1 収支
歳入総額は6,726億円(前年度比159億円、2.3%減)、歳出総額は6,509億円(前年度比142億円、2.1%
減)と前年度を下回る規模となりました。歳入歳出差引は216億円の黒字、翌年度に繰越すべき事業の財
源を除いた実質収支も47億円の黒字となりましたが、年度間調整を行う基金の積立や取崩しを除く純単
年度の収支を示す実質単年度収支は、財政調整基金の取崩し等により28億円の赤字となりました。
2 歳入
地方税は2,761億円(前年度比312億円、12.7%増)で、製造業の収益増により法人関係税が増加しまし
た。内訳としましては、法人事業税が795億円(前年度比14億円、1.8%増)、法人県民税が155億円(前
年度比6億円、4.0%増)となっています。また、個人県民税が624億円(前年度比292億円、88.2%増)と
大幅増となっていますが、これは税源移譲や定率減税廃止によるものです。
地方交付税は、法人関係税等の増に伴い交付税の算出基礎となる基準財政収入額が増加したことから、
不足額が減少したことにより、1,242億円(前年度比125億円、9.1%減)となりました。また地方特例交
付金等が児童手当の制度拡充に伴う児童手当特例交付金や減税補てんのための特別交付金の交付により、
21億円(前年度比12億円、139.9%増)となっています。
繰入金は、県債の償還財源のための基金である県債管理基金からの繰入金が178億円(前年度比101億
円、130.1%増)となるなど、大幅に基金を取り崩したことなどにより270億円(前年度比88億円、48.3%
増)となっています。
国庫支出金は、公共事業の減少や大規模風水害の発生の減等により、709億円(前年度比114億円、
13.9%減)となっています。
地方債は、1,001億円(前年度比59億円、6.2%増)となりました。内訳としては、退職手当の財源とな
る退職手当債を初めて102億円発行したことや、減収補てん債を65億円発行したことによります。
3 歳出(性質別)
義務的経費は3,458億円(前年度比63億円、1.9%増)と昨年度に比べ増加しており、そのうち人件費は
退職者の増加に伴う退職手当の増等により2,406億円(前年度比64億円、2.7%増)となっています。
投資的経費は1,263億円(前年度比189億円、13.0%減)で、公共事業の減少や災害復旧事業の終了など
から大幅減となりました。また、普通建設事業費のうち補助事業費は502億円(前年度比123億円、19.7%
減)、単独事業費は418億円(前年度比49億円、10.4%減)となっています。
4 財政指標
財政構造の弾力性を表す経常収支比率は98.6%となり、前年度比4.0ポイント悪化し、財政の硬直化が
一段と進んでいる状況を表す結果となりました。主な要因は、歳入面で地方交付税の減少等により使途
自由な財源が一層圧迫を受けたことに加え、歳出面で社会保障関係県負担金などが増加したことによる
ものです。
また、公債費負担の大きさを表す実質公債費比率は12.6%となり、前年度とほぼ横ばいとなりました。