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差別解消を目指す条例検討調査特別委員会
会議録
(開会中)
開催年月日 令和3年8月19日(木曜日) 午前10時1分~午後2時43分
会 議 室 601特別委員会室
出 席 委 員 11名
委 員 長 北川 裕之
副委員長 山崎 博
委 員 石垣 智矢
委 員 小島 智子
委 員 山内 道明
委 員 山本 里香
委 員 稲森 稔尚
委 員 藤田 宜三
委 員 石田 成生
委 員 東 豊
委 員 中村 進一
欠 席 委 員 なし
出席説明員 出席を求めず
事務局職員 企画法務課政策法務監兼班長 水谷 憲司
委員会書記
議事課 主幹 櫻井 彰
企画法務課 主任 長谷川 智史
傍聴議員 1名
杉本 熊野
県 政 記 者 なし
傍 聴 者 3名
調査事項
1 協議事項
(1)条例案素案の検討について
2 請願の審査
(1)請願第25号「あらゆる差別解消の推進に関する条例の制定を求めることについて」
(2)請願第29号「あらゆる差別解消の推進に関する条例の制定を求めることについて」
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
1 協議事項
(1)条例案素案の検討について
〇北川委員長 本日は、条例案素案について委員間討議を行い、その後、請願の審査を行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
なお、本日は、午後3時頃を終了の目安として進めさせていただきたいと思いますので、御了承願います。
それでは、条例案素案についての委員間討議に入ります。
前回までの差別解消に向けた条例の在り方の方向性等の議論を踏まえ、正副委員長で条例案素案をお手元に配付の資料1のとおり、まとめさせていただきました。資料1及びその関連資料である資料2から資料5について、事務局から説明させます。
〇水谷政策法務監 それでは、これまでの委員間討議での御意見を基に作成いたしました、差別のない人権が尊重される三重をつくる条例(仮称)案の素案につきまして御説明いたします。
お手元の資料1は、各条に分けて四角の枠囲みの中に条文案を、その下に趣旨等として各条の考え方などを、課題がある場合は1行空けて米印をつけて記載し、さらにその下に参考とした他県の条例等を記載しております。
本日の御説明は、資料1に沿って各条の趣旨等と米印の課題を御説明し、適宜、資料2から資料5についても御参照いただくという形で、1時間程度で行いたいと存じますのでよろしくお願いいたします。
それでは、資料1の1ページをお願いします。
条例制定の手法につきましては、前回の特別委員会で御議論いただきましたとおり、既存の人権が尊重される三重をつくる条例との継続性を重視し、それをベースとしつつ、規定の追加等を大幅に行うこととなることから、枠囲みの中のイメージのように全部改正という手法を採用することとしています。
続きまして、条例の題名につきましては、既存条例をベースとしつつ、差別解消の要素を加えた題名とするため、川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例の題名なども参考にして、「差別のない人権が尊重される三重をつくる条例(仮称)」としています。
なお、米印の課題にありますように、条例の題名は、あくまでも現時点での仮称であり、条例案検討の最終段階で改めて御検討をお願いしたいと存じます。
続いて、2ページの前文をお願いいたします。
前文は、条例の制定背景や趣旨を明らかにするものであり、これまでに出された委員意見や他県等の条例の前文の内容等を踏まえ、大幅に内容を加えております。
まず、第1段落では、差別解消や人権尊重に関する理念について述べ、第2段落では、人権3法などの法整備が進展している状況について述べ、第3段落では、三重県における人権尊重に関する歴史的背景などについて述べています。第4段落は、現在もなお不当な差別をはじめとする人権問題が存在しているほか、インターネットによる人権侵害などの新たな人権問題も生じているという本条例の立法事実となる状況について述べています。第5段落は、不当な差別などの人権問題の解消に向けての基本的な考え方について述べ、不当な差別などの人権問題の解消に向けて一人ひとりが取り組んでいかなければならないと宣言し、第6段落は、条例制定に向けた決意を述べるという構成になっております。
また、この前文の中で幾つかの重要な用語についても定義しております。
第4段落では、「不当な差別」について、これまでの特別委員会における議論などを踏まえて定義しています。少し長いですが読みますと、「人種等の属性(人種、皮膚の色、国籍、民族、言語、宗教、政治的意見その他の意見、年齢、性別、性的指向、性自認、障がい、感染症等の疾病、職業、社会的身分、被差別部落の出身であることその他の属性をいう。)を理由とする不当な区別、排除又は制限であって、あらゆる分野において、人権を認識し、享有し、又は行使することを妨げ、又は害する目的又は効果を有するもの」です。また、不当な差別的な取扱い及び不当な差別的言動を含んでいることも、確認的に明記しています。
また、この特別委員会でも御議論いただいた「差別」か「不当な差別」かについては、法律や他県の条例で「不当な差別」としている例が多いことや、従来の憲法学の通説や判例では、「差別」を価値中立的に用いていることから、単に「差別」とするのではなく、「不当な差別」としています。
第5段落では、「不当な差別その他の他の者の権利利益を侵害する行為」を「人権侵害行為」と定義しています。なお、インターネット上の行為が含まれることも、確認的に明記しています。
4ページをお願いいたします。
本条例においては、既存条例を踏襲して、「人権問題」という用語を、直接的に人権を侵害する行為としての「人権侵害行為」より包括的な概念として用いています。
以上、申し上げました用語の関係について、別の資料2に図式化しましたので、そちらのほうを御覧いただけますでしょうか。
図の中央の「不当な差別」の四角を御覧いただきますと、米印で先ほど読み上げました定義があり、不当な差別的取扱い及び不当な差別的言動の例示を記載しております。この「不当な差別」は、右横の吹き出しに記載していますように、紛争の解決を図るための体制の対象となるものです。
「不当な差別」より一回り大きな四角の「人権侵害行為」は、「他の者の権利利益を侵害する行為(インターネットを通じて行われるものを含む)」をいいます。例としては、誹謗中傷やプライバシー侵害などがあります。この「人権侵害行為」は、右横の吹き出しに記載していますように、基本理念としての禁止の対象となるものです。
なお、後ほど御説明し御議論いただきますが、人種等の属性についての身元調査は人権侵害行為に含まれるものですが、不当な差別と同様に、紛争の解決を図るための体制の対象に含めることも考えられるため、点線の矢印で示しているところです。
図の一番外側の四角の「人権問題」は、「人権侵害行為」よりも広い概念であり、人権に関する社会的な問題や国際的問題などがあります。この「人権問題」は、右横の吹き出しに記載していますように、条例に基づく相談を含む人権施策の対象となるものです。
なお、これも後ほど御説明し御議論いただきますが、部落地名総鑑の発行のような情報を公然と摘示する行為は人権問題に含まれるものですが、「人権侵害行為」と同様に、基本理念としての禁止の対象に含めることも考えられるため、点線の矢印のように示しているところです。
資料1の4ページ目にお戻りいただけますでしょうか。
以上、御説明しました前文に関する課題を米印で3点挙げております。
1点目は、今回の前文の案は、これまでの特別委員会での御議論を全て入れていて、かなり盛りだくさんな内容になっておりますが、さらに加えるべき事項、あるいは削るべき事項があるかどうかという点です。
2点目は、不当な差別、人権侵害行為及び人権問題を定義規定として定めるのではなく、前文において定義を示すということでよいかどうかという点です。
3点目は、不当な差別の定義は、条約とか他県の条例などを参考にしておりますが、このような定義でよいか。
これら3点についての御議論をお願いしたいと存じます。
4ページ目の中ほど以降、点線の中は、参考とした条例等の他県の条例等の条文であり、説明は省略させていただきます。以下、同様です。
それでは、少しおめくりいただいて、資料の7ページをお願いします。
条例の目的規定については、前文を先ほどのように丁寧に定めておりますので、これと整合を図りつつ簡潔に規定しているところでございます。
続きまして、8ページをお願いいたします。
定義に関してですが、後ほど第13でも御説明いたしますが、紛争の解決を図るための体制の対象となる行為主体を、行政機関等及び事業者に限定するのであれば、障がい者差別解消条例と同様の行政機関等、地方独立行政法人及び事業者の定義が必要になると考えられます。言い換えれば、行為主体をこのように限定しないのであれば、これらの定義は不要となることもあります。
なお、事業者の定義において、(3)ですが、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の条項を引用していることにつきましては、違和感があるかもしれませんけども、これを引用せずに中身をそのまま書き下ろしますとかなり長い条文になってしまいますので、いわば法制執務上の手法としてこの法律を引用しておるものでございます。
課題としましては、米印の1点目、ほかに定義規定を置くべき基礎的かつ重要な用語はあるかということと、2点目は、前文の課題の再掲になりますが、「不当な差別」、「人権侵害行為」及び「人権問題」は、前文において定義を示すということでよいかという点でございます。
続きまして、基本理念の御説明に移りたいのですが、資料の表記についてのお断りをお願いします。
9ページと10ページの枠囲みの中で、基本理念の横に括弧書きをつけておりますが、これは資料用に参考につけましたものでございまして、実際に条例になったときには、11ページの真ん中の点線の中の性の多様性条例のように、2つの条文の共通見出しとして「基本理念」というのがつきますので、その点だけ御理解いただきたいと思います。
では、9ページにお戻りください。
基本理念の1つ目について、でございますが、こちらのほうは人権施策の推進に当たっての基本理念として、社会のあらゆる分野において人権が尊重されるようにすること、対話を通じて不当な差別などの人権問題の解消を図ることが重要であることを、委員意見を踏まえて簡潔に定めているものでございます。
課題の1点目、意図的でない不当な差別の解消も基本理念として示すべきとの委員意見もございましたが、これにつきましては、「不当な差別」を「目的又は効果を有するもの」という定義をしていることによってその考え方を示している。言い換えれば、意図的でなく、結果的に不当な差別となってしまうものもこの不当な差別の定義に含まれると考えられることと、あと、意図的でない不当な差別等の解消に当たっては人権教育及び人権啓発が重要であると考えられるところですが、後に出てまいります第19の人権教育及び人権啓発でその趣旨を盛り込むことを踏まえて、基本理念としては規定しないということとしておりますが、この点についての御議論をお願いしたいと思います。
課題の2点目ですが、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を尊重することについては、基本理念に規定するのはおかしいとの委員意見もありましたので、この基本理念には規定せずに、規定するならば、後に出てまいりますが、第28の適用上の注意として規定するということについて御議論をお願いしたいと存じます。
続きまして、10ページ目をお願いします。
基本理念の2点目でございますが、こちらのほうは、不当な差別その他の人権侵害行為の禁止について規定するものです。
マル1で禁止されております不当な差別その他の人権侵害行為は、資料2の説明でも申し上げましたとおり、不当な差別的取扱いや不当な差別的言動といった、いわゆる不当な差別のほかにプライバシーの侵害、いじめ、虐待、セクシュアルハラスメントなどが含まれ、また対象者の同意のない人種等の属性についての身元調査や、本人の同意のない属性の暴露なども、不当な差別ではないものの、プライバシーの侵害や人格権の侵害として禁止の対象となります。どのようなものが禁止の対象になるかについては、条例の逐条解説に記載することも考えられます。
なお、マル1につきましては、既に前文で定義がなされていますため、簡潔な表現となっていますが、これを実質的に書き起こしますと、この趣旨等のポツの3つ目に記載のとおり、かなり内容の濃い長い条文になりますので、定義があるため簡潔になっているということで御理解いただければと思います。
この点、基本理念の2つ目に関する課題としましては米印に記載のとおりですが、マル2のような形で、直接的には人権侵害行為には該当しないが、差別につながると考えられる部落地名総鑑の発行のような行為の禁止についても規定するかどうかという点でございます。条文での規定の仕方は、人権委員会設置法案を参考にしていますが、部落差別に関連する情報の摘示行為のほか、どのような行為が該当して禁止されるのか、必ずしも明確ではないと考えられます。例えば、人種や民族の特徴を述べた書籍の発行がこれに該当するのかどうか、線引きは難しいのかなと考えられます。一方、部落差別に関連する情報の摘示行為については、法務省において削除要請等の措置が既に現在でも行われておりますことから、マル2のような規定を定めることについては、慎重な検討が必要と考えられますが、この点、御議論をお願いしたいと存じます。
続きまして、13ページをお願いいたします。
第5の県の責務につきましては、既存条例の県の責務をベースとしまして、マル1で県行政のあらゆる分野において人権尊重の視点に立って取り組むことと、人権施策を総合的、積極的かつ計画的に推進することを規定し、マル2では、人権施策を実施するに当たって、国、関係機関等の関係者と連携協力することを規定しております。
マル2については、既存条例では国、市町及び関係団体と連携協力となっていますが、障がい者差別解消条例を参考に、関係機関を含め連携協力対象を幅広に読めるような表現としております。また、市町については、既存条例では連携協力対象としていますが、今回の素案では、第10の県と市町との協働の項目で特出しして定めることから、例えば三重の木づかい条例、その他の県条例の事例も踏まえ、ここでのマル2の連携協力対象からは外すこととしております。
この第5につきましての課題としては、米印にもありますように、差別に係る紛争の解決を図るための体制の対象となる行為主体を行政機関等及び事業者に限定するのであれば、障がい者差別解消条例と同様、連携協力対象として事業者を位置づけることについて御検討いただければと思います。
続きまして、14ページをお願いいたします。
第6は、既存条例の県民等の責務をベースとしまして、マル1で自ら人権意識の高揚に努めることと、相互に人権を尊重しなければならないことを規定し、マル2では、県が実施する人権施策に協力することを規定しています。そして、新たにマル3として、不当な差別その他の人権問題に対して傍観することなく、これらの解消に向けてそれぞれの立場において主体的に取り組むよう努めることを規定しています。
課題としましては、既存条例にある「人権を侵害してはならない」という部分については、第4の基本理念で不当な差別その他の人権侵害行為の禁止を規定することと重複し、法制執務上、このような重複は好ましくないと考えられますので、こちらのほうの県民の責務としては規定しないということでよろしいかどうか、御検討をお願いしたいと存じます。
15ページをお願いします。
既存条例では、県民と事業者を合わせた県民等として責務規定を設けているところですが、事業者ならではの役割もあると考えられることから、事業者の責務を取り出した規定としています。
事業者の責務としては、既存条例の県民等の責務をベースとして、マル1で自ら人権意識の高揚に努めること、従業員など関係者の人権を尊重しなければならないことを規定し、マル2で従業員の人権意識の高揚など、事業活動において、人権尊重の視点に立って取り組むこと、県が実施する人権施策に協力することを規定しています。そして、新たにマル3として、先ほどの県民のほうと同じですが、不当な差別その他の人権問題に対して傍観することなく、これらの解消に向けてそれぞれの立場において主体的に取り組むよう努めることを規定しています。
マル1の従業員その他の関係者には、そこで働く人、顧客、取引先、株主などが含まれるものと考えます。
従業員への研修等の具体的な記述もあったほうがよいとの委員意見がございましたことを踏まえて、和歌山県部落差別解消条例を参考にして、マル2の中で、事業活動において、人権尊重の視点に立って取り組むことの例示として、従業員の人権意識の高揚を図るということを挙げております。
また、採用に関わる人権尊重も必要であるという委員意見がありましたが、マル1の関係者の中には採用試験への応募者が含まれ、マル2の事業活動には採用活動が含まれると解されることから、これらの点については逐条解説で明記したいと考えております。
課題としては、先ほどの県民の責務と同様ですが、既存条例にある人権を侵害してはならないという部分について、こちらのほうも事業者の責務としては規定しないということでよろしいか、御検討をお願いしたいと思います。
続きまして、17ページをお願いいたします。
この第8は、インターネットによる人権侵害が深刻な状況であり、その解消に向けて、いわゆるプロバイダーの役割についても規定する必要があるとの委員意見があったことから、和歌山県部落差別解消条例などを参考に責務規定を設けるものです。
責務の内容は、マル1では、インターネットを通じて行われる人権侵害行為の解消のために必要な役割を果たすよう努めることを規定し、マル2では、インターネット上において、その用いる設備の記録媒体への情報の記録などにより人権侵害行為を確認したときは、当該情報の送信を防止する措置を行うよう努めることを規定しています。
なお、属地主義の考え方により、県において事業活動を行っているプロバイダーやウェブサイトの開設者のみが対象になると考えられます。
また、本県の他の条例で事業者の責務として具体的な内容を規定する場合、おおむね、事業者の自主性を尊重し、努力義務としていることから、本規定でも努力義務としております。
和歌山県部落差別解消条例などのように、措置を行うものという義務規定を定める場合には、対象事業者への説明など丁寧な調整が必要になると考えられます。
課題としましては、米印にありますように、このような特定電気通信役務提供者の責務を規定することについての御検討をお願いします。
19ページをお願いします。
第9のような規定の例はほとんどないと考えられますが、議員その他の公務員については、条例の目的達成について率先して県民以上の積極的な役割を果たすべきとの委員意見を踏まえ、三重県議会の議員その他の県の公務員の責務を規定しています。
市町の議員や職員等も対象とすべきという委員意見も多くありましたが、正副委員長における整理として、県と市町の対等な関係を踏まえ、市町の議員や職員等がどのような責務を果たすかはそれぞれの市町で考え、取り組んでいただくべきことであると考えられることから、市町の議員や職員等は対象とせず、県議会議員その他の県の公務員のみを対象とすることとしております。
課題の1点目は、責務の対象に市町の議員や職員等を含めないことについての御検討をお願いします。また、課題の2点目にありますように、議員と一般職の職員を同列に並べて責務を課すのでなく、公選職に限定する必要があるかどうかについても、併せて御検討をお願いします。
続けて、20ページをお願いします。
県と市町との協働については、既存条例をベースとし、県は市町と協働して人権施策を実施することも追加して規定しております。既存条例のような規定だけではなく、双方向的な書きぶりとすべきとの委員意見もございましたので、県は市町と協働して人権施策を実施することも規定しております。
また、マル1の県が実施する人権施策に協力することには、市町が受けた人権問題に関する相談の事例等の情報の県への提供も含むと解され、その点は逐条解説で明記することとしたいと考えております。
21ページをお願いします。
既存条例の基本方針をベースとして、人権施策基本方針の策定・変更手続などを規定しておりますほか、人権施策基本方針で定める事項について、条例の内容に合わせて規定しております。
また、新たにマル5として、人権施策基本方針に基づく施策の実施状況についての報告書の作成と、その議会への報告・公表についても規定しております。
課題としましては、情報の収集・蓄積・分析についても人権施策基本方針に定める事項とすべきとの委員意見もございましたが、このような情報の収集・蓄積・分析は、実態調査と同様に、具体的な人権施策を実施する上での前提となる取組であって、人権施策基本方針に定める事項として規定するのではなく、マル2の(5)にありますような(1)から(4)のほか、人権施策を推進するために必要な事項に含まれていると考え、マル2の列挙事項には含めておりませんが、このような整理でよいか、御検討をお願いしたいと存じます。
続いて、23ページをお願いします。
ここからは、見出しの3にありますように、不当な差別その他の人権問題を解消するための体制の整備ということで、この第12の相談体制のほか、この後、第14の助言・あっせんとか第15の勧告といった内容が続くところでございます。
これらの説明に入ります前に、また別の資料3について、簡単に御説明させていただきたいと思います。資料3をお開きいただけますか。
資料3は、三重県における主な人権侵害行為に関する公的な相談・救済制度等についてということで、各種の行政機関などがホームページなどで公表しております相談・救済制度等について、事務局で取りまとめたものでございます。
1ページ目の人権侵害行為全般とか、あるいは2ページ目の下のほうの不当な差別の雇用差別といったように、相談対象ごとに大きく分類した上で、それぞれの相談・救済制度等について括弧書きで記載しております。括弧書きで書いておりますうちの刑事手続や司法的救済は裁判所が関与して行われるものですが、行政的救済につきましては、国や県、公益財団法人などが行っているものでございます。
例えば、1ページ目の人権侵害行為全般に関する行政的救済の代表的なものとしては、法務省の人権擁護機関、例えば津地方法務局などですが、こういったところが行っております人権侵犯事件調査処理の手続といったものがあります。そこにございますように、それぞれこの中でどのような処理をするか、また講じられる措置について、相手方にするものとか、あるいは行政機関にするものなど対象ごとに定めて、この下にあります(1)の援助から(7)の告発まで、様々なものが定められておるところでございます。
また、おめくりいただいて、2ページ目の中ほどに、行政不服審査法に基づく行政不服審査というのがあります。こちらのほうは、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関しする救済制度でございます。こちらの制度は、処分に関わっていないなどの要件を満たす審理員という人が審査を行うとともに、原則として、第三者機関に諮問しなければならないなどを定めた手厚い制度でございます。
また、その下にありますような都道府県警察の職員の職務執行についての都道府県公安委員会に対する苦情の申出といったことも、警察法で定められております。
その他につきましては、長くなりますので、またお時間のあるときに適宜、御参照いただければと思います。
それでは、資料1の23ページにお戻りください。
この第12の相談体制は、不当な差別その他の人権問題を解消するための体制の整備の中の、まず相談体制について規定するものです。
マル1にありますように、県は人権侵害行為を受けた者等からの人権侵害行為その他の人権問題に関する相談に応じなければならないこととし、相談があったときの県の業務は、マル2にありますように、市町、関係機関等と連携して、助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応を行うこと、関係機関への通告、通報その他の通知を行うことを規定しております。
相談の対象は、障がい者差別解消条例では行政機関等及び事業者による不当な差別的取扱いに限定されていますが、本条例では、幅広に人権侵害行為その他の人権問題全般とすることとしています。
また、相談される事案は様々であると想定されることから、障がい者差別解消条例のように、特定の相談員といったポストを設けて相談業務を行わせることとはせず、本条例における相談は、人権センターをはじめとして、それぞれの事案に応じた県の機関が、それぞれの機関で適切に対応することを想定しております。
23ページの趣旨等のうちの下から2つ目のポツを御覧ください。
相談があったときの県の業務につきましては、障がい者差別解消条例では、市町その他の関係行政機関と連携して、必要な助言、調査及び関係者間の調整を行うことが定められていますが、本条例では、相談の対象を幅広にするのであれば、様々な事案の状況に応じた適切な対応をすることが求められることから、市町、関係機関等と連携して、助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応を行うことと定め、助言、調査、調整に限らず、必要と考えられる対応を柔軟に行うことができるようにしております。
また、次のポツに記載しておりますように、調査や関係者間の調整については、相手方当事者への調査や調整に限られるものではなく、相談者への聴き取りや関係機関につなぐことなども含まれると考えますが、さきの第3の基本理念を踏まえて、対話を重視し、相談者に寄り添った対応を行うことが期待されるものでございます。
続きまして、24ページを御覧ください。
この相談に関する課題の1点目として、相談があったときの県の業務は、このマル2で挙げているように柔軟に対応できるものという定め方でよいか、御検討をお願いします。
課題の2点目として、相談員の設置に関して、相談対象が幅広だと特定の窓口だけで対応するのは困難であることや、既に人権センター等において相談に対応する専任職員が配置されていること等を踏まえ、規定しないということでよいか、御検討をお願いしたいと存じます。
続きまして、25ページをお願いします。
第13は、相談の次の段階として、不当な差別に係る紛争の解決を図るための体制について規定するものでございまして、まずマル1で不当な差別を受けた者等は、差別事案に関し、第12の相談を経てもその解決が期待できないと認められるときは、知事に対し、助言・あっせんを行うべき旨の申立てをすることができることとしております。
趣旨等の3つ目、一番下のポツにございますように、申立ての対象となる事案は、委員間討議において、不当な差別としてその他の人権侵害は含めないこととすると整理されたところです。本人の意に反する人種等の属性に関する身元調査については、それが不当な差別自体と言えるかどうかについては疑義がある一方、不当な差別に密接に関連するものである等の理由によって助言・あっせんの申立ての対象とすることが考えられ、そのような条文案としているところでございます。具体的には、上の枠囲みのところのマル1の条文のこの1行目から4行目にかけての網かけの括弧書きの部分がこれに当たります。
なお、第4の基本理念で申し上げました部落地名総監の発行などの不特定多数の者が共通の人種等の属性を有することを容易に識別することを可能とする情報を公然と摘示する行為は、当事者間の紛争とは言い難いため、このここで言う助言・あっせんの対象とすることは難しいと考えられます。
マル3の条文案においては、助言・あっせんの申立ての除外理由について列挙することとし、他県の条例を参考に、法律や他の条例に基づく類似の仕組みとの重複を避けるという観点から、(1)、(2)のように、裁判所等により確定した権利関係とか、あるいは裁判所等で係争中のものは除くとしたり、あるいは(3)は、先ほども御説明しました行政不服審査法のような手厚い制度が用意されているものを除くとしております。また、この条文のところで言う苦情の申出は、先ほど申し上げた警察法に基づく苦情の申出などを想定しているところです。また、この除外事項の(4)のように、障がい者差別解消条例のように専門的な体制での救済制度があるものについても除外として挙げております。
今、この条文の枠囲みの中の(1)から(7)について上げておりますが、(5)につきましては、事案の発生から長期間経過すると、事実の確認などが困難になることを想定して、障がい者差別解消条例と同様に(5)を上げておりますし、また、(6)は、犯罪捜査への支障が生じないように挙げておるところです。また、(7)については、差別事案に係る相手方が不明であると助言・あっせんが事実上困難であるということから、(7)も上げているところでございます。
逆に言うと、ここに挙がっていないもの、例えば訴訟を提起する前のものなどは(1)や(2)に該当しないので、助言・あっせんの対象となりますし、また、例えば法務省とか総務省の相談が可能なものについては、これら(1)から(7)のいずれにも該当しないため、こちらの除外事項には当たらないということになります。
この点につきましての課題について、26ページを御覧ください。
課題の1つ目は、助言・あっせんの申立ての対象となる差別事案の行為主体について、障がい者差別解消条例と同様に、行政機関等と事業者に限定するか、あるいは個人も含めるかについては重要な課題ですので、申し訳ないですが、別途検討することとさせていただきたいと存じます。
2つ目、本人の意に反する人種等の属性に関する身元調査も、助言・あっせんの申立ての対象となる不当な差別に含めるという取扱いでよいかどうか、御議論をお願いしたいと存じます。
3つ目、助言・あっせんの申立ての除外理由は、マル3で挙げたような事項、先ほど御説明したような事項でよいか、過不足がないかどうかについての御検討もお願いしたいと存じます。
課題の4つ目は、1つ目の助言・あっせんの申立ての対象となる差別事案の行為主体をどうするかということも踏まえて、障がい者差別解消条例の助言・あっせんの申立ての対象とはならない障がいを理由とする差別事案を本条例でどのように取り扱うかについてです。障がい者差別解消条例では、障がい者差別解消支援協議会といったところへの報告など、その後の施策への反映のスキームも定められておりまして、こうした専門的なスキームから外れた事案をどうするか、さらなる検討が必要ということの4つ目の課題で記載しておるところでございます。
28ページをお願いします。
第14、こちらのほうは、障がい者差別解消条例を参考に、助言・あっせんの手続について規定しているものでございます。
趣旨等の2つ目のポツを御覧ください。
マル1の「助言又はあっせんを行うことが適当でないと認められるとき」とは、障がい者差別解消条例で想定しておりました、例えばこの1)の申立てのあった事案が明らかに差別事案に該当しない場合のような、1)から4)のような場合が考えられます。
マル2で、助言・あっせんを行うに当たっては、事実関係の解明が必要となるため、相手方その他の関係人に協力を求めた上で、知事において、事実関係の基礎調査を行うことができるようにしています。
マル3で、助言・あっせんについては、知事が実施することとしますが、知事による助言・あっせんの手続の公正中立性を担保するため、第三者機関の意見を聴くことができる仕組みを採用しています。
なお、マル4で、県及び県が設立した地方独立行政法人が差別事案の当事者である場合には、諮問を義務づけることとしております。
マル5の差別事案の解決の見込みがないと認めるときというのにつきましては、この趣旨等の5つ目といいますか一番下のポツにございますように、例えば、申立人の相手方が、あっせんの手続に参加する意思がない旨を表明したときなど、こちらの1)から3)までのようなときが考えられます。
続きまして、30ページをお願いいたします。
先ほど御説明しました助言・あっせんは、当事者間での自主的な問題解決を援助するためのものであり、これに従うかどうかは当事者に委ねられているところですが、助言・あっせんに従わないことに正当な理由があると認められないような場合に、何らの措置も行わないこととすると、助言・あっせんの実効性が担保されず、当該手続の意義が損なわれるおそれがあります。そこで、障がい者差別解消条例を参考に、不当な差別をしたと認められる当事者が正当な理由なく助言・あっせんに従わない場合に、その者に対して助言・あっせんに従うよう勧告し、問題解決のための行動を促すものです。
なお、この勧告は、法的拘束力があるものではなく、非権力的な行政指導に該当するものです。
31ページをお願いいたします。
先ほどの勧告は、法的な拘束力のないものですが、勧告の対象者の活動に事実上の影響を与えることも考えられることから、手続の適正を担保するため、障がい者差別解消条例を参考に、この第16を規定しております。
なお、障がい者差別解消条例では、勧告の対象者等の出頭による意見の聴取のみしか規定されていませんが、勧告の対象者等の便宜を考慮し、三重県行政手続条例を参考に、マル2のように出頭に代えて、陳述書、証拠書類等を提出することができる旨を規定することとしております。
課題としましては、このマル2のように、出頭に代えての陳述書、証拠書類等の提出をすることができるとすることでよろしいかどうか、御検討をお願いします。
続いて、33ページをお願いいたします。
第17は、障がい者差別解消条例を参考に、知事が実施した助言・あっせんの状況の公表について規定しています。この公表は、障がい者差別解消条例と同様、制裁的な手段ではなく、どのような行為が不当な差別に当たるのかなどについての有力な指針を提供するという観点から、情報提供として位置づけるものであり、当事者の氏名等の秘密を除いた差別事案の概要等の必要な事項を公表する、いわば純粋な情報提供をするというようなこととしているところでございます。
続いて、34ページをお願いします。
先ほど知事による助言・あっせんに当たっては、必要に応じて第三者機関に諮問を行うことと申し上げましたが、この第18では、その諮問を受ける第三者機関として、三重県人権施策審議会とは別に、知事の附属機関として三重県差別解消調整委員会を新たに設けることとし、その組織や運営について規定しているものです。
既存条例においては、三重県人権施策審議会の委員構成の男女割合についての要件が規定されていることから、マル3のように、委員構成の男女割合について、男女のいずれか一方の委員の数は総数の10分の4未満とならないものと規定しています。
また、委員の専門性や公平性が確保されるように、三重県公益認定等審議会の委員の要件について、公益認定に関し公正な判断をでき、高い識見を有する者としていることを参考に、マル4のように、委員は、人格が高潔であって、調整委員会の権限に属する事項に関し公正な判断をすることができ、かつ、人権に関して高い識見を有する者のうちから知事が任命することを定めています。
また、調整委員会の調査審議の方法について、マル8のとおり、三重県議会委員会条例を参考に、オンラインによる意見聴取等もできるような規定としております。
こうした調整委員会に関する課題として、35ページに3点記載しております。
1点目は、委員構成の男女割合についての要件を設けることでよいかというものです。御検討をお願いします。
2点目につきましては、委員の専門性や公平性を確保するための委員の任命に当たっての要件は、マル4のようなものでよいか、多様性に関する要件は必要でないかということで、委員長のほうからもちょっと御指摘がございまして、そのような点からの御検討もお願いしたいと思います。この場合、単に多様性に配慮した任用というふうにしますと、どのような属性について配慮するのかということが執行部丸投げになってしまう嫌いもありますので、定める場合にはどのような定めをするべきかについても御検討をお願いできたらと思います。
3点目として、調整委員会においてオンラインによる意見聴取等もできることとすることでよいか、御検討をお願いします。
続きまして、37ページをお願いします。
この第19は、人権教育及び人権啓発に関して多くの意見が出されましたので、これをまとめたものでございまして、不当な差別その他の人権問題の解消と当事者の困難克服の支援のため、人権教育及び人権啓発とそのための人材の育成・確保を積極的に行うことを規定しています。
マル2では、人権教育及び人権啓発の推進に関する法律の基本理念を参考に、委員から出された人権教育及び人権啓発に関する意見をできる限り反映して、これらに当たっての留意事項として、様々な場を通じて、県民が人権尊重の理念に対する理解を深め、これを体得するよう、また、人権侵害行為の意図の有無にかかわらず、これを行うことのないよう、多様な機会の提供、効果的な手法の採用、県民の自主性の尊重を旨として行われなければならないことを規定しています。
人権教育及び人権啓発に当たっては、「運動」的な要素を取り入れるべきとの委員意見もいただきましたが、その趣旨はマル2において、人権尊重の理念を体得する、多様な機会の提供、効果的な手法の採用を旨として行われなければならないという部分に盛り込んでいるところです。
また、不当な差別等の未然防止という要素を入れてはどうかとの御意見もいただきましたが、マル1の「不当な差別その他の人権問題を解消するため」には、不当な差別その他の人権問題を未然に防止するためという意味を含んでいるというふうに解されるところでございます。
この第19に関する課題としては、様々な委員意見をいただきましたが、それらが適切に反映されているかどうか、御確認、御検討をお願いしたいと存じます。
続きまして、第20です。39ページをお願いします。
第20は、人権侵害行為による被害の救済を図るための情報の提供その他の必要な支援について規定しております。
人権侵害行為による被害の態様はケースにより様々であると考えられるため、具体的な支援内容としては、川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例を参考にして、情報の提供のみを例示しておりますが、必要な支援の中には、被害の態様に応じて、関係機関につなぐことや福祉サービスの提供、安全の確保などが含まれ得ると考えられます。
続いて、40ページをお願いします。
第21では、人権施策を効果的に実施するための不当な差別その他の人権問題の実態調査について規定しています。
実態調査の手法によっては新たな不当な差別等を生み出しかねないとの委員意見があったことも踏まえ、奈良県の条例を参考に、マル2のように、調査の実施に当たっては、新たな不当な差別その他の人権問題が生じないよう留意しなければならないことを規定しています。
実態調査の具体的な手法としては、人権問題に関する県民意識調査などが想定されます。
41ページをお願いします。
第22は、人権施策を効果的に実施するための相談事例等の情報の収集、蓄積及び分析について規定しています。
なお、先ほど申し上げた第21の実態調査が能動的に情報を得ようとするものであるのに対して、こちらの第22の規定は、県の機関における相談事例等の受動的に県が得た情報や他の自治体の相談事例等の既存の情報について収集、蓄積、分析を行うものでございます。
続きまして、42ページをお願いします。
こちらの第23は、インターネットによる不当な差別などの人権侵害が深刻な状況であることに鑑み、インターネットによる人権侵害行為を防止するために必要な措置を講ずることについて規定しています。
必要な措置の例示としては、モニタリング、インターネット上での人権啓発、インターネットリテラシーの向上を図るための教育・啓発を挙げています。
なお、不当な差別などの人権侵害に係るインターネット上の書き込みを県が把握した場合には、県が削除要請を行ってはどうかとの御意見もありましたが、現在、県においては、県内に関わる事象は津法務局、県外にわたるものは全国人権同和行政促進協議会へ通報し、削除に向けた取組を行っているという現状があり、そのような取組もここで言う「その他の必要な措置」に含まれると解されます。
なお、インターネットによる人権侵害に関しては、別途、前文の人権侵害行為の定義において、インターネットを通じて行われるものを含むということを明示するとともに、先ほどの第8の特定電気通信役務提供者の責務を設けているところです。
課題としましては、このような特出し規定は必要ないとの委員意見もあったところですが、モニタリングやインターネットリテラシーの向上を図るための教育・啓発は、必ずしも先ほど申し上げた他の規定内容に含まれるとは言い切れないので、このような規定を設けるということでよいかどうか、御検討をお願いします。
ここで、インターネットに関する特出しという関連で、前にプロバイダーへの削除要請等の手続について御質問がありましたので、そちらのほうにつきまして、資料4を御覧いただきたいと思います。
カラーコピーでお配りされているかと思いますが、こちらのほうは、法務省のウェブサイトに掲載されておるものでございまして、フローチャート的にそれぞれ選んでいくと必要な窓口が選べるというような資料になっておりまして、見ていただきますと、窓口の設置主体の特性を反映して、それぞれの強みを生かしたような相談窓口が設けられているところでございます。インターネット上の誹謗中傷に関しては、このような専門性を持った相談窓口があって、相談者の希望に応じて適切な窓口が選べるようになっているということを御承知いただければと思いまして、この資料4をつけさせていただきました。
それでは、また資料1に戻っていただいて、44ページをお願いします。
この第24は、災害その他緊急事態発生時において、人権侵害行為の防止や人権尊重のために必要な措置を講ずることについて規定しているものです。
委員意見では、災害時における人権侵害の防止を規定すべきとの意見をいただいておりますが、三重県議会基本条例を参考に、自然災害の発生時と並んで、感染症の流行や他国からの武力攻撃などの県民の生命・財産を脅かすおそれのある事態の発生時も対象とするため、「災害その他緊急事態の発生時」というふうにしているところです。ここで言う「必要な措置」の例示としましては、「人権侵害行為を助長し、又は誘発するおそれのある風説の流布の防止のための対策」、すなわち人権侵害行為につながるデマの防止対策を挙げておりますが、ほかに想定されるものとしては、配慮が必要な属性を有する者に対する避難所における配慮に関する措置なども想定されております。
課題としましては、このように災害発生時と並んで緊急事態の発生時も対象とするということでよろしいか、御検討をお願いしたいと思います。
45ページをお願いいたします。
第25は、既存条例と同様に、三重県人権施策審議会の設置について規定するものです。なお、人権施策の実施状況に関する評価も審議会の役割として規定すべきとの委員意見もあったところですが、執行部に確認しましたところ、既存条例における審議会においても、人権施策基本方針その他人権施策についての調査審議という中で、第三次人権が尊重される三重をつくる行動プランの年次報告書(案)が議題となり、県の施策、取組に対して意見をもらっている現状がありますので、あえて規定内容は加えておりません。
時間が長くなって恐縮ですが、46ページをお願いいたします。
第26は、既存条例の審議会の組織等をベースにしまして、三重県人権施策審議会の組織や運営について規定しているところです。
この趣旨等の2つ目、3つ目のポツに書いておりますように、規定の並び順や必要な事項の定め方などを若干変更しております。
続きまして、第27、48ページを御覧ください。
条例に基づく施策を推進するに当たっては、一定の財政措置が必要になることから、この第27では、障がい者差別解消条例を参考にして、財政上の措置について規定しております。
既存の県の条例において、財政上の措置に関する規定があるものは、議員提出条例か執行部提出条例かによらず、23条例ありますが、そのうち22条例が努力義務となっており、残る1つも、この注記にございますけども、義務規定とはいえ、財政上の措置が例示にとどまっておりますので、そういったことや、知事の予算調製権への配慮といった形から、努力義務として規定しているものでございます。
49ページをお願いします。
この第28は、差別解消の取組などに当たっては、表現の自由等への配慮が必要であるとの委員意見があったことを踏まえ、大阪府ヘイトスピーチ解消条例などを参考に、条例の適用に当たっての注意事項として、表現の自由その他の日本国憲法の保障する基本的人権を不当に侵害しないように留意しなければならないことを規定しております。
このような適用上の注意規定は、公権力の行使に当たるような内容がないのであれば必要ないのではないかとの委員意見もあったところですが、大阪府ヘイトスピーチ解消条例では、基本理念や関係主体の責務規定のほか、訓示的な不当な差別的言動の禁止規定や教育・啓発、相談対応についての規定を設けているだけにもかかわらず、適用上の注意規定を設けていることを踏まえ、本条例においても勧告規定を置いていること、手段によっては人権教育・人権啓発などでも県民等に対して事実上の影響を与える可能性はあることを考慮し、適用上の注意規定を設けることとしております。
なお、表現ぶりにつきましては、日本国憲法第11条の表現を参考にして、日本国憲法の保障する基本的人権という表現を用いております。
課題としては、このような趣旨の規定として、適用上の注意規定を設けるということでよいか、御議論いただければと思います。
50ページをお願いします。
第29は、助言・あっせんの手続における申立ての書式を定めるなどの必要がありますので、障がい者差別解消条例と同様に、規則への委任について規定しております。
51ページをお願いいたします。
附則として、施行期日を定めるとともに、障がい者差別解消条例などを参考に、必要な準備行為や経過措置などについて規定しております。
また、この附則第6項のような検討規定につきましては、条例施行後の差別に関する状況の変化というものも想定されることから、正副委員長協議の下でこのような規定を定めることとしたものでございます。
ちなみに、議員提案条例の中では、こういった検討規定を置いているものもあれば、置いていないものもございます。
規定の仕方としましては、この52ページに引用しております障がい者差別解消条例の附則第4項のように、特定の法改正を想定したり、あるいは何年ごとと定めたりするものではなく、53ページに引用する三重県手話言語条例附則第2項のように、施行の状況を勘案して検討することとしております。
51ページの課題につきまして、1点目、施行期日をいつとするかについては、条例案検討の最終段階で改めて検討をお願いしたいと思います。なお、3の(2)の不当な差別に係る紛争の解決を図るための体制は、体制整備に一定の準備期間が必要と考えられることから、障がい者差別解消条例と同様、原則的な施行期日から遅れて施行することを検討する必要があると考えられます。
課題の2点目は、先ほど御説明しましたような検討規定を置くということでよいかについて御検討をお願いします。
以上、長くなりましたが、素案の規定を御説明しました。最後に、全体を通じて、条例の効力について整理いたしましたので、資料5を御覧いただけますでしょうか。
7月9日の特別委員会におきまして、地方自治法第14条から導かれる属地主義の考え方に基づいて、条例の効力について御説明しましたが、この考え方では説明し切れないような判例や学説などもありますので、正副委員長とも相談の上、今回は実務上の観点からこの資料5のような整理をいたしましたので、御説明いたします。
まず、第4の基本理念(不当な差別その他の人権侵害行為の禁止)につきましては、基本理念として「何人も」不当な差別その他の人権侵害行為をしてはならないことをうたうものであり、県内外問わずいかなる人や団体も人権侵害行為を行ってはならないという県の意思表明です。しかし、実際上効力が及ぶ範囲としては、県民、県内の滞在者、県内に立地する法人や法人でない団体に限定されるものと考えられます。それは、基本的理念としての人権侵害行為の禁止は、県外にある者に対しては周知することが実務上困難であると考えられるためです。
続いて、3の(1)相談体制につきましてですが、相談対象となる人権侵害行為の主体が県外にあるかどうかにかかわらず、県民、県内の滞在者、県内に立地する法人や法人でない団体からの相談に県は応じなければならないと考えられます。ただし、相談対象となる人権侵害行為の主体が県外にある場合は、その主体に直接面会して調査や調整を行うことは実務上困難な場合もあると考えられますので、助言や関係機関の紹介などが対応の中心となることが想定されます。それは、相談は傾聴や助言が基本となるものであり、相手方当事者に何らかのアクションを取ることが義務づけられるものではないので、相談者が県民、県内の滞在者、県内に立地する法人や法人でない団体であれば対応することが適当であると考えられるためです。
最後に、3の(2)、不当な差別に係る紛争の解決を図るための体制についてですが、相手方当事者にアクションを取ることが前提となるため、相手方当事者が県外にある場合は、基本的に適用は難しいと考えられます。といいますのも、助言・あっせん・勧告は、相手方当事者との対話を重視した仕組みであるところ、相手方当事者が県外にある場合は、相手方との面会等が実務上困難であると考えられるためです。隣県であれば可能な場合もあるとは考えられますが、地域的な線引きが難しいので、隣県の場合も相談体制において適切に対応することが考えられます。特に、インターネットを通じた行為の場合、海外からの発信も想定されますが、海外在住者に県からアプローチすることは極めて困難であると考えられます。
ということで、長くなりましたが、以上、資料1から資料5までの説明でございます。
〇北川委員長 ありがとうございます。
いつものように、新型コロナウイルス感染症対策の関係で換気休憩を取らせていただきます。
少し調整したいこともあるもんですから、再開を11時25分とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(休 憩)
〇北川委員長 それでは、資料1の説明をいただきましたけれども、条例案素案について委員間討議をお願いしたいと思います。
1項目ごとに討議をしていただこうと思いますけれども、素案の条文全般にわたって議論いただくか、事務局から提示をされている米印の課題について議論していくかは、もうその条項ごとに、臨機応変に進めさせていただきたいと思いますので、順序が入れ替わるかも分かりませんけれども、お許しをいただきたいと思います。
まず、一番初め、条例制定の手法ですけれども、これは委員間討議を重ねた結果、全部改正という形で県の人権条例を踏襲しながら、全部改正で新たに差別解消等の仕組みも入れながら改正していくという方向性を合意させていただいたと思うんですけれども、この点については、特に異論はございませんでしょうか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 なければ、そのまま進めさせていただきます。
2番目、条例の題名ですけれども、事務局から説明があったとおりです。これについては、最終的に協議をさせていただくことにはなりますが、現段階で思いも含めて御意見がありましたら、お出しください。
〇中村委員 最終的に題名については判断されるということで、それでええというふうに思うんですが、希望でもよろしいですか。希望というか、思いというか。
〇北川委員長 結構です。
〇中村委員 せっかく時間をかけて、こうやって何度も何度も議論をしてきた条例ということで、これからどういう形になるかは自分自身もすごく思い入れがあるんですけども、できたら「差別のない人権が尊重される」という言い方じゃなしに、もっと、例えば「あらゆる差別をゼロにする」とか、あるいは「あらゆる差別をなくし」とか、やっぱり思いを能動的にというか、そんなような意味合いをちょっとつけて、さらにやるんだ、やっていくんだというような、そんな形をつけられないだろうかというふうな自分自身の希望でございますので、意見として述べさせてもらいます。
〇北川委員長 ありがとうございます。
中村委員からお出しいただいた意見で、皆さん方から御意見があれば、あるいはまた別の御意見がございましたら。いかがでしょうか。
〇稲森委員 前文のところで言おうかなと思っていたんですけども、「差別のない」というところ辺りを「差別を許さない」という姿勢や表現が必要かなというふうにずっと思っていたので、「差別を許さない」というところを条例の題名に入れるのも非常にいいんじゃないかなというふうに思っています。
〇北川委員長 ほかにはいかがでしょうか。
〇石田委員 ちょっとお二方と論点が違うんですけど、これは手法の問題なんだと思うんですが。今、仮で置かれているこの条例の名前、「差別のない人権が尊重される」って、こういう題名をつけるとき、句点、読点の点って入れやんもんかなと思うと、この「差別のない」で、読むときここで切るんですよね、点がないと「差別のない人権が」までいっちゃうみたいなイメージもあって。新たにというか、最終的にどんな条例の名前になるか分かりませんが、例えばこのままでいくと、本当は「差別のない」で切りたいのが、さらっと読んでいくとここで切り損なうみたいなイメージがあって、今、両委員の御提案のようなのでもいいんですが、私はまだどんな名前がええかって持っていないんですけど、切れるところで切れるような文章にしたほうがええなと。大体、点は入れやんもんなんですかというのをまずちょっと確認したいんですが。
〇北川委員長 これは、法務的にお答えいただけますか。
〇水谷政策法務監 通常、入れない例が多いかとは思うんですが、入れているものもあります。例えば、資料1の5ページを御覧いただきますと、中ほどの先頃成立しました「性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例」これなど、要は「認め合い」が「三重県づくり」にかかっているわけですよね。少数派だとは思うんですが、こういった例もないことはないかと思います。
〇石田委員 分かりました。
〇北川委員長 ほかに御意見はございますでしょうか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 特になければ、冒頭申し上げましたように、最終的に条例の中身が固まる中で、再度お諮りさせていただきたいと思います。あらゆる差別をゼロにするとか、なくすだとか、あるいは差別を許さないだとか、そういう能動的、積極的な表現があるべきではないかという御意見をいただいたということでよろしいでしょうか。
句読点についても、条例としてはあり得るということで、この辺りについては、つくる文言によって必要性があるかどうかの判断もまた諮らせていただきたいというふうに思います。
それでは、次の2ページにいきまして、各条文に移らせていただきますが、まず前文でございます。これはかなり長いですので、内容的にも盛り込まれたものでもございます。
4ページを御覧いただきますと、先ほど事務局から話がありましたように、前文に加えるべき、あるいは前文から削るべき事項がまだあるか、それから不当な差別、人権侵害行為及び人権問題はここで定義を示すということでいいか、不当な差別も含めてですけども、それぞれの文言の定義はこのような形でいいかということが確認事項として挙げられています。
これも、前文は前にもお話ししていたように、最終的に条文の内容をまたフィードバックしてくる形になりますので、最終的にもう一度確認の検討はさせていただくことになりますが、現段階での御意見を皆さんからお出しいただきたいというふうに思います。
先ほど3つ課題も書いていただいていますが、思いを体現するところでは非常に重要な部分でもございますので、もうここはざっくばらんに、全体的にそれぞれの委員から考え方をお示しいただければと思いますので、フリーで進めさせていただきたいと思います。
御意見のある方はどうぞ。
〇藤田委員 これを読ませていただいて、長いのも一つなんだろうというふうに思うんですが、非常に分かりにくい。これを本当に県民の皆さんが読まれて御理解いただけるのかなというふうに思います。この辺はもうちょっと何か表現で整理ができへんのかなというふうに思います。特に、不当な差別の定義をここへ入れていきましょうということで入っているということもあるのかもしれませんけども、何か非常に分かりにくいなという思いがあって、できれば定義の部分については別立てということもあるかもしれませんけども、例えば差別とはというような言い方で表現をしていただくとか、あるいは後で説明いただきましたけども、差別について、不当な差別、それから人権侵害行為、人権問題というふうに分けて図を見せていただきましたけども、そんなことも含めて、何か非常に分かりづらいというのが第一感でございまして、この特別委員会でこういう発言はいかがかなというふうに思いますけども、もう少し何か整理をしていただいて、県民の皆さんに分かりやすい前文にしていくということを、この後、最終的に再検討いただくということでございますけども、そういう方向をちょっと頭に置いていけたらなというふうに思いましたんで。
ちょっと感想というとあれですけども、そんなふうに思いましたんで、取りあえず発言させていただきました。
〇北川委員長 ありがとうございます。
取り急ぎ、続けて、手を挙げていただいていたので。
〇稲森委員 僕もこの細かさが前文の格調を下げているなというふうに思うので、定義だけ別立てにしていただいたらいいのかなというふうに思います。
この中でちょっと気になったのが、前文というのは、10年ぐらい先の三重県でもちゃんと読んでもらえて理解してもらえる、共感してもらえる内容というのも必要だと思うんですけれども、10年先の将来に新型コロナウイルス感染症という具体的な、10年前あんなことあったよなみたいな、そんなことでいいのかどうかというのを1つ思うのと、感染症にまつわる差別や人権侵害というのは、決して新しい人権問題でも何でもなくて、HIVの問題だとか、ハンセン病の問題だとか、もっと社会が感染症で混乱するときにそういうことを繰り返してきたという歴史をちゃんとここへ書き込む必要があるというふうに思います。
もう一つなんですけれども、2ページの3段落目なんですけれども、三重県というのは決して「南北にわたる多彩な県土」ではなく、西側もあったりとかいろいろするというのが気になったのが1つと、もう一つは、「古くから様々な交流を通じ、多様性に満ちた文化が育まれており」というところが一番引っかかって、100年前の時代と今を比較すると、間違いなく今のほうが多様性が尊重されて、人権が尊重される時代になってきているんだと思います。それを何か地理的に、歴史を一つの面からゆがめているように見えて、これは100年前、200年前、すさまじい差別や人権侵害というのはあったんだろう、間違いなく今よりあったと思いますし、そういう歴史の中から声を上げてきた人や、立ち上がってきた人や、先人たちが努力をしてきたことによって、県民の間において人権を大切にする意識というのが醸成されてきたと。それで、その先人たちの努力によって、三重県議会での人権県宣言につながってきたんだろうというふうに思います。よく県は、こういうストーリーを入れたがるんですけど、何かここもすごく格調を下げているように思って、書くんだったらもっと丁寧に掘り下げて書かなあかんと思いますし、これまで頑張ってきた人がいるから今の三重県があるんだということは、ちゃんとここへ書き込んでほしいと思います。
〇北川委員長 ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
〇石田委員 細かい話ですが、下から14行目、15行目に、「不当な差別その他の他の者」って、この「他の他」って「他」が2つ続くんですが、これは1つにしちゃうと意味が変わってしまうものなんでしょうか。
〇北川委員長 すみません、何行目ですか、もう一回言ってくれますか。
〇石田委員 下から14行目、15行目に「不当な差別その他の他の者」とあるんですけど、「他」が2つ続くんですが、これは「他」を1つ削ると意味が変わってしまうのかなと。変わってしまうんですかね。
〇北川委員長 これは、政策法務監のほうで説明いただけますか。
〇水谷政策法務監 確かに「他」が2回続いて読みにくいというのはおっしゃるとおりなんですが、ただ、おっしゃるとおり、意味としては、「その他の」が、その前のものは例示であって、その後ろに包括的な意味が来るんだよということを指し示すための「その他の」で、その後ろが「他の者の権利利益を侵害する行為」ということやもんで、つけませんけども、意味的には点があるというふうな読み方をしていただきたいところでございます。分かりにくくて申し訳ないんですが、一応、書いている内容としては、そういうものでございます。
〇石田委員 ごめんなさい、どこに点が入りますって。
〇水谷政策法務監 「その他の」の後に。入れないですけども、「その他の、他の者の権利利益を侵害する行為」と。
〇北川委員長 用語的なことなので、少し正副委員長で整理させてください。
〇石田委員 委員長、すみません、もう一つ。
〇北川委員長 はい、どうぞ。
〇石田委員 下から4行目で、「いかなる不当な差別」というのですけども、何かずっと「あらゆる」ってきていたような気がして、ここに「いかなる」って、「いかなる」と「あらゆる」は違って、あえて「いかなる」にしているんかなって。今まで「あらゆる差別」って言ってきたのに、「あらゆる」が消えて「いかなる」ってなったので、これはどういう意図があるんかな。「あらゆる」でよければ、もうずっと言ってきた「あらゆる」のほうにいくのがええのかなと思って。
〇水谷政策法務監 指すところは、あまねくというか、全てのという意味では共通なんですが、ここでは、「いかなる」の後に許されないという否定形が続くもんで。ですから「いかなる」ということで、何一つ許さないというふうな意味で「いかなるものも許さない」ということ、後ろに否定形が来るので使っているという趣旨でございます。
〇石田委員 すみません、国語に弱いもんで。分かっときます。
〇北川委員長 先ほどの話も含めて、文言整理の中で正副委員長のほうで確認をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
〇小島委員 まさしく石田委員が先ほどおっしゃいましたけど、「その他の他の」とかいう辺り、これに、私たちはこれだけ長い間議論をしてきて、読ませてもらって、なおかつ分かりにくいという感想を持つわけですよ。だから、県民の皆さんが見て、ああ、そうなんやな、このことは大事にしやなあかんなと分かる内容でなければいけないというふうに思うので、ちょっとぼやっとした言い方で申し訳ないですけど、やっぱり分かりにくさというのはあるなというのが正直な感想です。
先ほど稲森委員が3段落目のところでおっしゃいましたけれども、私も同じように思います。具体の事実から基づいた文章というふうにはとても読み取れなくて、あまりにもぼんやりしている。ただ、具体的に書くとなかなか難しいというのも分かりますが、私は個人の委員としての委員意見の中では、具体的に例えば全国水平社の辺りであるとか、上田音市さんのこととかを書いたんですけれども、先ほど先人の努力によってと言われましたが、そういうことがあるから人権意識が醸成されてきたんだと思うので、ぼんやりとしたこういう何か観念的なことではなくて、やっぱり分かるように書き込むべきだろうというふうには思いますが、難しければ何かそういう一つの言葉で表すとか、先人の努力によってとかという形で書くべきだろうというふうに私自身は思っています。
それから、4段落目も言っていただきましたが、4段落目の「不当な区別、排除又は制限であって」って、訳語でそのままこういうふうに日本語では出てきますけれども、この「であって」ってすごく難しいなと思って。例えばそういう区別や制限、排除によってこういう効果をもたらすものを不当な差別というというような書き方では駄目なのかどうかとかいう辺りを、分かりやすさということから検討すべきであろうと思います。
それから、5段落目です。私も自分の意見の中で、差別は社会構造の中で生まれ、被差別者の側の問題ではなく、社会の側の問題であることがやっぱり大事だよというふうには言わせてもらったんですが、5段落目を見ると、「人権侵害行為を行った者が当該責任を負うことはもちろん」、これは個人のことを書いてあるんですが、あまりにも社会の側に責務があるということがクローズアップされ過ぎではないかなというふうに思うんです。差別解消には、やっぱり個人の問題と社会の問題と2つあるんじゃないかなと思うので、どちらかがあまり弱まるような書き方はいかがなものかなというふうに感じました。
〇北川委員長 ほかにいかがでしょうか。
〇山本委員 本当にいろいろ今まで出されたことを盛り込む中で長くなってしまったんだと思います。そして御苦労だったと思います。皆さんから今出ているように、分かりやすくということとともに、もう半分ぐらいの量にすることがよりよいのではないかと思っています。
その中で、この定義を前文に入れるとこれまで論議してきたのはなぜそうなったのかなということを思い起こしてみると、何か定義だけを別立てすると、それが難しいということがあったのかな、だからそういうふうな話になっていったんか、いや、でもそんな、それが難しいことだったのかなということを思います。だから、もうここらまでになってきたら、やはり定義を別立てすることが今回は必要かなと思いました。
それと、社会の問題、歴史的な問題、先人の努力とともに、今、世界情勢上の求められているものということも、やっぱり、今、日本で私たちが目指していくときには、そういう世界の情勢とか、要求とか、それは真理であるわけなんですけれども、そういうことに一言触れることも、これからのためにつくっていく条例なので必要かなと今思いました。
最後に、その定義の部分ですけれども、前も意見はさせてもらったんですが、被差別部落というのは現在はないとしているわけです。ですから、例えばこの出身のことが書かれておりますけれども、元というのがほかのところで使ってある表現なのか、いい表現なのかは分かりませんが、現在はないとされているものを、ここでこのような表記にするというのはやっぱり気になりますし、それを考えたときに、もちろん被差別部落のこれまでの問題、そして今もなお引きずっている問題とともに、その地域だけの問題ではなくて、どこかにありましたね、出身という、もっと幅広ですよね。出身によっていろいろ差別って、被差別部落だけを考えなくても日常的にある、そういう意識というのはやっぱりまだたくさんあるんだろうと思うんですが、そういうことも含めて、出身とするか、出生とするか、あるいは考えて元被差別部落とするか、こういう用語がいいかどうかは分かりません、ただ、やはり少し再考していただくことが必要かなというふうに思っています。これは、ここだけではなくて、以後ずっと出てきますけれども。意見です。
〇北川委員長 ありがとうございます。
後半のその被差別部落のところは、一応ここでは「出身」という表現を使っていますけれども、それも含めてということですか。
〇山本委員 「被差別部落」ではなく、「社会的身分、出身によるその他属性の差別」というふうな形で、出生によるとかそういう表記も近代的なんではないかなと。近代的というか、これからに向けて、あるいはもちろんその中にはこれまでの歴史の中で重要だったというか、大変だった被差別部落の出身であるとか、出生であるとかいうことが十分含まれるというふうには認識すべきですが。
〇北川委員長 ありがとうございます。
含むという表現でということなんですね。
〇山本委員 それは、必然と含まれます。
〇北川委員長 ほかの皆さんはいかがでしょうか。
〇小島委員 先ほどの件ですけれども、何によるかというのは難しいと思いますが、例えば部落差別の解消の推進に関する法律の目的、第1条には、「この法律は、現在もなお部落差別が存在する」というふうに書いてあって、部落差別はあるけれども、被差別部落とされているところがないという辺りは非常に整理としては難しいと思うんですが、部落差別があるということをどんなふうに考えるかというのは整理が要るかなというふうに。はっきりこういうふうに法律に書いてあるので、そこを確認する必要があるなということが1点と、ちょっと別のところで、5段落目の、「社会構造」云々は先ほど言いましたけど、もう一つあって、共生社会のところです。差別が解消されて人権が尊重されるということは、「多様性が尊重され、誰一人取り残されることのない共生社会実現のためにも」って書いていただいてあるんですが、差別とか人権問題の解消なくして共生社会の実現はあり得ない、真の共生はあり得ないと思うので、「も」は要らないなというふうに思います。取っていただきたいなと。何に対する「も」なのかなと考えると、共生社会の実現はベースに差別がないということがないと達成し得ないというふうに思うので、「も」は要らないかなというふうに思いました。
〇北川委員長 ありがとうございます。
御意見のある方は。
〇山内委員 少し細かいところも含めてなんですけど、最初、「全ての人間」とか、その後の条文でも「相互に」という言葉が出てくるので、含まれるのは含まれるんですけども、他者への視点という捉え方が弱いかなというふうに思っています。例えばなんですけども、これも世界人権宣言から引用されているので、ここを触るというのは難しいと思うんですが、「全ての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、自他ともの尊厳と権利について」とか、他者にもっと目を向けるような書き込みがあったほうがいいのではないかというふうに考えています。これが1点です。
最後の段落のところの、これも様々これまで発言させていただいたんですけども、「いかなる不当な差別その他の人権侵害行為も許されないことを改めて認識し」は、例えばなんですけども、「認識するとともに、その人権侵害行為者の内面の変化の可能性を信じていく」というような書き込みがあってもいいのかなというふうに思っています。差別の解消をその場で解決するものではなくて、時の経過とともに解決するものもありますので、そういったところに関しても諦めずに取り組んでいく、目指していくという意味合いを担保するためには、行為者の内面の変化の可能性というものをしっかりと信じていく社会をつくっていくとか、そういった意味合いが大事なんではないかなというふうに思っています。
さらにその続きなんですけども、「その他の人権侵害行為を受けることのない」なんですが、被害者の立場なんですけども、当然「この加害者にもならない」、「そういう行為のすることのない」とか、「繰り返されることのない」とか、自分が行為者にならないという意味合いも入れてもいいのかなという思いがあります。
最後に、全体的なところで、先ほどの先人の努力って非常に重要な部分だというふうに思っていますし、人類、これは日本にかかわらず、人権闘争の歴史は深いものがありますので、例えば第四次人権が尊重される三重をつくる行動プランなんかでは、SDGsでそれぞれの人権施策ごとに17のゴールがどれに該当するかという立て分けもされておりますので、そういったことからも、先ほど山本委員からもありましたように、世界基準的な感覚もしっかりと盛り込んでいくことは非常に重要なのかなというふうに思っています。
〇北川委員長 ありがとうございます。
〇石田委員 さっき法務監から「いかなる」と「あらゆる」のところを、「いかなる」の後の述語のところでというか、それで理解はしましたが、主語が「私たちは」なので、今まで使ってきた「あらゆる」のほうが分かりやすくて、そういう意味からも「あらゆる」にして、あらゆる不当な差別その他の人権侵害行為を「許されない」じゃなくて、「私たちは、許さない」に換えて、「私たちは、あらゆる不当な差別その他の人権侵害行為を許さないことを改めて自ら認識し」と、このほうがええかな、どうでしょうか。ちょっと御提案申し上げます。
〇北川委員長 ありがとうございます。
〇稲森委員 前文がやっぱりすごく分かりにくいなというのをずっと思っていたんですが、執行部が提案してきた、と言ったら失礼ですけど、ものではない議提条例というのはもっとチャレンジ、いろんなことをしていかなあかんと思うんですが。前文とかの文体をですます調にしている条例ってぽつぽつあると思うんです。例えば、自治基本条例みたいな条例だと、地域の中でより住民に分かりやすくということで、ですます調にしていたり、子ども条例とかもすごく子どもに伝わるような文章になっているようなところもあったりするので、ここの、特に前文はもっと分かりやすく、県民へのメッセージとして伝わるような、何かそんな検討をしていただきたいなと思いますし、もし、ですます調の条例が近いところであるんだったら、また教えていただけたらなと思います。
〇北川委員長 これは、少し事例も確認させていただくようにいたします。
たくさん出していただいていますが、ほかには、いかがでしょうか。
〇東委員 原点に戻ってですが、前文ができるということは、もうすごく評価されると思います。今までのは前文がなかったので、まずはそれですね。
それから、この特別委員会も回を重ねるごとに、いろんな御意見がここに盛り込まれたんだと思うんです。だから、みんな要求どおり入りましたみたいな感じだと思うんですね。なので、こんな長い文章になったと思うんですが、やっぱり前文というのは物すごく大事だと思います。日本国憲法の前文でもそうです。品があって、抽象的であるけれども、具体的なことをイメージできるということだと思うんですね。
例えば、冒頭の4行。基本的に分かりやすくインパクトのあるものって皆さんが望むものだと思うんですが、具体的に4行目で「人類普遍の原理である」と押さえていて、後は説明ですよね。次の段落にしても、「法整備が進められつつある」。で、これまで「積極的に取り組んできた」というような。で、「新たな人権問題も生じている」、最後の締めくくりを見るとそうなので、やっぱり各委員が言ってきたことを持ってきたというのが事実だと思うんです。
やっぱりそこをちょっと外して、本当に要所だけでもう一回短くつくり変える。稲森委員が言われたように、新しい言葉の使い方、つまり新しい訴え方、やっぱり県民に対してメッセージ性が強いような、平易な、古い形じゃなくて、もっと易しい表現を心がけた文章にするといいんじゃないかなと。2点目がそうです。
3点目なんですけども、これは文章をあなたがつくってみなさいと言われたときにすごく悩むと思うんですよね。実際書いたときに。なので、やっぱりいろんな意見の中で、例えばその次の条文で目的とかあるんですが、目的の中へ移行できるものは移行していくということも視野に入れられたらどうかなと。現条例があって、人権が尊重される三重をつくる条例の中の目的というところがあって、そこへ少し付け足していくとかという、整理がちょっと必要なんじゃないかなと。
これが初めて自宅へ届けられたときに読んだときの第一印象でした。
〇北川委員長 ありがとうございます。
お昼の時間にかかりますけども、ほか、午前中にお話しされたいという方はいらっしゃいますか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 非常にたくさんの御意見をいただきまして、正副委員長でつくらせていただいた案が迷文過ぎて、全般的に皆さんからいただいているのは、まず表現の部分で非常に分かりにくい文章が続いていると。お話にもあったように、いろんな御意見を入れ込んでいった中で生じた面もあるわけですが。とはいえ、私も含めてなんですが、分かりにくい文章になっているなというところで、幾つかその解決手法の話として、もう少し要点を絞ったほうがいいのではないかだとか、他の条項に移せるものがあったら移したほうがいい、そういうことも検討してはどうかだとか、あるいは、分かりやすくという意味では、ですます調の表現、また、ここの表現もさらに平易な表現を使って県民に分かりやすくしたほうがいいのではないか、全体的にはこんな御意見をいただいたというふうに思います。
それから、もう一つ、分かりにくさのネックになっているのが、差別の定義をここにはめているということだと御指摘をいただいています。いろんな考え方がありますので、決して差別の定義を置かないということではないんですけれども、人権条例の全部改正という流れの中で人権の問題だとか、人権侵害だとか様々な言葉が出てまいりますので、ここにまとめて集約させていただいたという形で今は提案させていただいたということですので、これは十分にもんでいただいたらというふうに思います。
それから、個別のお話の中では、新型コロナウイルス感染症、こういうことの表現も含めて、時代的な流れとしてこの先どうなのかということを、逆に過去を振り返った中で、多様性の中で人権意識が醸成されてきたというところの文章があるわけですけども、これについてもそういう単純なものではなくて、先人が勝ち取ってきた人権であるというふうな表現があるべきだという声もいただきました。
さらに後段の部分では、社会構造の中でということの話の中で、その一連の表現が社会側の責任にどうしてもクローズアップというか力点がいって、個人の責任を、並列で書いたつもりではあるんですけれども、個人の責任について非常に弱いのではないかという御意見をいただいています。
それから、少し細かいところに入っていきますが、部落差別の問題については、これはもういろんな御意見がございますので、表現についてどうかという御指摘もいただいています。また、これもいつもおっしゃっていることですけれども、他者への視点といいますか、自他ともに尊厳の意識を持っていくだとか、あるいは自分も差別の行為者にならないようにしていくだとか。あと細かい文言のところについては、事務局ベースで少し整理をさせていただきたいなというふうに思います。
全て今、私からお話ししたわけではありません。出していただいた意見を少しかいつまんで御説明申し上げましたけども、今の内容について、また午後も御意見を賜れればと思っていますので、一旦ここでお昼の休憩にさせていただきます。
再開は午後1時10分にさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(休 憩)
〇北川委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
午前中、前文の書きぶりについてたくさんの御意見をいただきました。冒頭申し上げましたように、前文については、最終的にまた全ての項目を終えた段階で戻ってまいりますので、フィードバックする形でもう一度最終的に議論をさせていただきたい。その面では、その時点では、当然ながら、今日いただいた意見を反映できる部分については反映して、正副委員長案として再度お示しをして、もんでもらうという形になるかなと思うんですが、1点だけ。
この中で差別の定義のお話もいただきました。分かりにくさとこの場所に置くことの是非についても御意見をいただきましたけれども、そのことについて、まださらに御意見があるようでしたら、こちらの整理の関係もあって、いただいておくとありがたいですが、何か御意見はございますか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 特に御意見がなければ、前文全体を整理させていただく中で、もう一度、正副委員長としてこの形の中に収めていく考え方も含めて、あるいは項目を新しくつくることも含めて、正副委員長案としてまたお示しをしたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
ほかに御意見が特段なければ、後にも議論できますので、次の項目に移らせていただいてもよろしゅうございますか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 それでは、資料1に基づいていきますと、7ページに参ります。
総則、目的になります。
シンプルな構成でございますけれども、目的も非常に重要なことですので、これについて御意見を賜れればと思います。
いかがでしょうか。特にございませんか。
〇藤田委員 1点だけ。「不当な差別」、それから「人権侵害」、「人権が尊重される」、こういう言葉が出てくるんですが、これは前文を読んでいますと理解できるんですけども、この辺のところは、もし前文でこの具体的な規定がなくなるようなことがあれば非常に分かりづらい文章になるというふうに思いますので、その辺が分かるように組立てだけはお願いしておきたいなというふうに思います。
〇北川委員長 分かりました。
ほかに御意見はいかがでしょうか。
〇石田委員 家で見とったときは、別に何も疑問を感じずにここを見たんですが、先ほど前文のところで私が最後に申し上げたことに関連するんですが、この総則のところで、「人権侵害行為を受けることのない」と受け身で書かれておるんですね。する人がなければ受ける人はないんですけども、さっき前文のところで、私たちは許さないという文章に換えたらと申し上げたんですが、それからすると、これは「受けることのない」じゃなくて、「しない」ということの文章にならないかなと、今ちらっと思ったんです。ちょっとまた御協議いただけたら。そうしたときに、どんな文章がいいか、ようつくらんのですけども、ちらっと今、そういうことを思ったんですけど。
〇北川委員長 ありがとうございます。
当然ながら、前文、目的、基本理念というのはつながっていくものなので、同じ考え方というか、思想というか、スタンスというか、つなげていかないといけませんので、おっしゃるとおりのお話もあっていただくかとは思いますけれども、そのことについて。
〇小島委員 石田委員のおっしゃるとおりだというふうに、先ほども聞かせていただいて思いました。主体性を明らかにするというか、差別を解消する側からのスタンスの書きぶりが必要という御意見やったと思うんですけど、山内委員も「自他ともの」とか、人権侵害行為者の、やる側の内面の変革が大事というふうにおっしゃっていて、人権尊重の条例にプラスして差別解消の理念も入れ込むということは、まさしく主体者としてどうするかという考え方を書くということだろうというふうに思うので、私もどう書いていいかと言われるとなかなか難しいなと思うんですが、主体の側を明らかにする書きぶりというのは大事かなというふうに思います。
〇北川委員長 ほかに御意見はございますか。
前文の中でも「許さない」とか「しない」、こういう表現の議論があった延長線上で加害者とならない、そちら側の主体者としてどうしていくべきかというのを目的の中に入れるべきだという声を幾つかいただきました。前文にも共通する話なので。ただ、書きぶりをどうしていくかというのはちょっと考えなくてはいけませんが。えらいばくっとした話で申し訳ないんですけども、ニュアンスとしてそういう文言を含めていくという御意見があるということのは皆さんの共通の思いとして捉えさせていただいてよろしいですか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 ちょっと文言は悩ましいですけども、正副委員長で少し考えさせてください。よろしいでしょうか。
ここは、事務局では特に課題として上げていただいていませんので、もう次の8ページに行かせていただきます。
大変申し訳ないんですけれども、8ページは定義と書いていますけれども、説明があったように、この定義は、助言、あっせん、勧告の解消の仕組みの対象を事業者に限定するのであれば、ここに定義が要りますという考え方によっています。したがって、この議論は前の論点整理のときにも個人も対象にすべきではないかという御意見もいただいた中で保留の状態になっている話なので、これは後の仕組みのところで議論をさせていただいた後に、必要であればこの定義を置くということにさせていただきたいので、ここの議論は少し先送りをさせていただいてもよろしいでしょうか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 9ページに参ります。
第3条の基本理念(人権施策の推進に当たっての基本理念)ということで、その次のページの「不当な差別その他の人権侵害行為の禁止」とは条項を分けて、先にこの理念的なことを上げているということになりますが、4行ですけれども、ここについて、まず全般的に御意見をいただければと思います。
特に、課題のところに上げていますように、意図的でない不当な差別についての考え方、こんなところも含めて、もし御意見がありましたらお出しいただければというふうに思います。
全般的にどうでしょう、まず、基本理念で、特にどなたもございませんか。
〇石垣委員 1点、またこれは書きぶりというか、日本語の形になるのかどうか、ちょっと文面的に気になるところがあるんですけど、2行目、3行目の「社会のあらゆる分野において人権が尊重されるようにするとともに」というので、「するとともに」というのは、「する」という言葉で成り立つのかなというところで、例えば人権が尊重されるように「推進する」だとか。前文とかだと「図る」だとか、そういった書きぶりなんですけど、これは日本語的に「尊重されるようにするとともに」という日本語で大丈夫なのかどうかというところをちょっとお聞かせいただきたいんですが。
〇北川委員長 ここについては、個人的には、後ろに「推進されなければならない」ということが出てくるので、この「されるようにするとともに」というのがかえって要らないのかなという見方もできるかなと思うんですけども。「尊重され、対話を通じて不当な差別」というふうな形で続けてしまったほうが、今おっしゃったような言葉の誤解というか曖昧さがなくなるのではないかなというふうに思うんですが、これは個人的な意見なので。
石垣委員のお話も含めて、そのことについて何か御意見はございますか。
〇小島委員 石垣委員のおっしゃるとおりだというふうに思うんです。でも、例えば「社会のあらゆる分野において人権が尊重され、」にすると、また文章がつながりにくいなという感じもして。例えば「社会のあらゆる分野において人権が尊重されること」と「対話を通じて不当な差別その他の人権問題の解消を図ること」、これらによって推進されなければならないというニュアンスではないんですかね、と思うので、「人権が尊重され、対話を通じて不当な差別その他の人権問題の解消を図ることを通じて」とか「通して」とか、そんなことでは駄目なのかなというふうに思いますが、これはもう文言的なことなので、文の整理をしていただいたら、考え方としては異論はありません。
〇北川委員長 ありがとうございます。
趣旨等はその下に書いてあるとおりです。この基本理念に書いてあるのは2つの柱で、社会のあらゆる分野において人権が尊重されること、対話を通じて不当な差別などの人権問題の解消を図ることが重要である、この2つの認識を基本的認識として示すという形になっていますので、それに沿うような文章としてちょっと整理をさせていただきたいと思います。
確かに、「尊重されるようにする」というのは、何かちょっとニュアンス的に言葉として変な感じはしますね。少し文言を整理させてください。
ほかにいかがでしょう。
〇小島委員 米印の1つ目で、いいですか。
〇北川委員長 はい、どうぞ。
〇小島委員 「意図的な」だとか、「意図的でない」とかいうふうに書いていただいてあって、下から4行目に、「意図的でない不当な差別等の解消に当たっては人権教育及び人権啓発が重要であると考えられることから」云々とあります。文章的に書き込めるかどうかということは別なんですけれども、ここの意図にかかわらずという考え方は重要な点であろうというふうに思いますので、次の第4条の基本理念のところで、やっぱりちゃんと考えるべきではないかなと思います。
意図的である、意図的でないというところを人権教育や人権啓発にのみ落とし込んでいくのは、あまりにも狭いのではないかというふうに思うので、ぜひ第4条のところでそこについては考えたいなと思います。
〇北川委員長 ほかにそのことについて御意見はございますか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 次の第4条のところで、今いただいたお話は議論をされたいということでしたので、その形でもよろしいですけれども、御意見がなければ、1つ、文言整理を課題としていただきましたけれども、これは正副委員長で整理させていただきます。
それから、2つ目の課題の表現の自由のことですが、これについては、読んでいただいたように、後ろで適用上の注意として規定をしている加減上、その置くことの是非については、そこのところで議論させていただきたいと思うんです。順序としてそういう整理をさせていただきますが、よろしいですか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 それでは、同じく基本理念で関連しますけれども、10ページの基本理念、ここでは差別の禁止、それからそれを含む人権侵害行為全般をしてはならないということを入れています。併せて2つ目の項目は非常に分かりにくいんですけれども、対象者の同意のない人種等の属性についての身元調査、本人の同意のない属性の暴露等々については、マル1に含んでいますよということに趣旨等のところで書かせていただいていますが、まずこの第4条のマル1のところの議論について御意見をいただければと思います。
〇藤田委員 確認ですけども、今のその不当な差別というものの中に、先ほどおっしゃったような暴露、そういうものも全部含まれておるという理解でいいんですか。
〇北川委員長 趣旨等のところを読み上げさせていただきますと、禁止される「不当な差別その他の人権侵害行為」には、不当な差別的取扱いや不当な差別的言動といった、差別的取扱い、差別的言動というのは前文のところに入っていますけれども、不当な差別のほか、プライバシーの侵害、いじめ、虐待、セクシュアルハラスメントなどの人権侵害行為が含まれる。また、対象者の同意のない人種等の属性についての身元調査や、本人の同意のない属性の暴露も、プライバシーの侵害や人格権の侵害として禁止の対象となる、という考え方で、この考え方でよければ、そうした内容が逐条解説に書き込まれるということを想定しています。
〇藤田委員 その確認です。分かりました、ありがとうございました。
〇北川委員長 併せて、先ほどの小島委員がおっしゃった意図的である、意図的でないことについても、ここのところで議論を、とおっしゃったので、そのことも含めて御意見等をいただければと思います。
〇小島委員 先ほど御説明いただいた資料2の人権問題、人権侵害行為や不当な差別ってあって、先ほどの御説明の中に、点線で、例えば対象者の同意のない人種等の属性についての身元調査がもしかしたら不当な差別に含まれるのではないか、そういう場合もあり得るという御説明だったというふうに思うんですね、この点線です。私はこれは、場合はいろいろかなと思いますが、本人の同意のない属性の暴露とかはまさしく差別につながると思いますし、不当な差別やと思いますし、対象者の同意のない人種等の属性についての身元調査、例えば結婚に関する身元調査なども本当に差別そのものだと言えることもあるでしょうし、結果としてつながっていくこともあるというふうに思いますので、難しいんですけど、不当な差別とはとか、人権侵害行為とは何かとか、その辺りの線引きが難しい中身は何かとか、その辺りをやっぱり事例をきちんと出しながらちゃんと考えることというのが大事だなというふうに思っています。観念的に考えるのではなくて、どんなことがどこに入って、だからどうしなきゃいけないというふうに考えることが大事だなと思うので。ここが一番の肝やと思うので、もうちょっとちゃんと事例を出しながら、深くちゃんとこれはこういうことを表すよねということは、委員の中で共通理解をしたいなというふうに思います。
その本人の同意のない属性の暴露ですとか、やる側に意図があるかないかではなくて、前文でいろいろ差別とは何かということの定義のようなことを書いていただきましたけれども、やられた側がそのことにつながるようであれば、それは不当な差別であるのでというふうに私は思いますけれども。
もう一つ、ついでに言うと、マル2の文章がすごく難しくて、すんなり理解するのが難しいですけれども。
〇北川委員長 ありがとうございます。
マル2はごっちゃになるといけないので、後の議論にさせていただいて、マル1の「何人も、不当な差別その他の人権侵害行為をしてはならない」、この部分は肝の部分だというふうにおっしゃった項目にもなりますので、具体的な事例も挙げながら委員間で共有したほうがいいというふうなお話もいただきましたけれども、このことについて、皆さん方からほかに御意見はございますか。
〇小島委員 前文のところでも、個人、それから社会のありようと両方あるというふうに申し上げたんですが、もちろん個人は個人でいろいろあるんだけれども、社会の側が差別を生み出したり、容認したり、助長するような、そういうことがあるんだと思うので、そのことも何とかしていかなきゃいけないという辺りをやっぱり整理して、社会の側が不当な差別を直接的に行為的にするって、もしかしたらあまりないかもしれませんけれども、人権侵害につながることというのは大いにあると思うので、その辺りはやっぱり、ちゃんとコンセンサスを得ておきたいというか、こういうことだよねというのをしっかりと持っておきたいなというふうに思います。
〇北川委員長 ありがとうございます。
ほかに御意見はいかがでしょうか。
〇水谷政策法務監 先ほどの小島委員のお話で、資料2の、この図を書いた意図についてちょっとだけ補足させてください。
先ほど委員が、身元調査については点線で不当な差別に含めているというふうに御理解いただいているようでございましたけれども、この図を描いた意図としては、身元調査はあくまでも不当な差別には入らない、人権侵害行為のうちなんだけども、この吹き出しのところ、紛争の解決を図るための体制の対象に入れるというふうなことを想定してこのような点線を入れておりますもんで、分類としては、あくまでも不当な差別じゃなくて、それよりも幅広い人権侵害行為というふうな整理をした上で、紛争の解決を図るための体制の対象としてここに入れているという意図で、条文もそのようになっており、またそのような整理をしておりますので、申し訳ないですが、ちょっとそこだけ補足させてください。
〇北川委員長 それは、事務局としてはこういう形でつくられたということですよね。
〇水谷政策法務監 はい、この図の意図はそういうことでございます。
〇小島委員 つくられた意図はお聞かせいただきましたけれども、私はそうは思わないということは申し上げておきたいと思います。例えば、結婚差別なんかによる身元調査は、明らかに差別につながったり、被害もやっぱりあるところでありますので、これはやっぱり不当な差別以外の何物でもないと思いますし。ただ、こうやって議論が分かれることがあるので、この先だと思いますが、第三者の委員会、三重県障がい者差別解消調整委員会等で判断いただくというような仕組みが必要ということかなというふうにも思わせていただきました。全てがそうとは限らないかもしれません。場合によっていろいろかもしれませんけれども。
〇北川委員長 ありがとうございます。
マル1の「何人も、不当な差別その他の人権侵害行為をしてはならない」、この禁止の事項、文言を入れるということについては、既に論点整理の中で合意を得られたことですので、恐らくこの文章についての疑義はそれほどないのかなというふうに思います。あとは、じゃ、どれだけの範疇のものがどんな形で対象になって現実的になっていくのかということを考えたときに、前文にもありますけども、不当な差別、それから人権侵害行為、不当な差別の中にも差別的取扱い、差別的言動、それから差別につながる行為、こういったものが考えられますし、それを一定、事務局としてこの形で整理いただいたわけですが、おっしゃるように、現実の様々な人権侵害や差別の事例でここにどんなふうにはまっていくのかというか、具体的な事例を考えながら、ここの資料2の表をもう一度議論というか共通認識ができるような形に持っていきたいと思いますので、そうした事例を少し抽出して、正副委員長で整理したものをお出しさせていただく、この資料2で整理しやすいような事例を整理させていただくという作業を少しさせてもらおうかなと思うんですけども、いかがでしょうか。
〇藤田委員 おっしゃるとおりやと思います。例えば、本人の同意のない属性の暴露って書いてありますけども、内容によりけりだと思うんですよね。例えば、問題になっているような部落差別の問題の中のそのことを暴露するということになれば、これはもう明らかに差別につながることであるし、誹謗中傷にしてもそうですし、プライバシーの侵害にしても、境界が非常に分かりにくいと思うんですけど、この図を見ると、誹謗中傷やとかプライバシーの侵害は不当な差別ではないんですよという区分けになっていますんで、この辺のところは先ほど委員長がおっしゃったように、具体事例も含めてもう少し整理をお願いしたいと思います。賛成です。
〇北川委員長 参考人招致も含めてずっとそういう事例の積み上げをしてきた先の作業ではあるんですけれども、少し戻る形にはなるかも分かりませんが、ここは大事なところですので、そういった形で少し整理をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
マル2のところも、それには係るところであるんですけど、もう少しかみ砕いて説明いただいてもよろしいですか。
〇水谷政策法務監 確かに分かりにくい条文なんですけども、元としては、廃案にはなりましたが、内閣法制局も通じた人権委員会設置法案などを参考にしております。
要は、そこの「共通の人種等の属性」というのを、例えば端的に分かりやすく部落とか、部落出身者であることというふうに置き換えて読むともう少し読みやすいかなと。何人も、部落出身者という属性を有する不特定多数の者に対して、そういった人権侵害行為をすることを助長、誘発することを目的に、そういった人たちがそういう属性を有することを容易に識別することを可能にする、要は、部落地名総鑑の発行、どこそこの何々市の何々という住所の出身者であることを、どこそこはそういうものだということが簡単に分かるような情報として、それらの文書を配ったりとか掲示、貼り出したりとか、あるいは書籍を発行するなどして公然と摘示する、示すというようなことでございます。要は、部落差別に限らず、一般的に読めるように書いているものですから、逆に一般的過ぎて、抽象的になって分かりにくい嫌いはありますが、部落問題に限って読めば、割とそのような読みができようかと存じます。
すみません、ちょっと曖昧な説明ですが、以上でございます。
〇北川委員長 ちょっと乱暴な言い方をしてしまうと、例えば部落地名総鑑なんかがネット上に出されるというようなことを止めようとすると、こういう条文が考えられると。ただ、その属性に限ったものというわけには、なかなか。包括的な条例ですから、あらゆる属性に対して当てはまるような表現でマル2は置いていただいたと。ただ、そうしたことによって逆に幅広くなりますので、慎重に考えなきゃいけませんよねと。こういうことですね。
〇水谷政策法務監 おっしゃるとおりでございます。
逆に、分かりやすい部落に限るのであれば、その課題に書きましたように、既に法務省において削除要請等の措置も行われているということなので、限定ということもここに課題として併記させていただいたところでございます。
〇北川委員長 このことも、先ほどのマル1にも関連しますので、事例として整理をする中でも整理できないことはないんですが、マル2として、こういう上げ方についての御意見があればいただきたいと思いますけれども。基本的に置くか置かないかは、まだ委員間討議の中では特に結論が出ていなかったものということで網かけがついています。
このことの必要性についてはいかがですか。これもさきのマル1の議論と一緒にさせていただいたほうがいいですか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 じゃ、同じく再度議論していただくということで、次の項目にいかせてもらってもよろしいですか。
〇小島委員 議論はもうちょっと先に深めさせていただいたらいいと思うんですけど、前文に書いていただいたことを丁寧に見ていくと、この資料2にも書いてあるように、そこの属性というのがキーワードだというふうに思いまして。だから、その属性を明らかにするとか、それによって何かが起こるとか、そういうところがやっぱり駄目だよねというんだったら、マル2に書いてあることも、これは方法の問題で、ここは属性の暴露ですから、禁止されてしかるべきというふうに思います。
ただ、いわゆる部落地名総鑑だけに限るのか、そのほかのところも含まれることがこのマル2にあるのかどうかということについては、もうちょっと時間をいただいて考えたいなと思います。
〇北川委員長 分かりました。これは改めて議論をさせていただくということで。
〇石田委員 このマル2について法務監から御説明いただいたり、いろんな協議の中で、あ、こういうことなんだなというものが分かってきたものの、いかにしてもまだまだ分かりにくくて、例えば属性って、これが、例えば県民がここだけ見たら、属性って一体何なんやとめくり直してほかを探さんならんとか、ここだけ見てある程度のイメージができるような文章がやっぱり必要だと思うんです。ちょっとその点をお預けしておきますので、お願いしたいと思います。
〇北川委員長 非常に分かりにくい文章が続きますので、申し訳ございません。
では、13ページの県の責務のところに移らせていただきたいと思います。
県の責務については、もうこの6行だけでございますので、お読みいただいて、課題があればお示しいただきたいというふうに思います。特にございませんか。
〇小島委員 条文については、これでいいと思うんですけど。文章そのものよりも、これまでの県の在り方、関わり方がどうであったかということのほうが課題が大きいと思うので、条文はこれでいいですけれども、後でいろいろ見直し方とか、どう県が差別解消とか人権尊重に関わるかという中身のほうを課題にしていくべきだと思います。
〇北川委員長 それは、具体的にはどんなことになりますか。
〇小島委員 例えば、もうちょっと後になりますけれども……。
〇北川委員長 何条ですか。
〇小島委員 例えば、県がやることの大本になるのは、第11条の人権施策基本方針等であるわけで、これはもう先の議論ですけど、そこには、人権尊重の基本理念とかというふうに書いてあるんですけれども、やっぱり今回はここにきちんと差別解消を打ち出すべきだというふうに思うので、その辺りの新しい考え方がちゃんと位置づけられない限り、同じようなことが続いても、実際の差別解消にはつながっていない実態があるわけですので、その辺りは新たにきちっと考えていくべきだなというふうに思っています。またそこの項目でも意見をさせていただきたいと思います。
〇北川委員長 はい、分かりました。
ほかの皆さん、いかがですか。特にございませんか、この項目は。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 なければ、次の項目にいかせていただきます。
第6の県民の責務、これはいかがでしょうか。
〇藤田委員 県の責務で、今これをずっと読んどったんですけども、推進するというふうには書いてあるんですが、検証するという視点がここには書いてありませんよね。そういうことも書き込む必要があるんじゃないんですかね。「人権施策を総合的、積極的かつ計画的に推進する」の、推進するということの中に、県がやってきた施策について検証をするような文言は、ここで言うのかどうかはよく分かりませんけども、今ちょっと気がついたもんですから申し上げただけなんで、すみません。
〇北川委員長 ありがとうございます。
私は行政マンじゃないので、勝手に言えませんが、恐らくこの「総合的、積極的かつ計画的」という中に検証も含まれるという一般的な考え方なのかなというふうには想像してしまいますが、その点については、法務監、いかがですか。
〇水谷政策法務監 読み方次第かとは存じますが、推進するに当たっては、いわゆるPDCAでやったことのチェックをして、さらに先へ進めるということも当然あった上での推進というふうに読むのかなと思います。
〇北川委員長 おっしゃっている意味は重要なお話なので。何も今までの文言を踏襲する必要はないので。従来はこういう表現が一般的ですよね。ただ、検証もしっかり、そこができていないから差別がなくなっていないんやないかと言われるのであれば、そこを強調するというのも我々の意思としてはありだと思いますので、法務的にどうかというのはありますけれども、正副委員長のほうで少し預からせてください。
県民の責務のところに入りかけましたけども、県民の責務のところはいかがでしょうか。ここは、特に「傍観することなく」ということで、少し表現を付け加えさせていただいていますけれども、いかがですか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 特によろしいですか。
もちろんどの条文も、最終的にはまた総合的に確認させていただきますが、米印のところでは、人権を侵害してはならないという表現については、現条例では県民等の責務に入っておりますけれども、先ほどの基本理念の中で差別行為をしてはならないということを全体的にうたいますので、以降、同じ課題になりますが、県民の責務も事業者の責務もそこの部分はもう省いた表現になっているということですが、それでよろしいですか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 問題ないですか。
それでは、その点についてはそれでいかせていただきます。
特になければ、第7条の事業者の責務、ここについても同じく3点で、書きぶりはよく似ていますが、少し事業者なりの表現を入れさせていただいてありますが、いかがでしょうか。特によろしいですか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 御意見はございませんか。
なければ、次、17ページにいかせていただいて、特定電気通信役務提供者の責務ということを設定させていただきました。いわゆるプロバイダーの責務、当然ながら、県条例ですので、県内のプロバイダーという限られた措置にはなりますけれども、いかがでしょうか。
〇石田委員 県内にプロバイダーってどれだけあるか分かるんですか。
〇北川委員長 申し訳ございません、そこまでは把握を。調べておきます。
〇中村委員 この難しい名前、特定電気通信役務提供者って、プロバイダーではいかんのですよね。
〇水谷政策法務監 できないことはないかと存じますが、マル1の括弧内に書いておりますように、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律、いわゆるプロバイダー責任制限法とかいうふうに言われておりますが、こういったものが既にありますので、こちらを引用してきて、そちらでもって努力義務とはいえ、一応責務を課すものですから、正確に表現するためにこのような書きぶりとしたところでございます。
〇中村委員 いや、冒頭から県民に分かりやすくというのがあるんで。国の法なんかでもやっぱりこういう表現が正しいんですかね。何か括弧書きするとかなんとか。これやと何のことかさっぱり分からへん人たちが出てくるんと違うかな。ずっと引っかかっているんですけど。
〇北川委員長 ありがとうございます。
もうこれは、ちょっと仕事を簡単にしてしまって、次ページにある和歌山県の条例からそのまま参考にさせていただいていますので、その表現を使っているということになっています。おっしゃった用語も含めて、分かりやすい表現ができるのであれば、そういうふうに整理をしたいと思います。ちょっとお約束はできませんけれども、正副委員長のほうで、その方向で整理ができるよう努力したいと思います。
ほかにはいかがでしょう。
〇石田委員 この第8は、第23のインターネットによる人権侵害行為とセットかなと私は捉えるんですが、前の委員会のときに、インターネットによる人権侵害は、中身というよりも手段であるので、特出しするのはいかがかなという意見を言ったのもちょっと書いていただいとるのかなと思うんですね。
この事業者とか、インターネットというのは、今の時代を反映した一つの手段であると思うんです。例えば数十年前はインターネットとかそういうのは全然想定がなかったけども、今の時代を反映した一つの手段であります。これが、この先また今想定できないような手段として出てきたときは、また特出ししてこれと同じような扱いをしなくちゃいけなくなるような気もしますので、差別事象とか差別行為には、中身は同じだと捉えると、この特定電気通信役務提供者を事業者の中に含められないのかとか、それからインターネットも、これは手段として捉えることによって、この2つを特出ししなければいけないのかどうかというところに私は疑問を持っておるんです。
やっぱりこれは要る、特出しする必要があるなという根拠を見つけられれば、それはそれでいいですが、今のところ、どうしても要るかどうかというのはちょっと疑問に感じておるところなんです。
〇北川委員長 ありがとうございます。
正副委員長の思いとしては、いわゆるこの差別解消の条例の議論のスタート時点で参考人招致等もする中で、元の人権条例にはなかった、ネット上の差別、人権侵害というのは当然ながら非常に大きな課題であると。当然、属性で様々な、女性差別だとか、部落差別だとか、外国人差別とか出てくるんですけれども、それぞれの差別は駄目よと言えば、当然、差別は駄目なんですけれども、しかし、ツールの一つとはいえ、これだけネット上の差別や人権侵害が氾濫しているという中で、やはりネット上の差別についての言及はしていきたいという思いがあるというのと、もう一つ、これは参考人招致の中でもずっと言われてきたことですが、さはさりながら、ネットに関わっての行政側ができることって非常に限られていて、削除要請であったりだとか、あるいは追っかけをしていくにしても、結果としてなかなか削除に至るところまでいかないというケースがもう圧倒的に多いという中で、条例として上げてできることって少ないですよねというお話も随分いただいてきた中で、それがゆえに、逆に言うと、これだけネット上の差別行為が氾濫している中で、新しくつくり変える条例がそこに踏み込んだものが何もないっていうことについての物足りなさというか、そういうところから発してきて、こういう条文を入れてきたという経緯があります。
おっしゃるように、理論的な話でいけば、差別は駄目と言えば、ネット上であろうが、直接物を言おうが駄目なものは駄目ですし、そういうことにはなるんですけれども、ただやはり、県民の方にもネット上のことが本当に今問題なんだということを意識してもらうという意味も含めて、この時点では書かせていただいた、お話をさせていただいたという思いです。
〇石田委員 これを入れることによって条例の趣旨が損なわれることではないので、そこまでは申し上げません。私なりに思うのは、手紙であったり、電話であったり、直接であったり、ネット以外の手法ですと、ネットに比べて本人特定が非常にしやすいですよね。ネットは顔を見せないことがしやすいので、だから広がりやすく、言いやすく、中傷しやすくなっているので、特に今の時代としてそれを強調したいという趣旨で、とおっしゃったので、一定の理解はできると思います。
〇北川委員長 ありがとうございます。
〇藤田委員 和歌山県の話が出て、その下にも書いていただいておるんですけども、これは努力規定になっていますよね、「努めるものとする」ということになっていますけども、和歌山県の条例のように、「行うものとする」というふうには書けない理由が何かあるのか、ちょっとそこら辺を教えていただけませんかね。
〇北川委員長 一応説明にもあったかなと思うんですが、再度。
〇水谷政策法務監 この趣旨等の4点目にも書かせてもらって、先ほども少し申し上げたんですが、努力義務よりも強い義務ということであると、ここに書いてございますように、ほかの県の条例などでは自主性を尊重しておるということと、より強い義務として書く場合には、それなりの調整なども必要かなというふうに考えます。
〇藤田委員 そうすると、いわゆる事業者との調整ができれば、「行うものとする」という表現ができるというふうに理解していいんですか。
〇水谷政策法務監 ほかに課題がないかどうかですが、事業者との調整というのは必要かと思いますので、委員がおっしゃるとおりかとは存じます。
〇藤田委員 先ほどのお話にあったように、いろんなところでいろんな内容が非常に無責任に流されているという現状があるので、議会としてそういう場合にはそれをやめさせるというような意思を出す必要があるのかなというふうに、私の個人的な思いですけども。皆さんがどのようにお考えになるかはお聞かせいただければいいと思うんですけど、やっぱり努めるというところで止めるべきではないのかなと。できる、できないは、現実の問題、非常に難しいとは思いますけども、この条例の中では、やっぱりやらないんですよ、やっては駄目なんですよということが要るのかなというふうに私は思いますので、そういう思いで話をさせていただきました。
〇北川委員長 「努めるもの」ではなくて、和歌山県のように「措置を行うものとする」という表現で臨んだほうがいいという御意見ですけども、皆さんはいかがでしょうか。
〇小島委員 調整をするのは分かりますので、何とか調整をして、措置を行うものとするというふうに書き込める方向でいったらどうかなというふうに思います。
それから、石田委員が先ほどおっしゃったインターネットのことですけど、おっしゃったとおり、やっぱりここからの大きな課題って、インターネットが大きいなと思っていて、匿名性と一瞬で世界中に情報が広がってしまうことと、何をもってしてもその回復が図れないということ、これはやっぱり大きな影響があるなと思うので、特出しをしたほうがいいかなというふうに思うんです。でも、その特定電気通信役務提供者の責務というのは、事業者の一つと言えば、それはおっしゃるとおりなので、それはもう書きぶりで入れるのがちょっとね、というんやったら出したらええと思いますし。そんなふうに考えます。
〇北川委員長 努めるのではなくて、措置を行うものという方向で一度トライせよということですが、皆さん方の御意見としてはそういうことでよろしいですか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 御異議ございませんか。
先ほどの、どれくらいの対象者があるのかということも含めて確認させていただいた上で、また提案させていただこうと思います。
ここは、先ほどネットの特性についてのいろんなお話もいただきました。規定するということでもうよろしいですか、この条項は。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 それでは、そのようにさせていただきます。
時間が1時間になりましたので、ここで今度は10分弱、換気休憩を取らせていただきます。
再開を午後2時20分とさせていただきます。
(休 憩)
〇北川委員長 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
それでは、次は19ページ、議員並びに県の公務員の責務ということで、これは、特別に今回うたわせていただいている内容になっていますが、御意見がありましたらどうぞ。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 特にないようでしたら、この米印を整理したいと思いますが。
〇石田委員 これは前にも聞いたかな、知事はどこに入るのかって聞きましたっけ。知事は県の公務員のほうに入るのか。
〇北川委員長 はい、そこに含まれるという理解です。よろしいですか。
〇石田委員 はい。
〇北川委員長 1つ目の課題が、責務の対象に市町の議員や議員等を含めないということでよいかということですけども、よろしいですか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 2つ目、議員と一般職の職員を同列に並べて責務を課すのはいかがかとの意見もあったところですが、今回は並べて県議会議員、それから県の公務員、知事も含めてということですが、を上げさせていただいています。こういう形でもよろしいでしょうか。
〇石田委員 くどいようですが、知事をその他の県の公務員って、その他に入れていいんですか。ええの、知事もその他で。
〇北川委員長 法務的にはこういう文言の整理でいいということでいいですか。
〇水谷政策法務監 広く、議員も含めて特別職の地方公務員でして、そのうち県議会議員の議員を例として1つ出した上で、その他の公務員という大きなくくりにしておりますので、その中に当然、知事も入ってくるし、私どもも入ってくるというように、もう大きくくくっているということでございます。
〇石田委員 いや、理屈上そうなんだけど、知事をその他と言って、ちょっと失礼にならへんのかなっていう意味です。ええというならいいですけど。
〇北川委員長 他の事例も含めて、あまり例がないんですけども、確認はさせていただこうと思いますが、今のところはこの文言でいきたいというふうに思います。
ほかになければ、次の項目にいかせていただきます。
20ページ、県と市町との協働です。
これは、元の条例にも項目としてはありますが、付け加えた表現になっています。そのことも含めて御意見をいただければと思います。
趣旨等も確認いただきながら、御意見がありましたら。
〇小島委員 書きぶりの問題ではないんですけれども、人権施策とは何を指すかということで、県も市町も、どこでもやっていると思いますけれども、それが例えば人権啓発的なものだけなんだとしたら、それはちょっと足りないのかなというふうに思うんですね。
差別解消というところをはっきりと打ち出しているわけなので、例えばマル2の市町が実施する人権施策について必要な助言その他の支援って書いてありますが、やっぱり差別解消に資する施策だというふうに思うので、条例文そのものはこうしておいたとしても、例えば逐条解説等では差別解消に向かうように、市町について助言とか支援を県はしていくべきではないかなというふうに思います。そうでなければ、どこに住んでいるかによって、自分が被ったことに対するいろんなやり方が違うなんていうことが起こってはいけないというふうに思うんですね。そのための条例だとも思うので、その辺りをやっぱり確認しておきたいなというふうに思います。
〇水谷政策法務監 書いた意図としましては、9ページにお戻りいただけますでしょうか。
この第3の条文のところでございますが、「不当な差別その他の人権問題を解消するための取組その他の人権尊重に関する施策」を、「以下、「人権施策」という」というふうにここで定義しておりますので、今御議論いただいている20ページのところにもこの定義は及んでおりますので、ここでいう人権施策が何かということになりますと、この9ページがあるということで、そのような意図でございますので、補足いたします。
〇北川委員長 文言の解釈的には入っていますよということですね。
小島委員の言われていることで言えば、逐条解説の中で、市町が取り組む施策が差別解消も含めた中での施策なんだけれども、今、市町によっては人権啓発をやっていますみたいなところに収まることでは、せっかく条例をつくるのでは、やはり県内とかでも差別解消に向けての意思がきちんと人権施策の中に反映されるような思いを少し逐条解説で。市町にやっていただくことなので、こうしろということにはならないと思いますけれども、少し書き足せるものがあれば考えてみたいというふうに思います。そういうことでよろしいでしょうか。
〇小島委員 ありがとうございました。
だから、前段の部分が足りないところがあるのではないかというふうに感じます。不当な差別その他の人権問題を解消するための取組、ここがやっぱり必要なので、その辺りを県が助言とか支援ができないのかな、あるいは共に考えるということができないのかなというふうに思いますので、よろしくお願いします。
〇北川委員長 ほかの皆さんからは、いかがでしょうか。
〇山内委員 1点、確認です。多分、今の質問につながる部分はあるのかなというふうに思いますけども。
例えばなんですけども、県行政の中で、また市町行政の中で差別事案が起こったとします。分かりやすく言うと、例えば県立学校で起こった場合と、市町の学校で起こった場合の事案に対して、この条例の効果は変わるんですか。私は変わらないという前提でずっと来たんですけども、ちょっと今の話を聞いていると、何か市町は市町なので踏み込めないみたいな感覚で聞こえてくるので。小学校の現場で起こった差別事案にこの条例はあまり突っ込めないんですか。
〇水谷政策法務監 条文ごとに少し分けて考える必要はあるかと思うんですが、例えば10ページ、第4の基本理念のところ、「何人も、不当な差別その他の人権侵害行為をしてはならない」というのは、もう文字どおり、「何人も」という主語でございますので、すべからくかかってこようかと思います。ただ、例えば、助言・あっせんとかその辺になってまいりますと、相談体制について対象をどうするかというのは今後の御議論ということになってまいりますので、おっしゃるように、市町立学校をどうするかといった辺りは、またそこでの御議論になろうかと思いますが。繰り返しになりますが、基本的にしてはならんというのは、「何人も」でかかってこようかと思いますので。
〇北川委員長 私も言葉足らずですけど、施策の実施主体が市町であったり、県であったりという違いはありますけれども、差別行為自体は全て対象にしていますので、当然ながら該当する話にはなると思います。
ほかの皆さんはいかがでしょうか。
逐条解説を充実させるということで、県と市町との協働について、この項目の内容についてはよろしいでしょうか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 それでは、21ページで第11の人権施策基本方針、ここのところについて、まず全般的に御意見があればいただきたいと思います。
〇小島委員 先ほども申し上げましたけれども、例えばマル2の(1)とかの人権尊重の基本理念、この前段に、例えば「不当な差別をはじめとする人権侵害の解消と」とか、何かその辺りの目的をもう少し膨らませて明確にしていただきたいなというふうに思います。
やっぱり今までのちょっとぼやっとした教育とか啓発でいいのかということがあると思うんです。やってきたにもかかわらず、差別が残っているという実態を私たちは聴き取ってきたので、そこからさらに何をするかということが求められていると思いますから、中身を見直すという意味も含めて、少し書きぶりを変えていただいたほうがいいのではないかなと思っています。
〇北川委員長 ほかに御意見はいかがでしょうか。
〇藤田委員 同じような意見なんですけども、先ほど説明いただいたように、人権施策というのが前に定義をされているというのであれば、ここで言う人権というのは、今まで県がつくってきた人権とは範囲が広いとは思いますけども、やっぱりある程度、この条例の名前のように、いわゆる差別を解消するための人権施策という意味での内容を前に表現を入れたほうが。今までの条例に基づく人権施策と混同されるんではないかなという懸念を感じます。そういう意味で、ちょっと違いますよというような表現を、この啓発にしても、教育にしても違ってきているんですよというようなのが分かるような表現が要るのかなというふうに私も思います。
〇北川委員長 ありがとうございます。
同趣旨の御意見かなとは思うんですけれども、ほかにこのことについて御意見いただく方はいらっしゃいますか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 特にございませんか。
人権施策、定義的にはこの基本理念の中で「不当な差別その他の人権問題を解消するための取組その他の人権尊重に関する施策」ということで、不当な差別解消も含めて定義はしてあるものの、この人権施策基本方針とこうざっと続いていくと、マル2の(3)、(4)には、不当な差別その他の人権問題ということが出てきますけれども、今までと変わらないイメージを持たれるのでは意識が変わらないのではないかという声の中で、差別解消の視点をもう少し盛り込んだ書きぶりに変えるべきだという御意見、そういう意見でよろしいでしょうか。そのことについては、皆さん、どうですか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 そういう形にさせていただいてもよろしいですか。
それでは、正副委員長のほうで文言のほうは努力をさせていただきたいと思います。
ここの課題は、情報の収集・蓄積・分析についてもここで定めたらどうかという意見もありましたけれども、今回は特出しせずに、実態調査と並べて、後ろの段で書き込みをさせていただいていますということですが、そういうことで御了解いただいてもよろしいですか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 よろしいですか。
それでは、そのようにさせていただきます。
次は23ページの相談体制のところに入るわけですが、残り時間も少なくなってまいりましたので、この資料1の素案に基づいての御議論は、先ほどの人権施策基本方針までとさせていただいて、相談体制以降は、次回の委員間討議でさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
以上で条例案素案についての本日の委員間討議を終了いたします。
2 請願の審査
(1)請願第25号「あらゆる差別解消の推進に関する条例の制定を求めることについて」
(2)請願第29号「あらゆる差別解消の推進に関する条例の制定を求めることについて」
ア 委員間討議
〇北川委員長 お手元に配付の資料6-1及び資料6-2に記載のとおり、それぞれの請願の要旨は同一であり、あらゆる差別解消の推進に関する条例の制定を求めるものであります。
本請願に対し、委員の皆様から御意見があれば、お願いします。
〇中村委員 私の感覚では、かなり長く待ってもらってきたっていうイメージと、それから、ずっと議論してきた中身自体が、この要旨の一番から五番まで、大体、議論してきている事とほとんど一致をしておるかなというふうに思わせていただいておりますので、このままでいいんじゃないか、特に、議論と食い違っているところっていうのは、ほとんど見られないかなというふうに、そんな感じを持っておりますので。
〇北川委員長 他に、請願に対してご意見がございますか。
以前にも、いろいろ何度か、意見を出していただいているところではありますが、改めてご意見のある方がいらしたらお願いいたします。
特段、御異議がなければ、以前から一定の議論の方向性が終わるまではということで、請願の審査を継続という形で送ってきたわけですけれども、論点整理も済ませていただいて、今日御覧いただいたような形での素案も正副委員長で提出させていただいたという段階で、正副委員長としては、請願の採択について、ぜひ一度、この段階で諮らせていただいたらどうかというふうに考えておるんですけれども、委員の皆さんから、何かそのことについて御意見はございますか。
〔発言の声なし〕
〇北川委員長 よろしいですか。
それでは、賛否についての採択を諮らせていただくということでお願いいたします。
イ 採決 請願第25号 挙手(全員) 採択
請願第29号 挙手(全員) 採択
3 その他
〇北川委員長 次に次回の委員会ですが、本日に引き続き委員間討議を行いたいと存じますが、日程等詳細についてはこの後の委員協議で御協議いただきたいと存じますので御了承願います。御協議いただく事項は以上でございますが、特に何か御意見はございますか。
〔発言の声なし〕
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
差別解消を目指す条例検討調査特別委員長
北川 裕之