三重県内の認証森林(FM認証)
尾鷲市・紀北町では古くから林業が発達し高品質なヒノキ材が生産されるとともに、生物多様性に配慮した森林管理が行われてきました。しかし、近年の木材価格低迷による採算性の悪化により、森林所有者の施業意欲は低下し、伝統的な尾鷲林業の衰退や、手入不足による森林環境の悪化が危惧されていました。
このような中、2003年6月、環境に配慮した森林管理の推進と尾鷲林業の振興を目的に、尾鷲市有林がFSC認証を取得しました。
認証地内にはFSC原則9の「保護価値の高い森林の保存」に該当する「九木崎樹叢」や三重県指定史跡名勝記念物である「佐波留島」が存在し、古くから大切に保存された自然環境や社会的配慮に高い評価を得ています。
このように環境に配慮して生産された尾鷲ヒノキは、2016年に志摩市で行われた伊勢志摩サミットで首脳会議用円卓や国際メディアセンター檜舞台等に使用され、国内外から高い評価を受けました。
その後、2017年3月「尾鷲ヒノキ林業」が日本農業遺産に認定されたことを契機に、認証林拡大の機運がさらに高まり、2018年12月、尾鷲市有林に紀北町有林を加えたFSCグループ認証を取得しました。
今後は、このグループ認証に私有林を加えるための基準作りを行い、さらなる認証林の拡大及び認証材の供給力強化に取り組みます。
※「九木崎樹叢」面積約128ha
三重県指定天然記念物及び吉野熊野国立公園の特別保護地区に指定されています。
植生が豊富なことで知られており、特にシダ類の宝庫であるといわれています。
※「佐波留島」面積約5ha
尾鷲湾の湾頭にあり、島全域が、クロマツ、アカマツ、スダジイ、タイミンタチバナ等の常緑樹に覆われ、樹陰には、サカキカズラ、ナギラン等が見られる。また、アオサギ、ゴイサギ、クロサギ、シロサギ等のサギ類が多く生息している。
西半分(尾鷲湾側)と東半分(太平洋側)とは、全く地質が異なり、西半分(尾鷲湾側)は砂層・泥岩からなり、東半分(太平洋側)は花崗斑岩からなる。高さ20m以上の節理が発達し、海食洞も見られる。
名称 | 尾鷲林政推進協議会 おわせ森林管理協議部会 | |||||
認証森林の所在 | 三重県尾鷲市、紀北町 |