三重県精神医療審査会における開催要件を満たしていない状況での会議開催していたことが判明しました。
1 事案の概要
「三重県精神医療審査会」では、こころの健康センターが事務局となり、精神科病院入院患者(またはその家族)からの退院請求、処遇改善請求の可否や、精神科病院からの医療保護入院等の届出等に基づき、医療保護入院等が適切に行われたかを審査しています。
また、審査会での審査は、委員5名で構成する4つの合議体で行っており、委員3名以上の出席、委員の分野(精神障害者医療、精神障害者保健福祉、法律の学識経験者)ごとに1名以上の出席が、開催要件として政令で定められています。
他県・市で「精神医療審査会が法令で定める出席委員の定足数を満たさないまま開催されていた」と公表されたことを受け、担当者が改めて確認したところ、委員は3名以上出席しているものの、委員が急に欠席になったこと、事務局において開催要件について認識の誤りがあったことから、保健福祉又は法律の分野の委員が出席していない状態で開催した審査会があることが判明しました。
このような審査会は、開催状況を確認できる過去5年間(平成23年度から平成28年12月まで)の69回の審査会中、平成27年度に3回、平成28年度に1回ありました。
【定足数が不足して開催した審査会の状況】
① 開催日:平成27年4月10日 保健福祉関連委員欠席
退院請求等審査:3件
医療保護入院等の届出審査:370件
② 開催日:平成27年9月9日 保健福祉関連委員欠席
退院請求等審査:4件
医療保護入院等の届出審査:279件
③ 開催日:平成27年10月9日 法律関連委員欠席
退院請求等審査:2件
医療保護入院等の届出審査:349件
④ 開催日:平成28年9月7日 法律関連委員欠席
退院請求等審査:0件
医療保護入院等の届出審査:228件
2 当該審査案件への対応
4回の審査会において審査案件となっていた精神科病院入院患者等からの退院請求等審査の案件(9件)及び精神科病院からの医療保護入院等の届出(1,226件)について、平成29年1月11日、12日に改めて審査を行いました。全ての案件について、4回の審査会と同様の審査結果となりました。
3 再発の防止
・こころの健康センターにおいて、正しい法令解釈、関係法令の順守を徹底します。
・委員の欠席により開催要件を欠くことのないよう、事前の出席確認を徹底します。
・委員の急な欠席に対応するため、予備委員の選定、活用に努めます。