今日のイセエビ(8月11日)
人工生産した稚エビを初めて放流しました
8月10日に、水産研究所で生産した稚エビ(体長8~12cm)を放流しました。人工的に生産した稚エビを放流するのは、日本では初めて、世界的にも例がないものです。放流した稚エビは、昨年(平成26年)の4月にふ化し飼育していたもの25個体です。
放流した稚エビ(水槽に入れて運んでいるところです)
放流方法は、研究員2名が潜水して稚エビを丁寧に海底まで持っていき、1個体ずつ放流するというもので、13個体は天然の岩礁の上部に載せ、自由に行動させました。残りの個体は、あらかじめ設置しておいたコンクリートブロックの穴に入れ、落ち着かせるという方法をとりました。自由に行動させた個体もすぐに岩の割れ目などに身を隠し、天然の稚エビが行うような触角を前に突き出して、警戒姿勢をとりました。
放流地点に設置したブロックにいる稚エビ
今回の放流は25個体と少ないですが、今回試験放流が行えたのは幼生飼育研究が向上した証であり、研究の歴史の足跡の1つになるものと思っています。
今回放流した稚エビの多くは、1~2年で漁獲サイズに到達しますので、どれくらい再捕されるか今から楽しみです。
さらに詳しく (研究成果など)
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