子育て環境の整備
主な取組内容
・未熟児や身体に障害のある子ども、疾病により長期にわたり療養を必要とする子どもに適切な医療や日常生活上の助言を行うため、関係機関との連携を進めながら、保健師による相談や訪問事業等を実施します。
・思春期の若者が健康で豊かな人間性を身につけていけるよう、学校保健と連携し、相談窓口の設置や健康教育を実施していきます。
・虐待予防のための支援体制整備をめざして、育児不安を持つ親のグループワークを充実させていきます。
・未熟児養育医療・自立支援(育成)医療・小児慢性特定疾患などの医療費助成を行います。
(1)母子保健事業
① 虐待予防ケア事業
養育問題をもつ保護者への支援が虐待予防につながるとの観点から、特に未熟児・障害児等のハイリスク児と親に対して周産期からの支援を行いました。
1)家庭訪問・面接・相談
訪問対象:未熟児は、主に出生体重2000g未満、在胎週数36週未満及び病院より退院連絡を受けたケース。小児慢性特定疾患児は、医療機関からの訪問必要と連絡のあったケースなどです。
(平成18年度)
|
未 熟 児 |
障 害 児 |
小児慢性特定疾患児 |
---|---|---|---|
訪問実件数 |
89 |
8 |
11 |
訪問延件数 |
118 |
36 |
45 |
2)グループミーティング(ほっとスペース)
育児不安が強かったり、虐待を行っている、又は虐待にいたる可能性のある母を対象に定期的に実施しました。参加者は生育歴や家族関係に葛藤を抱えており、同じような立場の母親たちと話すことで気持ちが楽になるという効果が見られました。
開催日 毎月第2、第4金曜日 午前10時~12時
内 容 グループミーティング
担当者 保健師
(平成18年度)
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実 人 数 |
延 人 数 |
---|---|---|
参加者数 |
6 |
41 |
② 思春期健康支援事業
思春期は、人間の一生において心身面の発達の変化の最も大きい時期です。この時期は、特有の身体や心に関する悩みなども多くみられ、それに対する対応が将来の結婚生活や健康に大きな影響を与えることから、学校からの相談を受け、適切な支援を提供できる講師を紹介し調整しました。
1)健康教育打ち合わせ
日時 |
平成18年6月9日(金) |
---|---|
場所 |
三重県立久居高等学校 |
参加者 |
講師 開業助産師対象者 三重県立久居高校、久居農林高校、白山高校各養護教諭 |
内容・ |
夏休み前に生徒・保護者・教職員を対象に性教育を実施したい。中学校において既にある程度の勉強をしてきた子、全く知らない子など知識の差が大きい。 「命の大切さ、性と生(ひとりひとりが大切な存在であること)を知ってもらう」ことを目的に、開業助産師による講演会を企画した。実際の講演会後のアンケート結果をみると、上級生になるほど相手への責任や思いやりについて考えており、好評であった。ただ、今回は全校生徒を一堂に会して実施したので、より具体的な生徒にわかりやすいものにするためには方法等も含めて検討が必要である。いずれにしても、準備に時間がかかるので、関係者と情報交換を密にしていくことが必要である。 |
(2)母子保健医療
① 医療給付状況 (平成18年度)
|
育 成 |
養 育 |
小児慢性特定疾患 |
---|---|---|---|
申請件数 |
169 |
73 |
222 |
給付決定件数 |
166 |
63 |
219 |
不承認件数 |
3 |
10 |
3 |
② 小児慢性特定疾患医療給付決定件数内訳(平成18年度)
津市 |
|
---|---|
悪性新生物 |
47 |
慢性腎疾患 |
9 |
慢性呼吸器疾患 |
12 |
慢性心疾患 |
20 |
内分泌疾患 |
78 |
膠原病 |
4 |
糖尿病 |
13 |
先天性代謝異常 |
9 |
血友病等血液・免疫疾患 |
10 |
神経・筋疾患 |
7 |
慢性消化器疾患 |
10 |
合計 |
219 |
(3)妊産婦メンタルヘルス構築事業
目的:産後は心の病気の発生率が高く、とりわけ産後うつ病は妊産婦の10%以上が罹患するといわれているにもかかわらず、そのケアが充分に行われているとは言えません。こうしたこころの病気の早期発見、早期治療、早期支援を行うことで妊産婦のメンタルヘルスの向上を図り、安心してこどもを生み育てる環境を整えて行くことは、児童虐待防止の観点からも重要なことです。昨年度のアンケート調査を踏まえ、妊産婦への負担や実用性を考え、今回は産直後(産褥入院中)の情報で産後うつ病のハイリスク者を発見する方法を検討しました。
① 事業内容
1)対象:津市管内在住で、平成18年7月~10月の間に管内の協力産科医院で出産した産婦221名。
2)方法:出産した産科を退院する時と産後1ヶ月健診時の2回にアンケート調査(本人記入)
3)結果・考察
産後うつ病等の早期発見の手段を確立することを目的として調査検討を行ったところ、産後の母親のメンタルヘルスに影響を与える要因として、母親の年齢、児の性別希望、生理前のイライラの有無、他人の赤ちゃんを抱いた経験、こころの病気の治療歴、産後の生活への自信、夫との同居期間、夫との生活への満足度、住宅形態、住まいの広さ、産後5日目のマタニティーブルーズの疑い、などがあり、中でも夫との生活への満足度はかなり重要であることがわかりました。妊産婦にかかわる関係者はこれらの項目を把握しながら、適切な時期に*EPDSなどで母親の精神状態をチェックして、必要な人に早期支援をしていくことが重要です。
ネットワーク会議において医師や助産師から、システム化を図るに当たって情報のやりとりをどのように行うのか、母親の同意はどのような形でとるかなど、具体的な課題が提案され、また、情報の共有化を図るためにこまめに連絡を取り合い、研修やケース検討などをしていくことの必要性も示唆されました。
今後も産科、小児科、精神科、行政がうまく連携をとり、既存の母子保健サービスの有効活用を図ることで、安心して子どもを生み育てる環境づくりを推進し、ひいてはそれが虐待予防につながると考えます。
*EPDS(エジンバラ産後うつ自己評価票:Edinburgh Postnatal Depression Scale)
4)会議の開催
開催日時・場所 |
出 席 者 |
内 容 |
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平成19年1月26日(木) 19:30~ 津医師会館 |
産婦人科医、小児科医、精神科医、助産師 他 13名参加 |
・ 調査の報告 ・ 今後の取り組み |
5)研修会の開催
開催日時・場所 |
出 席 者 |
内 容 |
---|---|---|
平成18年11月21日(月) 16:00~17:45 津市中央保健センター 和室 |
助産師、保健師、 看護師 等 23名 |
・ 実技と講演 「アロマを用いたベビーマッサージとハンドマッサージについて」 講師:ヤナセクリニック 高野 味鈴氏 |
平成19年3月15日(水) 15:00~16:30 ながたレディースクリニック
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助産師、保健師、 看護師 15名 |
・情報交換会 ・今後の取り組みについて
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6)報告書の作成
「妊産婦メンタルヘルス構築事業」冊子増刷