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令和3年12月3日  差別解消を目指す条例検討調査特別委員会 会議録

資料はこちら

差別解消を目指す条例検討調査特別委員会
会議録
(開会中)

開催年月日   令和3年12月3日(金曜日) 午前9時2分~午前10時51分
会  議     601特別委員会室
出 席    11名
             委  員  長   北川 裕之
             副委員長    山崎   博
             委       員    石垣 智矢
             委       員    小島 智子
             委       員    山内 道明
                       委       員    山本 里香
                       委       員    稲森 稔尚
                       委       員     藤田 宜三
                       委       員    石田 成生
                       委       員    東     豊
                       委       員    中村 進一
欠 席    なし
出席説明員
         [子ども・福祉部]
                       障がい福祉課長               松崎 由枝
                                                                               その他関係職員
         [環境生活部]
             人権課長                   岡村 益幸
             人権監                     阿部 達也
         [教育委員会]
            人権教育課長                久野 嘉也
            人権教育監                  舩見 雪絵
事務局職  企画法務課政策法務監兼班長       水谷   憲司
委員会書記
            議事課       主幹 櫻井  彰
            企画法務課   主任 長谷川 智史
傍聴議員      1名
                                  杉本 熊野
県政記者     1名
傍  聴  者    なし
協議事項
1 条例案素案に関する執行部からの意見聴取
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
 
1 協議事項
 (1)条例案素案に関する執行部からの意見聴取
〇北川委員長 本日は、条例案素案に関する執行部からの意見聴取を行いますので、よろしくお願いします。
 なお、本日の進め方ですが、まず、前回の委員会での議論を受けた条例案素案の修正点について、事務局から説明を行った上で、環境生活部、子ども・福祉部、教育委員会の順に説明を受けた後、一括して質疑応答を行いますので、御了承願います。
  また、執行部の出席者につきましては、役職等を限定せず、詳細な説明ができる職員に出席を求めておりますので、御了承願います。
  それでは、前回の委員会での議論を受けた条例案素案の修正点についてお手元に配付の資料1に基づいて事務局から説明願います。

〇水谷政策法務監 前回9月30日の委員会での議論を受けました条例案素案の修正点につきまして、お手元の資料1により御説明いたします。
  まず、6ページ、第2の定義の趣旨等の2つ目のポツとして、「複合差別」についての記述を追加しております。これは新政みえの会派意見を踏まえた対応でございます。
その次の3つ目のポツとして、「社会的身分」には、被差別部落だけではない特定地域の出身者であることが含まれることなどの記述を追加しております。これは日本共産党の会派意見に基づく委員間討議を踏まえた対応でございます。
  続いて、7ページの米印、今後の論点ということで、「「不当な差別」や「人権侵害行為」に具体的にどのような行為が該当するかについては、裁判例等の事例を踏まえて、引き続き議論を深め、逐条解説等に反映する」ことの記述を追加しております。これは自由民主党の会派意見を踏まえた対応でございます。
  次に、9ページ、第3の基本理念に(3)として、「不当な差別その他の人権問題の解消に当たって障壁となるような社会における制度、慣行、観念等の改善を図ること」を追加し、以下いわゆる号ずれをさせております。
  また、その下の趣旨等にもその旨を反映し、2つ目のポツとして、このような制度、慣行、観念等の例示を追加しております。これは新政みえ及び日本共産党の会派意見を踏まえた対応でございます。
  続いて、少し飛んで28ページでございます。ここは第13の助言、説示及びあっせんの申立ての記述のところなんですが、1つ目の米印に、今はもう消えておりますが、もともと申立ての対象となる差別行為の行為主体に個人を含めるのかどうかという論点が書かれておりましたが、行為主体に個人も含めることについて、特別委員会として合意が得られたことを踏まえまして、元あった1つ目の米印は削除しまして、2つ目の米印もそれに合わせた修正をして、いわば繰り上げたような格好になっております。
  続きまして、41ページでございます。第19の人権教育及び人権啓発のマル1の部分ですが、「人間性」とございましたのを「実践力」に修正して、そのことを趣旨等にも反映しております。これは新政みえの会派意見を踏まえた対応でございます。
 同じくこの第19のところで、次の42ページの趣旨等の6つ目のポツとしまして、人権教育及び人権啓発の内容には、「不当な差別などの人権問題の解消に当たっての社会的障壁を改善していくことの意識付けも含まれる」という記述を追加しております。これは委員間討議における石田委員の意見を踏まえた対応でございます。
  最後に、55ページ、附則のところでございますが、6の「施行の状況を勘案し、必要があると認められるときは」とございましたのを、「施行後おおむね○年ごと」に修正しまして、2つ目の米印として、「検討規定について、おおむね何年ごとに検討するかについては、執行部からの意見聴取も踏まえ、引き続き検討を行う」という記述を追加しております。これは新政みえの会派意見を踏まえた対応です。
  以上の修正をしました条例案素案に対する意見を、執行部からお聴き取りいただくことになります。

〇北川委員長 ありがとうございました。
  それでは、執行部からの意見聴取を行います。環境生活部、子ども・福祉部、教育委員会の順に説明をお願いします。なお、執行部には、あらかじめ正副委員長で整理した意見聴取事項に沿って意見を述べていただきますので、御了承願います。

〇岡村課長 それでは、環境生活部提出資料、5ページのものがありますけれども、こちらを御覧いただきながら、私のほうから説明させていただきたいと思います。
  委員長からいただいた出題部分の「第11 人権施策基本方針」にかかわる項目の確認とスケジュール感についての意見、そして「附則」のところに記載していただいております施行期日についての意見ということで、併せてこちらのほうをここで回答させていただきます。
 人権施策基本方針に定めるべき事項について新たに記載いただいた事項や県議会へ報告、公表することにつきましては、現行の運用と大きく異なるものではございませんので、特に支障はないというふうに考えております。
  しかしながら、条例の基本理念を大きく変更いただきまして、またマル2の(3)「不当な差別その他の人権問題を解消するための体制の整備に関すること」というのを新たにつけ加えていただいたことがありますので、人権施策の体系の再構築も含めまして、人権施策基本方針及び行動プランの改定が必要になってくるというふうに考えておりま す。
  そこで、まず人権施策基本方針等の改定のスケジュール感なんですけれども、前回、平成27年に基本方針のほうを改定しております。このときは人権問題に関する県民意識調査の実施をはじめまして、基本方針の議決後、そちらを経てから行動プランの改定を行いましたけれども、おおむね2年間を要したところがございます。
  また、施行期日に関しまして、新設いただく相談体制や紛争解決体制に関しての対応といたしまして、人材育成や確保、それから関係規定の整備、差別解消調整委員会というのも新たに立ち上げることがございますので、その事務に要する期間は必要であるというふうに考えています。
   2年というふうに申し上げましたけれども、現在も不当な差別に苦しむ方がいらっしゃる状況を踏まえまして、この新しい相談体制等ができる限り速やかに開始できるように今回の条例改正に伴って修正が必要となる基本方針の該当部分を中心に改正していくことによって、できる限り早く対応していきたいというふうに考えております。
  続いて、2ページに移らせていただきます。「第12 相談体制」について、実務上課題があるかということで御質問をいただいております。ここに関しまして4点、私のほうから御意見をさせていただきたいなと思っています。
  (1)のところでございますが、まず私どもの相談の考え方について御説明いたしたいと思います。相談につきましては、電話相談を人権センターでやっておりますけれども、特に名乗られることではなく、匿名で気軽に相談していただく形にしています。まずはそれを傾聴させていただきまして、相談者のつらさや痛みというものに共感を示しながら、相談者が自ら相談内容を整理して、課題や対応すべき点を理解していくように気づきをさせていただく、そういう支援をさせていただく、その上で専門の機関、法務局であるとか、労働局等の国の機関や児童相談所等の県の専門の窓口がございますので、そちらへ紹介したり助言したりするような、相談者に寄り添いながら問題が解決できるような支援を行っていくというところでございます。
 第12のマル2のほうには、その相談について(1)(2)という形で定めていただいているんですけれども、相談のかかわりとして、この部分が最初にくるということで、相談者に御説明をしてあげたいなと思っています。
   なお、その相談者が次の段階として調査や関係者間の調整というのを求めてくる場合になると思うんですけれども、相談者の本人の情報、最初は匿名でいただきますので、その本人がどなたであるかということを確認しなくてはいけなくなるということと、その解決はどういう程度求めていらっしゃるかによって、例えば相手にはこのことは伝えてほしくないというような申出とかもありますので、本人の意思の確認もさせていただかなくてはいけません。できればトラブルが起こらないようにそういうのは申告という形で法務局とかの人権侵犯事件の例に沿いまして、させていただくのが必要ではないかなというふうに考えているところでございます。これが1点目です。
  次に、「調査」、「関係者の調整」について、少し御質問をさせていただきたいという形で書かせていただきました。
  条例素案の第12のマル2(1)に「調査、関係者間の調整その他の必要な対応」という形で書いていただいていますけれども、これがどのような内容であるかというのをお示しいただけないかなというふうに思っています。といいますのも第14のマル2のほうにも申立て後に調査、助言、説示、あっせんというふうに調査が2回出てくるわけでございまして、その相違点、関係性についてお教えいただけないかと思います。
 次の項目の申立てのほうでも触れさせていただくんですけれども、第14の調査の部分については、条文のほうで根拠が示されているんですけれども、第12の調査のほうには規定がございませんので、これが同じものであるのかなという疑問がございましたので、聴かせていただいたということでございます。
  次に、(3)の「人材の養成・確保について」ということです。現在人権センターのほうでは、先ほど相談対応と言いましたけれども、相談員、嘱託員でございますけれども、3名を配置しておりまして、年間で約800件の人権相談に対応しております。
  条例素案に掲げる「調査、関係者間の調整その他の必要な対応」というのは、今説明させていただいた相談対応とはまたレベルが変わります。問題を解決していくためのコーディネート機能というのが求められると思っています。これに対応できる新たな人材の確保や育成等が必要になるということで、最初のほうの1番の記述にも触れさせていただいたところでございます。
  また、第14の「助言、説示、あっせん」、それから第15の「勧告」というようなレベルになってきますと、司法判断等のかなり高度な法的スキルも必要になってくると思いますので、職員にもそういう体制を整備していく必要があるのではないかなというふうに考えております。
  続いて、(4)の「相談対応の継続が困難な場合の対応について」というのを想定いたしました。相談対応が継続していく中で、関係者間の調整が相談者の御意向どおりに進まない場合も出てきますし、相談受付後に例えば訴訟が起こってしまったとか、関係者の所在不明、相手が分からないというようなことで、その調整を行うのに著しい障害が生じたりする場合などがございます。相談対応での調整等を継続することは想定されない、このような場合につきましては、第13の申立て制度のほうへ職権上移行できる規定であるとか、場合によっては中止、終了というようなことを必要に応じて行えるような規定が必要なのではないかというふうに考えております。
  ちなみに、法務局の人権侵犯事件制度におきましても、類似のような継続対応が難しい場合に中止、終了というような規定が設けられていますので、提案させていただいたような次第でございます。
 続いて、3ページ、3(2)の「不当な差別に係る紛争の解決を図るための体制」ということで、条文としては第13、14という形になると思います。そこについて実務上の課題があるかという御質問でございます。これにつきましても、4点、挙げさせていただきました。
 まず(1)「申立て」の制度の趣旨、考え方について、確認をお願いしたいなと思っています。第13の条文中、「第12の相談を経ても解決が期待できないと認められる」ときにこの申立てができるというような形で書いていただいているんですけれども、「誰が、期待できないと判断するのか」という書き方をさせていただいたんですが、これが「認められるとき」という受け身の書き方ですので、県が判断する場合もあるのかなというようなこと含めて、そういう基準があるならお示しくださいという形で書かせていだいたところでございます。
  そして、この申立ての制度を設定いただく趣旨や考え方について、定めていただいたときに先ほどの調査や関係者間の調整につきましても、同じようなことを2回するようなイメージがございますので、こういう趣旨でこういうふうに対応するんだということを我々もしっかりと理解させていただくため、考え方を、逐条解説等でお示しいただければなというふうに考えています。
 続いて、(2)の「申立て対応の一元的な所管について」ということで、委員会としては、環境生活部が一元的に所管することを想定しているという御意見をいただいておりますので、これを前提として考えさせていただいたときに、例えば学校現場や警察関係等の非常に密接な関係の案件の場合に、途中から環境生活部がその申立て以降に説示やあっせんという働きかけを突然行うということは、今までの関係性を考えますと、問題をかえって複雑化や新たなトラブルが発生することも危惧されるんではないかなというふうに考えています。
 例えば「いじめ」の場合につきましても、第4の趣旨等では、不当な差別ともなり得るというような見解を示していただいていますので、いわゆる申立ての対象になり得るわけなんですけれども、その申立て以降、説示をするのは環境生活部、勧告するのは環境生活部というような形にしたときに、それまで関係者間の調整でかかわってきていただいた学校現場の関係者をさしおいて我々が入っていくことになりますので、むしろ学校のほうで引き続き対応していただくのが望ましいケースもあるんではないかなというふうに考えています。
  環境生活部といたしましては、申立ての窓口の一本化をいたしまして、差別調整委員会の事務局業務としてそっちへかける段取りであるとか、その案件について公表の取りまとめをするというような実務については、当然やらなければいけないというふうに考えておりますけれども、その考え方としまして、差別案件への対応の考え方、それからそれを決定してその後助言、説示、あっせんといった具体的な勧告も含めて、そういう対応をしていく場合については、その人権課題を所管する担当部局というのをまず主軸で置いていただいて、我々がサイドからそれを支援していくような形で対応していくのが妥当ではないかというふうに考えております。
 具体的には、実は第13、14の条文に「県」とは異なって「知事」という表現をされているところが2か所ございまして、今の形で「知事」のままですと、いわゆる申立てが来た場合に知事が対応するので、教育委員会であるとか、警察本部の部分についても原則知事がかかわっていくという構造になっておりますので、ここを「県」というふうに改めていただいたらどうかなということで提案をさせていただきます。
  続いて、(3)の「調査」の実施について、でございます。
  調査の実施に当たりましては、第14の趣旨等のところに説明がありますように、3つ目のポツ「相手方その他の関係者に協力を求めた上」で任意に行うものというふうに理解しておりまして、残念ながら協力が得られない場合、事実関係が解明できないということになりまして、仕組み的に言いますと、マル1に「助言、説示又はあっせんを行うことが適当でないと認められる」ケースとありますけれども、そちらのケースという判断がされて、その先へは進めないような形になるのかなというふうに考えています。
 そのような中、第14のマル2では、「調査」とお定めいただいているんですけれども、そこには「正当な理由がある場合を除き、これに協力しなければいけない」という形で、強く書いていただいているところがございまして、そういう形での対応との違いといいますか、その誤差みたいなものをどういうふうに判断していけばいいかなというところを、実施するほうとしては不安に思っているところがありますので、その「正当な理由」をお示しいただけると助かるなと思っています。
  そのような「正当な理由」という言葉ですけれども、第13のマル2の「属性情報を収集等」のところにも「正当な理由なく」という言葉や、第15の勧告のところでも「正当な理由なく当該助言、説示又はあっせんに従わないとき」というような言葉をいただいておりまして、一般的に「正当な理由」となりますと、法律論的にはその具体的な例示を求められる場合が多いですので、これも併せて御提示いただければなというふうに思っております。
  めくっていただいて4ページ、先ほど第12の「調査」と第14の「調査」がダブっておりますけれども、協力義務が第14にはありますけれども、第12にはないということで、これは改めてこのように書かせていただいております。
  (4)「国(法務局)の「人権侵犯事件」制度との関係性について、お尋ねさせていただきたいと思います。
 この条例案に掲げる制度については、法務局の人権侵犯事件制度とほぼ同様の内容が行われるようなことになると思います。仮に法務局の人権侵犯事件制度等で処理済みの案件でちょっと納得がいかないというようなことで、県の相談窓口に相談にみえる場合も想定されるんですけれども、そういう場合、どういうふうに対応していけばいいのかなという素朴な疑問から、この制度と国の制度との関係性について、御参考に考えをお示しいただければなというふうに考えております。
 続いて、4ページ目の中段、「附則」6の検討規定について、御意見させていただきます。
 障がいの有無にかかわらず誰もが共に暮らしやすい三重県づくり条例では、附則のほうにおおむね3年ごとに検討されるということが書いてありまして、逐条解説で確認させていただきますと、障害者計画が3年ごとに改定されることを踏まえて、3年を目安にその見直しを行うという解説をしていただいていると思います。
 一方で、国の場合につきましては、人権施策に関して、計画等が定期的に見直されるというような形式がございません。そうでありますので、人権救済等に係る法整備が行われるとかそういうような必要があるときに検討を行うという形はどうかというふうに思っています。
  ちなみに、人権施策基本方針については、おおむね10年をめどに見直しを行う旨、それから、行動プランについては、通常4か年程度県の戦略計画等とサイクルを合わせて改定することというふうに定めていますので、仮にこの規定がなくても基本方針、行動プランについては定期的に見直されるという位置づけになっておりますので、御了知いただきたいと思います。
  続いて、質疑事項ではございませんけれども、執行部のほうから何点か、提案という形でさせていただいたものがございますので、4ページの下の「第2 定義について」のところから説明をさせていただきます。
 定義2の(3)人権侵害行為についてなんですけれども、「不当な差別その他の他人の権利利益を侵害する行為」というふうな定義をいただいております。この記述ですと法律的なところでいろいろ確認をさせていただきましたら、民法第709条の不法行為の条文に近しいような解釈がありまして、単なる金銭トラブルに関してもこの定義が当てはまるのではないかというような解釈もございましたので、例えばですけれども、執行部としては、「不当な差別その他人権を違法に侵害する行為」というような「人権」をつけていただくような形で定義をされたらどうでしょうかということで、必ずしもこれじゃないといかんという話ではございません。
  また、第12から第14に規定されている行政が行う各行為としまして、助言、調査、関係者間の調整、説示、あっせんというような言葉をつけていただいているんですけれども、これは一般的な用語としての使用でございますので、例えば県からあっせんをします、説示をしますとしたときに、お相手としてもどんなことをされるのかと不安に感じる方もいるんではないかと思います。今後これらの行為にかかわって具体的な手続等についても規則で定めていくことになりますので、定義もしくは逐条解説のところで個々の行為について簡単でございますけれども、その考え方、留意点についてお示しいただけると助かるということでございます。
  続いて、基本理念の部分についてですが、第4のマル1で、「不当な差別その他の人権侵害行為をしてはならない」という規定が先ほどございましたけれども、広く人々に訴えかけていくものであるというふうに解しますと、分かりやすく具体的な行為を提示いただくのがこれから条例の教育啓発の面でも有効になるのではないかというふうに思います。
 例えば5月31日の委員会に参考資料として提示いただきました鳥取県の人権条例では、新たに令和3年4月に改正された内容なんですけれども、第7条に誹謗中傷やいじめ又は虐待、プライバシーの侵害、不当な差別的取扱いといったような行為を「差別行為」というふうに提示していただいていますので、必ずしも条文のほうにということではないんですけれども、逐条解説等でこういう行為が該当しますよという例示をいただけると、我々もそれを基にこの条例の普及啓発に努めさせていただけるなというふうに思ったということで提案させていただきました。
  続いて、第12、13のところで、相談、申立てを受け付ける際の対象者につきまして、「その他の関係者」という言葉が最後についています。これはどういう方を想定したらいいのかなということで、実は障がい者差別解消条例につきましては、ここについては逐条解説で介護をされる方や行政機関等が例示をされているんですけれども、逐条解説のほうにございませんので、提示をいただければなと思います。
  また、調整委員会の委員について、その資質の部分についての御議論もあったと思いますが、「助言、説示、あっせん」等の行為に対して意見を述べていただくことで、法的な部分が非常に高いというふうに解しておりますので、その選任に当たっては、法的な知識を有して中立性が確保されるというのが必要ではないかなというふうに考えております。
 最後でございますけれども、適用上の注意という形で、当該条例は不当な差別を行った者を処罰する趣旨ではございません。対話を基本として相手方の理解を得て、ともに差別のない人権が尊重される社会を実現していくというものであると解釈しておりますので、それをより明確にするために「条例の適用にあたり、日本国憲法の保障する基本的人権を不当に侵害しないように留意しなければならない」というような条項をつけ加えていただいたほうがいいんじゃないかなと思います。ここに関しましては、東京都の人権条例や川崎市の人権条例についても記載されておりますので、申し添えます。
 そして、不当な差別の認定というのは、一転して刑法や民法の違法性の構成要件の一因になるようなことも想定されてきますので、訴訟の準備段階としての調査や助言ではないというようなことをまた明示していたただくのも一つではないかなというふうに思っております。
  以上、長々とすみませんが、説明を終わらせていただきます。

〇松崎課長 子ども・福祉部の資料について、説明させていただきます。
  障がい者差別解消条例の紛争解決の対象となっていない、不当な差別的言動、個人や国の機関による不当な差別的取扱いの差別事案について、今回の条例の素案における紛争解決体制で取り扱うことについての意見を求められておるところでございます。
  まず、紛争解決体制から障がい者差別解消条例の差別事案を除くことについてでございますが、障がい者差別解消条例の紛争解決の体制につきましては、障害者差別解消法を基にされておりまして、不当な差別的言動とか個人や国の機関による不当な差別的取扱いについては、法や条例の紛争解決の対象となっておりません。
  また、障がい者差別解消条例におきましては、相談員による相談において解決が困難な場合、助言・あっせんの申立てができるという制度になっておるところでございます。また、助言・あっせんに従わないときは、知事は必要な措置をとるよう勧告することができるとそういう制度となっておるところでございます。これまで助言・あっせんの申立てに至った事例はございませんが、相談の受付から一連の紛争解決の仕組みというのが構築されているということになっております。これらのことから、不当な差別的言動、個人や国の機関による不当な差別的取扱いの対応につきましては、障がい者差別解消条例と区別して今回の条例案素案で取り扱うことが適当と考えております。
  また、別の論点から、不当な差別的言動、個人や国の機関による不当な差別的取扱いについてですが、内閣府の障がい者差別解消法のQ&Aで、一般私人の行為や個人の思想、言論については、法により規制することは対象としておらず、啓発活動を通じて趣旨の周知を図っていくということとされております。また、誹謗中傷、ネット上の書き込みについても同様の対象となっていないということでございます。
  また、国の機関による不当な差別的取扱いについては、当該行政機関の窓口での対応が考えられるとされているところでございます。そういったことが書かれていますので、不当な差別的言動、個人による不当な差別的取扱いについては、障がい者差別解消法及び条例の対象としておりませんが、条例案素案においては、取り扱うことは支障がないと考えております。
  また、対象事案以外の相談への対応について、現在の状況を御説明させていただきますと、障がい者差別相談窓口では、条例が対象とする差別事案以外の相談を受けた場合においても、関係行政機関につなぐなど対応を行っておりまして、不当な差別的言動や個人による不当な差別的取扱いに関する相談がありましたとしても、助言とか必要な相談窓口を紹介するとか、なるべく解決につながるように努力することは行っているところではございます。ただ、調査とか関係者の調整ということを行うことになっておりませんので、そういったことは行っておりませんが、助言等を行って、なるべく解決につなぐよう努めておるところでございます。
  条例素案により相談を一元的に受け付ける総合的な差別解消窓口が設置される場合を想定いたしますと、障がい者差別解消条例の対象になるものが窓口に相談された場合には、障がい者差別解消条例に基づいて設置しております現在の窓口につないでいただいて対応すると、そういうことになるかと考えておるところでございます。
 障がい者差別解消条例に対象事案を加える場合の課題を詳しく書かせていただいているんですが、そういった場合には、法の一般私人を対象としないという考え方との整合性についての課題がありますし、またどのような事案が不当な差別的言動、個人や国の機関による不当な差別的取扱いに当たるのか、具体的に想定される事例というものが明らかでないという課題がございます。また、複合的な差別については分野横断的に統合的な調整をする役割がある、そういった窓口があることが望ましいと考えておるところでございます。
  次のページからは、障がい者差別解消条例と条例素案の規定が異なる点についての意見を求められているところでございます。
  障がい者差別解消条例に規定のない「説示」の規定があることについて御質問をいただいているところでございますが、障害者差別解消法では、対話により相互理解を深め、個別具体的な事案に応じた差別解消を図ることが求められておるということでございますので、障がい者差別解消条例では助言ということで取り扱うことが適当と考えておりますが、条例素案と均衡を図る必要はないと考えております。
 また、申立て除外理由についての項目ですが、障がい者差別解消条例の規定にない項目を入れていただくことについても特段支障がないと考えております。また、聴取の出頭に代わる代替手段の条例の明記がないということにつきましても、障がい者差別解消条例では規則に記載しているということですので、特段支障はないと考えております。
  また、勧告の状況の公表の義務化について、障がい者差別解消条例の規定と差異がある点ですが、異なる取扱いとなっていても特に支障はないと考えております。
  また、条例案素案でオンラインでの意見聴取を規定する点につきまして、障がい者差別解消条例で出頭を求めて意見聴取を行わなければならないとなっておる点につきましても、異なる取扱いであっても特に支障はないと考えております。その他、特に意見はございません。

〇久野課長 教育委員会からは資料はございません。
 第19のマル1、4及びマル5について、実務的な課題等についての御質問でございます。この条項を定めていただく際に県人権教育基本方針を参照して定めていただいておりますので、委員の皆さんはこの人権教育基本方針についてよく御理解をいただいておるというふうに思います。教育委員会ではその人権教育基本方針にのっとり、国際条約や日本国憲法、あるいは差別解消三法とか三重県内の条例などに基づいて、人権教育が全ての教育の中で行われるよう人権感覚あふれる学校づくり、人権尊重の地域づくり、教職員の育成支援という3つの観点で取組を今までも進めてきたところでございます。
 特に小中学校における人権教育を進めるに当たりましては、市町教育委員会と課題を共有しながら連携して取組を進めているところでございまして、具体的には管理職や人権教育推進担当者を対象とした研修であったり、それから市町教育委員会の人権教育主幹課長や担当者を集めて、推進の方向性の確認や課題解決に向けた協議などを行っております。条例成立後も県立学校における人権教育を積極的に推進するとともに、小中学校において人権教育が積極的に行われるように市町教育委員会と一層連携してまいりたいと考えておるところでございますので、条文自体に特段の意見はございません。
  ただ、少し細かい話になって恐縮なんですが、マル1の条文に「必要な人権教育」という表現がございます。マル2も「必要な人権啓発」という「必要な」という言葉がございます。この言葉が切り離されていますので、何か実施主体が人権問題を選択して取り組むというような意味合いになってしまわないかなというところで、この「必要な」という言葉が入っている意図がどのようなものなのかなというところは少し気になったところでございますので、意見として申し上げたいというふうに考えております。

〇北川委員長 ありがとうございます。
   まだ少し早いんですけれども、時間的に今日は11時に必ず終えなければならないということと、質問についてはもう続けてまとめて行いたいと思いますので、先に換気休憩をこの場面でさせていただきたいと思いますので、暫時休憩をさせていただいて、再開を9時50分とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

(休  憩)

〇北川委員長 休憩前に引き続き、特別委員会を再開します。
 それでは、委員の皆さんから御質疑等をお願いしたいと思うのですが、初めに質疑の内容についてですけれども、1つは、12月7日に委員間討議をさせていただきますので、委員会としてこの素案に提示されたことも含めてどう考えていくかというところについての結論といいますか、方向性はそこで出していくということになるということと、2つ目には、当然ながら説明いただいた内容で、このことはどうなんだと、もう少し意図が分からないのでということで、深掘りして聴いていただくことだとか、それから意見等についても少し考え方が違うところについては、執行部の意見、考え方、それはどういうことなんですかというふうに聴いていただくのもよしですね。
  ただし、例示を求められているものがあります。具体的にお示しくださいと、こういう部分については正副委員長のほうで事務局と一定整理をさせていただこうと思っていますので、御承知おきをいただきたいと思います。
  それでは、委員の皆さんから御質疑をお願いいたします。

〇石田委員 委員長が言われたように、宿題の部分というのは、よく委員間で協議せんと、なかなか答えを1人ではよう出さんとかありますので、またその後ほどということですけれども、この特別委員会で条例を見直していく中で、特に気になって執行部のほうに意見を求めないかんなと思っていたのは、人権を守るための条例を充実していこうという意思で委員会をやってきたと私は思っているんですが、充実させるとやはりエネルギーが今まで以上に要るんじゃないかと。エネルギーとは何ぞやというと、人の配置であるとか、それからそれなりのスキルの人もいるというお話もありました。新しく人が要る、スキルの高い人も充実させると当然予算にも影響してくるので、条例を新しくすることによって、負担という表現は余りしたくないんだけれども、負担と言ってしまってはあかんのですけれども、どれぐらいの人をプラスしなきゃいけないのか、それに伴って幾らぐらい予算を膨らませんといかんとか、そういう試算というのは今の段階ではできているのかどうかというのをお尋ねしたいんですが。

〇岡村課長 環境生活部としては、人権センターをベースに考えておりますので、そこを出発点とした考え方がベースになるとは思うんですけれども、誠に申し訳ないですけれども、そこまでの考えまでには至っておりませんもので、例えばその人員が何人要るかということから予算がだんだん決まってくると思うんですが、まずそこの部分から検討していかなければいけない状況でございます。

〇石田委員 そうすると特に何という意味ではなくて、今の段階ではまだ試算するまでに至っていませんというお答えということでよろしいですか。

〇岡村課長 そのとおりでございます。

〇石田委員 分かりました。

〇藤田委員 この文章の中で、相談対応ということに対する県としての考え方なんですが、2ページの(1)の3行目でございますけれども、「相談者が自ら相談内容を整理し、課題や対応すべき点を理解する」と書いてあるんですが、対応すべき点等を整理するのは誰なのか、確認させてください。

〇岡村課長 今の人権センターでやっている相談体制としての考え方ですと、まずそういうお話をする中で、一般的に自分の考えもだんだん明らかになってくるという傾向がございまして、その中で自分がこの問題に対してこうしてほしいんだな、こういうふうにやりたいんだなというような、ここが問題なんだなということを自分が説明を一生懸命することによって、だんだん自分で分かってくるというのが本当のところでございまして、そういうのを聴いているほうがこうじゃないかなと思いながら助言をして、だんだん自分で整理をしていけるようにお手伝いをさせていただくというのがこの相談上の対応になります。

〇藤田委員 そうすると、聴く側は相談者の対応すべき点については既に分かっていて、それを相談者に分かってもらうようにしますと、それが相談だという理解でいいですか。

〇岡村課長 最初から一つの話を聞いてすぐに分かるということはまず無理で、これはこういうことですかというようなやり取りの中で、大体こうですと大体自分でお分かりになって、こうやなというような形で言っていくような流れというふうに考えていただきたくて、最初から相談員が分かってそういうふうに誘導していくというような、そんな確立したような技術ではございません。

〇藤田委員 ごめんなさい、ちょっと先走ってしまいました。
  要は相談というのは、お互いに問題の本質を確認するというのが県としての考え方だというふうに理解させていただきます。
  それから、もう1点、3ページの紛争解決体制に係る実務上の課題等についてというこの項目をずっと読ませていただくと、環境生活部の基本的な立ち位置として、今までも人権条例があって、その人権の中で今回特に差別というものにこの特別委員会で重きをおいて対応しているんですが、現時点でも環境生活部としての差別をなくしていこうというこの姿勢の中で、先頭に立っていただかなければならない部署だと思っておるんですが、その視点から見たときに、逆に我々がやろうとしていることに対してこういう形でお聴きになっているということについて、じゃ、その旗振り役の部として本当にこれを減らしていこうという立場で、今回の我々が一生懸命やってこれだけの委員の方が集まって、いろいろなところで調査をして、何としても減らしていこうという思いを本当に分かっていただいているのかなという、この質問を読ませていただいて逆に物すごく心配というか、ちょっと口を開けて、えっというような思いが、我々がやろうとしておることに対して本当に理解いただいているのかなという危惧をまずは私はしたんです。人権三法ができて、大きく国の中で法律を変えながら、差別を含めた形で人権をもっともっと守っていこうという、それぞれ一人ひとりの人権を守っていくという流れの中で、この条例を一生懸命考えて、どうしたらなくしていけるのかというこの思いに対して何遍も言いますが、県としてこの条例案素案を読まれてどんなふうにかかわり、なくしていこうとしておるのか、その辺のところを担当課長としてどのように考えてみえるのか、基本的な立ち位置をお聴かせいただきたいなという思いでおるんですが、その辺はどうですか。

〇岡村課長 当然人権担当課長として、差別は許されないもので、なくしていかなければいけないという、それは同じベクトルだというふうに考えていますし、この相談に関しましては、人権相談一般の形として人権センターでも既に対応しているところでございますので、そこの制度の中で新たにつけ加えていただく、新たな県がやるべきようなところに、まさに真摯に取り込んでいくためにどういうふうにさせていただくのがよろしいのでしょうかという形で相談をさせていただいているつもりなんですけれども、我々から批判的な形の質問をさせていただいているというふうに取られているのであれば、おわびしたいところだと思っています。
  我々としては、これを本当に進めていくためにはどういうことを確認して、どういうところをルールとして決めていかなければいけないかということを、まさに規則を作っていくようなときに定めていかなければいかんという自負を持ってやっておりますので、そこのところを御理解いただければと思います。

〇藤田委員 そうすると、この(2)の、問題を複雑化させて新たなトラブルが発生するとか、あるいは学校現場の関係者において引き続き対応されるのが望ましいとか、人権課題を所管する担当部局の相談対応から引き続いて行うことが望ましいとか、私は三重県における人権、その中で特に我々が取り上げておる差別というものをこれから解消していく、なくしていくんだという立ち位置でその先頭を切って旗を振っていくんだというその部局として、こんな発想が何で出てくるんだろうと。これは部局間で、トラブルが発生したらそれを解決しながら差別の解消に進んでいく、学校だったら学校の先生と担当者と教育委員会と一緒になって、その中でも環境生活部が旗を振っていくんだというような立ち位置に立つべき部局ではないかというふうに私は思うんですが、その辺のところで、この文章を読んで先ほど申し上げたようなことを、ちょっと辛口なことを言わせていただきましたけれども、その辺はどうなんですか。一元化をしていくということについては、担当課長としては賛成なんですか、反対なんですか。

〇岡村課長 「一元的に所管する」という意味をお尋ねさせていただいたときに、申立てを受けてから説示であるとか、例えば個人のトラブルなんかで相手方に説示をするのが環境生活部人権課で、勧告をするのもその人権課になるというような意図であるような御説明を受けましたので、そうなると今まで続けていた関係性と少し違った形でかかわらなければいけないのかどうかということが一つです。
  それは当然、今まで取り組んでいただいたところの関係性も重要視しながら、さらにやはり次のステップとしてそういう説示のような対応をするべき話になってくると思うんですけれども、その判断みたいなものは、我々も提案はさせていただくけれども、例えば学校であれば学校現場の考え方というのは重要だという考えを今説明させていただいているんです。
  ですので、場合によっては第三者が入ることが有効な場合もあるかもしれませんけれども、最初から対応してきた行政の一貫性というようなところも含めて、そういう原課起点の考え方を我々がサイドから支援していくという形で、必ずかかわるんだけれども、主役はどちらでしょうかというような意味で一元的所管というのをトータル的にもその回答に対して書かせていただいたというところでございますので、ちょっとそこら辺の行き違いみたいなものはあるんじゃないかなと今感じました。

〇藤田委員 分かりました。そうすると一元化することには反対ではないと。先ほど石田委員のほうから体制の話も出てまいりましたけれども、現実としては人権センターというのがあって、組織図を見せてもらうと、10名ほど職員がいらっしゃるわけでございますので、10名が本格的にこの問題に全面的にかかわっていけば、そんなにこなせない量ではないだろうというふうに私は個人的に思うんですけれども、そんなことも含めて、一元化することについては反対ではないと。ただ、今までやってきた流れがあって、その辺のところの調整は要りますよねというふうな理解をさせていただきましたが、それでよろしいですか。

〇岡村課長 一元化という意味が、そういう形で我々もかかわりますけれどもというようなところであればでございますけれども、当然申立てを一括して管理して、それがちゃんと進捗しているかどうかということは我々がウォッチしていかなくてはいけないというふうに思いますので、そういう意味では一元化というのはそういう役割であるというのは認識しています。

〇藤田委員 非常に行政用語が分かりづらいので確認しますけれども、お話は伺っていきますが、その解決をしていく、そのことについて旗を振りながら、具体的には恐らく人権センターになるのかなというふうに思いますけれども、差別事象に関しては真ん中に座って、環境生活部としてやっていきますよという意味での一元化なのか。いやいや話はお伺いしますけれども、決めるのはそれぞれの部局がやっていくんですよ、我々はその情報を一元管理していくだけですよという意味なのか、どちらですか。

〇岡村課長 一元管理していくだけ、という表現ではないというふうに思っています。ただ、主軸をどちらにするかというか、その考え方の出発点は当然原課のほうで専門的な施策も含めてやっているわけですので、そこでどういうふうな救済ができるかというのも含めて考えていただく中で、我々は人権のセクションとしてほかの制度等もいろいろ加味した上でこういうふうにしたほうがいいんじゃないですかというような助言もできますので、そういう意味でかかわらせていただければなというふうに今考えております。

〇藤田委員 分かりました。現時点で考えてみえるのは、中心になっていただくのがその担当部局であると、人権課としてはそれに対してこうですよ、ああですよということで旗を振るというよりは横で見ている立場だなというふうに私は感じさせていただきましたけれども、私は今回の条例の趣旨というのは、人権センターの中にそれなりの皆さん方が入っていただいて、そのことについて中心になって話を聴きながら、当然担当部局と専門性の知識を得ながら問題を解決していく、そのことこそが差別をなくしていく基本的な行政としての立ち位置というふうに思っておりますので、課長のおっしゃる内容ではちょっといかがなものかなと思わせていただいたということで終わります。

〇稲森委員 まず5ページから人権課に伺いたいんですけれども、最後の「日本国憲法の保障する基本的人権を不当に侵害しないように留意しなければならない」という、これを入れるということなんですけれども、例えばヘイトスピーチとかが表現の自由ということを盾にして行われているという実態について、どういうふうに受け止めていますか。認識していますか。

〇岡村課長 表現の自由という人権と、いわゆる差別をしてはいけないというヘイトスピーチの趣旨というのは、まず人権としては同格なんですけれども、当然それをしてはいけないというために制限される必要があると考えていますので、この法律なりが制定されているんだというふうに理解しています。

〇稲森委員 表現の自由とその差別を受けない権利というのは同格では僕はないと思っていて、そういう認識でいいんですかというのがまず一旦あるんですけれども、ここでも議論させていただいたんですけれども、川崎市と東京都の条例に入っているとおっしゃいましたけれども、まず川崎市の条例は罰則とか一定公権力の行使が伴うような対応があるので、そういうのを入れているんだろうと思うんですけれども、だからこの条例案の中でどういう部分で県が公権力の行使を伴って相手の基本的人権を侵害するということにつながるのかというのを教えていただきたいです。

〇岡村課長 今回、個人と個人の関係性もこの対象になってくるというふうに考えたときに、片方の人権もこちらの人権も当然競合してくるというのがまず前提になっているということでありまして、まずその基本的人権について、それぞれ軽んずることはありませんよという基本的な趣旨を入れてあるわけで、それに対してどういうふうに判断し、説示をしていくか、あっせんをしていくかという対応していく部分については、その比較衡量というようなところが当然出てくると。ただそれは個別にどちらが一方的にというような話でなく、個別に考えていく必要はあるということで、ここで入れているものについては、最初に並ぶ人権についてはまず一緒ですよねという、そこはまず尊重しましょうよねということを言っているだけで、特にどちらが重要であるというようなことはここでは言っている意味ではないです。

〇稲森委員 そうすると説示、あっせんが基本的人権の侵害につながる可能性がある公権力の行使だと認識しているんですか、公権力の行使として。

〇岡村課長 説明の中でもこれは行政指導という形でさせていただくといっていますので、公権力の発動である処分、そういうものではないという認識はまずありますけれども、いわゆる不法行為としての訴訟の対象にはなり得るので、ちょっと話がおかしくなってしまっていますけれども、そういう意図では捉えてはいませんけれども、訴訟を受けるリスクはあるなというふうには考えています。

〇稲森委員 時間がありませんので、もう次にいきますけれども、3ページ(2)の下から4行目の「助言、説示及びあっせん等の実施については、人権課題を所管する担当部局が」というのは、学校の問題だったら教育委員会、警察の問題だったら警察本部が行うことが望ましいという考えですか。

〇岡村課長 相談の流れとして、例えば学校のお話なんかは、まず学校のほうで入り口として対応してもらうスタートがあると思うんですね。そこで当然この条例に当てはめますと調査もしますし、関係者間の調整というのも現場のほうでどんどん進めていただくんだと思うんですけれども、そういう意味でそこから急に切り換わるのはどうでしょうかということを提案しているところでございまして、決して我々がかかわるべきではないという話ではなく、いわゆる主役としてのそこの部分というのは担っていただきながらも、我々もちゃんとそういうお話しなんかには入らせていただけるんではないかとは思っています。

〇稲森委員 その認識は僕は全く違って、人権センターなり人権課が主役だと思っていて、ハブ機能といいますか、あるいは司令塔といいますか、旗振り役を果たして、例えば教育委員会と意見が食い違ったとしても、いや人権の司令塔ではある私たちはこうなんだということをやり取りしなければいけない、それをトラブルと呼んでいるんです。そこが僕は本当に大丈夫なのかと思うんです。以前も言いましたけれども。

〇岡村課長 ここで私がトラブルという言葉を使ってしまったのは申し訳ない話かもしれませんけれども、トラブルというのは、相手に対して今まで対応してきた人と違う人が急に出てくることでトラブルになるんではないかと、そういう危惧をさせていただくことで、決して部局間でそういう対立が起こるようなことをトラブルと呼ぶのではなく、当然そういうことが起こってきますし、今までもそういう各部局から人権のことで御相談いただく場合は、人権の観点としてやるべきだということは説明させていただいているし、こうやるべきというような助言みたいなものはしていますので、決してそれをトラブルというふうに表記しているんではないということで、改めさせていただきたいと思います。

〇稲森委員 もう最後にしますけれども、その人権課が司令塔だと、旗降り役だという立ち位置を持ってないから、ふらふらするからトラブルみたいなことが起きるんかもしれないですけれども、やはりそこを旗振り役として司令塔としてやっていくんだということでお願いしたいと思います。ですので、この内容は必要ないんではないかと思っています。

〇山本委員 個別のことについてはまたみんなで個別にしていかなくてはいけないんですけれども、例えば今の教育においても、そこで解決できないからここの相談や申立てになっていくというシステムだと思っているので、本来であればそのところで解決していったほうがいいことだけれども、それができないからという部分であると思って、初めから入っていくこともあるだろう、相談を受けることもあるだろうけれども、そういうシステムで二段構えなのかなと私自身は今思っています。
  それと今日のお話を聴いていて、今もらっている相談でも大変苦労されているんだなということを第一に思いました。この条例を作ったときに、もっと幅広くこういう相談ができますよ、審査ができて安心できますよということになったらもっと増えるんだろうと。今の体制でできるかと、その体制を作るためにこの条例を作ってそれを盾にということですが、ただ今の人権センターの力量では多分それはできない、専門性もないというふうに私は思っています。
  目指すところは、今の相談体制の中で紹介されて、そこで解決の道にいくものもあると思うけれども、それができないものがたくさんあって、それを何とかあっせんとかという形で解決というか、一定の形にしていこうというのだと思うんです。相談のもともとの発端の人権の内容はこういうことであっても、行政に相談している間に行政の対応がまずいとか何とかということで、どんどん膨れ上がってきて大変なことになっているという事例が大変多くて、そういうことにならない根本のところで対処ができるような体制をとりましょうということだと思うんです。だけれども、それをするには実務的に私たちの思いの文章だけでは困りますよね、対応するにはこういうことをきちんとしておいてもらうとありがたいですという意見を聴きましたので、実務がきちんとできていくように私たちは、これをもう少し練っていかなければならないんだということを感じました。
  細かなことをここで一つ一つすると膨大なことになるので、でも本当に今の相談の中で大変なんだ、私たちもよくご紹介をいろいろなところにさせていただいて、それでもだめだ、だめだと戻ってきて、それがぐるぐるぐるぐるしてどんどんどんどんその問題が深刻化していく、それを早期の時点で、ちゃんと対応してもらっているんだなと思ってもらえる、そういう仕組みを作っていこうというのがこの条例の目的だと思っているので、その整備のためにもみんなで話をまた深めたいと思います。感想です。

〇北川委員長 ほかの皆さん、御質疑はいかがでしょうか。

〇山内委員 1点だけ確認なんですが、山本委員からの話の中で大体見えてきたかなと思いつつ改めて明確にしたいので、加害者を分かりやすくするために例示させていただくと、加害者、被害者が例えば学校では子ども間、保護者間であれば教育委員会、教育の現場で、学校で対応していくんだと。先ほど話があったように被害者が県民、加害者が行政となった場合にそれでもその担当の行政部局で対応していくことが望ましいというふうに考えてらっしゃるんですか。

〇岡村課長 まず、その加害者が行政である場合に、それがいわゆる行政行為であれば不服申立て等そういう制度があるというふうに考えていますので、そういう制度が適用できるんではないかという話があります。その相談の過程でなかなかしてもらえないというような御不満みたいなところで何とかしてほしいという御意見も当然あると思いますので、そこは行政の加害者という位置づけとして行政の処理がまずいという話になってくると思いますので、そこはお受けしていただいたところとどう対応するべきなのかということを当然人権課のほうからもお話をさせていただく形になると思います。
  ですので、その加害者、被害者というような話の中で、行政が明らかに加害者になる場合とそれから加害者、被害者というのか、個人個人である場合の中で、納得のいかない解決に対して解決を求めたりそういう2つの流れがあるんではないかなというふうに思っていますので、私もちょっと頭の中で整理ができてないところがあるんですが、大きくはそういうふうな違いを対応の中で決めていかなければいけないなと考えている次第です。

〇山内委員 一旦お聴かせだけさせていただいて、また自分の中でも整理させていただきたいと思います。

〇北川委員長 11時までと申しましたけれども、委員協議がございますので、50分ぐらいをめどに質疑を終えたいと思いますので、御協力のほうよろしくお願いしたいと思います。

〇山本委員 今のお話の不服申立てをして、それでもその不服申立ての内容について持ち込まれる話っていっぱいあるんですけれども、ぐるぐる相談みたいな形になって、そういうことなんかもこの対応になってくるんだなと私は思いながらいるんですけれども、そういうのって対応は大変難しいだろうとは思うんですけれども、それを排除したら後は法的なことにアドバイスをするとか、そういう具体になってくる。

〇岡村課長 それに関しては、第13のマル4にその申立てがいずれかに該当するときはできないという項目があると思うんです。(3)に行政不服審査とかの対象になるものについては、そちらで整理していただくという形になっていますので、それをまたこの制度でループといいますか、ぐるぐる回す話ですとちょっと申し訳ないですけれども、きりがないと言うと失礼ですが、そういうような状況になるのをここは整理していただいているというふうに私は理解をしています。

〇山本委員 不服申請してくださいとアドバイスをする場合は対象外だけれども、不服申請をしたその後の経過の中でということになると、私は戻ってきたものについてアドバイスはするけれども、それがだめだったときはこの対象かなと、それはこちらの話ですので、また今後でとどめます。

〇北川委員長 そうですね、おっしゃっていただくのは後のこちらの整理になると思います。係争中とか申立て中のものはもちろん省きますけれども、その後の結果が出た後どうしていくかというのはまた別問題だと思いますので、ほかに質疑はいかがでしょうか。

〇小島委員 環境生活部にお聞きしたいと思います。
  私たちは随分長い間この差別解消を目指す条例検討調査特別委員会をやってきました。本当に差別とは何かからいろいろな方に聴き取りをし、どういうふうに文字にしてまとめるかということをして、最終的に現条例の全部改正ということでここに素案があるということになっています。
 お聴かせいただきたいんですけれども、この長い私たちの議論を恐らく聴いていただいていると思うんですが、現人権条例で及ばない点、逆に言えば今までできなかったことができるようになるのは、この新たな全部改正の条例によってどういう点だというふうにとられておみえでしょうか。まずそこをお聞かせください。

〇岡村課長 現条例と条例案素案との違いということでよろしいですね。
  要は行政指導の範囲内で、調査であるとか、関係者間の調整というのも、専門的に扱う部落差別、同和問題に関しましては、我々人権課が専門部局としての対応をしていたところはございますけれども、そこら辺は正直、行政指導の範囲内で根拠なくやっていたというところはありまして、相手側のほうからも何を根拠にこれを言われるの、というような、まさに開き直った方なんかはそういう言い方を必ずされますので、そういう意味ではこういう定めをしていただくのは心強い話になるとは思うんです。
 ただ、こういう定めをすることによってどこまでが対応できる範囲内なのかというのも逆に制約を受けるようなところも出てきますので、そこら辺は我々執行する立場としましては、しっかり定めておくというか、認識しておかなければいけないところなのかなというふうに思っていますので、今回いろいろ質疑もさせていただいたということだと思っています。

〇小島委員 おっしゃるように相手方に行くことができるようになるということが私自身も一番大きいというふうに思っています。けれども、何のためにそれをするかという大本をやはりたがえないでほしいという、恐らく今までの質疑だったと思うんですね。県民の納得をどうやって得るかというところに私は大きな意味があるというふうに思っていて、それが恐らく法務局とかとの関係にも出てくる。ただ法務局に行ってはねられましたけれども、県としてはやはりそこはきちっとやりますよと、ただあなたの思うように解決はしないかもしれません、でもきちんと話を聴いて、でき得る限りのことはしますというのがこの条例を作る大きな意図だというふうに思うんです。だからそこをぜひ、そういう意味でどうしたらできるかということを一緒に考えてほしいということだと思うんです。
  あくまでも対話です。障がい者差別解消条例のときも同じです。対話がベースなので、だから相談のところに来て調査をするときの調査と、申立て後の調査がどう違うのかという疑問もいただいていますけれども、私は全く意味が違うと思っています。
 相談のところの調査はあくまでも対話ですので、相手のところに行って本当にお互いに対話になるような聴き取り等をどうやってできるかということが問われているけれども、申立て後の調査は権限を持って調査するわけですから、字は一緒ですけれども、意味は全く違うのではないかと、これは皆さんでコンセンサスを得なければいけませんが、私自身はそのように捉えています。
 何もかも全部人権センターにおいて解決せよという中身ではないと思っていて、ただ先ほどからハブ機能というふうに出ているので、人権センターに来たものについては、一度きちんとそしゃくをしていただいて、それこそいろいろな部局とどう連携をとりながら実際の解決に向かっていけるかということを考えていただく機能が人権センターにあるんだと思うんですね。そういうことを考えれば人権センターの充実というのは人においても私自身は必要だと思いますし、人数において、あるいは立場において必要なのかもしれません。会計年度任用職員の方ではなかなか厳しいなとかいろいろなことを思いますけれども、それは今議論するところではありません。
 行政としては訴訟を避けるとかいろいろなことがおありなんでしょうけれども、先ほどおっしゃったそこを入り口にして議論をしてしまうと私たちが対話を大事にしながら本当にお互いのやり取りの中でできるだけのことを解決していきたい、でも無理だった場合はこうしようというふうに次の段階を明示させていただいたその条例策定、全部改正の意図とは少し離れてきてしまうので、まず第1段階でどうやって県民の納得を得ながらこの差別を解消できるかということをもう一度、申し訳ないですけれども、持ち帰っていただいて、そういう視点でこの疑問がそういう意図にそぐうかどうかということをお考えいただけるとありがたいなというふうに思います。
 でも課長がおっしゃったように、相手方に行ける、対話によって何とか解決しようとする、それがこの条例の多くの趣旨だというふうに思っていますので、そこだけは共有させていただきたいなと思っています。
  書面云々というのがありました。確かに必要でしょう、行政的には。でも私たちは余りそこを、ここは別にいいんですけれども、そこを入り口にしたら間違いますよということをやはりお互いに分かりたいというふうに思いますので、何かありましたらお願いします。

〇岡村課長 まず、申し訳ございません。訴訟リスクの話をちょっと口走ってしまったところがありますけれども、決して訴訟リスクを恐れてこの制度を運用できないというようなそういう動機づけは全くございません。ただ我々は、最終的にはそういうことも想定した上でいろいろな制度的なものを確固たるものにしなければいけないという説明をさせていただいたつもりでしたので、決してそういう訴訟が怖くてできないんだというようなつもりもございません。
  もう一つは、後半にいただいた、ちょっと失念してしまったんですけれども、もう一つ御質問いただきましたよね。ちょっと出てこなくなっちゃったんですけれども、持ち帰ってくださいの後にいただいた話ですが、すみません。

〇北川委員長 書面でとかそんな話ですか。

〇岡村課長 書面の問題も当然そういうことをするとハードルが高くなる、申請がしにくくなるというのはわきまえておりまして、書面等というふうに書かせていただいたのは、もしそごがあるというようなことで提案をさせていただいていまして、聴き取る中で当然それが確認できれば、こういうことですよねというふうに相談者のほうがお聴きすればいいだけの話なんですけれども、場合によっては、言った言わないというようなことも起こりますので、できればこういうフォーマットがありますので、そちらでお出しいただけますかというのは推奨させていただきたいと思うんです。ですので、申請がなければやらないというような趣旨ではないということを御理解いただきたいと思います。

〇小島委員 枝葉末節にこだわっているわけでは全くございませんので、別にそれをしてはだめやと言うてるわけではないんです。ベースにある出発点の、差別問題解消の本当に核になるという覚悟を部として持っていただくこと、そのためにどうしたらいいかということを、この条例に基づいて何がどこまでできてということを考えていただくのは、もう部局やと思いますので、そこをお願いしたいということを申し上げているわけで、これがだめだとか、こうしたらだめだとか、そんな細かいことを言っているつもりは全くございませんので。やはり共にやっていくことだというふうに思っていますし、今子ども・福祉部と教育委員会も来ていただいていますけれども、それぞれ対象者や起こることというのは違うかもしれませんし、子ども・福祉部においては、今の条例の範囲でできないことがあるというのはよく分かりますので、そのことが差別問題と密接に結びついたときにどうしますかということもこれから具体に考えていかなくちゃいけないわけですよね。そのきちんとした判断ができる力のある人を、特にやはり人権センターに置くべきだし、その人材の充実、人員配置の充実というのはこの条例においては最終的に行われるべきなのかなというふうに思います。よろしくお願いいたします。後は自分たちでやりたいと思います。

〇阿部人権監 私も、環境生活部も人権センター中心に相談を充実していかなければいけないということは十分承知しておりまして、そういう意味でこの質問の2ページの実務上の課題等についての(3)の人材の養成・確保というところで、相談員は、人権センターを想定していますけれども、コーディネート機能が求められるというのは、やはりそこで相談を受けたところで、どういうふうな体制でどういうふうな関係部局と連携しながらその解決をしていかなければいけないという部分の調整をしていかなければいけないなというのは十分承知しておりまして、まずそこを充実させていくことが必要なんだろうなと考えております。
  そういった形で、相談対応が充実してくれば、申立てのほうへかかったときも一定その相談の中でしっかりした取組がされているという前提があるのであれば、その相談の中で対応していただいた部局、中心になっていただいた部局というのがそのまま一貫して相談者に対応していったほうがいいんではないかというふうな考えで今回の提案をさせていただいている部分というのがございます。
  どうしても制度設計を考えていく中で、先ほど委員からも行政へ対応した場合はどうなるのかとか、イメージが何通りも出てくる中で、どういうふうな制度設計をしていくのが一番よいのかなというのを模索しているところでして、そんな中でこういうふうなことも考えられますけれども、まず委員の御意見としてはいかがなものかというのも聴かせていただきたい部分があると。

〇小島委員 恐らく今までの人権センターの位置づけとは大きく変わってくるんですね。もちろんいろいろなところとのコーディネートする力はもっと必要だと思うし、それだけではなくて人権センター自らが解決の主体になるということが今後求められてくる、そういう条例だというふうに私自身は思うわけです。だってそうですよね、どこかで解決できなければ誰が最後までやるんですかというと人権センターだと思うんです。なので、何かとりあえずそれだけではなくて、治す役割もその人権センターの中に持っていただきましょうねという意味かなと思っているので、コーディネート機能というふうに言ってしまうだけで果たしていいのかなという疑問もありますけれども、もうここまでにします。

〇北川委員長 残り10分余りになりますが、ほかに御質疑はいかがでしょうか。

〇中村委員 岡村課長の話が始まった時点で、1ページから説明されて、ちょっと期待したんですよね。このスケジュール感のところで、とにかくやっていくんだと。一番期待した言葉は、新体制をできるだけ速やかに開始できるようにという決意みたいなものが感じられたし、それからやはり執行部として実行していくのに課題は何なのか、相談体制、解決体制の実施、それから人材育成とかいろいろなこういうこともしていかないかんという強い決意を感じました。石田委員から財源はどうするのと一番大事なところの話も出ました。そういうことで、「やるよ」と言ったんですけれども、ずっと説明を聴いていくうちに、そんな思いはないんやと思うんですけれども、今まで1年半もやってきた我々からいうと、なんか後ろへ向いていくような感じがちょっとしたものですから。今確認しておきたいのは、部として自分のところが他の部署も引っ張り込んで、とにかく人権差別に対して、これは私のところはきちっとやるんですよという思いみたいなものがやはり伝わってこなかったものですから、その辺だけはあるんですよということを確認しておきたいなというふうに思うんですけれども、その辺をまず一番現場で回しておられるお二方に確認しておきたいんです。

〇岡村課長 後半の部分、そういう印象を与えてしまったことを、まずおわびしなくちゃいけないと思います。
  我々としましては、今の条例もそうですけれども、人権施策を推進していくいわゆる先導役としての立場をしっかり捉えておりますし、そのために最初に人権施策の説明をさせていただいたと思うんですけれども、各部に人権監を配置して人権は総合行政である、その中の主管は環境生活部であるという形でやらせていただいているつもりですので、ここの部分については、変わりはないというふうに考えております。

〇中村委員 だから今回のこの差別解消を目指す条例を作るに当たっての気合といいますか、決意みたいなものは部署としてあるんですよね。

〇岡村課長 もちろん作っていただいた条例を執行していくという立場ではありますけれども、当然そういうふうにかかわるべき状況が今社会にあるという認識の下、この条例を我々としても活用させていただきながら差別のない社会を作るというのが今までの基本路線ですので、それを実現させていただきたいというふうに考えています。

〇中村委員 ありがとうございます。時々大丈夫なのかなという感じになるときがあるものですから、ちょっと確認させていただきました。

〇北川委員長 ほかにいかがでしょうか。
   なければ、ちょっと実務的なことで確認させてください。
  条例の施行期日についてですけれども、子ども・福祉部のほうに、障がい者差別解消条例の施行のパターンというか、考え方をお聞かせいただけますか。できあがって、施行に至った流れですけれども。ぱっと出てきませんか。理念的な部分とか、仕組みの部分はいつからとか、いろいろあったと思うんですけれども。

〇松崎課長 実際、条例の施行期日は平成30年10月1日になっておりますが、相談員の設置とか紛争解決の取組の体制づくりにつきましては、平成31年4月1日からということで、施行期日をずらしていただいて体制を整えるような形をとっています。

〇北川委員長 議決はいつでしたか。

〇松崎課長 平成30年6月29日です。

〇北川委員長 平成30年6月29日に議決されて、平成30年10月1日から施行ですと。ただし最初の仕組みの部分については平成31年4月1日から。ですから全体は4か月後、それから仕組みの部分については10か月後、そういうことでいいですか。

〇松崎課長 はい。

〇北川委員長 ということを踏まえて、この施行期日についての考え方を、岡村課長、もし部としてあれば教えてください。

〇岡村課長 ここにも「できる限り」という形でさせていただいています。いわゆるプランという形でしますと、それを全てというふうにすると2年という期間を参考に置かせていただきましたが、この体制をまず動かしていくということが重要であるんであれば、そこは予算の話も出ましたけれども、予算、人事、そういう組織の部分がまとまる直近のところでいけるような形というのは考えられるなと思っています。
  なかなか期日的にいつというふうには、まず議決していただいた出発点から決まってくると思うんですけれども、議決いただいてからそういう体制が整う、その県のサイクルに合わせた形で施行できたらなというふうな意味で御回答のほうはさせていただきました。

〇北川委員長 ちょっと曖昧で分かりにくかったですけれども、例えばその条例の中の定義や基本理念やという部分、そういう部分については、議決後そう間を置かなくともできると。例えば、ちょっと相談体制は微妙ですけれども、少なくとも申立て以降の仕組みなんかについては、調査委員会等も設置が必要になりますから、それについては障がい者差別解消条例の流れからいくと10か月から1年ぐらい猶予があればできますよと、そういう理解でよろしいですか。

〇岡村課長 そういう意図でございます。

〇北川委員長 分かりました。
  それともう一つですね、条例の見直しですけれども、「必要があると認められるときに」ということで書いていただいています。これは法務のほうの話になるかも分かりませんけれども、水谷法務監、年数を決めて入れて、例えば5年の見直しと入れて5年がきて、必ず見直さないといけないものなんですか。それとも期日がきても見直さない場合も許される話になるんですか。

〇水谷政策法務監 期日を書いた場合に、例えばおおむね3年程度と書いて、見直した結果、何もしないということはあり得るとは思うんですが、見直しもしないということはやはり条例違反ということになるんではないかと思われます。

〇北川委員長 なるほど、見直して何もないということはありますよと、見直さないというのはだめとこういう……。

〇水谷政策法務監 そのように規定してあるのに、見直さないというのはちょっと抵触かと。

〇北川委員長 分かりました。
    残りもう一、二分ですが、どうしても質問、確認しておきたい方いらっしゃいませんか。よろしいですか。
  それでは執行部の皆さん、お疲れ様でございました。実務的なことの確認ということもありますけれども、一方で我々のいろいろな、今日まで積み重ねてきた思いもございますので、条例にはやはり文言と一緒に魂もありますので、その辺も十分酌み取っていただきながら今後も御協力いただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。

〔執行部 退室〕

〇北川委員長 次に、次回の委員会ですが、本日の執行部からの意見聴取を踏まえた上での条例案素案に関する委員間討議を行いたいと存じますが、日程等詳細については、この後の委員協議で御協議いただきたいと存じますので、御了承願います。
  本日御協議いただく事項は以上でございますが、特に何か御意見がございましたらお願いします。

           〔発言する者なし〕
 
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
差別解消を目指す条例検討調査特別委員長
北川 裕之

 

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