三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 令和3年度 委員会会議録 > 令和3年10月25日 防災県土整備企業常任委員会 会議録
防災県土整備企業常任委員会
会議録
(開会中)
開催年月日 令和3年10月25日(月曜日) 午前10時0分~午前11時6分
会議室 202委員会室
出席委員 8名
委員長 山崎 博
副委員長 平畑 武
委 員 中瀬古 初美
委 員 小島 智子
委 員 東 豊
委 員 中嶋 年規
委 員 前野 和美
委 員 中川 正美
欠席委員 なし
出席説明員
[防災対策部]
部長 野呂 幸利
副部長 井爪 宏明
次長 楠田 泰司
危機管理副統括監 西久保 陽
防災対策総務課長 中川 実
消防・保安課長 和氣 城太郎
防災企画・地域支援課長 杉﨑 誠
危機管理課長 天野 敏
コンビナート防災監 天野 亘康
危機管理特命監 小西 広晃
その他関係職員
[教育委員会]
学校防災推進監 西田 恭子
その他関係職員
委員会書記
議事課 主査 辻 昌平
企画法務課 主査 米澤 明子
傍聴議員 なし
県政記者 1名
傍聴者 1名
議題及び協議事項
第1 常任委員会(防災対策部関係)
1 所管事項の調査
(1)「『令和3年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関
係分)
(2)紀伊半島大水害10年シンポジウムの実施結果について
(3)令和3年度第1回三重県総合図上訓練の実施結果について
(4)紀伊半島大水害10年防災訓練の概要について
2 常任委員会活動の上半期の振り返りについて
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
第1 常任委員会(防災対策部関係)
1 所管事項の調査
(1)「『令和3年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答について(関
係分)
ア 当局から資料に基づき説明(野呂部長)
イ 質問
〇山崎委員長 それでは、御意見等がありましたらお願いいたします。
〇小島委員 せっかく教育委員会からお越しいただいていますので、少し施策112のことでお聞かせいただきたいと思います。
トイレ改修はそんなに大がかりなものにはならないと思いますけれども、エレベーター設置はなかなかハードルが高くて、必要性があるのかなというふうに思うんですね。その辺りで、県立学校におけるエレベーター設置率は今どのぐらいになっていますか。
〇小端課長補佐 今、県立学校におけるエレベーターの設置数につきましては、43校で58.9%になっております。
〇小島委員 実際使う方がいらっしゃるかどうかということに基づいてお進めいただいているのは承知しております。
ただ、これからやっぱりいろんな災害が考えられるに当たって、どんなふうに避難所を使っていくかということとも関係してくるかもしれませんけれども、公立小中学校において、エレベーター設置は本当に高いハードルでありまして、補助割合が3分の1から2分の1になったことは存じ上げておりますが、実質的な2分の1にならないという課題があるのではないかと聞いております。その辺りは国に向けても実質的な2分の1を持っていただきたいということを強く防災対策部としても申し上げていただきたいし、教育委員会からも申し上げていただきたいということを要望させていただきます。よろしくお願いいたします。
〇山崎委員長 ほかにございませんか。
〔発言の声なし〕
〇山崎委員長 なければ、(1)「『令和3年版成果レポート』に基づく今後の『県政運営』等に係る意見」への回答についての関係分の調査を終わります。
ここで、教育委員会事務局の職員が退室しますので、着席のままお待ちください。
〔教育委員会 退室〕
(2)紀伊半島大水害10年シンポジウムの実施結果について
(3)令和3年度第1回三重県総合図上訓練の実施結果について
(4)紀伊半島大水害10年防災訓練の概要について
ア 当局から資料に基づき説明(楠田次長)
イ 質問
〇山崎委員長 それでは、御意見等がありましたらお願いいたします。
〇中嶋委員 令和3年度第1回三重県総合図上訓練等の話の中で、ウェブ会議システムをフル活用していただいているわけですけれども、このウェブ会議システムの情報インフラは、いわゆる一般的な光ファイバーとかそういうのじゃなくて、専用の情報インフラを利用していらっしゃるのかどうかというところをちょっと確認したいんですが。
〇楠田次長 県職員が使っているこのウェブ会議システムですけれども、光ファイバーを使っているか何を使っているかというのは、県庁はよく分からないんですけど、通常我々が業務で使っているシステムを使ってやっていました。
〇中嶋委員 県庁内の分散型災害対策本部の情報共有はそれでいけるとして、外の、例えば津地方気象台とか各市町とか関係機関との間のウェブ会議システムの情報インフラはどうしていらっしゃるのかなと。災害時にもしそれがダウンした場合のリダンダンシーというか、それも考えていただいているのかどうかというところをちょっと確認したかったのでお伺いしますが。
〇楠田次長 他の離れている機関や、いろんな協定締結団体とウェブ会議システムでやっているのも、通常我々が外の関係機関とやっている通常のシステムでやっています。
災害時にそういうのがダウンしたときは、例えば防災行政無線とかも設備が使えますので、そういったことも考えていきたいと、そのように考えています。
〇中嶋委員 ウェブ会議システムに慣れることも大事だと思うんですけど、これがもし駄目だったときの訓練もぜひ取り入れていただいて、様々な想定のできることはやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
〇野呂部長 おっしゃるとおりで、便利なものにずっと染まってしまうと、なかなかそれから抜け出せないところもあります。先ほどちょっと次長からも説明しました11ページの6の訓練実施状況の総括部隊の写真になりますけど、それは逆に普通のただの地図のところにマジックで手書きして、それを集めてきて合わせようと、いわゆるすごく原始的な、逆にそういうのがよく分かる、そういうのを組み合せながら、一方、それを例えば写真に撮って電子化して出すとか、そういういろんなものを使いながら。おっしゃるとおり、これが使えなかったらこれというようなこともしっかりやりながらやっていきたいと思います。ありがとうございます。
〇中嶋委員 よろしくお願いします。
〇中川委員 紀宝町はタイムラインの先駆的な地域だと思うんですが、県下でも当然ながらタイムラインは導入しておるかと思うんですが、先ほど話がございました各地域での地区タイムラインと同時に、職場とか家庭でのタイムラインを作成云々という、これについては県としてどこまで掌握し、同時にそういう形で奨励しておるのか、普及しとるのか、その辺りはどうでしょうか。
〇杉﨑課長 タイムラインにつきましては、今、楠田次長から御報告申し上げたとおり、市町で行っているタイムラインと、委員が御指摘の家庭とか地区で行っているタイムライン、この2つに分けられます。
御指摘いただきました地区タイムラインであったり、御家庭のタイムラインであったりというところの状況でございますけれども、現在、地区タイムラインにつきましては、各地区で取組を行っている地区が紀宝町中心に増えていますので。今、紀宝町の中でも5地区ほどで取り組まれております。
今回の紀伊半島大水害10年シンポジウムで登壇いただきました紀宝町鮒田地区もその一つですけれども、そういった地区の把握につきましては、私ども防災企画・地域支援課の防災技術指導員が地域へ出向いて、その中で指導している中で行ったり、あと、家庭のタイムラインにつきましては、私どもが前回の委員会でもちょっと御説明申し上げました「Myまっぷラン+(プラス)」で、マイ・タイムラインをつくるという機能がございます。これが10月24日現在、126件をマイページで登録いただいていますので、その方々には実際に家庭で自分たちのタイムラインをつくっていただいているのではないかと想定されますので、そのような段階で把握しております。
以上です。
〇中川委員 紀宝町はそういう面では活発にやっていただいている、これはもう了とするわけですけども、当然ながら県としては各市町、そして御家庭に云々ということで、私は紀宝町の状況を聞いておるわけじゃなくて、県の他地区の状況を聞いておるわけでありまして。紀宝町はもうそれでいいわけですから、ほかへいい意味で影響し、普及、波及をしなきゃならんと思うんですよ。その点を聞いとるんです。
〇楠田次長 失礼しました。
地区タイムラインにつきましては、先ほどのシンポジウムの最後の確認のところでも、自主防災組織や県、市町が連携して、まだ導入していない地域にもタイムラインの導入を働きかけていくということを確認しています。今、杉﨑課長が説明したように、防災技術指導員という各地区、各地区に入って、地域の人らといろいろと話をしながら防災活動を促進していく役割を持った職員もおりますので、そういった職員を活用しながら、これから広げていきたいと思います。
なお、市町に関しましては、そのタイムラインのガイドラインを県がつくったこともあって、タイムラインは全て策定できております。ここから先は地区をいかに進めていくかというのは、まさに委員のおっしゃるとおりで、しっかり取り組んでいきたいと思います。
〇中川委員 まさにそのとおりで、地区別云々、家庭、職場とかそういうところまで普及せんことには、私はパーフェクトじゃないと思いますから、それに十分力を入れていただきたいと思います。
〇杉﨑課長 各地区での取組でございますが、今、「Myまっぷラン+(プラス)」に取り組んでいる地区が県内で幾つかございまして、木曽岬町、多気町、鳥羽市、熊野市、あと紀宝町もそうですけど、こういった地区で取組をしていますので、こういった地区でも「Myまっぷラン+(プラス)」の取組を紹介していますので、順次増やしていきたいと考えております。
以上でございます。
〇中川委員 はい、結構です。
〇前野委員 今回説明してもらったのは、総合図上訓練を実施したという報告ですが、これはあくまでも訓練ですので、シナリオがあって、そのシナリオどおりにやられた訓練だと思うんです。おかげで最近大きな台風も来ないし、現場で実際にこの訓練を使って動くということもまだまだ少ないと思うんですが、ぜひ一度、そういう台風が来たときに、今までやってきた訓練でどの程度成果が出るのか、それをしっかりと試していただいて、その結果をこの議会に報告していただけるとありがたいなと思うんです。訓練ばっかりの話じゃなしに、実際に対応した災害対策を議会へ報告していただいて、どんな成果が出たんか、そんなことを知りたいなと思うんですが、いかがでしょうか。
〇野呂部長 おっしゃるとおり、特に図上訓練はシナリオがあって、机上のところでやっております。それにプラスして実動訓練は、今度11月14日に地域住民の方にも入っていただいてやらせていただくのが少し。
今度は、例えばこの前、台風第14号が三重県を直撃しましたけども、そういうときに実際どういうふうに動いたかと。委員のおっしゃるとおり、それで我々の訓練をどういうふうに生かしたかという検証も必要です。たまたま今回の台風第14号については被害もなく、我々が通常どおりの対策を取っただけで済みましたけども、あってはならんことですけども、被害があったり、この前は志摩市のほうで短期的な大雨も降りましたので、そういうものにどういうふうに生かしたかというのはおっしゃるとおり大事なことやと思います。そういう事例がありましたら、しっかりまとめて委員会にも報告させていただきたいと思います。ありがとうございます。
〇前野委員 その辺もひとつ、くれぐれもよろしくお願いしたいと思います。タイムラインの効果がどれぐらいあるかということも把握できる一つの大きな手段になると思います。災害があったときにきちっと後のまとめ、報告というものをしっかりとしていただくようにお願いしておきますんで、よろしくお願いします。
〇中瀬古委員 1点、お伺いさせてください。
6ページのところに、参加者の声があるんですけれども、こちらのほうでのアンケート結果として8割以上が「大変良かった」、「良かった」ということですが、その2割弱のところで、特にこちらのその下のところで主なアンケートでの意見というところに特筆すべきこととか、非常に小さな意見かもしれないですけれども、大事なものはなかったから書いていなかったのか、そこに重きを置かれなかったのか、その辺りのところはちょっと大事な部分でもないのかなと思うので、その点についてお伺いさせてください。
〇杉﨑課長 こちらの意見ですけども、8割以上の方が「大変良かった」、「良かった」ということで、その他の2割弱ですが、「普通」という御意見を頂戴しております。
ですので、「普通」ということに関して、特段、別の記述コメントというのがあったわけではないので、ここに載せさせていただいた意見が8割以上の方の個別の御意見ということで、個別に頂いた自由記述をここに掲載させていただいております。
〇中瀬古委員 ありがとうございます。
〇小島委員 所管事項(3)と(4)の関連について教えていただきたいんです。例えば総合図上訓練で、10ページのホワイトボードの記入方法が違いましたよ、情報の整理が大変でしたよと書いていただいてあって、これを整理しますよと書いていただいてあるんですね。
(4)で、そういう場面があるのかないのかよく分かりませんけれども、例えばそれぞれの場所にホワイトボードがあって、来た情報を書いていくときに、もうこの(3)が解決されていなければ(4)はちゃんといかないわけですよね。
それは間に合うように、11月14日までにちゃんと整理いただいて、それぞれ周知して、その課題解決も含めた訓練をやるとお考えでしょうかということをお伺いしたいと思います。
〇楠田次長 まず、(3)の総合図上訓練はどちらかというと我々県の職員の災害対策本部と一緒に、災害対応を行う海上保安庁ですとか、自衛隊ですとか、消防庁ですとか、そういう団体の間での対応を訓練し、次に生かしていくというものです。
ですので、この総合図上訓練のときの課題は、年明けにも予定しています第2回総合図上訓練に反映させていこうと思っています。
委員から今、御指摘いただいた(4)の紀伊半島大水害10年防災訓練は、そういう実動といいますか、実際にこういうことが起こったときに、どういうふうに実働で動くかということと、もう一つは、総合図上訓練にないこととしては、自助、共助の促進ということで、地域の人たちとか、あるいは若い人たちにも入ってもらって、実際に避難所の運営とかをやってもらうという自助、共助の意識の向上も目的にしておりまして、災害のときのオペレーションと地域での実動というので、少し目的を変えているというのが今の状況です。
以上です。
〇小島委員 そうすると、一つの例でしょうけれども、ホワイトボードに記入するということがばらばらだったということについては、(4)の防災訓練においてはそれほど大きな弊害にはならないということですね。分かりました。
〔「いやいや。」の声あり〕
〇小島委員 そうじゃないんですか。だって、それはちゃんとやられなければということになるわけじゃないですか。
〇野呂部長 さっき次長からも説明しましたけど、いわゆる中のオペレーションといわゆる外の現実的に参加していただくところをちょっと分けてやらせていただいております。
ホワイトボードがというのは別にして、例えば、台風が来ましたよ、我々が、災害対策本部をレベルアップしましょう、その判断を今回オペレーションでやらせていただきました。いわゆる災害対策本部がやるオペレーションと実動訓練とかをうまくミックスできないかという話は十分考えているんですけども、必ずしもそれができないからうまくいくとかということではないんですが、委員がおっしゃるように、そういうところもなるべく実動訓練に盛り込めるようにはいろいろと考えておるところでございます。ホワイトボードだけではなくてやらせていただきます。
〇小島委員 よろしくお願いします。
〇平畑副委員長 1点だけ。9ページの3の(3)なんですけども、「常設の防災センターの整備について検討する必要がある」と一言書かれているんですけど、これはどれぐらいの重要度というか、気持ち的にどういうぐらいになっているんでしょうか。
〇野呂部長 議会からもいろいろ御質問いただいているところでございます。現時点においても、少ないスペースではありますけど専用のということで、センターではありませんけどもそういうスペースは設けているところでございます。議会での答弁にもありましたとおり、それがまさしくパーフェクトなものであるとか、完全なものであるとは思っておりません。他県では、熊本県であるとかたくさん、常設でなおかつ専用であるようなセンターを持たれているところも確かにございます。重要度といいますと、我々としてはしっかり取り組みたいなと思っていますし、知事が替わられまして、そういうことを政策集にも書かれて入れられておりますので、知事とも今、日々意見交換させていただいて、まず、要るけども何ができるのかというのをしっかり重要度高く検討させていただいておるということでございます。
〇平畑副委員長 これについては、やはりタイミングというのがどうしても。予算の関係があって、例えば県庁を建て替えるとか、そういうタイミングじゃないとなかなかできにくい話であると思うんです。
ただ、重要度としては高いという認識をもう植え付けておかないと、これは実現しませんのでね。これは絶対に必要だと思うんですよ。そこだけお願いいたします。
以上です。
〇東委員 今のはまさに私がさっきから言おうかなと思っていたところですが、私どもも他県で防災センターを長い間あちこち見せていただいて、とてもすてきな対応をいただいて、三重県としてはないなというところで。
中嶋委員がおっしゃった、1つは、いわゆる通信が途絶したというところがあって、そのときどうするか、情報がどうやって集まるのかと。今これだけ情報インフラが進んだとしても、やっぱりラインが切れる、電波、アンテナ、いろんなところが災害があったときにどうするのかというので、以前私が質問したんですが、衛星電話を配備するという計画があったと思うんです。衛星電話はあまり目につかないんですけども、やっぱり増えているのか、実態はどうなのかという質問で。例えば海上自衛隊とか海上保安庁とか、それから警察、消防、いろいろ使っているものが違って、それを越えて、衛星電話ですから、衛星で飛んで返ってきて、特殊な電話番号を持っているんだと思うんですが、それの活用の訓練とかはされているのかどうかというのを1つ聞きたいなと思います。
その情報が防災センターとかに集まってくるという仕組みをぜひつくってもらいたいなというのがあるんですが、いろんなチャンネルを設けて情報を集めてもらいたい。
2番目が、これも前からの課題で、具体的に書いてある13ページの2(4)に新型コロナウイルス感染症対策や女性視点を取り入れた避難所運営訓練とありますが、やっぱり社会は男性優位の社会でいろんなことが考えられていまして、例えば学校のトイレなんかでも、いろいろ集会所とか避難所が、女性にとっては非常に生活しにくいインフラを活用しなきゃいけないので、臨時的にそれをパーティションしたりとか何かするんですが、そのときに世界基準の避難所がうたわれていまして、スペースの問題とか備蓄の数とか。
恐らく、地震とか津波とか大雨とか台風とかが複合的に来たときに、地域が孤立するんだと思うんですね。同時的にやってくると、これはもうやっぱり自助とか地域の人たちで互助しないといけない。行政が果たしてどこまでできるのかという課題はすごくあるわけですが、やっぱり基本は避難所でどれだけ生活ができるのか。二、三日ならいいけど、一時避難所が例えば1週間とか1か月とかになってきたときにという想定で、ちゃんとそのときに対応できるのかどうかという不安がやっぱりよぎるわけですね。
避難所全体の三重県の数でいくと、人数的には集約されていますということですが、やっぱり地域によってばらつきがあって、その辺の基準を上げていくということが。避難所は、女性の視点でという意味合いもあるけれども、人間として生き長らえることができる、尊厳を持って生活ができるような避難所という考え方は県としてどうお持ちかという、この2点ですか、お伺いしたいです。
〇野呂部長 私のほうから世界基準というか、避難所の大枠の考え方だけをしゃべらせていただいて、あとは補足させたいと思いますが、おっしゃるとおり、私が2年前に副部長でおったときもそういう話で、各県によって全然違う。我が県、日本も含めてそれで避難所は十分かとおっしゃると、そうではないと認識しとるところです。
例えば、みんなでつくる避難所プロジェクト事業で、みんつく予算で令和2年度にやらせていただいたときには、みえの防災レシピコンテストであるとか、避難所イメージゲームとか、防災DVD教材を作ったりとか、少しずつですけども、避難所ってもう少しこういうふうに考えたほうがいいよねというのは、委員のおっしゃるとおり、全体的な方向性としては女性視点であるとか、例えば、それが災害時要支援者の方の視点であるとかは非常に重要だと思っています。
私ごとで言うと、東日本大震災のときに、健康福祉部におりましたけども、避難所の支援で行かせていただきました。大船渡市に入らせていただいたときに、避難所はあるけども、そこにたまたま障がい者の方が何人かお見えになって、全然トイレに行けないと。高齢者の方で、逆に逃げてみえて、急に立てなくなったと。ちょっと汚い話で申し訳ないんですけど、トイレが間に合わずに避難所を汚すようなことが何回も出て、たまたま集会所に隣接してある保育所をその方用にやろうということで、たまたまその避難所のリーダーの方が看護師で、こんなことをしたんですわというので、その施設は外なんやけども、トイレは、申し訳ないけど、段差をなくして、その方だけで行けるようにした。逆に言うたら、変な話ですけども、汚してもかまへんよと。ちゃんと掃除するからと言いながらやらせていただいた。
そういう意味では、そういうところも当然ながら分かっているところはありますので、我々としては、気持ちとしては、そういうものをなくしてなるべく、住みよいという言い方はおかしいですけども、改善できるところはしっかり。県が直接全てのことをやるわけにはいきませんので、県の姿勢としてはそういう気持ちで、みんつく予算なんかも活用しながらいろいろとやらせていただいておるところでございます。
〇楠田次長 私のほうから衛星電話の関係を説明させていただきます。
可搬式の衛星電話は、各地方対策部、地域防災総合事務所とかが入ったような庁舎ですけども、そこに1台ずつ配備しているのと、各部にも1台ずつ配備しております。
また、市町にも一応配備しておりまして、訓練につきましても、パラボラアンテナを立てたりせなあきませんもんで、そういう設置の訓練は毎年度実施しております。
〇東委員 部長の御答弁でおっしゃったことは、気持ちとしてはすごくあるんだけども、現実的に市町の役割とか、現場の役割とかと。部長が被災地で避難所に行って、本当に被災したときに、部長に限らず、どなたでもそうですけど、実際1週間そこで滞在できるかどうかというのを。訓練ですと、はい、集まりました、午前中で終わりましたとか、午後だけで終わりましたとかって、これで課題があるよねというところで。実際そこの場にいると、やっぱりいろんなことが出てくるんだと思うんですね。最低でもその1週間を過ごせるというのが1つの目途だと思うんです。備蓄にしてもそうだと思うんですが。
そういったものをもう一回、この10年の課題を抽出する中で、本当に現実のものになったときにどうなのかっていうチェックを。やっぱり忘れた頃にやって来るわけで、防災の日常化ということで、避難所についてはこういう節目でどんどん情報発信してもらいたいなと思います。引き続きお願いしたいと思います。
衛星電話については、実際に通信をやっていらっしゃるんですか。訓練として、こういう状況ですとかって。防災の日に合わせてやけど、訓練に合わせて通信訓練を実際電話でやって、集約して、情報共有しているという感じの訓練をやられていますか。
〇楠田次長 設置の訓練はしているんですけど、通信の訓練は今していないというのが実情です。
〇東委員 それは何かしない理由があるんですか。機器はあるでしょう。携帯電話みたいなちょっと大きめのやつ、ちょっと重たいかな。使ったことのない人ですよね、だから。
〇楠田次長 しない理由は恐らくむしろないと思いますので、その辺りはちょっと確認して、しっかり使えるようにしていきたいと思います。
〇東委員 ぜひ実施訓練をしていただいて。本当に電話がやり取りできるのかということも踏まえて、一定の課題を持って情報を集めて、衛星電話だけで実地訓練していただきたいなと要望でお願いします。
以上です。
〇楠田次長 先ほどの私の発言で少し訂正させてください。
可搬式の衛星電話が各市町に配備されているという話をしたんですけども、市町には固定式の無線は配備されているんですが、携帯のものは配備されていないというのが現状ですので、訂正させていただきます。
〇東委員 分かりました。
〇山崎委員長 訂正がございました。
〇杉﨑課長 先ほどの野呂部長の避難所に関する答弁で若干補足させていただきます。
今、県内に指定避難所が全部で1528カ所ございます。今年5月12日時点ですけれども、その中で御指摘いただきましたように女性の視点であったり、災害時要支援者の視点は非常に大切でございます。特に東日本大震災も含めて、女性が困っていることということで、プライバシーの問題であったり、トイレとか生理用品の問題であったり、あと下着を干す場所とか治安面の不安ということでたくさん指摘いただきました。
実は平成28年以降に、県内でも幾つか取り組んでいただいてございまして、特に四日市市では女性の視点を生かした避難所運営マニュアルをつくっていただきまして、市内の団体とか自主防災組織に展開していただいておりまして、具体的にこういうふうにやったらどうですかという図なんかも示しながら広めています。私たちも昨年度のみんつく予算で「ひなんじょ なんナン?」という、子ども向けのカードゲームを作りまして、やっぱり子どもたち、自分たちが避難したことがないので、どんなところかということを分かりやすく分かってもらうというのを若い世代、次の世代に広めていくということで、今、防災技術指導員等が一緒に含めて、各地域で啓発活動をしていますので、そういったものも使いながら、避難所が少しでも過ごしやすいものになるように、私たちも啓発を引き続きやっていきたいと思います。
以上でございます。
〔「分かりました。」の声あり〕
〇山崎委員長 ほかにございませんか。
なければ、(2)紀伊半島大水害10年シンポジウムの実施結果について、(3)令和3年度第1回三重県総合図上訓練の実施結果について及び(4)紀伊半島大水害10年防災訓練の概要についての調査を終わります。
(5)その他
〇山崎委員長 最後に、これまで議論した調査項目以外で特にございましたら御発言をお願いいたします。
〇中嶋委員 議会のほうからもお願いさせてもらっている新型コロナウイルス感染症対策の検証で、一見知事もレビューということをおっしゃっていたんですが、その進捗状況について教えていただけますでしょうか。
〇野呂部長 議会からそういう要請がありまして、進めておるところです。
一方、国においてもそういうところをまとめるという話がありまして、現在、こういうフレームでやりましょうというのは当然つくらせていただいて、中身、コンテンツを詰める段階で、国がどういうふうに出してきたのかも見ながら少しやろうかなと思っておりまして。今のスケジュールで、例えばもう10月中にお出ししますとかいうことではなくて、少し国のほうを見ながらやろうと思っています。
そこを含めて、この前、「みえコロナガード」ということで知事に言ってもらいました。あれがいわゆる骨になるところで、まずあの骨のところを少し出させていただいてという形で今進めておるところでございますので、決して国がつくっていないから待っているということではなくて、順次やりながら、国のほうを見ながらお出しさせていただこうかなと思っているところでございます。
〇中嶋委員 じゃ、具体的にいつ頃を目指してというのはまだないんですか。
〇野呂部長 本来であれば10月中にというか、今第5波が収束しておる段階で出したいと思っています。それは変わっておりませんので。スケジュール的に10月中になるのか11月上旬かというのはちょっと今のところ分かっておりません。まず、とりあえずつくって、なるべく早めにお出ししようと。
多少できて、知事とも話をさせていただいて、出せる段階で早く出したいという感じでございます。
〇中嶋委員 いろんな専門家の御意見も取り入れながらということも答弁でおっしゃっていましたけれども、一応我々議会側からの意見もあると思うので、完成品を出してくるというよりは検討中でも出して、議論の俎上にのせるべきだと思いますので、そのスピード感覚でよろしくお願いしたいと思います。
〇東委員 台風20号が発生しているんですね。朝の時点で、今、私は「防災みえ.jp」を開いていて、「緊急時お役立ち情報」というページが出るんです。そこの欄に「台風」、「予測進路」というページを開けました。10時の時点ではなかったんですよ。でも、10時15分の時点でアップされていましたが、これは気象庁との連携をしていらっしゃると思うんですが、手続的には、タイムラグがあるもんなんですかね。
30日には影響があるというふうに、もう出ているんですが、タイムラグはやっぱりあるのか。
〇楠田次長 私の理解では、もう連動しているはずですけども、そこはちょっと確認させていただきます。基本的には連動のはずですけれども。
〔「そうですよね。」「はい。」の声あり〕
〇東委員 ちょっとその辺が。10時25分には新たな暴風圏内の予測が追加されています。だから、何か気象庁とのタイムラグが。何か1つスクリーニングをかけるのか。
〔「いや……。」「そんなことはないですよね。もう一つ。」の声あり〕
〇東委員 それからすごくやっぱり役立つなと思うのが、河川の水位の情報がSG何とかでしたっけ、あれはすごくよいですね。県民も安心だし、あれはぜひ途絶なく、むしろ国への要望も含めて、箇所数を増やしていくと、すごくいいと思います。
以上。
〇山崎委員長 それでは、先ほどの1点確認ということで、またお示し願いたいと思います。
ほかにございませんか。
〔「なし」の声あり〕
〇山崎委員長 なければ、これで所管事項の調査を終了いたします。
2 委員間討議
(1)所管事項調査に関する事項 なし
(2)執行部に処理経過の報告を求める事項 なし
〔当局 退室〕
〔企画広聴班 入室〕
(書記配付)
3 常任委員会活動の上半期の振り返りについて
(1)「常任委員会活動 上半期振り返りシート(案)」についての説明(山崎委員長)
(2)委員間討議 なし
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
防災県土整備企業常任委員長
山崎 博