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平成25年06月01日

情報公開・個人情報保護

三重県情報公開審査会 答申第343号                             

答申

1 審査会の結論

 実施機関が行った決定は、妥当である。

2 異議申立ての趣旨

 異議申立ての趣旨は、異議申立人が平成21年2月21日付けで三重県情報公開条例(平成11年三重県条例第42号。以下「条例」という。)に基づき行った「労働委員会委員の選任・資格等に関して三重県が厚生労働省に問い合わせた往復文書一式」の開示請求に対し、三重県知事(以下「実施機関」という。)が平成21年2月25日付けで行った公文書不存在決定(以下「本決定」という。)の取消しを求めるというものである。

3 実施機関の説明要旨

 実施機関の主張を総合すると、次の理由により、本決定が妥当というものである。
 厚生労働省に問い合わせた往復文書に関しては、該当する文書がないため、対象公文書は不存在である。
 異議申立人は異議申立書において「労働委員会委員の選任手続きに関して、他県から三重県への問い合わせの事実があり、その回答内容に関して、厚生労働省へ問い合わせている旨の返答をしている(平成19年10月)ことが三重県外部の文書から確認できる」と言及しているが、平成19年10月に熊本県から文書照会があり、平成19年11月に回答しているが、その回答文書から厚生労働省へ問い合わせをしていることは確認できない。
 その他の文書からも文書により厚生労働省へ問い合わせたこと、及び厚生労働省からの回答を記したことがわかる文書は存在しない。
 法解釈等の確認のため厚生労働省へ問い合わせることはあるが、その際は電話により行っており、文書による照会は行っていない。

4 異議申立て理由

 異議申立人の主張する異議申立ての理由は、異議申立書及び意見書の記載によると、以下のとおりである。
 労働委員会委員の選任手続きに関して、他県から三重県への問い合わせの事実があり、その回答内容に関して、厚生労働省へ問い合わせている旨の返答をしている(平成19年10月)ことが三重県外部の文書から確認できるのであり、三重県が厚生労働省に問い合わせた事実、それを記録する文書が存在すること、それが対象公文書となることは明らかである。
 実施機関は熊本県の文書を持ち出しているが、異議申立人が確認している文書は熊本県の文書ではない。相手方の了承を得ていないので写しの提出は見合わせるが、公的な要請があれば写しを提出する用意がある。
 厚生労働省への問い合わせは、たとえ、口頭や電話によるものであっても、文書として記録されているのが当然であり、これらも対象公文書である。
 今回、三重県に対して公文書開示請求を行ったが、特に三重県だけを対象としたものではなく、全国調査の一環に過ぎず、三重県の情報公開制度によって公開されなかった資料が、他の地方自治体によって公開されている。

5 審査会の判断

(1)基本的な考え方

 条例の目的は、県民の知る権利を尊重し、公文書の開示を請求する権利につき定めること等により、県の保有する情報の一層の公開を図り、もって県の諸活動を県民に説明する責務が全うされるようにするとともに、県民による参加の下、県民と県との協働により、公正で民主的な県政の推進に資することを目的としている。条例は、原則公開を理念としているが、公文書を開示することにより、請求者以外の者の権利利益が侵害されたり、行政の公正かつ適正な執行が損なわれるなど県民全体の利益を害することのないよう、原則公開の例外として限定列挙した非開示事由を定めている。
 当審査会は、情報公開の理念を尊重し、条例を厳正に解釈して、以下のとおり判断する。

(2)本決定の妥当性について

 実施機関は、本件開示請求の対象となる公文書は保有していないとして以下のように説明している。
 異議申立人が主張する、平成19年10月の他県からの問い合わせは、熊本県からの照会文書が該当するが、その回答内容からは三重県が厚生労働省へ問い合わせをしていることは確認できず、実施機関が保有するその他公文書においては、厚生労働省へ問い合わせたこと、及び厚生労働省からの回答を記した文書は存在しない。法解釈等の確認のため、厚生労働省に問い合わせることはあるが、その際は電話により行なっており、文書による照会は行なっていないとしている。
 このことに対し異議申立人は、三重県外部の文書から確認できるとしている資料は熊本県の文書ではなく、公的な要請があれば写しを提出する用意があると述べている。 審査会としては、異議申立書及び意見書だけでは、三重県が厚生労働省へ問い合わせた文書が存在するということを異議申立人がどのように確認しているか不明であり、公的な要請があれば写しを提出する用意があるという意見を述べていることから、適正に判断するため、三重県情報公開条例第33条第4項の規定に基づき異議申立人に対し、異議申立に係る資料の提出を依頼したところ、平成21年7月30日付けで資料の提出があった。
 当審査会において当該資料を見分したところ、記載内容が一部消去されているため、どの県の文書か確認できないが、平成19年10月に三重県に対し、労働委員会の委員選任について電話で照会を行い、三重県の聞き取り結果として何らかの内容を厚生労働省へも確認済みという内容が認められる。
 このことから、他県から三重県に対し、電話による照会が行われ、三重県の担当者が電話で回答した内容が記載されていると考えられる。
 異議申立人の提出した資料からは確認したとされる内容は不明であるが、本件のように労働委員会の委員の選任に関することで厚生労働省へ確認して決めたということが一つの基準となったのであれば、引継ぎも要する重要な内容と考えられ、文書化することが自然であると考えられることから、異議申立人が文書として記録されているのが当然であり、これらも対象公文書であるとする主張も理解できる。
 しかしながら、実施機関は厚生労働省への問い合わせに関する文書は存在しないとしており、当該事案に限らず、厚生労働省へ問い合わせを行った内容が法解釈に関するものであり、逐条解説等を参照して電話により問い合わせた結果、相手からの回答が逐条解説等と同一の内容であり、議論となる内容がなければ、当該問い合わせについて文書を作成していないという実施機関の主張について、そのような事務処理が不適切であるとまでは言えない。
 したがって、厚生労働省への問い合わせに関する文書について実施機関が文書を作成しておらず、非開示理由説明書において説明した文書以外の文書を保有していないため、当該文書を不存在とした実施機関の本決定はやむを得ないものと言わざるを得ない。

(3)本決定の妥当性に関する少数意見

 多数意見は上記のとおりであるが、本件事案については早川委員から多数意見と異なる見解が示されたため、下記に示すこととする。
(早川委員の反対意見)
 多数意見は、厚生労働省への問い合わせの内容を、法解釈に関するものであるとしたうえ、文書不存在とする実施機関の決定を妥当とした。
 しかしながら、実施機関は、他県からの問い合わせの有無すら明らかにしていないにもかかわらず、その内容が法解釈に関するものであったとし、これを前提に、文書が作成されていないことは不自然ではないとして実施機関の決定を妥当とするのは適切とはいえない。
 むしろ頑なに上記の点について真相を明らかにしようとしない実施機関の態度や、その頃三重県では、労働委員会の公益委員の選任に関し、中立性に疑念がある旨の労働弁護団から申入書が提出されていたことが報道されていたこと等から、厚生労働省への問い合わせの内容は、単に法解釈に関するものではなく、労働委員会の委員の選任に関する事項であった可能性が高いと推認される。そうであれば、今後の選任事務の基準ともなる重要な事項を含む可能性があり、たとえ電話照会であったとしても、後任者への引継ぎ等の問題もあり、同内容を文書化していたと解するのが自然である。
 よって、実施機関の不存在決定は妥当とはいえず、他県からの問い合わせに応じた担当者を特定したうえ、該当文書の存否を確認し、再度適切な決定をすべきである。
 なお、それでも同文書が存在しないとする場合には、同文書を作成しなくても支障がない理由を示す等、同文書の不存在を不自然とする理由を打ち消す理由を明らかにすべきである。  

(4)結論

 よって、多数意見に従い主文のとおり答申する。

6 審査会の意見

 審査会の判断は上記のとおりであるが、次のとおり意見を申し述べる。
 上記のように、電話による照会の場合、文書の作成を行なわない事務処理の方法も事務の進め方としてあり得るが、事案の内容や重大性によっては、確認を行ったことを記録すべきであり、文書を作成しないことが公文書の管理のあり方として適当ではないと考えられる場合もあることから、実施機関においては公文書の管理について適正な運用に努められたい。

  7 審査会の処理経過

 当審査会の処理経過は、別紙1審査会の処理経過のとおりである。

別紙1

審査会の処理経過

年 月 日 処理内容
21. 3. 5 ・諮問書の受理
21. 3. 9 ・実施機関に対して非開示理由説明書の提出依頼
21. 3.23 ・非開示理由説明書の受理
21. 3.24

・異議申立人に対して非開示理由説明書(写)の送付、意見書の提 出依頼及び口頭意見陳述の希望の有無の確認

21. 4.13 ・異議申立人から意見書の受理
21. 4.16 ・実施機関に対して意見書(写)の送付及び反論書の提出依頼
21. 7.13

・書面審理
・実施機関の補足説明

(第321回審査会)                      

21. 7.21 ・異議申立人に対して資料の提出依頼
21. 7.31 ・資料の受理
・実施機関に対して資料の送付及び意見書の提出依頼
21. 8. 6 ・実施機関からの意見書受理

21. 8.10

・書面審理
・審議

(第323回審査会)                                               

21. 9. 8

・審議

(第325回審査会)

21.10.19

・審議

(第327回審査会)

21.11.16

・審議

(第329回審査会)

21.12.14

・実施機関の補足説明
・審議
・答申

(第331回審査会)

 

三重県情報公開審査会委員

職名  氏名   役職等   
※会長 岡本 祐次 元三重短期大学長
委員 川村 隆子 三重中京大学現代法経学部講師
※委員 樹神 成 三重大学人文学部教授
委員 竹添 敦子 三重短期大学教授
(平成21年10月16日から)
※委員 田中 亜紀子 三重大学人文学部准教授
※会長職務代理者 早川 忠宏 三重弁護士会推薦弁護士
委員 藤本 真理

三重大学人文学部講師

(平成21年10月15日まで)

委員 丸山 康人 四日市看護医療大学副学長

 なお、本件事案については、※印を付した会長及び委員によって構成される部会において主に調査審議を行った。

本ページに関する問い合わせ先

三重県 総務部 情報公開課 情報公開班 〒514-0004 
津市栄町1丁目954(栄町庁舎1階)
電話番号:059-224-2071 
ファクス番号:059-224-3039 
メールアドレス:koukai@pref.mie.lg.jp

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