1 要旨
平成13年から行政代執行を実施している桑名市の不法投棄場所及びその周辺で、新たに環境基準に追加
された物質による地下水汚染が判明したことから、平成22年6月15日、廃棄物の処理及び清掃に関す
る法律(昭和45年法律第137号)第19条の5第1項に基づき、原因者に対し行政処分(措置命令)
を行いました。
2 被命令者
(1)三重県員弁郡東員町 株式会社七和工業(現在、事業活動なし)
(2)三重県員弁郡東員町 佐藤 敏之(代表取締役)
(3)三重県桑名市 伊藤 誓 (元従業員)
3 命令の内容
(1)地下水を汚染する廃棄物を撤去すること
(2)不法投棄場所周辺の汚染地下水が環境基準に適合するよう浄化すること
(3)上記(1)、(2)の措置が速やかに講じられない場合は、講じることができるまでの間、地下水
の揚水等の汚染拡散防止措置を行うこと
4 命令の理由
平成7~8年頃に行われた不法投棄に起因して不法投棄場所及びその周辺の地下水から環境基準を超過す
る1,4-ジオキサンが検出され、生活環境保全上の支障を生じるおそれがあると判断され廃棄物の処理及び
清掃に関する法律第19条の5第1項に該当するに至ったため。
なお、検出された1,4-ジオキサンの濃度の最大値は、不法投棄場所で環境基準の360倍、周辺の地下水
で54倍です。
5 期限
着手期限 平成22年9月14日
履行期限 平成27年9月14日
6 その他
平成21年11月30日、地下水及び公共用水域に係る環境基準に1,4-ジオキサンが追加されました。
1,4-ジオキサンは、合成用・反応用の溶剤や塩素系有機溶剤の安定剤として産業界で多量に使用されてお
り、発がん性が疑われる物質とされています。
1,4-ジオキサンによる地下水汚染は、不法投棄場所から北東約40m、南東約20mの範囲と推定されま
す。(環境基準超過地点については、添付ファイルのとおりです。)
なお、不法投棄場所に隣接する嘉例川への汚染地下水の浸出は確認されておらず、下流河川への影響は
ありません。
また、不法投棄発覚当時から周辺住民の方々に対し、地下水を利用しないようお願いしていますが、
1,4-ジオキサンによる地下水汚染の判明後、改めて利用の禁止を周知しています。
(廃棄物の処理及び清掃に関する法律 関係条文)
第十九条の五 産業廃棄物処理基準(特別管理産業廃棄物にあつては、特別管理産業廃棄物処理基準)に適合しない産業廃棄物の処分が行われた場合において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、都道府県知事(第十九条の三第三号に掲げる場合及び当該処分を行つた者が当該産業廃棄物を輸入した者である場合にあつては、環境大臣又は都道府県知事。次条及び第十九条の八において同じ。)は、必要な限度において、次に掲げる者(次条及び第十九条の八において「処分者等」という。)に対し、期限を定めて、その支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。