食の安心・安全インターンシップ日誌 3日目
午前中は食の安全・安心班の方々からそれぞれ講義を受けました。この班はH13年の国内で初めてのBSEに感染した牛が発見された等の背景を受けて法制化された、食品安全基本法等が基となって設置されたと教えていただき、特に三重県は独自で食の安全・安心の確保に関する条例を定めているということでした。この条例は県会議員の方たちが提案したものであり、定めたきっかけとしては、県内企業の不適正表示が発生したことで、もっと県民の健康の保護等に寄与しようという考えからとのことでした。
三重県保健環境研究所見学
日時 |
平成28年8月24日(水)13時30分~15時30分 |
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見学先 |
三重県保健環境研究所 |
午後からは三重県保健環境研究所へ見学に訪れました。三重県保健環境研究所とは、県が運営する研究所の一つで、食品や医薬品等の安全性の確保、感染症の予防、環境保全のための調査研究や、県内で健康被害や環境被害が発生した場合に保健所等の関係機関と連携して試験検査を行うことにより、県民の皆さんの健康で安全な生活に貢献している施設です。研究所内には企画調整課・薬学研究課・衛生研究課・微生物研究課・資源循環研究課・環境研究課があり、今回は主に衛生研究課の業務と施設について見学させていただきました。
衛生研究課は化学物質による健康被害の発生や拡大を防止するため、食品・医薬品・飲料水・家庭用品などの研究や試験検査を行っている課とのことです。また、温泉水と環境放射能の調査研究や試験検査についても行っているとのことでした。初めに全体的な業務内容について説明を受けた後、研究所内の施設見学を行いました。研究所内には食品や農薬などの分析に使用される各種クロマトグラフィーが設置されているだけでなく、多種多様な分析機器が並んでおり、研究者にとっては憧れとなるような研究施設であると感じました。これらの設備を見学した後、改めて衛生研究課長から分析についての基本的な講義を受けました。特に強調していたことは、収去から測定までだけでなく、得られたデータについて評価を行うことまでが重要であり、どうしても検査には時間がかかってしまうということでした。個人的に印象に残った内容としては「データが一人歩きする」という内容で、分析を専門としていく身としては、数字を出すということの怖さが身に染みました。
最後に放射能検査施設についての見学を行いました。空気中のγ線を計測する装置や、一ヶ月間のちり等の降下物を集め濃縮還元することで含まれている成分を集める装置、一度の降雨で得られた雨水を集め含まれる成分を集める装置、これらで得られた試料を分析し解析する装置など初めて見るような装置だらけで驚きました。当時福島原発事故の影響がデータに微量に表れながらも検出されているデータには問題がない値であると教えていただきました。正確にデータを計測し県民に伝えていることを自分の目で見ることができ、より安心することができました。