県が担う領域の判断基準


行政が担う領域の判断



(1)新しい時代の公と県民と行政の役割分担(参考図1参照)

「県民しあわせプラン」においては「新しい時代の公」の考え方について、地域主権の社会を実現するためには、「公共領域(公共性又は公益性のある活動領域)」を行政だけに任せるのではなく県民一人ひとり、NPO、地域の団体などの県民(以下「県民等」という。)と行政がともに「公共領域」を担うことが必要としています。

そこで、「新しい時代の公」の考え方に基づいた県民等と行政の役割分担のあり方について、県民等多様な主体の特性を生かして取り組むことができないかを判断する必要があります。ただし、この役割分担は固定的であるとは限らず、時代の流れ、社会的な要請、地域の状況などにより変化するものであり、最も適当な手法を用いて事業等を展開することが必要です。

参考図1:「県民しあわせプラン」における「公」の領域の考え方

(2)行政が担う(税を投入する)領域の判断(参考図2参照)

行政が担う領域の判断基準については、平成9年度に行政システム改革における事務事業の見直しの際に「公的関与・県の関与の判断基準」として下記の(1)〜(5)の基準を設定し、簡素・効率的な行政を進めるための判断基準として有効に活用されたところです。(参考資料「公共関与・県の関与の判断基準〜平成9年度業務見直しテストの判断基準〜」参照)

しかし、公共領域は、時代的・社会的に変化し、公の活動に県民等、行政以外の多様な主体の参画は既にはじまっており、また、一方では、かつては行政の関与が行われなかった領域における関与の必要性が生じていることから、それに伴い、行政が担う(税を投入する)領域にも変化が生じてきています。

このことから、行政が担う(税を投入する)領域については、原則次の(1)〜(5)のいずれかに該当し、行政以外の多様な主体の参画について検討(「新しい時代の公」推進方針 第V編 V―3(1)「公の役割分担を考えるポイント」を参照)した上で税の投入が妥当と考えられるものを行政が担う領域と判断します。

(1)公共財、(2)外部(不)経済、(3)独占性、(4)市場の不完全性、(5)ナショナル(シビル)ミニマム

参考図2:時代に応じた「行政が担う領域」の変化(イメージ)

県が担う領域の判断



対象となる事務事業を県が担う領域かどうかを判断します。

行政が担う領域の中で、県と市町の役割分担については「補完性の原理」に照らし、まず、近接性、応答性により、必要に応じて広域性、専門性により、市町と十分協議しながら判断し、県が担う領域は次の@〜Cのいずれかに該当する場合になります。

(1)個別の法律等で県の責務とされている事務事業

(2)広域にわたる事務事業

(3)近接性、応答性などの判断から市町が担うべき分野であっても、先導的・過渡的な事務事業に対する支援事業、専門性・効率性の点から県が行うことが望ましい事務事業

(4)県の内部管理事務

(参考)

近接性:住民にとって身近な取組は、身近な自治体が行う。

応答性:住民へのサービスの提供は、迅速かつ的確に行うことができる自治体が行う。

広域性:取組の対象となるもの(者、物)及びその取組の効果(便益)に相応しい行政区分の自治体が行う。

専門性:専門性・技術性等を考え、効率的に処理できる自治体が行う。

参考



なお、県が担う領域における実施手法については、民間活力の導入によるサービスの向上と業務の効率化といった視点で、「外部委託に係るガイドライン」に基づく外部委託の推進や、公の施設の指定管理者制度の導入についても検討することが必要です。