公開考古学講座(第2回)を開催しました
6月23日(土曜日)、公開考古学講座「三重を掘る」(第2回)を開催しました。当日は、梅雨中休みの比較的涼しく過ごしやすい日でしたが、定員を上回る75名の方々に来ていただきました。
今回は、埋蔵文化財センター職員の田村陽一(たむらよういち)が、「伊勢湾西岸貝塚事情~縄文貝塚不在のナゾを追って~」という演題で講座を務めました。
伊勢湾沿岸は東京湾や仙台湾などとともに、全国有数の縄文時代貝塚が集中する地域で、現在100ヶ所あまりの縄文貝塚の所在が知られていますが、そのほとんどが三河湾沿岸など愛知県側に偏在し、三重県側には全くといっていいほど見られない状況にあります。今回の講座では、縄文貝塚の立地環境や集落との関係、あるいは気候や地殻の変動による伊勢湾沿岸の地形変化などを手がかりに、三重県側の伊勢湾西岸地域が縄文貝塚の空白地帯となっているナゾについて迫りました。
参加者の皆さんからの質問も多数あり、講座終了後にも講師に質問を行う参加者の方が何人もおられました。中には縄文貝塚のあり方やその研究成果から、現在の地形や気候変動などについて考えるヒントを得ようとするような質問もあり、県民の皆さんの関心の高さがうかがえました。
定員を上回る方々の参加がありました |
皆さん熱心に耳をかたむけておられました |