防災教育おすすめプラン
県内の学校では、各教科や総合的な学習の時間、特別活動などさまざまな機会をとらえて、防災教育が進められています。このページでは、防災教育を進める上で、参考になる実践や資料などを紹介します。
内容
1 防災ノートの活用
三重県教育委員会では、近い将来の発生が懸念されている東海・東南海・南海地震等による地震及び津波から、児童生徒の命を守るため、全ての児童生徒に配布する「防災ノート」を作成し、平成24年2月に、約23万部(日本語版)を三重県内全ての小学校・中学校・高等学校・特別支援学校等へ配布しました。
防災ノートの目的は二つあります。一つ目は、児童生徒が、地震及び津波による危険や避難方法、家庭での防災対策を知り、自らの命を守るためにはどうすればよいかを考え、行動する力を育成することです。二つ目は、児童生徒と保護者がともに家庭で防災ノートに取り組むことによる、家族の防災意識の向上と、家庭の防災対策の充実ができるようにすることです。
防災ノートは発達段階に応じ、小学校低学年版、小学校高学年版、中高生版があります。
防災ノートは、まず学校で、地震が起こった場合の危険とその回避方法や基本的な防災対策を学びます。次に自宅へ持ち帰り、保護者とともに非常用持ち出し品のチェックや、部屋の安全対策などに取り組み、さらに再度学校で、学習したことについて話し合いを行うなど、学校と家庭での活用をお願いします。
2 学校における防災の手引の活用
三重県教育委員会では、東日本大震災により明らかになった学校の防災教育及び防災対策の課題について、見直しや取組の強化の方向性と具体的な対応例を「三重県の学校における今後の防災対策・防災教育の在り方について<指針>」(平成23年12月)として取りまとめました。
その後、三重県においては、「三重県地震被害想定調査結果」(平成26年3月)の公表、「三重県新地震・津波対策行動計画」(平成26年3月)や「三重県新風水害対策行動計画」(平成27年3月)の策定など、重点的に防災対策を進めています。
三重県教育委員会においては、こうした状況を踏まえ、学校における防災教育及び防災対策をさらに充実していくため、「学校における防災の手引き」の内容を見直し、改訂を行うことにしました。
この手引では、事前(備える)・災害発生時(命を守る)・事後(立て直す)の危機管理の段階別に構成を再編し、各段階で行うべき事項を明確にしたほか、学校における「防災の日常化」として3つのめざす姿を記載しています。また、防災学習、防災訓練の事例を増やすなど、学校における防災教育・防災対策を推進するにあたって参考となるよう内容を充実しています。
各学校においては、この手引を十分に活用し、学校や地域の実状等に応じた防災教育及び防災対策を一層推進することで、児童生徒等一人ひとりが、災害から自分の命を自分で守るとともに、他者や社会の安全や安心に貢献できる人となることを願っています。
3 防災担当者による出前授業、実験
三重県教育委員会 教育総務課 学校防災・危機管理班では、学校からの依頼に応じて、児童生徒を対象とした出前授業や保護者・教職員の研修などを行っています。
内容は、地震・津波のメカニズムや平常時の備え、地震発生時の行動などについて、ビデオやプレゼンテーションを交えてわかりやすく説明します。
また、地震を想定した、地盤の液状化現象や、建造物における耐震補強の効果、家具の転倒防止などの実験、避難所運営ゲームも行います。
![]() 冨田小学校 |
![]() 冨田小学校 |
![]() 冨田小学校 |
【連絡先】
三重県教育委員会 教育総務課 学校防災・危機管理班
電話 059-224-3301 FAX 059-224-2319
電子メール kyoiku@pref.mie.lg.jp
4 防災啓発車(地震体験車)による体験
地震について説明されて理解するだけでなく、強い揺れを体感することにより、実際に地震が発生した際の行動について考え、備えることができるよう、三重県には地震を体験することができる地震体験車「まなぶくん」「まもるくん」「そなえちゃん」「体験くん」(計4輌)があります。
学校で利用する際は、三重県教育委員会事務局教育総務課 学校防災・危機管理班(電話059-224-3301)へ連絡してください。手続き等について説明させていただきます。
![]() |
体験くん(神戸中学校) |
5 訓練
人は、大地震や災害など突然思いがけない危機に遭遇すると、まず「恐怖」を感じ、次は反射的に「逃げよう」とする意識が働き、往々にしてとっさの判断ができなくなります。そのため、自然に的確な行動ができるよう、常日頃から訓練を通して、身体に覚え込ませておくことが大切です。
また、県内の学校では防災訓練は1校あたり年平均3.5回行われていますが、地震や津波を想定した訓練や南海トラフ地震臨時情報の発令を想定した訓練、保護者や地域の方を招きながら行う訓練など、工夫が見られることが最近の特徴です。
事例1 引き渡し訓練
授業中に大地震が発生したことを想定し、保護者が徒歩で学校に出向き、教職員から児童生徒を引き渡す訓練を行いました。(四日市市立冨田小学校)
事例2 地域の方を招いた防災訓練(防災フェスティバル)
生徒をはじめ保護者、自治会にも呼びかけ地域住民の参加を得ながら、「豊中フェスティバル」で炊き出し、消火活動、煙体験などを行いました。(津市立豊里中学校)
事例3 避難所体験
地震が発生した想定で、保護者と子ども、教職員が炊き出しや防災教育ビデオの視聴、体育館での宿泊など避難所体験を行いました。(三重県立特別支援学校玉城わかば学園)
6 児童生徒の主体的活動
(1)タウンウォッチング
地震に対する基本的な知識を身につけた後は、身近な場所に目を向けてみましょう。登下校中や遊んでいるときに地震が発生したら、どんなところが危険で、安全に避難できる場所はどこか知っておく必要があります。また、家から、避難場所や家族と落ち合う場所までの道順を決めておくことも大切です。地域を歩き、こうしたことを確認することをタウンウォッチングと呼びます。
注意する場所
ブロックべいや石垣、大きな看板、自動販売機、工事中の場所、屋根の瓦、海、川、池、がけ など
安全に避難できる場所
避難所に指定されている施設、公園、広い空き地 高い場所(津波の場合) など
災害に利用する機器等
公衆電話、消火栓、防火水槽 など
![]() |
![]() |
![]() |
穂原小学校 |
穂原小学校 |
新鹿小学校 |
(2)防災マップづくり
タウンウォッチングで調べたことや、津波や洪水の被害想定を地図にしてみましょう。
学級や学年、班で分担して調べれば校区全体を地図にして、避難できる場所や危険な場所を確認できます。
![]() |
![]() |
![]() |
大淀小学校 |
中島小学校 |
有間野小学校 |
7 学習発表会、文化祭等での発表、展示
総合的な学習の時間などを利用して地震などの災害について学んだことを、学習発表会や文化祭などで発表する学校があります。
こうした機会をとおして、子ども達や保護者、地域の方が一緒に防災について考える機会を設けることができます。また、子ども達の生命や身体を守るには、日頃から学校と保護者や地域の方々が子ども達を守る方法や役割について共通理解をしておくことが大切です。
![]() |
![]() |
穂原小学校 |
下外城田小学校 |
8 心肺蘇生法の習得
災害や事故発生時には、医師の診察をうけるまでに、心肺蘇生などの応急手当を行うことが大切です。
消防署の協力により、中学生や高校生が救急救命士の話を聞き応急手当の大切さを知ることや、応急手当の基礎を学び、心肺蘇生法を体験することで、応急手当の基礎技術を身につけることができます。
![]() |
![]() |
大山田中学校 |