三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成31年度 委員会会議録 > 令和元年6月20日 環境生活農林水産常任委員会・予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会 会議録
環境生活農林水産常任委員会
予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会
会議録
(開会中)
開催年月日 令和元年6月20日(木曜日) 午前10時0分~午後3時0分
会議室 201委員会室
出席委員 8名
委員長 谷川 孝栄
副委員長 森野 真治
委員 喜田 健児
委員 山内 道明
委員 小林 正人
委員 村林 聡
委員 三谷 哲央
委員 中森 博文
欠席委員 なし
出席説明員
[農林水産部]
部長 前田 茂樹
副部長 更屋 英洋
次長(農産振興担当) 森内 和夫
次長(農業基盤整備・獣害担当) 辻󠄀森 芳宜
次長(森林・林業担当) 村上 浩三
次長(水産振興担当) 仲 越哉
農林水産総務課長 佐脇 優子
農林水産財務課長 村田 洋一
フードイノベーション課長 竹田 久夫
団体検査課長 上田 峰浩
担い手支援課長 近田 恭一
農産物安全・流通課長 秦 和夫
農産園芸課長 矢野 次男
畜産課長 中村 雅人
農業基盤整備課長 藤本 隆治
農山漁村づくり課長 伊藤 隆幸
農地調整課長 森山 直樹
獣害対策課長 近藤 和也
森林・林業経営課長 横澤 篤
治山林道課長 伊達 直哉
みどり共生推進課長 朝倉 嗣雄
水産資源・経営課長 荒島 幸一
漁業環境課長 藤田 弘一
水産基盤整備課長 福田 渡
人権・危機管理監 野村 廉士
農林水産政策・輸出促進監 糀谷 斉
家畜防疫対策監 巽 俊彰
その他関係職員
委員会書記
議事課 主幹 松本 昇
企画法務課 主査 森岡 佳代
傍聴議員 なし
県政記者 2名
傍聴者 なし
議題及び協議事項
第1 分科会(農林水産部関係)
1 議案の審査
(1)議案第3号「令和元年度三重県一般会計補正予算(第2号)」(関係分)
(2)議案第7号「三重県森林環境譲与税基金条例案」
2 所管事項の調査
(1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告について
第2 常任委員会(農林水産部関係)
1 所管事項の調査
(1)「令和元年版成果レポート(案)」について(関係分)
(2)三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画の見直しについて
(3)農業の担い手確保・育成に向けた取組について
(4)豚コレラに係る本県の対応状況について
(5)三重の森林づくり基本計画2019の取組について
(6)林業における人材の確保・育成の取組について
(7)三重県水産業及び漁村の振興に関する条例(仮称)の骨子案について
(8)水産業における担い手の確保・育成の取組について
(9)各種審議会等の審議状況の報告について
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
第1 分科会(農林水産部関係)
1 議案の審査
(1)議案第3号「令和元年度三重県一般会計補正予算(第2号)」(関係分)
(2)議案第7号「三重県森林環境譲与税基金条例案」
ア 当局から資料に基づき補充説明(前田部長)
イ 質疑
〇谷川委員長 それでは、御質疑があればお願いいたします。
〇三谷委員 この令和元年度三重県一般会計補正予算の債務負担行為1万2000円でちょっとお伺いしたいんですが、今回、一般会計補正予算で七つ債務負担行為が上がっていますが、一番小さいものでも人型ロボットの賃借に係る契約で220万円ぐらいあるんですけれども、この1万2000円、部長の小遣いにもならんような金額を債務負担行為にするというのがよくわからないんですけれども、この点を教えてもらえませんか。
〇横澤課長 今回、債務負担行為として上げてございますWeb版森林資源管理システムの導入及び保守管理に係る契約というものなんでございますけれども、こちらのまず中身につきましては、これまで県で運用してございました森林GISというものにつきまして、民間の林業経営者の方がウエブ、インターネットを介して活用いただけるというようなシステムをこれまでのGIS、地理情報システムに追加するというものが内容になってございます。
内訳といたしましては、新たにウエブ版の森林GISのサービスを立ち上げるためのサーバーの設置費用、それから運用の保守管理、運用のお金というふうになっています。それぞれ立ち上げ費用と運用保守を含めた初年度の経費として44万円、令和2年度、3年度に6000円が見込まれるということでございます。
こちらは、3年一括で契約をしないということになりますと、毎年度毎年度、契約更新ということになりますけれども、その場合には、これは民間企業に使っていただくサービスでございますので、そこを毎年度毎年度またこの契約を改定していただくということになりますと、手間になるということもございますので、非常に少額ではございますけれども、今回債務負担行為という手法をとらせていただいて、3年一括の契約を結びたいという趣旨でございます。
〇三谷委員 金額が小さいものをあえてこうやって債務負担行為で上げてくるというのは、何かちょっと違和感があって、なかなか理解できないところがあるんですが、内容はわかりましたので結構です。
それともう1点だけ、森林環境譲与税基金条例案ですが、これは基本的に運用益で賄っていくというのが主眼なんですか。それともだんだん取り崩していくということになるんでしょうか。どうなんですか。
〇村上次長 この基金につきましては、国から森林環境譲与税が入ってきますので、それを財源としまして、基本的には取り崩して市町が行う森林の整備を支援する施策に充てていくということで考えてございます。
〇三谷委員 わかりました。結構です。
〇谷川委員長 よろしいですか。
ほかにいかがでしょうか。
〇村林委員 今、お話のあった基金のところをもう少し詳しく教えてほしいんですけれども、基本的に国からの森林環境譲与税は市町に入って、市や町が事業をするというふうに聞いているんですけれども、この県に入る分というのはそれとは別に入ってきて、この基金を使うという理解でいいんですか。
〇村上次長 森林環境譲与税につきましては、国のほうから市町のほうに交付されるものと、それとは別に、市町の支援の施策に使うというようなことで、国のほうから直接県のほうに入ってくる分と、二つの流れで入ってくることになります。
〇村林委員 大まかな比率みたいなものというのはあるんでしょうか。例えば、県のほうだと半々みたいなものがありますけれども。
〇村上次長 比率といいますか、試算でございますけれども、三重県の市町に入る全体の森林環境譲与税額が約3億8000万円と試算しております。県のほうに入りますのが約9500万円ということで試算をしているところでございます。
〇村林委員 ありがとうございます。しかもそれは、あくまで市町の取組に対する支援に県として使っていくということになるわけですね。
〇村上次長 直接市町を支援するような取組とともに、新たな森林管理システムというのが動いてまいりますので、例えば経営体、事業体への人材育成とか、そういったものに支援をするという形になってまいります。
〇村林委員 そうしますと、この条例案の趣旨として、市町が実施する森林の整備の支援等に係るものに使うというふうに書いてありますけれども、やはり県域全体を考えながら、必要なものに充てていくという理解ですね。
〇村上次長 市町が行う森林の整備といいますのは、市町が直接整備をする森林の整備と、一旦市町が森林を受け取った後、意欲と能力のある経営者に委託をするというようなこともございますので、人材育成につきましては、そのシステムが円滑に動くようなというふうな意味合いもございまして、こういう言い方となっております。
〇村林委員 全てが理解できたかは私のほうで自信がないですけれども、市町の取組が円滑に進むような人材育成とか、そういうものに充てていきたいというふうに聞かせてもらいました。
続いて、この補正予算のほうなんですけれども、後で参考資料としていただいたほうの、最後の4ページのところに、一番下に森林情報基盤整備事業費ということで、「災害に強い森林づくりをより効果的に進めるため、航空レーザ測量を実施し」と書いてあるんですけれども、この辺も、例えば森林境界の明確化とか、そういうところに関係してくるのかなと思うんですけれども、今の基金のほうの森林環境譲与税で行うような部分と、県の県民税を利用したりこうした補正予算なんかでやっていく森林境界の明確化の部分は、たしかすみ分けるというような御説明を以前いただいたような記憶があるんですけれども、そのあたりのすみ分けの話と、今回のこの補正予算の関係がわかるように説明いただきたいんですけれども。
〇横澤課長 まず、森林情報基盤整備事業費の補正額のところですけれども、こちらは県民税を活用させていただく事業でございます。こちらの事業の趣旨としましては、航空レーザ測量を実施するんですけれども、その目的としては、災害に強い森林づくりというのを効果的に進めていくために、どういったところから手をつける必要があるのかと、その優先度を確認するというのを主眼に置いて行うというものでございます。そのためになりますので、県民税をまず使わせていただくということです。
今、後段部分で御質問のあった新たな森林経営管理システムの支援事業のほうですけれども、このとりました航空レーザ測量の結果というものは、災害に強い森林づくりのほかに市町が森林整備を行う上でも活用可能なデータということでございますので、その活用の仕方を森林環境譲与税を活用してモデルをお示ししていくと。それによって市町の森林整備の支援をしていくというふうに分けています。
以上です。
〇村林委員 御答弁ありがとうございます。
とすると、これから森林境界の明確化はどちらかといえば市町が主体でやっていってもらわなあかんという理解でいいんですか。それで、全般的な航空レーザ測量とかそういう情報を市町に提供して支援していくというすみ分けになるんですか。
〇横澤課長 森林経営管理法上、その制度を回していくために行います森林境界の明確化というのは、市町に行っていただくというふうになってございます。ですので、これから森林境界を明確化しまして森林整備をしていくというのは、まずは市町が主役ということです。なので、それに対してデータを提供する、あるいはデータの使い方を提供するといった形で、県として支援していくということでございます。
〇村林委員 法律的にそうだということならば仕方がない部分はありますけれども、相当大変な作業だと思うので、ぜひとも御支援いただきたいと、よろしくお願いしておきたいと思います。
最後に、ICTを活用した新たな資源管理システム構築事業費って、水産業のほうの話ですけれども、漁船等に自動水質記録計を設置して、いろんな科学的データをとってもらえるということで、ありがたい話だなというふうに見せてもらうんですけれども、どういう感じなんですか。予算はそれほど大きくないんですけれども、伊勢湾内に限るのかとか、私はいろんなデータを蓄積してほしいと思うんですけれども、どのぐらいとれるような見通しとかはあるんでしょうか。
〇藤田課長 この「漁船等に自動水質記録計を設置し」ということですけれども、限られた予算の中でということで、伊勢湾内の底びき網漁船に装着することを予定してございます。といいますのも、特に伊勢湾の海域、アサリ資源の減少、イカナゴ資源の減少等危機的な状況があり、水温の高温化ですとか、あるいは夏場に発生します底層の酸素の量が少なくなる貧酸素化、こういったものを調べるようなことを目的で考えてございます。
〇村林委員 わかりました。御答弁ありがとうございます。
伊勢湾内の状況も大変厳しい状況と理解していますので、ぜひともしっかりお願いしたいと思います。しかし、ほかの外湾部分でもいろんな変化が起きとると思うので、これに限らず、しっかりデータは収集して蓄積いただきたいとよろしくお願いして、とりあえず以上です。ありがとうございます。
〇谷川委員長 ほかにいかがでしょうか。
〇喜田委員 関連するところなんですけれども、災害に強い森林づくりということで、航空レーザ測量をして森林情報の把握等に努めていくということなんですけれども、送電線が通る部分の森林の状態であるとか、昨年度、台風によって送電線に倒木があって、飯南の一部が停電に陥った、復旧までにかなりの時間を要したということがあるんですけれども、そのときの写真を全て今日持ってきたんですけれども、もしあれでしたら後で見ていただきたいんですけれども、災害に強い森林づくりということは、そういうふうな部分も入ってくるのか入ってこないのかあたりをまず教えていただけますか。
〇朝倉課長 いわゆる停電のときの倒木とか、そういうふうな際の森林整備について、みえ森と緑の県民税のほうで対応させていただこうというふうに考えておりまして、みえ森と緑の県民税の中で市町交付金事業というのがございます、市町の判断にもなりますけれども、そちらで対応させていただきたいというふうに考えています。今現在、そういうふうな倒木に関してとか電線の下の木の伐採とか、そこは行ってはおりませんけれども、かなり近いところを行っている事業もありますので、市町交付金のほうで、市町で対応していただこうというふうに考えております。
以上でございます。
〇喜田委員 ということは、森林情報基盤整備事業には、そういうふうな部分の調査は入らないという認識でよろしいんですね。それと、それはあくまでも市町の独自の調査によって、みえ森と緑の県民税を使ってやっていくべきというふうな整理でよろしいんですか。
〇横澤課長 まず、森林情報基盤整備事業費につきましては航空レーザ測量をやるということです。航空レーザ測量は、今年度の予算で全て県域をカバーできるわけではございませんので、順々にやっていくということになります。木にかかっているところというのをわざわざレーザーでというよりは航空写真で把握できるかと思いますけれども、そういったところの判定をするのにも当然使うことはできるということですね。
市町交付金事業ということで申し上げていますけれども、送電線がかかっているところというのは、森の中でも結構ピンポイントとはいいませんけれども、ある程度特定されてくるというところがありますので、そこは、より現場に近い市町のほうが現場を把握されやすいということもありますので、その地域地域の実情に応じてきめ細かくやっていただくほうがいいというふうに判断しているというものでございます。
〇朝倉課長 みえ森と緑の県民税のほうのお答えをさせていただきますけれども、中部電力から電線であるとかそういう位置というのも図面をいただけるということになっておりますので、県もそういうふうな技術的な支援を行いながら、市町交付金のほうでやっていただきたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
〇喜田委員 ありがとうございました。私が少しピントのずれた質問をしていたんだなと気づかせていただきました。新人ですので、お許しをいただければと思います。ありがとうございました。
〇谷川委員長 それでは、ほかにいかがでしょうか。
〇中森委員 ちょっと村林委員と関連しまして、航空レーザ測量についてですが、人工衛星からの立派な見張りとか、人工衛星があるんですね、そこからレーザーで三重県の様子や災害の発生した様子とかいうのは、既にそういうのが活用されているというふうに伺っているんです。そういうのを利用すれば、相当な状況というのがデータ解析できるのではないかなと思うんですけれども、それとは別に、航空レーザ測量というのは、衛星じゃなしに空を飛ぶ航空ですので、飛行機か何かでレーザー測量をするんでしょうか。
〇横澤課長 飛行機ですね。いわゆるセスナ機ぐらいのレベルの大きさですけれども、そういったものを飛ばして、そこからレーザーを照射するということでございます。
〇中森委員 レーザー照射の場合は、距離とかいうので等高線とか、そういう様子が全部わかるんですけれども、そのことと、空から見て、木の様子だとか生育だとか樹種とか、そういうのは一般的な3Dのもので見ればすぐわかるので、データというのはそういう種類のものと、これによって宇宙でつけたそのものは使われないのと、別にこれがなぜ必要なのかなというのはまだわかっていないので、ちょっと教えていただきたいんですけど。
〇横澤課長 今おっしゃっている宇宙からのというのは、画像データということになります。解像度の問題はありますけれども、写真なんですね。レーザーを飛ばしますと、写真データだけでわからないような一本一本の木の太さとか、そういったところまで細かにわかると。今、写真だと、この辺はヒノキの林とかそういった形なんですけれども、レーザーを飛ばすことによって、太さがどれぐらいになっているというようなところまでわかってくるというのがありますので、森林の資源量をより細かに把握できるというところで、レーザーのほうが情報量が多くなってくるということでございます。
〇中森委員 わかりました。よろしくお願いしとくしかないなと思って、ちょっと関心が、最近いろんな情報が、グーグルとかほかで使ったデータが割と公開、利用できるというのがオープンになってきたというふうに伺っていましたもので、そういうのも活用しながら、等高線だけと違って、三重県の様子が、いろんなものをあわせたら、もっとより具体的にかつ効果的な資料ができるのではないかなと思ったもので、今の説明で理解させていただきました。
〇谷川委員長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
〇森野副委員長 家畜保健衛生費のところの豚コレラの関係なんですけれども、補正も含めた合計として、死亡野生イノシシ等の検査体制というののボリューム感というのと、家畜防疫に必要な設備の設置及び資材の投入というものの中身のボリュームをちょっと教えていただけないでしょうか。合計の総量ですね。
〇森内次長 まず、上段のほうの死亡野生イノシシ等の検査体制のほうですが、こちらは従前のものに加えて、新たに30頭分の検査薬剤と、資材調達等の必要な取組をやるということになります。
あと、家畜衛生危機管理体制維持事業費、こちらにつきましては、それぞれの農家でいろんな対応をしていただいているわけなんですけれども、それをより一層強化するという観点で、養豚農家に対して電柵が必要な方は電柵、ワイヤメッシュ柵が必要な場合はワイヤメッシュ柵、それからセンサーカメラが要るようなところはセンサーカメラというようなことで、農場個々の状況に応じて必要な資材を提供させていただくというようなことで、58農場あるわけなんですけれども、そういった農場のレベルアップというのを図っていこうという狙いで補正とさせていただいております。
〇森野副委員長 そうすると、プラス30頭分で合計は幾らになりますか。
〇森内次長 全体の検査費用というような形で見ておりましたので、もとあった分というのは明確にはなっておりませんでしたけれども、10頭ないし20頭分は十分見られるような内容になっていたわけですので、現時点での状況は、この予算でマックス50頭程度は可能にはなっているのかなという状況になっております。
〇森野副委員長 何か数字の大きさが全然違うので、ぴんときませんけれども、下のほうの資材の関係は58農場の要望がこれで全部満たされている感じなのか、枠で押さえている感じなのか、イメージとしてはどんな感じなんですか。
〇巽対策監 農家の要望を聞きまして、現在のところ対応しております。順次、それ以降の要望も踏まえて検討しておるところでございますが、現段階における要望を聞いておるというところでございます。
〇森野副委員長 では、今のところは、締めたところまでの要望はこれで満たしているということで。〇巽対策監 そういうことでございます。
〇谷川委員長 ほかにいかがでしょうか。
〔発言の声なし〕
〇谷川委員長 よろしいでしょうか。なければ、これで本議案に対する質疑を終了いたします。
ウ 委員間討議 なし
エ 討論 なし
オ 採決 議案第3号(関係分) 挙手(全員) 可決
議案第7号 挙手(全員) 可決
2 所管事項の調査
(1)「三重県における補助金等の基本的な在り方等に関する条例」に基づく報告について
ア 当局から資料に基づき説明(更屋副部長)
イ 質問 なし
3 委員間討議
(1)執行部に処理経過の報告を求める事項 なし
第2 常任委員会(農林水産部関係)
1 所管事務の調査
(1)「令和元年版成果レポート(案)」について(関係分)
ア 全体説明、施策311、312、147
(ア)当局から資料に基づき説明(前田部長、更屋副部長、森内次長、辻󠄀森次長)
(イ)質問
〇谷川委員長 それでは、御意見等がありましたらお願いいたします。
〇小林委員 ちょっと聞き逃したのかもわかりませんけれども、農福連携のことが全然書かれていないんですけれども、その辺は今後どのように考えられているのかというのが一つと、もう一つは、農業の振興の中でやっぱり気になるのが、生産調整が廃止されたことによって、適切な目安というか、そういうことを各生産者にきちっと伝達することができておるのかというのと、それから、17ページの「新規就農者の確保に向け」云々というので、この補正のところにもあったんですけれども、「「居ぬき」の物件をあっせんする」云々ということで、128万6000円ですけれども、これはあっせんをするためだけにこれだけのお金が要るのか、具体的にどういうことに使われるのかというのを3点お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
〇森内次長 農福連携につきましては、施策が131ということで、主担当部としては他部局のほうでぶら下がっている関係上、御説明した中での施策312の中には記載がないということになっております。これまでも何度か御説明していますように、しっかり取り組んでいくということで方向性は整理させていただいてございます。
あと、米の生産調整の目安につきましては平成30年産からということで、行政の配分がなくなりましたが、国が一定、翌年度の需給見通しを公表します。その公表値を参考に、JAの関係団体であるとか米の流通事業者であるとかと協議いたしまして、今まで数量を配分だったんですけれども、一定の目安というような形で、来年度の需給見通しを勘案するとこれくらいの生産目安になりますよというのを各地域、市町段階に設置している農業再生協議会を通じて、各農家のほうに情報提供を平成30年産からさせていただいております。令和元年産に向けてもさせていただきましたし、令和2年産に向けても、この12月に情報提供はさせていただく予定としております。
あと、17ページにありました「居ぬき」の事業は、今回補正でも計上させていただいているんですが、こちらにつきましては、主に調査とデータベースをつくるソフト的な経費としての計上になっております。事業の仕組みとしては、廃業なり規模縮小される方のハウスなりの耐用年数の経過度合いであるとか損傷度合い等、あと立地条件なんかを見て、それからその持ち主とも相談しながら、一定の譲渡価格であるとか、場合によっては、貸借の場合は賃貸価格なんかをある程度調整したものをデータベースにして、新たに取り組みたいという方にあっせん、結びつけるというような仕組みになっております。
〇小林委員 ありがとうございました。一つ目と二つ目についてはわかりました。
三つ目なんですけれども、かなり件数ってあるんでしょうか。どれぐらいあるんですか。
〇矢野課長 件数、対象となるものですけれども、今のを正確には把握していないんですけれども、全県で数百件ぐらいはあるだろうなという、そのうち今年度については、100件ぐらいをめどに調査をしていきたいというふうに考えております。
以上です。
〇小林委員 わかりました。
〇谷川委員長 そのほか、いかがでしょうか。
〇三谷委員 獣害対策で1点お伺いをさせていただきたいんですが、カワウなんですけれども、こちらのほうにも「内水面振興と合わせて、駆除対策に取り組みます」云々で、カワウについては被害の防止、軽減を図るために漁協等が行う防除・捕獲の取組に対して支援をするということなんですが、内水面が中心になってくるだろうと思いますが、今、年間の支援している金額というのは幾らぐらいなんですか。
〇藤田課長 今年度当初予算で110万円の補助を予定しております。
〇三谷委員 それは、全内水面漁協に対しての総額ですよね。
〇藤田課長 そうです。
〇三谷委員 内水面は幾つありますか。
〇藤田課長 内水面漁連に対して一括して各地区でやっていただく分に対する支援ということで、内水面漁連に対して一括して交付しております。
〇三谷委員 その漁連の中にいわゆる内水面漁協が、幾つかというか所属しているわけですが、この金額というのは、過去に比べれば劇的に減ってきているんですよね。劇的に。この今の100万円ぐらいのお金で何ができるのかと。桁が一つ変わってしまっている補助金で、ここには取組に対して支援を行いますと書いてあるんですが、これで取組の推進というのはできるんですか。
〇仲次長 委員がおっしゃるとおり、過去には何千万円というような補助金を出していたこともあるんですけれども、予算が厳しい折、だんだんこういうふうになってきております。国のほうも、県を通らずに全国内水面漁連、それから三重県内水面漁連と、そういうふうなルートでカワウ対策の補助金というのが出ていまして、そういうのも活用をしていただいているというところもありますし、補助金ではどうということもありますので、技術的な支援としまして、水産研究室のほうで他県の例とか、進んでいる例としまして情報提供、そういう研修会等で例えば黒テグスを張ると効果的ですよとか、ドローンを使っているところもありますよとか、そういうようなことで支援させていただいておるというのが現状でございます。
あと、他県というか、カワウは広域的に分布するということもありますので、15府県で構成する中部近畿カワウ広域協議会、これは環境省とかに一生懸命やってもらっていますけれども、その中に入って、いろいろ近隣の府県との連携によるそういうようなことも検討を進めているところでございますし、最近では岐阜県が呼びかけて、愛知県、岐阜県、三重県、滋賀県で広域的に何か対策をとっていこうという話もありますので、そういうふうなところにも参加していきたいというふうに考えております。
〇三谷委員 ここで余り金額が少ないことを追及しても仕方がないとは思いますが、例えば情報提供をされるにしても、ドローンを使えば効果的ですよと言われたって、ドローンを使うのもまた金がかかる話なので、単に情報の提供だけじゃなくて、やっぱりそれなりのきちっとした裏づけの支援というものがなければ、本当に生きたものにはなってこないのかなと、そんな感じがしていますので、ぜひそういうところにも目を開いていただいて、お願いしたいということです。
続けてよろしいですか。
〇谷川委員長 どうぞ。
〇三谷委員 農林水産業のイノベーションを支える人材育成と新たな価値の創出のところで、平成28年度から30年度まで、県民指標の実績値がずっと下がってきていますね。下がってきている中での話なんですが、ちょっと教えてもらいたいのは、10ページの三重県農林水産品販売拡大戦略を策定したということで、三重県フェアで117品目が使用されましたということ、それからその後、「東京2020大会スポンサーと連携した各種取組において、74品目の県産農林水産品の利用を促進しました」ということなんですが、この74品目の促進というのはどういうことなんですか。きちっと取引として成り立って成果としてあらわれているということなんですか。それとも単にプロモートしたというだけの話なんですか。どうなんですか。
〇竹田課長 74品目の促進というのは、具体的には、大会スポンサーであるJALとかあるいは味の素であるとか、あるいはまたキッコーマンであるとか、そういった企業の皆さんと連携しながら、主にはイベントとかを通じて、そこでそういった品目を使用していただくというふうなことをしまして、売り上げに結びつけているというふうな内容でございます。
〇三谷委員 そういう御努力というのは否定もしませんし、大いに進めていただきたいなと思うんですが、やはりそれが今後のきちっとした商売として成り立っていくというか、成果としてきちっと売り上げにつながってくるようなものにしていかなければいけないと思うんですが、そういうところの指標というか成果の部分というのは、どこで見ていけばわかるんですか。
〇竹田課長 実はこの成果目標の中で、施策311の活動指標の基本事業のところ、ページでいうと9ページの食のバリューチェーン構築による新たなビジネスの創出というふうな部分で、「みえフードイノベーション」から生み出される商品等の売上額というふうな部分に、全てというわけではございませんが、ここである程度把握していくというふうな格好にしてございます。
〇三谷委員 努力は大事なんですけれども、やはり具体的に成果としてあらわれてこなければ、なかなか見えてこないというかリターンがない話になってきますので、ぜひお願いしたいと思います。
最後に1点だけ、農業の振興の中の17ページの畜産に関してちょっとお伺いしたいんですけれども、マル10で「県産畜産物の輸出促進を図るため」云々でずっと書かれていた、特に「アジア経済圏(香港、台湾、マレーシア等)や米国等をターゲットとする県内畜産事業者の主体的な輸出取組を引き続き支援するとともに」ということなんですが、このごろ何かアジアのほうに結構シフトした感じでいろんな御説明をいただくんですけれども、ここにも米国と書いてありますが、かつて伊賀牛をアメリカでプロモーションしたり、松阪牛もやったのかな、そういうものが具体的にその後どうなっているのかというのがよくわからないですし、特に4年ぐらい前にミラノ国際博覧会で、ヨーロッパに進出させるんだということで、たしか知事も行きましたよね。大々的にやったんですが、このごろヨーロッパのヨの字も聞こえなくなったんですが、ヨーロッパのほうでの販売の促進というのは、現状どうなんでしょうか。
〇森内次長 米国のほうにつきましては、スタート当時、松阪牛と伊賀牛でそれぞれプロモーションをかけていったわけなんですけれども、今、伊賀牛の輸出は年間約一、二頭のペースで、継続的にアメリカに輸出が続いてございます。ただ、松阪牛につきましては、松阪牛協議会の考え方としても、継続的な輸出というよりも、松阪牛を世界の人に知ってもらうPR輸出という観点での取組が中心となっていまして、今アメリカのほうに輸出はされていない状況になっています。
あと、ヨーロッパのほうにつきましては、その後、輸出等の取組というのは進んでいないのが現状となっています。
〇三谷委員 ミラノ博のとき、たしか三重県もブースをつくって、何か力を入れてやったという記憶があるんですけれども、それはもうその後、立ち消えということで理解していいんですか。成果が出なかったから全部だめだというように全否定するつもりは毛頭ありませんけれども、成果が出てこなければ、やはりそこら辺のところはきちっとした総括なり、こうこうこういう理由で今滞っているなり、前へ進んでいないんだということへの反省も当然伴うことだろうと思います。やっぱりああいうことだって、多少なりとも税金を使っているわけですから、そこは頬かむりのまま今度はアジア圏ですよという話は、ちょっと通らないのかなという気がするんですが、いかがですか。
〇森内次長 ミラノ博の件につきましては、十分承知していない部分もございますので。ただ、当時、総合的な食材ということでの輸出だったのかなという記憶はしております。いろんな取組をやった成果と結果で、今現在ヨーロッパ向けの取組はやっていないわけなんですけれども、今後また日欧EPA等もございますので、その点で次なる取組に向けて、当時の状況等しっかり精査して、今後に生かせるような形で検証させていただきたいと思います。
〇三谷委員 県議会もたくさん議員がミラノ博に行きましたので、余り偉そうなことは言えないんですけれども、せっかくやったことですから、ぜひ。もしそれがだめならだめでいいんです。しかし、その辺に対してきちっとした総括をして反省して、それを次に生かしていくという試みがなければ、単にミラノ博に参加したということだけで終わってしまいますので、ぜひそういうところも含めてお願いしたいなと。
〇前田部長 御指摘ありがとうございます。ミラノ博は松阪牛以外も、例えば雇用経済部ですけれども、日本酒とかいろいろ出させていただいて、恒常的な取組につながっているものも多々ありますので、そういったものも含めて、農林水産部の出したものも今どういうような形でされているのか、あるいはまた、今後アジア中心にいきますけれども、当然その際のこれまでの部分が行くときの一つの課題にもなってくると思いますので、その辺はしっかりとやっていきたいと思います。
〇三谷委員 ぜひお願いします。終わります。
〇谷川委員長 ほかにいかがでしょうか。
〇中森委員 施策312農業の振興にかかわる県産米の販路等々に関するお話で、令和元年度の取組方向では、「首都圏の米穀事業者やラグジュアリーホテル等へのプロモーションにおける「プレミアムな『結びの神』」の活用を進めるとともに」と、こういう云々で進められているという方針が出ています。三重県産の水田農業の7割はコシヒカリというふうに伺っていまして、結びの神というのはどの程度作付されて、食味ランキングはどのようになっているかというのをお聞きしたいんですけれども。
〇矢野課長 結びの神の作付につきましては、昨年産は200ヘクタール弱で、今年度産については少しふえまして、二百三、四十ヘクタールぐらいの作付になろうかと思っております。
〇中森委員 食味。
〇矢野課長 食味ランキングのほうには伊賀米コシヒカリのように出していないので、そこはないんですけれども、品質でいいますと、温暖化に対しても非常に品質がいいということで、1等米比率は昨年でも90%程度になってございます。
以上です。
〇中森委員 今まで三重県が生み出した品種は、みえのゆめ等々、過去いろいろありまして、これもその一つでしょうが、私は成功したというふうに実は思っていないんですけれども、今、結びの神を売り出すことに反対するつもりは毛頭ないんですけれども、定着するにはまだ二百数十ヘクタールでは、三重県産のお米というふうに打ち出すにはまだまだではないかなと思うんです。
三重ブランドであります伊賀米コシヒカリと比較するのもどうかなと思うんですけれども、三重県にはいろんな地域があって、伊賀においては既にこれが食味ランキングも特Aという評価をいただいて、一旦ランキングが落ちたときでもまた取り戻したという、魚沼産コシヒカリをしのいでということを高く評価されている、自負しているわけなんです。
やはりこういうことを三重県としてしっかりと打ち出していくことにもっとプロモーションが必要ではないかなと思うんですけれども、表現がちょっと寂しいかなと思うんですけれども、どうですか。
〇矢野課長 委員がおっしゃるとおり、三重県の伊賀米コシヒカリも代表する銘柄の一つであると思いますし、そういったものを含めまして三重県産の米というふうなことで、先ほど施策312にもありました首都圏でのホテル、レストラン等でのPRとか、いろんな活用について、県産米として伊賀米コシヒカリも含めまして進めていきたいというふうに考えてございます。
〇中森委員 ちょっとくどいようですけれども、実は西日本で、伊賀米コシヒカリはトップなんですね。新潟県産はさすがに立派なところが多いですけれども、それに匹敵する状況になっているんですよ。三重県に誇れる伊賀米コシヒカリがあるということはやはり認識をしながら、リーダーを引っ張らないと、伊賀米でない三重県産コシヒカリが衰退していくことになるということが心配されます。それと同時に、この新しい品種がどれだけ農家に浸透し、県内に広がるかというのも過去の状態から見たら、非常に心配するんです。過去のみえのえみとかがあったじゃないですか、それがせっかく設備投資というのかな、技術開発し品質改良しつつも、現場ではやはり、なれたというんか、先輩がつくってきたことを継承している農村のほうがはるかに多いということなんです。
そういうことがありまして、トレーサビリティやったり、よりしていくという、そういう品質を確保しながら三重ブランドに匹敵する結びの神がどこまで三重ブランドに近づくのか、この言うてるラグジュアリーホテル等へのプロモーションになぜ結びの神を活用するのかなというのを、農家からすると不思議に思っている部分があるので、いや、コシヒカリやろって、こういうふうに普通言うんです。それは、津の人、伊勢の人は知りませんで、私の近所ではそういうふうにおっしゃっていまして、三重県の進め方がどうも理解できないという人の声が多いのではないかなと思いまして、今度予定されておりますコシヒカリ振興の協議会というので大会がございまして、その場でもコメントを求められていますので、またどのように県が取り組んでいくかと御指示をいただければと思うんですけれども、もう一度だけ確認のコメントをいただきたいと思います。
〇前田部長 伊賀米コシヒカリもさっき委員がおっしゃったように、食味ランキングで、一旦落ちたんですけれども、またトップへ上がっていただくということで、生産者の方に非常に努力していただいておるというのは私のほうも了解しておりますので、そういった努力をどうやって販路拡大に広げていくかということで、県のほうとしましても、結びの神は県のほうで品種をつくったものですので、そこのところも当然ですけれども、伊賀米コシヒカリのよさというのも他地域、県外も含めて十分広げていきたいというふうに考えています。
〇中森委員 最後に、これはちょっと蛇足になりますけれども、お米日本一コンテストというのが毎年行われておりまして、静岡でしたけれども、毎回伊賀米コシヒカリの熱心な人が応募をしまして、ベスト30位に入っていまして、そういう農家があるということ。それと同時に、やっぱり結びの神を作付されている方も、同じようにそういうところ、全国のコンテストに出すような勢いが欲しいかなというふうに思うんです。県が主導するならば。そうしないと、何ぼいいお米でも、直接よりかやっぱり価格に影響してくるんですよ。評価が上がるとブランドというのは価格に評価をされて農家も張り合います、そうすると、もうかる農業につながるわけですよ。価格に評価されなければ、せっかくのいい米をつくっても自己満足で終わってしまう。
やっぱり県内はもとより県外へ評価が上がっていけば上がっていくほど、松阪牛が欲しいと、単価が上がっていくんですよ。そうすると、伊賀米コシヒカリであったり結びの神の値段が上がっていくというような戦略をしたほうがいいのではないかなということを申し上げておきたいと思います。
〇谷川委員長 答弁はよかったですか。
〇中森委員 はい。
〇谷川委員長 それでは、ほかにいかがでしょうか。
〇村林委員 よろしくお願いします。
施策147獣害対策の推進のところで大きく二つ聞かせてもらいたいんですけれども、まず一つ目が、活動指標であるニホンジカの推定生息頭数が目標達成状況は0.96ということで、達成できていないということではありますけれども、4万6200頭まで減ったということですよね。たしかもともと六万、七万頭いたと私は記憶していますので、達成できなかったとはいえ、この4万6000頭余りまで減ったということはすごいことだと思いますし、大変高く評価したいと、そのように感じます。ありがとうございます。
今後ともぜひとも進めていただきたいんですけれども、この数字を見せてもらって感じたのが、これだけ減っておるにもかかわらず、一方で被害は減ってはおりますけれども、まだ変わらずあるような部分や実感が伴わない部分、私が夜家に帰るときに、道端で見る鹿の数の実感なども、それほど減ってはいないんですよね、というようなことを考えると、生息域がシフトしてきているという可能性があるのではないかと思うんです。山奥におる鹿の数と人間の生活域、集落近辺におる鹿の数との比率というものが今後は問題になってくるのではないかというふうにこの数字を見る限りは感じるわけなんですけれども。
とするならば、もちろんこれからも生息数の管理というのは続けていただきたいんですけれども、エリアをもう少し意識して、集落周辺には鹿はいない、イノシシもいないというような、人間と野生動物とのすみ分けの考え方をこれから、あるいは次の行動計画になるのかもしれませんけれども、より強く入れていくことが重要ではないかと、この数字を見ると感じるんですが、そのあたりの御所見はいかがでしょうか。
〇近藤課長 鹿の推定生息頭数についてでございます。これはあくまでも全体を調査したわけではなくて、ふんのありぐあいとか、ふんの固まりのありぐあいとかから推測したものであるということなんですけれども、ニホンジカにつきましては、一般的に言われている有害捕獲と狩猟とを合わせまして、平成29年度につきましては大体2万1000頭捕獲していただいております。それから、平成28年度、27年度とも大体それぐらい捕獲していただいた中で、ようやく鹿の頭数が減ってきているという形になっております。ですので、委員がおっしゃいましたように、生息域が変わってきているかどうかまで把握し切れてはいないんですけれども、場所によってはかなり減ってきたなと言っていただいている場所もありますし、やはり今後も引き続き捕獲を続けていかなければならないというエリアがあるというのもありますので、今後につきましては、そういったとこら辺をもう少し調査できる範囲でさせていただいて、正確な調査をさせていただいて、委員に言っていただいておりますように、イノシシも含めてすみ分けのほうにも努力していきたいというふうに思います。
〇村林委員 ありがとうございます。すみ分けの努力を進めていただきたいという、その御答弁は大変ありがたいと思いますので、よろしくお願いします。
推定生息頭数のお話で、今、ふんのありぐあいというお話でしたけれども、ふん粒法での誤差が大変大きかったのでベイズ推定法を導入しておるというふうに私は理解しておりますので、ベイズ推定法導入以後は安定して微減という数字が出ておるというふうに理解しておりますので、その辺はよろしくお願いします。
それと、御答弁の中にはなかったですが、以前御説明いただいておる中の、メッシュ単位で生息頭数を把握しておるというようなこともしていただいておるはずですので、そういうようなことも進めていただきながら、最後に言っていただいたすみ分けの努力みたいな部分を今後進めていただきたいと要望させていただきます。
というのが大きな1点目で、次は、大きな2点目のほうのお話をさせていただきたいんですけれども、この全体の施策147を見ると、イノシシに関する取組の記述がかなり弱いというふうに見受けられるんです。今、豚コレラの話題も相当あるわけなんですけれども、猿、鹿、イノシシというのは要するに天敵がいないというのが大変大きな問題だと。語弊があるかもしれませんけれども、非常に大きな視点で捉えれば、天敵がいなくて無秩序にふえた生き物というのはウイルスが淘汰するというのが地球規模ではよくあることです。ですから、たまたま今回は豚コレラですけれども、増え過ぎたイノシシに対して、病気がはやるというのは天然のあり方としては考えられることでありまして、そういうような不測の事態に備えるためにも、イノシシの適正な頭数管理というのは重要だというふうに思えるわけなんです。
ここには書いていないんですけれども、イノシシの特定鳥獣管理計画というようなものを今後つくっていくということが重要なんじゃないかと思うんですけれども、現状はどうなっておりましたか。その辺を教えてください。
〇近藤課長 先ほど言っていただきましたように、鹿のほうはベイズ推定というのでさせていただいておるんですが、そこへもふんの状況とか、前年度捕獲した頭数とかを含めて推測させていただいております。イノシシのほうにつきましては、全体の数量を把握する学術的な推定方法がないので、今のところ、イノシシの全体の管理計画で頭数の把握というのはできていない状況でございます。ですので、管理計画におきましても、基準となる年限の被害額に対して目標になる10年後につきましては、被害額を半減するという目標になっておりまして、そういった形で管理計画のほうを策定させていただいています。
〇村林委員 管理計画の策定はしていただいておると。そういう中で鹿のようにわかりやすい頭数ではなく、被害金額でしていただいておるという御説明ですけれども、そのあたりの記述がないんですが、現状、イノシシの被害金額の推移とか達成状況みたいなものはいかがなのでしょうか。
〇近藤課長 被害金額につきましては、イノシシにつきましては、平成29年度で被害金額が1億2200万円ということで、平成26年度ぐらいから大体1億円前後で推移しておりまして、猿、鹿については減らしているんですけれども、イノシシについてはふえたり減ったりという状況が続いているところでございます。
〇村林委員 そうしますと、この施策147の中の指標にはないにしても、きちんと特定鳥獣管理計画をつくっていただいて進めておるのであれば、現状や推移がわかるようにしていただいて、進んでいないのなら進んでいない中でどうすればいいんだという議論をしていくのが大事だと思いますので、今後よろしくお願いします。要望としますが、もし何かあれば。
〇辻󠄀森次長 イノシシにつきましては、先ほどもありましたように、被害金額が1億円を前後しているという状況でございまして、大変繁殖力が強いということと、やはり獣害防止柵を整備してきておりますが、そのすき間であったり、老朽化したところで入ってくるとか、そういう突破する力が強いということで、そこのところをしっかり対応していかなければということで、令和元年度の取組方向としては、3番目に書いてございます侵入防止柵の効果的な設置と今まで設置したところの管理、補修等をしっかりする中で対応していきたいと考えておりまして、また、新たにイノシシの被害が発生したところについては早急に対策を実施していくということで、ここにイノシシという言葉を具体的には記述しておりませんが、こちらのところをしっかりしていくということで対応していきたいと考えております。
〇村林委員 ぜひイノシシについてもしっかり対策をいただきますようにまた議論していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
以上です。
〇谷川委員長 ほかにいかがでしょうか。
〇森野副委員長 村林委員のことにも関連するんですけれども、被害が大きい集落の割合というのが少し下げどまっているような感じがありまして、その原因として、設置後の侵入防止柵のすき間とか破損箇所の補修の話を今されたと思うんですけれども、これが進んでいなくて、下げどまっている大きな原因というのはどういうところにあるというふうに分析されていますか。
〇近藤課長 減っていない理由はそれが大きな原因かと。
〇森野副委員長 減っていないのは結果だと思うんですよね。原因としては、一つとして、侵入防止柵の維持管理がちゃんとできていないというふうに記載されていて、していかなければならないというふうに書いてくれているんですけれども、現状、ここのところ何年間か下げどまってきているじゃないですか。補修がちゃんと進んでいないという現状があるとおっしゃっているんですけれども、その原因はどういうふうなところにあるんかということをどういうふうに分析されていますかということです。
〇近藤課長 アンケート調査をさせていただいている中で、被害があるところに伺わせてもらったところで、そういった柵はしてもらったんだけれども、柵を突破されている。それから新たに柵をしたので、これまで入ってきていなかったところ、今まで獣害ってなかったんやけどなというところへも今度新たに入ってきているということがありますので、そういったことから、柵をしたところ、それからまた新たなところについて、きめ細やかに対策をしていかなければならないということで考えているところでございます。
〇森野副委員長 そうすると、集落の割合の分子の部分には、新たなところが加わっていて、現状のところよりもそっちのほうが多いというようなイメージなんですかね。
〇近藤課長 両方ですね。どちらが多いか少ないか、ちょっと今、数値としては把握していないですけれども。
〇森野副委員長 かつての材料支給を全額されて、作業だけを地域の方々にやっていただくというのが、今でもあるそうなんですが、手厚い新規の支援はあったけれども、補修のほうに対しては補助がないのか少ないのか、かなり厳しい状況で、そちらのそういう制度的な補修に対する補助のあり方にも問題があるんじゃないかみたいな話は聞いておりまして、そこらのことも、せっかくしたのに補修がされていなくて被害が下げどまってしまっている原因の一つなのかなというふうに考えているんですけれども、ただ、「メンテナンスの徹底を図る」とまで書き込んでいただいているのに、その裏づけとなる県としての補助とか政策というのがないんであれば、余りにも無責任な書きぶりなのかなということも感じますので、その辺はどうなんでしょうか。
〇近藤課長 補修につきましては、委員がおっしゃっておりますように、金銭的な県としての施策はないんですけれども、簡単にできる補修であるとか点検方法であるとか、そういったことを農業研究所なりで研究させていただいておりまして、地元の方でも簡単にできる補修方法等を研修会の場であるとかそういったとこら辺で紹介させていただいて、普及に努めているところでございます。
〇森野副委員長 そういうちょっとした縫うみたいな補修の仕方で済むようなところは、もちろんそういうやり方とかいろんなことも御指導いただけたらと思いますけれども、さっき言いましたような補助制度のあり方についてもしっかりと検討いただいて、せっかくしたものがキープされますようにお願いできたらなというふうに思います。それをやらないと、多分下げどまったまま下がっていかないような気がしますので、よろしくお願いします。
〇辻󠄀森次長 委員御指摘のように、被害が大きい集落の割合というのは、昨年度、その前と、とまっているような状況でございますけれども、この中で被害が「深刻」と「大きい」というのがございまして、それを県としては「大きい」というふうに捉えているんですけれども、「深刻」なほうから「大きい」と、少しレベルの下がったところ、全体としてはそういうところもございます。
アンケートをとっていく中で、やはりその集落の意見もお聞きしていますので、地域のほうも市町と一緒になって、そこをお伺いして、どういう状況があるのかというのをしっかり把握しながら、今後、先ほど言いましたように補修等も重要になってくると思いますので、しっかりお話しする中で、情報提供とか県のできる範囲は努めていきたいと思います。また、全体的には多面的機能支払ということで、直接この獣害対策ではございませんけれども、そういう中の出合い活動の一環としてやっていただくようなこともできると思いますので、また御相談しながら、そこについては、せっかくしたものについては適切な管理で成果がはっきりちゃんと出るように、県としても努めていきたいと思います。
〇森野副委員長 よろしくお願いいたします。
〇谷川委員長 ほかにいかがでしょうか。
〔「なし」の声あり〕
〇谷川委員長 なければ、全体説明と施策311、312及び147についての調査を終わります。
イ 施策313、153、314
(ア)当局から資料に基づき説明(村上次長、仲次長)
(休 憩)
(イ)質問
〇谷川委員長 それでは、施策313、153及び314の3施策について御意見等がありましたらお願いいたします。
〇喜田委員 施策313に関連するところで、二、三、質問をさせてください。
23ページの一番上です。「森林環境譲与税の導入に伴い、都市部の公共建築物等における木材需要の増大が見込まれる」というあたりは、どのようなことなのかということ。
それから、その下の4行目、「中国や韓国への木材の輸出」、これはA材なのかどうなのかというところが二つ目。
三つ目がマル2の3行目、「バイオマス発電用の木質チップ燃料」云々とありますけれども、「安定供給に向け、木質バイオマス供給施設の整備を支援」とはどういうことかということが三つ目です。
四つ目として、今年度末での到達目標のところで、木質バイオマスの利用促進みたいなことを書いてもらっていますけれども、現在、県内にある三つのバイオマス発電所の間伐材の割合、どれぐらい間伐材を使って稼働しているかというのが質問でございます。
以上四つよろしくお願いします。
〇村上次長 まず、最初の森林環境譲与税の導入に伴って、都市部での木材利用が進むのが見込まれるという件についてなんですけれども、森林環境譲与税につきましては、配分の中に人口割合というのが入っております。森林のない都市部におきましても一定程度の相当数といいますか、金額が森林環境譲与税という形で交付をされることになります。森林環境譲与税の使途の中には公共施設等の木材利用の促進みたいなものが入っておりますので、そういったことで都市部において、そういう木材利用が進むというような表記をさせていただいているところでございます。
あと、輸出に関してなんですけれども、韓国、中国へはここ5年ほど丸太での輸出がなされていたんですけれども、製品の輸出はほぼなされていなかったということで、今後は丸太ではなくて、価格の高い製品の輸出に取り組んでいくということで、昨年度、一昨年度ぐらいから取り組んでいるところでございます。
それから、マル2のところの木質バイオマス供給施設の整備ということなんですけれども、現在、高性能林業機械の導入というのが計画をされておりまして、具体的にはフォワーダという山の中から木を引っ張ってくる機械の導入が計画されているところでございます。あと、バイオマスでございますけれども、今稼働しているバイオマス発電所における間伐材等の利用計画量といいますか、間伐材等を使う量は約8万6400トンというようなことで計画をされております。率は出ていないんですけれども、他に一般材で12万トン、PKSで10万トン等というような計画になっているところでございます。現在、県内からは、7万2000トンぐらいが現在供給されているところでございます。
〇喜田委員 A材、木造住宅で高く売れる材木が伐採で搬出して世に出ていかないと、間伐材というふうな部分も利用促進につながっていかないということは重々承知をしております。木質バイオマス発電所が3社ある中で、間伐材の利用は総体的にはふえていると思うんですけれども、これは正確ではないと思うんですけれども、私の認識では、中部プラントサービス多気バイオパワーのほうでは、間伐材は15%から20%、グリーンエナジー津のほうで5%、それから三重エネウッドのほうで30%、それが三重県産の間伐材ですよね。あとはPKSという外材でバイオマスが運用されていると。だから、まだまだ三重県産の間伐材がバイオマス発電所のほうに運ばれていないという状況があると思うんです。
木材の利用促進というふうなところで、バイオマス発電所というのは、出口の部分としては非常に大きな部分だと思いますので、そこに行けない理由は伐採、搬出、運搬という費用がかさむからだとは思うんですけれども、そこに対して何らかの手を打っていかないといけないのかなというふうに思っておりまして、その辺で何かいい策があるわけではないんですけれども、そのあたりを今後どのように考えられているのかなと。森林環境譲与税によって、山に放置されている間伐材が出されてくる、それをバイオマス発電所のほうに運んでいくという状況の中で、活路が、何かいい策が見出せないのかなとかちょっと思っておりまして、そのあたりはどうでしょうか。
〇村上次長 間伐材のバイオマス利用につきましては、やっぱり採算性というのが重要となってまいります。それで、できるだけ運賃コスト、生産コストを下げていくというようなことで、一つは道を入れていくというようなこと、あとは、丸太のまま運びますとかさばりますので、非効率ですので、できるだけ山に近いところでチップ化して持っていくというようなことで、移動式チッパーを導入するとか、そういうようなことを今進めているところでございます。
あと、間伐材といいますか、県内からのバイオマス供給量の増につきましては、間伐で持ってこれる条件のいいところというのは、今後は余り急激に伸びないだろうと。もう持ってこれるところはかなり一生懸命持ってきていますので、今後につきましては、主伐を促進しまして、いいところはA材として使う、そうでないところはバイオマスのほうに持っていくというようなカスケード利用を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
〇喜田委員 多気バイオパワーのほうに視察に行きまして、多気バイオパワーのほうに間伐材を運んでいるのは、尾鷲の何とか林業というところ、多気バイオパワーはそこがほとんどで、飯高とかその林業従事者に聞くと、出してきて積んで持っていくそのコストを考えたらとんでもない話だと。とてもじゃないけれども、そんなん、成り立たないというふうなことを言われていますので、そのあたりを、何とか今言っていただいたようなことを促進していただいて、解決するような方向をともに探っていければと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
〇谷川委員長 よろしいですか。
ほかにいかがでしょうか。
〇三谷委員 施策313の林業の振興と森林づくりで、活動指標を見ていますと、31301の県産材の利用の促進、ここが非常に成績が悪いわけですね。「三重の木」認証材等の製材出荷量に占める割合、これの平成30年度の取組概要と成果、残された課題ということで、「「三重の木」認証事業者等と連携し、「三重の木」等をPRする」云々というようなことが書かれていますし、令和元年度の取組方向のほうでも、「「三重の木」等による住宅建築を働きかける」等々、また「「木づかい宣言」事業者を登録し、広く周知する」ということで、これは今までやっていることとそう変わりはないんですが、これで改善されるという見通しはあるんですか。
〇横澤課長 まず、活動指標の31301ですね。平成29年度に12.3%に落ち込んでいるというものの背景が一つございまして、28年度まで「三重の木」というものも出荷していた大口の製材所が一つ倒産したというのがございます。という背景がございまして、昨年度もこの常任委員会でかなり議論させていただいたところだったんですけれども、その数字がこの先、すぐにもとの24.7%に回復してさらに伸びるというのはなかなか難しい状況だというふうに考えています。そういった中で、「三重の木」認証材というのが今、平成30年度の数字が出てきたというところで、倒産された企業のほかのところから出ていくかと思ったら、そこまで伸びていないというところもございます。
なので、「三重の木」認証材というところに限って申し上げますと、需要側の問題として、この規格認証材が求められているのかどうかというのも一旦検証しなければいけない時期に来ているのかなと思っています。
令和元年度の取組方向について、「木づかい宣言」というのを昨年度から追加していっているというのは、「三重の木」認証材に限らず、三重の木の県産材というものを、今までの住宅以外のところも含めていろんなところで使っていただくというところに取組を広げるという趣旨で導入させていただいているものでございます。
〇三谷委員 この「三重の木」認証事業者等になったり、三重の木を使って住宅を建てた場合、何かええことはあるんですか。
〇横澤課長 県の事業としては、特段のメリット措置というものは設けてございません。ただ、金融機関のほうでローンの低減措置というのを今も続けていただいているという状況でございます。
〇三谷委員 この三重の木が始まった、同じころに岐阜県でやっぱり飛騨の木を使いましょうよというお話があって、岐阜県のほうで飛騨の材木を使って新しい住宅を建てると、飛騨家具がもらえるとか、そういうメリットが明確にあって、結構需要が伸びたりしているんですが、そういうふうなインセンティブを働かせるような事業展開をやらないと、恐らくこれはよくなっていかないんじゃないかなと思うんですが、そこら辺の御検討というのはないんですか。
〇横澤課長 県産材を用いた場合に補助というか、何らかの値段を下げるとか材木を提供するといった事業は、過去に三重県も実施していたという経緯がございます。ただ、それは、一定期間をもって、「三重の木」認証材がある程度浸透したというところでその事業をやめたところ、すっと戻ってしまったという経緯があるんですね。ということは、補助事業を入れている間は三重の木の上乗せにはなるんですけれども、それが補助事業の効果、それ以上に需要がふえていくというところにつながっていないという反省から、そういった事業については三重県では今実施していないという状況です。
そういった中で、これからどういうふうに需要を伸ばしていくのかというのは非常に大きな課題ではあるんですけれども、「木づかい宣言」って、ちょっとPRベースの話にはなってくるんですが、今、民間企業の側でなるべく国産材を使おうというような機運も高まっているというのもございますので、そうったところとうまくタイアップをして、補助があるから使うというんじゃなくて、三重県の木がいいものだから使う、三重県の木を使うことがいいことだから使うというのを前面に押し立てたような活動、施策というのを取り組んでいきたいというふうに考えています。
〇三谷委員 やめるときも同じような理屈を幾つか聞かせていただいて、結果が出ていないというのははっきりしているんですし、岐阜県の飛騨家具をもらうというのは一つひねりがあって、飛騨家具をつくる材料というのはやっぱり飛騨の材木なんですよね。ですから単にお金を出す、補助金を出すということではなくて、さらにもう一つ、飛騨家具をつくっていくというところでの新しい需要創造が絡まっていて、それをセットにしていくというところに岐阜県なりの知恵があったんだろうと思いますが、三重県としてはぜひそういうところも含めて少し知恵を出していただかないと、恐らくこれはよくなっていかないのではないかなと思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
それからもう1点だけ。水産業の振興で、26ページのところにも「アサクサノリ生産体制の構築」云々ということで出ているんですが、桑名のノリというのは、この冬、壊滅状態なんですよね。そのあたりのところが全く触れられていないんですが、これはもう一過性のもので、この冬だけ壊滅状態でも今後はすぐに回復するという認識なんでしょうか。
〇荒島課長 確かに今年、桑名のノリは非常に悪うございました。その原因として、潮位が異常に高かったというところがございます。そこで何が起きたかというと、要するに、桑名ですので、支柱柵、竹にノリ網を張ってする中で、網の管理が若干、思った以上に潮位が高かったため、ノリが海水につかりっ放しになった。それで若干ノリが弱く、病障害の発生のもととなり、生産が落ちたというふうに考えています。潮位が高かった原因については、今、黒潮が大変蛇行している中で、伊勢湾に結構影響しております。そういったこともあって、ある意味、一過性のものではありますし、ただ、これがまた何年続くかという保証もないので、これからは適正に養殖業者に網の管理をしていただけるように、例えば今潮位がこんなんですよ、あんなんですよというような情報の提供は次の漁期から水産研究所とともにやっていきたいと考えております。
〇三谷委員 そのような御指導があれば、この冬のような被害は間違いなく出ないということですね。
〇荒島課長 出ないように望んでいますし、きちんと管理していただければ間違いなく生産は戻ってくるという認識でございます。
〇仲次長 少し補足させていただきますと、桑名は今までこういうことがなかったものですから、予備網ということで、余分なノリ網を用意していなかったということもありますし、漁業共済に入っていなかったということもありますので、その点は、こういうことが起きてから、現地でいろいろそういうふうなことも話をさせていただいて、漁業共済にも入っていただくような方向、それから予備網も持っていただくような方向でいろいろ話をしておりますので、このようなことはないかというふうに思っております。
〇三谷委員 期待して、この冬また見させていただきますので、よろしくお願いします。
終わります。
〇中森委員 施策313林業の振興と森林づくりに関しまして、喜田委員からも質問がありましたけれども、令和元年度の取組方向の中のマル1のほうで質問させていただきたいと思います。
「公共建築物等の非住宅分野における県産材の需要を獲得する」ということで、これが森林環境譲与税にかかわることということを先ほどお話ししたというふうに大体推測されるんですけれども、三重県や市町の公共建築物で、ここ数年ですけれども、非住宅分野で県産材を利用した公共建築物というのは現実今までにあるんでしょうか。
〇横澤課長 県の直轄ということになりますと、余り大型のものというのはなかなかできませんけれども、市町単位で、例えば幼稚園ですとか保育園とか、あとは社会福祉施設等々がございます。それについては、例年、県産材の利用例という形で冊子にして、県下市町に対してこういった使い道があるよというのは情報提供させていただいているというところでございます。
〇中森委員 県民税の活用の一端も聞いておりまして、近くの保育園も一つ現場を見せていただきました。非常に好評でございますし、やはり小規模建築物のみならず中規模建築物にも県が積極的に取り組まないといけないのではないかと思うんですけれども、まだ一向に県の主たる庁舎、学校などなどについては木造の公共建築物が進んでいないというふうに思うんですけれども、今後どうされますか。
〇横澤課長 こちらはもう中森委員も御承知だと思いますけれども、県産木材利用の法律に基づきまして公共建築物で推進をしているというところで、県としても県産材利用推進本部というのを立ち上げて、例年木造化の検証というのをやっているというところでございます。
今後ということでございますけれども、今やっている県産材利用推進本部の議論の進め方について、より効果的に何とかできないかというのも林業分野内では検討しているというところです。いずれにしても、全体の公共建築にかけるお金というのが県の中で減ってきていますので、その中でもどういったところを木造化できるのか、なかなか拾うのが難しいところではあるんですけれども、木造化あるいは木質化の可能性があるというような建築物については、うっかり木造化、木質化できるはずだったのにできなかったということが起きないように、しっかりと林業分野としても設計段階からなるべくかかわっていけるようにしていきたいというふうに思っています。
〇中森委員 要するに、市町に対する指導は木造でどんどん進めなさいと、補助金も出して進めている一方、自らのところが現実ちゅうちょしている部分が見受けられますので、やはり逆で、県が自らやって、これがどうだということで市町や各民間に広げていくのが本来の筋だと思います。これはこれ以上議論しませんけれども、よろしくお願いいたしたいと思います。
もう1点は、今後この「県内の建築士等を対象とした中大規模建築物や非住宅の木造設計についての技術研修会を」云々ということで、これは非常に喜ばしいことで進めてほしいと思うんですけれども、問題は、建築士等に研修を進めるだけではなく、施主や工務店が伴わないと、建築士だけができても、実際は施主と設計と現場施工、これがそろわないとできないんです。それについての研修は「建築士等」だけだと不十分だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
〇横澤課長 平成30年度からこちらの研修を始めまして、昨年度は建築士の方と製材、それから林業現場の方を含めた研修という時間を入れています。なので、建築士と製材所、あるいは林業のほうのつながりというのはつくろうとしていたということです。工務店について、工務店と建築士の関係というのは、我がほうも十分勉強できていないところもございます。建築士だけに言っていけばいいのか、あるいは工務店というのがどういうルートでアプローチしていったらいいのかというのは、さらにこの先、研究していかなければいけないと思っています。
〇中森委員 まず、この1行目を見てください。1行目に何て書いてありますの。「県産材の需要拡大に向け、製材用となるA材について、地域の工務店や建築士等へ」って書いてあるじゃないですか。ということは、ちょっとわかっているわけですよ。前段としては。
〇横澤課長 1行目に書いてあるのは住宅の話で今まで言っていて、こっちの下の建築士の話というのは中大規模建築物向けのところを狙っていこうとしているというところです。中大規模建築物をやっていくときに建築士に加えて、今まで住宅をやっていた工務店が中大規模建築物にそのまま対応できるのかどうかというところでちょっと検証が必要かなと思っています。そういうところに対応できるような工務店とかそういうのがあれば、そこはさらにマッチングしていかなければいけないと思っています。
〇中森委員 どうしても設計が特殊になってしまって、まだまだ落ちついていないところは現実ありまして、九州のほうの設計事務所、東京のほうや大都市部の施工者がやっているというのが少なからずあるんです。それはそれで今、まだ過渡期ですので、一定仕方がないんですけれども、ここに至っては、やはり積極的に、研修会を開催するならば、地域の工務店って、別に小さな大工さんのことじゃなしに、一定の中堅企業もあるわけですよ。そういうところにしっかりと研修の場を設けることによって、大手に負けない、下請に入れる、協力業者となれる地域の工務店を育成しないと、これは進まないというふうに思うんです。そこはやはりしっかりと1行、ここの前に入れておかなあかん。入れておくべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
〇横澤課長 御指摘のとおりかと思います。どういったところにアプローチをかけるのかというところをまだ整理し切れていないところもあろうかと思いますので、またいろいろ教えていただければと思います。
〇中森委員 最後に、ちょっと、感想になりますけれども、ちょっと昔って木は燃えると、これはいつも言うてんねやけれども、木は燃えるという認識を皆さんが持っているんですよ、県民みんなが持っている。1時間耐火にするのにようやく何とかできたんですけれども、1時間耐火で4階建てまでが木造でできることになったんです。4階建てはちょっと歴史が浅い。昔は3階までだった。4階までできると。1時間耐火で大丈夫と。でも1時間耐火では物足らんということで、2時間耐火にしておるんですよ。2時間耐火だと鉄筋コンクリート造なんですよ。鉄骨の耐火を低くしたのが2時間耐火って、これが14階建てまでできるんですよね。2時間耐火ができるという、これができるようになったんですわ。
木造で2時間耐火というのは昔は常識では考えられなかったんや。それこそ6年前はなかったんですよ。最近なんですよ、これは。6年前でさっきの話やないけれども、要するに今、新しい技術が発見されて、一大手工務店が国土交通省に申請したという経緯はありますけれども、これはどんどん進んでいくのは間違いないで、いきなり私がやれと言うてることじゃないんです。せめて3階建て、4階建ての中規模の公共建築物というのはあるはずなので、そこで堂々とやるべきやと。そうすると、大手がとろうが中堅が下請しようが、やっぱり三重県産材の木を使ってここでできましたよ、工務店も仕事ができますよというのが、正しい方向なんです。そうすると、どんどん供給が追いついていくということになるんではないか。需要はやっぱりきちっとつくらないとあかん。というふうに県が先頭を切って、今年度、来年度あたり、探してでも、行くなら行くって積極的な姿勢を見せないと、県産材の利用は促進しないというふうに思うんですけれども、これは部長、コメントがあったらありがたいんやけどね。
〇前田部長 委員がおっしゃいますように、建築基準法も改正されて、そういう形での耐火の構造の木造建築物がこれまで以上に広がってくるという認識でございます。そういう中で、県の中でなかなか今、箱物というのが難しい状況の中でも、教育委員会とかそういったところとも少し連携もしながら、そういうところで活用できるところがないか、庁内でもう一度調整をしていきたいと思います。
〇中森委員 今の部長のコメントでちょっと安心しましたので、よろしくお願いいたします。
〇谷川委員長 ほかにいかがでしょうか。
〇村林委員 よろしくお願いします。今の林業の施策313のところで、簡単なことをまず聞かせてほしいんですけれども、令和元年度の取組方向のマル3の行の一番下のところに、「少花粉スギの種子の生産に取り組みます」と書いてあるんですが、これはどんなことなんですか。花粉症の話とかで、花粉の少ない杉ができましたみたいな話はよく聞くんですけれども、それを進めていくということなんでしょうか。
〇村上次長 今、林業研究所のほうで、少花粉の種を供給できる採種園というのをつくるということで取り組んでいまして、何年かかかるんですけれども、花粉が少ないだけではなくて、成長もよくて花粉も少ないという苗木の生産に取り組んでいるというところでございます。
〇村林委員 そうすると、ただの生産というよりは、もともと開発を県の林業研究所で行った独自の種子ということですか。
〇村上次長 林業研究所のほうで開発したというのではなくて、国のほうで成長がよくて花粉の少ない種を選抜されまして、それを林業研究所のほうで譲り受けて、増やしていくというようなことで採種園の造成を今やっているところでございます。
〇村林委員 そうすると、それは国から提供を受けて、全国の各県の林業研究所が一斉に取り組んでおるという理解でいいんですか。とすると、横の連携とか情報の提供とか協力ということもあり得るんですか。
〇村上次長 全ての県が取り組まれているかどうかというのは、ちょっとわからないんですけれども、研究所の全国協議会みたいなところで、いろんな部会がございまして、そこの育種部会みたいなところでそういう情報交換等は行っているところでございます。
〇村林委員 そうすると、やっている県、やっていない県はあるにしても、やっている県同士では情報交換をしておるということですね。恐らくこれは都市部の人も含めて相当期待の高いことだと思いますので、まだ何年かかかるということですけれども、早く進めてほしいなという方がようけみえると思いますので、ぜひともよろしくお願いします。
続いて、施策314水産業の振興のところで聞きたいんですけれども、平成30年度の取組概要と成果、残された課題のマル9、28ページの一番上のところに、耐津波防波堤の整備なんかをしていただいたというふうに書いてあるんですけれども、これまで私が不勉強なだけかもしれませんけれども、県土整備部なんかの津波の堤防、防波堤みたいな話で、津波に対して粘り強い構造にするという話は聞いたことがありますけれども、今までの堤防ってどちらかというと高潮とか高波を対象にしていたと思うんですけれども、耐津波防波堤という、まさに津波相手の防波堤というものがここに出てきているんですけれども、これはどういうもので、考え方が変わったのかどうかとかも含めて教えていただきたいんですが、いかがですか。
〇福田課長 耐津波防波堤の件ですけれども、今まで高潮とかその辺に対応していたということはもちろんなんですけれども、一応津波についても過去最大クラスということで、L1津波とか、想定上の最大ということでL2津波とかそういう基準がございまして、その津波に対しても今後の整備に関しては対応していこうということで、取組を始めているところでございます。
先ほど粘り強い構造というお言葉もございましたけれども、粘り強い構造につきましては、津波に対応するということで設計はしていくわけでございますけれども、東日本大震災の例でもございましたように、津波って越えてしまって戻るときに、実際は前からしか今までは考えていなかったということで壊れるということで、そのときに壊れないような、波が越えても壊れない構造をつくっていくということで粘り強い構造というのがありまして、その辺も、津波対応ということになりますと、沖の防波堤もあれば、陸に近いところの岸壁とかその辺もございますので、その辺を総合的に考えながら、費用面のこともございますので、整備に当たっているというところでございます。
〇村林委員 御説明ありがとうございます。そうすると、国のほうでもこれからつくる堤防については、津波にも耐えられるようにしていくんだというような大きな考えの転換があったということでいいんでしょうか。ここでは漁港に限定していますけれども、県内一般の堤防や建設事務所の持っている港湾とか、そういうものの堤防の考え方は、一斉にそのようになっとるというふうに理解していいのかどうかは、わかればで結構ですけれども、いかがでしょうか。
〇福田課長 方向としては横並びで変わっているとは思いますが、私どもの漁港関係で管理します施設についても、それを全てやろうと思いますと、すごい費用と時間とがかかってくるという状況でございまして、その辺は場所場所に応じて、緊急性等考えながら進めさせていただいておるというところが現状やと思います。
〇村林委員 わかりました。全てというのは、当然それ以前に、かなり三重県中の堤防というのは老朽化が進んでいるところも多いわけで、そもそも老朽化の修繕もどうするんだ、空洞化も進んでおるなというような中で、全てを耐津波にするのは難しいけれども、一定そういう考え方が入ってきていて、やれるところはやっているというふうな、御説明だと理解させていただきました。またぜひ勉強させていただきたいと思います。この件はこれで。
最後に、ここの水産業のところの令和元年度の取組方向で、担い手とか後継者の問題というのが漁業に関しては、恐らく一番本質的な部分の問題かと思うんですね。そこが一番解決され得るべき問題ではないかと私は感じておるわけなんですけれども、前年度の取組概要と成果、残された課題とかに比べると、令和元年度の取組方向の中では、「居ぬき」の物件の話とかは書いてありますけれども、やや弱いような気がするんですけれども、今後、後継者や担い手をしっかりふやしていこうという中で、どういうふうに取り組んでいくのかということを聞かせてもらいたいと思うんです。
漁師塾なんかも当然よい取組だとは思うんですけれども、そういう一方で、水産資源の持続的・安定的な確保というような部分も非常に課題で、本当にこれから沿岸漁業がやっていけるのか、若い人がやっていけるのかという問題もあるでしょうし、じゃ、養殖なんかの比較的初期投資が大きいものに若者が参入できるのか、あるいは企業形態の漁業形態の中に就職していくのか、あるいは、就職した方が一定の年限を経て沿岸漁師になるというようなシステムがつくれないのかとか、いろんな考え方があると思うんですけれども、そういうような中で、今度、三重県水産業及び漁村の振興に関する条例(仮称)もつくってもらって、「水産王国みえ」の復活に向けてと言ってもらっているのであれば、後継者や担い手のところをしっかり取り組んでもらいたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
〇仲次長 ありがとうございます。委員がおっしゃるとおり、担い手については一番大事なことと思っております。今、条例とか基本計画とか三重県水産業・漁村振興指針の見直しとか、いろいろ並行して作業を進めているんですけれども、その中で有識者の方々にもいろいろ意見を聞きながら、担い手についてはちょっと検討していきたいというふうに思っております。
漁師塾も現在、活動指標の新規漁業就業者数が47人とふえているんですけれども、一方で、300人から400人ぐらい漁業者も減っているということもあります。そして47人の中に半分ぐらいは県外の人とか漁業者以外の方というのもおりますので、そういう意味では、漁師塾も一定の効果があるということで、これはこれで続けていきたいなと思っています。
一方で、漁業者のほうからは漁業者の子弟というんですか、子どもとか、そういうところにも支援というんですか、そういうふうなことが欲しいというような話もあって、それはそれで国のそういう制度を使えるようにということで、国にも要望させていただいているところなんですけれども、一つは、漁業者が減っていく中で、三重県の漁業を担っていく形態というか、それをどう考えていくかということが一番大きいのかなということで、今、協業化とか法人化とか、あと規模拡大とかというようなこともありますし、場合によっては、漁場が余ってきたら、そこにやってくれる人をよそから持ってきてもらったり、あるいは漁協が自営でそこをやったりとか、いろんな方法があると思いますので、そんなこともいろいろ考えながら、次の条例に基づく基本計画とかにはぜひ反映していきたいなというふうに考えております。
〇村林委員 御答弁ありがとうございます。
いろいろよい話をしていただいたと感謝します。その中で、漁業者の子弟に対する支援というのは、本当に今言っていただいた中では重要かなと私も感じていますもので、しっかりお願いしたいと思います。地元のお年を召した漁師さんの話なんかを聞くと、子どもがたくさん生まれていた時代でも、本当に漁師としての腕のいい漁師になれる子どもというのは、その中の何%だったんだろうみたいなことを言うお年寄りもおって、もともと誰でもなれるものではなかった中でということも聞きますので、そういう中で今の漁業者の子弟というのはそういう背中を見て育っているようなところ等もあって、貴重な人材だと思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
以上です。ありがとうございます。
〇谷川委員長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
〔「はい」の声あり〕
〇谷川委員長 なければ、施策313、153及び314についての調査を終わります。
ただいま頂戴しました意見の取りまとめにつきましては、後ほどの委員協議で御議論いただきたいと存じます。また、執行部におかれましては、本委員会で取りまとめた意見の回答を後刻御報告願います。
以上で(1)「令和元年版成果レポート(案)」についての関係分の調査を終わります。
(2)三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画の見直しについて
(3)農業の担い手確保・育成に向けた取組について
(4)豚コレラに係る本県の対応状況について
ア 当局から資料に基づき説明(森内次長)
イ 質問
〇谷川委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
〇三谷委員 2点お伺いしたいんですが、最初の、新たな「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画」骨子案ということで御説明をいただいたんですが、これは、三重県食を担う農業の活性化に関する基本計画ならこれでいいんでしょうけれども、農村の活性化も入っているということになりますと、農村の持つ多面的な機能についての記述がかなり弱いのではないかなと思います。
例えば、農村が持つ景観に対する役割とか環境に対する役割というのがほとんど書き込まれていなくて、第4章の3の基本施策Ⅲのところに地域の特性を生かした農村の振興と多面的機能の維持増進という項目があるんですが、施策の展開方向を見ると、「安全・安心で快適な農村環境の整備」云々のことであって、多くのインバウンドの方が日本の原風景を求めて農村にたくさん来られているというような現状もある中で、もう少し農村が持つ景観に対する役割だとか、そういうものはやはり基本計画の中に書き込むべきではないかなと思うんですが、その部分がすっぽり抜けておるような気がするんですけれども、いかがなんでしょうか。
〇森内次長 御説明した別添1―3の視点3のところに、田園回帰の動きということで、自然体験などに着目した都市等と農村との交流促進であるとか自然体験や農村地域活動を基軸とする新規ビジネス創出なんて、ちょっと先走ったような言い方をしてありまして、その背景にある、おっしゃる多面的な機能というのは農村の重要な資源であるというような点についても、この見直しの視点のところでしっかり読み取れるような形で微修正させていただきたいと思います。
〇三谷委員 修正。
〇森内次長 修正させていただきたいと思います。
〇三谷委員 微修正じゃなしに、もう少し大胆に少し見直していただければと思いますが、非常に大事なポイントだと思いますから、ぜひお願いしたいと思います。
もう1点。豚コレラなんですが、今、議会のほうでも国への意見書を出そうということで、協議が続いております。その中の最大のポイントは、飼養豚に対してどの段階でワクチンを使用するんだという、この問題でして、国のほうへの緊急要請の中にも、「飼養豚へのワクチン使用については、感染の拡大状況や養豚関係者の心情なども踏まえ検討すること」と、なかなか微妙な言い回しになっていますが、今議会のほうも飼養豚に対するワクチンの使用も視野に入れてということで調整をさせていただいているんですが、この飼養豚へのワクチン使用というのは、どの段階になると踏み切るということなんですか。
〇森内次長 こちらについては、まず、国が決定をするという、これは家畜伝染病予防法に基づく防疫指針で、国が判断するということになっています。現在、国の考え方は、汚染国になるとか、そういった輸出面での事情もあるし、もう1点、やっぱり国のほうで思いの大きいのが、今回の豚コレラはまだワクチンがある豚コレラの侵入だったわけなんですけれども、今、近隣の中国あたりでアフリカ豚コレラという、この病気はワクチンが開発されていなくて、要は防ぐすべを持たない病気になります。実際には、中部国際空港の水際まで、食べ物なんかの中の生きたアフリカ豚コレラのウイルスなんかが迫っているというようなこともあって、今回の豚コレラについてはワクチンを使えば沈静化が可能なんだけれども、アフリカ豚コレラが来てしまうと、もうワクチンがなくて飼養衛生管理基準をしっかり守らなければ防御できないという視点で、ワクチン使用の時期等を見定めていくというようなことと国ではしている状況にあります。
県としては、こういった要望を出させていただいておるんですが、基本的な考え方は理解できるものの、一方で養豚関係者の心情というのはかなり重要な部分を占めると思いますので、科学的な理屈と将来に対する備えだけではなくて、やはり現に危機にさらされている農家の心情というのもしっかり考えてほしいというようなことでの要請はさせていただいているという状況になります。
〇三谷委員 汚染国の指定を受ければ10年間あかんとか、いろいろ難しい問題もあるのは承知していますが、今おっしゃったように、養豚業者の声というのはかなり切実なものになっておりますので、そのあたりのところはぜひ真正面から向き合っていただきたいなと思います。それと同時に、やはり本県に入ってこないというか、もし入っても最小限のところで食いとめてしまうというのは大事だと思うんですが、養老と隣接している多度だとかいなべ、特にいなべなんかは、例のブランドのさくらポークが今危機に瀕しているわけですが、このあたりで、結構僕の知っている人たちでもイノシシのわなを仕掛けてとったりいろいろしている人たちが、たくさんもいないけれども、年間、相当数捕獲して食用に回したりしているようなことをしているんですが、死亡野生イノシシだけではなしに、こういうところのイノシシの、捕獲したようなものも全頭検査とか、そういうことというのは難しいんですか。これはやっぱりここらできちっと検査して、もし入ってきたとしても最小限のところで食いとめてしまうという方策が大事だと思うんですが、その点はいかがなんでしょうか。
〇森内次長 実際今、確認されている15頭の中には、いなべ市で有害鳥獣で捕獲されたものも半数近くは入って、一定期間のモニタリングというのは、これまでもやってきたところです。こういった事態の中で、今後そういった有害鳥獣のもしっかり提供いただくという点も進めていきたいと思いますし、あと、経口ワクチンの散布が可能となれば、その後のワクチン散布の効果モニタリングなんかでは、かなりの頭数を岐阜県や愛知県では捕獲しておりますので、そういった対応も今後、国との協議、調整を進めていきたいなとは考えているところです。
〇三谷委員 ぜひ被害を最小限の中でとどめてしまうということに全力を尽くしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
〇谷川委員長 ほかにいかがでしょうか。
〇中森委員 もうかる農業に関しまして、今、記述の中で別添1―1に書いていただいておりますけれども、もうかる農業経営については、もうかるということを中心にすれば、例えばお酒なんかはもうけ方ってたくさんありまして、有名になればどんどん売れると、生産物は全部売れるという、私の知っている酒屋さんがあるんです。もう注文を受けた分しかつくらないという、それこそプレミアムとか言っている。プレミアムという言葉は商品とかのおまけという意味で、プレミアムのついた何とかというのはちょっと日本語が間違ごうてますわね。プレミアムというのはおまけなんですね。本当はこれしかないというような表現にするとこれしかない。お酒なんかは、720ミリリットル1万円で1000本限りつくると、1億円なんですわ。これは確実に予約が入ったもんで1億円売れるという商品でやっている。
お米についても、あるところはもう特定の名前をつけて特定の方に、特定の値段で売ると。60キログラム3万円で売るということで、それしかつくらないと。それは確実にもうかるんですよ。消費者がいるわけで。そのようなことをやらないと、伊賀米コシヒカリであれ何であれ、どんなお米をつくってもだめなんですわ。某、そういう流通へ回してしまうと値段が上げられないから、与えられたお金しかどうもできない。売るほうは値段をつけて売りたいわけ。そのような農業にしないと絶対もうからないというのは、もう当たり前。これはやはりお米でも、中森さんのお米はこれだけですよと、60キログラム3万円でしか売りませんと、これが去年おいしかったで来年買うてくれると、そうすると、10袋、100袋となってくるわけですよ。そのようにしないと、中森さんのコシヒカリはもうからないわけです。そのような方法はもっともっと積極的なそういう展開を持っていかないと、今までどおりの農業をやっていると、野菜にしろお米にしろ、どんどんやっていくと絶対もうからないというのがもうここ10年なんですね。
やっぱりもうけているお米屋さんがいます。もうけている酒屋さんがいます。もうけているブドウ屋さんもいます。そのような宮崎県のもうかっているこんなおいしい立派な果物をつくってやっていますやんか。こういう桐箱に入れた何が売れているという、柿にしろイチゴにしても、そういう現実が全国展開されていますので、三重県もそれこそもうかる商品をつくるというようなことぐらいの勢いをここにちょっと書かないと、三重県食を担う農業及び農村の活性化にはつながらないんではないかなと思うんですけれども、もう一工夫してはどうですかという提案ですが、いかがでしょうか。
〇森内次長 御指摘のとおりの部分だと思っております。
今回特にお話しした三つの視点というのは、新しい潮流の部分を加えて、特にこの点を留意して施策展開を考えましょうという視点になろうかと思っています。中森委員がおっしゃった部分、本流のところの第4章の4の基本施策Ⅳ農業・農村を起点とした新たな価値の創出ということで、この中には「県民の食と農の結び付きの強化」とか、「農を起点とした新たな価値の創出」ということで、少しわかりにくい表現にはなっておりますが、そういった様々な売り方などもここの部分で施策展開の方向としてしっかり検討させていただいて書き込みをさせていただきたいと思っております。
〇中森委員 ありがとうございます。この4のところに含まれているというのならばありがたいと思いますけれども、私が説明したら、そのほうがようわかりますやろ。具体的、そういう感覚でないと、県民が見てわからんわけですよ。ここに含まれていると言われてもね。積極的に具体例を出して、そうしないと、皆さんに理解あるような展開にならないと思いますので、よろしくお願いいたします。
〇谷川委員長 よろしいですね。
ほかにいかがでしょうか。
〇山内委員 もうかる農業という部分と豚コレラの部分で主に聞かせていただきたいと思っておるんです。先に三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画のほうなんですけれども、この策定の考え方のところで、「県民の多様化する期待に応えていくとともに」という部分に応えていくためにという思いから聞かせていただくんですが、特にこの農福連携という部分に関しましては非常に期待が高まっているというふうに思っています。
その中で、この第2章のところの記述を読ませていただきますと、「障がい者が農業に従事する」というふうに、障がい者に限定した書き方をされておるんですけれども、例えばひきこもり支援ですとか認知症予防とか、そういったところへの農福連携の期待感も高まっているというふうに思っておるんですけれども、そういった考え方に関してはどのように考えられていますでしょうか。
〇森内次長 まさに最近の農福連携の拡大方向というのがそういった視点になっておりまして、国のほうで、この6月に農福連携等推進ビジョンが取りまとめられたわけなんですけれども、内容は農福連携という形になるんですが、対象の方がひきこもりであったり、あと更生をしていただいている方とか、いわゆる社会への参画になかなかハードルが高いような方々なんかも農福連携の農じゃなくて、福のほうに入れて取組を進めていくというような方向性が示されてきております。
基本的な考え方についてはそのとおりだとは思うんですけれども、当面具体的なアクションとして起こしていくのは、障がい者が中心になるのかなと思っておりますが、その点がわかりやすいように、ここには「障がい者が農業に従事する農福連携など」というような形で「など」を挿入させていただいて、その辺の含みも、今後計画策定の中で具体的な方策があるや否やについても議論させていただきたいと思っております。
〇山内委員 ありがとうございます。そういった視点はこれから非常に大切だろうというふうに思いますし、期待も高まってきたと思いますので、また応えていただけるようにお願いしたいというふうに思っています。
それから一つ、細かい部分なんですけれども、この第2章の(6)の「女性の能力を生かした商品開発」という書き方が少し気になりまして、女性の能力は非常に様々ある中で、商品開発にと限定されているので、ちょっとこの表現がどうなのかなという思いがありまして、まさしくジェンダー平等という部分におきましては、少し、うん、というふうに引っかかったので、一度御検討いただけたらというふうに思っています。
〇森内次長 済みません、不用意な表現になっておりました。改めることを検討させていただきたいです。
〇山内委員 ありがとうございます。女性の活躍を前面に押し出したいという気持ちは十分に伝わってきますので、少し気になったので指摘をさせていただきました。
それからもう1点、情報で、特別支援学校が県内にございますけれども、南のほうの特別支援学校で非常に農福連携に力を入れている、力を入れていきたいという声が上がっておりまして、昨年11月でしたか、特別支援学校PTA連絡協議会でも声が上がっておりましたが、そういった情報等は伝わってきておる現状がありますでしょうか。
〇近田課長 特別支援学校における農福連携につきましては、県内に福祉事業所なんかで構成されています三重県障がい者就農促進協議会と連携しながら、情報等を共有させてもらいながら、そういった情報なんかも上げていただきながら、一緒になって連携をしているところです。
具体的には、特別支援学校につきましては、平成26年度ぐらいから普及指導員が学校にお邪魔しまして、農業技術であるとかというようなことで指導させていただいております。あと、先生方のほうにも技術であるとか知識であるとかというようなことで、いろいろサポートさせていただいておるようなところでございます。さらに、特別支援学校の生徒のほうに、農業経営体のほうに行かれて、就労体験をしてもらうようなプログラムなんかもサポートさせていただいているというようなところでございます。その協議会と一緒になって、情報を密にして、これからも取り組んでいきたいなというふうに考えております。
〇山内委員 昨年、多分、東紀州くろしお学園だったと思うんですけれども、PTA会長がすごく力を入れて取り組んでおりますということでおっしゃっていましたので、ぜひまた御支援いただけたらというふうに思っています。
それから、もうかる農業という部分に関してなんですけれども、次のページで関連のデータを見せていただきまして、いつと比べて何%減っているとか上がっているとかという見方によって、考え方が変わってくるのかなというふうに思っておるんですが、例えば左下、農業者・農村に関するデータでは、農業就業人口の推移は平成17年から比較すると約40%減っていると、新規就農者数(45歳未満)の推移もどんどん上がってきて、減ってきているということですね。それから右上の農業生産に関するデータ、農業産出額、これも平成2年と比べると、確かに30%近く、28.8%減ってきているんですけれども、先ほどの同じ部分、平成17年ごろと比べると、ほぼほぼ横ばいなのかなということを考えると、従事している人の数は減ってきて農業産出額が一定であるということは、それなりに従事されている方の実入りというか収入はふえてきているのかなというのがグラフから読み取れる。これをもってもうかる農業に近づいてきているというふうに言えるのかなという思いとか、前回質問させていただいて、明確なお答えをいただかなかったんですけれども、獣害が減ってきておりますが、そもそも出荷額、出荷量が減ってきているからですかという問いやったんですが、上と下を比較させていただくと、野生鳥獣による農作物被害額はてきめんに減ってきていて、農業産出額はほぼほぼ横ばいということは、やはりおっしゃるように、まだまだ、依然として深刻な状況ではあるにしても、獣害対策が一定以上の効果を出しているということは言えるのかなというふうに読み取りをさせていただきまして、まさしく三重県における農業、農村の現状というのは、未来に向けては非常に明るい要素があるのかなという思いが読み取れるんですけれども、そういったのはこれで正しいんでしょうか。
〇森内次長 特に農業産出額というのは農業者御自身の意向、感覚的な面もあって、平成2年からということで低下傾向という表現をさせていただいたんですが、これは主に米、一番下のピンク色のがががっと減っているということで、平成2年あたりは食糧法もある中で、米の価格を国が大きく関与してコントロールしていたものが崩れてきているというようなことでの変化で、見ていただいた17年から平成29年という見方としては、横ばいもしくは微増というような見方というのは、一定、直近の見方としてはあり得るのかなと思っております。
一方、農業就業人口が減ってきて、農業産出額が横ばいということは、1人当たりのとり分がふえるよねというのは、単純なといいましょうか、割り算で計算すると確かにそうだと思います。そういう意味では、耕地面積は若干減っているものの、農業就業人口ほど大きな減少を見ていないということは、農業でもうける素材そのものは余り変わらない中で、そこでのプレーヤーが減ってきているということで、プレーヤーのやりようによっては、もうかる素地というのは一定あるのかなと。
だからそういう意味で、先ほどの空きハウスも似たような考え方なんですけれども、要は、農業でこれから、あいてきた農地というのをしっかり専業的にやっていただく方に流していくことで、しっかりもうけていただけるような体制が構築できる一定の素地はあるのかなということで、その点をしっかりこの計画の中でも位置づけていきたいなと思っております。
〇山内委員 ありがとうございました。この農業生産に関するデータの平成2年から比べてという部分の説明もございました。私もここはなぜ平成2年なのかなと気になっておったんですけれども、やはり農家の、当事者の皆さんの心情を踏まえて表現されているということがよくわかりました。
その上で、やはりこれから未来に向かってしっかりともうけていく素地はあるのかなというお答えもいただきまして、先ほど中森委員からもございましたように、今回の計画で、ぜひ未来に向かってというか明るいイメージを持って、これからもうかる農業にしっかり従事していこうと思っていただけるような、そういった書き込みとかイメージをしっかり出していただけるといいのかなという思いがあったので質問させていただきましたので、よろしくお願いいたします。
それからもう1点、豚コレラの件なんですけれども、先ほど三谷委員からもございまして、私も様々な情報収集をさせていただいております。その上でちょっと確認させていただきたいのが、まだ三重県で豚コレラは発症しておりませんので、そういう状況で対応していこうということなんですが、岐阜県では非常に厳しい状況もあるというふうに伺っていますし、愛知県のほうでも発症してということで、ちょっと岐阜県等の実際の農家の状況とか、対応されている県職員の方の状況とか、そんなのがわかれば教えていただきたいんですけれども。
〇森内次長 概略だけで、詳細は対策監がわかる範囲でお答えさせていただきたいと思います。
まず、これまで26事例が発生してきております。内訳は、岐阜県15事例、愛知県が11事例で、その一つの事例の中に複数の農場が含まれておりまして、岐阜県は15事例に対して17農場、愛知県については、11事例なんですが、農場数としては33ということで、田原市あたりの大きな団地になって、多数の農家が一遍に発症扱いになったというようなこともございます。
仄聞するに、こういった農場は、古い農場ですと、昨年9月という発生ですので、もう9カ月ほどたってきているんですが、まだ経営再開をされていないということ、要は、あの辺の周りはもうそれこそ野生イノシシの陽性がたくさんおるということで、なかなか経営再開をするのに踏ん切りがつかない部分も当然あると思いますし、愛知県のほうでも、経営再建なり経営支援に向けた融資制度等も講じられているようなんですが、やはり総体として、感染された農業者自身はかなりお困りになっているのかなというふうには感じております。具体的な内容まではなかなかこちらのほうに情報が入りませんが、そんな状況かなと思っております。
〇巽対策監 今も次長のほうから言っていただきましたが、豚コレラの発生状況につきましては、昨年9月9日に岐阜県岐阜市で初発以来、岐阜県の事例で、15事例の17農場で発生しており、約5万頭の殺処分、愛知県につきましては、全部で11事例の33農場で約5万2000頭の殺処分ということで、合わせて約10万3000頭の殺処分がされております。また、野生イノシシの検査も行われており、これは岐阜県と愛知県だけでの発生ですけれども、昨日の情報によりますと、岐阜県で635頭の陽性、検査数は1444頭ですので、陽性率44%、愛知県におきましては22頭の陽性で、427頭ということでございます。三重県におきましては、先ほど言いましたように、15頭中15頭全部陰性、そのほかの都道府県におきましても318頭検査し、全頭陰性というような状況でございます。経営再建におきましては、今のところ岐阜県も愛知県も発生農場におきましては、されているという情報をちょっとつかんでおりません。
それと、岐阜県におきましては、先日も高山市のほうで発生したということもありまして、野生イノシシにおきましては、飛騨の北部を除いてほぼ岐阜県全域において豚コレラの野生イノシシがおるという状況、愛知県におきましては、この22頭は全て岐阜県境のほうでございまして、もう一つ発生している渥美半島の田原市のほうでは野生イノシシの陽性事例はないと、このような状況でございます。
〇山内委員 詳細にありがとうございます。
少し私も調べてみたら、九州で過去に発生した口蹄疫のときはワクチンの接種をしたということで、あのときは殺処分が追いつかなかったというふうに伺いました。現状をちょっと岐阜県のほうにも聞かせていただいたら、相当厳しい状況があるというふうに伺いまして、県の職員の方も相当疲弊をしているというふうに伺ったんですけれども、そうすると、今後、国のほうでワクチンを打っていこうという判断がされる可能性はありますか。
〇森内次長 まず、少し誤解があるとあれなんですが、九州で口蹄疫が起こったときのワクチン接種というのは、蔓延を一時的にストップさせるというためのワクチン接種で、ワクチンを接種した牛は全て殺処分で、その際、要はその時点で発症していない正常な牛に、中心地のドーナツ状のところで全部ワクチンを打って、だからワクチンベルトをつくって、封じ込めを行って、さらにその正常な牛にワクチンを打ったものについても後ほど全部殺処分して、完全にふたをしてしまうというやり方でして、今回、養豚事業者が望んでいる豚へのワクチン接種というのはそういうやり方ではなしに、平成18年以前は通常飼育をするときに日本脳炎のワクチン、人間のワクチンみたいに豚にワクチンを打って、育てて肉として出荷するということで、通常の経営の中でワクチンを使っていくという方向ですので、口蹄疫のときのワクチンの使い方とは若干違うのかなという状況です。
お尋ねのあった国が使うだろうかということに関しては、私どもが国といろいろお話をしている中での国の基本的なスタンスとしては、簡単に使うと言わないかなというような感触を受けてはおります。
〇山内委員 またいろいろ勉強させていただきたいと思います。ありがとうございます。
〇谷川委員長 ほかにございますでしょうか。
〇村林委員 まず、もうかる農業ですけれども、答弁は要らないですけれども、2年前にさんざん申し上げましたが、もうかるというのは手段であって目的ではないということで、ぜひよろしくお願いします。何でもうからなきゃいけないのかということは、持続可能な後継者とかをつくるということだろうと思うので、そちらがゴールだということをぜひよろしくお願いします。
答弁していただきたいのは、(3)の農業の担い手確保・育成に向けた取組についての4ページのところの人・農地プランの話ですけれども、実効性の高いというのが、先ほどの令和元年版成果レポート(案)のほうにもあったんですけれども、この表現というのはどういうことを意味しとるのか、簡単で結構ですが、教えてください。
〇森内次長 人・農地プランというのは、約七、八年前から今まで進めてきた制度で、要は地域の担い手を決めて、それをどなたに集積していくかということを決めていきましょうというプランになっています。プランのつくり方として様々なレベルがあります。例えば市町段階で、市町の担い手を決めてそういう人に集積をかけていこうということを決めたプランもありますし、一方、詳細に集落段階で土地を全部洗い出して、今後出てくる土地をこういうふうにする、この人の分はもういつごろリタイアされるというようなデータを入れたもの、いろんなバリエーションがあるんですが、今回、実効性の高いというのは、先ほどの後者の部分で、集落段階できちっと将来の土地のありようというのを持ち主に確認した上で、どなたに集積するかというのをきちっと定めていこうというプランをしっかりつくっていきたいという考え方になります。
〇村林委員 ありがとうございました。私のイメージは多分後者のほうだったのかなと。農地と人が一対一対応で名前までというふうに聞いておったので、そちらを進めていこうということですね。わかりました。ありがとうございます。
以上です。
〇谷川委員長 ほかにいかがですか。よろしいですか。
〔「なし」の声あり〕
〇谷川委員長 なければ、(2)三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画の見直しについてから(4)豚コレラに係る本県の対応状況についてまでの調査を終わります。
(5)三重の森林づくり基本計画2019の取組について
(6)林業における人材の確保・育成の取組について
ア 当局から資料に基づき説明(村上次長)
イ 質問 なし
(7)三重県水産業及び漁村の振興に関する条例(仮称)の骨子案について
(8)水産業における担い手の確保・育成の取組について
ア 当局から資料に基づき説明(仲次長)
イ 質問
〇谷川委員長 それでは、御質問等がありましたらお願いいたします。
〇三谷委員 別に茶々を入れるつもりはないんですけれども、突如ここでSDGsとかSociety5.0というのが出てきて、Society5.0というのは何かいなと思ってこれを見ていますと、「AI・ICT技術を活用したスマート化」とか「安定した収益性の高い養殖経営の推進」というのがここに出てくるんですが、そしてまた、あわせて持続可能なということでSDGsが出てくるんですが、さきに御説明いただいた三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する基本計画の見直しのところでも視点1はAIやロボット等、革新的技術をもたらす新たな展開で、視点2が持続可能な「食」・「仕事」・「生産環境」などの実現ということで、こちらのほうではSDGsとかSociety5.0というような言葉を使わずに、いきなり水産業のほうでこれが出てくるというのは、基本計画に基づいて来年度SDGs関連、Society5.0関連という事業を立ち上げたときに予算がつきやすいという配慮でこれをやっているんですか。
〇仲次長 全庁的に第三次行動計画のほうも、そういうふうな視点というので見直すなり、あるいは策定されているというところでもありますし、特に水産業につきましては、SDGsの17個のゴールというか目標がある中の目標14番の海洋資源の持続的な利用というのは、もろ水産業に関することですし、それ以外にもジェンダー平等の達成とか気候変動の対策とかいろんなことがありますので、SDGsの考え方も踏まえてつくるということは、全く自然な流れかなというふうに考えております。
Society5.0のほうはなかなか難しいんですけれども、いろいろ聞くところによると、AIとかICTとか新たな技術を使っていろんな地域の課題を解決していくというようなことですので、まさしく現在、養殖業なんかで行っているものがこれに合致するかなということで、こういうような書き方をさせてもらっております。
〇三谷委員 それならば、この農業及び農村の活性化のほうもSociety5.0というのを書いたらどうなのか。これをこちらは書かずに。
〇森内次長 趣味の問題もあるのかなと。御指摘のとおり、視点1、視点2というのはその二つをかなり意識して設定しているんですけれども、今後、農業者と議論を進めていく素材としてこの視点というのは設定しております関係上、いきなりSociety5.0とかSDGsと書いてあったら、まずもう皆さんが、何じゃそれということになるんかなというようなことで、これでもわかりにくいとは思うんですけれども、少しわかりやすい言葉としてはこういう整理をさせていただいております。
〇三谷委員 農村と水産業と、畑は違うのかもわかりませんけれども、やはり同じ部局でやっていくんですから、言葉の統一性というか、そこら辺のところは、ある程度お考えいただいたほうがええのかなと思いますが。
〇前田部長 御指摘ありがとうございます。それぞれの分野の趣味の問題という話もありましたけれども、そういうことではなくて、やはりこの二つの大きな考え方というのが、先ほどありました、17の目標、169のターゲットということで、直接、間接かかわらず、かなり農林水産業には影響のあるところだというふうに認識しております。ただ、そういう形の中で、農業のほうも、林業も含めて水産業も含めて、実際の生産者あるいは従事者の方とお話ししていく中で、やっぱりわかっていただいて、ボールをやりとりするというのが非常に大事になってくると思いますので、表現の仕方も含めて、少し丁寧に表記したいと思います。
〇三谷委員 わかりました。いいです。
〇谷川委員長 よろしいですか。
ほかにいかがでしょうか。
〇村林委員 もうここまでしっかり議論させていただいた内容がほぼ含まれておると思いますので、答弁は結構ですが、やはり人づくりの問題、人材の問題、後継者、担い手の問題、あるいは経営形態の問題、そして先ほど来、出ておる持続可能な環境的な問題というあたりが非常に重要だと思いますし、今のところそういうものも書き込んでいただいておるのかなと思いますので、今後ともよろしくお願いしますということとともに、また議論もさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
以上です。
〇谷川委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがですか。
〔「なし」の声あり〕
〇谷川委員長 なければ、(7)三重県水産業及び漁村の振興に関する条例(仮称)の骨子案について及び(8)水産業における担い手の確保・育成の取組についての調査を終わります。
(9)各種審議会等の審議状況の報告について
ア 当局から資料に基づき説明(更屋副部長)
イ 質問 なし
(10)その他
〇谷川委員長 最後に、これまで議論された調査項目以外で特にございましたら、御発言をお願いいたします。
〔「なし」の声あり〕
〇谷川委員長 ないですか。なければ、これで所管事項の調査を終了いたします。
2 委員間討議
(1)所管事項調査に関する事項 なし
(2)執行部に処理経過の報告を求める事項 なし
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
環境生活農林水産常任委員長
予算決算常任委員会環境生活農林水産分科会委員長
谷川 孝栄