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令和3年5月31日  差別解消を目指す条例検討調査特別委員会 会議録

資料はこちら

  差別解消を目指す条例検討調査特別委員会
会議録
(開会中)
 

開催年月日    令和3年5月31日(月曜日) 午後1時0分~午後2時33分
会   議   室     601特別委員会室
出 席 委     11名
               委   員   長      北川 裕之
               副 委 員 長       山崎  博
                委      員      石垣 智矢
                委      員       小島 智子
                委      員       山内 道明
                          委     員        山本 里香
                          委         員       稲森 稔尚
                          委         員      藤田 宜三
                          委         員      石田 成生
                          委         員      東    豊
                         委         員     中村 進一
欠 席     なし
出席説明員   出席を求めず
事務局職員   企画法務課政策法務監兼班長  水谷 憲司
委員会書記
               議事課       主幹  櫻井  彰
               企画法務課    主任  長谷川 智史
傍 聴 議 員    1名
                                   杉本 熊野
県 政 記 者    なし
傍  聴  者    なし
協議事項
1 差別解消に向けた条例の在り方に係る各委員意見について
2 活動計画の作成について
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
 
〇北川委員長 初めに、5月7日の本会議において、石田成生議員が委員に選任されましたことを御報告させていただきます。石田委員、一言。


〇石田委員 今日からお仲間に入れていただきます。どうぞよろしくお願いします。


〇北川委員長 よろしくお願いいたします。
 本日は、差別解消に向けた条例の在り方に係る各委員の御意見について及び今後の活動計画に関する委員間討議を行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 なお、委員間討議に先立ち、議会事務局企画法務課に水谷憲司政策法務監兼班長が着任されましたので、水谷政策法務監、御挨拶をお願いいたします。


〇水谷政策法務監 政策法務監兼班長の水谷と申します。どうぞよろしくお願いいたします。


〇北川委員長 事務局より続けて報告事項がありますので、併せて説明をお願いします。


〇水谷政策法務監 それでは、説明させていただきます。
 令和2年11月19日の本委員会におきまして、前任の袖岡のほうから他の都道府県等における差別解消の条例の概要について御説明申し上げましたところですが、そのうち鳥取県人権尊重の社会づくり条例というのが令和3年3月に一部改正されまして、4月1日から施行されておりますので、改正の概要について御報告申し上げたいと思います。
 お手元に改正後の条例全文をお配りしております。改正部分に下線をつけておりますので、御覧いただけますでしょうか。
 まず、第1条の目的規定における人権問題の例を列挙している部分でございますが、改正前は、「同和問題、女性の人権に関する問題、障害者の人権に関する問題などの人権に関する問題」とありましたのが、改正後は、お手元にありますように、「人種、国籍、民族、信条、年齢、性別、性的指向、性自認、障がい、感染症等の病気、職業、被差別部落の出身であることその他の事由を理由とする差別その他の人権に関する問題」ということで、人権に関する問題の例示が多数追加されておるところでございます。
 また、第5条として、県、市町村及び県内に暮らす全ての者の相互の協力等に関する条文が新たに設けられております。
 第6条第2項で、基本方針に定めるべき事項を列挙している部分でございますが、第2号に人権教育が追加されておりますほか、第5号として人権施策の推進に資する調査に関することというのが新たに加えられております。
 また、第7条として、差別のない社会づくりの推進に関する条文が新たに設けられております。
 鳥取県のホームページによりますと、今回の条例改正は、インターネットやSNSの発達、新型コロナウイルス感染症の拡大などにより、人権に関する問題が複雑化、多様化している現状を踏まえて、差別のない人権が尊重される社会づくりを一層推進するために改正を行ったということでございます。
 本委員会での論点と重複する部分が多いと思われましたので、昨年11月の御説明の補足として御報告させていただく次第でございます。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
 
1 差別解消に向けた条例の在り方に係る各委員意見について
〇北川委員長 続いて、差別解消に向けた条例の在り方に係る各委員の御意見についての委員間討議に入ります。
 前回の委員会において依頼いたしました、これまでの委員間討議を踏まえた差別の解消に向けた条例の在り方に係る調査票について、各委員の皆様から提出をいただきましたので、お手元に配付の資料1のとおり、まとめさせていただきました。
 本日は、資料1を基に各委員の皆様の条例の在り方についてのお考えについて、石垣委員から順に御説明をいただき、それぞれのお考えについて委員間で共有を行いたいと存じます。
 それでは、石垣委員から順に資料1に基づき、それぞれ5分以内を目安に御説明をお願いしたいと思います。


〇石垣委員 それでは、提出させていただいた、これまでの委員間討議を踏まえた差別の解消に向けた条例の在り方についての中の、私の提出した部分を報告させていただきたいと思います。
 インターネット(SNS)や新型コロナウイルス感染症の拡大によって様々な人権に関する問題が変化してきているということを、この委員会の中でも知ることができました。
 改めて人権が尊重される社会づくりを推進するために、人権が尊重される三重をつくる条例の変更点、追記事項という形で記載させていただいております。
 人権が尊重される三重をつくる条例の目的の部分に関してですけれども、この目的の部分では、「障害者」という字で障害の「害」という字を平仮名表記に変更してはどうかというのが1つ目。
 そして、この目的内にある例示の部分に、新たに「感染症等による病気」、そして「外国人」というものを追記してはどうかというのが2点目であります。
 そして、例示の最後に括弧書きで、インターネットを通じて行う行為を含む、というこの文章を追記してはどうかというのが3つ目であります。
 そして、この人権が尊重される三重をつくる条例の県民等の責務の点でありますけれども、この県民等の責務のところには第3条第1項の最後の部分に、こちらのほうも括弧書きで、インターネット上の行為を含む、という言葉を追記してはどうかということであります。
 そして、基本方針のところでありますけれども、この基本方針のところには、相談支援体制の充実に関することを追記してはどうかという意見です。
 その下のポツのところにもなるんですが、現在、人権が尊重される三重をつくる条例には、相談に関する内容は記載されておりません。新たに人権に関する相談についての規定を設けて、さらなる相談体制の充実、そして相談者への支援等につなげてはどうかというところがこの基本方針のところであります。
 そして、追記する新たな事項として、こちらも人権に関する相談という項目を設けて、相談体制の充実を図る内容を記載してはどうかというところであります。
 そのポツの部分ですが、人権が尊重される三重をつくるための人権相談窓口の設置、そして、ポツ2つ目ですが、国、県、市町等が設置する相談機関やその他関係する機関の紹介、ポツ3つ目は、相談者への支援及び関係機関に対する支援、そして、4つ目のポツは、知事は各市町や関係機関との情報共有や緊密な連携。こういった人権に関する相談に関して新たに追記してはどうかというのが、この人権が尊重される三重をつくる条例に新たに追記してはどうかという私の意見になります。


〇北川委員長 説明を続けさせていただきたいと思います。
 引き続いて、小島委員、お願いします。


〇小島委員 それでは、次のページから4ページにわたって、こういう項目を条例としては備えることが必要なのではないかという観点で書かせていただきました。新たにつくる、改正をするということについては触れておりません。
 まず1点目、前文です。入れなければいけないなと私が考えたのは情勢です。どのような変化があって、今どういう状況になっているのかということ。法律の様々な名前を挙げて書き込むことが必要ではないかと思います。
 2点目は、この条例によって何を目指すかという社会像をきちんと描くことが必要だろうと思っています。多様性の尊重、共生社会、SDGsの根本理念でもあります誰も取り残さないというようなこと、そういうことを言葉としても書き込むことが必要ではないかと思います。
 それから、3つ目の三重県としての独自性でありますけれども、前文に入れるかどうかということもありますが、三重県においては、本当にこの差別の問題は歴史的な取組があるということをベースに置きたいなというふうに思います。
 災害と人権について特出しをしたのは、今回のコロナ禍でもあったように、そういう特別な場合においては人権侵害が起きやすい、被差別の側の方によりきつい事象となって現れやすいということをこのあたりで触れてはどうかなというふうに思ったから書かせていただきました。
 2点目、目的になります。これは前文に書き込むか、目的に書き込むかということは整理をする必要があるというふうに思っておりまして、前文にあることが目的のほうに移行することもあり得るだろうというふうに思っています。目的としては差別の現実をしっかり明記し、その上で差別を解消し、もって人権尊重の社会の実現を目指すこと、これを目的の中心理念としてはどうかと思います。
 差別の定義についてであります。先ほども鳥取県の条例の改正理由等がありましたけれども、きちっと書き込んでいくことが必要なのかなというふうに思っています。人種、肌の色、国籍、民族、信条等と書かせていただきました。ただ、ここには書いていないんですけれども、迷っているところがあって、被差別部落出身であることというのは、この言葉のどこにも当てはまらないかもしれないなと思うので、そういう判断をしたら書き込むことが必要なのではないかとも思います。
 基本理念です。差別の禁止を含めた理念ということで、あらゆる分野において人権尊重の視点に立つ。誰もが差別をしてはならないということを規定する。
 それから、人の属性に関する暴露の禁止と書きました。性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例の中にもアウティングの禁止が書かれたわけですけれども、性の多様性だけにとどまらず、部落出身である、在日コリアンである、あるいは帰化している、障がいがある、病気がある、感染した、あるいはしているなど、本人の同意なしに暴露することは許されないというふうに考えますので、そのことを基本理念として書き込んではどうかと思います。
 県の責務についてでありますが、人権尊重の視点に立って、全ての行政活動に取り組むのはもちろんのことです。それをベースにして目的達成のため、総合的かつ計画的に施策を実施すること。
 それから、2つ目は、初めのほうから書いていますけれども、差別行為が行われるだろう、人権侵害が行われるだろうという見通しが立つ場合において、公共施設の利用については何らかの制限を加えるような必要があるのではないかというふうに考えて書かせていただきました。
 次が市町等との協働・連携であります。差別の実態把握に関しては、市町と連携しながら、市町の持つ情報をどのように把握するかということが必要になってこようかと思いますので、書かせていただきました。
 次が事業者の役割です。県条例ですので、基本理念を理解していただくようにということと、差別を解消するための協力をいただくこと。
 それから、各調査をしてはならないということは規定できないものかと考えています。例えば就職差別につながる調査、結婚に関する身元調査、それから昨今問題になっております不動産取引に関する差別の調査であります。このようなことを禁止できないかとも考えています。
 次のページです。
 三重県において、先般決議も行われたところでありますけれども、公務員、そして特に県議会議員においては、高い人権意識を持ち、目的達成に寄与することと書き込むことが必要であろうと思います。県の施策に協力し、主体的に取り組むのはもちろんのことであります。
 県民の責務は、差別のない人権尊重の社会づくりに関する理解と、先ほども公務員、議員のところで申し上げましたが、県の施策に協力し、主体的に取り組むこと、これも県民の責務として入れるべきだろうと思います。
 相談についてです。ずっと申し上げてきましたけれども、いわゆる障がい者差別解消条例の仕組みをどのように当てはめるかということを考えるべきであろうと思います。先般の事案でもあったように、どうやって解決に向けるかということがなかなか見えにくかったというのが、性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例の中での問題点でもあったというふうに感じておりますので、相談、助言、あっせん、そして勧告に至る道筋を明らかにすべきと思います。その際、矢印の2つ目の下ぐらいに書いてありますが、「差別解消調整委員会」とかぎ括弧つきで書かせていただきました。これは人権施策審議会とは別に置くべきだと私は考えていて、実働する調査等機関として置くべきであろうと考えています。この相談、助言、あっせん、勧告、公表等に至るその対象を誰にするかということでありますが、私は最初に行政や事業主に対してというふうに考えていましたけれども、あるところまでは個人を含めることが、その個人における被差別の問題を解決することに資するのではないかと思っていますので、そのあたりの範囲というのはこれからきっと議論の対象になってこようかと思います。
 最後のページになります。
 救済に関すること。どのようなことを行えば被差別者の方々の救済に当たるのかということを、県のほかの条例とも合わせながら、そこに何点か書かせていただきました。
 そして、上から2点目、様々な事例の蓄積、分析、研究の推進をすること。これはまさしく市町で行っていることを集めて、県が行う役割でもあろうかと思います。
 実態調査です。差別の実態を明らかにする実態調査を行うこと。ただし、括弧に入れましたけれども、部落差別解消法にもありますが、新たな差別を生まない工夫、これが必要であろうと考えます。そして、さきにも申し上げましたが、市町と連携すること。県下全域、もしかして地域性もあるかもしれませんので、その辺も含めながら市町と連携し、実態を明らかにする必要があると思います。
 教育・啓発です。教育がベースだというふうに考えておりまして、人権尊重の理念を根本として差別を許さない意思を持ち、差別解消に向け、行動する三重県人を育てる、そのような認識の下で教育、啓発をしっかり行っていくこと。その際、人材確保と人材を育成すること、これはベースとして欠かせないと考えます。
 下から2点目、財政上の措置です。目的達成のための施策を実施するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるということ。
 そして、年次報告を書かせていただきました。
 後から見直しますと、どうも足りない項目、内容があるなというふうに思っておりまして、それについてはまた皆さんと全体的な議論をする中で意見を申し述べたいと思います。


〇北川委員長 では、引き続いて山内委員、お願いいたします。


〇山内委員 条例の在り方についてということで、概念も含めてというか、そういった部分が多いかなというふうに思いますけれども、ちょっと羅列する形になっておりますが、御紹介をさせていただきたいと思っています。
 1つ目の黒丸ですけども、あらゆる差別からの解放と、人権闘争としての差別の解消を目指すというところで、差別からの解放という部分なんですけども、被差別者がその差別原因に対する劣等感等を乗り越え、不動の尊厳を勝ち得ていく、そういったところへつなげていきたいという思いです。
 2つ目、これは先ほどありましたように、司法の場に限らず、第三者的な相談の窓口をしっかりつくっていくことが大事だというところです。
 3つ目ですけども、差別には意図的なものと意図的ではないものが存在しております。その両方を含めて差別の解消に努める。解消においては対話を重視するという感覚が非常に重要であるというふうに思っています。意図的なものと意図的ではないものに関しては、そこにアプローチしやすい、またアプローチしにくい、両面がありますけれども、対話こそがより深く、差別をした人にとっても変革を期待できる手法であるというふうに思っています。
 4つ目、言語、宗教、信条というのが今、三重県の人権課題においては、文化的背景という一くくりにして表現されております。先ほど小島委員のほうからありましたけども、それぞれの人権課題を明記、きちっとすべきであるというふうにありましたが、特に宗教というところはきちんと個別に明記すべきだと考えています。理由のほうが、外国人において言葉の壁、宗教上の制約、これはもう慣習とか食べ物に現れておりますけれども、などが現に存在していますので、社会における理解を促進していかなければならないというふうに考えています。特にこの信教の自由という感覚におきましては、外国人だけではなくて、日本人も今の社会の様々な場面におきまして、強制的とまでは言いませんけども、いわゆる同調圧力、これは意図的ではない部分が多いかというふうに思いますが、そういった力が働く環境において侵害されている状況があるというふうに思っています。
 実際には私がいただく様々な声で、特に団体による必勝祈願とか合格祈願とか、企業・団体における奉納行事とか、自治会においてその敷地内にある、いわゆる神社仏閣の維持管理における様々なルールとか、また、幼児教育から様々な学校教育においてのいろんな場面での宗教的な儀式とか行為とかというところを強制されるとか、そういった様々な案件で相談をいただいているところです。
 その上で、相談窓口に個別に相談しても、全て文化的背景の差別事象ということで一くくりにされている現状がありました。私がヒューリアみえのほうに個別で少し聞き取りをさせていただいた折、宗教に関する相談はありますかということをお聞かせいただいたら、ありますよということでありました。県の報告にこういった案件の報告は上がってきておりませんけども、どういうことですかというふうに確認させていただいたら、基本的には文化的背景の政策課題に全て含まれますので、そういった案件がカウントされない、中に隠れている状況になっておりますということでありましたので、やはり差別の実態をしっかりと報告が上がってくるような形にして初めて解消ができるというふうに思っていますので、そういったところが顕在化するように持っていく必要があるだろうというふうに思っています。
 次の黒丸です。人権のレジリエンス(差別を乗り越える力)への視点。1つ目の丸が被差別者に対しての考え方だったんですけど、これは社会全体に対してです。意図的、非意図的にかかわらず差別がなくならない中におきまして、その解消を目指すとともに、差別を乗り越える力の醸成を被差別者と社会が一体となって、もしくは社会が後押しをして取り組んでいくことが求められている。特に部落差別、例えばですけども、長年にわたる差別によってむしばまれてきた被差別地域出身者の心の変革を促し得る社会環境の改善が必要であるというふうに考えております。
 次の黒丸で、傍観者のエンパワーメントへの視点と書かせていただきました。傍観者の行動変容なくして真の差別解消は実現し得ないというふうに考えております。被差別者が声を上げる時代から、社会の側が積極的に解消に向けて行動を起こす転換期というふうに捉えていきたいと考えています。例えば他地域のヘイトスピーチを対岸の火事とは捉えない、そういった考え方も含まれるというふうに思っています。
 最後になりますけれども、教育・啓発と併せて行動変容を促す日常的・継続的な“運動”を盛り込むとさせていただきました。運動は本来、啓発の中に既に入っている考え方だというふうに思いますが、あえて特出しをしてはどうかと思っています。頭で理解することと運動、取組、実践によって体得することとは異なるというふうに思っておりまして、いわゆる各県民一人ひとりの人権感覚をそういった運動を通じてアップデートしていく、そんな環境もつくっていってはどうかと思っています。例えばレディーファーストであったり、ポリティカル・コレクトネス、これは女優も含めて「俳優」というようになったとか、スチュワーデスという言葉は「客室乗務員」にしたとか、そういった言葉の変容であったりするんですけども、そういった考え方の導入であったり、例えば障がい者差別ではヘルプマークなんかで積極的に周囲の方がそういったところに関心を高めていく、そういった運動というか実践を人権においても導入していくことも一つの方法ではないかというふうに思っています。


〇北川委員長 それでは、引き続いて、山本里香委員、お願いいたします。


〇山本委員 まず1つ目に、皆さんの中からも出ていたと思うんですけれども、前文に、人種、肌の色、性、この規定というのはいろいろ意見が出ておりますけれども、それらのことの規定をしっかりと、いかなる差別も許さないということを強く宣言するような、そういう文章を必ず入れるということ。
 2つ目においては、差別事象を解消するために、それぞれ差別の内容ごとに、また同じように分類されるものでも個別に事情は違うということは多くあると思いますけれども、その解決のために働く機関、解決に行き着くまで動く機関というのをきちんと準備する。長期のアフターケアにも対応するということが必要だと思います。内容によっては医療機関との連携システムをしっかりするということですけれども、併設とかいうことも含めて、特に性被害の問題などは必要だというふうに考えています。
 3つ目としては、先ほどから傍観者にならないという言葉が出ておりますけれども、そこのところが重要だと考えております。
 4つ目、そのことのためには、やはり教育、そして啓発、認識を、みんなが知るということが大事だと思います。それはやっぱり基本的人権、主権者であるということ、人権教育ということは、やっぱり自分が主権者であるということをそれぞれの個人がしっかり認識することによって人権ということの意識が生まれてくるというふうに思っています。差別はいけないということも、おのれの主権者としての立場を確立する中で醸成されてくるものだと思いますので、教育の場面、あるいは今、乗り越えるということも、差別をされた者がそれを乗り越えるときに様々なフォローが要りますが、そのときにもはやり自分が主権者であるというその価値観、それに行くようなフォローの仕方、教育の在り方が必要だと思います。人権施策基本方針を定めるところで、文章記述がありますけれども、この記述の仕方はやはり再考することが必要だということです。
 1つ付け加えまして、この今まである人権が尊重される三重をつくる条例というのは、平成9年にできたものです。ですから、例えば同和問題に関して言えば、同和対策事業特別措置法が消滅したのはその後ということになっておりますので、その関係上、同和問題に関する記述については状況が変わっております。三重県のこれまでの同和問題について、部落問題についての運動とか、その解決のための道筋を十分に尊重した上で、ここでそういう部分については再考する必要があるというふうに思っています。


〇北川委員長 引き続いて、稲森委員、お願いいたします。


〇稲森委員 特に条例の見直しに当たって重要だと思うところをポイント的にまとめてきました。
 まず1つが、差別の禁止ということをしっかり規定することだと思います。条約や憲法に照らし合わせて、ほかの自治体の条例なども参考にしながら、差別の定義というものを明らかにして、何人も差別をしてはならないということを規定する必要があるというふうに思います。
 それから、相談対応でとどまらない仕組みを入れるべきだというふうに思います。県民が差別や人権侵害を受けたときに使える仕組みを入れる、そういう条例に見直しが求められているというふうに思っておりまして、被差別者の側に立った第三者機関の設置などによる紛争の解決や救済、助言やあっせんや公表ということになると思うんですが、そういう仕組みを入れる必要があるというふうに思います。
 それから、三重県議会議員の人権侵害行為ということ、そしてその後の迷走ということも含めて、やっぱり知事や議員も含めて、公職にある者がこの条例を積極的に進めていくという立場で公職者の責務というものを規定するべきだと思います。また、政治倫理条例のほうも人権尊重の項目を入れるということも求めていく必要があると思います。
 それから、公共施設の利用制限ですけれども、既に公共施設の利用制限あるいは過料を課しているところとか、幾つかの事例もありますので、そういうところを参考にしながら、公共施設においてヘイトデモ等が行われるというふうに予見できるときは、利用制限をすることができるというような条項を盛り込んで抑止力を持たせる必要があるというふうに思います。仮にも公共施設で差別行為が行われることがあるということは、公がそれに加担しているということにもつながってきますので、こういう規定をしっかり入れていく必要があるというふうに思います。


〇北川委員長 続いて、藤田委員、お願いいたします。


〇藤田委員 条例を新しくする、あるいは改定するということについては何も言及いたしておりません。要は、こういう内容がやっぱり必要ではないかなということを思いつくままに書かせていただいたんで、たくさんのあれになっておりますが、最初は、世界人権宣言、それから国際人権規約から、はっきり差別というものがどういうものであるかということ、人権を尊重しなければならないですよという前提がやっぱり書き込まれる必要があるのではないかなというのが1点目。
 2点目が、これは、現時点でもやっぱり差別があるんですよと。それに対してきっちりした対応をしなければならないですよね。それは今、我々がこの条例をつくろうとしている大きな趣旨でもあるのかなというふうに思っております。
 不当な差別というのは、先ほどもお話があったように、鳥取県の条例でもあったように、こういういろんな事由をもって差別をしてはならない。その内容については、今ここに書いてあることを根拠に、根拠と言うとあれですが、事由に基づいて区別し、排除し、制限を加える、そんなことはあってはいかんですよというようなことをここで述べています。これは、要は差別を禁止するという、その差別ってどういうことであるのかというようなこと、それを書かせていただきました。それをすることによって、基本的に守られなければならない人権が阻害されてはならんということです。要は禁止をしていく、その根拠みたいなものを自分なりに書かせていただきました。
 それから、その下は、要はそのことによって、じゃ、表現の自由ってどうなのというような意見がありましたけれども、表現の自由ということの名で他人の人権を侵すということでは、これは許されないんですよということを書いたものです。
 その次に、具体的にこれは聞き取り調査の中で、結婚であったり就職であったりというようなことが出ていましたので、こういう具体的なところでこうしてはいけませんよと。禁止行為の中の一部です。
 それから、それに対して市や国はちゃんと団体と連携しながら、差別を解消していくということが大事ですね、やらなきゃ駄目ですよねって、これは書かないと駄目ですよねということですね。そういうことの中から基本方針をつくりましょうよということです。
 それから、その次に書いてあるのは、啓発の内容、啓発もやっていかないかんですよねということです。
 それから、その次は、事業者としてもその趣旨に従った内容をやっていってもらわないと困りますよねということも必要なんでしょうねということです。
 私が一番言いたかったのは、いろんな差別の事象があって、その起きたことに対してどう行政が関わっていくのかというのがやっぱり大事なんだろうというふうに思いまして。これは、障がい者差別解消条例の内容に準じて相談を受ける。その相談を受ける相談員というものはきっちり立場を明確にした上で相談を受けて、それについて調査を双方から聞き取っていく。それを県、つまり知事に対して納得できない場合に申立てができる仕組みをつくっておきましょう。その申立てを受けたときに知事というのはちゃんとそれに対して責任を持って対応する必要があるだろう。ただし、それを進めていく上でやっぱり専門的な第三者機関的なものをつくっておいて、そこに諮問をして進めていく。その進めていく上では助言をし、あっせんをしていく。そのあっせんに従わないときには勧告をしていきますよ。その勧告をしたにもかかわらず確信犯的に、その相手に対しては名前、個人の名前は別ですけども、その内容を公表していくというようなこともできるような内容にすべきではないんかなというふうに思ったものですから、そういうことを書かせてもらいました。
 それから、実際差別を受けたその人たちに対して、いろんな被害を受けるという状況になるのではないかなというふうに思うんですけども、その人たちに対してもちゃんと救済を行っていくというようなことも書く必要があるんではないか。
 それから、その次には、いろんな事象が起きてくると思うんですけども、その起きてきた事象をきっちり収集して、蓄積し、分析をしながら、広く市町に対してその情報共有をしながら、そういうことが起こらないようにやっていく。そのための体制をつくっていく必要があるんではないか、そんな思いです。
 それから、そういう差別解消に向けて進めていく上での先ほど申し上げた教育あるいは啓発を行っていく上で、やっぱり人材というものもきっちり育成し、確保していく必要があるのではないかということです。
 次に書かせていただいたのは、本当に最近問題になっているインターネット上の差別行為に対して行政として支援をしていく。非常に難しいとは思いますけども、そういうことも書く必要があるんではないかなというふうに思います。
 先ほども意見が出ておりましたけども、公務員であったり、議員、いわゆる公職の人に対しての責務というのは重いですよというようなことも必要なんではないか。
 それから、災害時にデマであったり、いわれのない情報が流れて、いろんな被害を受けた方が現実的に今回のコロナ禍でも出ておりますので、そういうことは絶対やってはいかんという項目も要るというふうに思います。
 調査もしていかなければならないというふうに思いますけども、新たな差別は生み出さない、そういう方法も必要。そういう方法でやる必要もあるのかなというふうに思います。
 最後は、そういうのを進めていく上でやっぱり財政上の措置というのは必要なんではないかと。
 こういう項目を入れていくべきかなという思いで挙げさせていただきました。


〇北川委員長 引き続いて、東委員、お願いいたします。


〇東委員 12ページです。私は具体的に条例の在り方について、記載をさせていただきました。
 まずは今ある人権が尊重される三重をつくる条例というのを、条例名で「差別のない」という言葉を表記すべきではないかということをちょっとシンプルに書きました。条例名そのものを変更してはどうかと。
 2番目なんですが、第1条の目的に、ちょっとこれは個別具体の言葉を入れてありますが、国籍、人種、部落、性別、感染症等の病気、職業などの人権に関する問題への取組を推進すると、目的を少しリフォームするというのか、そうしたらいいんじゃないかというふうに思いました。
 3番目ですが、この条文の第5条の第2項に追加すべきだということを2項目挙げさせてもらいました。この第5条には基本方針をつくるということも規定してあるんですが、格上げをするという意味で、相談支援体制に関することを条文の中に入れてはどうか、入れるべきだというふうに思います。もう一つは、差別の解消に向けた実態把握及び情報収集と分析に関することを条文に入れてはどうかということで、ほかのことの背景は申し上げませんが、条文そのものをそのように変更すればいいんじゃないかというふうに御提案申し上げます。


〇北川委員長 それでは、最後に中村委員からお願いいたします。


〇中村委員 今、東委員からお話がありましたけども、その内容が私の場合はほとんど一緒に近いんですけれども、現行条例に差別の課題点を当てはめてみて、さらに足らざるところというのを整理させてもらったのが、この13ページ以降の内容であります。ですから、新たに条例をつくっていくのか、今の条例を変えていくのかというのはちょっと迷いながら、成り行くままに挙げさせてもらいました。
 早速ですけれども、全体に関わる実態の認識ということで、今、私どもの周りには差別がいっぱいあるなと思っとったんですけれども、たくさんの参考人の皆さんの声を聞かせていただく中で、それがはっきりした。そのためにはやっぱり包括的な条例にしていくことが大事かな、そんなことを思わせていただきました。何人かの方にもありましたけれども、やはり日本国憲法あるいは世界人権宣言、国際人権規約、人種差別撤廃条約、女子差別撤廃条約、児童の権利条約等、たくさんの中で差別とは何ぞやということが挙がっておりますので、それをまとめて国際人権規約の第26条からの内容を最初のところに前文で挙げさせてもらいました。
 それから、目的も、先ほどお話がありましたように、国籍とか人種云々、これも具体的に挙げさせていただきました。
 次のページで、差別の定義、これは今の条例にはありませんので、定義はきちっとしていくべきかというふうに思います。定義の中身につきましては少しまた議論していきたいというふうに思っております。
 それから、県の責務、ちょっと印刷ミスが私のほうにありまして、「現行行政のあらゆる分野」を「現行政のあらゆる分野に」というふうにしていただきたいんですけど、これは差別解消施策云々を追加させていただいたところです。県民等の責務につきましても、差別をしてはならないということを人権に足してあるところです。
 次の県と市町の関係も「差別のない」というのを合わせてあります。
 それから、基本方針につきましては、これも差別解消施策基本方針というのを人権施策基本方針に加えて入れるべきではないかというふうに思いましたので、挙げさせていただきました。
 あとは今の条例にない部分であります。
 調査研究。今、何人かの方からお話がありましたけれども、やはり調査研究、差別をめぐる状況実態の把握、これは行政として当然していくべきではないかというふうに思っております。
 それから、相談体制以降でありますが、これは実効性をどう担保するかということになろうかというふうに思います。相談体制をきちんとしていくということがまず大事かということで、具体的に挙げさせていただきました。
 差別があった、その次は、助言・あっせんということで、不当な差別、人権侵害を受けた者は相談によって解決できない場合、当該差別事案云々について、知事に対して解決に向けて助言、あっせんを行う旨の申立てを行うことができるということで挙げさせていただきました。で、知事はその意見を聞いて助言、あっせんをするべきである。それに応じない場合は勧告ということで、勧告することができるということ。そして、それでも解決できない場合は、公表ということで、知事は当該差別事案の解決に資するために必要な事項を一般に公表することができる、というようなものを加えたらどうかというふうに思っております。
 次のページで、その中で、差別解消調整委員会をつくっていく必要があるんではないかということで、知事の諮問に応じて調査審議を行うための三重県差別解消調整委員会(仮称)を置くべきであるということであります。
 あと、救済措置も必要ではないかということで、救済措置の項目を入れる必要があるんではないか。
 また、教育啓発についても、こういう項目を入れていくべきではないかというふうに思っております。
 先ほどの差別解消調整委員会とは別に審議会を設置していく必要があるんではないかというふうに思っております。
 それから、インターネット、SNSに対する課題もかなり出てきておりますし、いろいろ参考人の方からのお話もありましたんで、インターネット対策の項目を入れていく必要があるんではないかというふうに思っております。
 それから、ずっと整理をした中で、足らざる部分として、最後のページに、障がい者に対する条例はつくりましたけれども、ヘイトあるいは部落、こういった課題について、法律があるのに条例がないということで、今回、包括的な条例をつくるに当たっては、こういったものを中でどうやって浮かび上がらせていくかというのが大事かなというふうに思っております。
 ヘイト対策の位置づけ、これはもちろん先ほどの公共施設を貸す、貸さない、そういった整理についても考えていく必要があるんじゃないか。
 部落差別についても、今まで私自身が現地へ入って、差別があるということは確認してきましたけれども、先般の参考人のお話からも、これはそういう差別が現実にまだあるんだなということを確認させていただきましたんで、どうこの条例の中で位置づけをしていくかというのは大事かなというふうに思っております。
 それから、先ほどの実効性について少し、相談体制からずっと挙げさせてもらいましたけれども、もう少し禁止とか、そういったことをどこまで条例でうたえるのか。禁止、罰則、こういったものも議論していく必要があるんではないかというふうに思っております。
 あと、全般的にではありますけれども、障がいの有無にかかわらず誰もが共に暮らしやすい三重県づくり条例は非常に完成度が高い条例だというふうに思っておりますので、この辺の課題についても大いに参考にして条例を組み立てていくべきではないかな、そんなことを思わせていただきました。


〇北川委員長 ありがとうございます。
 調査票の記入の順番に従って説明をいただきましたけれども、石田委員におかれては、タイミング的に調査票を提出いただくということにはなっておりませんでしたので、この場で聞いていただいたことも含めて、御意見がございましたら御発言をいただけますでしょうか。
〇石田委員 1つ確認をさせていただきたいんですが、差別解消を目指す条例検討調査特別委員会ですから、今、各委員の皆さん方から御説明をいただいた中に、当然のことながら「差別」は何回も出てきております。差別という言葉で行動として表現されていたのが、小島委員の「差別行為」というのが1か所と、山内委員の「差別事象」というのが1か所あって、あとは全部「差別」だけなんですが、前回までの委員会で整理がされているのかどうか分からないんですけれども、差別って、思う心の中の問題と、それを行動に表してしまう、言動に表してしまう行為とはまだまだ一緒なのか、それとももう行為だけを言うことにしているのかという整理はされているのかどうか、お尋ねしたいんですけども。


〇北川委員長 委員長のほうでお答えさせていただくと、今おっしゃったことも含めて、次回以降の議論の中でそのあたりは整理させていただくことになっていくかというふうに思います。皆さん、差別に関してもいろんな思いや考え方をお持ちいただいて、またその範疇も今おっしゃったように幅がありますので、そのところをどう捉えていくかというのは、これからの詰めの議論の中でさせていただきたいというふうに思っています。


〇石田委員 分かりました。


〇北川委員長 本日は先ほど申し上げましたとおり、各委員の皆様の御意見の共有にとどめ、条例の在り方についての具体的な議論については、次回以降の委員会において行いたいと考えておりますが、今、御発表いただいた各委員の説明の内容について、ここのところはどうなのかとお聞きしたい部分があれば、御質問等をいただければと思いますが、いかがでしょうか。


〇石田委員 山内委員の非意図的というところを私は非常に特徴的だと考えていて、意図せず差別行為を何かしてしまった、こういうことなのかなと思うんですが、ちょっとイメージができるように御説明いただけると。いいですか。


〇山内委員 さっきの中で特に参考事例で挙げさせていただいたところで、信教の自由のところであったというふうに思いますが、これはまさしく、例えば団体で必勝祈願、合格祈願に行きましょうとか、普通にある行為やと思うんですけども、ある宗教を信じている人にとっては、別の宗教の神社仏閣に何か祈願に行くことというのは非常にはばかられることなんですが、あまりそういうのを気にしていない社会環境にあったりとか、まさしく別に意図的ではない、悪気もないんですけれども、結果としてそういった人権侵害が発生しているというものに非意図的という表現をさせていただいています。一例ですけども。


〇北川委員長 よろしいですか。


〇石田委員 ありがとうございます。
 意図がなければ双方に、いや、私はこうですと言って、ああ、そうなんですか、で済まへんかなという気もするので、また今後の議論にしていきたい。


〇山内委員 先ほども説明したように、それに同調圧力があって、声を上げにくい状況があるのは、私も相談を受けると、自分で言ったらいいじゃないですかと言うんですが、とても言えないと。例えば自治会における敷地内の神社仏閣に関して、私が聞いたのは、自治管理運営費がそこに充当されていると。非常に問題があるというふうな発言、じゃ、自分で言ったらどうですかと言うんですけども、とても言えないと。村八分に遭うといった声をやっぱり各所から聞くので、そういったところにも生まれているのかなと。同調圧力なのかなと。だから、非意図的な人の側に知ってもらうことが大事ですねということですね。


〇石田委員 今出された事例だと、ひょっとしたらそれは別の次元の問題なのかも分からんなという気もするところはあるんですけどね。また皆さんで共有していきたいと思います。


〇北川委員長 これからの議論でも出てくると思いますので。
 ほかに御質問はございませんか。


〇山内委員 1点、東委員のほうにお聞かせいただきたい。「差別のない」という言葉の意味合いですけれども、差別解消とか差別をしないというよりは、社会全体に問いかける言葉であって、まさしく傍観者をつくらないという意味合いが入っているのかなという思いなんですけども、そこをお聞かせいただきたいんですけども。


〇東委員 深くは考えていないんですが、いわゆる条例の条文なんで、呼びかけるという、人権が尊重されるプラス差別がないという、ばくっとしていますが、それも含めて条例名にしたらいいんじゃないかなという、そんなふうな発想です。単に発想ですね。


〇山内委員 非常にすばらしいなと思ったので、どういった意図かなと。ありがとうございました。


〇北川委員長 ほかの委員はいかがでしょうか。


          〔発言の声なし〕


〇北川委員長 特になければ、今後また具体的な議論に入っていきますので、必要があればその時点でまた委員間討議なりお尋ねをいただければと思います。
 今日のこの調査票で皆さん方に発表いただきました。ボリュームの差異は別にして、基本的に、現人権条例がございますけれども、このままでいいよということではなくて、条例を改正するとか、新しいものをつくるとかいう議論は最終的にあるとしても、前向きに条例の中身を見直していく、考えていくということで、これはもう皆さん、以前からもそうですけれども、共通認識ということでよろしゅうございますか。


          〔発言の声なし〕


〇北川委員長 じゃ、よろしくお願いいたします。
 それでは、以上で条例の在り方に係る各委員の御意見についての委員間討議を終了いたします。
 ここで時間が参りましたので、10分間換気休憩を行います。
 再開は14時10分とさせていただきます。
 暫時休憩いたします。
 

(休  憩)

 
2 活動計画の作成について
〇北川委員長 次に、今後の活動計画に関する委員間討議に入ります。
 本委員会では、昨年6月1日の委員会で活動期間を令和2年5月から令和3年6月までとする活動計画書を作成し、本日に至っております。
 今後、委員会の活動を継続していく中で、いつ頃、どのような形の最終目標を置くか、また、それに向けてどのように進めていくかを御協議いただきたいと思います。
 正副委員長案として資料を配付しますので、お待ちください。

(書記配付)

〇北川委員長 それでは、資料を説明させていただきます。
 まず資料2のほうを御覧ください。
 こちらが実績書となっていまして、令和3年3月時点までのこの委員会の活動実績を挙げさせていただいております。これについては、個別の説明はもう省かせていただきます。御覧いただいて、もし何か問題なり抜けているということがありましたら、お教えいただきたいというふうに思います。よろしいでしょうか。
 次に、資料3を御覧いただきたいと思います。
 こちらは今後の6月以降の活動計画の案を正副委員長でつくらせていただきました。したがって、所管調査事項や重点調査項目については変わりはございません。御覧いただいたら分かりますように、来年3月末までの日程で案として書かせていただきました。6月、7月については、この後また協議をいただきますが、条例の方向性及び論点の検討をさせていただいて、7月下旬には条例の素案の検討に入っていきたいというふうに思っております。7月、8月をかけて議論させていただいた上で、その中身について、執行部からの意見の聞き取りも行いたいというふうに思っております。それを受けて、また素案の検討を進め、そしてまた秋には関係者からの意見の聞き取りも行い、それらを踏まえた上で、11月、12月には条例の中間案の決定に至りたいというふうに思っております。年が明けましたら、その中間案に沿ってパブリックコメントを実施し、2月にそのパブリックコメントの意見の検討、これは回答も含めてですけれども、御議論いただきまして、そして、その内容も加味しながら、最終的な条例案の検討に入り、3月上旬には条例案の取りまとめ、提出というふうに進めたいと思っております。条例のこれが改正に当たるのか、新規に当たるのかは、この後の議論になりますけれども、年度内に委員会としての結果を出していきたいというふうに思ってございます。
 少し正副委員長での議論の経過もお話しさせていただきますと、もう少し早くと、もともともう1案ありまして、12月いっぱいまでの案も検討させていただいたんですけれども、御承知のとおり、場合によっては国政選挙、さらに場合によっては地方選挙等がこの期間の中にはまってくるということも考えられますので、特に国政選挙は恐らくあるということだろうというふうに思います。そうしますと、12月までにまとめていこうとしますと、月2回、3回と詰めて進めないと間に合わないということになるんですが、やはりその日程を取るのが困難になってくる場合も十分考えられますよねという中で、少し長い延長になりますけれども、来年3月末までの日程で活動計画案をつくらせていただきました。ですから、9月以降はちょっと緩やかな書き方にしてあると思うんですけれども、当然ながら前倒しをしていければ、できるだけ詰めて議論を進めて、結果を出すのも早くしていきたいという思いではおりますが、計画の上ではリスクも考えながら、来年3月末までの日程とさせていただきましたので、そういう意味も含めて御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。


          〔発言の声なし〕


〇北川委員長 では、この活動計画書(案)を計画書として進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で活動計画に関する協議を終了いたします。
 
3 その他
〇北川委員長 次に、次回の委員会についてですが、調査票の内容及び本日の皆様の御意見を踏まえて、正副委員長において条例の在り方の方向性及び検討すべき論点等について御提示し、それに基づいて委員間討議を行いたいというふうに思ってございます。何度も申し上げていますように、本来、条例をつくりますとか改正しますとか決まっていれば、骨子案的なものをお出しして議論いただくということになるわけですけれども、その議論も含めてやっていただくということになりますので、条例の在り方の方向性及び論点の検討となっていますけれども、具体的には骨子案に類するような条例の具体的な議論ができるたたき台をお出しして、そして一つ一つ詰めてまいりたい、こんなふうに思っている次第でございます。よろしいでしょうか、そういう進め方を。


〇小島委員 ということは、この6月のところから7月の第1回に書いていただいてある条例の方向性及び論点の検討のところは、例えば人権が尊重される三重をつくる条例ですと、前文があって、目的、県の責務、県民等の責務とか書いてあるんですけれども、この項目をある程度固めていくのが、この7月の第1回まで、それについて肉づけをしていくのが条例素案の検討という内容、そんなふうな理解ですか。


〇北川委員長 今、正副委員長で考えていますのは、いわゆる議論のたたき台ということで、それぞれ、いろんな項目別に出していただいてあります。それを一定、条例の並びを想定しながら論点を整理させていただいて、その項目ごとに当然、共通認識ができているものもあれば、意見が分かれるところもあります、あるいは別の課題があったりもしますので、そういうところを整理させていただきながら、順番に進めていきたいと思っています。その今申し上げた部分の作業がこの条例の方向性及び論点の検討という部分になります。そこで出てきた案をまた加味した上で素案という形で、7月末から議論に入りたいなというふうに思っています。ちょっと抽象的で分かりにくかったかも分かりませんけれども。


〇小島委員 では、議論の進捗によっては、その論点の検討が7月いっぱいまでかかる可能性もあるというふうに考えていいでしょうか。まとめていく作業にはきっと時間がかかるだろうというふうに想像されます。
 それから、もう一つ、「(必要に応じて)県内外調査」と書いていただいてありますけれども、この条例の項目を考えていくに当たって、今までこういう条例集とかはいただいたんですけれども、例えば参考になるようなところの条例の骨子について、聞き取りを、多分Zoomとかになるんやろなとは思いますが、そういう形でする必要が出てきたときは、それも中に入れていただきながら進めていただくことはできますか。というのは、私たちは今日、案を出させていただきましたけれども、これが本当に全てで、漏れがないのかとかいうことの確認というのはやっぱり大事かなというふうに思うので、そういう作業も必要であればぜひ入れていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。


〇北川委員長 「(必要に応じて)県内外調査」というふうに書かせていただいています。それが6月から11月までかかっているように、ここの中での議論に沿って必要な調査があれば行いたいというふうに思っています。調査の方法も、こういうコロナ禍でもありますので、いろんな手法を選択しながら相談させていただきたいというふうに思っています。
 ただ、1点だけ、御承知のように、委員会として参考人招致だけはリモート開催ができる法整備ができていませんので、これだけは残念ながら行うことができませんので、必要に応じて参考人招致をするということであれば、この場に来ていただく、招致をするという手法と、限定がつきます。あと現地の調査、先進事例のお話を伺いに行くということも、これからまん延防止等重点措置なり、緊急事態宣言なり、解除も含めてどういう流れになっていくのかまだ見えませんけれども、そういう制約がなくなるのであれば、調査に出向くということも必要に応じてやっていきたいというふうに思います。そういうことも含めて、来年3月末までということで全体的に少し余裕を持たせていただきましたので、きちっ、きちっとこの図のとおりはまるというよりは、柔軟に対応させていただきたいというふうに思っています。
 それから、もう1点、言い忘れていますけれども、継続審査で請願がございます。この審議も皆さん方にお願いさせていただかなきゃならないというふうに思っておりまして、ついては6月定例月会議の中でも一度これは議論させていただかなきゃならないというふうに思ってございます。定例月単位で議論の場をということになってございますので、ここに書いてございませんけれども、それも併せて計画の中にお含みをいただきたいというふうに思います。よろしいでしょうか。


〇小島委員 ありがとうございます。


〇北川委員長 ほかに御意見はどうでしょうか。


          〔「なし」の声あり〕


〇北川委員長 よろしいですか。
 では、この調査票に沿ってさせていただこうと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 何もなければ、以上で活動計画に関する協議を終了させていただきます。
 次に、次回の開催に係る日程等については、この後の委員協議で御協議いただきたいと存じますので、御了承願います。
 本日御協議いただく事項は以上でございますが、特に何か御意見がございましたらお願いいたします。


〇山内委員 1点ちょっと、お時間をいただいて、問題提起というか、させていただきたいなと思っていることがありまして。決して蒸し返すということではないんです。先日、前任の日沖議長の下、決議をされました、議員自らの人権意識の更なる高揚を図り、人権が尊重される三重を先導するための決議に基づいて、特に最終の「我々議員自らが率先して実行していくことを強く決意する」というふうにありました。自分自身もまだ全然すっきりはしていなくて、この決議にある行動として、何をすべきかというところも含めてちょっと問題提起をさせていただきたいんですけども。このままでは自分自身も傍観者なのかなという感覚もあるんですが。
 今まで、石田委員の前任者の小林委員ですけども、様々にSNSの問題があって、今回、交代されたということがありました。これについては、代表者会議で様々御本人からの説明であるとか、それぞれの会派の代表からいろいろ御意見があって、一旦この決議ということで終着したというふうに思っています。
 そこについて蒸し返すということではないんですけども、この特別委員会にも非常に大きな爪痕というものを残していっていただいたのかなという思いはありまして、特に令和2年10月14日に開催されました性の多様性に関する人権課題の参考人招致、これが様々な部分での事の発端の一つに通じているのかなというふうに思っております。
 実は、私ども、代表者会議でも声を上げさせていただいて、参考人招致に関しては、県民の皆さんから様々な声をたくさんいただいておりました。もう今日はそんなに紹介しませんけれども、皆さん御存じのとおり、非常に不快と感じられた方とか、問題があるというふうな声がたくさんありました。そういったことも含めて、また、私もずっと話を聞かせていただいて、参考人の評価を我々がする立場ではありませんので、何も申し上げることはないんですけれども、小林議員のほうには、人選というか紹介をいただいたというふうに思っていますもので、どういった理由で、どういった経緯で参考人を御紹介いただいたのかというところと、こういった県民の皆さんから声をいただいたことに対して、どのように思っていらっしゃるかというのは御本人に特別委員会の場でしっかり確認をさせていただきたいなと思ったんですけども、今回、交代だということでありましたので、御本人には聞けないんですけれども、もうそこをどうということではないんですが、ここで現在も、県と、稲森委員になりますけども、相手に訴訟をこの参考人が起こされているという状況があったりとか、参考人のその当時の様々な御発言等も含めて、なかなかすっきりしない部分が自分の中にもあって。このときの参考人の発言というか、その後の動向を含めて、また、声をいただいた県民の方へ議会事務局の方に電話口でお答えをしていただいておると思うんです、非常に答えにならないようなお答えをせざるを得ない状況にあってということなんですが、場外で起こったことも一部あるとは思うんですけれども、中で起こったことが大半ですので、やはりこういった県民の皆さんの声に対して、特別委員会としてどう捉えていくかというのをしっかりと。何か答えを出すというよりは、議論が全然されていなかったので、しっかりと議論というか、意見交換はすべきなんだろうなというふうに思っていまして、皆さんはどんなふうに思っているのかなというのを一度お聞きしたいなというのがあって、今ちょっと問題提起という形で発言をさせていただきました。


〇北川委員長 私のほうで少しお話しさせていただくのをお許しいただければ。山内委員がおっしゃったように、参考人招致で来ていただいた参考人の評価を云々という立場に我々はないですし、併せて、参考人招致についてはいろんな御意見をいただく中ではありますけれども、正副委員長の案としてお出しさせていただきました。当事者の方であるということと、それから、社会的活動の実績もあるという中で、ここでお諮りさせていただいて、参考人招致に至ったという経過があります。
 その参考人招致のいろんなやり取りのことについて、県民の方から様々な御意見をいただいているのは承知しておりますし、議会事務局を通して広報広聴から受けたものについては、各委員の皆さんにも流れているものもあるかも分かりませんし、正副委員長で受け止めていただいているものもそれぞれあるかというふうに思います。山内委員の思いはここで今聞かせていただきまして、その上でこの特別委員会としてはやはり県民の方からたくさんいただいたお声も含めて、これから実際の条例の中身の委員間討議に深く入っていきますので、その中でいただいた意見を反映させたり、尊重していくという作業を我々がやっていくことで御理解をいただければなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。


〇山内委員 委員長のお気持ちもお聞かせいただきました。ただ、残念なのは、この参考人の方が県のほうに対して訴訟を起こしているという事態に陥っているということが非常に心苦しいなという思いもありまして、また、その参考人を引っ張ってきていただいたというところもあったので、本来、御本人からどういった理由で、経緯でというのもお聞かせいただきたかったんですけども、なかなかそれも難しい状況となってまいりました。
 議長にはその旨を、本来でしたら特別委員会でお聞かせいただけませんかというふうに代表者会議でお願いさせていただいて、ちょっと議長と私のやり取りがうまくいかなかったこともあったんですが、議長には、御本人から一応、注意をした折に、そこをお聞かせいただいて、参考人招致については議論の参考になればといった思いがあって紹介させていただいたという見解を伺っておりますけれども、私自身は結果としてこういった結果に陥ったということを非常に重く受け止めなければいけないし、こういった不快な思いをいただいた県民の皆さんに申し訳ないなという思いがあったので、ちょっと発言をさせていただきました。ありがとうございます。


〇北川委員長 これからしっかり議論させていただく中で、県民の皆さん方に評価をいただきたいなというふうに思いますので、委員の皆さんもよろしくお願いしたいというふうに思います。
 ほかに御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。


          〔発言の声なし〕
 
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
差別解消を目指す条例検討調査特別委員長
北川 裕之

         

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