1 日時 平成28年3月9日(水)
2 場所 県伊勢庁舎 401会議室(伊勢市勢田町628-2)
3 内容 (1)伊勢志摩地域の各県立高校の特色化・魅力化について
(2)伊勢志摩地域の県立高校の適正規模・適正配置について
≪主な意見≫
(1)伊勢志摩地域の各県立高校の特色化・魅力化について
「伊勢志摩地域高等学校活性化を考える会」(以下「考える会」という)におけるアンケート集計を踏まえて、地域と連携した活動、学習指導・進路指導の充実、学校のPRの推進等の観点から、協議しました。主な意見は次のとおりです。
○ 鳥羽市で開催された「考える会」では、鳥羽高校の生徒による観光プランコンテスト等の実践報告があり、参加者が学校に対して好印象を持つのを感じた。ニュースレターよりも、生徒が地域においてPRをする方が、学校の良さを伝えるうえで効果的である。
○ 鳥羽高校はこの2~3年間、地域と密着した活動をかなり行っているが、市民にはまだ十分に浸透していない。人口が減少する中、小中学校の保護者に、県立高校の将来のあり方について危機感を持ってもらうことが必要である。
○ 「考える会」の内容はすべての保護者が知るべきだと思うので、参加者が持ち帰り周りに伝えることが必要である。また、保護者の意識を高めるためにも、伊勢志摩地域の高等学校の合同説明会(進学フェスタ)を実施できるよう進めていきたい。
○ 当地域においては伊勢市外の県立高校は欠員が多いなど厳しい状況にあるため、活性化の取組を進めているが、伊勢市内の県立高校についても、活性化を含めた今後のあり方について今から考えていかなければ手遅れになる。
○ 小学生の中には、地元の高校に対して保護者が持っているマイナスイメージを引き継いでいる場合もあるので、これらを払しょくするためにも、水産高校の「スイコーキッズ」のように高校生が直接地域に発信する取組が有効である。
(2)伊勢志摩地域の県立高校の適正規模・適正配置について
これまで協議会にあった「小規模になっても、各地域に高校を残すべきである」と「高校には一定の規模が必要である」の2つの意見それぞれに対して、「考える会」における参加者アンケートの結果を参考に協議しました。主な意見は次のとおりです。
○ 個人的には両方の意見に納得できるので、生徒や保護者がそれぞれの意見について十分に考えることが望ましい。
○ 伊勢志摩地域全体の将来像を見据えて高校の活性化を協議することが重要である。既成概念にとらわれず、多様な視点から協議を続けていかなければならない。
○ 私立高校への進学者が多くなっていることが、県立高校の欠員の原因となっている。私立高校の入試を見据えて県立高校の入試制度の改善が必要である。
○ 伊勢志摩地域には一次産業や観光業で全国的にトップレベルになれる要素があるので、地域の小規模校がこれらの産業と結びつき、特色化を図れば、地域にとってなくてはならない高校となり存続する意義はある。同様の視点で、三重大学の協力も得ながら、新たな専門学科の設置も検討してはどうか。
○ 伊勢市以外の小規模校の多くは普通科の高校であるため、伊勢市内の高校と比較して特色は出しにくい。特色を出しやすい学科への改編を検討してもよいのではないか。
○ 自然減による統廃合をただ待つのではなく、1学級あたりの定員数を減ずるとか、スクールバスの配備を伴った校舎制を実施するなど、県教委から各地域の高校の活性化策について具体的な案を出してもらい、できるだけ早く具体的な協議を行いたい。
○ 離島の高校生にとって、鳥羽高校は部活動をしながら通学が可能な唯一の学校なので、教育の機会均等という観点から存続を望む。
○ 「高校には一定の規模が必要である」というのが高校教員の一般的な考えである。規模がある方が高校は元気である。高校生は様々な人と触れ合い、切磋琢磨することで成長する。学校規模が小さくなると、部活動や学校行事等、学校の中での選択肢が減るので、スケールメリットが低下する。
○ 人口が減少する中で、大きく欠員がある学校をすべて存続させることは県民のニーズに応えることにならないし、現実的ではない。地域の小規模校については、統合によりある程度の規模を保ったうえで、地域と密着した特色ある教育を行う高校としてはどうか。高校生であれば必ずしも通学する必要はないので、伊勢市内の県立高校に通うための共同の寮を作れば、多くのニーズに応えることができるのではないか。
○ 伊勢市以外の各高校は特色化に10年余り取り組んでいるが、地元からの進学率が10~20%と低くなっていることは、それらの高校に対する現実的なニーズであり評価であると考える。小規模校の存続を目的とした活性化を考えるのであれば、平成33年度まで5年間の工程を作成し、地元からの進学率を最低30~40%に引き上げるなどの数値目標を設定して取り組まなければならない。各高校の評価を低くしている項目を整理するとともに、生徒を伸ばすためにはどう取り組めばよいかなどを考えるべきだ。