三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成29年度 委員会会議録 > 平成29年10月10日 教育警察常任委員会・予算決算常任委員会分科会 会議録
教育警察常任委員会
予算決算常任委員会教育警察分科会
会議録
(開会中)
開催年月日 平成29年10月10日(火曜日) 午前10時1分~午後2時9分
会議室 502委員会室
出席委員 8名
委員長 藤根 正典
副委員長 木津 直樹
委員 吉川 新
委員 服部 富男
委員 今井 智広
委員 前田 剛志
委員 中村 進一
委員 中森 博文
欠席委員 なし
出席説明員
[教育委員会]
教育長 廣田 恵子
副教育長 木平 芳定
次長兼総括市町教育支援・人権監(教職員担当) 浅井 雅之
次長(学校教育担当) 宮路 正弘
次長(育成支援・社会教育担当) 辻 善典
次長(研修担当) 山田 正廣
教育総務課長 長﨑 敬之
教育政策課長 辻 成尚
教育財務課長 藤森 正也
学校経理・施設課長 田中 彰二
教職員課長 小見山 幸弘
福利・給与課長 谷岡 德夫
高校教育課長 德田 嘉美
小中学校教育課長 野口 宏志
学力向上推進プロジェクトチーム担当課長 吉村 元宏
特別支援教育課長 森井 博之
生徒指導課長 山口 香
人権教育課長 赤塚 久生
保健体育課長 野垣内 靖
全国高校総体推進課長 三宅 恒之
社会教育・文化財保護課長 山本 寛二
研修企画・支援課長 上村 由美
研修推進課長 小松 貞則
学校防災推進監 三谷 真理子
特別支援学校整備推進監 井上 珠美
子ども安全対策監 小林 宏行
人権教育監 宇仁田 元
その他関係職員
委員会書記
議事課 主幹 川北 裕美
企画法務課 課長補佐兼班長 山田 かずよ
傍聴議員 1名
山本 里香
県政記者 1名
傍聴者 3名
議題及び協議事項
第1 分科会(教育委員会関係)
1 所管事項の調査
(1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告について
第2 常任委員会(教育委員会関係)
1 議案の審査
(1)議案第129号「損害賠償の額の決定及び和解について」
2 請願の審査
(1)請願第36号「義務教育費国庫負担制度の存続と更なる充実を求めることについて」
(2)請願第37号「教職員定数改善計画の策定・実施と教育予算拡充を求めることについて」
(3)請願第38号「子どもの貧困対策の推進と就学・修学支援に関わる制度の拡充を求めることについて」
(4)請願第39号「防災対策の充実を求めることについて」
(5)請願第40号「小学校1年生から段階的に25人下限条件をなくし、真の30人学級実現を求めることについて」
3 所管事項の調査
(1)「『平成29年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)
(2)県立高等学校の活性化について
(3)学力向上の取組について
(4)県外からの県立高等学校への入学志願の検討状況について
(5)三重県いじめ防止条例(仮称)について
(6)三重県部活動ガイドラインの策定について
(7)平成30年度全国高等学校総合体育大会300日前イベントについて
(8)指定管理者が行う公の施設の管理状況報告(平成28年度分)
(9)指定管理者選定の進捗状況について
(10)審議会等の審議状況について
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
第1 分科会(教育委員会関係)
1 所管事項の調査
(1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告について
ア 当局から資料に基づき説明(木平副教育長)
イ 質問 なし
2 委員間討議
(1)執行部に処理経過の報告を求める事項 なし
第2 常任委員会(教育委員会関係)
1 議案の審査
(1)議案第129号「損害賠償の額の決定及び和解について」
ア 当局から資料に基づき補充説明(廣田教育長)
イ 質疑 なし
ウ 委員間討議 なし
エ 討論 なし
オ 採決 議案第129号 挙手(全員) 可決
2 請願の審査
(1)請願第36号「義務教育費国庫負担制度の存続と更なる充実を求めることについて」
ア 当局意見陳述(廣田教育長)
イ 質問
○藤根委員長 それでは、御質問があればお願いします。
○服部委員 ちょっと質問させていただきたいと思います。
教育長から、県のほうもしっかりとこれを求めていくというお話だったんですが、今、教職員の給与等は3分の1という国庫負担金がございます。実際に教職員の給与は、人事委員会勧告により定められ、職員の数は、義務教育標準法もあります。実際に今ここの請願の中にうたわれている教材費、図書費とかそういったもの、これは市町が準備して、図書コーナーに教材とかそういうものを入れようじゃないかと。だからこれ、かなり2015年度の小学校においても格差が生じているというようなあらわし方をされておるような請願のような気がします。実際に、これは市町の問題の数字をここに入れてもらっているわけです。これ、図書教材のことに触れていますけれども、こういった問題というものは、県の担当する部署ではないように思うんですが、いかがですか。
○野口課長 委員の御指摘のとおり、学校図書館に関しましては、必要な図書を買う経費などは、各市町がそれぞれ用意をすると。それに必要な経費は財政措置がされているというような状況がございまして、実際、三重県の場合ですと、学校図書標準というものがございまして、それぞれ、これくらいの規模の学校であれば、これくらいの図書を用意してほしいというものがございますけれども、その標準を満たしている学校が、三重県の場合は、小学校で57.2%、中学校で35.9%。これは平成27年度実績で若干古いんですが、そういう状況がございます。県としましては、学校図書館ということで学校がかかわりますので、小学校、中学校に関しては、小中学校教育課が担当させていただいております。その学校図書については、今の新しい学習指導要領の中でも、ある程度図書館を使ったり、本を使った調べものとか、そういったものの重要性も指摘されておりますので、これにつきましては国からも通知が来ておりまして、地方財政措置に基づく計画が今年度から立てられているので、しっかりとそれに基づいて措置してくださいというような通知も来ておりますので、県のほうからも、各市町に対してそういった通知を流させていただいて、しっかり図書館の図書を整備していただくようにというお願いはさせていただいているところでございます。
○服部委員 図書のお話は、確かに、各市町から上がってくる、教育委員会から上がってくる教材について、当然そうすると、県が一般財源で支払いをするというようなあれですか。3分の1の交付金をするとか、助成金をするとかいうような答弁ですか。
○野口課長 県として、そういった助成金とか補助金のようなものはなくて、それぞれ市町で用意していただくという形になっております。
○服部委員 この今の請願の国庫負担制度の存続、充実、これはもちろん、高等学校は一般財源からの形ですよね、義務教育じゃありませんので。その辺のところは、高等学校の給料というのは低いんですか、高いんですか。こんなことを聞いて悪いんですが、全国から比べると。えらい失礼な質問かわかりませんが。
○谷岡課長 全国的に見て標準だと思います。そんなに低いとか、そういうことはないかと思います。
○服部委員 大体そういうふうなお話だと思います。これはデータがないのでわからないんですが、全国の一般財源から高等学校の職員に対する報酬、これも多分データで出ていると思いますけれども、三重県がどのぐらいの位置にあるのか、これは全国のこともありますので、その辺のところは論点じゃないので、お話はしませんけれども。こういった三位一体改革でやっていこうと。それは確かに、県としても推進していこうというようなこの請願の内容でもございますけれども、その中の文言が、やっぱり図書コーナーの図書費の問題がこの請願の中にうたってありますものですから、その辺のところは、義務教育国庫負担の存続とさらなる充実を求めるというものの中の、ちょっと若干、図書財源、一般財源のほうにまで入り込んできているという請願になっているんじゃないかというように理解をしているんですが、だから、これは一般財源、各市町が当然支払いをして、充実させるのは市町の問題ですので、そこを三重県がこの請願の中に入れていく、これはちょっといかがなものかなというふうに私は思いまして、ちょっと質問させていただきました。
以上で終わります。
○藤根委員長 ほかにございますか。
○中森委員 義務教育国庫負担制度でございまして、補助金ではない制度というのは認識しておりまして、過去ずっと安定した負担制度が堅持されているというふうに理解しているところでございます。最近、県当局のほうから、何か負担制度の見直しとか、そういうような危惧されることが現状あるかどうか確認したいんですけれども。
○廣田教育長 特に、とりたてた事項でこういうことが懸念されるというようなことはないんですけれども、やっぱり財政的に厳しいということもございますし、やっぱり義務教育というのは、中学校までは、国でやっていただければ、それは一番いいことかなということで、義務教育に必要な財源は、国の責務として完全に措置をお願いしたいということで、毎年度春に要望を上げているというような状況でございます。とりたてて何かがということではございません。
○中森委員 ありがとうございます。
法律そのものが一般的な補助金制度と違いまして、国庫負担という責任を持った国の方針を位置づけた法律になっておりますので、簡単に変えることは普通はないということで、引き続き安定した負担金制度が継続されるということで我々は理解しているということで、わかりました。
○藤根委員長 ほかにございますか。よろしいですか。
〔「なし」の声あり〕
ウ 委員間討議 なし
エ 討論
○藤根委員長 次に、改めて、討論として本請願に対する賛否の意向表明があればお願いします。
○服部委員 この請願の内容、これをずっと見させていただきますと、やはり国庫負担の対象外になっている図書教材とか、そういったものの一般財源を国に求める、これを国庫負担金から当然出していけというような請願でございますので、今も教育長とか執行部の方からお話しいただきました。これは当然、市町で考えていっていただくという状況の中で、この請願というものは私は文言として削除すべきじゃないかというふうに考えておりますので、反対をさせていただきたいと思います。
○藤根委員長 ほかに討論はありませんか。
〔「なし」の声あり〕
○藤根委員長 討論なしと認め、討論を終結します。
オ 採決 請願第36号 挙手(多数) 採択
カ 請願第36号「義務教育費国庫負担制度の存続と更なる充実を求めることについて」に係る
意見書案について
(ア) 意見書案の取り扱い及び審査について
○藤根委員長 ただいま採択すべきものと決しました請願第36号に係る意見書案について、取り扱いはいかがいたしましょうか。
(「正副一任」の声あり)
○藤根委員長 正副委員長に一任の声をいただきましたので、私から意見書の素案をお示ししたいと存じます。
(書記配付・朗読)
○藤根委員長 この意見書案につきましては、委員会提出の議案としまして、委員長名をもって提出いたしたいと存じますので、御検討願います。
御意見があればお願いします。
○中森委員 一言言わせてもらいますと、繰り返しになるんですけれども、国庫負担金という基本的根幹になるものについては、今まで堅持されていることから、あえてこの中に、図書費などの一般財源を国庫負担にするというのは、地域の教育に関する裁量権、自由度について、逆に制限してしまうおそれがあると。もっともっと違う方面で、一般財源に対する補助制度を要望するならばいいんですけれども、国庫負担金の中にこれを入れてしまうことこそ、固定的な教育内容をやってしまうということは、地域の教育の実情に合った裁量権まで制限してしまうのではないかということがちょっと懸念されますので、内容についても賛同はしかねます。
○藤根委員長 ほかに御意見ございますか。
まあ、文言というよりは中身にという御発言でしたので、そのように理解させていただきます。
ほか、よろしいですか。
〔「なし」の声あり〕
(イ) 採決
「義務教育費国庫負担制度の存続と更なる充実を求めることについての意見書案」を会議規
則第11条第2項により委員長名をもって提出することについて
挙手(多数) 可決
(2)請願第37号「教職員定数改善計画の策定・実施と教育予算拡充を求めることについて」
ア 当局意見陳述(廣田教育長)
イ 質問 なし
ウ 委員間討議 なし
エ 討論
○藤根委員長 次に、改めて討論として本請願に対する賛否の意向表明があればお願いします。
○服部委員 反対をさせていただきます。考え方もお話しさせていただいてよろしいでしょうか。
○藤根委員長 はい。
○服部委員 実際に、世界で確認をしたとしても、今、日本の学校の先生は、ヨーロッパとかアメリカとか、いろんな国の学校の先生たちの時間帯をいろんなインターネットとか、そういうもので調べました。やはりそんなに差はなくて、海外のほうもかなり子どもと接する時間は長いというお話も聞かせていただいています。
ですが、やはりいろんな、学童、それからクラブ活動だとか、中学校の先生方は、クラブ活動だとか、小学校の先生にしても、やっぱりクラブとかそういったところで出ていかれるときが非常に多いということもありますし、先生方の対応する時間帯が非常に制限されている。何かいじめとか、不登校とかそういうものがあれば、先生もそこに行かなければいけないし、そういった形で御家族とも対峙をしなければならない。そういう御苦労が非常に時間的に、授業とは別のところの時間が非常に多いのではないかなというふうに、私は心配をしています。
そんな中で、不登校の問題であったり、そしていじめの問題であったりという解決方法を、やはりほかの組織をしっかりと利用させていただいて、当事者の学校の先生が中に入って家族と話をしてしまうと、非常に個人的な感情が芽生えてしまう。そんな中で、やっぱりソーシャルワーカーのような形の、また別の形の方に入っていただいて解決をしていくという方法もいいんじゃないかと。そのために定数を増やすとか、私は外部の人たちが一生懸命にその中に入って、クラブ活動にしても何にしても、プロ的な先生にやっていただいたほうがいいように私は感じておりますので、今回ちょっと長くなりましたけれども、今の教職員の定数の問題の請願には反対をさせていただいて、理由としては、ほかの仕事が多すぎるということを私は感じておりますので、そういったところの手当てを早急に考えていくべきじゃないのかなと。クラブの問題、そしていじめ、不登校の問題、PTA等の関係の問題とか、そういうのも深くもう一度洗い直して考えていくべきだろうと。定数をどんどん増やせば解決するという問題ではなさそうに私は思いますので、今回の請願には反対をさせていただきたいと思います。
○藤根委員長 ほかに討論はありますか。
○中森委員 定数を増やすことそのものの問題と、教育内容であったり、先生方の仕事の内容が多いとか、勤務時間が多いとかいうことと、実態調査の内容と御一緒にさせていただいているということなんですけれども、子どもたちに必要な教育は、先生方の接する時間と、また場合によっては、心の問題であったり、スクールカウンセラーであったり、サポートする、支援する介助員であったり、多様なニーズが必要ではないかなと思うんです。要は、学校の先生に教育上の問題で、非常に絡みとなっている教育に専念していただける時間を確保するということと、それから子どもたちのニーズにマッチした必要な支援というのは一緒にはならないのではないのかなと。必ずしも、定数を増やすことによって全てが解決できるかのような内容となっているというこういう要望については、少し分けて考えるべきではないかなと。もちろん、義務教育における必要な定数の確保については、県のほうからも国のほうに平時から要請していると。地域の実情に合ったそれぞれの地域での必要な教員配置が確保されてきつつあると。場合によったら、県によってはその配分も、多様な地域事情に合った配分をしながら、少人数学級もさることながら、少人数教育へのシフトもしていただいているというふうに聞いております。そういうことから、多様なニーズに合ったバランスを考えるということと、単なる人数を増やしてほしいということで、これが解決できるということは、また別ではないかなというふうに思っております。
よって、この請願についての内容、理由等々から見て、議会として、ここまでの意見書を提出するには至らないのではないかなと、このように思います。
○藤根委員長 ほかにありますか。
○中村委員 今、お二方の委員の話を聞いていて、ますます私の場合は、一般の県民の皆さんも聞かれて、これだけ学校の先生をもっと増やさないかんのやないのかなと。それも一つやな、一つの課題だなというふうに思われる方が多いんじゃないかなというふうに私自身はちょっと思わせていただきました。
それから、今、不登校の話もありましたけれども、なかなか先生だけでは対応できない。もっとほかの方法も入れなければいけないというのも大事だというふうに思いますが、原点は、先生が直接、教師が子どもとの接触時間をどれくらい増やすかというところにあるかというふうに思います。
それとまた、少人数学級もしっかりと増やしていこうということになりますと、教職員の数については、やはり増やしていく、それが原点じゃないかなというふうに私自身は意見として言わせていただきます。
○藤根委員長 ほかに討論はありませんか。
〔「なし」の声あり〕
○藤根委員長 討論なしと認め、討論を終結します。
オ 採決 請願第37号 挙手(多数) 採択
カ 請願第37号「教職員定数改善計画の策定・実施と教育予算拡充を求めることについて」に
係る意見書案について
(ア) 意見書案の取り扱い及び審査について
○藤根委員長 ただいま採択すべきものと決しました請願第37号に係る意見書案について、取り扱いはいかがいたしましょうか。
(「正副一任」の声あり)
○藤根委員長 正副委員長に一任の声をいただきましたので、私から意見書の素案をお示ししたいと存じます。
(書記配付・朗読)
○藤根委員長 この意見書案につきましては、委員会提出の議案として、委員長名をもって提出したいと存じますので、御検討願います。
〔「なし」の声あり〕
(イ) 採決
「子どもたちの豊かな学びを保障するための教職員定数改善計画の策定・実施と教育予算の
拡充を求める意見書案」を会議規則第11条第2項により委員長名をもって提出することに
ついて
挙手(多数) 可決
(3)請願第38号「子どもの貧困対策の推進と就学・修学支援に関わる制度の拡充を求めることに
ついて」
ア 当局意見陳述(廣田教育長)
イ 質問 なし
ウ 委員間討議 なし
エ 討論 なし
オ 採決 請願第38号 挙手(全員) 採択
カ 請願第38号「子どもの貧困対策の推進と就学・修学支援に関わる制度の拡充を求めること
について」に係る意見書案について
(ア) 意見書案の取り扱い及び審査について
○藤根委員長 ただいま採択すべきものと決しました請願第38号に係る意見書案について、取り扱いはいかがいたしましょうか。
(「正副一任」の声あり)
○藤根委員長 正副委員長に一任の声をいただきましたので、私から意見書の素案をお示ししたいと存じます。
(書記配付・朗読)
○藤根委員長 この意見書案につきましては、委員会提出の議案として、委員長名をもって提出したいと存じますので、御検討願います。
御意見があればお願いします。
○中森委員 ありがとうございます。
内容は非常にいいんですけれども、ちょっと中ほどの「また、平成29年度から、高等教育段階での給付型奨学金が創設されたが、経済的に厳しい状況にある学生等の就学及び修学を支援する奨学金としては、十分であるとは言い難く」と、これは今年からスタートして、まだ結果が出ていないのに、いきなり十分であるとは言い難くというのは、ちょっと言い過ぎではないかなと。まあ、十分ではないかもわかりませんけれども、これから始まったので、さらなる拡充が求められていることはいいんだろうと思いますけれども、結果がこれでは不十分やと決めてしまうのは、平成29年度、今やっているわけですので、それはちょっと言い過ぎではないかなと思うので、気になるところでございます。もし再考いただければありがたいですけれども、皆様方がどうしてもあれやったら、まあまあというところはありますけれども、ちょっとだけ検討していただけたらと。表現を少し柔らかくしたほうがいいのではないかなと。
○藤根委員長 ただいま、中森委員から、中ほどの給付型奨学金にかかわって、「奨学金としては十分であるとは言い難く」といったようなところが、今年度から始まった事業であり、いかがなものかという御意見をいただきましたけれども、そのあたりはどのように対応させていただきましょうか。
○中村委員 実際、当事者じゃないとわからない部分もありますので、そういった現場に少し確認をとれるのであれば、そういう方法があれば。
○藤根委員長 ほかに。
○今井委員 中森委員が言われたことには賛成で、給付型奨学金制度が創設されたということがすごく前進したわけで、今年度始まって、さらなる拡充は、当然私どもも求めていっておりますので、そのことは重要ですが、「奨学金としては十分であるとは言い難く」というのは、今創設されたものに対して、ちょっと厳しい言い方ではないかと思うので、もう少しやんわりとしてもらったほうがいいかと思います。
○藤根委員長 ほかにございますか。
〔「なし」の声あり〕
○藤根委員長 それでは、今いただいた御意見を参考に考えさせていただきますと、「十分であるとは言い難く」というところの表現については、もう少し検討してもらったほうがいいんじゃないかというようなお話もいただいましたので、そこのことについて、正副のほうで、書記とも確認しながら進めさせていただくということで、御了承いただけますでしょうか。
〔「はい」の声あり〕
○藤根委員長 でも、これは採択せなあかんもんで。
○服部委員 正副に一任させていただいて、ということで採決をされたらどうでしょうか。
そういうことは例にないですか。
○藤根委員長 それはちょっと難しいかなというふうに思います。
そこの「十分であるとは言い難く」というところなんですが、御一任はいただいたんですけれども、この場で意見書案として決定をするという手続もございますので、この場でちょっとお諮りしたいというふうに思います。
「経済的に厳しい状況にある学生等の就学及び修学を支援する奨学金としては、更なる拡充が求められるところである」といったようなところに行くのか、少しまた別の文言を加えるのかというところになろうかなというふうに思いますが。
○今井委員 文章的に、「また、平成29年度から経済的に厳しい状況にある学生等の就学及び修学を支援する奨学金として、高等教育段階での給付型奨学金が創設されたが、今後のさらなる拡充も必要である」ということで、文章をちょっと上下を入れかえたらすっきり行くんじゃないかなと思うんですけれども。
○藤根委員長 今の今井委員の御提案を確認させていただきます。
「また、平成29年度から経済的に厳しい状況にある学生等の就学及び修学を支援する奨学金として、高等教育段階での給付型奨学金が創設されたが、今後もさらなる拡充が求められるところである」という文言ですが、よろしゅうございますか。
○中村委員 「さらなる拡充が求められる」というところをうまく生かしていただけるのであればいいんじゃないですか。
○藤根委員長 ほかによろしいですか。
〔「なし」の声あり〕
○藤根委員長 それでは、「また」以下の3行については、さきほど申し上げましたとおり文言の順番を入れ替えて「十分であるとは言い難く」を削除して意見書を作成するということにさせていただきます。
(イ) 採決
「子どもの貧困対策の推進と就学及び修学支援に関する制度の拡充を求める意見書案」を会
議規則第11条第2項により委員長名をもって提出することについて
挙手(全員) 可決
○藤根委員長 ただいま採択した請願第38号は、執行部に係るものもありますので、この請願第38号を執行機関に送付し、その処理の経過と結果の報告を請求いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
○藤根委員長 では、御異議なしと認め、そのように決定いたしました。
なお、この請願第38号の趣旨は、平成28年9月定例月会議において採択された請願第26号「子どもの貧困対策の推進と就学・修学支援に関わる制度の拡充を求めることについて」と趣旨が同一であると認められるため、同様の処理の経過と結果の報告を求めることとなります。
今後は先ほど採択しました請願第38号の処理の経過と結果の報告を請求することにより、平成28年の請願第26号に関する処理の経過と結果の報告は不要といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
○藤根委員長 御異議なしと認めそのように決定いたしました。
(4)請願第39号「防災対策の充実を求めることについて」
ア 当局意見陳述(廣田教育長)
イ 質問 なし
ウ 委員間討議 なし
エ 討論 なし
オ 採決 請願第39号 挙手(全員) 採択
カ 請願第39号「防災対策の充実を求めることについて」に係る意見書案について
(ア) 意見書案の取り扱い及び審査について
○藤根委員長 ただいま採択すべきものと決しました請願第39号に係る意見書案について、取り扱いはいかがいたしましょうか。
(「正副一任」の声あり)
○藤根委員長 正副委員長に一任の声をいただきましたので、私から意見書の素案をお示ししたいと存じます。
(書記配付・朗読)
(イ) 採決
「学校における防災対策の充実を求める意見書案」を会議規則第11条第2項により委員長
名をもって提出することについて
挙手(全員) 可決
(5)請願第40号「小学校1年生から段階的に25人下限条件をなくし、真の30人学級実現を求め
ることについて」
ア 当局意見陳述(廣田教育長)
イ 質問
○藤根委員長 それでは、御質問があればお願いいたします。
○中村委員 今の説明だと、25人下限をなくしてしまうと、今柔軟に活用して、必要なところに少人数学級でやってきたところへの影響が出るということだったんです。だから、25人学級を進めるのも大事だけれども、今現在、三重県独自のやり方でやっているところが影響を受ける可能性があるということです。その前の意見書のときにも、教員数を増やさなあかんという意見書で、それにもいろいろな課題があるということでございましたので、ちょっとほかのところへ影響が出るというところの部分をもう少しわかりやすく聞かせていただくとありがたいです。
○浅井次長 まず、小学校1年生と2年生、あと中学校1年生もあるんですけれども、小学校1、2年生に関しましては、30人学級で下限25人ということで、そこに教員を配置できるようにと。あと中学1年生は35人学級なんですけれども、それ以外の学年の少人数学級を実施するため、あるいは少人数授業、習熟度別とか、チームティーチングという、教科によっては授業で分けて実施すると、そういうものに活用するための加配の定数というのが、少人数学級加配というのが全体でございまして、その全体で一致しています数の中から、今の御要望の下限をなくすということは、そこに定数を持っていかなくてはならないと。そうすると、ほかの学年で使っていた部分とか、少人数授業で使っていた部分での活用がしにくくなりますので、できればその学校とか学級の状況に応じて、より有効な活用をしていただきたいというふうに考えておりますので、今の下限の25人というのを残した形で、それぞれの学校に応じた使い方をしていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○中村委員 学校の独自性、それから実際に、ほかのところで必要な場合もあるとそういう理解ですね。
あと、国のほうもそういう考え方でやっておりますけれども、少人数学級を進めていただいておりますけれども、三重県とは少しずれも、三重県は三重県独自のやり方でやっているんですが、他県もやっぱりそれぞれ独自のやり方でやられているというふうに理解させてもらってよろしいですか。
○小見山課長 ちょっと直近の数字は持っていないんですけれども、平成26年度に一度調査を他府県がしたときの資料の中には、小学校1年生のところで、国の制度を超えて、三重県と同様に30人学級という形でやってみえる県が19府県あってという中で、その中でも3分の2以上の県が、やはり財源のこともありますので、何らかの下限であったり、いろんな制限をして、制度としてもっているというのを確認しております。
以上でございます。
○中村委員 それぞれの県によって、いろいろだというふうに思いますけれども、できましたら、また後ほどでいいんですが、他県の状況等ありましたら、資料をいただければというふうに思います。
○藤根委員長 ほかに御質問はございませんか。
○服部委員 ちょっと確認させていただきたいんですが、今、小学校1、2年生、30人学級、下限25人、いろいろと御苦労いただいて頑張っていただいているんですが、その中で、25人の下限を全校にというふうな請願なんですけれども、実際に今財源の問題等々いろいろあるだろうと。この請願の中で四日市市の、例えば2013年から下限なしの30人学級を実施しておると。これ小学校1年生、中学校1年生。これもう今現在、三重県でもしている状況の話ですわね、これ。ですから、保護者、教師、いろいろ喜ばれている。これは確かに喜んでみえるでしょう。だけれども、それによって、この下限をつくることによって、今小学校1、2年生の人が、非常に安心してやられると。その中で、中学校にしても小学校にしても、いじめ問題だとか不登校問題が増えてきたとか、減ってきたとかいうのであれば、実際どうですか。小学校1年生の中の不登校の子っていますか。ちょっと確認できますか。小学校1、2年では、ちょっと統計はとれていないですか。
○宮路次長 学年別のデータは持ち合わせておりません。小学校なら何人とか、中学校は何人ということはわかるんですが、小学校1年生、2年生としては手元にありません。
○服部委員 非常に難しい統計のとり方だと思うんですが、実際に下限を25人というふうに使ってしまうと、非常に財源不足に陥ってしまう、これは大変な状況になりますし、今の先生たちも負担が非常に大きくなるということもあります。それこそ残業が80時間以上、100時間とかいうふうな形になる可能性もありますので、ちょっと難しい状況かなと。学校の先生の問題も考えると、難しいかなと思います。
○藤根委員長 ほかに御質問はございませんか。
よろしいですか。
〔「なし」の声あり〕
ウ 委員間討議 なし
エ 討論
○藤根委員長 次に、改めて、討論として本請願に対する賛否の意向表明があればお願いします。
○中森委員 内容についてはわかるところもあるんですけれども、35人学級における下限条件を外すことによって、このまま行きますと、非常に財政的負担を強いられるということと、現在行われている三重県内のそれぞれの地域の実情に合った先生方の加配の区分によって、学校によって、またそれぞれの主張によって、必要な少人数学級というよりも、少人数教育に重点を置いた教育もされているというふうに伺っております。
よって、このままの請願については反対せざるを得ないということでございます。
○藤根委員長 ほかにありませんか。
○中村委員 趣旨は賛成なんですけれども、ただ現状と、今のまますることによって、例えば突然いじめとか障がい児の方がたくさんお見えになったりとか、いろんなことが起こったときとか、あるいは学校の方針で少人数をやろうとしたときに、どうしてもやりたいと、そんなときに、限られた人数の中でやるということと、そういった各学校の独自性といいますか、それも柔軟にやっていくとか、そういったことに影響が出るのかどうなのか、そういった部分。先ほどは出るというような話も出ていましたので、少しその辺も吟味をする必要があるというふうに思いますので、そのままこれに賛成というわけにはいかないと、そのように思います。
○藤根委員長 ほかに討論はございませんか。
〔「なし」の声あり〕
○藤根委員長 討論なしと認め、討論を終結します。
オ 採決 請願第40号 挙手(なし) 不採択
3 所管事項の調査
(1)「『平成29年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について
(関係分)
(2)県立高等学校の活性化について
ア 当局から資料に基づき説明(宮路次長、木平副教育長)
イ 質問
○藤根委員長 それでは、御意見等がありましたらお願いします。
○今井委員 成果レポートのほうでちょっと教えてもらいたいんですけれども、全国学力・学習状況調査の結果公表のところの御回答の中に、家庭、地域住民に情報共有し、学校、家庭、地域が一体となった取組につなげるようということで書いてもらってあるんですけれども、地域住民にも学力・学習状況、その地域にある学校の状況を地域の住民といいますか、住民代表といいますか、その方々とも情報共有されるということで理解していいんですか。結果が伝えられるということでよろしいんでしょうか。
○吉村課長 全国学力・学習状況調査の結果の公表につきましては、県全体でも行いますし、市町単位でも行います。そして、さらに学校ごとでも公表を行っていくということで、それぞれ市町ごと、あるいは学校ごとの情報も地域と共有できるものというふうに考えております。
○今井委員 それでは、なぜ、学校ごとになりますけれども、上のほうで書いてもらっている様々な分析、把握してもらったこと、今後の課題、解決にどういったことが必要かということも、地域住民の方と共有をしてもらえると。結果の共有だけではなくて、今後の取組もしっかり共有をしてもらえる、そういった場をお持ちいただけるということでいいんですね。
○吉村課長 公表内容としまして、教科に関する調査だけではなくて、質問紙調査等の結果も含め、今後の方策を盛り込んだ形で公表するよう、市町、あるいは学校のほうに求めているところでございます。
○今井委員 わかりました。
学校と家庭と、そして地域ということで一体となって、学力向上だけではないんですけれども、その学校の運営について、より子どもたちのためになるということについては、地域の御協力、先ほども服部委員のほうから外部の人の御協力の重要性も言ってもらいましたけれども、本当に大事だと思いますので、この辺、各市町の教育委員会に、県の教育委員会から働きかけていただいて、その先がしっかりできているかどうかということが非常に重要になってくると思いますので、そのあたりのところも、市町教育委員会としっかり、どのような動きをしておるのか、そこの調査も今後しっかり行っていってもらいたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
○藤根委員長 ほかにございますか。
○中村委員 子どもの自殺だとか、あるいはいじめだとか、そういったものが発生するので、大体そういう状況を新聞なんかで記事を見ますと、全くわからなかったとか、傾向がわからなかったとか、子どもたちの心の中というのは、なかなかそこへ入り込むというのは難しいです。学校では限界があるということもあって、前回もそういったチャイルドラインとか、外で協力していただいているところなんかの活用ということをお話しさせてもらいました。これで、メールを活用したりとか、いろいろ相談方法というのが挙がっておりますけれども、やっぱり学校側も教育委員会側も、そういった外の相談態勢というものを子どもたちに、何らかの形でPRをしていただくことが大事かなというふうに思ったのと、それから、特定しないとなかなか対策にいけないというふうに思うんですけれども、そういった部分をどのようにしていくのか。どこどこの学校のどういう子が心に悩みをお持ちとか、そういった状況もしっかりと把握をしていただきたいと思いますし、それから個別が難しいとしても、全体的に、子どもたちがこういう病んでいる状況が進んでいるとか、そういったものをしっかりとつかんでいただきたいというふうに思います。そこまでいかないと、なかなか対応ができない。今までと同じように、意外だったとか、まさかとか、そういう状況になってしまうと思うんです。
今、申し上げましたのはほとんど要望ですけれども、ちょっと御意見がございましたら、教えてください。
○宮路次長 今、御指摘いただきましたように、本当に学校で気づいていない、保護者も時によっては気づいていないということがございます。そういった相談のあり方については、本当に今後、どういう形にしたら子どもらが相談がしやすいのかということは、十分考えていかないかんということで今検討しているところでございます。
それから、外部でそういう相談があったときの情報共有につきましても、しっかりやりながら、少しでもそういう見落としといいますか、漏れがないように対応していきたいと考えているところでございます。
特定しないと、子どもがなかなか対策がとれないということでございますが、中には、やっぱり子どもの名前を伏せたり、学校を伏せていただくケースもありますので、そういったときの対応についても、いろいろ協議しながら考えていきたというふうに考えております。
○中村委員 よろしくお願いします。
○藤根委員長 ほかございますか。
〔「なし」の声あり〕
○藤根委員長 なければ、(1)「『平成29年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関係分)及び(2)県立高等学校の活性化についての調査を終わります。
(3)学力向上の取組について
(4)県外からの県立高等学校への入学志願の検討状況について
(5)三重県いじめ防止条例(仮称)について
ア 当局から資料に基づき説明(宮路次長)
イ 質問
○藤根委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
○吉川委員 学力向上の取組につきましては、いろんな結果分析をされていると思うんですが、小学校6年生とか中学校3年生とか、限られた年にテストが行われますので、その生徒が、今年受けた人と去年受けた人では対象が違うもんで、そういうばらつきがありますと、努力の結果、ばらつきがありますという報告もよく聞くんですが、例えば、小学校6年生のときに受けた子が、中学校3年生になったときに受けたデータ、同じサンプルという意味ですが、そういうような分析はされているんですかというのがちょっとお聞きしたい内容です。
○宮路次長 ちょっと説明が不十分で申しわけありません。
資料の10ページをごらんいただきますと、簡単なものなんです、ここに出させていただいたものは。10ページの表が2つありまして、その下のところなんですけれども、これ今年の中学校3年生が、小学校6年生でも受けておったときの結果から、これは平均正答率だけでございますけれども、どういう変化があったかということで、申し上げましたように、小学校6年生のときに比べて、全国との差は大幅に縮まってきたと、子どもたちが頑張ってきたということが見られている状況でございます。そういうことも比較しながら、同じ子どもを追って分析も進めているところでございます。
○吉川委員 ありがとうございました。
ちょっと申し上げたのは、ここの学力の話と、先ほどの高等学校の過疎の地域の関係で、あのときによう聞かんだことなんですが、例えば、私どもの地域の南伊勢高校は、地域外からの子どもじゃなくて、地域の子だけが受けるような特色があるんです。ある年に入学できたのが5人ということで、こんな激減したときに、高校のあり方はどうなのかなという、こういう議論があったわけですけれども、その5人、激減した子どもたちっていうのは、その年は学年が非常に優秀な子が多かった学年らしくて、そやもんで、皆県外へ出ていったと、こういうような話なんです。少人数学級とか、県外の子どもたちも入れるとか、地域の活性化とかいういろんな工夫でやっとるんですけれども、評価の仕方の話と、学年によるばらつきの話、そんなんの整合をとらないことには、なかなか理想的な教育とか、父兄の希望とかいうようなんが、満足させられないんじゃないかなと思うんですが、そういう方針とか価値観みたいなものを県でお教えいただきたいなと、ちょっと曖昧な話なんですが、思いまして。県議会議員の皆さんの中で、地域へ残ってくれる、就職して社会人になったときに支えていただいとるんは、今の大人のときは、そういう地元の高校を出た人が多くて、それがその社会、コミュニティーを支えているケースが多いんですけれども、最近の子らは、その少ない高校も、皆外へ出てて、雇用がないとか、そういう形にもなっておらんので、方針みたいなもの、ちょっと曖昧な質問で申しわけないんですけれども、学力の話と、親の希望の話と、本人の進むべき話、そんな複合的な物差し、考えをお持ちでしたら教えてほしいなと思います。
○宮路次長 特に方針という明確なものということはございませんけれども、まず子どもたちの進路につきましては、やはり子どもが将来目指していく、子どもの主体で考えていくことが大事かと思って、地域の学校とか、地域の担い手という課題もあることは承知しておりますけれども、まずは子どもたちが地域のことも理解しながら、将来地域に残ってということも希望でしょうし、もっと広い世界へ飛び出したいというのも子どもたちのことだと思いますので、そこは教育としては、いろんなキャリア教育とか活動を通じながら、地域のよさを理解してもらいながら、最終的には子どもが判断をして、選択をしていくことが大事かと思っております。そこに保護者の意見というか、意向も入ってくるわけですので、できるだけ保護者の方にも情報が届くような形にしまして、一緒に考えた上で、子どもに応じた進路が選択できるのが一番理想かなというふうに考えております。
学力の差があるとか、いろんなことは、当然年度によってありますけれども、大きく捉えた場合には、先ほど5人とか、そういう目で見ると、差は若干出てくると思うんですけれども、大きく県全体とかで捉えた場合には、そんなにでこぼこするものではないと考えておりますので、そういった全体をしっかり、子どもたちの夢がかなうように、学力をしっかり伸ばしていきたいというのが我々の方針でございます。
○吉川委員 過疎地域におきましては、あり方が本当に難しいので、よく吟味して、よろしくお願いいたします。
○藤根委員長 皆様に申し上げます。
ただいま12時ちょうどになりましたので、ここで一旦休憩とし、再開は午後1時からといたしたいと存じます。
暫時休憩いたします。
(休 憩)
○藤根委員長 では、休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
(3)の学力向上の取組についてから、(5)の三重県いじめ防止条例(仮称)についての調査を継続いたします。
御質問等がありましたら、お願いをいたします。
○今井委員 まず、いじめ防止条例(仮称)についてということで、今後様々な、さらに検討委員会のほうで御検討いただいて、また12月に御説明をいただけると思うんですけれども、僕は、この20ページの、現在の状況と条例制定の考え方のところ、すごく僕も大事になってくると思うんです。いじめを受けた子どもが、学校になかなか行きづらくなる、ここに書いてある教育を受ける権利を著しく、ということや、人格形成にも。さらに、命の危険まで伴うというところをしっかりと条例の中で、大人は当然ですけれども、子どもたちにもそのあたりのところを共有してもらうことがとても重要だなというふうに思いますので、そのあたりのところが理念なのか目的なのか、どのようにくるのかわからないですけれども、そのあたりのところをしっかり盛り込んでもらえる形があればお願いしたいのと、それと、よく世間で言われる、子どもの社会は大人社会を映す鏡であるみたいなことを言われますので、当然この条例を制定していくに当たって、周りの大人や地域の意識を高めると。21ページでは「高め」というふうに書いていただいてあります。「子どもに関わる全ての大人が意識を高め」と書いてもらってあるんですけれども、一方で、やっぱり大人が意識を改めるということも、高めると同時に、その前にしっかりと改めていかなければ、いじめというのは何も子ども社会だけにあるわけではなくて、いじめという言葉が適切かどうかは別にして、大人社会でもあって、それを子どもたちも、ニュースや様々なところで見聞きもしておりますので、大人自体がしっかりと子どもたちに大きな影響を与えるという自覚を持ちながら、意識を改めていく、そういう視点もとても重要になってくると思います。それがあって、しっかり子どもたちのいじめに関する問題に向き合えると。また子どもたちも大人に接してくれるというふうに思いますので、そのあたりのところをしっかりと入れていってもらいたいなということで、大きくいうと、自殺、命にまでかかわるということをしっかりと、どこかのところで盛り込んでいただけるんであればお願いしたいということと、大人の意識改革ということも盛り込んでもらいたいと思いますが、その辺はどうなんですか。
○小林対策監 委員おっしゃるとおり、そういったところについてはとても重要なところやと思っております。この条例の制定に当たっては、これまではこういう条例はありませんでしたので、制定に当たって、当然大人もこういったいじめの防止に対する意識改革も含めて、全体として盛り込んで、三重県の全ての大人が、この条例によって、いじめから子どもを徹底して守り通すんやという意識を改めて持ってもらうために制定をするという意味もありますので、そういったところを考えて、今後またさらに検討を重ねてまいりたいというふうに思っております。
それから、命にかかわることについては、当然いじめから大きな事態に発展するということもありますので、そういうことも含めて、基本理念であるとか目的等にそういったことを、言葉として「命」は入っておりませんけれども、当然いじめは絶対にいけないんだというようなメッセージを入れて、子どもにも傍観することなくいじめを絶対に許さないというようなことを盛り込んでおりますので、そういったところで、命の大切さを強調していきたいなというふうに思っております。
以上でございます。
○今井委員 ありがとうございます。
素案の概要のほうにも、目的のところで……
○宮路次長 今、今井委員がおっしゃいました命の部分につきましては、24ページをごらんいただきますと、素案の概要でございますけれども、目的にやはり今おっしゃったような部分をきちっと書き込んで、これをまず前提に、いじめ問題に取り組むという姿勢を出していきたいということで、命についても書かせていただいておりますので、そういったことは、また重視してやっていきたいと思います。
以上でございます。
○今井委員 ありがとうございます。
今、私もそれを。24ページの目的に入れていただいてあるので。
ただ、これは言葉だけではなくて、やっぱり現場で子どもたち、または大人も含めて、しっかり言葉の意味の大切さ、そこを情報共有するということが大事だと思いますので、その点で先ほど言わせていただきましたので、よろしくお願いをいたします。
学力向上についても、ちょっと1点、聞かせていただきます、せっかくの機会ですので。
これ、学校調査というのは、学校で誰が質問を受けてもらっているのか教えてください。例えば、校長先生が代表して質問を受けられているのか、小学校であれば、全ての教科を担任の先生が見る、中学校であれば、科目別に先生がつかれておってということで、全ての先生が対象か、学校の役職者が対象なのか、その辺をまず教えてもらいたいと思います。
○宮路次長 学校の質問紙調査につきましては、校長が学校の状況を確認した上で回答しております。校長が回答するという形になっております。
○今井委員 それでは、校長先生はそれぞれの担任の先生であるとか、科目担当の先生からしっかりと聞き取りを、振り返る活動であるとか、目標の提示とか、そういったことは校長先生が責任をもって聞いていただいているということでよろしかったですか。
○宮路次長 そのとおりでございます。
○今井委員 わかりました。
それが、今後どうしていくのがいいのかというのは、何ともまた御検討いただきたいと思うんですけれども、教育委員会のほうとして、こういったところへ、我々も出してもらう中では、校長先生の意識、マネジメントしていただいているわけですので、代表してやっていただいとるということは、一定は理解できるんですけれども、やはり私自身思うのが、それぞれの先生方が実際に、三重県における学力向上の様々な取組、例えば、今後授業改善の指導を指導主事等が学校を回ってしてもらうということとか、そういったことが本当に授業の改善につながっておるのか、また先生方の視点から、もっとこうあるべきじゃないかという意見まで吸い上げられるのかどうか。今やっていただいとる学力向上に関する様々な取組が、現場の先生のほうはどのように捉えられて、よりよい改善に向けた御意見等を聞く機会が本当にあるのかどうかというところも、ちょっと私は心配な部分がありますので、そのあたりのところで教育委員会としては、各現場の先生と意見交換する機会というのはないのかどうかというのをちょっと教えてもらいたいんですけれども。
○吉村課長 指導主事が学校訪問をする中で、授業等を参観すると、その後に教員と懇談を持って、その授業に対して助言というか、支援を行っていくという場面をつくっています。
その中で、教員の、例えばこの資料に示されております目当ての提示の質であるとか、それから振り返りの状況であるとか、そういった内容面に触れて、教員とともに今後の授業のあり方というものを考えていこうというスタンスで実施しております。
それから、加えて、教員には学び続けるという姿勢の中で、教員研修等の充実を図った中で、そういった研修機会を与えていく。そしてさらに、校長の見回りの中でもそういった場面を校長とも指導主事が懇談をする中で、教員に継続的にその状況の変化等を捉える中での指導、アドバイスを与えていくといった形で実施していきたいというふうに考えているところです。
○今井委員 ありがとうございます。
指導・助言、この15ページにも書いてあります。当然、それを様々な分析結果をもとにどうあるべきか、また授業を参観していただいてどうあるべきかという、そういったことを指導・助言、アドバイスしていただけると思うんですけれども、一方で、現場の先生の意見というのも、しっかりと聞いてあげてもらいたいなというふうに思います。適切な指導をしてもらっとるとは思いますけれども、分析上、理論上、こうあるべきという考え方と、現場の生での子どもたち、また生徒と接しとる先生方のもっとこうあるべきという意見、もしかしたらそこに乖離があるかもわかりませんので、そのあたりのところをしっかりと連携を深めていただいて、何よりも子どもたちの、学力向上が全てじゃないんですけれども、学校の教育現場の環境がよくなることが大事で、そのためには、現場の先生のお困りの部分とか、もっとこうすればいいのにというのがあれば、それもしっかり聞いてもらいたいなと思いますので、よろしくお願いします。
一方で、14ページの、子どもたちの自尊感情・自己肯定感の状況、これは非常にうれしく思っております。自分にはよいところがあるという肯定的な回答も、児童も生徒も増えてきておりますし、夢を持っているということも増えてきておりますので、このあたりのところは、非常に希望を持てる、そういう状況でうれしいなというふうに思いますし、先生はよいところを認めてくれる、肯定的な回答も非常に大きくなってきておりますので、やはりここの子どもたちと現場の先生の信頼関係というところも、非常に勉強に向かう姿勢をしっかりと、何のために学校で自分たちが勉強しているのかというのを知ってもらう意味では、信頼関係と目的というのが大事になってくると思いますので、このあたりを尊重しながら、学力向上に向けて頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○藤根委員長 ほかにございませんか。
○中森委員 いじめ防止条例に関しまして、先日警察所管ですけれども、ストーカー防止の条例が出されておりまして、その中にSNSのことがございました。これはもちろん成人に対する問題点をきちっと整理したというふうに理解しているところでございますが、SNSの場合も、相手が成人か18歳未満かというのは微妙なところがあって、非常にそれが、ストーカーはもちろんだめですけれども、繰り返しそういういじめを誘発するSNSのこともあります。そういうことからすると、非常にいじめられる生徒の場合は、これは本当に相手がわからないところからいじめられていることも想定されますので、非常に条例の中身からすると整理をきちっと、その辺の見きわめであったり、連携が必要ではないかなというところが気になるところでございます。
今回の制定しようとする条例は、児童生徒ということが対象となっているわけでございまして、主に学校内での対策であろうというふうには理解するんですけれども、子ども同士、生徒同士は、社会の中でも生活しているわけでございまして、その中でもいじめはあってはいけないということは、当然言えるわけでございます。そういうことからすると、学校内外を問わず、未成年にかかわるSNSなどを通じたいじめというのも含まれますので、その点についての、別の条例との仕分けというのか、連携とは言いませんけれども、そういうのと区別したり整理しておかないと、相談するほうも相談される側も、いろいろと立場が違いますので、そういうようなことが今後心配される点がありますので、整理していただきたいと思うんです。
もう一点が、今県議会が障がい者差別解消条例を制定しようとしてるわけでございまして、これまた児童生徒においても、そういうような、障がいが理由の差別によって、場合によってはいじめになったり、いじめをしてはいけないということが、結果そういうことをしてはいけないということとなりますので、行為の指定と結果の矛盾点が、現実にこうやって、条例上は明らかにされることとなりますけれども、相談するほうは、これは差別によっていじめられているというふうに受けとめる子どもたちは、そこでの相談をして、しっかりと対策を練るということとなるわけでありますし、学校内での差別によるいじめなのか、そうでないのかというのは、微妙なところがあって相談されるということもあります。その点の連携はできるようにしておかないと、同じ条例の範囲内で、保護者の人からすると、どこへ相談していいかわからんのかなと、どちらでもいいのかなとか、そういうことが結果的にあります。その点はやっぱり、この条例を制定するときも、範囲とかエリア、そういうような体制についても、そういうケースもあるということも理解した上で、この条例を制定しておかないと、同じ時期にできますので、保護者からすると、不登校になった理由に、これは差別によるものなのか、いじめられて不登校になったのか、非常に心配なところがあります。学校に相談するんでしょうけれども、いろんな条例があると、場合によったら混乱してはいけないのかなという気がしますので、そこはうまく、同じ県での条例ですので、矛盾点や誤解のないようにしておいてほしいなというところがちょっと気になるところでございます。県議会が今進めようとする条例も、当然当局に相談するとは思うんですけれども、そんなことが今並行しているので、同じ議会の中で、矛盾があったり手違いがあってはもっといけませんので、そうないようにしておきたいなということで、当局にも認識をしていただきたいということです。そういうことで御理解していただきたいと思います。
○藤根委員長 ほかにございますか。
○中村委員 SNSによるいじめについての記述が、ちょっと僕も気になることがあるんですが、たくさん出ております。21ページの上段のほうには、外から見えにくいと。その前のページには、ささいな兆候でも、先生が早い段階からかかわりを持つことによって件数が増えたと書いてありますけれども、SNSはわかりにくいんで、多分外に出ていないんじゃないかというふうに思います。それから、学校だけでは対応できないというのが、真ん中より下のところに出ていますし、それから23ページにも、これは他人を傷つける言動を禁じるって、子どもからの声がありますし、それから24ページのいじめについての定義の中にも、インターネットを通じてという表現が出ていますし、まとめみたいなところで、27ページにはっきりと、ソーシャル・ネットワーキング・サービス等を通じて云々と出ておりますが、こういった、ここまでしっかりと議論もされているとは思いますけれども、我々が感じるというか、見聞きしてきたいじめとSNSを使ったいじめは、全く違うというか、いじめとるというイメージじゃなしに、自然とそういう形に、コミュニケーションの中で本人が意識せずそうなってくる状況もありますので、やはりしっかりとした人権教育というか、そういったものを強めていくことが大事かなというふうに思います。この辺の議論をしっかりしていただくこと、それからこのSNS対策は、本当に、ここには事案に対処する体制の整備というふうに挙がっておりますが、かなり力を入れていただきたいなということを、これも要望としてお願いをしておきます。
○藤根委員長 ほかございませんか。
○服部委員 ちょっと確認をさせていただきたいんですが、このいじめ防止条例の中に、こうずっと見させていただきますと、暴力的な行為も、逆にこれはいじめの一つではないかなと。SNSで投稿したり、いろんなところで、YouTubeで、例えば暴力行為を映した動画を発信したりなんかするのも、この間テレビでやっていましたけれども、暴力行為自身は、この条例のいじめの中に含まれるのか、これちょっと難しい問題だと思うんです。暴力イコール、これはもう法的な刑事責任とか傷害事件とか、そういうことになりますので、多分明記が難しかったんではないかなというふうに思いますけれども、ちょっと何かありましたら。
○宮路次長 おっしゃるように、暴力行為といじめの線引きは難しいところでございますけれども、いじめの定義にありますように、子どもが心理的、または物理的な影響を受けている、苦痛を感じているということがある場合には、暴力をいじめに含めております。ただ、けんかのような形でそういうことが、そこも区別が本当に難しいんですけれども、ない場合には、含めていない場合もあると。暴力事案として指導しているという場合もあるという状況でございます。
○服部委員 そうすると、その状態において、例えばこれはもう刑事責任を問う暴力かと、これはいじめの中のけんかというか、これも一つの暴力なんですけれども、なかなか難しいと思いますので、その点をまた皆さんでしっかりと協議いただければと思います。
○藤根委員長 ほかにございませんか。
○前田委員 学力のほうでございますが、いろいろと取組いただいていて、なかなか成果が出なくて悩ましいなと思っております。二、三、教えてください。
まず、15ページですが、13市町への支援ということで、113校の重点支援校を云々というのがございます。この113校というのはどういう抽出をされたんでしょうか。
○吉村課長 113校、小学校ですけれども、全国学力・学習状況調査の教科に関する調査結果と、それから本年度の4月に実施しましたみえスタディ・チェックの小学校5年生における調査結果を踏まえまして、そこから113校を抽出しました。その中で、学校に対しての支援を行っていくということにしております。
○前田委員 全国学力・学習状況調査は、小学校は6年生ですよね。みえスタディ・チェックも小学校6年生なのか小学校5年生なのか、その点を教えてください。
○吉村課長 全国学力・学習状況調査につきましては小学校6年生でございます。みえスタディ・チェックについては小学校5年生の結果を使っております。
○前田委員 当然、113校というのは、改善の余地があると思われる学校ということでよろしいでしょうか。
○吉村課長 そのとおりでございます。
○前田委員 具体的に、県の指導主事と市町の指導主事が訪問しながら、改善策に取り組んでいただくということですが、何年生を対象にお取組をいただく予定でしょうか。
○吉村課長 この訪問時には、全国学力・学習状況調査の調査につきましては、小学校6年生の結果ですので、小学校6年生に対しての補充を行っていただくこと。それからまた小学校5年生について、今後の取組として、最上級学年につながるような指導を進めていくことということの中で、学校の課題に応じて、何に取り組むかということを指導主事のほうも案を持ちながら、学校の取り組むべき課題、校長、あるいは学校等がこの結果から分析した結果を踏まえて、今後取り組むべき方向をともに見出していきたいというようなスタンスで訪問を実施し、実践につなげていくというふうな考え方でございます。
○前田委員 単刀直入にお聞きします。小学校6年生の全国学力・学習状況調査結果と小学校5年生のみえスタディ・チェックの結果と、どちらを優先して113校は抽出されたんですか。
○吉村課長 この点については、五分五分というか、両方の調査を踏まえて抽出をしております。
○前田委員 余り長くなるとあきませんので、もう言いたいことはわかっていただいたと思いますが、テストのための、全国学力・学習状況調査の数字を上げるための手法をやろうとしてみえるのかなというふうに思います。全体のボトムアップをどうやって上げていくかという部分の中で、一部今年度については、次年度の取組も含めながら、容認はしていきたいと思うんですが、そうじゃなくて、全体的にどうやって水準を上げていくのかということを考えていくことが、将来的な取組なのかもわからないんですが、少し、テストのための取組になっておるんではないかと。目的がちょっと外れてきておるんではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○吉村課長 全国学力・学習状況調査の経年的な課題としまして、先ほども指標の中で示しておりますように、小学校の算数において、例えば割合であるとか図形、それから自分の考えを根拠に基づいてまとめる力であるとか、それから意味を要約してまとめる、そういった力がこれまで経年的に課題が見られています。そういったところを小学校6年生の問題ではなくて、それまでの学年におけるつまずきとして、どこにつまずきがあるのかといったところを見抜きながら、各学年の取組、系統性において、学力の積み上げを行っていく、そのような形で各学校でどのような取組が今後行われていくかといったところを指導・支援していく、そういった形で今後の取組方向を各学校ごとに見出していこうというふうに考えているところでございます。
○前田委員 ややもすると、テスト結果のみを先行した競争ということが、今の説明を聞かせていただいていると危惧をするところでございます。本来の目的を見据えた中で、適切な指導、そしてまた全体の学力向上につながるような取組につなげていただければと思います。具体的にギャップがあるというのが調査結果でございましたよね。12ページ、児童と学校とのギャップ、乖離がだんだん広がってきているというのが見られる中で、その右にもいろいろな、改善はしておるものの全国的にスマホの使用時間が増えてきています、学習時間が全国と比べてまだまだ学習習慣が低いですという、学校側だけが、先ほど校長がまとめた調査ということでありましたので、非常にこの平成28年、29年というのが高くなっていて、子どもたちも上がっておるんですが、学校の質問の答えに追従できていない、非常に上がっているというのがこの傾向から見えます。それとともに、生活習慣の中で全国から下回る、あるいは学習習慣が下がるという部分の中で、もう少しここにメスを入れていかなきゃならないのかなと思っている中で、改善策としては16ページにあるような学-Viⅴa(まなびば)セットの取組という形で、非常に難しいというのは理解するんですが、この点について、もう一歩踏み込む、先生の負担を増やすということではないんですが、何らかの子どもたちの意識をもっと高めていく、本人がやる気にならないことには、幾らむちを打とうが何をしようが上がらないというのが、この実態の数字であらわれていると思うんです。そこの根本的な解決策を含めて、何かお考えがあれば教えてください。
○吉村課長 まず、目当ての提示、振り返る活動の点につきましては、目当ての提示について、乖離は一定縮まってきています。一方で、振り返る活動としては、広がりが出てきているといった状況にあります。その点につきましては、先ほど言いましたように、この目当ての提示の質とか、振り返らせ方とかいったところを授業改善を図ることによって改善を図っていきたいと。それから、さらに子どもたちの課題として、これまでも課題としてきた基本的生活習慣の中でのテレビゲームとか、スマホの使用時間、それから家庭学習時間が短くなっていること、読書習慣も短くなっていること、これにつきましては、みえの学力向上県民運動、PTAと連携した中で、読書習慣・生活習慣チェックシートを実施しております。そういったところの活動というか取組を年間3回行っておりますけれども、そのほうでの呼びかけを強めまして、子どもたちの生活習慣の改善につなげていきたいというふうに考えているところでございます。
○前田委員 もう要望にとどめますが、非常に難しいということは十分承知しておりますが、学校と子どもたちの乖離が広がっている中で、子どもは上がっているのに、学校だけが異常に高くなっておる、その点について、改善ということではないんですけれども、少し数字を見ながらお考えいただきたいと思いますし、子どもたちが本当にやる気を起こして、学習習慣なり生活習慣の中でやっていけるような取組を今後とも御努力いただきますことを要望させていただきます。
○藤根委員長 ほかございますか。
〔「なし」の声あり〕
○藤根委員長 なければ、私から1点よろしいですか。
今の学力向上の、前田委員からもいろいろお話が出ましたけれども、全国学力・学習状況調査の結果を受けて、学力向上緊急対策チームですか、そういうものが、新聞を読ませていただきますと設置されたというようなことも載っていたわけなんですけれども、今、前田委員の質問の中にありましたけれども、113校の重点支援校というあたりのところは出てきていますけれども、緊急対策チームなるものの活動というものをもう一回確認をさせていただけますか。
○木平副教育長 緊急対策チームでございますけれども、私のほうが取りまとめ役をさせていただいております。このチームにつきましては、平成26年度の途中から設置をさせていただいています。この学力調査については、学校の学習状況調査だけじゃなくて、今御議論いただいています学校の取組、それから家庭の状況、子どもの状況というトータルがございますので、そういった部分での三重県の課題というのをきちんと洗い出して、それに応じた三重県の現場にきちっと根づく取組、対策を総合的に考えようということで、大体月に1回程度開催して、年度の重点取組を定めながら、市町教育委員会とも連携しながら、具体的な対策を展開しようということでやっております。
○藤根委員長 ありがとうございます。
では、いろいろ今日の資料にも今後の取組等々というところで御記入いただいておりますが、この中身についても、その緊急対策チームあたりがかなり意見反映というか、そういうことも入っているという認識でよろしいですか。
○木平副教育長 この部分につきましても、今年度で明らかになった課題について、どういうふうに対応するかということでございますので、学力向上緊急対策チームのほうで議論をさせていただいて、教育委員会として取りまとめてきたものでございます。今年度も、今年度だけの課題じゃなくて、継続的な課題もございますし、様々な部分がございますので、例えば校長のリーダーシップであるとか、校内外研修のあり方とか、効果的な少人数指導のあり方とか、それから、もともと指導主事による計画的な学校訪問というのを年度当初からやっていますので、そういった部分に加えて、今年度の課題として15ページに掲載した部分を新たに市町教育委員会と連携して実施させていただこうということで、取りまとめさせていただいたものでございます。
○藤根委員長 ありがとうございます。
最後の質問ですけれども、例えば、吉村担当課長がいて、学力向上の推進プロジェクトチームですか、担当課長がいる。木平副教育長は緊急対策チームというような形でやっておりますけれども、この学力向上の県の取組としての施策を練り上げていくのは、そういうところを集めて別にやるのか、どういう関係でこの学力向上の施策というのは練り上げていっていただいていると理解すればよろしいんでしょうか。
○木平副教育長 学力向上につきましては、もちろん学習そのものの向上という部分もございますし、それから経年的な課題であります学習習慣、生活習慣、加えて読書習慣というのもございます。ですので、学力向上の吉村担当課長のところが、そこの中心的な組織ではあるんですけれども、それ以外の研修の部分がございますし、社会教育の部分も大いにかかわりがございますし、生徒指導の部分もかかわりがございますので、それぞれの当初の所管事務の中で、学力向上に資する部分についてということで該当の課を決めて、それで月1回程度、それぞれの該当する部分について、いかに改善していくかということを協議する場、緊急に対応する場ということで、毎月議論させていただいております。
○藤根委員長 ありがとうございました。
先ほどもお話があったように、一朝一夕で進んでいく課題ではありませんし、三重県も大きな課題として認識をしていただいて取り組んでいただいております。だから、今御答弁いただいたように、それぞれの担当課のほうが、協力し合いながらやっていただいておるというのを確認はさせていただきましたけれども、ずっと何年も緊急が続くということでは、ちょっとどうなのかなというところも思いますし、やはり学調の結果が出たときに緊急対策チームの会合の様子が報道されるというような、当然そこは、学力調査の結果を受けて教育委員会としてしっかり対応していかなければならないというところは、意味合いとして十分理解もさせていただくんですけれども、そこの部分だけが報道でも取り上げられるようなところがありまして、昨年度と比べたときに、少し落ちているというような状況がすごく際立っているのかなというふうな認識も、逆にさせていただくようなこともありまして、吉川委員からもありましたけれども、小学校6年生と中学校3年生を比べたときには、子どもたちの学力はしっかりと向上もしてきているという認識もしていただいているというふうに思いますので、毎年毎年の数字に、それも意識は必要だと思うんですけれども、それに振り回されることなく、引き続き、学力向上の全体の底上げということで進めていただけたらなというふうに思います。
○藤根委員長 ほかよろしいでしょうか
〔「なし」の声あり〕
○藤根委員長 なければ、これで(3)学力向上の取組についてから、(5)三重県いじめ防止条例(仮称)についてまでの調査を終わります。
(6)三重県部活動ガイドラインの策定について
(7)平成30年度全国高等学校総合体育大会300日前イベントについて
(8)指定管理者が行う公の施設の管理状況報告(平成28年度分)
(9)指定管理者選定の進捗状況について
(10)審議会等の審議状況について
ア 当局から資料に基づき説明(辻次長、木平副教育長)
イ 質問
○藤根委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いをいたします。
〔「なし」の声あり〕
○藤根委員長 なければ、これで(6)三重県部活動ガイドラインの策定についてから、(10)審議会等の審議状況についてまでの調査を終わります。
(11)その他
○藤根委員長 最後に、これまで議論された調査項目以外で特にございましたら、御発言をお願いします。
○今井委員 ちょっと状況を教えてもらいたいんですけれども、今、いろんな業界、企業のところへ行くと、なかなか人を募集しても来てくれへんわっていうことをよくいろんな業界で聞くんですけれども、先日、学校のほうでも、例えば、育児休業に入る方のために常勤講師を採用したいと思って募集しても、なかなか常勤講師に応募してきてくださる方がいないんですというような、そういうお話を学校現場の方に聞かせてもらったんですけれども、何か非常にお困りみたいだったんですけれども、実際のところどうなんでしょうというのが1点。
それと、教員資格というのは、10年で研修を受けて更新をしないと資格がなくなるわけです。一方で、医療のほうですと、看護師やったら、休まれとった看護師に現場へ復帰してもらうために、そういう研修をしてもらって再雇用みたいな形ができるんですけれども、教員のそういう常勤講師等の募集をするという場合には、10年過ぎて研修を受けないと、もうこの方は常勤講師にも応募できないという状況になるんだと思いますので、実際今、例えば、潜在教師といいますか、潜在教育者というのか、教員免許を持たれて更新はしとる、それで更新しないと破棄されると思いますので、更新して現場に入っていらっしゃらない方がどれぐらいおるのかっていう、その辺は数がわかるのかどうか。看護師の場合等ですと、潜在看護師がこれぐらいおる、潜在女性医師がこれぐらいおるというのがわかるんですけれども、現場のある校長先生等と何人かお話しさせてもらっとったら、募集しても来てもらえないので困っていますということだったので、その辺のことがあるので、一度ちょっと状況を聞かせてもらいたいなというふうに。
○小見山課長 常勤講師の関係でございますが、年度当初と年度途中では、やはりちょっと違いがございまして、例えばこの平成29年の4月、年度当初におきましては、常勤講師についてはきちっと数を必要分についてそろえてということで、それについては、急に3月末に病気でちょっととか、いろんなイレギュラーなことはあるんですけれども、それ以外のことについてはきちっと対応できておるというような状況でございます。
もう一点、今おっしゃっていただいた育児休業とか、年度途中でというようなところの部分とか、例えば途中で病気になられるというようなことで、その方々への対応という部分については、確かに完全にはカバーしきれていない、すぐにカバーしきれていないことがあるというのは、各市町教育委員会のほうからも聞いております。基本的には、講師については講師登録というような形で登録していただきまして、そこで、その登録していただいている中からお声もかけさせていただくんですけれども、年度途中ですと、私はもうこの仕事に就いとるもんで、今年は年度途中は厳しいですねとか、いろんな形でそんなお話もいただくと。
そうした中で、今おっしゃっていただいた市町教育委員会によっては、もしかすると、自分のところが持っているとか、県が提供させていただいとる講師登録の名簿だけでは足りなくて、ハローワークに出されたりしても、なかなかすぐには埋まりきれんことがあるんやというような形でおっしゃっていただいている中身かというふうに思います。
本当にこのことは大事なことですので、制度の仕組みといたしましては、ちょっと失礼な話なんですけれども、採用試験の結果が残念な方について、皆さんに講師登録のお声がけをさせていただいたり、大学をいろんな形で回らせていただくんですけれども、その中でも、先生という仕事は、正規でなくても講師ということで仕事をしていただくんやということを丁寧に説明もさせていただきながら、その確保に努めておるというところが現状でございます。
2点目の御質問についてなんですけれども、ちょっとどんな状況かというのが、免許は一旦持って、せやけども教員の籍を離れとる方が、どういうふうな形で、どんな事情でおるかというようなところを少しこう数字とかそんなんで持ってございませんので、調べられるかどうかも含めて持ち帰らせていただきます。
○今井委員 常勤講師は、年度当初は全て埋まっておると。私の言わせてもらったのはそうです。年度途中で育児休業等に対応するためにというので、現場としても募集を出しても来てもらえないということで、誰かがそれを賄わなければいけないという、最悪もし来てもらえなければ、そういう状況になっていくんだと思います。
先ほど来、もともと教員の方の負担が非常に大きいと、また時間が長いという状況、教職員の労働環境の整備が必要であるというようなこともありますし、こういった講師登録をしてもらっとる方への働きかけであるとか、常勤講師として来ていただきやすい環境づくりというのも大事になってくるのかなと思います。これは県だけでできることじゃないかもわかりません。例えば、常勤講師の方の契約年数は1年更新ということで、ちょっと中長期的に考えることがなかなかできないというようなことも、更新してもらえるかどうかは、当然学校側の判断になると思いますので、そういった意味では、待遇的に非常にどうなんだということや、やることはほぼ正規の教職員の方と変わらない、そこに対する対応はどうなんだということもありますので、いろんな面から、やっぱり学校の子どもたちを取り巻く教育環境の整備というのは大事なことの中の一つとして、適切な常勤講師に学校に来てもらうということと、来てもらいやすい環境づくりというのも重要だと思いますので、そういったことをよろしくお願いしたいと思います。
あと1点、時間がないんですけれども、申しわけないです。
前にもちらっと担当の方に言わせてもらったんですけれども、今年3月の新聞の投稿欄に、高校3年生の子が投稿していまして、これは中日新聞3月8日号なんですけれども、高校3年生の運転免許取得に特例をつくってもらいたいという、高校3年生のお子さんの声なんですけれども、要は誕生日が3月24日で遅いというか、早生まれといいますか、年度の終わりのほうが誕生日の人の場合は、18歳にならないと仮免許が取れない。そこから先の本免許取得までに時間がかかって、特にこの子の場合は、高校を卒業してすぐに就職だと。就職した段階では、自分は免許を持っていない。でも同じ高校3年生の誕生日の早い子は、もう免許は取れておるという状況があって、やっぱり不安なんでしょうね。就職前にこうやって投稿されたのは、会社に入ったときに、もう既に免許のある同期と、生まれた日によって免許を持っていない自分が、会社に入ってから、片や私は免許を取らないといけない、片やもう免許があって、次のステップの会社へ入ってからの勉強ができるということにおいては、非常にこの方の思いとしては、ちょっと格差的なものがあるんじゃないかというような投稿であると思います。それで、この方的に特例を設けてもらいたいということで、これは教育委員会でどうのこうのできることでもないと思います。警察本部のほうにも聞かせてもらって、三重県の警察本部がどうのこうのできることではないんですけれども、ただ、こういったお子さんが少しでも早く免許を取れるように、また高校を卒業して就職するということが決まっとると、当然学校のほうといろいろ、企業とも連携もとってもらっとると思いますので、そういったところで、相手の方に御理解をいただく。会社へ入ってから免許を取りに行かないといけない状況であるとか、そういったことも、本人も努力すると思うんですけれども、学校側もできる限りのこういった方々、それは12カ月あるので、2月、3月生まれの方というのは、ある一定の数になり、その方が高校卒業して就職という選択をされる方も少ないかもわかりませんけれども、現実的に私自身、こうやって新聞社に本人の名前まで出して、高校生17歳ということで投稿されるということは、本当にこの方なりに切実な思いを持たれとると思いますので、警察本部のほうには、仮免許から本免許を取るまでの期間を少しでも短くすることができないのかということや、法律自体を何か特例でできないのかという、大変難しいこととは思いながら、そういったことも一応お聞きはしておるんですけれども、こういった状況もあるということだけ、また皆さんのほうにもちょっとお伝えをしたかったので、様々な形で、いろんな状況の中で頑張ってもらっとる高校3年生、また若い子どもたちや学生がおってもらうという一例として挙げさせてもらいましたので、ちょっと頭の中に入れておいてもらいたいと思います。
○藤根委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」の声あり〕
○藤根委員長 なければ、これで所管事項の調査を終了いたします。
4 委員間討議
(1)所管事項調査に関する事項 なし
(2)執行部に処理経過の報告を求める事項 なし
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
教育警察常任委員長
予算決算常任委員会教育警察分科会委員長 藤根 正典