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令和3年9月2日  差別解消を目指す条例検討調査特別委員会 会議録

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差別解消を目指す条例検討調査特別委員会
会議録
(開会中)

開催年月日   令和3年9月2日(木曜日) 午後1時1分~午後3時41分
会  議  室   601特別委員会室
出 席    11名
              委  員  長    北川 裕之
              副委員長       山崎   博
              委        員   石垣 智矢
              委        員   小島 智子
              委        員   山内 道明
                       委        員   山本 里香
                       委        員   稲森 稔尚
                       委        員   藤田 宜三
                       委        員   石田 成生
                       委        員   東     豊
                       委        員   中村 進一
欠 席    なし
出席説明員   出席を求めず
事務局職   企画法務課政策法務監兼班長  水谷 憲司
委員会書記
               議事課       主幹  櫻井  彰
               企画法務課  主任  長谷川 智史
傍 聴 議 員    1名
                             杉本 熊野
県 政 記 者    2名
傍   聴   者      4名
調査事項
1 協議事項
(1)条例案素案の検討について
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
 
1 協議事項
 (1)条例案素案の検討について
〇北川委員長 本日は、前回に引き続き、条例案素案について委員会討議を行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 委員間討議に先立ち、以前、和歌山県で制定されている部落差別解消等に関する条例について、できれば現地での調査を行ってはどうかとの委員意見があり、正副委員長に対応を一任いただいておりましたが、最近の深刻な新型コロナウイルス感染症の状況等を踏まえ、県外調査を行うことは困難と判断し、その代わりとして和歌山県からの聴き取りを行いましたので、事務局より報告願います。

〇水谷政策法務監 それでは、和歌山県部落差別の解消の推進に関する条例と和歌山県新型コロナウイルス感染症に係る誹謗中傷等対策に関する条例につきまして、和歌山県からの聴き取りを行いました概要をお手元に配付の資料のとおりまとめましたので、御報告させていただきます。
 資料の1ページから3ページにかけまして、両条例の制定や改正の必要性と背景、条例の特徴、県の取組、条例施行前後の相談件数等の状況をまとめております。条例の内容につきましては、以前の特別委員会での説明と重複する部分も多うございますので、後ほど御覧いただければと思います。
 質疑応答のうち、この特別委員会での論点に関係するものを幾つかかいつまんで簡単に御説明させていただきたいと思います。
 資料の4ページ、一番上の質疑を御覧ください。
 条例の属地主義のもと、県外からのインターネットを通じた差別や誹謗中傷が条例の対象になるかどうかにつきましては、掲示板やSNSについては書き込みを行った場所が特定できて、それが県内か否かにより適用するかどうかを判断しているとのことでした。
 続きまして、プロバイダーの責務についても幾つか尋ねました。
 1つ飛ばしました次の質疑で、4ページの3つ目の質疑でございます。
 県外のプロバイダーが、プロバイダーの責務の対象となるかどうかにつきまして尋ねましたところ、県外のプロバイダーであったとしても、和歌山県でインターネットのサービスを提供している場合には、条例の対象となると考えているとのことでした。
 プロバイダーの責務を設けるに当たって、プロバイダー関係者との調整を行ったかにつきまして尋ねましたところ、特に調整は行っていないとのことでした。
 プロバイダーの責務の実効性をどのように確保することを想定しているかについて尋ねましたところ、罰則等については規定していませんが、プロバイダーの自主的な取組として削除することなどについて、プロバイダーが加盟する団体などに通知文を送付し、協力を求めているとのことでした。
 プロバイダーの責務規定を設けたことで、プロバイダーは積極的に協力するような雰囲気になっているかについて尋ねましたところ、実際のところはプロバイダーから特に反応はなく、今後の課題であると考えているとのことでした。
 説示、勧告等についても幾つか尋ねましたので、後ろの5ページの1つ目の質疑を御覧ください。
 条例施行後、実際に県による説示、勧告等を行った実績を尋ねましたところ、部落差別解消推進条例の関係では、令和2年度は説示まで至った事例が3件あり、令和3年度は8月30日時点で3件とのことでした。新型コロナ誹謗中傷等対策条例の関係では、説示、勧告等を行った事例はないそうです。
 次に、インターネットを通じた差別や誹謗中傷などで、差別を行ったものが県外にある事案が説示、勧告等の対象になるかどうか尋ねましたところ、インターネットを通じた差別や誹謗中傷については、当該行為が県内で行われたか否かで条例の適用を判断している、書き込んだ場所が特定できなければ、条例の適用は困難だと考えているとのことでした。
 また、県外からの書き込みで場所を特定できたもの等については、条例には基づかないけれども、その地元自治体と連携して取り組むことになると考えられるとのことでした。
 個人による差別や誹謗中傷を説示、勧告等の対象とすることに関し、制定過程における議論等について尋ねましたところ、条例制定以前から本人が特定できれば個別啓発を実施していたという経緯があったこともあり、個人を対象とすることについて特段議論はしていないとのことでした。
 次に、条例が適用された差別事件のうち、個人間のものと対行政のものの割合について尋ねましたところ、市町村が対応したものも含めて、対行政のもの、例えば行政に電話をかけてきて差別発言を行ったとか、同和地区について問合せをしてきたといったものがほとんどを占めていて、個人間のものはあまりない、数年前に結婚差別に関する事案があったとのことでした。
 6ページの一番下の質疑を御覧ください。
 説示、勧告等の手続について尋ねましたところ、人権政策課長の専決によって判断を行い、実際の説示や勧告等については県の職員が行っているとのことでした。
 続きまして、7ページ、一番上の質疑にお移りください。
 人権政策課長が専決によって差別や誹謗中傷を判断するに当たっての基準について尋ねましたところ、これまでの前例とか、法務局の人権侵犯事件に関する処理要領などを参考にしているとのことでした。
 下から3つ目の質疑を御覧ください。
 実際に説示を受けた方の反応について尋ねましたところ、大体が申し訳ございませんでしたという感じで、反発する方はほとんどいなかったとのことでした。
 最後に、一番下の質疑を御覧ください。
 インターネットによる差別や誹謗中傷で、相手方の特定が難しい場合の説示、勧告等について尋ねましたところ、本人に対しての説示等までは至っていないが、直接プロバイダーに対して削除要請を行ったり、法務局からも削除要請することを依頼するなどして対応しているとのことでした。
 以上、かいつまんで質疑応答のうちの特別委員会での論点に関するものを御紹介させていただきました。

〇北川委員長 説明ありがとうございます。
 見ていただいたとおり、本当に短時間で整理いただいてありがとうございます。全てを説明させていただいたわけではありませんので、またお読みいただければというふうに思います。
 何かこの点について、確認させていただくようなことはございますか。よろしいですか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 よろしいですか。
 では、引き続いて、条例案素案の委員間討議に入ります。
 資料1の23ページを開いていただきまして、不当な差別その他の人権問題を解消するための体制の整備の(1)相談体制、この項目から委員間討議を進めてまいりたいと思います。
 なお、前回の特別委員会でいただいた意見については、本日いただいた意見も含めて正副委員長において条例案素案に反映して、次回以降の特別委員会でお示しさせていただいて、改めて御議論いただくというふうに考えておりますので、前回の議論について今ここで回答させていただくという形にはなっておりませんので、御了承願いたいと思います。
 それでは、この相談体制につきまして、24ページには米印で2つ整理事項がございますけれども、このことも含めて全体的にまず委員の皆さんから御意見をいただきたいというふうに思います。いかがでしょうか。質問でも構いませんし。

〇小島委員 相談体制のマル1のところなんですが、「県は、人権侵害行為を受けた者」云々というふうにありますけれども、例えば基本理念のところで「不当な差別その他の人権侵害行為」云々というような書き方をずっとしてきたと思いますから、今回はやっぱり「不当な差別」という言葉というのを大切にしたいなというふうに思います。ですので、例えば「県は、不当な差別をはじめとする人権侵害行為を受けた者」のように、この言葉というのは明らかに入れていただくほうがいいのではないかというのが意見です。それが1点目です。
 それから2点目は、ここの委員の中でみんなで考えればいいと思うんですけれども、マル2の(1)のところに「助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応」とあります。それぞれ、例えばここの助言とは誰に対するどういう内容なのかということとか、その他の必要な対応とはどういうことかという、具体のイメージを持って条文を読み取る必要があるというふうに思いますので、お互いに確認したいなというふうに思います。
 この助言というのは、相談に来た方に対して、いろんなところにその件を申し出たらどうですかとかいうことが助言なのかなというふうに思いますし、その他の必要な対応は先ほど御説明いただきましたけれども、有志でいろんな聴き取りをさせていただく中で、言葉としてどうか分かりませんが、ニュアンスとしては和歌山県のものには「説示」という言葉が出てきます。相手に対してこういうことが間違っているんですよとか、こんなふうに考えたらいかがですかというようなことかなというふうに私自身は受け止めているんですけれども、例えばそういうことも含むのかどうかという辺りを考える必要があるかなというふうに思います。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 1点目は、第12の相談体制のマル1の項目ですね。「県は、人権侵害行為を受けた者」、これは差別も含めて人権侵害行為全般をこの相談体制では含みますよと。これは条例の在り方自体が、県の人権条例の全部改正ということで皆さん方に合意をいただいた流れも含めて、この相談体制というのはもう全般を受けていきますよということで、「人権侵害行為を受けた者」と書いてあるわけですけれども、おっしゃったように、基本理念等が「不当な差別その他の人権侵害行為」という形で表現されています。その後の文章にも出てくる、重なりはありますけれども、同じ表現で通すべきではないかという御意見、それからマル2の(1)の「助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応」、この部分についての考え方は整理が必要ですよねというお話をいただきました。
 特に、「その他の必要な対応」というのは、趣旨等の5番目に書いたように、正副委員長としては様々な事案の状況に応じた適切な対応ができるように、柔軟な対応ができるようにということで、「その他の必要な対応」というふうに入れているわけですけれども、その辺の具体的な内容も含めて、皆さん方で御議論いただければというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

〇山本委員 条文の文章などはもっともなことで、先ほどの不当な差別その他の人権侵害行為を受けた者が相談に来ると。人権侵害を受けたと本人が思っている。その本人が人権侵害だと思えば人権侵害だという考え方でいっているわけですけど、この条例がない現在でもたくさんのそういった相談事が県民の声とか様々な部署に、対行政であるものとか、行政のやっている施策に関するものとか、あると思うんですね。
 そんな中で、とても現場がその訴えに苦慮してみえる現実がたくさんあるというふうに思うんですけれども、そういう現実を回避するためにこの制度で救っていくというか、きちんとしていくためにこれをつくっていくんだと思うんですけど、現場の相談を受けていて、現実に対応している現在の庁舎の担当の皆さんがどんな状況なのかというのは、ちょっと聞く必要がある。いろいろな、本当にもうたくさんの相談事が議員個人にも、それから行政にも来ていると思うんです。
 特に人権侵害行為を受けた者、不当な差別と感じるということの中で様々な相談があり、相談の場所で話をしてもらって解決していく問題もあり、なかなかそれが解決できない、それがずっと長引く、それがずっとわだかまる、それがずっと、そういう実態があるというふうに思っているんですけど、その現実を知らないと、これでこれからこの文章の中で対応していくときの仕組みってなかなか難しいんじゃないかなと。現実的にどう対応するかということになると思うんですけどね。
 仕組みをつくって、相談はみんな受け付けます、そして、助言をします、調査をします、関係者間の調整をします。これは大事なことで当たり前のことなんですけど、現在でも、解決をしようと思ってやってもらっているのが、なかなかできない問題がどこにあるのかということを知らないと、制度としてつくっていくというか、仕組みとしてつくっていくときに難しいことも出てくるんじゃ。
 だから、これで条例をつくってやっていくときには、お題目として書いてあるだけではいけないことになっていくはずなので、日頃の相談を受けている皆さんの困難さというのを聞いている中で、少しそれを心配というか、危惧するというか。だから、その困難さを解決するために仕組みをつくるということなので、そこら辺のところを認識する必要もあるかなとは思いますが。この内容については、問題であるということではありません。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 委員長として2つ確認をさせていただくと、1つは執行部の相談体制も含めてこの条例ができていくことによって、どういう課題なりが発生していくかというところについては、以前に全体計画を御議論いただいたときにお示ししたように、中間案の手前で執行部の聴き取りをさせていただく時間を取っておりますので、そこで執行部としての考え方、今こういうやり方をしているとか、こんなところまでできているけどもこういうところはできていないとか、あるいはこうするためにはこんなことが必要ですとか、具体的な議論がいただけるというふうに想定させていただいているのと、もう一つは前回にも出ました御意見で、個々の条文の内容を詰めていく中で、やはりもう少し人権センター等を含めた県が持っている事例の共有って必要よねという御意見も前回いただいていますので、そのことについては、今日の委員会の後半で御議論といいますか、御提案をさせていただく予定になっていますので、その点はちょっと御理解いただきたいというふうに存じます。

〇山本委員 そのように進めていただければいいと思います。
 それで、これまで課題別でいろいろお伺いした深刻な状況が個別にあって、そして、何とかセンターとかに相談がいかない、いっているかもしれないけど、行政の窓口で大変苦慮している、人権侵害行為を受けたっていうのがあるわけですよね。そこのところの話、その問題が渦巻いているみたいなのは、今まで聴き取りという形をしていないような気がする問題が背景にあるような気がいたしますので、私たちは、またそのときに聴き取りを十分して、対応できるいい制度をつくっていかなくてはいけないなというふうに思います。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。

〇小島委員 第12のマル4のところで意見を述べたいと思います。
 県は様々な業務を円滑かつ効果的に行うために必要な人員を確保、そしてその方たちの研修が必要だというふうに書いてもらってあります。この前、有志で和歌山県の条例について聴き取りをさせていただいたときに、和歌山県は人権政策課の方が中心になって様々な行動をしてみえました。そして、公益財団法人として和歌山県人権啓発センターというのがありますという話で、そこも相談の窓口の一つでしたよというふうにありました。
 ここが三重県とは一つの大きな違いで、三重県の人権センターというのは県そのものであるというか、直営であるというふうに思いますから、ここに人権センターという文言を入れるかどうかは別として、この必要な人員の確保とその研修というのは、人権センターにおいて反映されるべきだというふうに思っています。決して外郭団体ではないわけですので、それはやっぱり確保していくということが必要だろうと思いますから、逐条解説等になるのかもしれませんけれども、人権センターにおける人員確保と職員の資質向上を図るということは、ぜひ考えたいなというふうに思います。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 この相談体制自体は、御承知のとおり現人権条例にはない項目ですので、全く新しく書き込みをされるという部分にはなります。マル4のところについては、人権センターの役割というのは非常に大きなウエートを占める部分でもありますので、そこの必要な人員の確保だとか必要な研修、こういうところも含みますよねということが、これはまた執行部とのやり取りの中で詰めなきゃいけないことではありますけれども、基本的な考え方としては、含んでいくという考え方をうちの委員会としては持っていってよろしいですか。

〇中村委員 山本委員、それから小島委員の話を聞かせてもらって、まさに今回こうやって条例の議論をしている、そういった中で、マル1で相談に応じなければならないというふうに挙げたとしても、一般の県民の皆さん方は本当に困り事ができた、相談できるようになったんだというだけで、じゃ、一体どこへ行ったらいいのか、やっぱり今の状態のままやと全く今までと一緒の状態ということもあるので、差別事象等にこれが当たるのか当たらないかも含めて、そういう課題にぶつかったときは、女性相談所とか、みえ外国人サポートセンターとかいろいろありますけれども、まずは人権センターなら人権センターで、そこは差別の課題もしっかりと受け答えてくれる、しかも今回、体制も整って中心的にやってくれるところができたんだというようなアピールができれば迷わずそちらへ行くだろうし、それから、いろんなところへ行ったとしても、もし単に人権センターでいろんな差別事象を受けたときに、関係機関への通告とか通報その他の通知とかありますけれども、通告、通報その他の通知というよりか人権センターがその課題を共有してもらって、一緒にその機関と解決、ある程度まで並走していただくようなことも含めてやっていく必要があるんやないかな。そのためには、やっぱり人材を、しっかりとした体制に持っていけるように。今度聴き取りもあると、お話がありましたけれども、そういったことをきちっとやっていける、堂々と、この条例ができてもし何かあったらまずここからという、そんな形も大事かなという思いをしました。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 ほかに御意見はございますか。

〇山本委員 今、お二方から出ていました人権センターの使い方というか形というか、この条例をつくった後の人権センターって今までと抜本的に変わっていくような形が、人権センターをここへ置くとすれば必要だと思います。部門別はそれぞれあるけれども、特にここが中心となるということで、これまでとは抜本的に変わるというふうな形のイメージでいかないといけないなということは思います。陣容の補強も含めてです。意見です。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 マル4は当然ですけれども、人権センターを含んでいくという考え方は確認させていただきましたけれども、逆さまに見ると、これは当然ですけれども、県全体の組織を網羅する表現になると思うんですね。そういう意味では、今の県全体の組織としてこの人権課題に対してどう対応していくかって、各部局も含めてその在り方というのも、やはり人権センターあるいは環境生活部の人権課との連携といいますか、協働体制といいますか、そういうところもしっかり見ていかなきゃならない点かなというふうに正副委員長では思っておりまして、それが逐条解説でよいということであれば、そういう部分についての書き込みというのをしっかりと書いていくべきではないかなというふうに思っているんですけれども、組織全体の中での人権課題に対しての取組姿勢について、何か御意見等はございますか。

〇小島委員 まさしくそのように思います。今、人権センターをはじめとするところが差別をした相手方に当たる仕組みがないわけですよね。それをつくろうというふうにしている。それが調査とか関係者間の調整という言葉で挙げられているので、行為者に当たるのは誰かということを考えたときに、県の職員になるわけですよ。どこにいるかは別として。ですので、その人たちの力量を高めることというのが、調査や関係者間と調整していくには欠かせないことですので、全体としてその底上げや確保というのは、部署に限らずというか場所に限らず必要だというふうに思います。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 ほかに、相談体制について御意見は。

〇藤田委員 ちょっと違う視点の意見を言わせてもらおうと思うんですけども。今、県の体制の話が出ていまして、人権センターは重要やね、同時に県の職員のレベルも上げていかんといかんですよねって、こういうお話だったと思うんですが、相談というのは県だけじゃないと思うんですね。市町の窓口へも入ってきた人権に関わった、差別に関わった事例をどう、ここに通告、それから通報って書いてありますけども、これは恐らく人権センターからの通報という考え方やと思うんですが、市町との連携って(1)で書いてありますけども、この辺のところが、県のほうから連携して助言やとか調査をしていく上で市町に依頼をしたり、報告をしたりというのは分かるんですが、やっぱり市町のところへ出てきたその課題について、県と共有しながらそこの問題を解決していく、そういう相談体制みたいなものもちょっと考えとく必要はあるんかなと、今お話を聴いとって、そんなふうに思ったんです。
 特にこの相談体制というのが差別であったり、人権問題に関しての情報が入ってくる、いわゆる行政の窓口になり得るというふうに思うんですね。それを市町と県とが共有しながら、その問題を解決する、解消していくというような仕組みを、ここに書くのかどこに書くのかちょっと僕は分かりませんけども、相談という、現場の情報が入ってくるその情報を共有しながら、市町と県とが解決に向かってやっていくような仕組みをやっぱりここに書き込んでおく必要があるんじゃないかなというふうに思います。これは問題提起やと思ってお聞きいただいたらいいかなというふうに思うんですけども、そういう必要性を感じました。
 特に、先ほどお話があったように、前に人権センターの所長がここへ来られて、相手の方に対しては調査する権限がございませんというお話を聞いたように思いますので、その辺が大きく変わるんだろうなというのは、もうそのとおりだというふうに思いますけども、やっぱり市町と県とがどうやって共有しながら、PDCAを回しながら解消に向けてやっていくかという、ここら辺の視点も要るのかなと。何遍も言いますけども、相談のところで位置づける必要があるのかなというふうに思います。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 市町が受け付けた相談事例をどういう流れで処理していくのかは、当然、市町の中で対応ができるということであったならば、それはそれで問題ないんだろうと思うんですけれども、しかしながらなかなか解決しない、より専門的なアドバイスが必要と。こういうところについては、第10条との絡みがあります。第10条第2項には市町と相談の事例等の情報の共有を図るということで、「市町が受けた人権問題に関する相談の事例等の情報への県の提供も含まれる」とあるんですけども、提供だけに終わっているので、おっしゃっている解決までの道筋を県も協力してやるという部分について、この相談体制の中に必要なのかどうかというのはちょっと議論があるところかなというふうに思いますが、委員の皆さん、いかがですか。
 一時的に、この相談体制は、当然ながら県が窓口として受けたというものが対象になっていくという前提ですけれども。

〇藤田委員 ここにこだわるわけではないんですけども、今、委員長がおっしゃったように、第10条のところという考え方もあろうかなというふうに思います。要はそういう仕組みをやっぱりこの条例の中に入れていく必要があるのかなという、問題提起ということでお願いします。

〇北川委員長 このことに関して、ほかに御意見は。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 ないようでしたら、ここの部分については、実際やり取りを環境生活部のほうでやっていらっしゃると思うので、聴き取りの中でもう少し整理して、どこに書き込みが必要になるのかというのを検討させていただきたいと思うんですが、よろしいでしょうか。

          〔「はい」の声あり〕

〇北川委員長 24ページでは、一番上に、相談があったときの県の業務は、マル2で挙げたもの、すなわち助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応ということでよいかということですけども、これについての確認ですが、今の段階ではこういう表現でよろしいですか。

〇東委員 ちょっと前の話になるかと思いますが、この相談体制というのは今回の条例の大きな肝だと思うんですよね。なぜこの条例をつくるのかというのは、相談は、受けた側の相談を受けるんじゃなくて、加害者まで、差別を行った側にどうアプローチするかというのが一番肝だと前に申し上げたんですが、その中で相談を、この1行目の「助言」というのは、つまり被差別の人の相談を受けたときに、こういうアドバイスですよ、こういうところに行けばいいですよって助言だと思うんですが、この「調査」というのが新たな言葉ですよね。つまり因果関係を調査しますって新たな手法だと思うので、ここはたんたんたんと横並びにするんじゃなくて、ここを何か少しデフォルメするような言葉に変えたほうがいいんじゃないかなと。
 つまり、助言でちょっと区切ってさらに何とかって、そんな感じの表現に。日本語の使い方だと思うんですけども、今回これがすごく目玉だというか、キーポイントなんだということを。調査をされると、いわゆる差別した側、当然そこまで手を差し伸べるわけですから、行政側の担当者が聴き取りをせないかんわけですよね。そうすると、どんな聴き取り方をするのか、何かこれは法務監に聴きたいなと思うんですが、侮辱罪というところも今度法律が濃厚になってくるんだと思うんですが、最終的にはそこまでを見込んだ形で調査に入るのかとか、つまり、ひょっとしたらいわゆる裁判の入り口になる可能性があるのかなという気がするので、調査ということは、何か相談を受ける、調査します、関係者間の調整を図りますって柔らかいトーンで横並びよりも、もう少し表現を重たくしたほうが県民に対してより分かりやすいんじゃないかなと。
 私も何件か、山本委員もおっしゃったように、いろんな人権相談をちまたで受けますよね。そのときに、私どもは人権センターへ相談に行けばとか、ここにある県の地域機関の児童相談所へ行けばとか、いわゆる交通整理をするじゃないですか。その後というのはほとんど分からないですよね。行きをつなぎましたよ、だけのことで。それは今度、受けた側、人権センターが新たな任務を与えられたときに、調査するということになると、報告する義務になってくるわけですよね。かなり重たいんだと思うんです、この相談業務そのものが。
 だから私の思いというか、皆さんも一緒だと思うんですが、今回のこの助言とか、関係者間の調整とかということよりも、調査をするというのがすごく重たい感じがするので、そこのところで言えば、言葉として別条にするとか、何かちょっと知恵を出したほうがいいんじゃないかなという印象ですね。
 法務監に2点目として聴きたいのは、つい最近新聞で見たんですが、名誉毀損罪というのと、それから侮辱罪というのがあって、罰則において、侮辱罪は非常に刑が軽いわけですね。それを重くしようという動きが法制局にあって、それはインターネットの侮辱罪をより抑止しようという効果があると思うんですが、そういう情報とかをちょっと教えていただければいいなと思うんです。この条例との兼ね合いも含めて。

〇北川委員長 今すぐというとどうでしょう。後ほどのほうがいいですか。

〇水谷政策法務監 今すぐだと新聞で読んだ程度の、委員と同じ程度の情報しかないもんですから。
 ただ、多分、条例の場合だと犯罪捜査のためにやるわけじゃないので、結果的につながってくる、あるいは調査の結果そちらが判明してくることはあろうかと思うんですが、犯罪捜査のためではないということは、すみ分けは必要かなというふうに考えます。

〇東委員 おっしゃるとおりで、今、状況というのは確認できていないと思うんですが、つまり訴訟のための下準備の条例ではないというのは確かですが、ただ、調査をすることによってそれがもう材料になっていくということは確かなように思うんですね。だから、「調査をする」にやっぱりすごく重たいというイメージを持っていますので、それによって抑止効果を図るということは大事だと思います。
 それから、昨日、自主的に勉強会をした「説示」という言葉はやっぱり必要だと思います。入れるべきだと思います。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 東委員からいただいた御意見も非常に重要なポイントで、今回の相談体制の中で、加害者側にもアクセスするというのは大きな課題であったので、きちんと条例に書き込んで行政的な担保というか、権限というか、それを持ってやっていきますよということで書かせていただいた。
 ただ、一方で正副委員長としてのイメージとしては、「助言」というのは差別を受けた側の方へこんなふうにしてはどうですかというアドバイスになっていくでしょうし、あるいはこういうところに相談に行ったらどうですかとか、そういう「助言」だと思いますし、「調査」については、正副委員長のイメージではやはり、一方的な話だけではいけませんから、相手が明確であるのであれば、あくまでも同意の下ですけれども、お話を聞かせてもらって事実関係を明らかにしていく。「関係者間の調整」という意味は、ある意味、お話が出ている和歌山県の説示のようなことも、ひょっとしたらそこに含むのか、「その他の必要な対応」に含むのかあれですけれども、この相談体制のレベルの中でのあっせん的なイメージで、正副委員長ではイメージしておったんですけども。
 東委員のほうから、この調査というところについて少し重きを置いて、条例としての抑止効果も含めてもう少し力のある表現にしたほうがいいんではないかという御意見かなというふうに思います。委員長の個人的な意見として、一方でここの相談体制の中のもう一つ、基本理念で大事にしてきたのは、対話の重視ということをしてきた部分もありますので、あまり上からというよりは、同じ土俵、テーブルで対話を重視してというイメージというのもちょっとあるので、東委員のおっしゃったところをどう体現するかというのを今ちょっと頭の中で悩んでしまったところですけど、皆さん、何か御意見はございますか。

〇東委員 委員長のお考えはよく分かります。分かるんですが、最初の頃でしたかね、罰則規定を設けるか設けないかという議論があったときに、私は、実効性を担保するって。条例ができました、はい、皆さん、県民の方、見てください、ああ、またできましたねみたいな感じじゃなくて、やっぱり本当に困った人がお見えになったときに、ちゃんとこの条例があって、実効性が、救ってもらったという、何か、思い、手が届くような条例にするためには、やっぱり抑止するために、どんな罰則かは別として、罰則規定を入れたほうがいいんじゃないかなと、私も個人的にはしたんですが、今回は罰則がないということになるんですが。
 調査をするということは、調査の結果、固有名詞は伏せ、事例として啓発に使っていくということが筋としてすごくあると思うんです。が、ある程度、条例ができて、罰則までは行かないけども、調査を受けるということは、やっぱりそれだけで緊張感が持てると思うんですね。だから、罰則までは行かないけれども、その手前で聴き取られる、それから、場合によっては説示を受ける、こういうことだから、こういう状況だから、以後やめてくださいとかというふうにつなげていけるんだと思うんですね。それを平和的な話合いでという次元もあると思いますし、ある程度、人権というのは最低保障を守られなければいけないということだと思うので、どちらを取るかという話だと思うんですね。
 だから、県民にとってどう受けるかという側だと思うんです。お互い加害も被害もあるわけで、どちらのほうがより実効性が担保されるのかという判断だということは、私の意見では少し強調されたほうがいいんじゃないかなという気がします。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 ほかの委員の皆さん、いかがですか。
 もう一つ、実効性の担保というのも、条例のこの部分での大きな要素ではありますので、おっしゃったような内容を表現的にどう体現していくかというのはちょっと工夫が要るかと思うんですけども、正副委員長で文言を考えてみたいというふうに思います。

〇石垣委員 私もその相談体制のマル2の(1)の「市町、関係機関等と連携して、助言、調査、関係者間の調整」のところなんですが、今までのいろいろな議論の中で、おそらく最初のときには相談された方々に対する「支援」という言葉を結構、皆さんが使われていたような記憶があるんですけれども、その中で今回、支援という言葉は使わずして、「助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応を行うこと」という文言になっているんですが、私も支援という言葉にどういったものが含まれているのかというところがちょっと分からないんですけれども、この流れでいきますと、「助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応」、これの全てが相談者に対する支援という言葉のひとくくりにあって、かみ砕いていただいたのがこういう文言になっているのか。
 支援という言葉をほかの都道府県の条例では使われているところもあって、もし支援という言葉も入れたほうがより相談者の方々に寄り添った形の相談体制という文言になるのであれば、支援という言葉も使っていただくほうが分かりやすいのかなというふうにも思ったんですが、その辺りの、全て相談者の方々を網羅できる文言になっているのか。支援という言葉を使ったほうがさらに相談された方々、お困りの方々に寄り添った形になる文言であれば、この支援という言葉も使っていただいたほうが、より一層寄り添った形の文言になるんかなというふうに思ったので、その辺りも御議論いただきたいなというふうに思うんですが。

〇北川委員長 支援という言葉を使って表現していってはどうかということで、石垣委員からも御意見がございましたけども、皆さん、いかがですか。

〇稲森委員 後段の第20条のほうにある人権侵害行為の被害に係る支援とか、あるいはさっき勧告とか説示というお話もありましたけれども、その後段に出てくる助言・あっせん、勧告という文言との話の整理の中ではどう考えたらいいんですか。

〇北川委員長 正副委員長の思いで言わせていただくと、支援というのはやっぱり全体的な差別を受けた方への支援で、その中身はそれこそ窓口で相談することから、場合によっては助言・あっせん、勧告の申立てをすることから、そして救済的な部分も含めて。以前、寄り添い型の支援、伴走型の支援という話もありましたけれども、支援って正副委員長のイメージでは入り口から最後までのトータルのイメージで持っていまして、それを具体的に、さあ、全体の支援の個々の具体的なものは何かというと、相談、それは助言、調査、関係者間の調整であったり申立てであったり、場合によっては救済であったりというところが支援の中身の書き込みになるかという整理を、正副委員長のほうでは頭の中でイメージしてきたんですけれども。
 委員の皆さん、石垣委員も含めて、そういうイメージで考えていただけるということであれば、そういう整理をさせていただこうと思うんですが。
 石垣委員、よろしいですか。支援という言葉も重要な言葉ではあるので。

〇石垣委員 そういった意味では、支援という言葉を使わなくしても、しっかりと相談者の方々に手を差し伸べることができる文言になっているという委員長の御説明であれば、私もそれでよろしいかなというふうに思います。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 じゃ、先ほどの東委員の御意見、また石垣委員の御意見も含めて、少し文言的に正副委員長で検討させていただきたいというふうに思います。
 さらに2つ目の項目ですが、相談員の設置については、障がいの有無にかかわらず誰もが共に暮らしやすい三重県づくり条例については相談員の設置の項目があったわけですけれども、今回は先ほど申し上げたように人権センターに限るものでもありませんし、全体的な県の組織としてやっていただかなきゃならないという意味合いからも、特にこの規定には置かないという判断をしているんですが、よろしいでしょうか。
 ただ、委員長として言い過ぎたらごめんなさいですけども、執行部とのやり取りの中でこの条例ができていけば、おのずと人員の拡大も配置もやっていかないとやっていただけないんだろうという想定にはなりますけれども。
 
         〔発言の声なし〕

〇北川委員長 よろしいでしょうか。

〇小島委員 稲森委員が先ほど助言のとこら辺で、その文言整理はどうなんですかとおっしゃいませんでしたっけ。ここに書いてある助言と、例えば第14のところの助言との文言整理の話ですか。

〇稲森委員 とか、第20条のところの被害の救済のための支援とかも含めて聞いたつもりなんですけども。

〇小島委員 私はその助言という、同じ文言だけれども、表すことのニュアンスがどう違うんかという御質問やったかなというふうに思ったので、そのことについてまだ触れられていないかなと思いますんで。

〇北川委員長 相談体制の中での助言と、申立てによるその後の助言の違いということですか。

〇稲森委員 それが分かればありがたいですけど。

〇北川委員長 行為的にはそんなに変わらないですけど、その間に何があるかというと、申立てがあって、三重県差別解消調整委員会、これはたしか必要に応じてということになっていたと思うんですけども、調整委員会があるということは、単に人権センターの職員が、いや、これはやっぱり差別行為に当たりますよね、改善していただく必要があるんじゃないですかって申し上げるのと、それでも相手が、いや、それは差別事象じゃないだろうと言われたときに申立てが行われるわけですけれども、そのときには調整委員会がその聞き取った内容で判断して、いや、やはりこれは過去の事例とか判例とかを見る中で差別に該当しますよねという、ある種のお墨つきをもって助言・あっせん、勧告の流れに行くという、そこの違いだというふうに正副委員長では認識しています。
 障がい者差別解消条例も同じような流れにはなっているので。助言って、助言ですからやることはそんなに変わらないかも分かりませんけれども、そこの段階を踏むか踏まないかの違いかなというふうに思っています。よろしいでしょうか。

〇稲森委員 分かりました。

〇山本委員 相談体制のことで陣容とか研修とかを強化するということなんですけど、相談を受ける人、相談の専門家は数が多ければいいというもんじゃなくて、すごくストレスを感じる職業ですから。よく市町の女性相談員とかでも非正規で雇われていたりとか、本来、寄り添い型というか、ずっとついて回っていろんなことをしなければいけない、そういうところの費用が出るのか出ないのとか、いろいろ相談を今やってもらっている方々もすごく状況が、ストレスが多くて大変なので、なかなか受けてもらえないとか、たくさん欲しくても、なかなか広がっていかない現実、そういう現実があるので、そういうことも含んだ上での体制強化で、医師とか看護師でもそうですけど、命とかストレスに関わることの、相談者が心を病んでいる方も本当にすごく多いので、相談員というのは思った以上に大変だと皆さんも認識していらっしゃると思うけど、そこのところの何か、強化の中に私たちの中の共通認識を持って、行政のほうでももちろん分かってもらっていると思うんですけれども、ただ数があればいいとか、時間帯のことであるとか、そんなんじゃないということの共通理解をしたいと思います。

〇北川委員長 その点については、多分、皆さん方が同じ思いでいてくれるというふうに正副委員長としては思っていまして、最後に財政上の措置も挙げるわけですけれども、当然それも含んだ中で、これは執行部のやり取りの中でも、しっかりと委員会として万全の態勢で臨んでいただくべく申入れはしていかなきゃならない話だというふうに思っていますので、また皆さん方からも声を上げていただければと思います。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 よろしいですか。
 1時間経過しましたので、ここで感染症対策のための換気休憩を取らせていただきます。
 暫時休憩とし、再開を14時10分とさせていだきますので、よろしくお願いいたします。

(休  憩)

〇北川委員長 休憩前に引き続いて会議を再開いたします。
 先ほどの議論で、「助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応」のところで事務局のほうからちょっと説明したい旨の申出があったので。

〇水谷政策法務監 先ほどの助言、調査の部分の条文の書きぶりについて、ちょっと補足をさせてください。
 障がい者差別解消条例のほうは、「必要な助言、調査及び関係者間の調整を行う」ということで3つ書き切っとるところを、今回の素案のほうでは、23ページの下から2つ目のポツにもございますけども、様々な事案に適切に対応できるように、柔軟に対応できるということで、「助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応」ということで、事案の内容に応じて調査も一つの例示として、「助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応」というような形で、素案のほうはそういう趣旨の書きぶりとなっておりますことを補足させていただきますとともに、その下のなお書きにもございますように、調査や関係者間の調整については、相手方だけでなく相談者への聴き取りや関係機関へのつなぎ等、要は幅広く柔軟に対応できることが期待されるというような意図でこちらのほうの素案を作成しておりますので、その点だけ補足させてください。

〇藤田委員 それはどういう意味ですか。要は相談を受けた側の判断でどうするかは決められますよという意味ですか。

〇水谷政策法務監 それぞれ事案に応じて適切な対応が取れる、という趣旨でございます。

〇藤田委員 適切な対応の判断は誰がするんですか。

〇水谷政策法務監 対応する側の、ここでいえば「県は」という主語でございますので、具体的にはその対応を受けたところということになろうかと思います。

〇北川委員長 私も今、説明が分かりにくいところもあったんですけど、事務局の説明として言わんとしたのは恐らく、幅広い柔軟な対応ということは、助言も調査も関係間の調整もその他の必要な対応も全部セットでやりますよということじゃなくて、必要なものを選択してやりますよという説明なんですよね。

〇水谷政策法務監 はい、さようでございます。

〇北川委員長 フルメニューでやるということじゃないですよという。

〇藤田委員 なるほど。

〇北川委員長 よろしいでしょうか。

〇藤田委員 分かりました。ということは、相談を受けた行政の判断でそれは選べますよということですね。

〇北川委員長 もちろん相談者の思いに沿ってというのは大前提ですけど。

〇藤田委員 そうですね。

〇北川委員長 よろしいでしょうか。

〇藤田委員 分かりました。

〇北川委員長 それでは、25ページ、第13の助言及びあっせんの申立て、これはさきの第12の相談の中で解決が得られなかったケースについて、助言及びあっせんの申立てができますという条文になっていまして、ここに書いた表現としては障がい者差別解消条例から引っ張ってきて、一定、文言として書き込みをさせていただいているというところにあります。
 26ページには幾つか米印があるわけでございますけれども、まず、これは条文の項目がたくさんあるので、ばらばらにやると整理がつかないので、この米印に沿って委員間討議をさせていただきたいというふうに思います。
 26ページですけども、1つ目は、「助言・あっせんの申立ての対象となる差別事案の行為主体について、障がい者差別解消条例と同様に行政機関等及び事業者に限定するか、あるいは個人も含めるかについては、別途検討する」と。「別途検討する」というのは重要なポイントになりますので、1回の議論で結論づけられるものではないというふうに正副委員長では思っておりまして、答えを出し切るということではなくて、今日のところはここのところの考え方について皆さん方から御意見をいただき、また委員間討議もできたらなというふうに思っておりますので、まずこの1つ目の米印について、御意見がありましたら頂戴したいと思います。

〇山本委員 障がい者差別解消条例についてはそういう記述になっているけれども、今まで出てきた差別事案の話、勉強してきたものになってくると、結婚差別であり、それからSNSにおける差別でありとか、そういうことは、対行政というのはあったとは思いますけど、今まで話合いの中で出てきたというのは多くは個人なので、別途検討していただかなくちゃいけないなと本当に思いますね。
 だけど、個人ということになると、さっきの侮辱罪とか名誉毀損罪とか、そういうことに当たる神経が本当にもっと深く大変になってくるとは思うんですけれども、そこを除外したらこの条例の求めているところがちょっとなくなっていくというか。だから、慎重なことだとは思うんですよ。だけれども、なぜそこでそうしたかというのは、そのときに論議が深くあったはずなんですよ。あったと聞いていますから。だけど、そこのところを避けては通れないと思いますね。

〇北川委員長 前提として、これは既に委員間討議の中で確認をさせていただいた内容ですけども、差別も含めた人権侵害行為全体を相談体制は対象にしていますけれども、まず申立てによる部分からは、全部ではなくて、申立ての部分は不当な差別に対して助言・あっせんの申立てができるという条文立てにさせていただいているという点を前提に今のお話で、その対象を、事業者、団体というふうなくくりにしてとどめている形に障がい者差別解消条例のほうはなっているわけですけども、我々が今改正しようとする条例の中でこの部分をどう見ていきますか、どういう対象にしていきますかというところで御意見を出していただければというふうに思います。

〇山本委員 続けて言うならば、その助言の中で例えば個人と個人であれば法廷闘争に、法廷闘争ってちょっと大きなことですけど、そういう個人と個人であれば基本的には民間扱いのことで、助言の方向がそっちへ助言をしていくということに法的にはなっていくんだと思うんですね。でも、それを除外するというのを初めに決めとく、助言の場合には、範囲は入っていて、助言の方向がそこのところで区分けというか、よりよい、正当な、法にかなった助言ということになるので、この助言はやっぱり全てを含むんじゃないかなと思うんです。

〇北川委員長 申立てによる助言ということですね。
 先ほどの説明にあったように相談体制の助言と申立てによる助言・あっせんの助言とは言葉が混同しますので、助言・あっせん、申立ての部分については、申立てによる助言とかいうふうな文言で言っていただけるとありがたいです。誤解が少ないのかなというふうに思いますが。

〇山本委員 そうですね。

〇北川委員長 ほかの皆さん、いかがでしょうか。

〇藤田委員 私も障がい者差別解消条例策定調査特別委員だったんです。ここに書いてあるように個人を除外するという文言が、この2つに限るという条文に書いてあるんですが、こんな文言は私の記憶にないんですが、法務監、こういう表現が障がい者差別解消条例にありましたか。

〇水谷政策法務監 すみません、ちょっと……。

〇藤田委員 どこにありますか。何条にありますかね。

〇水谷政策法務監 相談のところから限定されとるんですけども、第16条に。

〇北川委員長 24ページでしたね。

〇水谷政策法務監 そうですね、ありがとうございます。24ページの第16条第1項のところで、「県は」云々で「相談に応じなければならない」。どんな相談かというと、第10条及び第11条に規定する障がいを理由とする差別とございまして、第10条というのが何かといいますと、行政機関等における障がいを理由とする差別の禁止、第11条が事業者における障がいを理由とする差別の禁止とございまして、ちょっとお手持ち資料の中になくて恐縮なんですが、そのように第16条でまず相談の対象を限定しておって、それがこの第10条、第11条ということですので、藤田委員がおっしゃるように直接は書いていないんですが、条文を引用することによって対象が限定されておるというのが今のこちらの状況でございます。

〇藤田委員 あのときの議論の中では、要は差別そのものがいわゆる社会的環境、社会的状況の中で発生している部分が非常に多いと。いわゆる障がい者の皆さんが社会生活を送っていく上で、非常に大きな課題になる。例えば学校であったり公共施設でエレベーターのないのは、エレベーターをつけなさい、あるいはスロープをつけなさいという、内容自体が非常に公共性の強いその部分を、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に基づいて改正していきましょうというのが、我々議論の中心になったというふうに理解しているんです。
 当然、個人が障がい者を差別するというようなことに対しては解消していかなあかんというのは大前提の上で、いわゆる社会的な仕組みの中で障がい者の生活そのものを担保していくというような考え方が中心にあって、その辺のところを強調したというふうに理解はしているんですが。山内委員も特別委員でしたよね。何か個人的なところを助言であるとかというようなことよりも、いわゆる会社であったり、あるいは公的な施設であったり、あるいは公的な場所であったり、公的な社会であったり、そこから障がい者差別を解消していこうよというのが前面にあったように記憶しているんですが。先ほど山本委員がおっしゃったように、今回、我々が議論してきた非常に大きな部分というのは、個人が差別をし、そのことによって人権侵害をしていくというようなことが議論の対象になってきているように私も思いますので、やっぱりその辺のところを門前払いにするというのは、いかがなもんかなというふうに私は思いますね。
 例えば、アパートを持っている。障がい者の人が入ってスロープを造ってくれという話があったときに、当然これは予算のかかることですので、「合理的な配慮」という文言で書いてありますけども、可能な限りスロープを造ってくださいというような助言もできるし、あっせんもできるわけです。ところが、外国人が入ってくるということに対しては、いやいや、もうそれは駄目ですよと。こういう事例に対して、この文章で個人を対象にしないというのであれば、大家さんに何も文句を言えないという話になってしまいますので、こういう事例に対応できる条例にしないとやっぱりまずいんではないかなというふうに思いますので、ここに書いてあるように「限る」というこの文言というのはいかがなもんかなというふうに私は思います。

〇稲森委員 障がい者差別解消条例策定調査特別委員でもなかったんで、理解が十分かどうか確認したいんですけども、僕のイメージでしたら、障がい者差別解消条例というのは、障がいのある方を取り巻く障壁というものを、社会モデルを通じて取り除いていきましょうよという条例であることに対して、今、検討している条例を、障がい者差別解消条例がこうなっていますから当てはめて考えましょうというのは、少し違うんじゃないかなと思うんですけども、その辺の認識はどうですか。

〇北川委員長 それは委員長のほうで答えさせていただきますけども、いわゆる流れとして、障がい者差別解消条例に準じて素案をつくろうということで流れがあったので、素案としてつくってあるだけで、何かそれが決め事としてコンセンサスを得てこうしたということでもないし、事務局がそうしたという意味じゃなく、どちらかというと障がい者差別解消条例に準じて表現してあるという。

〇稲森委員 分かりました。じゃ、僕はそうしないほうがいいと思いますという意見で、やっぱり個人と個人の問題も捉えていくべきだというふうに思います。

〇北川委員長 ほかに委員の皆さん、御意見はいかがでしょうか。
 今日は決め事をするのではなくて、皆さん方の委員としての御意見をもうどんどん出しておいていただきながら、また議論を深めたいなというふうに思いますので、どんどん御意見を出していただければと思います。もう一つの条例の肝の判断の部分になってくるかなと思いますので。

〇小島委員 障がい者差別解消条例との関係において、私も委員ではなかったので、ただ、やっぱり条例そのもの、それから逐条解説を読ませていただくと、禁止のところには行政機関等、事業者が挙げられていますけれども、この条例自体は、第4条辺りの考え方としてはいろんな複合差別のことも逐条解説に出てきますし、やっぱり障がい者差別やそれに関わる複合差別そのものは許されるべきではないという考え方が底流にあるというふうに思っています。
 ただ、やっぱり明らかにしたかったのが、先ほど稲森委員が言われたように、社会モデルをどう構築するかということにスポットが当てられていたというふうに思いますので、そこを対象として強調していただいているというふうに思います。
 それから、個人を含めるか云々ということを考えるときに、少し前に申し上げましたけれども、実例を挙げて考えると、地元でいわゆる部落出身であるというところの人がいます。彼が学校に向かって歩いているときに部落外の方と会いました、「どこへ行くんですか」と聞かれたら、「あの学校へ行くんですよ」と言ったら、「あの学校はそういう部落のことばかりやっとる」という発言があったり、優遇されているみたいな発言をした人がいたので、「いや、それは違いますよ」ということをその場で少し言ったけれども、何となくうやむやになってそこを離れてしまいました。言われた方は、でもこれはちゃんと分かってもらいたいなと思ったので、市に相談したんです。どうしたらいいでしょうということで。
 実は両方に当たっていただいて、何とか分かり合えるようにと思ったけれども、なかなかうまくいっていないという現実があります。そのときに、そこで終わるのかなということですよね。
 だから、相談とかは幅広に受け付けるけれども、次の段階がないとしたら、その事案はどうやって解決に向かえるのかということだと思うんです。そういうことって多分いっぱいあって、幅広な相談にはいろんなところから相談が来て、応じてもらって、一番簡単な調査は聴き取りやと思うんですけれども、その辺りをしてもらって関係者間の調整が図られて、恐らくそこで解決されるものがほとんどだと思うんだけれども、それを超えてなお難しい場合に、今までそのまま捨て置かれていたと思うんですが、それをどうしていくかということだろうと思うので、やっぱりその辺りは本当に身近にある、あるいは今まで起こってきたいろんな事例の中で、特に被差別の方々がどういう思いでそのことを捉えてきたかということを考えたいなと思います。
 この条例を、形は全部改正という形ですけれども、やっぱりこの三重県で必要だと思うからつくろうよ、考えようよということの一番根底にあるのは、県民がやっぱりこれはおかしいよなという思いができるだけきちんと解消されるほうがいいし、誰もそのことをうやむやにされないほうがいいと思うから、つくろうというふうに思って進めているわけなので、やっぱり常にそこに立ち返りながら、県民の全ての人が納得できるような方向に向かえているかどうかということをベースに置いて考えるべきかなというふうに思います。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 この項目については、できるだけ多くの皆さんのお考えもお聴きしておきたいなと思いますが。

〇山内委員 1点、今の小島委員の例えの話の中で確認なんですけども、その場合の解決はどういったものをイメージするとよいのでしょうか。というのは、市に間に入っていただいて話合いをしている中で、その差別的な発言をしてしまった人が、それを認めなかったりとか、申し訳なかったという発言がないことをもって解決していないという部分と、もう一つは、確かにそれについてなかなかしっかりとした謝罪なり、謝らないんですけども、ただ、再発はしませんという部分をもって解決とするのか、その辺がどうなのかなという感覚はあるんですけども、何か御意見があれば。

〇小島委員 ごめんなさいと言わせればそれが解決になるかというと、それはまたちょっと違うかなというふうに思うので。
 ただ、もっともっと大きいことが起こっているかもしれなくて、被差別側からすれば、最後はそこまで行き着かないにしても、もう1段階次の段階があって、もっといろんな人が関わって、特に部落問題が関わる場合、近ければ近いほど難しいというニュアンスはどうしたって生じてくるかなというふうに思うので、そこでもう少しぼんやりとした大きな県という枠組みの中で、例えば説示のようなことが行われたり、個人啓発のようなことが行われて、ああ、そうでしたねというふうに素直に聞いていただけるその段階があれば。何をもって解決するかという議論が前にあったように思いますが、大変難しいですけれども、それは一つの可能性を指し示すことはできるかもしれない、そんなふうに思います。

〇山内委員 ありがとうございました。
 私も、個人間もぜひしっかり入れとくべきだという観点の中で質問させていただいたんですけども、まさしくその解決したかどうかという、外見上ではなかなか分からないケースだと思うんですが、差別を受けた方が何らかの納得なり、解決に向けて進んだというところで御自身が前を向いていける部分であったりとか、そういったものが担保されることが一つの解決かなと。
 差別した側がなかなかそういった態度を示さなかったとしても、受けた側がそれを乗り越えていけば一つは解決なのかなということを考えると、対話を重視というところを委員長も言われておりますし、私も発言させていただいておりますが、まさしく対話というのは繰り返しというところが、また、継続性とか粘り強さというところが一つの醍醐味であろうというふうに思っていますもんで、対話を重視していくというのであれば、やっぱり個人間のなかなか解消しにくいような事案に対しても、しっかりと取り組んでいこうという姿勢を示していく部分においては、個人間もしっかりと対応していけるんじゃないかなというふうに思っております。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 ほかの委員の皆さん、いかがでしょうか。

〇東委員 今の個人というところですよね。事業者にするのか行政機関等にするのかと。障がい者差別解消条例については、行政機関等と事業者に限定するというふうに書いてあるというのは、恐らく理念が違うんだと思うんです。もともとのベースが。何でかというと、いわゆる社会の構造の中に障がい者にとっては住みにくい社会、障がい者にとって住みにくい建物とかというイメージだと思うんですよね。だから多分、それに限定しても十分バリアフリー化できるというのがあって、そうされたんじゃないかなと思うんです。
 ただ、翻って人権とか差別となると、社会の仕組みではない、建物ではないですよね。人間の中の社会生活において発生するものだから、当然、最も多発する場面だと思うんです。差別とか、人権とかに関することというのは、小さい社会があれば、家庭内でも、それは差別発言だよねみたいなことがもう頻繁に行われとるというのが実態だと思うんです。ただ、そこで人間本来、心豊かな生活を送るんであれば、そういうことはお互いに尊厳を持って社会生活を送ろうねというのが、あるべき理想像だと思うんですね。だから、障がい者差別解消条例というのと起こりが違うというふうに思います。なので、別に限定する必要はないと私も思います。
 ただ、相談事がすごく多くなるんじゃないかなという想像はするんですけどね、個人間の問題になるので。そこを行政がどう相談窓口としてさばいていくのかなというのは、すごく心配します。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 余計な一言になっちゃいますが、相談の部分は逆に制限していないので。従来もそうですし、個人、団体という区分けはありませんので、相談としては現在もフルオープンである状態だという形になります。
 ただ、以降の申立てのところで対象になってくるということが、より相談件数が多くなる可能性もゼロではありませんので。
 ほかにどうでしょうか。

          〔「全員意見表明したほうがよろしいですか」の声あり〕

〇北川委員長 全員でないと、ということではないですけど、もし御意見を出していただけるようでしたら、出しておいていただいたらと思います。

〇石田委員 第12の相談を経てもその解決が期待できないと認められたときの知事に対しての必要な助言・あっせんを行うべき旨の申立てをするというところに、個人を入れるか入れないかということですよね。外す理由は全くなくて、やっぱり入れるべきだと思います。

〇北川委員長 ありがとうございます。
 ほかの皆さん、どうですか。よろしいですか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 今日いただいた意見は、限定する必要はないんじゃないですかという御意見が多かったというふうに思います。このことについては、もう少しこの先でも全体を通した中で再度議論をして、方向性を決めたいなというふうに思いますので、今日のところは皆さんから多くの御意見をいただいたというところで、次に移らせていただいてもよろしいですか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 それから、次の課題が、2つ目の、本人の意に反する人種等の属性に関する身元調査も助言・あっせんの申立ての対象となる不当な差別に含める取扱いをすることでよいか。
 法務監、このことは、第13のマル1の括弧書きの内容がそれを指しているということでよろしいんですか。

〇水谷政策法務監 はい、さようでございます。

〇北川委員長 少し説明してもらってもいいですか。

〇水谷政策法務監 25ページの先ほど委員長がおっしゃった第13のマル1のところの網かけをしている部分、「不当な差別を受けた者」の後の括弧書きの部分でございますけども、少し分かりにくい条文ではございますが、ここが属性に関する身元調査ということを指しておるものでございます。「正当な理由なく」、「人種等の属性に関する情報であって」、「不当な差別を助長」、「するおそれがあるもの」、少し飛ばし読みしますが、の収集や依頼や受託などを含むということで、そういったものについては差別そのものではないけども含めるということで、同じ扱いにするということで、助言・あっせんのほうのスキームに載せるというふうな条文となっております。

〇北川委員長 このことについての考え方が委員の皆さんでありましたらお出しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

〇石田委員 すみません、分かりにくくて。
 米印のところにも書いてある「本人の意に反する人種等の属性に関する身元調査」というのは、「人種等」と書いてありますので、人種だけに限らずほかの属性も全部含むと理解していいですよね。人種というと、大体人種って調べやんでも分かるのかなと思っちゃって。だから、人種に限らずほかの属性も全部含めて、本人というのは調べられる、調査される人のことを本人と言っているのかなと思いますが、その人の意に反する身元調査、そういう理解でよろしいんでしょうかという質問ですが、いいですか。

〇水谷政策法務監 おっしゃるような内容を意図した条文でございます。

〇石田委員 ありがとうございます。

〇北川委員長 属性については、定義をどうかという議論は前段にありましたけれども、今、素案の中では前文の中に入れている属性を、人種、皮膚の色、以下ずっと挙げていますけれども、それがそのままここの条文の属性というところで、「人種等の属性」というのはその前文に書き上げているものが該当するということになります。少し分かりにくいんですけどね、文章が。もうちょっときれいに整理がつかへんもんかなと言ったら、法務的に難しいのかも分かりませんが。正副委員長としても何かちょっと分かりにくい表現だなという認識ではあるんですが。

〇藤田委員 全く同感で、もっとシンプルに書けないんですか。法務上こういう表現しかできないんですか。

〇水谷政策法務監 属性をもう少し限定すれば、確かに書けないことはないんですけども、この条例のつくり自体がいろんな属性を想定して、いろんなものが読めるような形の条例の中に書き込む条文なもんですから、どうしてもいろんなものを想定した最大公約数的な書き方になっておるところでございます。取りあえず、今の条文はそういうことでございます。

〇稲森委員 例えばここをいわゆる身元調査みたいな条文にして、定義で別にぐわっと書くとか、何かそんなやり方ってないんですか。

〇水谷政策法務監 もし部落に関するものということであると、またちょっと書き方が変わってくるかとは思うんですが、ただ、ここだけ部落に限るというのも何かバランスを失するもんで、およそそういうつながる行為、差別助長行為も含むんだよという趣旨を書こうと思うと、こういう形になってしまうところですが。

〇稲森委員 というのは、もうちょっと行為をここに分かりやすくびゅっと一言ぐらいで、何々等みたいな感じで書いて、その定義を別立てのところの定義か何かにもっと細かく説明したりするというやり方って、ほかの自治体とかでそんなんはないんですか。

〇水谷政策法務監 ちょっとテクニック的なことになりますが、例えば項を分けるみたいな感じで、第1項と第2項の間に入れる、あるいは、恐らく第1項と第2項に入れるのかなと思いますが、前項の何とかは何々を含むというふうな書き方はありかとは思うんですが。

〇北川委員長 委員長が言うと、事務局からもまたお叱りを受けるか分からへんねんけども。
 分かりにくいというのはもうずっと持っていて、もう一つの分かりにくさは、本来のこの第13の第1項が持っている意味合いがこの括弧書きの含む項目によって読み取りにくさをより激しくしていて、本来大事なのは不当な差別を受けた者は解決できないときに助言・あっせんの申立てができますという文章なんですよね。それが第一義的に一番大事なことなので。それに今おっしゃった身元調査もその対象にできますよと言うがためにここの括弧書きで入れたんですけど、この括弧書きが非常に分かりにくいがために、その本来のあるべき第1項の条文自体が何かすっきりしない、分かりにくい文章になってしまっているので、今おっしゃったような別立てができるのであれば、一度検討いただきたいなと正副委員長としても思いますけども。

〇水谷政策法務監 書き方については、もう少し工夫させていただく余地があるかと思いますので、承知いたしました。

〇北川委員長 書き方はあるとして、これを対象にしていくという考え方はよろしいですか。

〇山本委員 ちょっと質問します。
 正当な理由でしていいときってどんなとき。正当な理由で身元調査のようなことができるというのは、例えばどういうときなんですか。

〇北川委員長 ぱっと浮かばないですけども、何か就職とかで国籍が必要になるとかあるのかな。

〇石田委員 関連して、同じようなのか分からんけども、米印のところに「本人の意に反する」と書いてあるということは、本人に了解を得ればええんですか、これは。

〇北川委員長 そうですね。

〇石田委員 それは1つですね。正当なうちの一つは、本人の了解を得ればええのが1つじゃないんかな。

〇北川委員長 まあ、そういうふうにも。

〇山本委員 例えばそうだとすると、就職試験のときに身元調査をしていいですかとか、身元調査に同意しますかとか何かそういうのがあったりすると、それにチェックをしたりするといいということになると、私は、そのことを書く会社自体が今の社会の問題やと。身元調査はしてはいけませんという大前提があって、履歴書等で、自分自身が表明するという部分という、それはもちろん自分を知ってもらうためにということでしていること以外に詮索するということは、つまり本人だけじゃなくて、本人の家系とかそういうことまでということが身元調査というイメージとしたら、それを、例えば文書があるから、本人が了解したからよしとするのをもし会社が出しているとしたら、そのこと自体がその会社は問題とされるような、今までその考え方じゃなかったのかなと思うと、そういうこともあるかもなと思いながら、正当な理由というのが本人の意思、調べてもらっていいですよという、何かの個人的な話の中で、そういう二者の中であるのかもしれないけど、それだって録音していないといけないとか、何かややこしい複雑なことになってくるんですが、基本的には駄目だということですよね。こういう書きぶりがほかでもあるからそうなっているんだと思うんですが。よそはどうでしょう。

〇北川委員長 法務監、何か説明いただくことはありますか。

〇水谷政策法務監 ここの「人種等の属性」というのが、先ほど委員長もおっしゃったみたいに前文のほうで定義をしておって、すごく幅広く書いておりますので、それらのうちで聞くことが正当な理由に当たる場合もあり得るということで、一応、書かせてもらっとるんですけども、例えば年齢を聞くこととかいった場合で、それが業務上必要であれば聞くこともあり得るかと思いますので、本人から聞けばいいというだけではなしに、聞くことが先ほど委員もおっしゃっていたみたいに合理的であれば。合理的でない場合にはそのようなものが禁止されるというふうなことになろうかと思います。すみません、具体例がすぐ浮かばなくて恐縮ですが。

〇北川委員長 私もそういえば以前聞いた話で、今ちょっと言われて思い出した、健康診断なんかで属性には感染症等の疾病と書いていますけども、健康診断で過去の病歴とかを書くのは一応正当な理由があるということになるというケースだとか、そういうケースもあるのでというふうに事例としては聞きましたけれども。

〇小島委員 健康診断。

〇北川委員長 当然、でもそれも本人が言いたくなけりゃ、書きたくなけりゃ書かないという選択もありますけれども。でも、逆に聞いて駄目だということでもないんだろうというふうには思います。

〇小島委員 私が先ほど手を挙げさせていただいたのでは、例えば外からは分からないけれども心疾患があります、でも、その場合に、危険な業務に当たらなければならない仕事もあります、そのときは、その方を守るために、外からは分からない病気を持っている方を明らかにしていくということは必要になってくる場合があるので。それは正当な理由の一つだろうというふうに思うんですね。そんなのでほかに何があると聞かれると、なかなかよく分からないなと思うし、でも法律用語でよく、正当な理由なくとか書くなというふうには思いますけれども。
 ただ、石田委員が言われたように、幾ら説明されても、本人の意に反したらそこに納得が得られないわけですから、それはやっぱり駄目なんだろうというふうに思うんですよね。本人でなくても身元調査は、例えば兄弟に障がいがないかとか、そういうことで結婚に云々ということが、今までも本当によく言われて現実に起こってきたことですから、それはやっぱり不当な差別であるということを明らかに持った条例にしたいなと思います。

〇北川委員長 皆さん、文言の書きぶりに対する注文はいただきましたけれども、内容としてはこの方向性で進めていくということでよろしいですか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 じゃ、そのようにさせていただいて、3つ目、助言・あっせんの申立ての除外理由、これはマル3に挙げています。(1)から(7)までございますけれども、この内容でいいかという確認です。質問も含めてありましたら。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 現段階では特段、異議はございませんか。
 またありましたら、議論させていただきますが。
 じゃ、4つ目が、これも1つ目の内容につながることでもあるんですが、助言・あっせんの申立ての対象となる差別事案の行為主体をどうするかということも踏まえ、障がい者差別解消条例の助言・あっせんの申立ての対象とはならない障がいを理由とする差別事案を本条例でどのように取り扱うか。これはいわゆる不当な差別的言動等ということだと思いますが、先ほどいただいた意見から推察すると、対象ですよねということの御意見が多かったというふうに推察されますけれども、改めて特に御意見はございますか。
 
         〔発言の声なし〕

〇北川委員長 これも最終的にもう一度、きちんと議論をさせていただこうと思います。
 それでは、第13条が申立てで、28ページに参りますと、実際の助言・あっせんの項目になります。
 ここについては米印がありませんので、もう御自由に素案の内容について御意見があればいただきたいと思います。

〇稲森委員 さっき東委員からもあったような説示というのは、相談体制の中に入れるのが適切なのか、こういう申立てに基づくところに入れるのが適切なのか、どちらが適切なんでしょうかね。

〇北川委員長 ぜひ委員の皆さんの御意見をいただきたいと思います。

〇稲森委員 説示ってすごく大事だと思うのは、個人と個人のそういう差別事象を行政が知ったときも、一般論として差別は駄目だと言うけれども、個別のことには曖昧にしてしまう場面というのはやっぱりあると思っていて、行政が、県が個別の差別事象については県の考えていることと相入れないんだということをしっかり表明するということが、差別を受けた側に寄り添うという意味でも何よりも大切なことじゃないかなと思うので、その説示ということも含めてはっきり県の立場を示すというのは大事なのかなと思うので。

          〔「どこに入れるでしょうか」の声あり〕

〇稲森委員 いや、どうしたらええか、どこに入れるのが適切なのか分からないんですけど。

〇東委員 和歌山県の自主的な勉強会では、説示、勧告と何かセットみたいになっていましたよね。説示があって勧告みたいな感じだったんで、この第15条のところの勧告というところに説示、勧告と入れる方法もあるんじゃないかなと思うんですが、いかがですか。

〇北川委員長 和歌山県の自主的な勉強会でのお話を思い起こすと、最終的な勧告は、例えば今この素案でも障がい者差別解消条例でもそうですけども、助言・あっせんをしてもなおかつ解決しない場合に勧告という流れですので、ポジショニングからいうと助言・あっせんのところに説示というのは一致するのかなというふうに思うんですね。
 ただ、じゃ、助言・あっせんと説示とはどう違うのかと。あるいは先ほども小島委員の御意見にありましたけども、相談体制の中の「助言、調査、関係者間の調整その他の必要な対応」ってあったと思うんですけども、そういう部分だよというのか。この説示って、今まで条例をずっとやってきて、使われているのが和歌山県の条例か、あと1つあったかどうかと記憶をしていまして、意外にあまり使われていないんです。でも、逆に言うと、法務局の一つの考え方の中に説示というのが、たしか事例というか要素としてはまっていたと思うんですよね。この辺の文言の意味合いの整理というのが必要なのかなというふうに。ごめんなさい、それは先にきちんと整理しておけばよかったんですが。

〇石田委員 今さらながらで大変申し訳ない話ですが、説示も含めて助言・あっせん、勧告の定義とか、こういう場合にこれを使いますというのをちょっと。この段階で大変恥ずかしい話ですが、整理したものをまたつくっていただけるとありがたいんですが。

〇北川委員長 参考にちょっと私の手持ち資料であるのを読むと、ごめんなさい、ここには説示はないんですけど、助言とは、「ある者に対し、ある行為をなすべきこと又はある行為をなすについて必要な事項を進言することをいう」と。「例えば、労働紛争での助言・指導では、紛争当事者に対し、紛争の問題点を指摘し、解決の方向を示すことが行われている」。あっせんとは、「当事者に話し合いの機会を与え、第三者が双方の主張の要点を確かめ、相互の誤解を解くなどして、紛争を終結(和解)に導こうとする制度とされる」。
 助言とあっせんについては、そんな整理がされていますけれども、これだけだとちょっと分かりにくいですよね。

〇山本委員 「説示」という言葉は専門用語だと思いますが、「説諭」という言葉が一般的にあると思うんですね。例えば学校現場で処分とかいろいろありますけど、それに至る前にいろいろ話を聞いたりした上で、これはいけませんよと、そういうことのないようにねということを、聴き取りの中で、ざっくばらんにというか言うんじゃなくて、きちんとあなたにこのことを説諭しますという形で言うのを、私のイメージで使っていた経験があるんですが、一緒かどうかは別として、知事が出張ってきて助言・あっせんということに進んでいくというたら、もうこれは究極という、究極って、この中の一番の大変なところですよね。でも、その前に相談体制の中で助言、調査、関係者間の調整などをすると。そのときに納得できない、解決できない場合に進んでいく、そこのところで、課長が、和歌山県の場合も説示をすると言ってみえた、決めるのは自分ですと言ってみえたですよね。
 だからイメージとしては、相談者への助言、調査をする、実態が確認できて、これはやっぱり差別したとされる当事者も呼ばなあかんなと言って一緒に調整をする中で、このことについては差別ですよということをきちんと伝えて、それこそよくないことです、してもらっては困りますと正式に言うのが課長が言うてみえた説示じゃないかなというイメージがあるんです。それで、それでもなお、つまりきちんとお叱りをしたけど、それでもそんなことを私はしていないとか、そんなんは全然違うとかいうことになっていって次へ行くので、やっぱり説示というのはその段階の中に入るのではないかなというのが、和歌山県の方のお話を聞いたのと、ずっと今の話の中で私としてのイメージです。

〇北川委員長 山本委員、その中というのは。

〇山本委員 前段階の第12条の相談体制で。

〇北川委員長 相談体制の中でということですね。

〇山本委員 助言、調査、関係者間の調整その他ということで、これを三重県人権センターが一手に引き受けるのかどうかはありますけど、そこの相談段階の中で、相手方にそれは問題が多いですよと言うことは説示、「示」というのは言葉を発するということだとすれば、そういうことで知事がする、次に進んでいく助言・あっせん、勧告というところの下段階のことなんじゃないかなというイメージを持ちました。

〇北川委員長 ありがとうございます。

〇東委員 本当に一般的な言葉の使い方と、多分、法律用語だと思うんですね、完全に。ちょっと調べてみると、ここに陪審説示の時間というのがあるみたいです。つまりもう結果が出て、そのときに裁判所がこうですと裁判官が論点を整理して説示すると書いてあるんですね。なので、ちょっと法務監とか事務方にその辺を調べていただいて。どこのところへ使うのが一番いいのかというのは、一般的な話よりも、やっぱり法的な部分で確認されてから使われるほうがいいんじゃないかなという気はします。

〇北川委員長 じゃ、正副委員長のほうで事務局とちょっと整理させてください。
 間もなく1時間が経過いたしますので、助言及びあっせんのところでほかに御意見はございますか。

〇山内委員 ちょっと確認なんですけども、先ほど来、話が出た、第12条の相談体制の中のいわゆる差別をした側へのアプローチの場面というのは、「関係者間の調整その他の必要な対応」の中に入ってくるというのでよかったでしょうか。第一歩ですね。

〇北川委員長 委員の皆さんの共通認識としては、そういう理解だというふうに思っております。

〇山内委員 ありがとうございました。

〇北川委員長 それでは、1時間経過しましたので、感染症対策のための換気休憩を10分間取らせていただきます。再開は15時20分とさせていただきます。

(休  憩)


〇北川委員長 休憩前に続いて委員会を再開いたします。
 先ほどは第14条の助言及びあっせんというところで終わりましたので、第15条の勧告、30ページですけれども、これはもう読んでいただいたとおりシンプルな内容で、米印はございません。念のため申し上げますけども、勧告は、法的拘束力があるものではなく、非権力的な行政指導という位置づけになりますので、御確認いただきたいと思います。
 この項目について御意見はございますか。

〇中村委員 法務監に聞いたらいいんかな。勧告するということは、文書でびゅっと出すという形なんか、それとも口頭でしっかり言い含めるということなんか、どちらでもよいという雰囲気なんか。私自身もあんまり勧告というのは形のイメージがないもんですから。

〇水谷政策法務監 結論から言うと、どちらでもありかなとは思うんですが、口頭で言った、言わないになっても困りますので、大事なものであれば文書でするものが多いのかなと。行政手続法などでも文書でする場合と口頭でする場合、両方とも行政指導のほうを想定しておりますので、どちらもありかとは思うんですが、書面で渡す場合が事実上はあるんじゃないかなというふうに考えます。

〇北川委員長 障がい者差別解消条例はどうなんですか。逐条解説にあるんですかね。

〇水谷政策法務監 ごめんなさい。ちょっと逐条解説を持ってきていない……。

〇北川委員長 じゃ、後ほど確認ということで。

〇中村委員 口頭でやる場合、本人を呼び出してどこかでそういうことを言う形になるのか、電話で言う形になるのか、ちょっとその辺が。やっぱり勧告というからには、実効力が少しでも担保できるような形を考える必要があるのかな。文書やったら、あ、こんなんもろたという形になってくるんじゃないかなと思うんです。問題は実効力なんですよね。その辺をまた調べといていただきたいというふうに思いますけども。

〇北川委員長 事務局で確認させていただいて、また報告させていただきます。
 ほかにはいかがでしょうか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 特にございませんか。
 なければ、31ページ、第16、意見の聴取で、3項目ございますが、ここで1点だけ、障がい者差別解消条例は「出頭を求めて、意見の聴取を行わなければならない」としているのが、この素案では、出頭を陳述書、証拠書類等の提出に代えられるということが付け加えられているわけですが、そのことも含めて、第16条のところについて御意見がありましたらお願いします。

〇小島委員 分からないので教えてほしいんですけど。確かに障がい者差別解消条例のほうは、「勧告の対象となる者又はその代理人の出頭を求めて」となっているんですけれども、これは何か意味があって出頭しなければいけないということなんですか。

〇北川委員長 一応、趣旨等の2番目には書かせてはいただいていますけども、改めて法務監に説明をお願いしていいですか。

〇水谷政策法務監 こういう条文になった経緯は調べてみないと分からないんで、分かるかどうかも含めて調べてみたいと思います。

〇小島委員 逐条解説には「手続の適正を担保する」と書いてあるんですよね。なので、その辺りをお調べいただいて。出頭によらないと担保できないのかどうかというのが私では判断できないので、その辺りの確認をお願いいたします。

〇北川委員長 分かりました。
 ほかに御意見はございますか。

          〔発言の声なし〕

〇北川委員長 ないようでしたら、その次、33ページが助言及びあっせんの状況の公表、第17になりますが。
 これは前にも何度か議論がありますように、いわゆる刑罰的なというか、そういう意味合いのものではありませんので、誰とかどこのとかいうことが分かるものを入れて公表するということではなくて、そういう秘密、個人情報は除いて、必要な事項を一般に公表するという規定になっています。
 趣旨については、2つ目のぽつに書いてあるとおりであります。これも障がい者差別解消条例に準じた形になっています。
 同様の設定でもよろしいですか、流れとして。

〇石田委員 ちょっと参考にお聞かせいただきたいんですが、県はこういう場合の公表ってどういう方法で公表されますか。

〇水谷政策法務監 この場合ですと特に条例上、方式とかを明らかに限定していないもんですから、ホームページに載せてもいいかと思いますし、あるいは何らか年次報告書的なものに載せるのでも。どんな形でも特に問題はないかと思います。

〇石田委員 それはどこで決めるんですか。ホームページに載せるか載せないかとか、ほかのこういう方法を取るとか取らないとかというのは、どこのどなたが決めるんですか。

〇水谷政策法務監 この条文でいきますと、「知事は」ということになっておるもんですから、例えば公表する際に、何々条例第何条に基づき公表するというふうな柱書きといいますか、文章を添えた上で載せれば、もうそれで公表になるかと思います。

〇石田委員 「知事は」と書いてあるけども、知事がこれはホームページにしようか、とすることはならんので、恐らく一般に県政の中でこういう場合はこういう公表ってあるんじゃないかなと思って聞いたんですけど、そういうのはないんですか。

〇水谷政策法務監 公表という文言を使う場合には、特にないかと思います。その他に、三重県公報に登載して告示するとかいうふうに方式を限定する場合もたまにありますが、それでなければ、公表というだけであれば、特にやり方は決まっていないかと思います。

〇石田委員 これをこのままほっといたら、誰がいつどうやって決めるのか、ひょっとしたら知事にどうするって聞きに行くことにならないのか、ちょっと整理……。

〇北川委員長 これはちょっと整理をさせていただいて。当然ながら、先ほどの話にもありましたけれども、障がい者差別解消条例と同様の立てつけになっていますので、障がい者差別解消条例における勧告、公表というのも現実ゼロですのでないわけですけれども、恐らくあった場合にはどうするんだというシミュレーションはあると思いますので、そこを確認させていただいた上で報告させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。

〇稲森委員 この情報というのは、人権を尊重していく三重県づくりの上でもすごく大事な情報だと思うので、もしあったならば、ぜひ毎年度の年次報告みたいな形で公表していただきたいなと思うんですが、ここの33ページの条文のところが「必要な事項を一般に公表することができる」というふうにありますが、ここを「公表するものとする」というふうにしてほしいなと思います。

〇北川委員長 それは趣旨として、制限をあまりかけないでと。

〇稲森委員 そうですね。積極的に明らかにしていくべき情報だと思うので、「することができる」よりも「するものとする」のほうが適切じゃないかなと思います。

〇藤田委員 いいですか、今の問題ではないんですけども。

〇北川委員長 まあ、どうぞ。

〇藤田委員 いいですか。

〇北川委員長 はい。

〇藤田委員 助言・あっせんは状況を公表とするということなんですが、勧告の内容というのは、公表されないんですかね。

〇北川委員長 これは、勧告に行くものは全て手前に助言・あっせんがありますので、助言・あっせんのものは公表されるということだと思いますが。助言・あっせんなき勧告ってないですので、勧告も全て公表になります、と勝手に委員長は理解しているんですけど、そうではないですか。

〇藤田委員 それならいいんですけれども、助言の内容、あっせんの経過の内容が公表される、同時に勧告の内容も、勧告をした場合、ここで話がつけばそれはそれでいいと思うんですが、勧告の状態にまで行ったというその内容については公表されないんか。

〇北川委員長 勧告がここで公表から外れている理由というのは、どういう意味合いがあるんですか。

〇水谷政策法務監 まず、委員長がおっしゃったみたいに、助言・あっせんがあってそれに従わない場合に勧告ですもんで、助言・あっせんの状況を公表すれば全部入ってくるということかと思うのと、勧告のほうが外れているのはというと、公表する趣旨が、どういったものが差別に当たるのか、あるいは解決策として望ましいのかということの情報提供という趣旨からすると、助言・あっせんの状況の公表で足りるのかなと。
 勧告だと、要はもっと具体的に、どこへ勧告したけども従わなかったとかいうことで、県民への情報提供という趣旨には当たるかもしれないんですが、ここでの規定の趣旨という、将来の参考という意味にはあまり不要かということで、助言及びあっせんの状況の公表で広く助言又はあっせんしたものを公表すれば、それに従わなかった個別具体のものまで特定してする必要はないということで、公表すべき事項を広く捉えているということかと思います。

〇北川委員長 趣旨には書かせていただいています差別の防止に向けた情報提供としての位置づけなので、その面では十分に足りる情報になるという認識だと思うんですが。

〇藤田委員 そうすると、あっせんの状況の公表という話になると、あっせんが不調だったということも含めて公表されるということなんですね。助言をし、あっせんをしたけども……。

〇北川委員長 おっしゃっている意味はよく分かっていて、その事案が勧告まで行ったかどうか、助言・あっせんまでしたけども聞いていただけませんでしたよねという情報が必要なのかどうかということだと思うんですよ。それが必要だということであれば、勧告もここに入れなきゃいけませんし、それは用途として必要ないですよということであれば、事例としては助言・あっせんの範疇で全てが公表されるという対象になります。

〇藤田委員 ペンディングにしておきます。

〇稲森委員 僕は、制裁的な手段ではないとはいえ、こういう事柄を公表していくということはやはり差別事象の抑止力になっていくと思うので、助言・あっせんに従わないという、言ってみれば悪質な部分も含めてオープンにしていく必要はあるんじゃないかなと思うので、助言・あっせん、そして勧告についても特にわざわざクローズにする理由もないので、公表の対象にするべきだと思うんですけれども。意見として。

〇北川委員長 ほかに御意見はございますか。
 この部分については保留といいますか、再度議論いただきましょうか。
 勝手ながら、残り時間も少なくなってまいりましたので、まだ9日も続きますので、議論を次回以降で引き続きさせていただくということで、委員間討議自体はここで止めさせていただいてもよろしゅうございますか。どうしてもということであればあれですが。よろしいですか。

          〔「はい」の声あり〕

〇北川委員長 次回は、何とか最後のページまで行くところまでは整理していきたいと思っておりまして。前回と今回の内容を含んだ修正版をお出しするのに1週間ではちょっと厳しゅうございますので、申し訳ないですけども、9日はこの続きを最後まで行くというのをミッションにさせていただきたいというふうに思います。
 それでは、この時点で素案についての委員間討議を終了いたします。
 次に、前回の委員間討議の際、不当な差別や人権侵害行為について、具体的な事例を基に委員間での共通理解を得ることが必要ではないかとの御意見がございました。
 そこで、実際に本県であった事例について、委員間で情報の共有を行いたいと思いますが、個人情報に関わることも含む内容でありますことから、この後の委員協議の場で共有させていただきたいと存じますので御了承願います。
 次に、次回の委員会ですが、本日に引き続き条例案素案、この続きをさせていただきますのでよろしくお願いいたします。日程等の詳細については、この後の委員協議で御協議いただきます。
 本日御協議いただく事項は以上でございますが、特に何か御意見がございましたらお願いします。よろしいでしょうか。

          〔発言の声なし〕
 
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
差別解消を目指す条例検討調査特別委員長
北川 裕之

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