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ひきこもり支援コラムNo.6 「本人が安心してこもれる関係づくり」~令和4年度第2回ひきこもり支援フォーラムより~

前回に引き続き、筑波大学の斎藤 環先生の講演の中で、特に印象に残ったお話をご紹介します。

(1)社会的ひきこもり(「ひきこもり」)の特徴

ひきこもりは、不登校との関連性が高く、どのような家庭のどのような子どもにも起こりうる。長期化とともに精神症状、あるいは家庭内暴力等の問題行動が起こりやすい。きっかけはさまざまだが、長期化のパターンは共通点が多い。
長期化に至った場合、自らの力だけで社会参加を果たすことは著しく困難である。
私が知っている中で自助努力のみで回復した例はたった3件。
共通点は、家族以外の第三者の支援があったこと。
高度な専門性は必要ないが、関わってくれる人(信頼できる人)の存在、どこから支援を得られるかが重要である。

(2)ひきこもり支援の基本姿勢

 ① 本人の欠点ではなく、本人の強みや良いところに注目すること
  このことにより、支援者も肩の力が抜けて、本人との関係性がつくりやすくなる。
 ②ひきこもりからの出口とは、自分自身の状態を肯定的に受け入れ、主体的にふるまえるようになること
  ゴールは就労や進学ではない。
 ③ゴール志向ではなく、プロセス志向をめざすこと
 「対話」を通じたよい関係づくりがよいプロセスである。ゴールを設定しない支援により、自然といい結果になる。

(3)家族の基本的な心構え

 「本人が安心してひきこもれる関係づくり」が重要である。そのためには、
 ・「北風より太陽」厳しさよりも温かい接し方を。
 ・「覚悟と根気」。信じて待つ。
 ・まず両親が一致団結する。
 ・「怠け」「甘え」「わがまま」などは禁句。
 ・愛情(共依存)よりも、一定の距離をもった親切が大事。
 ・受容の枠組みを設定(おこづかいは一定額に。暴力は徹底拒否)。

(4)「対話」の大切さ

議論、説得、尋問、叱咤激励、アドバイスは「対話」ではなく、「独り言」である。独り言の積み重ねが、しばしば事態をこじらせることになる。
対話の目的は「対話を続けること」。大事な話はせずに、たわいないおしゃべりが理想的。日頃から対話ができない場合は、まずは挨拶から始める。「挨拶・誘い・お願い・相談」の順。あなたと話がしたいという気持ちを相手に伝えることが大事。
  
「一人で、家族だけで抱え込まないで!」
 
まずは、身近な相談窓口または三重県ひきこもり地域支援センター(三重県こころの健康センター)まで、ご相談ください。
 
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※「こころのケアガイドブック」-「Ⅲ 専門相談編」-「1 ひきこもり専門相談」(三重県こころの健康センター作成)
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