1 日時 平成27年11月16日(月)18時30分から21時00分
2 場所 三重県伊勢庁舎 401会議室
3 内容 伊勢志摩地域の県立高校のあり方について等
4 概要
(1)伊勢志摩地域の県立高校のあり方について
三重大学 西村訓弘副学長をゲストスピーカーに迎え、地域活性化の視点から、地域と高校との関係について講演いただき、意見交換を行いました。主な意見等は次のとおりです。
(西村副学長の講演内容および助言)
○ これからの社会を変えていく人材を育成するためには、高校時代に「好奇心」を育むことが必要である。そのためには、学校で基礎・基本を教えたうえで、学校と社会をつなぐ役割を、地域のプロフェッショナル人材に任せるとよい。
○ 田舎で生活することを通じて、自分の将来を切り拓く力が身につけば、都会の荒波の中やグローバル社会を生き抜くこともできるとともに、地域のリーダーとして定住する可能性も高くなるだろう。そのようなモデルケースを具現できる日本で最初の高校を、地域と連携して創ってはどうか。
○ 三重県南部を江戸時代の一つの藩のように捉え、将来の人材を育てるための藩校を作るイメージで、地域の県立高校が一つの連合体をつくり、農業・漁業・林業をインターンシップで学ぶことができる仕組みをつくってはどうか。その場合、各地域にいくつかの分校を設置し、生徒たちが移動しながら学ぶという方法も考えられる。
○ 地域の子どもたちが、地域のリーダーや一次産業のプロとなるよう地域で徹底的に学ぶのであれば、1学級20~30人という規模もあり得るのではないか。今の時代に必要とされている人材を育成する教育環境を考えることが大切である。
○ 三重大学では、県全体を研究フィールドとするために、伊勢志摩地域と東紀州地域にサテライト校をつくる計画を進めている。地域の高校とも連携を進め、将来の地域のリーダーを育成する教育に役立てたい。
(協議会委員からの意見)
○ 県立高校である以上、ある地域だけ小規模教育を行うということは、簡単にはできないのではないか。
○ 高い教育水準など、魅力的な教育の場があれば、結果的に他地域から人を呼び込むことにつながると思う。
○ 鳥羽・志摩・度会地域の生徒や保護者は、進学や就職のために伊勢市内の高校への進学を希望しがちである。将来、地域で活躍する人材を育てるにあたっては、まず、そのような保護者の意識を改革することが必要ではないか。
○ 高校生に、地域で自立して生活している大人のモデルを見せることが大切であると感じた。地域全体の動きとして、そのような仕組みづくりができるとよい。
(2)伊勢志摩地域高等学校活性化にかかる保護者等への説明について
今後、協議を進めていくにあたり、中学校卒業者数の減少予測等、地域の高校を取り巻く状況を、保護者や学校関係者に説明し、広く意見を聞く取組として「伊勢志摩地域高等学校活性化を考える会」を市町ごとに開催することについて、事務局から説明し、意見交換を行いました。主な意見は次のとおりです。
○ 「なぜ地元の高校ではなく、伊勢市内の高校への進学を希望するのか」等、保護者の本音を聞いてみたい。
○ 各地域にある高校の校長が学校の魅力をアピールするなど、高校からのPRの場を設けると良いのではないか。
○ 本日の講演(三重大学西村訓弘副学長)のような話を、保護者にも聞いてもらうことが、考え方を変えるきっかけにもなるのではないか。
○ 今回の説明会は、この地域の高校を取り巻く状況をしっかり伝えるということがテーマなので、各高校のPRや地方創生にかかる講演会については、別の機会を設けて開催してはどうか。
○ 説明会で、子育てをしている若い保護者の意見を聞き取ることは大切である。
○ 既に開催した志摩市でのアンケート結果からは、この会を開催することにより、保護者がこの地域の高校活性化に関心を持つことができたことが伺える。地域の小規模な高校の良さを知ることができたことと合わせて、伊勢市内の高校への進学意識が高いことも分かった。
○ 各PTA連合会との事前の話し合いをしっかり行い、保護者が何を知りたいかというニーズをつかんだうえで、開催してほしい。各高校が地域と連携して取り組んでいる状況を、保護者にしっかり伝えてほしい。
○ 各高校の特色のある取組が簡潔にまとめられた資料を、開催時に配付すると良いのではないか。