平成29年度第1回三重県教員育成協議会を開催しました。会議の概要は以下のとおりでした。
1 日時 平成29年8月3日(木)10時00分から12時00分まで
2 場所 三重県総合文化センター 生涯学習棟 4階 中研修室
3 出席者 三重県教員育成協議会 委員11人(欠席なし)
4 概要 本県の教員に求める人物像と身に付けるべき資質能力について
教員の成長段階の区分について
求められる資質能力を育成するための留意点について
【主な意見】
(本県の教員に求める人物像と身に付けるべき資質能力について)
・教員は、新たな教育課題に柔軟に対応することが求められるが、現場の教員の立場として、あれもこれもと求められると十分な余裕がなく、不安に感じる。
・新規採用の教員にとっては保護者対応が難しい部分もあるのではないか。保護者の不安や不満に耳を傾け、寄り添う資質が求められるのではないか。また、教員が一人で抱え込むのではなく、先輩や上司に相談して、解決に向かう等、学校が1つのチームとなって問題解決にあたる体制づくりが必要である。
・”教育は人なり”といわれるように、子どもたちにとって教師の資質は非常に大きな影響を持つものである。
いつの時代にも必要とされる、情熱、使命感、志、子どもを思いやれること、専門的知識を有し、更に実践的指導力を有することはもちろん、これからの教員には主体的課題解決能力、協働性、対人関係能力が求められる。
また、校長にはマネジメント能力が必要となるのではないか。
・部活動にも熱心で志をもった教員が多く、現在求めているような資質能力で十分だと考えるが、教育活動に熱心なあまり、教員自身の生活は大丈夫なのかと感じる。
・環境の変化、時代認識力においては、教員よりも民間の方が察知する力が強いと思うので、校外の方と協働し、連携していくことも必要である。
また、教員の満足度をあげていく仕組みづくりも必要なのではないか。
・求められる資質能力があまりに高いと、まじめな学生ほど教員になることをあきらめてしまう者も出てくるのではないか。
着任時に求められる資質能力を明確にしつつ、経験を重ねるにつれ、少しずつ身に付けていけばよいという指標であるべき。
・指標は、教員自らが到達目標をチェックできるような仕組みづくりも必要なのではないか。
また、自ら時間管理ができる人、子どもと向き合う中でワークライフバランスを実現できる人が求められるのではないか。
・教員着任時に最低限これだけはしっかり対応できるようにという内容を明確に示してもらいたい。
求める資質能力に関して、あれもこれも必要だと列挙するのではなく、いつの時代にも必要とされるもの、これからの教育課題に対応したもの、三重独自のものを極めてシンプルにわかりやすく示すべきではないか。
・「求める人物像」は普遍的なものもふまえており、十分だと考える。
現場の教員には組織として働く力が欠如している人もいる。
学生時代に何かに特化して取り組んだ「やりきる力」を持っている人は強い。
・求める教員像が採用時にすでに備えていなければならない姿なのか、教員の全てのステージに求められる姿なのかを明らかにする必要がある。求められているものをしっかりと受け止め判断できる素養も必要。
・対応力、交渉力はどのステージにも求められる力である。
(教員の成長段階の区分について)
・第1、第2ステージまでは5年毎としているが、第3、第4ステージになると10年もしくは20年の区切りとなっており、もう少しきめ細かく学ぶ場も必要なのではないか。
・教員のキャリアパスは様々で、管理職になる者もいれば、それを望まず教壇に立ち続けることを望む者もいる。全ての教員が自らの使命を意欲をもって全うできるような指標にしてほしい。学校現場の状況や地域の実情を反映した内容であるべき。
・ライフステージの区分が細かすぎるように感じる。
(求められる資質能力を育成するための留意点について)
・指標の内容をあまりに細かく決めすぎてしまうと、かえって使いづらいものになるのではないか。学校現場や状況に応じて検討していく必要がある。
・保護者との信頼関係が教育学部卒業後の学生にとっても、非常に重要との意見があるものの、学生時代にどういうトレーニングをしていけばそうした力が身に付くのかが課題である。養成段階で授業や研修の形で体験できたらと思うがカリキュラムとして取り入れるのが難しいため、学校現場とどのように連携していくべきかが課題である。