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平成25年06月01日

情報公開・個人情報保護

三重県情報公開審査会 答申第26号

答申

1 審査会の結論

 「(昭和57年度)行政処分の実施について外11件(行政処分文書)の部分開示決定に対する異議申立て」及び「(昭和63年度)廃棄物の処分基準等の遵守について外 7件(行政措置文書)の部分開示決定に対する異議申立て」事案については、行政措置にかかる公文書は、事業者名を除いて公開し、行政処分文書は全て開示すべきである。

2 異議申立ての趣旨

 異議申立ての趣旨は、異議申立人が平成7年12月27日付けで三重県情報公開条例(昭和62年三重県条例第34号。以下「条例」という。)に基づき行った「別紙公文書目録記載の公文書」(以下「本件対象公文書」という。)の開示請求に対し、三重県知事(以下「実施機関」という。)が平成8年1月16日付けで行った部分開示決定の取消しを求めるというものである。

3 実施機関の部分開示理由説明要旨

 本件対象公文書のうち措置文書は、産業廃棄物処理に関する行政指導の内容を記載した文書であり、行政指導に関わって作成された文書である。また、行政処分文書は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃掃法」という。)に基づき作成された文書である。
 行政指導文書は県の検査、監査、取締りに関する情報である。行政指導は相手方に対する法的な拘束力又は強制力を有しない非権力的な作用であり、相手方の任意の同意又は協力を期待する行為あることから、このような情報を開示すると関係当事者との信頼関係が損なわれてしまい、これらの者は行政に対して非協力的、無理解になり監視指導の業務の目的が果たせなくなる。このため、将来の同種の事業の公正もしくは適正な執行に著しい支障を生じるおそれがある。
 また、行政処分文書は県の検査、監査、取締りに関する情報であるので、事業者の名称、住所等、特定される部分を開示すると、行政処分に従った事業者が現在でも不適正処理の状態が継続しているかのごとく受け取られ、特定の者に不利益が被るおそれがあることから、条例第8条第5号に該当し、非開示とした。

4 異議申立の理由

 産業廃棄物の処理は、排出者が全て責任を持つべきであると考えている。不法投棄を無くすためには、ゴミの処理過程に関する情報が全て公開されなければならない。
 現実には、産業廃棄物の処理は最終処分業者まかせになっており、この現状に対して行政は十分な手だてを講じていない。行政のこのような実態を明らかにしなければ産業廃棄物処理の問題に対する議論が進まない。

5 審査会の判断

 本件対象公文書について、実施機関は条例第8条第5号に該当するので部分開示にで きると主張している。そこで、以下について判断する。

(1) 基本的な考え方について

 条例の制定目的は、県民の公文書開示を求める権利を明らかにするとともに、県民の県政に対する理解と信頼を深め、開かれた県政を一層推進するというものである。
 条例は、原則公開を理念としているが、公文書を開示することにより、請求者以外の者の権利利益が侵害されたり、行政の公正かつ適正な執行が損なわれるなど県民全体の利益を害することのないよう、原則公開の例外として限定列挙した非開示項目を定めている。
 当審査会は、情報公開の理念を尊重し、条例を厳正に解釈して、以下について判断する。

(2)条例第8条第5号(行政運営情報)の該当性の有無について

 まず、条例は、第8条第5号において「検査、監査、取締り、入札、試験、交渉、渉外、争訟等の事務事業に関する情報であって、開示することにより、当該又は将来の同種の事務事業の公正又は適正な執行に著しい支障を生ずるおそれがある」情報について、非開示とすることができると定めている。
 本号は、事務事業の内容及び性質からみて、開示することにより当該事務事業の目的を失い、又は公正若しくは適正な執行ができなくなるおそれのある情報は非開示とすることを定めたものである。
 また、反復的又は継続的な事務事業については、当該事務事業執行後であっても、当該情報を開示することにより、将来の同種の事務事業の目的が達成できなくなるもの又は将来の同種の事務事業の公正若しくは適正な執行に著しい支障を及ぼすものがあるので、これらに係る情報が記録されている公文書も非開示とすることができるとするものである。

 当該行政措置文書には、産業廃棄物の適正処理を促す内容が記載されており、これらを開示すると、不適正状態があたかも現在も続いているとの誤解をまねく可能性があり、行政指導に従って改善した処理業者の信頼を損なうおそれがあるとの実施機関の主張には理由があり、事業者の信頼を損なえば、以降の行政指導の実施や情報収集において処理業者からの協力を得られなくなる可能性もあると認められる。そこで本審査会も、平成6年度における答申(平成6年11月22日第15号)に於いて、行政措置文書の内容を非公開とした実施機関の判断は行政指導の具体的記載部分に関しては妥当であるとの答申を行ったところである。
 しかしながら、最近の産業廃棄物処理を巡る事業者と住民とのトラブル或いは、行政の措置等を鑑みると、行政と事業者との信頼関係も必要であるが、これにも増して行政と住民との信頼関係が重要な時期であると言える。これら社会情勢の変化、情報公開を求める世論の動向を考察すると、行政が所有する情報を積極的に開示することにより、行政と住民との信頼関係を構築することが求められる。そこで、不適正処理に関する行政指導の過程も原則的に公開すべきである。ただし、事業者が行政指導に任意に従っていること、事業者との信頼関係を保つことが廃棄物処理行政の適正な執行に不可欠であることから、事業者名の部分は非開示とするのが妥当である。

 行政処分文書は県の検査、監査、取締りに関する情報であるが、法違反に対して正式手続を経て下された処分の内容を記したものである。
 廃棄物処理行政の適正な執行及び廃棄物処理業者の社会的責務から考えれば、法違反に関する処分の公表は当該法人の正当な利益を侵すことにはならず、この公表により、行政運営上の著しい支障が生じるおそれがあるとは認めがたい。従って、行政処分文書は事業者名も含めて公開すべきである。

(3)結論

 以上のことから判断すると、条例第8条第5号(行政運営情報)に該当するとして部分開示とした本件対象公文書のうち、行政措置文書は、行政と事業者との信頼関係にも増して、行政と住民との信頼関係を図るため、事業者名を除いて開示すべきである。
 また、行政処分文書は、開示しても当該法人の正当な利益を侵すことにはならず、全て開示すべきである。

6 審査会の処理経過

 当審査会の処理経過は、別紙審査会の処理経過のとおりである。

7 審査会としての要望

 産業廃棄物処理問題にあたっては、生活環境の立場から住民の関心は非常に高く、その理解と協力が求められているところである。従って、行政として地域住民等に十分理解される方策を検討していく必要があることから、行政措置文書についても、事例によっては事業者名の公開を図るよう努力されたい。


別紙

審査会の処理経過

年月日 処理内容
8. 3. 4 ・諮問書受理
8. 3.18 ・実施機関に対して部分開示理由説明書の提出依頼
8. 4.30 ・部分開示理由説明書受理
8. 5.16 ・異議申立人に対して部分開示理由説明書(写)の送付、
意見書の提出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認
8. 5.24 ・口頭意見陳述申出書受理
8.11.25 ・書面審理
・実施機関からの部分開示理由説明の聴取
・審議                 (第63回審査会)
8.12.17 ・異義申立人からの口頭意見陳述の聴取
・審議                 (第64回審査会)
9. 1.30 ・審議                 (第65回審査会)
9. 1.30 ・答申

別紙

公文書目録

1 行政措置文書一覧

昭和63年度
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の遵守に関する勧告について(伺い) 2件
  • 産業廃棄物の処分基準の遵守について 7件
平成元年度
  • 産業廃棄物の処分基準の遵守について(伺い) 3件
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の遵守に関する勧告について(伺い) 1件
平成2年度
  • 産業廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反について(伺い) 4件
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の遵守に関する勧告について(伺い) 1件
  • 産業廃棄物の処分基準の遵守について(伺い) 1件
平成3年度
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反について 5件
  • 産業廃棄物の処分基準の遵守について 2件
  • 報告の徴収について 2件
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反行為の停止について 2件
  • 産業廃棄物の埋立処分地に係る改善措置について(伺い) 1件
  • 産業廃棄物最終処分場の閉鎖について 1件
平成4年度
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反について 8件
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反行為について(伺い) 2件
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反による産業廃棄物及び産業廃棄物との混合物の搬入禁止について(伺い) 1件
  • 産業廃棄物最終処分場の維持管理違反について(伺い) 1件
平成5年度
  • 産業廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反について(伺い) 26件
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づく産業廃棄物処理施設の改善について(伺い) 2件
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第15条第4項違反に対する警告について(伺い) 1件
  • 報告の徴収について(伺い) 1件
平成6年度
  • 産業廃棄物の最終処分場に係る放流水の水質試験結果について(伺い) 4件
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反行為について(伺い) 2件
  • 産業廃棄物処理施設使用前検査申請書について(伺い) 1件
  • 産業廃棄物の最終処分場に係る埋立処分の構造について(伺い) 1件
  • 産業廃棄物の最終処分場における悪臭物質測定結果について(伺い) 1件
  • 改善計画書の履行に係る警告書の交付について(伺い) 1件
平成7年度
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反行為について(伺い) 7件
  • 産業廃棄物の埋立処分場に係る擁壁の構造について(伺い) 1件
  • 報告の徴収について(伺い) 1件

2 行政処分文書一覧

昭和57年度
  • 行政処分の実施について
昭和61年度
  • 行政処分の実施について(伺い)
昭和63年度
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反に対する行政処分の実施
     について(伺い) 7件
平成3年度
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の2第1項の規定に基づく措置命令について(伺い)
平成4年度
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反に対する行政処分の実施について(伺い)
平成5年度
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の3の規定に基づく改善命令について(伺い) 6件
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反に対する行政処分の実施について(伺い)
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反に対する行政処分の実施について(伺い)
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反に対する行政処分の実施について(伺い)
平成6年度
  • 産業廃棄物処理業者に対する行政処分について(伺い)
  • 産業廃棄物処理業者に対する行政処分について(伺い)
  • 産業廃棄物処理業者に対する行政処分について(伺い)
  • 産業廃棄物処理業者に対する行政処分について(伺い)
  • 産業廃棄物処理業者に対する行政処分について(伺い)
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第15条の3の規定に基づく改善命令について(伺い)
平成7年度
  • 産業廃棄物処理業者に対する行政処分について(伺い)
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第9条の2及び第15条の3の規定に基づく改善命令について(伺い)
  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第19条の3の規定に基づく改善命令について(伺い)

本ページに関する問い合わせ先

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津市栄町1丁目954(栄町庁舎1階)
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