三重県は、伊勢志摩サミット開催にかかる地震・津波対策の一環として整備した「DONET(ドゥーネット)を活用した津波予測・伝達システム」の運用を、以下のとおり開始します。
1 運用開始日時 平成28年5月19日(木) 8時30分~
2 システムの主な機能
(1) DONET観測情報に基づく津波予測結果の表示
・ 熊野灘沖に敷設されているDONET1の観測点で、水圧の変化からシステムが津波を検知したと判断すると、鳥羽市鳥羽、志摩市賢島、志摩市和具、志摩市浜島及び南伊勢町五ヶ所浦の各地点における、最早津波到達時間、最高津波高、津波浸水予測等をシステムが即時に計算し、表示を行います。
・ 津波予測結果は、県庁防災対策部災害対策室内のモニターに表示され、これらの情報は、県の災害対策活動に活用されます。
(2) 伊勢志摩地域への緊急速報メールの配信
・ DONET1の観測点の2か所以上で、50cmを超える津波を検知したとシステムが判断した場合、伊勢志摩地域(伊勢市、鳥羽市、志摩市及び南伊勢町)内の携帯電話・スマートフォン等の通信端末に対し、沖合で津波を観測したこと及び高台等への避難の呼びかけを、緊急速報メールにて配信します。
・ 最初の緊急速報メールを送信した後、さらに、DONET1観測点の2か所以上で、50cmを超える津波が継続して観測されている場合には、津波の観測が継続していること及び高台等への避難の呼びかけを内容とする緊急速報メールを、1時間ごとに配信します。
3 緊急速報メールの内容
(1) 第1報
<標題>
津波(Tsunami)を観測
<メール本文>
三重県南部沖合で大きな津波を観測しました。至急高台など安全な場所に避難し、今後の情報に注意してください。津波警報などが発表されている間は海岸・河口付近へ近づかないでください。
A large tsunami has been detected. Evacuate immediately to high ground for safety.
<発信者>
(三重県/Mie Pref.)
(2) 続報
<標題>
津波Tsunamiの観測が継続
<メール本文>
三重県南部沖合で大きな津波の観測が継続しています。至急高台など安全な場所に避難し、今後の情報に注意してください。津波警報などが発表されている間は海岸・河口付近へ近づかないでください。
Large tsunamis continue to be detected. Evacuate immediately to high ground for safety.
<発信者>
(三重県/Mie Pref.)
4 参考
(1)「DONET(地震・津波観測監視システム)」の概要
DONET(Dense Oceanfloor Network system for Earthquakes and Tsunamis)は、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC;ジャムステック)が整備し、国立研究開発法人防災科学技術研究所(防災科研)が運用しているシステム。強震計、広帯域地震計、水晶水圧計などで構成された観測装置を海底に設置して、海溝型巨大地震等の海域で発生する地震を直上・直近で検知し、それらの観測情報をリアルタイムで確認することができます。
なお、熊野灘沖におけるDONET1の運用は、平成23年8月から行われています。
さらに、潮岬沖から室戸岬沖にかけて整備が進められてきたDONET2が完成し、平成28年度からその運用が開始されています。
(2)「DONETを活用した津波予測・伝達システム」の概要
DONETを活用した津波予測・伝達システムは、JAMSTECが開発しており、その主な機能は上記2に記載のとおりです。都道府県における本システムの運用は、平成27年11月から運用を開始した和歌山県に続き、2例目となります。また、DONETを活用した津波対策については、尾鷲市や中部電力株式会社でも取り組まれています。
三重県では、DONETの観測情報を伊勢志摩サミットの南海トラフ地震対策に活用するため、JAMSTECをはじめ、和歌山県、尾鷲市及び中部電力株式会社の協力のもと、本システムの整備を行いました。
今後は、JAMSTEC及び防災科研の協力を得ながら、本システムの運用を図ることとしています。