三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 令和2年度 委員会会議録 > 令和3年3月3日 差別解消を目指す条例検討調査特別委員会 会議録
差別解消を目指す条例検討調査特別委員会
会議録
(開会中)
開催年月日 令和3年3月3日(水曜日)午前10時1分~午後0時4分
会議室 601特別委員会室
出席委員 11名
委員長 北川 裕之
副委員長 山崎 博
委員 石垣 智矢
委員 小林 貴虎
委員 小島 智子
委員 山内 道明
委員 山本 里香
委員 稲森 稔尚
委員 藤田 宜三
委員 東 豊
委員 中村 進一
欠席委員 なし
出席説明員 出席を求めず
事務局職員 企画法務課政策法務監兼班長 袖岡 静馬
委員会書記
議事課 主査 中西 孝朗
企画法務課 主任 長谷川 智史
傍聴議員 5名
山本 佐知子
中瀬古 初美
杉本 熊野
石田 成生
津田 健児
県政記者 なし
傍聴者 5名
協議事項
1 差別解消に向けた課題等に係る各委員意見の整理について
2 その他
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
1 協議事項
(1)差別解消に向けた課題等に係る各委員意見の整理について
〇北川委員長 それでは、委員間討議に入ります。
お手元に配付の資料1の7ページをお開きいただきたいと思います。前回の委員会において、項目5番目の差別解消に向けた仕組みについての二つ目の項目、解消のための仕組みの討議途中で終了しておりますので、引き続いて、この項目から委員間討議を進めてまいりたいと思います。
なお、本日の委員間討議については、8ページの7番の個別具体的な施策、この項目までとさせていただいて、リミット12時ということで終了目安として進めさせていただきたいと思いますので、ご協力をいただきたいと思います。
それでは、改めて解消のための仕組みの項目について御意見がありましたらお願いいたします。
〇中村委員 仕組みのところは、あまり記述を私自身はしてなかったんですけれども、前回、プラットフォームのことをお話も聞かせていただきました。差別解消に向けて、様々な仕組みが現実にあるんですよね。だけども、その仕組みで本当に今、参考人の方々から聞かせていただいた差別が解消されるのかどうなのか、その限界みたいなものを感じております。
特にプラットフォームの時にも、執行部の説明でも感じたのは、岡村課長の方からお話がありました内容で、やはりこれはあくまでも新型コロナウイルス感染症に係る人権相談プラットフォーム会議であるということで、中間支援であるとか、あるいは、あくまで届出の後押しをするだけだとか、多くの差別の解消にはなってない。
複合的な話も聞かせてもらいましたけれども、ネット関係なんかに複合的な差別なんかもあるということでしたが、そのことについて聞かせてもらっても、あくまでも限定的という話でもありました。それはほかの組織にも影響するんじゃないかというふうに思いました。
それから、部落差別については、私もいろいろ調べて、いろんな声も聞いてきているんですけれども、参考人のお話で、原田参考人の話の中に、部落差別のところも読み直したんですけれども、こういうシーンというか、表現があったんですが、これは、20代、青年の体験です。ちょっとここ読ませてもらいたいんですが。
高校卒業してすぐに津市内の介護施設で働き始めました。一定の研修期間を終えてある日、担当になった利用者と会話が盛り上がっていきます。その子自身が、利用者から住んでいるところを聞かれることになりました。利用者から、質問に対して、どこどこの町ですと返していくんですけれども、実は会話がそこで終わりませんでした。利用者から返ってきた言葉が、おお、兄ちゃん、俺もどこどこの生まれや、その町のどこやというふうに、問い返されることになっていきますと、この体験をしばらくしてから打ち明けてくれた時に、そう聞かれた瞬間、自分が暮らしている同和地区の字名を答えたらもしかしたら差別を受けるかもしれない。字名を答えることに戸惑ったけれども、利用者との今後の関係性も考えて比較的近所の人であったことからも、自分が暮らしている字名を伝えることにしたと後々になって話をしてくれています。
ただ、自分の同和地区の字名を伝えた瞬間、利用者の態度は一変していきました。食事の時間にお茶を注いでも、こんなお茶を飲めるかと、湯飲みをひっくり返されたりとか、着替えの手伝いをしようとして、手をかけてもその手をはねのけられたりとか、全てに対して拒否されていきますと。そのことは、ほかの職員にも打ち明けることができずに、数日後には、利用者が施設を替わることがわかっていたため、耐えるしかなかったと、施設をやめた後で話をしてくれています。利用者が施設を移っていく最後に、吐き捨てた言葉があって、それは、やっとお前みたいな人間じゃないやつの下から離れるわ。そんな言葉を吐き捨てられたという。
そういう事例を聞かされて、その時は、すごいことがあるんだなと思ったんですけど、じゃあ、これを解決していく。本当にその今の、人権センター等で、解決ができるのかどうなのか。今前段で、前回、お話がありましたんで、やっぱりマイノリティー側が自分で悩んで、自分で解決の策を探すしかないんかなと。そんな状況を考えたときに、こういった具体的な事例を元に、やっぱりこの組織っていうか、仕組みについては、考えていく必要があるんじゃないかと、そんなことを強く感じたところでございます。
〇北川委員長 それに関してでも、あるいはまた、ほかの御意見でも、どんどん出していただければと思いますがいかがでしょうか。
〇小島委員 解消のための仕組みということで前回もお話をさせていただいたんですが、私はここに一つ、三重県障がい者差別解消条例、障がいの有無にかかわらず誰もが共に暮らしやすい三重県づくり条例のことについて言及をさせていただきました。その中で、知事に対する必要な助言、あっせんの申立てですとか、それから三重県障がい者差別解消調整委員会が作られていて、その意見をしっかり聴くですとか、場合によっては、事業者等に関して必要な措置をとるように勧告もできるというところが書き込まれています。
いろんな例はあると思うんですけれども、例えば、これは三重県ではないけれど、他県だったと思いますけれども、性的マイノリティーとおっしゃる方が、そのことを、例えば会社の上司に伝えてあったところ、その上司がそれをアウティングをしてしまったということがあったと思います。それを周りにいる人が聞いていたというようなことで、例えばそういう状況が起こったときに、その方が、例えばですよ、人権センターにこういうことがあって、やっぱり助けてほしいというふうに言っていったときに、今の状況でどうなるのかなって考えたら、それは聞き取りはちゃんとしてもらう。どんなことが起こりましたか。どういうふうに思ってみえますか。じゃあどこにつなごうということは考えると思うんですけれども、ただ、その相手方にアクセスをしていく、その裏付けとなるものが実はありません。
ということは、事象を受けた被差別側の方のいろんな思いが解消されずに、そのまま残っていってしまう危険性があるというふうに思うので、ここに書かせていただいたように、障がい者差別解消条例のような仕組みをきちっと入れることが、これ前回も助言、あっせんには至っていないというようなお話もあったと思いますが、当事者の間に立って話を聞いて解消するという、その仕組みを作っておくことというのは、私は大変重要だなというふうに思っています。
これは、1月27日の執行部からの聞き取りの中で、岡村課長に、その人権センターでの人権相談のことをいろいろお聞きしたときに、岡村課長が人権センターで人権相談をさせていただいていますけれども、その助言とかあっせんというようなところ、調整、そういうような権限は確かにございませんというふうに、課長が答えてみえますので、やっぱりその申立てをした本人の話を聞く。そこでやっぱり止まってしまっているかな、解消、解決には至っていないなというふうに思うところであります。
ですから、そういう仕組みが私は必要だというふうなことを再度申し上げておきたいと思います。
〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。いわゆる差別解消解決のために、何らかの仕組みが必要だという御意見を前回も含めて、いただいているわけですけれども。このことに関連して、御意見がありましたら。
〇小林委員 お2人のお話をお伺いしたところですけども、2人がそれぞれ、事例を述べていただいたと思うんですが、中村委員の事例。我々は皆、既に聞き取りで伺っているので、共有していると思います。その介護施設の方が受けた年配の方からの、何て言うんですかね、対応というのは、どう考えても、非常に差別的な心情をもとにとった、なんて言うんですかね、残念な行動だと思うんですが、この方に、どのようなことをしたら、この状況って、変わるとお考えでしょう。
〇中村委員 こういう事例がほかにもいろいろあるんじゃないかなというふうに思うんですけれども、やはりこういった状況が起こったときに、依拠する仕組みというか、そういったものが、必要ではないか。いろんな、今こういった施設が、たくさんありますので、どこでどういうのが起こるかわからない。そういった状況の中で、このことに対して、本人はもうどうしようもないわけですから、それを受けた相談、まず相談窓口も含めて、解決に至るまで動いていただけるような、動けるような、そういった依拠する制度を作っていくことが我々の役割かなとそんなふうに思います。
〇小林委員 せっかく我々、ここで具体的に差別って残っているじゃないかということで、どういうふうに具体的な解決をしていったらいいのかなということを話し合っていると思うんですよね。途中で確認を一つしたいところなんですけども、本人をどうしようもないというふうにおっしゃったと思うんですが、その本人ってのは、差別的言動をした年配の施設入居者の方、利用者の方なのか。差別的扱いを受けたという介護士の方のことなのかどちらをお話されたのかと思って聞きたいんですけども。
〇中村委員 介護士。その被害者という言葉はどうなのかわかりませんけれども、そういう差別を受けられた、受けてしまった方々は、自分の手で解決を図るしかないかなと。今の制度では自分で相談に行って自分でということですんで、受ける側が、その人に対してとか、あるいは、そこの組織に対してとか、いろんな方法があるんじゃないかなというふうに思うんですけど、受ける側っていうことは、もし条例ができたら、そこの条例に挙がっている方法で、何らかの注意になるのか、指導になるのか、そういった状況をどう解決するかというようなことを議論する場がいる。それを解決に向けて、何らかのことができる。そういう意味で言いましたけれども、そういったものが必要ではないかというふうに思います。
〇小林委員 そうすると、今お話しされているのは、起こった事象に対して、どうその後解決をするのかということでお話をされたように受け取りました。一般的なということではなくて、その解決する方法というのが、御本人がどんな解決を望んでいるのかっていうことをここ我々、今の時点で確認のしようがないので、それを推しはかるしかないと思うんですが、その介護士の方が望んでいる解決の道というのは、この施設利用者に対してどんなことを求めて、その施設利用者がどうなれば、この介護士の課題ってのは解決することになるんでしょう。例えば、その施設利用者が、私は誤った言動をしましたと、介護士に謝罪をしました。これ解決になるんだろうかということですね。それを解決とするのかどうか。あるいは、その施設利用者が利用している施設に対して、こういう出自の方があなたのところには勤務をしています。なので、その方が不利益の扱いを受けないように、利用者に重々伝えてくださいねと。この方を差別的扱いをしてはいけませんよという、何かしらの施設に対する環境改善を県が求めるのか。そんなことをお考えなんでしょうか。
〇中村委員 そのことも含めてですよね。幅広く、そういったことが起こらない社会を作っていくということも大事だというふうに思いますし。実際にそういう事件が起こった時に、今までもお話の中にあったかわかりませんけれども、今のこの状況では、泣き寝入りっていうのがあるんじゃないかと。それに対して我々議員は、こういった課題に取り組んでいる、特別委員会の委員として、議員としては、それをどういう解決方法がベストなのか、そういうことを答えが、お2人ともになると思うんですけれども、解決に向けた方法を示す、そういう仕組みを作っていく。それを考えていくのが我々の仕事じゃないかなというふうに思います。
〇小林委員 幾つか、いろんなポイントがあるんですけども。まず、根本的にこの年配の方がお幾つの方なのかわからないですし、今どこにみえるかもわからないですし、いつの事象なのかわからないので、今御存命かどうかもわからないですけども、施設を利用されているということで、ある程度の年齢の方なんだろうなと思うんですね。80歳代であったりとか、その方がどういう生き方をしてこられたのか我々はわからないですし、どんな過去に経験をしてこられたか全くわからないです。この方の心情に芽生えた、被差別部落の方々に対する、恐らく、その本人、介護士とは全く違うところの、その方とは、もしかしたら全く関係ない根拠のところで、施設利用者が感じていた、不快感であったりだとか、あるいは蔑みであったりだとか、そんなものが恐らくあったんだろうと思うんですね。差別っていう感情が生まれる中の根本にはそういったものがあるんだろうと思うんです。
それを、果たして県がおじいさん、あなた、そういうことはよくないことですよ、あなた考え方を改めたほうがいいですということがまず権限としてできるのかなということなんですね。心の中って我々、なかなか入りにくいというのがまず一つだと思います。
言葉、確かに発言をした、これ行動が伴っていますので、差別的扱いということになると思います。差別的扱い。これが例えばですけども、起こってないので言っても仕方がないですが、この女性職員を、例えば、心理的に追い詰めて、そこで仕事をする、継続が不可能になってしまって入院をされた。それに対して費用が発生したということになれば損害賠償請求ということになるだろうと思うんです。
今回の顛末でいくと少なくとも、その方は悪態をついて、でも退所していった。で、残った苦しみっていうのは、心の中のものであって、傷害を受けたわけでもなく、財産を奪われたわけでもなく、こういうことというのが、要するに最終的にはどの程度のことなのかということを考えなきゃいけない。個別に対してだと思うんです。それは放っておいていいとは思わないです。非常に残念なことです。
だけども、果たして、ここで、この方、非常に不当なこと言っていますと。だけど、恐らくこの方にも何かしらの言い分があるでしょう。それが正当だったかどうかなのかってことの判断もしなきゃいけない。ということになってくると、結局、その判断全ての事象をつぶさに聞いて、取り調べをした上で、じゃあどこまでの処罰が適当なのかということは、諮ってこなきゃいけなくなってくると思うんですね。これまさに司法のことであって、司法手続になる、委ねるべきことなのかどうかということ、判断しなきゃいけないと思います。それを当人たちが望んでいるかどうかもわからないです。だから、そういったことを、じゃあ果たして我々はできるんだろうかという疑問がわいてくるわけです。
で、かねてから、ほかの事例でもお話ししているとおり、調査権を持つこともない。それから、思想信条の自由を侵すわけにもいかない。処罰に対しては行動ではかるしかない。その行動の中身を、我々三重県が独立的な施設を作ることもできない状況の中で、司法といったですね、地方の権限上、踏み込むことが果たしてできるのかなということなんです。
〇中村委員 三重県議会は、今まで、県民の皆さんの本当に、そういった苦しみといった様々な環境もそうですし、いろんなことに気が付いて、その中で、国がなかなか動かない、あるいはそういう状況の中で一生懸命に、じゃあどうしたらいいかっていう、議員団でいろいろ相談をしながら、国が作れないんだったら、議員が作ろうということで、様々な先進的な条例をたくさん作ってまいりました。そのことで、三重県議会は非常に先進的、議会改革なんかの先進的と言われております。
これはちょっと離れてしまいましたけれども、私もそういった観点も持っているもんですから、今回のことも、今おっしゃったことは、こうやったらどうや、こうやったらどうや、こうやって無限に広がっていくんじゃないかというふうに思いますけれども、現実に今そういった差別事件が起こっている、事件って言うかどうかは別にして、差別の事象があったと。その事実を捉えて、そういうことが起こらないようにするためには、起こってもいいと思っている議員は1人もいないというふうに思うんです。で、こういうことが起こらないようにするためには、どういった仕組みを作っていったらいいのか。厳罰に処するのか、それかお話をさせてもらうとか、そういうこともあると思うんですけど、今の仕組みの中に、加害者というのかわかりませんが、差別をした方に対して、手を伸ばす、そういうような、そういった人たちに当たっていく、そういう仕組みになっていないのではないかと私は思ったもんですから、この仕組みについては、具体的な例を挙げて、こういうものも解決できるような、そういう方法をみんなで考えようと、そういうことを申し上げているんです。
〇小島委員 何を被差別の側が求めているのかっていうことは、今ある相談体制で聴き取れるかもしれません。こういうことをしてほしいとか、こう思っているとか。ところが、その発言をした方にアプローチをする。そういうことは、どこもですけれども、現在ある相談体制の中にその権限を持っているところは、この障がい者のところだけなんですね。
障がい者のところの、これ16条の第2項の一ですけれども、市町その他の関係行政機関と連携して、必要な助言、調査及び関係者間の調整を行うことというふうに、この条例には書き込んであるんです。ですので、まず、被差別の側が何を求めているかということで、裁きたいわけではなかったら、そこに踏み込むべきではないと思います。どこに問題があって、相手方に何をしてほしいと思っているか、そのことを丁寧に聴き取りながら、もしかしたらそこに、例えば調整委員会のようなものは、その気持ちを代弁する役割も担うのかもしれません。相手側の方に、こういうことを望んでいるし、あなたのここがおかしいですよという話をさせていただく。
私は多分、前回にもこちら側に座った方に、解決ってどういうことをおっしゃっていますかって聞いたんですけれども、私はあれから解決ってなんやろなっていうふうに考えたときに、二つあるんじゃないかなっていうふうに思ったんです。一つは、差別をした側が、そのことの何が問題かというのを正しく理解をする。そこまでしてもらうことで、第三者が介在してですね。それからもう一つは、その方たち、ご本人たちだけの問題ではなくて、周りがちゃんとそこの問題性とか、例えば部落問題とは何かとか、そういうことをちゃんと理解すること。これが、啓発とか教育とかの役目なんだろうなと思うんですけれども、その2点が両輪として進んだときに、初めて解決に向かう。そんなふうにいえるんじゃないかなあというふうに考えています。今のお2人のお話を聞いて、私自身はそのように考えました。
〇小林委員 話の中で、何をもって解決なのかということで、差別を受けた側の方が何を望んでいるかという話を先ほどしたような気がするんですが。一方で、差別をしたと言われる方に対してですね。どんな策を講じたら、この方は変わるんだろうかと思うんですね。
一番簡単な方法が、強権を発動して、あなた、こういう事象があります。こういう訴えを受けました。いつかこんなことがあって、あなたこういうことをしましたよね。それはあなたが言ったことが間違っています。行動の改善を求めますということ。これ非常にわかりやすい方法だと思います。だけど、これでこの方の心は変わるんでしょうか。表向きの行動を変えることができるかもしれないです。だけど場合によっては、この方はもう一つかたくなになってしまうんじゃないでしょうか。それ本当の解決になるのかなと思うんですね。
そういったことを、この今回のたまたま出てきた事象があった介護士の方が望んでいるのかなという疑問もあります。なので、国会の話をしてもっていう話なのかもしれないですけども、そこでもいろんな議論が出てきた中で、結果的にいろんな事情があって、個別的な人権侵害となるようなものは、やはり司法に行かなきゃいけないし、明らかに、大きな不利益を被ったものに関しては、今の段階でも処罰ができるわけで、そこは立ち上がってもらわなきゃいけないし、それが立ち上がることができるような、後方支援というのはあるんだろうと思います。
ただ、それは県が介入して、これをあなた人権侵害だから、あなた行動改善をしなさいといえる権限は持ちえないというのが認識だし、国の審議の中で、それだけ広くいろんなことがある中で、でも差別が残っている中で、どうしたらいいのかということで、結論に至ったのが、結果として、法的措置であったりだとか、あるいは何かしらの財政投資、投入ということではなく、広く啓発をしなきゃいけないよねということだったんだろうと思います。
いろんな事案を聞いて、いろんな結論の中で、いろんな方たちの見解が交錯した上で、結果、議論の末、1年以上かけたんでしょうね、確か。出てきたのが、理念法として、国民全体の意識として、同和三法もなくなりました。だけどこれで同和問題全て終わりじゃないんだよねということをもう一度、国民の皆さんに思い出していただくと。だから理念法として、部落差別はまた存在するんだ。部落出身者、これも定義されてないです。だから対象決まってないです。だけど、部落出身者となぜか知らないけど言われるだけのことで、非常に不利益を被ったというか、すごく嫌な思いをした。排他的な扱いを受けたと。こんなことはやっぱりよくないよ、ということだったんだろうと思います。
ですので、僕は今、今回、中村委員が思い出させていただいた、ここで聞き取りをした差別事案というのは、この方、80歳を超えたか、もう介護士にかかっている方、この方1人ターゲットにしても、意味がないとは言わないんですけども、やっぱり、もっと広く、こんな似たような事例あるんだよねという話だったと僕は理解をしましたので、だからこそ、なおのこと、三重県でも、今以上に元法に基づいて、三重県でもまだあるんですよ。三重県の皆さんもう一度思い出しましょうよ。人権を尊重する条例は、もう既に、前にあります。そこにも同和の問題も書いてあります。だけど、まだまだ啓発不十分ですよね。こんな事例、我々はここで聞き取りしました。だから、やはりまだ三重県にも解決をしなきゃいけない、そういった問題があるはずだから、三重県の皆さんもう一度、この21世紀に、立ち戻って、我々そういった古い問題は、ちゃんと心の中から解決をして、正しく理解しましょうねということを広く発信することの方が、似たようなこういった事例を解決する最良の方法なんじゃないのかなというふうに私は相変わらず思うんです。
〇山本委員 様々な差別があって、それぞれに個々に違うと思うんですね。そんな中で、これ今、一つの事例を紹介されて部落差別についてということで、紹介があって話が進んでいるわけですけれども、その方、当人の気持ちがまず大事ということは、共通の理解だと思うんですが、どのように、私たちは代わりにその人に、自身にはなれないけど、個別の問題として解決をすることと、それから全体の問題として解決をすることと、二つの方法、二つのことがあると思うんですが、特に部落差別の方のお話を聞いたりするときに、個別のこともそうだけど、こんなことが孫子の代に絶対起こってほしくないんだと、これ以上続いてほしくないんだというお話を、現在ではよく聞きます。
そういうことを考えたときに、個別に対応が違うにしても、相談をして、サジェスチョンを受けて、それが法的なところへつなげることのできるようなことなのか、そして、どうしたいのかっていうことを本人の中で、きちんと系統立てて考えて、差別された方がね、100%完全にあったことはなかったことにはもちろんできないわけですけれども、そんな中で、前へ進んでいくということができるような体制づくりという意味で、ここにちょっと紹介されている、障がい者差別解消条例の、知事に対する必要な助言、あっせんの申立てっていうのは、そこへ、そういういろんなところで助言を受けた時にその当人がどうするかの問題であって、もちろんそういうことを相談できる体制がきっちりしていることが大事だというふうに思います。
例えば、性差別、性被害なんかでいくと、これはもう法によることにきっちりつなげることが必要なので、法改正とかすることもあると思うんですけれども。ものによって、本当に多様なので、そして一番大事なのは、やっぱり本人がどうしたいかの気持ちで、それが、個別の事象、今起こった個別の事象、あるいは、これまでの経験の中のこと、そして、全体、社会としてのことっていうのは、区別というか、その中で整理されていくべきことで、全てが全て、一緒にはならないと思うんですね。
共通の事としては、その本人がどうしたいか、そしてどうすることがよりよいか、やっぱり自分の中でこうグルグルと固まっている部分もあると思うので、どうしたらそれが解決に近いというか、その方が前に向かっていくことができるかというような、解決とともにその前に向かっていけるような相談体制というのはもちろん必要だと、解決の体制も必要だと思います。だから今、部落差別のことで特に大きく話していますけど、何もその個別のさっき言われた、利用者の御老人のことを、直接的に何かしようと思っていらっしゃるかどうかわかりません。この次の世代に社会として差別がなくなっていくということを求められる方もある。絶対、個人としてこの方を断罪したいという内容も、それはあるので、まず全てのことは、相談をして、もしそれが必要ならば体制をとれるということなんだと思うので、どちらかに偏って考えることではないのかなというふうに思います。
〇小島委員 全国水平社が立ち上げられた1922年。間もなく100年になろうとしている。
これはまさしく被差別の人たちが立ち上がった、非常に力強い運動であったというふうに歴史から学んでいます。そこから、やっぱり自分たちに対する、ほかの人たちの扱いについて、被差別の側が本当に声を上げながら、これを何とかしなくちゃいけないっていうことの、100年だったんだろうというふうに思っています。教育も行われてきました。啓発活動も長く行われてきました。けれどもその結果が、ここに来ていただいてお話をしていただいた状況があるんです。そこが現実です。
では、被差別の側の方たちは、あと何年待てば、それはなくなりますか。私はいつもそんなふうに思います。ずっとずっと待って、それはいろんな間違った方法も、もしかしたらあったのかもしれないけれども、それでも、やっぱりこのこと自体がおかしいじゃないかということを周りの皆さんにわかってほしいという思いでずっと生きてこられた方々を、私自身はたくさん知っています。その方たちが本当に命をなくすまでに、この問題が解決できるのか。私はここに座っていて、その問題を少しでも解決が完全にできるかどうかわかりません。でも、一歩でも、この100年の間、少しずつは進んできたかもしれないけれども、もっと前に解決を進めるために何ができるかということで、これをやっぱりしっかり考えていくべきだろうと思うんですが、そこでちょっとお願いがあります。
ここに、皆さんのお手元にお配りされていますが、都道府県等における差別解消に関する条例集とか、これ頂いたものですが、これをちゃんと読み込めばいいんですけれども、条例っていっぱいいろんなことが書いてあるじゃないですか。ですので、例えばその仕組みがどんなことが入っているかとか、それから、定義ももしかしたらあるかもしれないと。その辺りについて、何て言うのかな。一覧のような形におまとめをいただいて一度整理をして、私たちみんなで共有をさせていただきたいと思うんですが、そのことはお願いさしていただけるでしょうか。
〇北川委員長 条例について、条約、法律もそうですけれども、事務局説明で、皆さん方に、大量の資料がいっていますので、確かに皆さんに読んではいただいているものの、若干の、かいつまんだ要約は、事務局が作っていただいていますけれども、やはりこの各事例の条例等の比較的なことは、私はやっていませんので、今言われたように、定義の在り方であったりだとか、あるいは解決のための仕組みであったりだとか、そういうところを以前に発言いただいているように、そういう仕組みもたくさん入っている条例もありますので、たくさん事例が。その辺一度、事務局的に整理をさせていただいて、それをまた御覧をいただきながら、実例も見ながらですね。このことについて、より議論を深めていただくということを求めてらっしゃるのかなと思うんですけど。
事務局は、それはできますよね。これは項目だけ並べていただいてあるので、中の文章も含めて、一度整理させてもらいましょうか。逆に整理をしてほしいという項目は、これとこれとこれっていうものでありますか。改めて。
〇小島委員 ここの参考資料2ですよね。マルしていただいてあるんですけれども、例えば教育及び啓発なんていうのは皆さんが必要ですよねっていうコンセンサスを得ているわけですから、別にそこのことをまとめていただく必要はないと思うんですが、今までこう議論になって、ここはちょっとかみ合ってないよねとか、例えば定義だったらあるとかないとかっていう話があったりとか、そういう議論になっているところ辺りを、禁止等がどうかとかですね。その辺りをまとめていただいたらどうかなと思います。条約もぜひ含めていただきたいと思います。
このマルしてあるのは、これは条例の比較表ですよね。ですので、もう少し幅広におまとめいただけたら、ありがたいなと思いますが、いかがですか。
〇北川委員長 定義にしても、マル、サンカクで、読み取れるわけではないので、比較、議論をしていただくためには、仕組みもそうですけども、その書きぶりだとか、前後の関係性も含めて、議論しやすい整備の仕方はちょっと、事務局の方と正副委員長で考えさせていただいて、一度まとめさせていただいて、より議論がしやすい資料を作らせていただこうというふうに思います。
〇東委員 資料の話なんですけど、各条例の中、この項目は以前出された資料の中にあるわけです。小島委員おっしゃるように、ポイントを絞って比較をしてほしいという御意向だと思います。そのとおりだと思います。が、今議論になっている一つは、例えばその実効性を高めるために、条例を改正するなり、作るなりする中で、実効性を高めるためにというのが必ず焦点になってくると思うんですね。実効を高めるために、罰則を設けているところがあるかどうか。あるいは罰則じゃなくて、公表におさまっているところがあるのかどうか。いわゆる実効性を高めるために、というポイントが、比較表の中にあるといいなというふうに思います。
それから条例では、当然書き込めて抽象的な理念的なことがあると思うので、それの下にある基本計画、各条例の基本計画まで下がってくると、大変な事務量になるとは思いますが、ちょっと事務局に御苦労いただくわけですが、何か今言ったポイントですね。ポイントは差別を受けた側、それから差別をした側に焦点を絞って、何かわかる資料があれば、検討しやすいんじゃないかなというふうに思います。追って言いますが、皆さん、教育と啓発について、今ある条例と計画について、やり方をどうとかっていうのは、大まかにコンセンサスを得ていると思いますので、それはあまり重点を置かなくても、重点を置かなくてもっていうか、資料の中に、当然それを強力にすべきだと思いますので、繰り返しますが、この条例の在り方についてという項目、8番のところに、どうも話がいきそうな感じなので、そういうことを申し上げます。
〇藤田委員 今、東委員が言われている、その実効性を高めるということが、やっぱりポイントだと私は思います。特にこのコロナに関して私の家族も含めて、ちょっと医療関係者が多いんです。その中で、ある病院で、コロナが出ましたと。全員、PCR検査をやりましたと。で、やった中で、陰性になった看護師の小さい子どもさんが、保育園に行こうとしたら、申し訳ないけども、来ないでいただきたいとこういう話をされたと。これを、どこへ、その看護師が話を持っていって、来ないでくださいって言った保育園に対して、誰が責任を持って、その辺のところの話し合いをしながら解決をしていくという、この仕組みがやっぱり要ると思うんです。それは窓口だけで、窓口を作りました。話を聴きます。聴いてどっかへ、担当のところへ引き渡しますという、この仕組みだけでは、責任が明確にならならないんですね。
だから、要は、少なくとも、県の行政の責任で、その話を聴きます。窓口を作ります。これは、いろんな条例の中に書いていますけども、その聴いた窓口が責任を持って、相手のところへ話をしましょう。聞き取りましょう。今の条例ですと、差別だと思うんですが、それを受けた人の話は聴くことはできますけども、少なくとも聴いた相手側に対して、これはどんな差別も僕は一緒だと思うんですが、相手側の方と話し合いをする仕組み、中に入って話し合いをする、調整をする、相手が強硬な確信犯であれば、それはそれなりの対応もしていかなきゃいけないと思いますし、確信犯の場合の対応ということも含めて、やっぱり起きた問題を聴く窓口がいる。聴いたからにはそれを解決といいますか、解消していくような仕組みというのは、これは、やっぱり絶対に作っておかないと、今までいろんな差別の現象を聴き取って、我々はきたわけです。
それを、先ほどの部落差別の話でありましたけども、その差別をした人の側の人生もあるじゃないか。これを認めたら、差別は、差別発言はいいんだよというところにつながっていくわけですから、これはやっぱり、そういうことについてきっちり、罰するためにこれをつくるとは僕は思ってないんです。そういうことをした人を罰するために、この条例を作るということよりも、要は、した人も、これが差別になるんだ、保育園側が、これはやっちゃいかんのだということを理解いただいて、これは啓発につながると思うんです。言い方を変えれば、教育にもつながると思うんですけども、こういうことをやっぱりやりながら、やれるような、内容のものを作っておかないと、仕組みを作っておかないと、やっぱり、この特別委員会を立ち上げて、ここに我々は座っとるわけですから、それはこの特別委員会の、私は責任だというふうに思っています。
〇北川委員長 資料の整理の話が出ていたので、それだけ一言言わせていただいて、正副委員長と事務局で相談しながら、議論のポイントになっているところを中心に、なおかつ、実効性を高めるためにというところでの視点も交えながら、比較調査の整理をさせていただくと。ただ、東委員がおっしゃっていただいた条例の下の実行計画、基本計画のところまでいくと、ちょっとなかなか、そこも本来深掘りしたいところですけれども、ちょっとそれは正副委員長に預からせてください。方法によっては、今は調査に出向けませんけれども、文書で幾つか調査をかけるっていうふうな方法もありますから。ただそれは逆に申し上げると、随分と時間はかかりますので、そんなことも含めて、ちょっとどのレベルまでかっていうところは、正副委員長に預けていただいてよろしいですか。
〇小林委員 先ほどのコロナに感染した御家庭のお子さん、保育所で通所を断られた。これは非常に気になるところで、ほかでもうわさ程度でですけども、私も聞いたことなくはないんですが、今、袖岡政策法務監に多分尋ねても、今のプラットフォームでどこまでできるのかって、御回答いただけないですよね、多分。なので、対処いただかなきゃいけないことなんだろうと思います。気になるところなので、まずはここまで別の時間を作って、ここに来ていただいて、答弁いただくということは難しいかもしれないんですけども、ぜひ委員長に、文書で結構ですので、こういったことに関しては、三重県としてどういう対処をしているのだということだけは回答いただきたいと思います。
ただこれは、保育所という行政サービスの中で行われていることで、基礎自治体が、県との間で話し合いをするべきことだろうと思うんです。明らかに誤った情報に基づいて、下された判断なんだろうなと。今お伺いしたら、もう本当に細かな話だけでしかないので、全容は見えませんが、そう判断をせざるをえないと思います。それを残念ながら、個人の行動と同列に扱うことっていうのは非常に難しいと思うんです。その前段で出てきた、介護施設で通所していた、個人の御年配の方、彼の行動と、保育所という事業体での判断ですね。
これは、先ほど小島委員が引き合いに出された障がい者差別のことでも同じことがいえると思うんです。障害者差別解消法に関しては、個人に対する行動規範改正ってことは求めてないんですよね。あくまでも自治体、行政体、行政機関、そして事業者。事業者に対しては、就労環境の改善、県にも同じようなことをやはり求めています。これ、条例なり法を作るところで、常に大事なところで、そこは保護される範囲っていうのをまず明確にしなさいって書いてあるんですよね。そこがだから、定義ということになってくるわけですけども。保護範囲の確定って書いてあります。ですから、上位法、障害者差別解消法においても、あるいは女性差別においても、どのような形が保護されるべきなのか。障がい者に関しては、もうすでに障がい者認定ってのが明確に出ています。これは誰が、この人が障がい者か、障がい者じゃないかと自治体が判断する必要ないわけですよね。その上で、障がいの有無の審査をしなきゃいけない。これもだから、条例として禁止をするべきところかどうか、定義をしなきゃいけないわけですね。起こった行動、侵害された利害に関して、それを明確に規定した上で、条例に書いてある指示なり、あるいは勧告なりというのが、妥当なのか、正当なのか、3段階判断しなきゃいけないということが書いてあります。これは、要するに裁判所が、その地方自治体が行った所定の行動が合法だったかどうかという結審をする過程において、検討する課題だそうです。
ですので、幾つか申し上げたところですけども、まず最初、委員長にお願いすることをぜひ、次回までに回答お願いいたしたいですし、やはり話を元に戻しますけども、障がい者差別と、部落差別、あるいはほかの女性の差別、個別具体的に考えなきゃいけないと思うんです。できること、できないことがあると思うんです。
実は、部落差別のことに戻って申し訳ないんですが、先ほど東委員がおっしゃった基本方針なり、具体的なことを考えるためには、やっぱり深掘りをしていかなきゃいけないんじゃないのかというお話をしていただきました。僕は、実は一つだけ訂正しなきゃいけないことがあると思っているんです。ヘイトスピーチに関して何も書いてないよねというふうに言ったんですが、基本方針の35ページの外国人のところに、近年ヘイトスピーチと呼ばれる特定の民族や国籍の人びとを排斥する差別的なデモ活動ということが書いてあって、確かに書いてあるんです。書いてあるんですが、ほかの外国人差別のことと一緒になって書かれているということは、果たして、今ここでも御懸念があった、もしかしたら三重県においても、ヘイトデモが起こるんじゃないかということに関しては、もう少し積極的に書いてもいいんじゃないのかなというふうに思っています。何にしろ、そのヘイトスピーチ、ヘイトデモを三重県で起こさないようにする、未然に防ぐということに関しては、それをどんなものがヘイトデモであって、何を三重県でしちゃいけないのかということではなくて、先ほどの部落差別と同じように、三重県では、こういった地域を分断するようなデモを許しちゃいけないよという理念と認識だからだと思うんです。
あと、部落差別の話をしましたけども、同和問題って書いていることがあるんですが、ちょっと長くなるので、細かくは言いません。ただ、基本方針に同和問題と書かれてある。部落差別をなくしていくための様々な施策が書いてありまして、そこに当然教育啓発と書いてあるんですけども、ここの基本方針、あるいは、条例に基づいて作られた教育方針というのがあります。で、この教育方針を昨日ざっと目を通したんですが、実はいまだに、同和地区と限定された書き方をされていて、同和地区の子どもたちは著しく健康が侵されているって書いてあるんです。教育が不十分だって書いてあるんです。2011年だったかな。ごめんなさい、最後に改定されたのが。これ今の現実に合っているのかな、と非常に思います。地区から離れている方たちがたくさんいるっていう、我々現実を知っている中で、今、同和三法があった時の地区を対象にして、地区の衛生改善、あるいは生活インフラの整備を主軸に考えていた時代からもうとっくに変わってきているにもかかわらず、しかも我々が今聞いている差別事象というのは、そこの地区に住んでいるからということよりも、そこの地区の出身者だからということにシフトしてきてないかなと思うんです。にもかかわらず基本方針の、さらにそれを根拠にして作った教育方針というのが、時代に合ってないってことになれば、おのずから、やはり我々が三重県として行っている教育啓発にも、まだまだ改善すべき余地があるんではないのかなと、この部落差別のことを考えただけでも思うんです。
ですので、東委員のお話しされたことだと思うんですけども、少々手間のかかることだと思いますが、我々がここで聞き及んだ様々な問題を、今以上に実行力ある解決方法を見いだすためには、もう少し条例ということだけではなくって、その先に踏み込む議論をする必要があるんではないのかなというふうに思っています。
〇北川委員長 小林委員から、プラットフォームの件について、保育所のような事例の話が、どう対応できるのかというところについては確認をさせていただこうと思います。前回の議事録を読むと、岡村課長の弁を借りると、一般的な話ですけども、いわゆる相手方に確認を取るような行為は、我々はできませんし、やりませんという文言がありますので、これから推察すると相手側には何もアクセスしないというところはあるのかなと思いますが、きちんとした事例としてお尋ねして、回答いただくようにします。
〇中村委員 今ね、小林委員の方から、本当にいろんな事例も出していただいて、本当に心配の声だというふうに思います。多分、最近の小さな町、湯浅町とか、いろんなところが、実際に今、差別が起こっている。それを地方としてどうしていくか悩んで、悩んで、悩んで、作られた条例もたくさんありますので、そういったことも踏まえて、住民に一番近いところの人達が、国会論議と違って、住民に近いところの人たちが、実際に今差別があるので、それをどう解消していくか、その仕組みづくりに、苦労してやっているんだというふうに思いますので、ぜひ、そういった議論になっているような内容も含めて、条例のまとめといいますか、そういったものをしていただきたいというふうに思います。こういった議論の中で、苦しんで作られた大事な条例だというふうに思いますので、私はぜひ参考にしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
〇北川委員長 1時間経過をしましたので、ここで暫時休憩をさせていただきたいと思います。再開を11時15分再開といたします。よろしくお願いします。
(休 憩)
〇北川委員長 それでは休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
引き続いて委員間討議ということで、まだ御意見追加、御意見のある方いらっしゃいますか。
〇小島委員 質問じゃないんですけど、中村委員が言われた部落問題について、その発言した高齢者の方を変えるには、どうしたらいいんかなって考えたときに、それは実際に本当に難しいことだなっていうふうに、経験からもやっぱり思います。だから個人をこうずっと責めていくとか、その方に罰を与えるとか、そういうことではなくて、話をしていく必要があるんだろうと思いますが、一方で、施設全体、どなたを対象にするかわかりませんけれども、そこで、きちんと、やっぱり研修をしていくことは、一般的な啓発教育とは違って、非常に効果的なものになるんだろうなと思うので、その辺りを丁寧に、丁寧にやっていくことが求められているのかなというふうに思います。
さっき小林委員が障がい者のところ、事業所とか行政とかが対象である、そのとおりなんです。個人の場合、どうするかっていうのはこれやっぱり本当に非常に難しいところだというふうには思うんですね。でも、先ほど資料提供を求めましたけれども、だからこそ、他県、他市町の条例の中で、その個人のところをどんなふうに解決をしようとしているのかということを、もう一度きちっと調査研究をする必要があるなというふうに、改めて思わせていただきました。個人へのアプローチと、それから全体的な、研修なり、啓発なりと、これは両面必ず必要だなというふうに思います。
〇北川委員長 いろいろ御意見いただきましたけれども、5番、差別解消に向けた仕組みについてのところで、ほかにもう御意見はございませんか。
〇山内委員 私も一応、発言はさせていただきたいなと思うので発言させていただくんですが、条例策定検討委員会に入らせていただいたわけなんですけども、やはり被差別、差別を受けた側の方に100%寄り添った視点で考えていくことが重要なんだなというところは、自分の中ではしっかりと思っていきたいなというふうに思っています。
それから先ほど来、小島委員とか、藤田委員からもありましたように、障がい者差別の関係の解消の条例にあります、相談からあっせん等の、いわゆる救済の仕組みですね。こういったものがもう必ず必要なんだろうというふうに感じています。
それから先ほど、小島委員の方から、差別を受けた人たちがこれまで立ち上がってきた歴史があると。その中でなかなかこの100年間でその歴史が変わってきてないっていう部分においても、これからは本当に社会の側が立ち上がるときなんだというふうな感覚を持っております。人権差別に対して解消していくっていうところにおいては、一つの方法として、もう一つ、差別を受けた人が、前を向いていくって発言もありましたけれども、山本委員の方からも、そこを乗り越えていく、そういった力をつけていくことも重要であるとともに、そういったことを投資していく環境整備、社会環境の整備が非常に重要だと思っています。たとえ人種であったり、肌の色であったり、生まれた地域に対して、差別を受けたとしても、それを逆に胸を張って誇れるぐらいの強い人権感覚を、御本人に持っていただく。また、周りが後押しをしていく。そういった環境整備が、これからは社会の側に求められてくるのかなというふうに思っています。障がい者の差別というと、医学的な視点と社会的な障壁という感覚になってこようかと思うんですが、社会的な側のこれからの変化、変容が求められてくるんだろうというふうに思っていまして、そういったところをこの条例の検討委員会の中では反映をしていきたいなという感覚を持って、議論させていただいています。
〇藤田委員 社会の側が変わっていかなければならないっていう、今、山内委員の方からお話ありましたけど、まさに私もそうだと思うんです。先ほど私は保育園の話をさせていただきましたけども、要は、前の聞き取りの中でも回答されたように、委員長が要約していただいたように、相手の方に対して入っていけないんですよという、これに対してやっぱり、この特別委員会の中では仕組みをちゃんと作っておいて、差別をした側、された側、その中に入って話をする。ただ話をするんではなしに、例えば保育園であれば、保育園の中のメンバーの皆さん方の中で、こういうことがあって、これはやっぱり駄目なんだよねっていうようなことを、やはり、中へ入って、普及啓発というんですか、いろいろおっしゃられたその啓発であったり、教育っていうお話をされてますので、当然これをやっていかなければならないんで、そういうことを通じて、やっていくような仕組みというんですか。これはやっぱり、行政の責任でやるんだと。やっていただくんだという、強い意志をやっぱり我々、議会の側から発信をする、そういう内容にやっぱりすべきかなというふうに思っています。ちょっと仕組みの話でしたんで、その辺のところだけはちょっと申し添えておきたいなというふうに思いました。
〇稲森委員 差別解消に向けた仕組みっていうことで、最後に山内委員がすごくきれいにまとめていただいたことに、すごく賛同して、そのとおりなんですけれども、今のまず条例の中で足りないのは、相談にとどまっていて、相談にとどまらない差別解消の仕組みをしっかり入れていくこと。それから、やはり差別を受けた側を放置しないっていうことが必要だと思います。
それから先ほど申し上げたような相談にとどまらない仕組みと、教育や啓発ということをしっかり両輪でやっていくと。啓発だけでいいんだっていうことは、これは非常に到達点という意味で非常に曖昧で、それだけでは足りないというふうに思いますし、差別と思想信条の自由ということを、混同して話されるっていうのはもう全く論外な話で、そういう議論はこの場でできないなというふうに感じました。
〇北川委員長 ほかの皆さん、ご発言いただいてない方。
〇小島委員 山内委員の言っていることをお聞きしたらどうしても言いたくて。被差別の側が乗り越えていくことを後押しする周り、社会をっておっしゃいました。私はまさしくこの教育における仲間づくりとかは、ここやなと思ったんですね。被差別の側にある人が1人で立ち上がることは難しいけれども、それを共に闘おうとするとか、それを支えようとするとか、そういうことがすごく大事やなって、教育でも、大事だなと思ったので、また教育の話になったときに、この辺を極めるような教育を進めていただきたいなというふうに思いました。すいません。
〇北川委員長 8ページの、一番上のところに審議会の話を中村委員に書いていただいているんですが、これについてはどうでしょう。御意見何かございますか。これも仕組みの一つではあるので、特に御意見はございませんか。また、何度も議論になるところだとは思いますので、そろそろ次にと思いますが、よろしいですか。
では6番目、差別に対する規制等の措置ということで、これは規制的措置と罰則規定の検討ということで、二つ、皆さんに書いていただきました。冒頭に、議論に入る前に、二つ目の罰則規定に関わって、なかなかこの刑事罰であったり、行政罰であったりっていう言葉が皆さんいろいろ学習していただいている中で、よくわかりにくいというところもありますので、先に、この点だけ、袖岡政策法務監の方から、考え方、捉え方をちょっと教えていただこうかなと思いますので、お時間をいただこうと思います。
(事務局説明)
〇北川委員長 今の説明に関して何か御質問ございますか。
〇東委員 行政罰の中で、公表っていう強制公表。行政の目的に対して、違反するものに対する公表みたいなものはこの中には入らないんですか。
〇袖岡政策法務監 公表は、いわゆるその罰則というものではないというふうには考えております。
〇東委員 罰則ではないですか。
〇袖岡政策法務監 何て言いますか、事実上の行政行為といいますか、そういうものかと思いますので、いわゆるここで言う罰則、行政罰に当たるものではないというふうに理解をしております。
〇稲森委員 差別に対する規制の中で、特にヘイトスピーチを念頭に置いて、公共的な場所の利用っていうのは、差別的なヘイトスピーチを繰り返すってことに対して、規制をかけていくっていうことで、こういう行政罰、あるいは過料ということを科していくっていうことはとても有効で抑止力にもなるというふうに考えているんですけれども。
今の件、もしわかったらでいいんですけど、現行の県有施設の設置条例や、あるいは都市公園条例とかがあると思うんですが、その中でこれこれに反したら過料ですよっていうような、そんな決めというのは、この差別事象にかかわらずあるんでしょうか。例えばたき火をしたら過料ですよとか、そんなのが結構あったりするみたいなんですけど。
〇袖岡政策法務監 ちょっと先走った話でございますけども、もう一つお配りしております人権センター条例がございまして、これまた後で御説明をさせていただくんですが、多目的ホールの使用許可ということについても規定がされてございます。それで、裏面の方に、罰則という規定がされてございまして、使用料の徴収を免れたものに対して、過料を科すとかいうことですとか、その他いろんな条件違反でありますとか、についても同じように、過料を科すというふうな規定がされている例はあるところでございます。
〇稲森委員 ちょっとほかの例でも、今後調べといていただけたらと思います。
〇北川委員長 公共施設とか公園とか施設とかの利用に関わっての条例ってことですね。ちょっと後ほど時間いただいて、整理をさせていただくと思います。ほかに。
〇山本委員 今説明をいただいた、この条例、センター条例に関わることで、過料を科す場合、数ということが、今まで実例として、どんな実態であったのかっていうこと、参考に。〇北川委員長 お調べさしてもらっときましょうか。多分すぐにお答えは難しいと思います。それでは、6番のまず1番目が規制的措置ということで、3人の方が書いていただいていますけれども、いつもとおり、御記入いただいた方、また、それ以外の方でも結構ですので、御意見ありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
〇小島委員 訂正を一つ、いきなりですがさせていただきたいと思いまして、私が書いた文章に、真ん中に矢印がありますね。これ間違いです。全く上とはつながっていません。説明いたします。上は、楠本先生がお話をされたときに、受け入れ社会のルールや常識を見直して、それに合理的根拠がなければ、多文化共生推進というようなことのために、改める覚悟をその社会の側が考えなきゃいけないんだっていうことをおっしゃっていたので、そのことと、その下に書いてある、公共施設の利用制限は、直接的にはリンクしないので、すいませんが、ここの矢印は取り外します。
その上で、下の2行ですけれども、楠本先生がこんなふうにおっしゃっていたなあということとか、あと結果として、公が差別拡散を手助けすることにつながる危険性があるという場合は、これは前もって取り除いておくほうがいいのかなあというふうに考えたので、書かせていただきました。
ただ、ここまで条例に書き込むべきかどうかとか、その辺りは自分の中でもまだまとまっていないんですけれども、規制的措置としては、考えられる一つの方法であるというふうには思っております。
〇山本委員 今の発言についてちょっとお伺いしたい。またそういうことも必要かなあっていう話だったと思うんですが、公的施設の利用制限、その制限というと厳しい言葉に聞こえますが、一体誰がそれを判断するのかということとかが、これがもし、こういうことを必要とするならば、問題になってくると思うんですけれども、なかなか難しいなあと思っております。その何かがあった時にということについてはもう明らかに、警察が入らなければいけないような事象があったりとかいうことであれば、以前にそういうことが、でも以前にあったというのはどのように評価されるかとか。ちょっとその、すごく難しい問題だと思いながら、そういうことの制限をほかでしている部分があるのかということもやっぱり確認をしたいと思います。
〇小島委員 先ほどの例えば人権センター条例の中に、これは知事ですね。次の各号のいずれかに該当するときは前項の許可を与えないと書いてあって、そのうちの一つ目ですね。公の秩序又は善良な風俗を乱すおそれがあるとき。文言ではこう書いてあるけれども、これを実際判断するっていうのは本当に至難のわざです。私はでも、ここに知事がと書いてあることは非常に大きな意味があると思っていまして、今の恐らくままだと、そこのそれぞれの代表者が、責任者が判断をすることになってしまうので、三重県では、私の知る限りは、そんな中で、そのヘイトスピーチのようなことが堂々と行われたりっていうことは聞いていませんけれども、例えば川崎市なんかではいっぱいあって、それが単にそこの責任者に、その判断を負わされるということは、余りにも過酷であるし、難しい判断を課すことになってしまう。ですので、考えるとしたら、知事なんだろうなというふうに、今のところ思いますけれども、それはやっぱり必要かどうかということも含めて、ほかの条例を、もうちょっときちっと見る必要もあるかなと思います。
〇山本委員 市町でも、公的施設で利用の条例とか作っているときに、市長がとか、そういった文言は入っているところ、入っている部分が、多々あると思うんです、今現在でも。それがどう使われているかっていうのは、問題事例として三重県の中では、それを行使するに当たって問題としては聞かないわけではないけど、大きな問題にはなってないとは思うんですが、この判断を、例えば首長という形、市であれ町であれ、県であれね。それはそこまで行くまでの間に、もう大変時間的なこととか、現実的にはどうなのかなってことはあって、その制限というか、そのことについて十分に理解をしていただくということは利用者に必要だったので、こういう規定がそれぞれに置いてあると思うんですけれども、そこのところは慎重に考えないと、やっぱりいけないなというふうに思っています。いろんなところでも、既に公的なものはうたってあるとは思いますけれども。
〇小林委員 皆さん既に御承知のことだと思いますけども、地方自治法において、その施設の利用に関しては、不当な差別をしてはいけないということを書いてあるので、基本的に、どのような方であっても、公共施設ってのは広く一般に使っていただかなきゃいけないというのがまず大前提にあるということだろうと思うんですよね。
ただその中で、過去に、施設利用に関して、もう何年になるんですかね。実際のトラブルが、三重県ではないですけども、各所であったと。それはトラブルになった結果、中断させられたものもあれば、その後、法廷闘争になったものもあって、いろいろ判例が積み上がってきていると思うんです。なので、その判例に委ねるしかないと思うんですが、基本的には、今私が理解したところでは、事前の規制ってのは非常に難しいということを理解しています。
これは憲法21条の2項の検閲に当たるということで、どんな発言をするかということを、その発言をする前に踏み込んで、こういった発言をする可能性があるからということで、処罰することってのは、多分、後からもめるでしょうねということですよね。で、その利用制限をする判断の中で、結局その表現の内容には踏み込まずに、行動に関して言及するというのが、今までの通例のようで、それが暴力行為に発展するのか、ほかにもいっぱい出てくる社会の分断を起こしうるのかということで、害悪が発生することが明白であり、近い将来、その害悪が重大であり、当該規制手段以外に害悪を避けることができない場合のみ、人権規制が許されるというのが大体基準だということなので、それをあらかじめ、小島委員も言われたようにどんなふうに、じゃあ条文にするのかっていうのは非常に悩ましいところで、ここに書いてあるんで、またほかの話でも出てきましたけども、現行のあれを書いて、これを書いて、例えばスピーカー何個だったらどうとか、人間が何人だったらどうとかっていうことになってきてしまうと、じゃあ50人以下だったらいいんですかみたいな、くだらない話になってきてしまうので、結局ここに書かれてある、公序良俗ってやっているあたりに委ねておいて、結果その後、これ引き合いに出していいのかどうかはあれですけれども、わいせつ教員と同じように、1回目は仕方しないけれども、2回目はけっしてさせない。こんな事例があったよね。こんなんでここやりましたよと。そういったその三重県の事例と三重県の状況に合わせて、結果判断するしかないのかなあと思いますけどね。
〇北川委員長 時間もあれです。もう合わせて二つ目の罰則規定のことも含めて、これつながっている話ですので、
もうまとめてさせていただきますが、ほかに御意見ございますか。
〇小林委員 処罰に関してですよね。もうこれも何度かこれまで言ってきた話ですので、憲法上、地方自治体が独立した、準司法的手続を行使できるような団体ってのは持つことが難しいということで、最終的にはそこまでの、仲介、このようなプラットフォームみたいなところはありましたけども、仮に、著しい人権侵害があれば、救済を求めてきた方に対して、やっぱりサポートしてあげて、こういった法的手続を踏めますよというところは、今の段階、今の我々の自治体の権限の中でできるんだろうと思うんですが、それを超えたところで、じゃあこういった事案があったので、これをじゃあ我々のこの部署でこういうふうに判断して、これは、こんな基準に則って、こういうことになったので、加害者に対してこういう措置を講じましょう、こういう制裁を科しましょうというのは、非常に難しいし、やるにしてもかなり積み上げて、制度設計をしっかりしないことには、後日、違法行為だということで三重県が処罰されることも、十分考えておかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。
〇小島委員 改めて確認をさせていただきたいことがあって、先ほど東委員が、公表はどうですかってお聞きになって、袖岡政策法務監から、行政行為であって罰則には当たらないんだろうっていうお答えがありましたね。ここに書いてあるその行政罰等々を科すかどうかってのはまた全く別の議論なんですが、相談を受けてあっせんをしたりとか、勧告をしたりとか、氏名公表するかどうかは別ですけれども、そこまで含んだものを規制的措置、あるいは罰則というふうには、考えなくていいのかなって思うんです。
前回もお聞きをして、それはその罰則等にはあたりませんよってお答えをいただいていると思うので、そのことは確認をさしていただいておきたいなと思います。ですから障がい者差別解消条例の中に書き込まれていることは、何ら罰則的な色彩はないということでよろしかったですね。
〇袖岡政策法務監 基本的にはおっしゃるとおりだと思います。前回も少し申し上げましたが、捉え方によっては制裁的な意味合いで取られる場合はあるかとは思われますけれども、基本的な措置としてはそういうものではないというふうに理解をしております。
〇小林委員 今のことにはちょっと私、相反する見解がありまして、大阪の判例を見る限りは、罰則的側面があるというふうに認定をしております。ただその上で、その罰則的側面がありながらも、そのとき発言された内容が著しく、特定の人種団体に対して、名誉を毀損するもの、攻撃をするものであったので、これはこの罰は致し方がないだろうと、表現の自由の制限はあってもしかるべきだという判例だったというふうに認識していますので、これが罰則的側面があるのかないのかっていうのは事例によりけりで、一概にあるかなしかということでは、簡単に言えないんじゃないのかなというふうに思います。
〇袖岡政策法務監 何て言いますか、細かい話になってしまうんですけれども、例えば行政指導というふうに、先ほど小島委員がおっしゃった、あっせんですとか、勧告ですとか、助言とかって話になりますと、一般的な行政指導というふうに言われるものかなと思いまして、そういうものは、基本的には強制力のないものでございまして、いわゆる県民の方に対して義務を課すですとか、制限、権利を与えるとかそういうものではないというふうに一般的には理解はされているところではございます。
ただ、実態としまして、強制的な、何て言いますか、義務を課すとかそういうふうな場合には、判例の中でも、いわゆる処分というふうな形で認定がされて、取消しをされるというふうな場合はあり得るところでございまして、例えば病院開設の中止を勧告するっていうふうな事例があったことにつきまして、最高裁まで争われた例というのがございますけれども、その中では、その勧告自体は、やはり行政指導なんでしょうけれども、実態としまして病院開設ができましても、その勧告に従わない場合につきましては、保険診療の対象にならないというふうな効果が実際的な発生するということで実態面を見まして、これは、その勧告自体が取消しをする対象になり得るというふうな判断がされた事例はございますので、一般的にはそういう罰則的なものではないというふうなことではございますけれども、場合によっては当たり得るというふうなこともあるのかもしれないというふうなことで補足させていただきます。
〇稲森委員 ヘイトスピーチに対する氏名公表っていうのは、人権侵害を受けない広く県民なり住民の権利として、知る権利にも含まれてくるのかなというふうに思うんですけどその辺どうお考えですか。
〇袖岡政策法務監 公表というふうな行為に関しましては、おっしゃるように一般県民に対する周知といいますか、公表、情報提供というふうな趣旨の側面があるというのは当然かと思います。それと逆にそれを公表されることによって、その公表された方が不利益的な意味合いが出てくるというふうな意味で、二つの意味合いがあるのかなというふうには思うところでございます。
〇北川委員長 ほか、どうでしょう。よろしいですか、御意見は。なければ、6番については、ここで終了させていただいて、あと少しの時間ですが、7番だけさせていただいてもよろしいですか。なぜかと言いますと、7番の項目がすでに基本的に前のところで、いろいろ御意見、委員間討議していただいた内容なんですけども、ちょっと本当の個別の施策ということで、集めてこの7番という設定をさせていただいていますので、この7番については、書いていただいた方も含めて、改めて御意見があれば出していただくという形でまとめてお願いをさせていただいて、今もう、別の用途で使ってしまいましたけども、人権センターの在り方についてという項目がありましたので、事務局側で人権センター条例を、参考資料として置かせていただいていますので御承知おきをいただきたいと思います。
ということで、人権センターの在り方、そして、インターネットによる人権侵害、女性・性に関する差別、それから障がい者に対する差別、個別具体的な施策について御意見がございましたら、お出しいただきたいと思います。
〇中村委員 インターネットによる人権侵害ということで書かせてもらったんですけれども、その後、国も動き始めて、インターネットによる人権侵害についての法改正がなされたと思いますので、少し資料を、詳細わからないんで、袖岡政策法務監の方で、ちょっとその辺の解説というか、説明をしていただきますとありがたいんですが、よろしくお願いします。
〇袖岡政策法務監 私もちょっと新聞で知る限りではございますので、また改めまして資料を使って御説明させていただければと思うんですけれども、そういうことでお願いをしたいと思います。
〇中村委員 資料をもし取り寄せていただいて、詳しいことを教えていただければありがたいなというふうに思っております。
それから、条例を作っていくに当たり、課題がたくさん今出てきておりますが、特に私も気になっておりますのが、インターネットによる人権侵害をどのような形で表していくかということで、湯浅町なんかの場合は条例の中にそれが組み込まれているというふうに思います。
それから、和歌山県の中にも、確か入っておったような気がいたします。そういったことを考えますと、インターネットによる人権侵害、今の時代、見捨てるわけにはいかないっていう、そんな思いでここへ挙げさしていただいたところでございます。
それから確か、佐藤参考人の方からも、インターネットによる人権侵害については、これを解消するのは非常に難しい部分があるという話があって、私は8ページの上ですかね、条例の中にこういったことについても、有識者の審議会みたいなものがあってしかるべきっていう話がありましたんで、その辺も大事かなというふうに思わさせていただいたんで挙げさせていただいたところです。
〇山本委員 幾つか8、9で書いてあるんですが、もう大切なこと一つ。人権センターの在り方についてこれまでも言及してきましたけれども、今日改めて三重県人権センター条例を見ても、第1条にあらゆる差別を撤廃しということが、第1目標でということですね。人権センターが総合的な、差別解消に取り組む姿勢を示すものとなるような、やはり時代がもう、そういうふうな形を求めざるをえないというふうに思っていますので、県としてできることの中の一つに、人権センターの再構築っていうこともあると思います。これは大きなことだと思っています。
〇小島委員 前回も申し上げましたけれども、先ほど山本委員がおっしゃった人権センターのところ、一緒です。2条の三に人権問題に関する相談を行うことというのが、条例の中にはあるけれども、私たちのこの委員会の聞き取りの中で、人権センターに相談をする。相談者に必要な情報を提供する。他の専門機関、相談ネットワークの構成機関ですけれども、そこを紹介する。そこまでの役割だというふうに、はっきりとセンター所長がそのときにおっしゃいました。そこから先、解決されたかどうかというようなことは追えないし、その責務、権限もないというふうに、この条例に基づいて、おっしゃってみえたので、そのことは再度確認をさせていただいて、解消に向かうには、そこから先をどうするかが大事だというふうに思います。
〇石垣委員 この7番の個別具体的な施策で人権センターの在り方と、インターネットによる人権侵害の部分で、やはり今までお話を聴かせていただく中で、改めて、その教育啓発の充実っていうところと、モニタリング事業、今の現状把握っていうところを更に視野を広げて行っていく必要っていうのがあるんじゃないのかなということを感じさせていただいております。
お話を聴かせていただいた参考人からのお話では、今このSNSってのが非常に普及している中で、なかなかこう、あらゆるSNSの中でのモニタリング事業というのができていないっていうお話も聞かせていただきました。で、今インターネットとなると、さらに動画配信とかっていうふうな形で、市場が非常に拡大している中で、モニタリングという現状を、本当に差別の書き込みであるだとかっていうものが、どこまでしっかり把握できているのかなっていうところを少し疑問に感じたところであります。
それで、啓発という部分に関しては、やはり山内委員におっしゃっていただいたように、社会として取り組んでいかなければならないっていうところで、やはり、SNSであれば、SNS上でしっかりと啓発をする必要があるし、インターネットであれば、インターネットで、例えば人権センターのところに入っていかなければ、見られない啓発ではなくて、皆さんのところに届くような啓発っていうところは、しっかりと取組内容の中で更に充実をさせていく必要があるのかなというふうにすごく感じていますので、やはりこの啓発という部分とモニタリングの更なる拡充というところはしっかりと取り組んでいく必要があるのかなというふうに感じております。
〇山本委員 一つと言ったんですが、障害者センターの利用についてですが、現実的に専門の障がいを診られる医師が、なかなか少ないということが原因ではあるんですが、各地域へ出張しての認定とか、そういう現実的な、いろいろな装具などの、そういった指導の形というか、認定の形っていうのが、地域に今分散していかれていたのが、縮小されて、この本所でしかされないようになっています。そういうことも含めて充実をということは、大変、重要だと思っています。
〇藤田委員 同じことをまた繰り返すんですが、確認をしたいんです。これですね、2条にいろんなことを書いていただいてあるんですね。啓発をやらなきゃならない。石垣委員がおっしゃったように、啓発教育、これ大事ですので、大いにやってもらわないかんというふうに思っていますが、やっぱり、いろんな相談を行うと書いてありますけども、聞き置く相談を何度してもやっぱり問題の解決にはつながっていかないというふうに思うんです。
先ほど、例を挙げさせていただきましたけども、やっぱり差別をした側、された側、ここにやっぱり立ち入って再調整をする、あっせんをする。行政指導だっていうふうにおっしゃったんで、この辺のところはやっぱり充実していくような体制というか、そういうことができる、この人権センターに欠けているというか、そういう内容をやっぱり新しい差別解消条例というんですか、条例に書き込んでいくと。
人権センターの中にもそういう公的な相談をして、責任を持ってお互いの中で話し合いをして、お互いに理解をして、そこに関係した、個人じゃなしに、私が申し上げたような組織の場合だったら、組織全体で、啓発を進めていくと、そういうような仕組みを含めた、やっぱり人権センターにしていく。そのためのやっぱり条例に書き込みというのはやっぱり必要かなというふうに私は思いますので、人権センターの話が出たんで、申し上げておきたいなと思います。
〇小林委員 人権の課題がたくさんあると。差別事案がなくならないということで、我々ここに集っているということで、何度かここの議論の中で僕もお話をした記憶があるんですが、聞き取りの中で、十分でないという認識は、小島委員も今日何度か言われましたし、私も共通の認識をするところなんです。
で、僕が一番足りてないと思うのは、経験の積み上げだと思っているんですね。結果がわからないから当然積み上げられないんでしょうけど、こういった事案に関してはこういう対処をして、ここに相談して、最後こうなりました。なので、似たような事例がまた出てきたら、同じ手段が講じることができるんじゃないですかということが、県の中、人権センターの中でも当然できれば積み上げになるでしょうし。事例集として、別に紙で持っている必要ないと当然思っているんですけども、県下各市町に共有することができれば、各県内のほかの現場でも同じように集合知として、蓄積していくことができるんじゃないのかなというふうに思っているんです。
ただ、実行主体ってのは、過去ここでも話があったと思うんですけども、専門家が当然おるわけで、インターネットのことやったら法務局であったり、人権侵害であれば当然繰り返して司法があるわけで、全ての機能を県の中に抱え込む必要は僕はないと思うんです。なので、途中どこに委ねた、その結果どうなったという後追いをするべきで、先ほどの繰り返しですけども、積み上げていく必要はあると思うし、その機能は今この人権センターが持ってないのは明白なので、そこまで含めて実効性があるもの。ただ、分業ということも考えた上で、実際どうしたらいいのかということは考えたほうがいいんじゃないのかなというふうに思っています。
〇小島委員 経験の積み上げ、大変重要だというふうに思っています。例えば、障がい者の方は条例で窓口がちゃんとあって、それから女性やと、女性相談所とかフレンテとかもちゃんとあって、児童虐待とか起こった時には児童相談所とかあって、それぞれきちっとこう場所があるんだけれども、なかなか的確に解決まで向かう窓口がないなあっていう問題がまだいっぱいあるなっていうこと。人権センターの相談機能と絡めて、これは思いますので、その辺り積み上げ、それから、何ができないのかということをはっきりとさせておく必要があると思います。
〇北川委員長 どうしてもという方ございますか。なければちょうど時間も予定の時間がまいりましたので、委員間討議をこの辺りで終えさせていただいて、続きはまた次回にということで、日程も含めて詳細は委員協議の方でさせていただきたいと思います。よろしいですか。
〔発言の声なし〕
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
差別解消を目指す条例検討調査特別委員長
北川 裕之