「都市計画区域の整備・開発及び保全の方針」(三重県都市マスタープラン)策定のための基本方針−概要版−

「都市計画区域の整備・開発及び保全の方針」(三重県都市マスタープラン)策定のための基本方針−概要版−

(平成13年度策定)

目次

  1. 三重県都市マスタープランの基本的考え方
    (1)三重県都市マスタープランの法的根拠
    (2)三重県都市マスタープランの基本的考え方
    (3)三重県都市マスタープランと市町村都市マスタープランの関係
  2. 三重県としての取り組みの特徴
    (1)圏域設定の考え方
    (2)区域区分の要否の考え方
  3. 三重県都市マスタープラン策定基本方針
    (1)基本方針
    (2)策定プロセス
    (3)三重県都市マスタープランの概要

1.三重県都市マスタープランの基本的考え方 

(1)三重県都市マスタープランの法律根拠

三重県都市マスタープランは、平成12年5月19日に改正された都市計画法第6条の2において新たに以下のように規定され、全ての都市計画区域において定めることとなりました。


(都市計画区域の整備、開発及び保全の方針)

第6条の2 都市計画区域については、都市計画に、当該都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を定めるものとする。

2 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 都市計画の目標
二 次条第1項に規定する区域区分(線引き)の決定の有無及び当該区域区分を定めるときはその方針
三 前号に掲げるもののほか、土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針

3 都市計画区域について定められる都市計画(第11条第1項後段の規定により都市計画区域外において定められる都市施設(以下「区域外都市施設」という。)に関するものを含む。)は、当該都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即したものでなければならない。

【 改正前 】 【 改正後 】
線引き要否概念図
(※)法令で線引きを義務付ける範囲を三大都市圏等に限定
(本県では、桑名及び四日市都市計画区域が該当)

(2)三重県都市マスタープランの基本的考え方

都市計画は、その目的の実現には時間を要するものですから、本来的に長期的な見通しをもって定められる必要があります。

また、個々の都市計画の決定にあたっては、その必然性、妥当性が説明される必要があり、またこれが総体としての都市計画の一部を構成するものですから、将来都市像との関係を踏まえ、総合性、一体性の観点から常に検証されなければなりません。

このため、都市計画法第6条の2の規定に基づく都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(以下「三重県都市マスタープラン」という。)においては、それぞれ住民に理解しやすい形であらかじめ長期的な視点に立った将来都市像を明確にし、その実現に向けての大きな道筋を明らかにしておくことが、極めて重要であり、そうした機能の発揮こそ三重県都市マスタープランに求められているといえます。

したがって、三重県ではそのような視点にたって、平成16年の春までに将来都市像を明確にした住民にわかりやすいマスタープランを策定する予定です。

対象期間としては、おおむね20年後の将来都市像を展望したうえで、都市計画の基本的方向を定めることとします。

但し、市街化区域のうち、おおむね10年以内に市街化を図るべき区域に関連する事項(市街化区域の規模等)については、その趣旨に鑑み、おおむね10年後の将来予測を行ったうえで定めることとします。

また、都市施設、市街地開発事業については、優先的におおむね10年以内に整備するものを整備の目標として示すこととします。

(3)三重県都市マスタープランと市町村都市マスタープランの関係

三重県都市マスタープランは、一体の都市として整備、開発及び保全すべき区域として定められる都市計画区域全体を対象として、県が一市町村を超える広域的見地から、区域区分をはじめとした都市計画の基本的方針を定めます。

一方、市町村都市マスタープランは、三重県都市マスタープランに即し、都市計画区域内の各市町村の区域を対象として、住民に最も身近な地方公共団体である市町村が、より地域に密着した見地から、その創意工夫の下に、 市町村の定める都市計画の方針を定めるものです。

上記のような両マスタープランの趣旨からすると、三重県都市マスタープランにおいては、広域的、根幹的な都市計画に関する事項を主として定め、市町村都市マスタープランにおいては、地域に密着した都市計画に関する事項を主として定めることが要請されます。

しかし、両マスタープランともに将来都市像とその実現に向けての道筋を明らかにしようとするものであり、そのための調整が県と市町村の間で必要となります。

したがって、三重県都市マスタープラン策定にあたっては、県と市町村の間での意見聴取、案の申し出の他に「調整会議」を設け、各種の意見調整を図ることとします。

■ 三重県都市マスタープランと市町村都市マスタープランの比較
区分 根拠法 策定主体 対象範囲 主に定める内容 関係
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針
(三重県都市マスタープラン)
都市計画法第6条の2 都市計画区域全体 広域的、根幹的な都市計画に関する事項 県と市町村の間での意見聴取、案の申し出の他に「調整会議」を設け、各種の意見調整を図る
市町村の都市計画に関する基本的な方針
(市町村都市マスタープラン)
都市計画法第18条の2 市町村 市町村単位 地域に密着した都市計画に関する事項
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2.三重県としての取り組みの特徴 

三重県都市マスタープランは、基本的考え方でも述べたように市町村をこえた広域的観点から策定し、住民に将来都市像を明確に示す必要があります。

このため三重県では、まず三重県都市マスタープランを策定する前に有機的な関連を持つであろう いくつかの都市計画区域を圏域としてまとめ、検討することにより広域的観点を確保したいと考えています。

また、今回の法改正の重要事項に市街化区域と市街化調整区域の区域区分(いわゆる線引き制度)を行うかどうかが、原則として県による選択制となりました。(ただし、桑名及び四日市都市計画は区域区分が義務づけられています。)

そのため三重県としては、それぞれの都市計画区域の現状を把握し、その結果をもとに一律的な規制手段から都市毎に地域特性に応じた土地利用規制策が検討出来るよう三重県都市マスタープラン策定において配慮するつもりです。

以下にそれぞれの考え方を示します。

(1)圏域設定の考え方

三重県都市マスタープランは、広域的、根幹的な都市計画に関する事項を主に定めることが要請されており、広域的観点を確保するため、必要に応じ、隣接・近接する他の都市計画区域や都市計画区域外の現況及び今後の見通しを勘案することが求められます。

また、三重県都市マスタープランは、都市の一体性を配慮して策定され、住民に将来都市像を明確に示す必要があります。

しかし、三重県の都市計画区域27区域(下図参照)の状況を見ると必ずしも一つの都市計画区域で将来都市像を明確に示せる状況にはありません。

したがって、県としては、一定のまとまりのある圏域を設定し、その圏域毎に都市計画の目標を定めることで広域的観点を確保し、その将来地域像を基本に都市計画区域毎に三重県都市マスタープランを策定することとします。

圏域の範囲としては、下表に示すように通勤・通学・買物等の生活上の結びつきは三重県の総合計画「三重のくにづくり宣言」における生活創造圏が基本となっていますが、広域構想や都市の歴史、地形からみると9つの生活創造圏が複合化されて大きな圏域を構成していることがわかります。

しかし、個々の生活創造圏域を大きくかけはなれるような圏域設定条件はなく、生活創造圏域が三重県の圏域の基本単位として十分評価できます。

したがって、三重県都市マスタープランの上位計画である三重県の総合計画「三重のくにづくり宣言」との整合性を図る意味からも9つの生活創造圏を広域的検討の圏域として設定することが望ましいと考えます。

市町村合併については、実施された段階で必要があれば圏域の変更を検討します。

■ 圏域検討表

圏域検討表

■ 市町村境を越えた九つの生活創造圏

住民参画と市町村の広域連携で作る生活創造圏

生活創造圏は、
「働く」「遊ぶ」「学ぶ」「癒す」などの生活に密着した行政サービスが提供 できる圏域であるとともに、都市機能をもった中心都市とその周辺地域が相互に交流・連携し、住民と行政が協力して広域的な地域づくりを行う場として、右図に示す9つの圏域が設定されている。

九つの生活創造圏

資料)三重県総合計画「三重のくにづくり宣言」(平成9年11月)

■ 都市計画区域の指定状況(平成13年8月現在)

都市計画区域の指定状況図

(2)区域区分の要否の考え方

1) 区域区分(線引き)の状況

三重県における区域区分の状況は以下のとおりで、線引きすべき都市として政令で定められていた都市計画区域の内、7都市計画区域で区域区分を行っています。

■ 三重県の区域区分の状況

区分 大都市圏 都計
区域名
当初線引
年月日
都計区域
面積(km2)
都計区域
人口(千人)
構成市町村
線引きすべき都市 線引き都市 中部圏都市整備区域 桑名 S45. 8. 31 169 172 桑名市、多度町、
長島町、木曾岬町、
員弁町、東員町
四日市 S45. 8. 31 252 350 四日市市、楠町、
朝日町、
川越町(菰野町)
中部圏都市開発区域 鈴鹿 S46.12.28 169 180 鈴鹿市
S45. 8. 31 150 225 津市、河芸町、
香良洲町、久居市
松阪 S47.12.26 127 122 松阪市
嬉野 S57. 8. 3 29 18 嬉野町
近畿圏都市開発区域 上野 H 4. 3. 31 195 61 上野市
小計 7都市   1,091 1,128 19市町
未線引き都市 近畿圏都市開発区域 名張 −− 130 80 名張市
青山 −− 13 12 青山町
中部圏都市開発区域 明和 −− 41 22 明和町
三雲 −− 19 10 三雲町
小計 4都市   203 124 4市町
11都市   1,294 1,252 23市町

平成13年4月1日現在(※人口は平成7年国勢調査による)、( )は整備区域外の町

2) 三重県における考え方

区域区分は、無秩序な市街地の拡大による環境悪化の防止、計画的な公共施設整備による良好な市街地の形成、都市近郊の優良な農地との健全な調和等、地域の実情に即した都市計画を樹立していく上で根幹をなすものです。

したがって、むやみに区域区分を廃止したり、現在人口が急増している区域でなんら土地利用規制をせず無秩序な市街化を放置することは、都市計画の視点からも問題です。

そのため以下のフローに示すように区域区分制度の適切な運用の精神に配慮しながら、都市計画区域毎に個性豊かな土地利用規制策が検討出来る基準を設定します。

その方法としては、都市計画区域毎に以下のフローに示す判断基準により、引き続き、線引きを義務付ける区域、選択性にする区域、区域区分を必要としない区域に区分します。

その上で、選択性の区域には、区域区分あるいは、地域特性に応じた他の土地利用規制策を義務付ける方針とします。

なお、土地利用規制策の内容は、三重県都市マスタープランの中で都市計画区域毎に調査、分析しその必要事項を明らかにすることとします。

■判定基準

判定基準フロー図

3) 他の土地利用規制の方法

他の土地利用規制の方法は、それぞれの都市計画区域の状況や市町村の考え方で多種の方法が考えられます。

具体的な方法は、今後三重県都市マスタープラン策定の中で調査・分析するとともに市町村と協議する予定ですが、以下に参考例を示します。

内容
市町村独自の条例による方法 掛川市、穂高町等のように独自の土地利用条例により規制・誘導
都市計画制度による方法 地区計画制度、特定用途制限地域等の白地で適用可能な制度の活用
個別建築規制による方法 個別建築物の形態規制で対応(容積率、建ぺい率、斜線制限)
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3.三重県都市マスタープラン策定基本方針 

(1)基本方針

 三重県都市マスタープランは、生活創造圏単位で見る広域的検討部分と個別都市計画区域検討部分で構成します。

すなわち、「都市計画の目標」は、概ね20年後の将来地域像を展望し広域的観点から策定します。

「土地利用規制の基本方針」及び「主要な都市計画の決定方針」は、個別都市計画区域毎に策定します。

項目 ・都市計画の目標 ・土地利用規制の基本方針
・主要な都市計画の決定方針
検討範囲 生活創造圏単位での広域的検討 都市計画区域毎の検討
都市計画決定図書の成果イメージ ○○生活創造圏
(1)都市計画の目標
●●都市計画
(2)土地利用規制の基本方針
(3)主要な都市計画の決定方針
◎◎都市計画
(2)土地利用規制の基本方針
(3)主要な都市計画の決定方針

(2)策定プロセス

三重県都市マスタープランは、関係機関や住民との計画の調整を図りながら作成します。

その方法については、下表のように考えています。

各種の社会的課題(環境負荷の軽減、都市防災の向上、都市のバリアフリー化等)を都市計画の目標として記述する場合関係機関等と調整
市町村 県との協議プロセスの中で意見を提出
住民 住民説明会等、都市計画決定手続きの中で意見を提出

(3)三重県都市マスタープランの概要

ここでは、前述の基本方針を受けて策定する三重県都市マスタープランの概要を整理します。

また、記述する項目・内容はその都市計画区域毎にふさわしいものを採用し個性化を図るよう配慮します。

なお、その前提となる都市計画制度の構成を最後のページに示してありますので「概要」の理解の参考として下さい。

内容 作成図面
広域的検討部分 1都市計画の目標 生活創造圏単位で見た広域的な観点から、概ね20年後の将来地域像を展望して、都市計画区域内外のあり方、都市計画区域外を含めた保全すべき緑地の構成等、都市計画の目標を明らかにします。
具体的内容は「圏域の現状と計画」「都市計画の課題と目標」「都市計画区域内と外の関連」「圏域の将来地域構造図の明示」とします。
  • 将来地域構造図
個別都市計画区域検討部分 2土地利用規制の基本方針 2−1 区域区分の要否
三重県では、「市街地拡大の可能性(人口増加や大規模プロジェクトの有無)」「良好な環境形成のための土地利用計画の必要性」を調査の上、土地利用規制の必要性を判断し、区域区分などでの方策をとることを明示します。
 
2−2 区域区分の方針
目標年次における「人口・産業の規模」と「市街化区域の位置・規模」を明らかにします。
  • 将来市街化区域想定図
3主要な都市計画 の決定方針 3−1 土地利用に関する主要な都市計画の決定方針
区域区分を実行する場合
市街化区域内の主要用途の配置、建築物の密度構成、住宅施設の方針とともに課題のある地域を明確にし、その対応策を明示します。また、市街化調整区域の土地利用方針についても明示します。
区域区分を実行しない場合
都市計画区域全体について主要用途の配置方針及びその都市計画区域にふさわしい土地利用の方針を明示します。
  • 将来土地利用方針図
3−2 都市施設の整備に関する主要な都市計画の決定方針
道路・下水道・廃棄物処理施設について、「基本方針」「施設の配置方針」「整備目標」を述べます。
この中で数値目標(道路―幹線街路延長/km2、下水道―普及率)や今後10年間で整備する施設について明らかにします。記入対象施設は、道路―高速道路、国道、 県道、4車線以上の市町村道、下水道―流域下水道、廃棄物処理施設―県廃棄物処理計画記入施設、とします。
  • 交通施設整備方針図
  • 下水道及び河川整備方針図
3−3 市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定方針
土地区画整理事業などの市街地開発事業について「決定方針」「整備の目標」を述べます。
この中で、課題の抱える地域を明らかにし、今後10年間で実施する事業(県決定分)について明らかにします。
  • 主要な市街地開発事業決定方針図
3−4 自然的環境の整備又は保全に関する都市計画の決定方針
「公園・緑地」に関して「基本方針」「配置方針」「確保目標」を述べます。
この中で、一人あたりの公共空地(公園・緑地)面積の目標や今後10年間で整備する公園・緑地(10ha以上)を明らかにします。
  • 自然的環境の整備又は保全方針図
3−5 地域の特性に応じて定めるべき事項
例えば、「景観」「環境」「防災」「情報」「高齢社会」など地域の特性に応じた項目について「基本方針」「施策概要」を述べます。
  • 方針図必要に応じて
■都市計画制度の構成

都市計画制度の構成図


三重県都市マスタープランの構成内容や考え方については、
パブリックコメントによる意見募集(募集期間:平成13年8月31日まで)を行いました。
ご意見をいただき、ありがとうございました。

みなさまからいただきましたご意見は、三重県都市マスタープラン作成の参考とさせていただきました。

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