ、その手続きが終了した後、施設の種類ごとに産業廃棄物処理施設変更許可申請書を提出させている。

(2)本件対象公文書について

 本件対象公文書は、安芸郡安濃町に計画された産業廃棄物処理施設設置に関連する「事業計画の変更について(有限会社○○○○に係るもの)」のうち、別表1に記載の公文書である。

(3) 条例第8条第1号(個人情報)の該当性について

 これらの書類に示された個人の氏名、住所、印影は個人に関する情報であって、特定の個人が識別され、又は識別され得る情報であるため条例第8条第1号に該当する。
 これら非開示とした情報はあくまでも個人の私的な情報であり、本号ただし書きイ、ロ、ハのいずれにも該当しない。

(4) 条例第8条第2号(法人情報)の該当性について

 事業者の取引先、取引量、処理施設の仕様書及び構造等の部分は、当該法人の生産、技術、営業等の情報であり、開示することにより法人の事業活動に対し不利益 を与え、当該法人等の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められる。
 また、本号ただし書きイ、ロ、ハのいずれの情報にも該当しない。

(5) 条例第8条第4号(意思形成過程情報)の該当性について

 市町村の意見書及び事業者の回答書は、産業廃棄物処理施設設置許可に至るまでは行政内部で審議中の事項であり、行政の事務事業に係る意思形成過程における審議、検討等に関する情報であって、開示することにより県民に誤解を与え、又は無用の混乱を招くおそれがあり、当該又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に著しい影響が生ずるおそれがある。
 なお、当該産業廃棄物処理施設設置については、既に県が許可を行ったため、現在は本号の非開示理由は消滅しており、本号を理由に非開示とした部分については平成8年5月20日付けで異議申立人から再度開示請求がなされ、開示している。

4 異議申立ての理由

 異議申立人が、異議申立書及び口頭による意見陳述で主張している異議申立ての主たる理由は、次のように要約される。
 平成5年9月に当計画地で造成工事が始まった。この工事について、○○建設からコンクリートのリサイクル施設を建設する旨の説明が同年10月にあった。
 平成6年3月には中間焼却処理場に計画変更されていることを知った。更に、特別廃棄物に指定されている医療廃棄物である感染性廃棄物を含む13品目を対象とした中間焼却処理施設であることも判明した。
 団地からの距離が600mにも満たない所でこのような施設が建設されると、交通事故の多発、大気汚染等の環境悪化が懸念される。このため団地住民165名の署名により平成6年6月の安濃町議会に請願書を提出し、同9月定例議会で全員一致のもとに請願が採択された。
 部分開示決定通知書には、取引先、取引量、処理施設の仕様及び構造等を明らかにすることは、当該法人の事業活動に対し不利益を与え、競争上の地位その他正当な利益を害することが認められることから、非開示とされている。しかし、条例第8条第2号但し書イには人の生命、身体及び健康を保護するため必要であると認められる法人情報は開示できるとあるので、開示すべきである。
 処理施設に係る搬入搬出道路は、近くの小学校、幼稚園の通学道路となっており、交通事故のおそれがある。また、当道路は水道の送水管等が埋設されており、大型車両が頻繁に通行することにより破損し、住民生活に多大な支障が生ずるおそれがある。
 更に、産業廃棄物を焼却する際に発生するとされるダイオキシンによる汚染のおそれがある。したがって、事業者の廃棄物取引量や設備の構造等を知りたい。
 なお、条例第8条第4号(意思形成過程情報)を理由に、非開示とされた部分については、後日三重県情報公開条例に基づく開示請求を行った結果、開示を受けたので今回の異議申立てから除外する。また、同第1号(個人情報)を理由に、非開示とされた部分についてはあえて争わない。

5 審査会の判断

(1) 本件対象公文書の内容について

 本件対象公文書は、別表1のとおり事業者から実施機関に対して提出されたものであることが認められる。

(2) 基本的な考え方について

 条例の制定目的は、県民の公文書の開示を求める権利を明らかにするとともに、県民の県政に対する理解と信頼を深め、開かれた県政を一層推進するというものである。
 条例は、原則公開を理念としているが、公文書を開示することにより、請求者以外の者の権利利益が侵害されたり、行政の公正かつ適正な執行が損なわれるなど県民全体の利益を害することのないよう、原則公開の例外として限定列挙した非開示項目を定めている。
 当審査会は、情報公開の理念を尊重し、条例を厳正に解釈して、以下について判断する。

(3) 本件の中心争点について

 当審査会は、事業者の事業活動及びそこから生じている問題全般について、現実に則して実質的に審査する場ではなく、実施機関の行った別表1に記載の公文書に係る非開示決定が処分時において妥当であったか否かを審査する場である。したがって、当審査会は別表1に記載の部分について、条例第8条第1号、第2号及び第4号の該当性の有無をそれぞれ順次判断するところであるが、異議申立人の意見陳述において条例第8条第2号についてのみ審議を求める旨の申し出があったので、このことについて審査する。

(4) 条例第8条第2号(法人情報)の該当性の有無について

 本号は、自由経済社会においては、法人等の健全で適正な事業活動の自由を保障する必要があることから、事業活動に係る情報で開示することにより、当該法人等の競争上の地位その他正当な利益が害されると認められるものが記録されている公文書は、非開示とすることができることを定めたものである。
 競争上の地位その他正当な利益が害されると認められる情報とは、例えば生産、技術、販売、営業上のノウハウに関する情報、経理、人事等の内部管理に関する情報のほか、開示することにより、法人等の社会的評価、社会活動の自由等が損なわれると認められる情報をいう。
 ところで、本件対象公文書に記載されている産業廃棄物の取扱量等は、法人等の事業活動に係る情報であることは明らかであることから、これらを開示することにより、当該法人等の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められるか否かについて判断する。

 実施機関が本号に該当するとして非開示にした情報は、別表2に示すとおり産業廃棄物処理委託仮契約書のうち廃棄物量及び排出業者、契約廃棄物量及び処理能力、産業廃棄物焼却施設仕様書、産業廃棄物焼却設備設計計算書及び焼却設備配置図等企業経営に関するものである。
 このうち、産業廃棄物焼却施設仕様書の第1章一般事項の部分については、特に企業秘密に当たる情報であるとは認められず、これを開示しても当該法人の競争上の地位、その他正当な利益を害するとは認められないことから開示すべきである。 これ以外の情報は、事業者が本来秘匿されるべきことを期待する事業取引内容あるいは企業内部情報であって、それらを開示すると、法人等の競争上の地位その他正当な利益を害すると認められる。もっとも、異議申立人はこれらの情報は開示すると法人の事業活動に支障がある情報ではあるが、公益と比較衡量すると公益が勝っているので、ただし書に該当して開示すべきと主張していることから、以下で同号ただし書の該当性について判断する。

 同号ただし書は、「イ 事業活動によって生じ、又は生ずるおそれのある危害から人の生命、身体及び健康を保護するため、開示することが必要であると認められる情報」、「ロ 違法又は著しく不当な事業活動によって生じ、又は生ずるおそれのある支障から県民の生活を保護するため、開示することが必要であると認められる情報」、「ハ イ又はロに掲げる情報に準ずる情報であって、公益上開示することが必要であると認められるもの」が記載されている公文書は、本号本文に該当する場合であっても開示することができると定めている。

 ところで、ただし書に該当する情報というためには、情報それ自体に人の生命、身体及び健康等を保護するため開示する必要性が認められなければならないと解される。(例えば、大気汚染に関するデ-タは健康に直結する情報であるので、ただし書に該当すると考えられる。しかし、当該施設の構造や産業廃棄物の取扱い量等の情報からは、当該施設が操業することに伴う環境汚染の有無を判断することは困難であるため、ただちにただし書に該当するとはいえない。)しかし、本件対象公文書に記載されている法人に関する情報にはその必要性が認められないことから、同号ただし書には該当しないと判断する。

(5) 結論

 以上のことから判断すると、法人情報に該当するとして非開示とした別表2に掲げられている公文書のうち、産業廃棄物焼却施設仕様書中、第1章一般事項の部分は開示すべきであるが、その余の部分について実施機関が非開示としたことは妥当である。

6 審査会の処理経過

 当審査会の処理経過は、別紙審査会の処理経過のとおりである。


別紙

審査会の処理経過

年月日 処理内容
8. 2.27 ・諮問書受理
8. 3.12 ・実施機関に対して部分開示理由説明書の提出依頼
8. 4. 5 ・部分開示理由説明書受理
8. 4.15 ・異議申立人に対して部分開示理由説明書(写)の送付、
意見書の提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認
8. 5. 7 ・意見書及び口頭意見陳述申出書受理
8. 8.26 ・書面審理
・実施機関からの部分開示理由説明の聴取
・異議申立人からの口頭意見陳述の聴取
・審議                (第60回審査会)
8. 9.24 ・審議                (第61回審査会)
8. 9.24 ・答申

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