事務局から、名張新高等学校ワーキング会議等の状況等についての報告を行った後、中高一貫教育の制度や導入した場合に考えられるメリット・デメリット、設置している他県の状況等について、資料をもとに説明を行い、主に当地域における中高一貫教育の実施について協議を行いました。
1 日時 平成26年10月29日(水) 19時00分~21時00分
2 場所 三重県伊賀庁舎 7階大会議室(伊賀市四十九町2802)
3 内容と主な意見等
(1)名張新高等学校ワーキング会議等の状況について
○ 名張新高等学校ワーキング会議にPTAの意見を採り入れることは考えられないか。
(2)伊賀地域における中高一貫教育の実施について
○ 中高一貫教育校の設置については、基本的には一定の人口規模が必要だと感じたが、設置に向けては、より具体的な協議が必要である。また、特別な支援を必要とする生徒を含めた中高一貫教育の構想は描けないか。
○ 中高一貫教育については、名張桔梗丘高校と名張西高校の統合にかかる議論の段階から協議してきた。国で小中一貫教育について議論されている中、中高一貫教育に対する県教育委員会のスタンスはどのようなものか。
→ 現行の「三重県教育ビジョン」や「県立高等学校活性化計画」(平成25年3月)の中で、「県立の中等教育学校や併設型中高一貫教育校の設置については、その理念や課題をさらに明確にするとともに、県内各地域の状況等を踏まえ、幅広い県民の意見を十分に聞きながら、設置も視野に入れて検討を進めます。」としている。
○ 県教育委員会から伊賀地域に中高一貫教育校を設置するという方向が示されているから議論しているわけではなく、当地域協議会から伊賀地域に中高一貫教育校を設置してはどうかという提案をするボトムアップの議論である。また、中高一貫教育校の設置については、メリット・デメリットや地域全体に与える影響等を総合的に考えて判断する必要がある。
○ 子どもたちの視点で考えると、中高一貫教育校の設置によって受験競争の低年齢化が起こる可能性が一番心配である。中高一貫教育校を設置したら、どうしても競争が生じ、子どもたちにストレスがかかる可能性がある。小学校の時には、人を育てる教育を望む。
○ 上野高校へ入学する生徒は、95%が伊賀地域の中学校を卒業した生徒である。中高一貫教育校については、小学校卒業段階で選択することの難しさがあり、伊賀地域に設置する必要はないのではないかと思う一方で、受験を通じて得る経験も大切だと思う。
○ 当地域に中高一貫教育校を設置することで、教育行政に対する地域の信頼感が高まるだろう。中高一貫教育校の設置を進めてもらいたい。
○ 広い地域から入学生を集めることを想定しにくい伊賀地域において、また、少子化が進み、1小学校1中学校となっている校区も出てきている状況の中で、あえて中高一貫教育校を設置するとしたら、地域との協働を軸にした学校でないと意味がない。
○ 中高一貫教育校を当地域に設置することについては、中学校現場でも賛否両論がある。少子化に伴い、各中学校の規模も小さくなっていく中で、活性化を図らなければならないという難しさがある。
○ 中高一貫教育校の設置については、一般論での協議ではなく、当地域全体の高校の配置とともに、具体的に考えていく必要がある。
○ 中高一貫教育校は、その設置目的が重要であり、当地域の人口規模や地域性等を考え合わせると、地域に与える影響の大きさが心配される。
○ 教育は理想を語らなければならないが、成功している私立中高一貫教育校の多くは進学校であり、自由競争の世界である。当地域で中高一貫教育校を設置できるかどうかについては疑問である。
○ 名張桔梗丘高校と名張西高校を統合して開校する名張新高校は、進学に特化したコースを設け、他地域への流出を止めることをコンセプトの一つとしており、上野高校には理数科が設置されている。その中で、当地域に新しく中高一貫教育校を設置する必要があるかという議論である。また、都市部では幼稚園から受験する子どももいるが、当地域ではどうかということも考えると、現段階では、当地域に中高一貫教育校を設置することは難しいと考える。
4 今後の協議について
今回の協議を踏まえて、次回は「当地域における中高一貫教育」について引き続き協議するとともに、「地域全体の学科の適正な配置」、「特別な支援を必要とする生徒の県立高等学校への受け入れと支援」について、協議することとしました。