三重県埋蔵文化財センターでは、新宮紀宝道路建設事業に伴い、平成30年度から、南牟婁郡紀宝町鵜殿(うどの)にある鵜殿西遺跡の発掘調査を行っています。これまでの調査で、鎌倉時代から室町時代の居館と考えられる建物や溝の跡を確認しました。この成果を皆様に知っていただくために、下記のとおり現地説明会を開催いたします。
記
1 日時 令和元年11月30日(土曜) 14時から15時まで
2 場所 鵜殿西遺跡発掘調査現場(南牟婁郡紀宝町鵜殿)
(車でお越しの場合)
熊野尾鷲道路熊野大泊ICから国道42号線を南下し、県道35号線へ左折、「馬屋」信号の手前10
mを右折し、突き当りに駐車場があります。発掘調査区は駐車場から南に50mのところにありま
す。案内係が立っていますので、その指示に従ってください。駐車場は13時より開場します。
津ICおよび伊勢ICからの所要時間は約2時間、熊野大泊ICからは約30分です。
(公共交通機関を利用の場合)
JR紀勢本線「鵜殿駅」から出て右折し、県道沿いを新宮方面に歩き、「矢渕」信号で右折して北に
約150mです。駅からの所要時間は徒歩約20分です。
JR紀勢本線「新宮駅」から三重交通バス「(新町)南紀行」線で、「鵜殿」バス停で下車。バスで
の所要時間は約10分です。
3 説明者 三重県埋蔵文化財センター職員
4 参加方法 どなたでも参加できます。直接会場にお越し下さい(事前申込不要)。
5 概要
(1)鎌倉時代から室町時代にかけての有力者の居館を確認しました。
・居館は溝で囲まれており、内部に大型建物があります。
・大型建物は、南北10.7m、東西12.8mの規模になります。
・区画は、南北100m以上、東西50m以上あり、溝は幅約4m、深さ約1mの大きなものです。
・当地周辺には、鎌倉時代から室町時代の熊野速玉大社の荘園である「鵜殿荘」が置かれ、鵜殿氏が管
理していました。鵜殿西遺跡の西側丘陵上に鵜殿城跡があることからも、この居館は鵜殿氏に関連す
る人物のものと考えられます。
(2)日本各地で生産された陶器などが出土しました。
・鎌倉時代から室町時代に、現在の愛知県や兵庫県中部、岡山県で生産された陶器の他、長崎県産の石
鍋など、日本各地の製品が出土しました。これらは海上交通により、交易として当地にもたらされた
もので、鵜殿西遺跡は中世都市「新宮」の一部であったと考えられます。
6 当日の説明内容
当日は、発掘調査中の1,335㎡を現地公開します。また、調査で出土した遺物を展示します。なお、調
査の都合により、区画の溝や大型建物跡を見ることはできません。
7 その他
(1)小雨決行。ただし、激しい降雨の場合は中止します。
当日の午前9時00分時点で紀宝町に特別警報・警報(大雨・暴風・波浪)が発表されている場合も中
止します。
(2)連絡先
(前日まで 8時30分から17時15分)0597-89-5570 三重県埋蔵文化財センター 調査研究2課
(当 日 8時30分から )080-3675-2392 公用携帯