食の安全・安心インターンシップ日誌 2日目
日時 |
平成24年9月4日(火)4時45分~11時10分 |
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取材先 |
三重県地方卸売市場(松阪市小津町) |
水産セリ
水産セリの写真です。早朝5時前から始まります。セリには卸売業者(売り手)・仲卸売業者(買い手)・買参人(魚屋さん等)が参加しています。セリの資格を持った方が、手に持っている鐘を鳴らすとセリが始まります。卸売業者「いっぱち!(1800円)いちよん!(1400円)」仲卸売業者がセリ特有の手信号を送ると、卸売業者「はい!いちさん!(1300円)、次!」とわずか10秒もかからず商品に値がついていきます。その光景はとても熱気があり、圧倒されました。
生鮮食料品を扱う施設として市場では衛生管理対策も高い水準が求められています。冷たいものは冷たいまま、産地から各家庭まで鮮度が落ちないよう低温のまま届ける仕組みをコールドチェーン(冷たい鎖)というらしく、市場でも売られた商品を仕分けする場所だけでなく、売場自体が冷やされている低温市場という場所もあり、驚きました。
青果セリ
青果セリの写真です。水産では日本全国から集められた商品がセリにかけられていましたが、青果でのセリは地元でとれた商品が中心で、その他の商品は相対(あいたい)売りが中心となっています。また、卸売業者(売り手)が商品の値を上げていき最後まで購入意思を見せた仲卸業者が購入できる「上げセリ」方式がとられています。水産セリ同様、卸売業者の購入意欲を刺激する掛け声が印象的でした。
付属する施設
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左は市場で出た発砲スチロールを、市場内にある施設で溶かし固めたものの写真です。緑色をしており、また発泡スチロールの原料になります。普段目にすることがないものなので掲載させていただきました。右はごみ集積施設にあった市場で出た廃棄物のキャベツの写真です。表面に傷や汚れが付着している程度なのですが、商品とならないため捨てられたものです。こういった生ごみは場外の処理施設で堆肥としてリサイクルされるのですが、市場では毎日商品とならない青果物や野菜くずが発生し、日によってはトン単位で廃棄されることもあるそうです。私たちの食がいかに多くの無駄の上に成り立っているかを思い知らされました。
インターンシップ2日目見学の最後に、指定管理者である「みえ中央市場マネジメント(株)」の専務にお話を伺うことができました。三重県地方卸売市場は、大規模施設修繕工事以外すべての経営経費を市場での利用料で賄っているため、専務は市場の活性化のため精力的に活動していらっしゃいます。お話では、市場で扱う商品の取引量が年々減少しており無策では市場そのものがなくなりかねないこと、しかし高齢化社会が進むことからいかに小売店が重要であり、そのための市場が必要であるかを教えていただきました。
また、近年の食の安全問題に関しても、魚一つ一つに科学的な検査をすることは非現実的であり、精神論を含めたリスクコミュニケーションもこれからは重要になってくるのではないかという意見を聞かせていただき、とても有意義の時間を過ごさせていただきました
感想
ニュースなど間接的な媒体から想像する以上に実際の現場は迫力があり、よい体験をさせていただきました。三重県地方卸売市場では毎月1回、一般市民への市場開放も行われています。皆さんも参加してみてはいかがでしょうか。