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差別解消を目指す条例検討調査特別委員会
会議録
(開会中)
開催年月日 令和3年6月15日(火曜日)午前10時0分~午後2時2分
会 議 室 601特別委員会室
出席委員 11名
委員長 北川 裕之
副委員長 山崎 博
委 員 石垣 智矢
委 員 小島 智子
委 員 山内 道明
委 員 山本 里香
委 員 稲森 稔尚
委 員 藤田 宜三
委 員 石田 成生
委 員 東 豊
委 員 中村 進一
欠席委員 なし
出席説明員 出席を求めず
事務局職員 企画法務課政策法務監兼班長 水谷 憲司
委員会書記
議事課 主幹 櫻井 彰
企画法務課 主任 長谷川 智史
傍聴議員 1名
杉本 熊野
県政記者 1名
傍聴者 なし
協議事項
1 差別解消に向けた条例の在り方の方向性等について
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
1 差別解消に向けた条例の在り方の方向性等について
〇北川委員長 それでは、差別解消に向けた条例の在り方の方向性等についての委員間討議に入ります。
前回の委員会において発表いただきました条例の在り方に関わる各委員の御意見やこれまでの委員間討議の内容を踏まえて、正副委員長において、いわゆる最大公約数的なたたき台として、差別の解消に向けた条例の在り方の方向性及び検討すべき論点をお手元に配付の資料1のとおりまとめさせていただきました。
それでは、資料1について事務局に説明させます。
ア 事務局から資料に基づき説明(水谷政策法務監)
イ 質疑
〇北川委員長 前回の委員会の中でも確認させていただいたように現条例、「人権が尊重される三重をつくる条例」はありますけれども、それについてそのままでよしとするのではなくて、新たな差別解消のための内容についてチャレンジをしていくということで合意させていただいた中で、いただいた皆さん方の調査票の意見や過去の委員間討議の内容をまとめさせていただいて、こういう形で論点整理をさせていただきました。
一方で、そういう意味では全く新しい条例をつくるのか、現在の条例の改正を視野に考えていくのかというところについては、まだ議論をしておりませんので、そういう意味ではこの中の書きぶりが、ちょっと中途半端というかどっちつかずの表現のところも幾つかあるかも分かりませんけれども、そのことについてはちょっと御容赦をいただいて、正副委員長としては、この論点について議論をさせていただく中で、その方向性についてもまた議論をさせていただきたいというふうに思ってございます。
個々の項目についての議論はこの後させていただくわけですが、その前に全体的なことについて何か、この整理の内容について御質問等がありましたら先に。
〇小島委員 御説明ありがとうございました。
基本的なことで確認させていただきたいんですけれども、例えば今回、基本理念の中に差別の禁止について規定というふうに置いていただいてありますけれども、特別な項目として特出しをしていなくても、先ほど法制執務的には、どこにあっても可能であるというふうにおっしゃいましたが、この条例の中に書いてあれば、その効果は、まとめ方や書かれている場所によって変わるものではないという理解でよろしいですか。
〇水谷法務監 おっしゃるとおりで、条例全体の中に書かれていれば、条だからとか項だからとかといったことにはならないかと。正直細かい話で恐縮ですが、前文であれば規範として、ルールとしては、やや弱いといいますか、前文はどちらかというと解釈するための規定というふうに考えられておりますので、前文にあるからいいとはなかなか言えないんですが、条文の中にあれば、条であれ、あるいは基本理念であるか独立した条であるか、特に問わないというふうに考えます。
〇北川委員長 よろしいですか。ほかにございますか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 なければ、ちょっと切りのいいところで、約1時間経過いたしますので、ここで換気休憩をさせていただいて、ここの議論はこの後、順次進めたいと思いますので暫時休憩をいたします。再開は11時10分とさせていただきます。
(休 憩)
〇北川委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を再開させていただきます。
〇小島委員 休憩の前に水谷法務監にお聞きしたことで、もう一つ確認させていただきたいことがあるんですけど、よろしいですか。
〇北川委員長 どうぞ。
〇小島委員 例えばの話をしますが、前文にこの定義等とかそういうことを書き入れたとして、先ほどの話でしたら、前文は全体に係る理念的なものなので、条文の中身ほどは、いわゆる拘束力がないという言い方は変ですけれども、もっとばくっとしたものやという捉えやったと思うんですが、例えば定義のようなそういうことを前文に書いた場合に、それがこの条例全体に対して影響を及ぼしますか、網かけができますか。それはどうでしょうか。
〇水谷法務監 おっしゃるように定義規定というのは、この条例の中で、この言葉がどういう意味かということなものですから、その場合であれば、前文に書いた定義規定は、本文とか後ろまで全部に及ぶことになります。個別の何々してはならないといったルールは前文に書いても効力はございませんけれども、定義というのはあくまでも法制執務上の言葉の呼び方の話なものですから、以下といえば、そのずっと後ろまで及ぶことになります。
〇小島委員 ありがとうございました。理解いたしました。
〇北川委員長 よろしいでしょうか。
〇藤田委員 ルールは及ばない。
〇水谷法務監 そもそも前文で書く内容というのは、この条例を定める趣旨であったりとか基本的な考え方でございますもので、やはり文献などで見ましても、条例の一部ではあるんですけども、各条項の解釈の基準を示す意義、効力を有するというふうな解釈基準になるというふうなことでございますので、個別のルールなどについては、やはりそれぞれ本条といいますか、第何条というところで定めるものになるかと思います。
〇藤田委員 分かりました。その後のルールはなぜできてきたか、というようなことを前文に書くと。要は、この条例の意思として、思いとしては下には影響があるけれども、という理解でよろしいですね。
〇水谷法務監 先ほどの繰り返しになりますが、解釈基準になるということで、その条例制定の趣旨などを書くものであってということになろうかと思います。
〇北川委員長 それでは、1ページの頭から順番に委員間討議に入らせていただきます。
とはいえ、初めが、順番上、題名というふうになってございます。水谷法務監からも説明がありましたように、本来ですと全体の中身の議論を終えた中で最終的に決めていくものだとは思いますけれども、今この時点で、題名に関わって御意見がございましたらお出しくださいませ。
〇中村委員 今までの条例に差別をなくしていくという、そういう議論をしてきた中ですので、一旦この例の状況にしておいて、仮置きにしておいて、皆さんの議論の中で最終項のところに進んできたときに部分調整とか、こういう表現がいいというのが出てきたら、また変えていくという形でいいんじゃないかというふうに私は思いました。
〇北川委員長 ほかに御意見ございますか。
〇東委員 前回私が、「差別のない」というのを挿入したらどうですかという御提案を申し上げたところなんですが、いわゆる一般的な解釈ですが、人権が尊重されるということと差別のないというのとは、水谷法務監に聞くんですけども、違うカテゴリーですかね。いわゆる異質というか、違う意味を指すんですかね。つまりどちらが重たくて、どっちが軽いと、包含されるとかという意味。現条例では人権が尊重されるというふうにくくってあるわけですが、人権が尊重されるという方が包含的なのか、それとも差別ということ、日本語的に解釈すると、いわゆる一般的に差別というのは、特別なグループを指して区別をするというのが差別だと思うんですけれども、人権というのは違うカテゴリーで、人の権利ですから、グループとかそういうんじゃなくて、信条とか思想とかというふうなことに対する人権だと思うんですが、この辺について御所見があれば。
つまり例えば、この差別のない、人権が尊重される、ということをもし使うなら、例えば人権が尊重され、差別のないとしたほうがいいのかというような、何か禅問答みたいな感じなんですけれども、いかがかなと思うんですけども。
私はこれを見たときに、率直に何か人権が尊重されというのが、最初に来るべきじゃないかなと思ったんです。でも、後をいろいろ、ほかの項目を見ていると、何か言葉遣いとしては、この差別と、その後に人権が来るような言葉遣いが多いんですが、慣用的にそうやって使うものなのかどうか。他県の条例も含めての話ですけど。
〇水谷法務監 他県で、こういった二重に形容詞がかかるようなものは、ちょっと記憶にはないんですが、ただその辺も先ほど中村委員もおっしゃってもらったように、中身が決まっていって、どういうものを表題にするかというところで、また御議論いただけるものなのかなと存じます。
ただ概念的に両方が成り立つものかどうなのかというお尋ねかと思うんですけれども、ちょっと私見で恐縮ですけども、差別がないということと人権が尊重されているということ、重複する部分もあろうかと思うんですけども、やはり差別がなくても尊重もされていないということも、多分言葉上はあり得ると思うので、まず両方が成り立つのかなと。あと順番については、むしろ題名も一つのメッセージでございますので、委員の中でどちらを優先してということをまた御議論いただければいいのかなと存じます。
〇東委員 意見ですが、今回、差別解消ということが一つの大きなテーマなので、この差別ということをどの位置にするのかというのは、やっぱりこの特別委員会の中で整理すべきじゃないかなというふうに思うところが意見です。
ですので、この題名もどちらを前にするのかどちらを後にするのかということですが、中身をちょっとまた考えていったほうがいいかなと。さっきも申し上げた同じ話になるんですが、人権というのはすごく広いんだと思うんですね、恐らく。差別というのは、もっとグループを指して区別すると、あんたは向こうです、私はこっちですみたいなのが差別なんじゃないかなという気はするんですが、それよりも大きいものが人権なのかなという気がするんです。意見として申し上げます。
〇北川委員長 また少し条約等もありますし、私のイメージだとおっしゃっているとおりで、人権は包含しますので、差別が前に書いてあって、それも含んで後ろで人権が尊重される社会とか、そういう並びで使われるケースが多いのかなというふうには思いますけれども、ちょっとまた整理をしていただいてよろしいですか。
いずれにしましても、この題名については最終段階でまたもう一度議論させていただくことになるかと思います。
次の項目にいかせていただきます。いいですか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 前文、この項目について御意見がありましたらお出しくださいませ。
〇石田委員 初心者ですので、前々回までのここの委員会で、もし整理されていっておることであればお許しをいただきたいと思うんですが、不当な差別という表現になっています。差別って全てが不当ではないのかなと、正当な差別がないとすると、差別の前に不当は要らないのかなと、そういうふうに思いました。
それからもう一つですが、今なお様々な差別をはじめとする人権問題が依然として存在しておりという文章を見て、今なお依然として存在をしておるという表現を見て私はどう感じたかというと、なくなるはずなのにというか、いつかはなくなるというふうに感じられるんですが、差別をゼロにすることを目指す、例えば飲酒運転ゼロを目指すとか、いじめもゼロを目指す、そういう精神としてはいいんですが、ただ客観的な事実として、それぞれ飲酒運転にしたって、いじめにしたって、いずれなくなるというものではなくて、人間社会ではなくなるはずのないもので、この差別もそうだとすると、表現としてはなくすことを目指すという表現にして、前文にしてもらったほうがいいのかなと、そういうふうに思いました。
〇北川委員長 不当な差別、この「不当な」の部分について何か御意見ありますか。あまりそこまで言及して、細かく議論はしてこなかったので。
〇東委員 これは、今ある条例の中の前文に不当な差別をなくしと書いてありますね。だから、私もそうなんですが、基本、今ある条例をベースにして、これを書いたのは私ではないですけど、そのまま落とし込んだんじゃないかなという気はしますね。だから、それも議論の一つかもしれないですね。
〇北川委員長 その辺の用語の整理は、水谷法務監、またしておいていただいてよろしいですか。
〇水谷法務監 「不当な」の用語。
〇北川委員長 使い方。
〇水谷法務監 承知しました。
〇北川委員長 ほかに御意見はいかがですか。
〇東委員 そこの項目の最後というか、議論すべきポツの最後の、多様性が尊重され、誰一人取り残さない共生社会の実現を目指す、という言葉は非常にいいですね。前文に入れるべき言葉だと思います。
〇北川委員長 ぜひ入れるべきという御意見ということですね。ほかにいかがでしょうか。
〇小島委員 先ほど石田委員が言われたことは、もっともだなと思って。なくすんだという意思を、やっぱり書き込みたいなというふうに思いますので、そういう書きぶりが必要かなというふうに思いました。
〇北川委員長 ほかにいかがでしょうか。
〇山内委員 さっきの不当なというところなんですけど、また整理いただいたらと思うんですが、ちょっと思っていたのは差別自体が不当であるということで、正当な差別、不当な差別ではなくて、差別が不当なので差別のないという、そういう意味なのかなと。差別が不当であるということをここで言っているだけなのかなと思いました。
それで本題なんですけども、先ほどレジリエンス教育を教育委員会が取り入れてということであったんですけども、前回、人権のレジリエンスという表現を使わせていただいたんですが、ちょっとその後にも出てくるんですけれども、県の責務とか県民の責務、事業者の責務の中で、県民の責務には傍観者にならないということが書いてあって、事業者の責務にも傍観者となることなくというところがあるんですけれども、県が県民に対して傍観者をつくらないというか、傍観させないというようなメッセージが必要なのかなという思いがあったりするんですけれども、その上で先ほど来、差別ゼロを目指していこう、しかしながら、今あるという状況の中で、今ある状態に対しても差別を受けている人に対して、その現状を乗り越えていくというところを、要はそれを個人に求めるのか、社会全体で乗り越えていこうと方向性を示していくのかというのが、全体としては見えないなという感覚があって、先ほどの県の責務の中に傍観者をつくらないという言葉があったらいいんですけども、そこまでは書いていなくて、個人に傍観者にならないと呼びかけているだけなものですから、この前文の中にいわゆる人権のレジリエンス、依然として差別が残っている現状がある以上は、それを乗り越えていくというところも社会で支えていくというところがあってもいいのかなと思うんですけども、それを入れることが差別ゼロを目指すというところと整合が取れないというのであればあれなんですけども、現に受けていらっしゃる方を社会は守っていくとか後押しをしていく、一緒に乗り越えていくというニュアンスがあってほしいなというのをかねてから思っていました。
○北川委員長 レジリエンスのことについては、本当に重要な視点だと思います。委員の皆さんも同じ思いだと思うんです。あとは、どこにどう表現するかというところは、少し議論になるのかなというふうに思っていまして、今日は前文の中で、項目として挙げている形ですので、山内委員御自身からも言われたように、なくしていくという、ゼロがあるべき姿だということとの整合性というか、兼ね合いも含めて少し課題とさせていただいてよろしゅうございますか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 ほかに御意見はどうでしょうか。
〇中村委員 前文がたくさん挙がっておりまして、どれもこれも重要なことばかりだというふうに思います。国際人権関係の条約等、こういったものは絶対にこれは入れておいてもらいたいなという思いと、それからずっとこの特別委員会で私自身が学んだのは、差別は社会構造の中で生まれるものであり、マイノリティーの問題ではなくマジョリティーの問題であるという、この部分も鉄則というか、こういったところというのをきちっと押さえていくことが大事かなということを感じさせていただいております。 自分としてはこの辺が重いなというふうに思っています。
〇北川委員長 必ず入れていくべき内容という御意見でよろしいでしょうか。
〇中村委員 はい。
〇山本委員 先ほどの不当であるか正当であるかという話のことで、ちょっと過去のことを思い出して、障害者差別解消法ができるときに、この不当なという言葉がつくことが大変論議になったと思うんですね。私はそのときに、障害者差別解消法で不当な差別に当たるのがこれで、不当な差別にこれは当たらないという定義に、とても疑問を持ちながらおって、そのままになっていたんですけど、今、思い返しました。
例えば障害者差別解消法で不当なというのと差別的取扱いというのと、不当な取扱いにならないというのがあるんですよ。不当な差別的取扱いにならないというのは、ほかに方法がない場合は不当な差別的取扱いにならないと。だからこれはいろんな差別がある中で、特に障害者差別解消法だからそうなったのかも分からないですけど、そのときに使われた不当な差別という言葉がそれを含んでいるので、もしそういう解釈が全体としてあるのであれば、それってほかの方法がない場合には不当な差別に、例えばならないというようなほかの方法をつくっていくことが、つくるようにすることが差別解消じゃないかなと、すごくそのときに疑問に思ったことがあったので今思い出したんですけど、だからそのことから見れば、このところはもう少しちょっと、不当な差別という言葉を研究したほうがいいかもしれないなと思いました。
〇北川委員長 障害者差別解消法は、御存じのように法律も含めて合理的配慮という観点がベースにありますので、このことは少し我々が今取り扱っている一般的なこの差別の問題と少し要素がひとつ変わっていますので、その辺の考え方の差異はあるのかも分かりませんので、それも含めて少し整理をさせていただくようにいたします。
ほかに前文について御意見はいかがでしょうか。
〇小島委員 先ほどの件ですけれども、障がいの有無にかかわらず誰もが共に暮らしやすい三重県づくり条例は、やっぱり不当な差別的取扱いなんですよね。なので、やっぱり不当な差別というときと不当な差別的取扱いというのは違うかなと思うので、その辺りを、きちっと整理したほうがいいかなというふうに思います。よろしくお願いします。
〇北川委員長 いかがでしょうか。
〇藤田委員 ここに挙げていただいたものを入れていきましょう、入れていきますよという理解でよろしいですか。
〇北川委員長 はい、ここに挙げたものを基本的には入れていきましょうという考え方です。ただ整理もしないと、何もかもフルメニューで入れていくと、かなりの文章にもなりますし、その辺は一旦整理をして、今の段階では、ちょっと欲張りですけれども、これだけのものを入れといてほしいねという挙げ方でいいのかなというふうに思っています。
〇藤田委員 了解です。分かりました。
〇北川委員長 よろしいでしょうか。
じゃ、いただいた意見を整理させていただく点もございますので、不当な差別というところについては、少し課題として文言の整理をさせていただこうというふうに思います。
それから、差別をやはりなくしていくという意思表明、そういう部分をこの前文の中にきっちりと書き込んでいくべきだという御意見も新たにいただいたところですし、併せてレジリエンスの考え方、取組について、どこにどう反映していくかというところも課題であるというふうに思います。
それ以外のところは、既にいただいた意見で、この前文に今書かせていただいている項目を入れていくということで、漏れはございませんか。
〇山内委員 今の人権が尊重される三重をつくる条例の、多分、ここの5行ぐらいのところが前文なんですかね。そこに「尊厳と権利について平等であり」とあるんですけども、尊厳という言葉もぜひ入れていただきたいなと。私の勉強するところでは、尊厳には自分自身の尊厳と他者の尊厳と、自分と他者が両立してこそ尊厳が守られるという感覚があるものですから、非常に重要かなと思っておりまして、ちょっとどこか使わせていただいているんですけれども。
〇北川委員長 自らの尊厳と他者の尊厳、どちらも尊重されるべきということをきちんと明示をしていくということですね。
〇山内委員 そうですね、そういった意味合いが尊厳に含まれているという。
〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。
〇東委員 先ほど中村委員がおっしゃった、まさにそのとおりで同意するもののマジョリティーの話ですね。これは、確かに社会の構造の変化で生まれてくるもので、少数派、つまり被差別側が相談に持ち込むということでとどまるんじゃなくて、今回、相談の中身を社会側に調査をかけるという意味からすると、ここはやっぱり外せないところだと思いますね。相談で、悩み事相談ですよねというところでとどまってきたものを、やはり積極的にアプローチしていこうとする、相談内容をそちらのほうに、原因のほうに調査をかけていくという意味からすると、これがなければ成り立たないと思います。
〇北川委員長 それでは、前文については、おおむね書いていただいた内容を中心に、今日いただいた委員間討議を含めた中で、一度文案をこれからまたつくっていくという方向性でよろしゅうございますか。
〇石田委員 さっきのマイノリティー、マジョリティーのところで、被差別者というのは、差別される側のこと。
〇北川委員長 はい。
〇石田委員 この被差別者の問題ではなくて、社会の問題があるんですが、差別する人のほうに問題があって、差別者の問題だけではなく、という表現はあかんかな。
〇北川委員長 分かります。マジョリティーというのは差別する側の当人、対象者を含めたマジョリティー側全体を指さないと駄目ですよねという御意見ですよね。
〇石田委員 被差別者と書いてあって、差別者は書いてないんですけど、される人に問題があるんじゃなくて、する人に問題があるので、そっちは書いてないので。
〇北川委員長 そういう意味ですか。
〇石田委員 どっちかというとされる人じゃなくて、する人に問題があると。それは、する人に問題があって、それはする人個人だけではなくて、社会が生ませてしまったという表現がいいのかなと思うんです。
〇北川委員長 言葉の対として、少し足らないということですね。
〇石田委員 差別する人は問題がないことなくて、する人に問題があると。その人個人だけに焦点を当てるんじゃなくて、これは社会がそうしてしまったんだということでマジョリティーの問題だと書かれていると思うんです。
〇北川委員長 そこのところが、もう少し丁寧な説明が必要だということですね。
〇石田委員 そのように思います。
〇北川委員長 結構長くなってしまうかも分かりませんが、一度これはまた、あくまでも方向性ですので、今日議論させていただくのは。御意見としてはたくさん賜りたいと思います。
米印があって、前文において差別や人権侵害を例示する場合はという懸案事項がありますが、このことについては、ちょっと正副委員長の勝手な判断にはなりますが、後のいろんな基本理念だとか目的だとかを整理する中で、ここにそういうものが必要なのかどうかという議論に恐らくなるのかなと思いますので、ここの時点でここに例示が必要かどうかというのは、少し保留にさせてもらってもいいのかなというふうに思うんですが、よろしいですか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 それでは2つ目の項目、目的について、書き込みはちょっと少なめでございますけれども、重要なところでもありますので、御意見がありましたらお願いいたします。
〇小島委員 前文に書くか目的に書くか、ということがあるのかなというふうに思いますので、全体として前文のボリュームがどのくらいになってくるのかとか、重ねて書くべきことがあるかどうかとか、その辺りを具体にどうしたらいいのかなという、今そのものがないので何とも言えないんですが、この前文の中身に書いてある考え方そのものが目的だというふうに思うので、その辺りはつくり込んでいく中で整理をしていったらどうかなと思いますが、いかがでしょうか。
〇藤田委員 その意見に私も賛成です。
題名のところでお話があったように、やっぱり人権が尊重される、人権の中に現象として差別というものが出てくる。それをなくしていこう、解消していこうというのが、やっぱり大きな目的になって、東委員がおっしゃったように、広い意味での人権がお互いに守られていく、そういうことの中の大きな問題として差別をなくしていきましょうよということなんで、この2つで、私はいいのかなというふうに思います。
〇北川委員長 ほかにご意見はいかがでしょうか。
〇石田委員 丸が2つあって、米印が1つあって、この米印のところですが、目的において差別や人権侵害を例示する場合は、と書いてありますから、もう例示しなくていいのかなと思って。また、その場合は近年の人権問題をめぐる状況を幅広く記述すると、特に仮に書く場合であっても、近年の人権問題を書いてしまうと、これは時間がたつと、また書き換えになるので、ここはもう書かなくてもいいのかなというふうに思いました。もっと何か普遍的なものを書いていったほうが。
〇北川委員長 ほかに御意見はどうでしょうか。
これは恐らく一般的には、ごめんなさい、委員長が言うことでもないんですけど、一般的な条例とかでいくと、やはり前文に書いたような課題があって、ここで言えば差別を解消していくだとか人権が尊重される社会をつくっていくということが目的であって、そのために以下の項目、例えば県民の責務であったり事業者の責務であったりとか、様々な内容について書いて明らかにして、必要な施策を明示して、その結果として、こういう社会をつくりますというふうなまとめ方が一般的な目的の書きぶりかなというふうに、ちょっと個人的な意見を申し上げたらあれですけれども、そういう表現にここはなっていくのかなというふうに思っていまして。おっしゃっていただいているように、この中身でいいよということでありましたら、ここは事務局のほうで考えさせていただこうと思いますが、よろしいですか。
ここの例示の話も、石田委員も今おっしゃったんですけども、前文と同じで、ちょっと流れが、この後の理念も含めて、県の責務までのところでどういうふうな書きぶりになるかによって、ここに入れる必要があるのかどうかということが見えてくると思いますので、この部分については前文と同じように保留というか、様子を見てという形にさせていただいてよろしいでしょうか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 じゃ、次の項目にいかせていただきまして、差別の定義というところ。これについては、過去の委員間討議でも様々な御意見もいただいてまいりましたので、その点についても含んで書かせていただいてあります。少し重要なところでもありますので、委員の皆さんから活発な御意見を出していただけたらと思います。
米印の内容はまた個々に押さえてはいきますけれども、もちろんそれに関わってのことでも構いません。御意見がございましたらお願いしたいと思います。
〇小島委員 もう既に様々なところで差別の定義というのはなされているわけで、1つ目の米印にも関わってきますけれども、差別をなくそうということで、ずっと今までの題名から前文から目的についても、なくしていくということを基本に話していますから、やはり差別の定義というのは必要で、それを置くことは、もうこれは当たり前だというふうに私自身は考えます。
もう1点、大変難解な言い回しなので、もう少し平易な言葉に落とし込めないかなということと、それから自分自身が読んでいて、差別の定義の丸印、下から4行目なんですけれども、「あらゆる事由を理由とする区別、排除、制限」は分かるんです。「又は優先であって」というので、どうしてここに優先があるのかなというのを調べてみました。
人種差別撤廃条約には優先というのがありますが、ほかの条約には優先がありません。例えば東京医科大学入試の女子差別の問題とかを考えたときに、男子生徒が優先をされたということ、これが優先に当たるのかなというふうに思いますが、そうやって思うと、例えばクォーター制を導入しようとか、それからポジティブアクション、アファーマティブアクション等を導入しようということが駄目になってくるという可能性も、優先においてはあるのかなと思うので、私は優先というのは、もう外したほうが分かりやすいんじゃないかなというふうに思うんです。区別、排除、制限というのは理由のない、それは様々なところで実際に行われているので分かるんですが、優先というのは外したほうがいいというふうに思います。いかがでしょうか。
〇北川委員長 確かにおっしゃったように、たしか人種差別撤廃条約には区別、制限、排除、優先となっていますけども、そのあとの女子差別撤廃条約なり障害者権利条約等には、区別、制限、排除としか出てきません。今おっしゃったような理由があるのかも分かりませんが、少し例示として挙げるのにふさわしいかどうかというところについて、何か皆さん御意見ございますか。
〇山内委員 今の御意見は、いわゆるクォーター制度とかを導入して、今ある差別の状態というか、それを解消に向けて動かしていこうというところとちょっと整合がとりにくいという、そういった意味合いかなと思うんでけれども、それとは違う意味で、ここに優先と使われているということですよね。これまであったということだと思うんですが、今解消に向けて動いているものを指すものではないので、どう言ったらいいですかね、優先が今まであったので、事実として。入れたほうがいいのかなという感覚はあるんですけども、それがその後の解消に向けた動向にマイナスというのであれば、なくなってもいいのかなと思いますけども、ちょっとどうなのかなと。ここに優先が入ったからといって、これから、さっきのクォーター制度とかがブレーキかかるようなイメージは全く持っていないんですけども、これを理由にブレーキかけるという人が出てくるというおそれがあれば、なくしたほうがいいのかなと思うんですけれども。
〇北川委員長 おっしゃったように、ある意味優先というのは分かりやすい差別の一つではあるので、分かりやすさという面ではあったほうがいいという考え方もありますし、ネガティブに捉える必要はないというふうな御意見だったと思います。
一方で先ほど小島委員が言われたように、積極的な施策が逆に差別ではないかというふうな捉え方になってはという懸念もあるという御意見でした。
何かそれに関わって。
〇稲森委員 そう言われてみればそうだなという感じで聞いていたんですけども、ポジティブアクションの妨げになるおそれもあったりとか、これを読んでいると、合理的配慮に対しても何か誤解を招いたりということにつながりかねないかなというふうに思うので、定義の中に別になくてもいいじゃないかなと。さっきおっしゃった例えば医学部の男性を優先していたというのは、逆に言えば女性を排除していたということでもあると思うので、優先というのはちょっと誤解を招きやすいのかなというふうに思いました。
〇北川委員長 ほかに御意見ございますか。
〇藤田委員 恐らくこれは僕の想像の域を出ませんけども、この優先というのは、いわゆるアパルトヘイトか何かで黒人あるいは有色人種に対して白人を優先するという、そういう差別を指すのではないかなというふうに、勝手な想像ですけども。そういうことであれば、そして先ほど皆さんおっしゃったように、障がいになる場合もあるとするならば、なくしてもいいのかなというのが私の思いです。
〇北川委員長 分かりました。
少し他の条例の使われ方も含めて、事務局と精査した上で、ここは正副委員長に任せていただいてもよろしゅうございますか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 ほかに論点として整理が必要なところがあれば、いかがでしょうか。
〇小島委員 この中には書いてありませんが、条約とかいろいろなものを見ると、公的生活の分野という言葉が出されているものがあります。私は、公的生活の分野のようなニュアンスは入れといたほうがいいと思うんです。なぜかというと、私的生活、全く個人的なところまで踏み込むものではないということの、逆に言うと明らかにすることにつながると思うからなんですね。公的生活の分野って何を指すかということをやっぱりいろんなところを調べると、職業的な生活も入るし、それから例えば私的な関係であっても婚約するとか結婚するとかというのは、一つの契約になるので、そういうあたりでの不履行とかそういうあたりも含まれるとはありました。でも全く私的なことについては、そこまでは及ぼさなくていいのかなと思うので、その辺りは厳密に区別をするために、私は入れておいたほうがいいのではないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
〇北川委員長 おっしゃっているのは、条約等には、この2ページの7行目のその他のあらゆる分野としていただいているところに、あらゆる公的生活の分野と、もともと条約には書いてあるんですね。
正副委員長としては、私的な部分も公的な部分もと、そうなると私的な部分は何を言ってもいいかとか、何してもいいかということになってもということで外していた部分もあるわけですが、逆に入れておいて、全く私的な活動にまで制限を及ぼすものではないということを明確にしておいたほうがいいという小島委員の御意見ですよね。
〇小島委員 社会の一員として活動している場面においてという意味なので、いろんな他者との関係が想定されますけれども、そこは私的なこと、全く個人的なことと区別したほうがいいんかなというふうには思うんですが、皆さんがそれは必要ないというのであればこれで結構ですし、いかがですか。
〇石田委員 公的生活とか、私は初めて聞いた言葉なんですが、公的生活と私的生活の境界線は客観的なものがあるのかどうかですね。そこが分からないと、ちょっと判断できませんのやけど。
〇北川委員長 水谷法務監、公的生活の定義的な部分というのは何か書かれたものはございますか。
〇水谷法務監 小島委員が御指摘の人種差別撤廃条約の中に公的生活におけるということがございますので、その辺を調べてみないと。すみません、今、この手元では申し訳ないです。
〇北川委員長 定義に係ることなので、厳密な資料なり、もので判断していく必要はあるかと思います。この部分についてはちょっとお時間をいただいて、どういう意味合いを持つのか。石田委員がおっしゃったように、そこの境目はどこなんやというところを少し整理させていただいて、報告させていただくということでよろしゅうございますか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。
少し米印やチョボの部分も整理をしていきたいんですが、それに入っていくとお昼をちょっと過ぎちゃうかなと思うので、もし意見が切れたところであれば、ここでお昼休憩とさせていただいてもよろしいですか。逆に午後1時ぴったりに始めさせていただくということで。
それでは、暫時休憩をいたします。再開は午後1時とさせていただきます。
(休 憩)
〇北川委員長 それでは、時間がまいりましたので委員会を再開させていただきます。
冒頭、水谷法務監から、午前中の質問事項について少し説明をされたいということですので、水谷法務監、どうぞ。
〇水谷法務監 午前中、お答えできなかった部分について、2点御説明と補足をさせていただきたいと思います。
まず、条例の題名に関しまして、差別のない人権が尊重される、という形容詞が2つ係るような例がほかの県であるのかというお尋ねをいただきました。私はちょっと記憶がないというふうに申し上げてしまいましたが、調べておりましたら類似のものが2つございまして、読み上げます。1つが奈良県、あらゆる差別の撤廃及び人権の尊重に関する条例、名詞を2つつないでおります。あと川崎市で、川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例という2つございます。こういった例があるというのと、あともう一つ、本県の既存条例の中の人権が尊重される三重をつくる条例第1条の目的規定の中で少し似た言い方をしておりまして、この条例は、で始まる条文でございますが、「不当な差別のない、人権が尊重される、明るく住みよい社会の実現を図ることを目的とする」という条文がございまして、今回の条例の題名につきましては、ここを原点といたしまして案を策定した次第でございます。以上が1点目でございます。
続きまして、人種差別撤廃条約の中に出てくる公的生活という意味についてのお尋ねでございました。調べておりましたところ、外務省のホームページに載っておりましたので、ちょっとその点、読み上げさせていただきたいと思います。公的生活(パブリックライフ)の意味とは、国や地方公共団体の活動に限らず、企業の活動等も含む人間の社会の一員としての活動全般を指すものと解されます。つまり人間の活動分野のうち、特定少数の者を対象とする純粋に私的な個人の自由に属する活動を除いた不特定多数の者を対象とするあらゆる活動を含むものと解されます。要は繰り返しますと、特定少数の者を対象とする純粋に私的な個人の自由に属する活動を除いた他のあらゆる活動というような説明になっております。
なお、1点補足しますと、こういった公的生活という用語は、我が国の法令とか、あるいは本県の条例の中で用例はございませんので、申し添えさせていただきたいと思います。
〇北川委員長 何か確認されることはございますか。
〇石田委員 小島委員から出た単語なんですが、言われたときに公的、私的のところで、婚約は公的にという解釈をされてましたかね。今の事務局の説明だと、婚約は私的のほうに入るように聞こえましたが、そのようになるんですかね。
〇水谷法務監 読み方によると思うんですが、先ほども繰り返しました特定少数の者を対象とする純粋に私的な個人の自由というところで読めば、そちらのほうに入ってくることかと存じます。
〇小島委員 どちらってなかなか申し上げにくいんですが、それをどう考えるかということもあるけれども、例えば友人として誰とつき合うかとか、そういうのは純粋に私的なことなのかなというふうに思うんですよね。
ただ、差別の現実をいろいろ見ていったときに、それはいろんな属性によって結婚が駄目になるとかいうことって実際にやっぱりあって、その辺りがどうかなということですよね。公的生活というふうに書くことによって、先ほど申し上げたようなことに含まれる課題が、この条例から除外されてしまうのだとしたら、何も書き込みをしないほうがいいかなというふうに思います。
〇北川委員長 石田委員が午前中に言われたように、そこの境目というか線引きというところについては今のこの外務省の文章だけでは、十分に読み取れないところもありますので、もう少し情報収集した上で、また報告させていただく形でもよろしいでしょうか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 それでは、引き続いて2ページの差別の定義の項目のところで御意見を頂戴していきたいと思いますが、午前中は優先の話、それから今出ました公的生活の2点が出ておりましたけれども、ほかに御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。
特になければ、この米印に沿って少し議論なり確認をさせていただいていってよろしいでしょうか。
1つ目、差別についての考え方は様々である中で差別の定義は難しいといった御意見、これは過去の委員間討議の中でございましたけれども、午前中の小島委員の意見の中では、既に定義されたものがあるよという御意見もいただきました。このことについて、皆さんの御意見がありましたらお願いしたいと思います。
〇藤田委員 いわゆる条約の締結をし、批准をしているわけですので、この条約に書かれている差別とはということは日本の法律上も有効であるわけですから、そこであえて不当な差別ということについて書き込みがあるわけですから、それを今回の中に、どういう書き方をするか、どこにどういうふうに書くかというのは別として、やはり明確にしたほうがいいんではないかなというふうに私は思います。これは小島委員の意見に賛成という意味で申し上げました。
〇北川委員長 ほかの委員の皆さんはいかがでしょうか。
〇山内委員 私も小島委員の意見に賛成です。差別がどういった場面であるのかというのを具体的にしていくことが大事ですし、また漏らさないことも大事ですので、しっかり明記していくことが大事かなと思っています。
〇北川委員長 この点については、その次のところの内容にもよりますけれども、どこにどう表現するかは別として、また議論させていただくとして、この内容の定義を条例の中で明記していくということについては、コンセンサスをいただくということでよろしいですか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 では、そのようにさせていただきたいと思います。
それに付随して、2番目の定義規定として単独の項目を設けるのか、あるいは少し議論もありましたけれども、前文や目的等、他の部分のところで考え方を示していくか。この点について、何か御意見ございますか。
差別の定義について、項目立てはやはりきちんとしてあるべきだという御意見の方、おみえですか。御意見がなければ、ここは少し全体の構成の中で、どこに入れていくかというところは事務局と正副委員長で一度考えて提案させていただくというふうにお任せいただいてもよろしいですか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 では、そうさせていただきたいと思います。
それから、3つ目の印のところで、例示ですが、これは説明にもついていますように、いろんな条約、条例からミックスして入れていますので、いろいろと御意見があるのかなというふうに思いますが、例えば1つ目、「人種」とは別に、例えば人種差別撤廃条約ですと、「皮膚の色」というのも挙がっていたりしますが、この辺についてはいかがでしょう。「皮膚の色」、ちょっと細かい話で恐縮ですけれども、御意見ございますか。
〇小島委員 人種と一緒だという考え方もあろうかというふうに思いますが、経験の中で、例えば、アフリカ系の方がお父さんだというような子どもがいたことがあります。彼女は皮膚の色が大変黒かったのでそのことでもって、日本国籍ですが、いじめられた、差別を受けたというようなことが事実ありました。私は皮膚の色ということで、表面的な事実なので、それは。その違いを入れておくということは、少し人種とはニュアンスが違うかなというふうに思うので、私は入れたほうがいいかなというふうに思います。
〇北川委員長 ほかに御意見ございますか。
〇東委員 映画とかを見ていると、イエロー、イエローと言うんですよね、アジア人のことを。だから色ですよね。つまりどこの国籍かは関係なくて、色で差別をしていくというのが、何かアメリカ映画だとすごく出てきますよね。なので、やっぱり肌の色というのもあったほうが分かりやすいと思う。
〇小島委員 おっしゃるとおりだと思って、今、小さい子どもは肌色と言わないようにというのがあるじゃないですか。もう本当に日本の中でも大きな流れかなと思うので、クレヨンとか色鉛筆で肌色とは言いません。
〔「肌はいろんな色があるから、黒もあれば白もある」の声あり〕
〇小島委員 そうです、ペールオレンジと言ったり、本当にいろんな言い方を今はしますので、そういう感覚って、これからのこの人権の在り方を考える上では欠かせないと思いますので、色ってまさしくそうですけども、やっぱりこだわりたいなというふうに思います。
〇北川委員長 数人の委員の皆さんから、「人種」とは別に「皮膚の色」というのは単独として置いたほうがいいんではないかという御意見が多かったように思いますが、入れさせていただく形でよろしゅうございますか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 2つ目、「国籍」や「民族」とは別に「言語」を挙げる必要がありますかということですが、これについてはいかがでしょう。言語は規約にあるんでしたっけね、国際規約にあったのかな。ごめんなさい、ちょっと記憶があいまいです。人権宣言と規約にある。国際的なものなのでということもあるのかも分かりませんが、具体的に日本国内、県内、県民、事業者という目線の中で言語は、いかがでしょう。
〇山本委員 「国籍」「民族」「言語」の別以外に、例えば言葉ということでいえば日本国内でもいろいろな地域の言葉とかというのがあって、最近はテレビ文化の発達でそんなに顕著化していないように感じられる部分があるかも分からないけれども、でもやっぱり地域の言葉との中で、小さい子なんかではいじめもあると聞いていますので、「言語」という言葉はあってもいいかなと思います。
〇北川委員長 ほかにいかがでしょうか。
〇小島委員 三重県だからこそということを考えると、例えば日系の方が多いですとか、「国籍」と直接リンクしなくても、いわゆる日本語が話せないという方はいらっしゃる。そのことについてのやっぱり理由のない制限、排除、区別等があるのではないかと思いますので、どんどん細かくなる気はいたしますが、「言語」って、三重県だからこそ、あってもいいのかなというふうに思います。
〇北川委員長 ほかにいかがでしょうか。
〇石田委員 その「言語」が要るかどうかというのとちょっと違うんですが、そういうのを探し出すと、これどこまでいくのという感が今ちょっと芽生えたんですわ。いろんな差や違いを探し出して、これもある、あれもあるって盛り込むのって、じゃどこまでいくのと、ちょっとそういう感じがしましたものんで、ちょっと意見として申し上げました。
〇北川委員長 もちろんやみくもに全てということではなくて、ここに挙げさせていただいてある単語は、基本的に条約等に、こっちにあるけれどもこっちにはないとかという流れの中で、今、取りあえずこの上の差別の定義の丸印のところには挙がっていないけれども、例えば先ほどの話のように、人権宣言にはこれはあるよとか、人権規約にはこれがあるよとかという、ちょっと残りのやつをここに挙げてあるという形なので、これ以上広げるという考え方はもちろんないんですけれども。
どちらかというと、「言語」についても入れることを検討したほうがいいのではないかという意見があったということでよろしいでしょうか、現段階では。少し正副委員長のほうでも詰めさせてくださいませ。
それから「宗教」「政治的意見その他の意見」、これは今、2ページの条文のところでは入れさせていただいている形です。入れていくという現状の書きぶりでいいということの確認ですが、いかがでしょうか。
ちなみに、憲法等では、「宗教」も含めて信条というふうな表現にはなっているということもあると下に書いていますけれども、今は明示をしていくという形にさせてもらっています。委員の皆さんからいただいていた意見でもあったので。よろしいですか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 それからその下、「職業」「社会的身分」とは別に「財産」を挙げる必要があるか。「財産」もこれは人権規約に、いわゆる貧困とかがイメージされるものだと思いますけれども、必要でしょうかということです。社会的身分や職業、特に社会的身分の中に含まれるのではないかというのが事務局的な考え方ということでいいんですかね。
〇水谷法務監 どこまで入れるかという中で、社会的身分などでも読めるのではないかなと、それで課題とさせていただいた。
〇北川委員長 どうでしょうか。入れるべきという御意見ございますか。
特に入れるべきという御意見がなければ、この現状のままでいきたいというふうに思います。
その次の下、「社会的身分」とは別に「被差別部落の出身であること」を挙げるということでよいか、今は挙げさせてもらってあります。そしてまた表現も、被差別部落の出身であることということでいいかという確認ですが、いかがでしょうか。
〇山本委員 被差別部落ということを、もし差別があるとして、かつての被差別部落というふうに書かなくてはいけないとすれば、ちょっと違和感もありますし、「門地」で、このことは包含されると思っています。憲法上でもそうなっているので、これまでの被差別部落に多く差別問題が発生しているということとともに「門地」はもう少し広くなりますけれども、そこに包含されるのではないかなと、それでいいのではないかなと思っています。
〇北川委員長 ほかに御意見はいかがでしょうか。
〇小島委員 広く言えば「門地」の中に含まれるという考え方はあると思います。が、わざわざ2法には言及しないまでも、部落差別解消推進法、それからヘイトスピーチ解消法の理念というのを大事にしながらということで、前文のところで議論をしたので、私はできたら、ここは明確に、そのことによる差別がたくさんあるということは、この特別委員会の中でも聞き取ってきましたので、私は入れていただきたいなと思いますが、ここですぐに結論を出すのかどうか、その辺はよく分かりませんけれども、自分自身としては、そのように考えます。
〇北川委員長 これは水谷法務監、「門地」はいろいろ捉え方があると思うんですけれども、憲法に書かれている「門地」というところについての一般的な解釈としてはどんな形になりますか。
〇水谷法務監 文献といいますか、憲法学者の書いている書籍を参照しますと、「門地」とは家柄を意味するけども、社会的身分の最も重要なものとして被差別部落の問題があるという書き方をしているものと、社会的身分、門地を合わせてそこに含まれるというふうな記述になっているところもあって、社会的身分か門地かどちらかと区別することはちょっとあれなんですけれども、いずれかには入っているというふうに解釈されているようでございます。
〇北川委員長 ほかに、このことについて御意見ございますか。
〇藤田委員 「門地」というのは、具体的にどういうものを指すんですか。
〇水谷法務監 文献をそのまま読ませていただきますと、門地とは家柄を意味する。その最も顕著なものは従来の華族であるが、憲法の明文で廃止されたというふうな書き方がしてございます。
〇北川委員長 華族というのは、皇族、華族の華族ですね。
〇水谷法務監 そうです。
あと、もう一つ記述がございまして、社会的身分というのは、生まれ持った身分、例えば被差別部落出身者などとか自己の意思を持ってしては離れることのできない固定した地位というふうに読む立場と、もう少し広く読む立場とあるようですが、いずれにしても社会的身分のほうで読むようでございます。
〇北川委員長 藤田委員、よろしいですか。
〇藤田委員 そうすると、被差別部落というのは社会的身分で読むものだ、というお話をされたというふうに理解したらいいんですか。
〇水谷法務監 憲法の条文に即して、被差別部落出身であるということをどこで読むかというと、社会的身分というところで読むようでございます。
〇藤田委員 分かりました。「門地」とは、どちらかというと歴史的な華族であったりとか、いわゆる家柄といえば分かりますけれども、具体的な家柄というのは何を意味するのかというのがちょっと明確でなかったものですから、お聞きしたわけですけれども、分かりました。大体、全体としてぼやっとしていますけれども、分かりました。
〇稲森委員 この定義の中で一番分かりづらいのが、やっぱり「門地」という言葉だと思うので、さっき「人種」とは別に「皮膚の色」ということも、より分かりやすく、イメージわきやすくということで入れたことでいえば、門地ということ自体、もう外してしまって、また何かもう少し、例えば被差別部落ということだったら、すごいイメージがわきやすいのかなと思ったりもするので。門地って、だから何か華族とか旧皇族とか、憲法の制定当初の名残ですわね、きっと。県民にもう少し親しまれて読みやすいような、分かりやすいようなものに置き換えていく必要があるんじゃないかなと思いました。
〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。
〇中村委員 私は被差別部落という表現は明快に出しておくべきだというふうに思っています。今回、参考人の方にも来ていただきました。3人でしたか、いろいろお話も聞かせてもらっていく中で、やっぱり結婚差別も含めて、就職差別も含めて、様々な差別が、部落差別というのが残っているということを我々は確認もさせていただきましたので、定義のところで部落差別という言葉を消してしまうのはいかがなものかなと私は思っております。
〇北川委員長 ほかには御意見は。
〇山内委員 私も小島委員、また中村委員と同様で、社会的身分の中に含まれるということなんですけども、なかなかそこから直ちに被差別部落というところが、発想として出てこないところにやっぱり問題があるのかなという感覚もあるもんですから、明確に記入いただいたほうが、県民の皆さんにとっても分かりやすいのかなというふうに思います。
〇北川委員長 被差別部落出身ということの明記については、分かりやすさも含めて明記したほうがいいのではないかという御意見が数としては多かったように思いますけれども、両方の御意見が今あるということで、両論あるという形の中で、また正副委員長のほうで整理させいていただくということでよろしいでしょうか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 それから、ほかに挙げるべき具体的事由、これは石田委員の話だと広げ過ぎたらあかんということにもなるんですが、特に、漏れておるやないかというような表現はありますか、属性で。
よろしいでしょうか、今日の段階では。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 最後の米印のところは小島委員が初めにおっしゃっていただいたことで、少し表現として分かりにくさがあるということで、表現について平易な表現をというご意見もいただいていましたけれども、これについて何かご意見ございますか。
〔発言する者なし〕
〇北川委員長 特になければ、定義に関わってのことなので、平易さを求めるのと、いわゆる正確性との兼ね合いがありますので、少しこの辺は事務局で研究をさせてくださいませ。
最後に、全体の流れの中で、この差別の定義を、どこでどう明記をしていくかということは、正副委員長のほうと事務局でまた提案をさせていただくということにはしましたけれども、条例の中にこの差別の定義を明記していくということについては、皆さんの合意を得られるということでよろしいでしょうか。
御異議ございませんか。
〔「異議なし」の声あり〕
〇北川委員長 では、そのようにさせていただきたいというふうに思います。
それでは、残り時間も限られてきましたので、次の基本理念のところにいかせていただきます。
基本理念については、1つ目の丸印では、基本理念としてこんなことを規定すべきではないか、2つ目の丸では、それに加えて差別の禁止について規定をする書込みをしていってはどうかと、それに対しての幾つかの整理すべき論点がありますよと、こういうことで説明をさせていただきました。
まず、前段の1つ目の丸のこういう内容を基本理念に入れていくべきよねというところ、4つ挙げさせていただいてありますけれども、これについて御意見がございましたら、いただきたいと思います。
〇稲森委員 4番目の表現の自由その他の日本国憲法の保障するということで、表現の自由ということを最初に挙げて、特に出している理由というのは何かあるんでしょうか。
〇北川委員長 言葉の順番が一番前にあるという意味ですか。
〇稲森委員 表現の自由だけを特にここから特出ししている理由というのはあるんですか。
〇水谷法務監 表現の自由だけではなしに、その他のということで、憲法で定める基本的人権の中にもそれぞれぶつかり合う場面があるということで、その一つとして、表現の自由を例示させていただいたということでございます。
〇稲森委員 僕の認識なんですけど、表現の自由というのは、個人が、私人が国家権力とか公権力を持った側を批判する自由だと思うんですけども、そういうことでよろしいでしょうか。究極的には、本質的にはというか。
〇水谷法務監 憲法の基本的人権そのものが、委員がおっしゃるように基本的には個人と国家との間のものでございますので、ここでいう表現の自由についてもそういうこともあろうかと思いますが、ただ、すみません、細かくなっていくと私人間の効力とかといった問題もあろうかと思いますが、基本的なベースは公権力と私人ということで、委員がおっしゃるとおりだと思います。
〇稲森委員 表現の自由を保障しなければならないというようなことを特にあえてうたうというのは、例えば大阪市の条例だとか、公権力を個人に対して課すと、公権力の行使を通じて個人の自由を制限するという場合のみに特出しすべきで、今の県の条例の検討の中では、特にそういうことは今のところメインの話題に上がっていない以上、この表現の自由を最初に持ってくるということは、表現の自由よりも重い幸福追求権なり、一人ひとりが持っているものを差別されないという権利ですね。表現の自由と人権問題というのはよくぶつかるというふうに言われるんですけども、表現の自由というのは公共の福祉に反する自由はないということで、人権を尊重するという自由というか権利というか、そこの部分のほうが重くなってくるというふうに認識しているんですけども。ですので、表現の自由というのを最初に持ってくるということは、その条例の趣旨が個人の、例えばヘイトスピーチで名前を公表するとかという何か罰則つきであるかとか、そういう場合にみに例示をすればいい話で、だからむしろ表現の自由と差別や人権侵害ということの対立をあおっちゃうんじゃないかなという懸念があるんです。
ですので、県条例で罰則とかを設けない以上は、特出しをする必要がないというふうに思います。
〇北川委員長 表現の自由については、もう少し次の段階というか、議論が進む中で、もうちょっと議論しなきゃいけないのかなと。ごめんなさい、委員長の個人的な意見として聞いていただいたらあれなんですけれども、なぜかというと、今おっしゃっていただいた、確かに憲法上の表現の自由の文言というのは公権力に対してのことなので、かなりはっきりしますけれども、しかし当然ながら水谷法務監が言われたように、それのみに限られるものではなくて、私的なものについても問題になり得るということなので、ただそれは一方では、じゃあどんな場合にこの表現の自由をこの差別の解消の条例の中で何を対象にそれを議論すべきかというのを少し議論しなくてはならなくて、今言われたようにヘイトスピーチということもあれば、それからインターネット上の表現ということもありますし、いろんなケースの中で、一方で言われたように表現の自由と相対して、じゃ公共の福祉、人権侵害になり得るものまで表現の自由が許されるかと、そういうことでもないんだろうと思いますし、その辺の整理を、どこかでまとめてさせていただかなければいけないなのかなというふうに思わせてもらいました。
ただ、表現の自由について、特出しするかは別にして、何らかの書込みが必要ではないか、やや抽象的な言い方ですけれども、という思いを正副委員長としては持っていて、ここに入れさせてもらったというのが経緯です。
〇稲森委員 分かりました。基本的にこの条例の性質が、ここにも書いてありますけど、差別を禁止することによって公権力が個人の表現の自由や内心の自由に介入すべきではない、という意見に基づいて多分ここに書かれているんだと思うんですけども、公権力が個人に介入する状態というのは、やっぱり個人に規制をしたり罰則をかけたりという、そういう公権力の行使がある場合のみに明記をするべき表現の自由というところだと思うので、これを特に、今後の議論ですけれども、条例の性質によって表現の自由というのをどう捉えるかというのは変わってくると思うので、また今後。
〇北川委員長 少し議論が進んでいった中で、もう一度一つの項目として議論させていただきたいというふうに思います。
〇東委員 今は2ページの基本理念のところを議論しているんですよね。
条文に前文があるじゃないですか、その次に目的があるじゃないですか、この条例はという目的。それで、差別の定義はちょっと別かなと思うんですけど、その次に基本理念があるじゃないですか。これって、言っていることは、割と前文は大きくやって、次の条例の目的とこの基本理念というのは、私は、一緒じゃないかなという気がするんですけど、そんなことないですか。やっぱり別項目でつくったほうがいいですかね、目的とこの基本理念。
〇北川委員長 それは条例策定に当たって、基本理念に書き込むべき、あるいは一般的に書き込まれる内容というのはどのように説明すればいいですか。
〇水谷法務監 明確な基準があるわけではないと思うんですけども、やはり前文は、どちらかというと制定者の思いみたいなものがどうしても入ってきますし、前文が充実してくると、逆に目的規定というのは、やや縮小する。この条例は何々することにより何々を目的とするという簡潔な条文になって、だから相対的に長かったり短かったりしてくるかと思うんですが、この理念規定に何を書くべきかというと、やはり今後のこの施策などをしていくに当たって、以下の条文に当たって、こういうことが基本的原則ですよというものをうたうべきものかなと。ですので、委員がおっしゃるように、かなり重複した内容にはなってこようかと思うんですが、そのうちでやや特出しして、特に書くものはこの理念の規定に書くものかなというふうに考えます。
〇東委員 条文ですので、日本でいうと憲法になるわけで、何回も一緒のことを言うよりも短くコンパクトに分かりやすく、条文はね。規約とか何かはまた丁寧にすればいいと思うんですけど、割と小島委員がおっしゃったように平易な表現とか、迷路に入ってくるような、ここでもこういうこと言っているよね、ここでもこういうことを言っているよねじゃなくて。何を言いたいかというと、理念って、目的と前文があって、一緒のことを受けて、ちょっと詳細に目的があって、また理念かいというイメージを持ったんです、今のやり取りを聞いていて。なので、その辺はなるべく小さくしたほうがいいんじゃないかなという、まとめるというか、同じことを繰り返すんじゃなくて、私はその意見です。違う意見の人も当然いらっしゃると思いますが。
〇北川委員長 まさに水谷法務監が言われたように、基本理念のところは、この後にいろんな、例えば県の責務だとか事業者の責務だとか解消の仕組みだとか出てくるわけですけれども、それはこういう考え方で、以下のいろんな内容の書込みについて、こんな考え方でつくりましょう、つくってくださいねということを明らかにしていっているところが基本理念かなというように、解釈させてもらったんですけれども、そういうことでよろしいんですね。
〇水谷法務監 こうしなきゃいけないというわけではないんですけども、大体、県のほかの条例などもそういったつくりになっておろうかと思いますので、委員長がおっしゃったような形のものをここには書くものかなというふうに想定されます。
〇北川委員長 そういう意味では前文、目的からつながって、かぶる部分もありますから、東委員がおっしゃっていただいたように、簡潔というか、そぎ落としたものになっていくということで考えていけばいいんですね。
〇水谷法務監 原則、以下の条文につながるエッセンスみたいなものを書く、というのがここになろうかと思います。
〇東委員 私の頭があまり柔軟じゃないかもしれないけど、今ある「人権が尊重される三重をつくる条例」、非常に簡潔ですよね、ぽんぽんぽんと。現在の状況は、いろんな多種多様な価値観があって、いろんな差別が発生したということで、今回これをベースにという思いがあるので、私は。なので、このときでも前文があり目的があり、いきなり県の責務なわけですよね、今の条例は。ということは、つまりここに差別とは何ぞやとか、定義が入ってくる。これでもすごく丁寧だと思うんですよ、今の状況に合わせていると思うので。なおかつ基本理念をまたここに出すのかなというのが正直な気持ちだったんですね。だから前文が、ひょっとするとすごく崇高な文言になるんじゃないかなという気はする。それのほうが、何でもそうですけど、前文の重きが大きかったら、あとは淡々といったほうがインパクトあるような気がするんです。一つの意見です。
〇北川委員長 4つ項目がありますけれども、初めのあらゆる分野において人権尊重の視点に立つことという部分なんかは、まさに前文とつながってくる、ある意味かぶってくる部分にもなるかもしれません。一方で、意図的なものだけじゃなくて、意図的でないものも対象にして解決していかなければならないという視点であったりだとか、それから差別の解消なり人権問題の解消に当たっては対話を重視していくという視点だとか、こういうところについては後の解消の仕組みだとか、相談体制だとか、そういうところにそういう考え方を持って、つくり込みをしましょうということを示している部分かなというふうに理解をしています。そういう部分で、ここの書込みを、後ろはまだこの先の議論になりますので、形ができているわけではありませんけれども、県の責務から後ろを意識しながら、ここに視点としてこういうのを書き込んでおきましょうということがあれば指摘をいただきたいと思いますが。
〇藤田委員 今、委員長がおっしゃったことにあれなんですけども、やっぱりこの条例というのは、要は差別をなくしていきましょうよと、いろんな方法でなくしていきましょうというのが、主眼になっていると思うんです。それまでに、差別って何なの、というようなことを我々が一定の範囲で決めていく。その後で、本当になくしていくにはどうしたらいいのという話になってきたときに、ここへ来るんではないかなと。
特に私が思うのは、この3点目の解消していく、ここは人権問題と書いてありますけれども、特に差別をなくしていこうというこの話の中には、お互いに話し合いをする中で理解し合っていく、その中でこんなの差別だ、なんとばからしいことなんだということをお互いに理解していこうじゃないですかというのが、この条例の持っている大きな意味かな、というふうには私は思っとるんです。
そういう視点から見たときに、この対話を重視するという表現、この辺のところを、この後の解消していくというその方法についても、以前からこの場で話が出ていましたけども、そこら辺を意識して、こういう項目をやっぱり入れておいたほうがいいのかなというふうには思うんです。
〇北川委員長 分かりました。
〇小島委員 差別解消の仕組みを、というふうにずっと申し上げてきました。それがこの後に出てきていますので、そのためには、2つ目の丸印になりますけれども、差別の禁止について規定をするという、理念なのか、いろいろ言い方はあると思いますけれども、その中身を明確に打ち出さないと後につながらないかなと思うので、そういう意味では、理念と呼ぶかどうかは別にして、きちんと短くても書き込んでおくことは必要かというふうに思います。
それからもう1点、稲森委員がおっしゃったことですが、表現の自由のことです。私は、基本理念という書き方をするのであれば、この表現の自由その他の国民の自由と権利を尊重することが、不当に侵害されないようにということが大事なんだろうと思うので、この条例の適用に当たって、全体に通じる留意事項だというふうに思いますから、留意として、基本理念じゃなくて別のところに、例えば保障されるべきだけれども、それを不当に侵害しないように気をつけなさいよというようなことを一文入れといたらどうかなというふうに思うんです。基本理念の中に、尊重することという書き方であるから、差別よりこれが尊重されるべきじゃないのという気持ちを生むんだと思うので、やっぱり不当にゆがめられることがあってはならないというふうに思いますから、そこを留意として特出しして書き込むという手法もあるのではないかと思います。
表現の自由については、やっぱり他人の名誉を侵害する表現の自由というのはなくて、それは表現の自由の権利の濫用でしかないという判決も出ているので、その辺りはやっぱりそういう書き方やつくり込みでもいいのかなというふうには聞いていて思いました。
手法については、ここで今決め切るということではないと思うので、またいろんな議論の中でお考えいただいたらどうかなと思います。
〇北川委員長 おっしゃったように他県の条例の中では、いわゆる留意事項的に、後ろに表現の自由についての書き込みがあるという例が多いかというふうに思います。皆さんに持っていただいている事例集からいけば。そういう手法も含めて、少し正副委員長のほうで考えさせていただきたいと思います。
初めのお話は、基本理念の中で、その差別の禁止についての明記をきちんとすべきだという御意見ですね。
〇小島委員 はい。
〇中村委員 ちょっと自分だけ分からないのかどうか、水谷法務監にお伺いしたいんですけど、この基本理念の最初の丸の2つ目に意図的な不当な差別という言葉と、意図的でない不当な差別とあるんです。意図的でない不当な差別って、具体的には知らない間に差別をしてしまったというふうに読み取っているんですけれども、その辺、具体的にはどんなことを想定されているんでしょうか。
〇水谷法務監 この辺はちょっと山内委員が前回御説明されておった中にも、たしかお参りにいくようなということを……。
〇山内委員 もう少し考え直して、そもそものというところだったんですけれども、個人的な感覚としては、意図的でないというのは知らないうちにということなんですけど、意図的というのは、いわゆる確信的にというか、注意を受けても積極的に差別をするようなこと、こういったことを考えておりますけどね。
〇中村委員 この意図的でない……。
〇山内委員 意図的でないというのは、知らないうちにというか、そういった事象を知らなかったので、結果差別につながってしまったというところですね。注意を受ければ、すみませんでしたと言っていただけるような方は意図的でない部分に入るのかなと。意図的というのは、注意をしても直ちには正していただけない事案なのかなという、感覚ですけれども。
その2つに対してはアプローチの仕方、対応の仕方が違うという感覚で使わせてもらった。
〇中村委員 ありがとうございます。これから差別の禁止とか、こういう議論になってくると、その辺も整理しておかなあかんかなと思ったので聞かせてもらいました。
差別の禁止については、きちっとそういう形を前に出して決めていく必要があるかなと、はっきりさしていくべきかなというふうに思っております。
〇北川委員長 ほかにこの理念として書き込むべき内容について。
〇石田委員 先回も今のところ、意図的でないところの話で、ちょっとまだ落とし込めていないというか、意図的でない不当な差別のところをもうちょっと私の中で整理したいところがございます。
意図的でない不当な扱いなら分かるんです。意図しなかった、全然差別の気持ちも全くなくて、結果的にその行為は差別心を持ってやっている行為と同じですから、よくないですよというのは、意図的でない不当な扱いというなら、よく分かるんです。ただそれをここへ入れるのかどうか別として。意図的でない不当な差別、という言葉自体があり得るのかな、どんな事象なのかなというのがちょっとまだ整理できていないので、山内委員からもう少し御説明をいただけたら。
〇山内委員 石田委員の言っているのと変わらないと思うんですけども、意図的でない「不当」という言葉を使っているのがちょっとあれなんですが、行為によって、結果、差別につながったということですね。なので意図的でないので、差別をしようと思っていないわけですから、意図的でない「差別」って確かにおっしゃるとおりおかしくて、意図的でない行為によって、結果、相手が差別を受けたと感じることをこういうふうに書いていただいたと思うんですね。
〇水谷法務監 前回の御説明のときに必勝祈願を皆さんで行くような場合とか、たしか例示なさっておったと思うんです。そういったこともこの中に含まれるのかなというふうに考えます。
〇北川委員長 お話のとおり意図的でない不当な差別の、この「意図的でない」と「不当な差別」の間に、ちょっと言葉が足らない部分は確かにあって、意図的でないけれども、結果として不当な差別になるものがあるということをこういう表現にしていただいていると、そのとおりだと思いますけれども。
〇山内委員 例えば部落差別なんかでいうと、部落差別のことをあまり知らない中で、出生を調べるということが駄目なんですということを、ただそれが差別につながると知らないがゆえに、ただ調べてみようと思って、相手には気づかれないうちに調べたことは、差別としては事象として出てこないと思うんですけれども、調べた行為を相手が知った場合に差別になりますよね。差別するつもりはないんですけれども、相手には知られないようにそういった出生とかを調べるという行為は、相手が知った時点で差別になりますね。これも1つなんですけどね。相手を傷つけようとはしていないんですけどもという部分もあります。
〇石田委員 不当とか不適切とかという行為なのかも分からないけども、それを差別と呼ぶかどうかというのは、私の中でまだクエスチョンですけど、ちょっと皆さんの意見も聞いてみたいんですが。
〇北川委員長 皆さんどうですか、何かほかに御意見ございますか。
〇山内委員 基本的に差別は、受けた側が差別を受けたと感じたら、基本は差別なのかなというふうに、そこは大前提で思っています。もちろんこういった事象の中の範囲でですけれどもね。
〇北川委員長 よろしいでしょうか。
〇東委員 私は、ここの基本理念が要るかどうかというところから、前文があって、条文の目的があれば、いきなり中に入っていけばいいと思うんですけどね、基本理念とか言わずに。基本理念というから、今のこの意図的でないというようなことも腹にはまりにくいかも分からんなと思うんです。基本理念というところの項目に挙がっているから余計ですよねと、私は勝手に解釈したんですけど。だから基本理念というよりも、もう前文と条文の目的の中に吸い込ませていけばいいような気がする。後にも送らせればいいと思うんですね。いろんな責務だとかこういうこと。
今回、やっぱり差別の定義というのは画期的ですよ、入れるとしたら。画期的やと思う。だからその中で差別とはこんな事象です、みたいなところが分かってくるので、それが理念だと思うので、例えば相談というのは次にすごく大きなことだと思うんです。一歩前に出て、それを後で規定するわけですから、その中でさっき藤田委員がおっしゃったような、対話だとか解決の手法の中で盛り込むというのが、私は条文としてはいいんじゃないかなというのがあるから、ちょっと面倒くさい話を今申し上げたんです。
〇北川委員 確かに基本理念の中に、以降の考え方について示すとはいうものの、別にその以降の項目の中で書き込むという方法ももちろんあるわけですので、この基本理念の中にどこまで書くかというのは、差別の禁止の内容についての議論もこの後ありますので、それをした上で、もう一度お話をさせてもらうということで、予定の時間が申し訳ないですけど来てしまいましたので、途中になりますけれども、次回改めて、この3ページのところから始めさせていただいて、今の基本理念全体をどうするかというのをもう一度議論させていただくということから始めさせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上で差別解消に向けた条例の在り方の方向性等についての本日の委員間討議を終了いたします。
次に、次回の委員会ですが、本日に引き続いての委員間討議及び次回は定例月会議ということもありますので、請願の審査を行いたいと存じます。日程等、詳細についてはこの後の委員協議で御協議いただきたいと存じますので御了承願います。
本日御協議いただく事項は以上でございますが、特に何か御意見がございましたらお願いします。
よろしいですか。
〔発言する者なし〕
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
差別解消を目指す条例検討調査特別委員長
北川 裕之