ご挨拶            

 草の実リハビリテーションセンターは、三重県内唯一の肢体不自由児施設「草の実学園」として、昭和32年10月に開設され、今年度50周年を迎えました。
 開設以来、福祉施設としての機能はもちろん小児整形外科、小児リハビリテーションを中心とする医療機関としての機能をあわせもつ極めて特色ある施設として、これまで身体に障害をもってらっしゃるたくさんのこどもさん達に利用していただいてまいりました。しかし近年、ノーマライゼーションの理念が徐々に浸透し、障害児(者)をとりまく医療・福祉・教育などの社会環境は大きく変化してきたことから、障害をもつこどもさんや障害児をもつ保護者の方々からの当施設へのご要望も多様化してきております。
 このような状況をふまえ、入所・外来などの業務はもちろん、さまざまな業務・事業などの見直しを行い、平成10年4月に「草の実リハビリテーションセンター」へと名称を変更するとともに、重症心身障害児(者)通園事業「さわやか教室」や短期入所事業を開始しました。また、県内各地域において乳幼児発達相談や障害児療育相談などの相談事業を実施しながら、関係機関との連携を強化してきました。さらに、県内唯一の小児療育の人材育成機関として大学、専門学校などからの実習生の受け入れや市町の療育センター保育士などの研修を行っています。
 開設50周年を迎えるにあたり、これまでの当施設における歴史や業績をまとめるとともに利用者の方々の状況や退所者の動向などの調査を行い、今後の当施設のあり方の検討も含め「50周年記録集」としてCD−Rに収めましたので、ご一読いただき忌憚のないご意見をいただければ幸いです。
 これからも職員一同、利用者の皆様方のご要望を真摯に受け止め、より一層充実した療育活動を実践していきますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
 
平成20年3月
三重県立草の実リハビリテーションセンター
所長  二井 英二