献血への協力のお願い
献血でいただいた血液は、治療目的に合わせて分離・加工が行われ、輸血用血液製剤又は血漿分画製剤として患者さんに使用されます。
輸血用血液製剤は、採血後に4日間使用できる血小板製剤、21日間使用できる全血製剤及び赤血球製剤のように、有効期間が短いものが多く、常に血液が必要とされている状況にあります。しかしながら、このような状況にもかかわらず、近年では全国的に献血量が減少する傾向にあります。年代別では、50~69歳の献血者数が唯一増加しているものの、それ以外の年代では総じて減少しています。
血液事業の基本理念としては、血液製剤の安全性を向上させるとともに、血液製剤の自給及び安定供給を確立することが求められていますが、そのためには献血血液の計画的な確保が不可欠ですので、皆様のご協力をお願いします。
献血キャンペーン
県が策定する三重県献血推進計画では、県内の医療機関が使用する血液製剤等を確保するために、これに必要な目標とする献血者数を設定しています。
そのために献血者を確保することはもちろんですが、県民の献血意識の向上を目的とした啓発活動を行うための機会としても活用し、それらを含めて献血キャンペーンとして、次のとおり実施しています。
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そのほかにも、地域独自のキャンペーンを実施したり、何らかのイベントに併せてキャンペーンを実施したりしていますので、こちらのページを適宜確認していただいけると幸いです。
なお、今年度のキャンペーンは、下表のとおり実施します。キャンペーン当日には、県が委嘱する高校生を主体とするヤングミドナサポーターが街頭啓発に参加するほか、細やかなイベントを同時に催すこともありますので、是非ともご家族で会場へ足をお運びください。
※ 献血の受付は、血液センター職員の休憩のため、昼頃に一旦停止させていただくことがありますのでご理解願います。
献血バスの運行予定
三重県赤十字血液センターの献血バスの配車計画は、次のリンク先で公開しています。
このバスを見かけたときは、ご都合がよろしければ献血に協力をお願いします。ただし、私企業の事業所内へ配車されるときは、その事業所への入場の可否を事前にご確認ください。
また、献血に際しては、血液の安全性を確保するために、身分証明書(運転免許証、健康保険証等)の提示を求めることにより、本人確認を行っていますのでご理解ください。
献血の採血基準
採血基準は、平成23年4月1日に改正された以降は変更がありません。
その際の改正内容は、男性に限られたものが多いですが、次のとおりになります。
- 男性に限り、400mL献血が17歳から出来るようになりました。
- 男性に限り、血小板成分献血が69歳まで出来るようになりました。ただし、65歳から69歳までの方については、60歳から64歳までの間に献血の経験がある方に限られます。
- 男性に限り、献血可能な方の血色素量の下限値が引き上げられました。
- 健康診断の方法から血液比重の検査が削られ、血色素量の測定のみが行われるようになりました。
なお、上記の詳細は、次のリンク先で確認をしていただくことができます。
血液製剤の種類
血液製剤とは、人の血液又はこれから得られた物を有効成分とする医薬品のことです。
医薬品としては、輸血用血液製剤と血漿分画製剤に大きく分類でき、各々の主な製剤は次のとおりです。
分類 | 説明 | |
輸血用血液製剤 | 赤血球成分製剤 | 血液から血漿、白血球及び血小板の大部分を取り除いたものです。慢性貧血や外科手術の輸血時に用いられます。 |
血漿成分製剤 | 血液から血漿を分離させたものです。その多くが凍結させた新鮮凍結血漿として、血液の凝固因子の欠乏による出血傾向の際に用いられます。 | |
血小板成分製剤 | 専用の装置により血液から血小板のみを採取したものです。血小板の機能異常があるとき、出血傾向があるとき等に用いられます。 | |
全血製剤 | 血液に保存液を加えたものです。大量輸血時等で使用されることがありますが、赤血球成分製剤の使用が主流であるためにあまり用いられていません。 | |
血漿分画製剤 | アルブミン製剤 | 血漿膠質浸透圧を維持し、循環血漿量を確保するために用いられます。 |
免疫グロブリン製剤 | 細菌やウイルスを排除しようとする働きを助けたり、免疫力を高めるために用いられます。 | |
血液凝固因子製剤 | 出血を抑えたり、血が止まりにくくなっている状態を改善したりするために用いられます。 |
ヤングミドナサポーター
県内の10代及び20代の献血者の確保は、従前から課題としてあり、現在の献血率では全国最下位です。
県としては、このような状況を打開するために、将来の献血を支える若年層への献血思想の普及が重要であるとして、高校生等の学生に参加を募り、次に掲げる活動を通じて、学生が献血に関心を持ってもらうとともに、その重要性を理解してもらうヤングミドナサポーター事業を平成11年から継続的に実施しています。
- 学生の協力による街頭献血の実施
- 学生を対象とした血液センター見学会の開催
- 学生自らが将来の献血を考え、意見交換を行う高校生献血推進会議の開催
そのほかにも、県教育委員会と連携して、三重県赤十字血液センターによる高校献血セミナーを実施しているほか、同センターが支援する学生献血推進ボランティアとも協力することにより、ヤングミドナサポーター事業の伸展に助力をいただいています。
最近では、10代及び20代の献血者数が若干ながらも増加傾向にあり、献血率の全国最下位から脱するまでには至りませんが、将来に明るい兆しが見えてきたところですので、今後ともヤングミドナサポーターによる活動を見守り、街頭献血の会場では温かい言葉を掛けてくださいますようお願いします。

三重県輸血療法委員会
県では、献血者数を確保するだけでなく、三重県輸血療法委員会の協力を得ることで、医療機関における血液製剤の使用適正化及び輸血の安全性の向上に取り組んでいます。
また、同委員会の事業として、研修会、セミナー、講演会等を開催しています。