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令和3年12月21日 差別解消を目指す条例検討調査特別委員会 会議録

資料はこちら

差別解消を目指す条例検討調査特別委員会
会議録
(開会中)

開催年月日   令和3年12月21日(火曜日) 午後1時1分~午後3時49分
会  議     601特別委員会室
出 席    11名
              委  員  長   北川 裕之
              副委員長     山崎   博
              委        員    石垣 智矢
              委        員    小島 智子
              委        員   山内 道明
                        委        員    山本 里香
                        委        員    稲森 稔尚
                        委        員    藤田 宜三
                        委        員    石田 成生
                        委        員    東     豊
                        委        員   中村 進一
欠 席     なし
出席説明員    出席を求めず
事務局職    企画法務課政策法務監兼班長  水谷 憲司
委員会書記
               議事課       主幹 櫻井  彰
               企画法務課  主任 長谷川 智史
傍 聴 議 員      なし
県 政 記 者     なし
傍   聴   者     なし
調査事項
1 条例案中間案の検討について
 
【会議の経過とその結果】
 
〔開会の宣言〕
 
1 条例案中間案の検討について
〇北川委員長 本日は、条例案中間案について及び本委員会の活動計画の修正に関する委員間討議を行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、委員間討議に入ります。
 前回及び前々回の委員会での執行部意見及び関係団体・機関からの意見の対応についての委員間討議を踏まえ、正副委員長において条例案中間案のたたき台を取りまとめましたので、お手元に配付の資料1から5に基づいて、事務局から説明願います。

○水谷政策法務監 それでは、資料1から5について御説明させていただきますが、その前に資料の構成について御説明させていただきます。
 まず、資料1は今回、正副委員長のほうでまとめていただいた中間案でございます。
 資料2、このA4横型のものですが、こちらは条例案素案を基に執行部意見とか関係団体等の意見を踏まえて、主な変更点をまとめたものでございます。
 その後ろの資料3、1枚ものですが、これは今回の中間案の概要をポンチ絵にまとめたものでございまして、その後ろの資料4と資料5は、また後ほど御説明いたしますが、法務省と大阪府が作成した既存の資料でございます。
 それでは、資料1と資料2を御覧いただきながら、素案から中間案への変更点について御説明させていただきます。
 資料1は1ページ、資料2は1枚目を御覧ください。
 まず条例の題名ですが、関係団体・機関からの意見等がございました。条例の題名につきましては、まだペンディングであって、今後、津市からいただいた意見なども踏まえて、本日、委員間討議を行うということ、あるいは、その際に差別をなくすといった能動的な表現とするといったことについても、この趣旨に書いてございます。
 ちょっと戻りますが、資料1の書きぶりについても補足させていただきます。
 資料1を素案から中間案に変更するに当たって、前回素案のほうではこれまで条文のことを第1、第2というふうな表現をしておりましたが、こちらを条例の体裁にそろえて第何条、また第何項第何号というふうな呼び方に変えております。
 また素案のほうでは、趣旨等ということで、いろいろな課題、問題点などをまとめて書いておりましたが、今回の中間案では趣旨と解説に分けて、それぞれ今後、逐条解説になっていくような体裁にまとめております。
 あと、素案のほうでは、検討段階のもの、あるいは参考となる他県の条例などについても書いておりましたが、行く行くは逐条解説になるということで、そういった途中経過の検討段階の記述などは削ったところでございます。
 それではまた資料1、2のほうに戻らせていただいて、資料1は2ページの前文を御覧ください。
 幾つかの変更がございますので、まず御説明させていただきますと、前文の第1段落で、2行目の「いかなる事由による」、素案では「差別」となっておりましたが、「不当な差別」を定義しましたこともあり、この中間案のほうでは「不当な差別」というふうに修正しております。
 また第2段落で、「不当な差別の解消等の人権尊重に関する法整備」と言っておりましたのを「不当な差別の解消等を図るための人権尊重に関する法整備」ということで、条文として語感といいますか読みやすいような形の文言に修正させていただいております。
 また3ページですが、解説1で、「人権に関する諸条約」がどういうものかを例示していますし、その下の解説2では、「不当な差別の解消等を図るための人権尊重に関する法整備」についての例示を挙げております。
 解説3、「人権県宣言を決議」に関しても、原文を載せるなどしております。
 中間案の4ページ目ですけれども、解説4の2段落目に、前文の「人権侵害行為を行った者等が当該責任を負わなければならない」という記述があることについて、それは全ての責任を負うのではなくて、その人に起因する個別の差別なら差別とか、その人に係る人権問題の解決に係る責任を負うべきであるといった、第一義的にはその原因者等が負うべきであるというようなことで、誤読を避けるように念のためにこういった記述を加えております。
 続いて、資料2の5ページの第1条、目的についてでございます。
 こちらについては、関係団体・機関からの意見を受けまして、第1条の条文の中に「人権尊重に関し」の次に「基本理念を定め、及び」という文言を加えております。これは前回、関係団体からの意見への対応のところで、趣旨等について御説明させていただいたところでございます。
 次に、6ページ、第2条のところを御覧ください。
 第2条第3号、人権侵害行為の定義のところで、例示として、「いじめ、虐待、プライバシーの侵害、誹謗中傷」を加えておりまして、これも前回御説明いたしました執行部意見への対応ということでございます。それから、執行部意見への対応とか関係団体への対応については、前回、前々回で御説明したところですので、説明は簡潔にさせていただきたいと思います。
 続いて、同じ6ページの2「性的指向」、3「性自認」の解説を新たに追加しております。
 続いて、同じページの4、「社会的身分」の2段落目で、「門地」というのは、「人種等の属性」の例示としては挙げていない、早い時期の議論でもございましたけれども、「門地」というのは華族制度を想定したものなので、その人種等の属性の例示ではないといったことも議論がございましたので、それをこの解説のほうにも加えております。
 続きまして、7ページ、5「被差別部落の出身であること」に関しまして、関係団体からの御意見を踏まえまして、被差別部落の出身であることはあくまでも例示であって、「被差別部落に在住していること」や「祖先が出身であったこと」なども、「人種等の属性」に含まれることを記載しております。
 同じページの7「人権侵害行為」の例示として、後でも出てまいりますが、法務省資料などを参考に、ドメスティック・バイオレンスやパワー・ハラスメント、体罰についても例示に加えております。
 あとその下の2段落目ですけれども、具体的にどのようなものが人権侵害行為に当たるのかということについて、自由民主党からの会派意見を踏まえ、裁判例や法務省の人権侵犯事件調査手続での対応例などを踏まえることになるということを記載しております。
 ここで、資料4、5の御紹介をさせていただきたいと思います。
 資料4が法務省の人権侵犯事件の状況について、令和2年分についてまとめたものでございます。
 御覧いただきますと、人権侵害行為にどのようなものがあるのかということを見ていただけるかと思いますが、めくっていただいた2ページの2(1)プライバシー関係の事案、(2)暴行・虐待事案、(3)パワー・ハラスメント、(4)学校におけるいじめ、(5)住居・生活の安全関係、3ページにいって(6)でセクシュアル・ハラスメント、(7)で差別、(8)で体罰といったものが、法務省が人権侵犯事件と捉えているものを例示したものでございます。このほかに、右肩に別添1とあるページが、先ほど項目名を読みましたが、それぞれどのような具体例があるのかということが、この1ページ以降に幾つか載っております。
 また少し飛ばしていただいて、別添6の3ページの上のほうにインターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件というグラフがあるところですけれども、そこに事例1、事例2とインターネット上の人権侵犯事件の具体例が載っておりますし、別添7の最後のページを御覧いただきますと、こちらのほうは新型コロナウイルス感染症関係の人権侵犯事件の具体例が載ってございます。
 また、資料5を見ていただきますと、こちらは大阪府の作成した資料でございますが、下のほうに11ページとあります最初のページから裁判例について例示をしておりますし、あと下のほうで30ページとあるところに、先ほどの説明と重複しますが、法務省が人権侵犯事件と捉えているものが載っております。
資料はまた中間案に戻りますが、具体的にどのようなものが人権侵害行為に当たるかというと、こういった裁判例なり、あるいは法務省の人権侵犯事件の例などの事例の積み重ねをもって、判断していくことになるというふうになろうかと思います。
 資料1の8ページを御覧ください。
 8「権利利益」についての記載でございまして、こちらも執行部意見への対応で御説明しましたように、権利利益について一般的に障害者基本法や感染症対策条例などで用いられているものと同じで、名誉感情などや平穏に生活する利益などを指しているということを記載しております。
 続いて、9ページでございます。
 第3条、基本理念の柱書きのところに、2行目から「及び県民、事業者等が行う人権尊重に関する活動」という文言を加えております。これは、この基本理念の条文が、素案のほうでは先ほど読んだ前のところ、県の施策に関するものについて、その次に掲げる事項を基本理念として推進といったところで、県の施策についてだけ書いておったんですけれども、この後出てくる県民の責務とか事業者等の責務の中では「基本理念にのっとり」というふうな言葉が出てまいりますので、「基本理念にのっとり」という言葉を受けるものとして、県民や事業者が行う人権尊重に関する活動についても、以下この第1号から第7号までに掲げるような事項をもって推進されなければならない、その後、そういった理念に基づいてそれぞれ責務を果たしていく必要があるといったふうに、条文上の整合を取るためにこの文言を追加させていただいております。
 続いて、その下の第4条第1項のところでございます。
 素案ではこの第1項が「不当な差別その他の人権侵害行為」とあったんですけれども、これも人権侵害行為の定義を設けたことから、不当な差別もその一つの代表例であるということで、こういった「不当な差別をはじめとする」といった表現に形式的に修正させていただいております。
 その下の第4条第2項のところですが、人種等の属性について2か所ございますけれども、前は「当該属性」とあったのを「当該人種等の属性」というふうに技術的な修正をしておるところでございます。
 続いて、10ページでございます。
 2のところで、SDGsに関係して、この条例の基本理念の第7号「多様性が尊重され、誰一人取り残されることのない共生社会」というのが、SDGsを達成することにより目指す社会をイメージしたものであるということ等について記載してございます。この辺も委員間討議で御議論いただいたところを記載したものでございます。
 その後、3「不当な差別をはじめとする人権侵害行為」にドメスティック・バイオレンス、パワー・ハラスメント、体罰など、先ほど御説明したのと同じように加えております。
 続いて11ページ、第5条を御覧ください。
 第5条第2項の条文ですけれども、前の素案では、「関係部局等の間での連携の強化を図る」というふうな文言になっておったんですけれども、強化というと特定の時点のものからよりよくしていくというふうなことになるので、条文としては「関係部局等相互の緊密な連携を図る」といった形で、よりよい言い回しにするという整理をしております。
 続いて、第7条、13ページでございます。
 解説1「従業員その他の関係者」についての規定内容を追加しております。
 14ページ、第8条第1項の4行目から5行目ぐらいにかけて、特定電気通信役務提供者、プロバイダ等は基本理念にのっとりということで、他の事業者等と同じように基本理念にのっとってそれぞれ責務を果たしていただくということで、他の条文との横並びで「基本理念にのっとり」という言葉を追加しておりますのと、続いて、その右側15ページ、解説の2、3として、プロバイダ責任制限法の国の政府解釈に基づいて、それぞれ用語の解釈について記載してございます。
 続いて、18ページ、第11条でございます。
 条文の修正ですが、第11条第2項第3号で、素案では「体制の整備」となっておったんですけれども、この基本方針に書くべきは整備するというよりも整備されたもの、一旦整備したものについても見直していくようなことで、より広く体制に関することとしたほうがいいのではないかということで、「の整備」という言葉を削っております。その下の第5項「施策の実施状況」というふうになっておったんですけれども、人権施策という用語を別な条文で定義しておりますので、第5項でも「人権施策の実施状況」と修正しております。
 続きまして、第12条第1項で「その他の関係者」とありましたのを「その他の者」ということで広く修正いたしました。執行部意見への対応ということで御説明済みのものでございます。
 次の第2項第1号の「必要に応じて」という文言を加えることについても、前回御説明のものでございます。
 続いて、趣旨の2段落目の中ほどのなお書きのところですけれども、この第3項の規定の趣旨として、非正規職員の場合も想定されるので、守秘義務を規定しているという記述を追加しておりまして、これは障害者差別解消条例の逐条解説でも同じように書いているところでございます。
 以下、執行部意見への対応が続くんですけれども、20ページ、解説4の2段落目で、相談があったときの「必要な対応」にどのようなものが入って、丁寧な傾聴等が含まれる旨を書いております。3段落目では、これも大分御議論のありました関係者間の調整等を継続することが困難と判断される場合について、重ねて同様の対応を求めるものではないという前回御議論いただいた表現をここに書いております。
 次、解説の5「助言」、6「調査」、7「関係者間の調整」で、用語の解説を前回御確認いただいたような内容を書いてございます。
 あと、第13条、22ページ、申立ての除外事由として、「障害者差別解消条例の申立ての対象であるもの」を挙げるということに関して、第4項第4号についてペンディングとなっておりましたが、そこの部分については執行部意見でもって支障ない旨、子ども・福祉部からの回答がございましたので、その部分を解除したところでございます。
 ほか、資料2の番号でいきますと36番、37番、第13条関係の紛争解決体制を設ける趣旨につきましてと、あと「その他の関係者」の想定内容については、執行部意見への対応ということで、それぞれ記載しております。
 続いて、次の38番、23ページの解説2でございますが、申立ての対象となるものは不当な差別的言動を含む「不当な差別」とするといった、これまでの委員間討議での御議論を踏まえた内容を記載しております。
 その後、番号でいいますと39番以降が、「助言」の想定内容とか、「説示」、「あっせん」の想定内容について、それぞれ解説の欄に書いておりますのと、番号でいうと42番「相談を経てもその解決が期待できないと認められるとき」の考え方や、43番「正当な理由」の規定内容についても記載しております。
 あと、44番、法務省の人権侵犯事件の調査手続との関係性の整理、あと45番「行政不服審査法等の対象となるもの」を除外することなどについても解説のほうで記載しております。
 また、46番についても、「障害者差別解消条例の対象となるもの」から外れてくるものは、本条例の対象となるといったことを解説の10番で記載しております。
 あと、47番、26から27ページでございます。
 条文の修正でございますけれども、申立てがあったときの助言・説示・あっせんを誰にするかという対象、相手方がこれまでなかったので、条文として2行目ぐらいに「申立てがあったときは」の次に、「当該申立てをした者、相手方その他の関係人に対し」といった文言を追加しておりまして、その考え方についても解説3に記載してございます。
 続いて、資料2の6ページ、ずっと執行部意見とか関係団体からの意見への対応が続きますので、一旦御説明させていただいた内容が反映されておるものでございます。
 あと事務的な整理の部分について補足させていただきますと、資料2の7ページ、58番、第17条、中間案でいきますと31ページ目でございますけれども、解説3「公表の手段について」、ウェブサイトへの掲載などを書いているほか、市町等の関係者に対する個別伝達というのは、公表とは異なるけれども、そういったものも望まれるということで、公表に合わせて個別伝達が望まれるといった記載をしています。これも前に御説明させていただいたところかと思います。
 あと続きまして、解説4の「必要な事項」は、障害者差別条例の施行規則の内容を参考に、公表する必要な事項を挙げております。
 以下、また執行部への対応が続きますが、続いて、資料2の64番目でございます。資料1、中間案でいくと35ページ、事務的な整理としまして、第19条の解説3は、この人権教育や人権啓発というのが、例えば「ヘルプマークの普及運動など、県民等が能動的に取り組む「運動」的な要素を持つ人権教育・人権啓発が行われることも期待されます」といった、この辺も委員間討議で御意見がございました内容をこちらのほうに反映しております。
 資料2の8ページ、最後のページを御覧ください。
 中間案は41ページの第25条を御覧ください。
 三重県人権施策審議会に関する規定ですけれども、この資料2の71番にございますように、調整委員会の設置規定と表現ぶりを合わせること、あるいは他の県条例との横並びも鑑みまして、第1項で「調査審議するため」の後ろに「知事の附属機関として」というフレーズを加えますのと、あと「設置する」ではなしに「置く」といった表現に修正しております。
 あと最後、附則に関してでございますが、中間案の45ページを御覧ください。
 施行期日は公布の日として、人権問題解消のための体制整備については令和5年4月1日からするといったところは、前回執行部意見への対応のところで御意見をいただいたところでございますが、その次の第2項は準備行為という条文でして、第2項において、この第3章の紛争解決体制の整備に関する規定については、委員の選任など令和5年4月1日よりも前に準備が必要なものについては、施行日前にもできるという規定を置いております。
 続きまして、附則第3項は現行の人権施策基本方針を新条例に基づく人権施策基本方針とみなすことによって、人権施策の実施に当たって切れ目ない対応ができるようにということで、条文を置いております。
 続いて、中間案の46ページです。
 附則第4項は、助言、説示、あっせんにつきまして、条例が公布の日に施行されてから、紛争解決体制が施行される令和5年3月31日までの間に申立期間が過ぎた場合には、その下の図にございますように、特例期間ということで6か月間については行為から3年という期間が過ぎても、特例的に申立てができるという、これも条例施行に当たっての例外的な経過措置ということを規定しております。あと、第5項は「審議会の委員に関する経過措置」ということで、既存条例での審議会の委員が新条例による審議会の委員に任命されたものとみなすというふうな規定を置いております。
 あと第6項、4年ごとに見直しというのは、前回の委員間討議で御議論いただいたような条文を書いてございます。
 説明が長くなりましたが、素案から中間案の変更点については以上でございます。

○北川委員長 説明ありがとうございました。
 項目がたくさんありましたけれども、執行部意見への対応や関係団体・機関の意見への対応については、前回、前々回で委員間討議をしていただいていますので、そこで決めていただいた内容を盛り込んであるということと、改めて事務的な文言整理を事務局のほうでさせていただきました。ちょっと数が多いですけれども合計77か所を変更させていただいて、この中間案をつくらせていただいたという形になってございます。
 この後、質問、御意見を頂戴するわけですけれども、前々から題名と前文については、最後にもう一回戻ってきましょうという話をしておりましたので、それはこの後にさせていただいて、まず今、変更点を盛り込んだ素案からこの中間案のたたき台ができたものについての御意見を頂戴したいと思います。
 また、念のためですけれども、この後、年末年始も含めて会派に持ち帰って、御議論もいただいて集約するという過程もございますので、今日全て出し尽くしていただかんといかんということでもありません。ただ、これは出しておかないかんなという思いのあるところがあったら、先に出しておいていただければと思いますので、この中間案のたたき台に御質問、御意見等がありましたら、お願いいたします。題名と前文以外の本文のところで。

○小島委員 どうしても前文と関わってきてしまうんですけれども、第1条、目的のところです。執行部意見云々ということではないところでも大丈夫ですか。

○北川委員長 はい、それは構いません。

○小島委員 「この条例は」とずっと続いていて、最後、後ろから2行目「もって誰もが不当な差別その他の人権侵害行為を行うことのない」、これは多分、石田委員が前回言われて、私もそのときそうだなと思ったんですが、前文にもそのような書き方がしてあって、ただ前文には、行為者と行為を行われた人と、でも周りの社会の側にも課題があるということも書かれていて、そういう考え方がある一方、この目的を、これ「もって」と最後、本当に大きな目的だと思うんですけれども、「誰もが不当な差別その他の人権侵害行為を行うことのない」と行為者がいないということだけに限定するのは、この差別の問題の捉えとしては逆に狭くなっちゃっているんじゃないかなという気がするんです。
 ですので、やはり、もって不当な差別その他の、例えば人権侵害行為がないという言い方をするかどうかは分かりませんが、行為者、非行為者、周りの人たちをみんな含んだ言い方にもう少し大きく捉えられるような文面にしたほうがいいのではないかなと思います。同じ文章が前文にもありますので、同じやと思いますが、ここはもうちょっと広く変えたほうがいいなというふうに改めて読んで考えるんですが、いかがでしょうか。

○北川委員長 広くとおっしゃると、例えばどんな。

○小島委員 「誰もが」をなくして、もって不当な差別その他の、だから人権侵害行為がないという言い方をするかどうかが分からないので、差別のないという言い方はしますけれども、不当な人権侵害行為がないという言い方ってあまり見たことがないなと思って。どういう文章がいいかというのは難しいですけれども、これだと行為者がいないということだけに限定されてしまう。それは少し狭過ぎるというふうに思います。

○北川委員長 題名と前文と言ってしまいましたけれども、一応前文に係ることなので、もう全体で、題名だけは最後に残してもらっておいて、前文も含めて御議論いただきたいと思いますが、今、目的の第1条の4行目の「もって誰もが不当な差別その他の人権侵害行為を行うことのない」という部分について、行為者に限定される表現になってしまうよりは、もう少し幅広い表現のほうがいいということ。

○小島委員 傍観者は駄目だという話も、散々この中でも山内委員がよく言われていて、だからする人がいなかったら差別は起こらへんのやで、誰もが差別をしやんだらいいんですけれども、でも実際あるわけで、だから社会全体として解決していくことが必要だというふうに前文に書いてあるので、私はこの理念はすごく大事だというふうに思うんです。下から2段落目のところに「不当な差別その他の人権問題の多くは、社会構造の中で生じており、社会として解決していくことが必要である」、この考え方をずっと議論してきたわけなので、行為者だけではなく非行為者と、何というか、この両方の人たちの利害関係の中だけで解決するのではなくて、やはり社会の側にもその責任があるのではないか、空気感をつくっているとかいうのもそうかもしれませんし、そのあたりも含んでいくと、前文の下から3行目もそうです。一緒です。誰もがこうこうこういうことを行うことのないと書いてあるんだけれども、こうやって限定してしまっていいかなという疑問が、もう一回読んだときにあります。だから、この前文の書きぶりと、この目的の書きぶりは一致しているので、前をもう少し幅広にというのだったら、この後ろの目的も文章としては書き直すべきじゃないかなというふうに思います。

○山本委員 同意見です。広くというときに、ここでも散々話をした侵害行為を行わず、許さないという、社会が許さない、私たちは許さない、そういったものを許さないという能動的なものが必要なんではないかなというふうに思います。

○北川委員長 ほかの委員の皆さん、いかがでしょうか。

○稲森委員 やはり社会構造の中でもそうなんですけれども、現に差別や人権侵害の矢面に立たされている人がいる中で、まず受けることはないという前の議論の中で外れていったのかもしれないんですけれども、受けることのないとかも大事かなというふうに思いましたし、やはり社会として許さないということも大事かなと、行うこともないということも大事かなというのを、うまく言えないですけれども、差別を受けることがないというのって何か議論の経緯で外れていったんでしたっけ。

○北川委員長 もともとは差別を受けることのないという表現になっていたと思うんです。たしか石田委員から、そういう行為をせっかく禁止にもするわけですから、行わせないというか、行わないということが大事だということで、一旦この部分については「行うことのない」という表現に条文を変えたと思うんです。どちらが先だったか分かりませんけれども、対のものなので前文も同じ表現になっていると。ただし前文については、その手前に差別を許さないという表現はあるわけですけれども、そういう議論の経過で、受けることのないというのは、行うことのないという表現に変えさせてさせていただいたと記憶しています。

○稲森委員 それも含めて両方かぶせてもいいような気もしますし、そういう社会構造としてどうしていくかということも含めて、何か列挙してみてもいいんじゃないかなと思いました。

○北川委員長 ほかの皆さんはいかがでしょうか。

○山内委員 稲森委員の意見とちょっと違う角度になってしまうかもしれないんですけれども、小島委員の意見を受けて、私も同じことを実は感じているところもありまして、資料6、条例の題名のところにも、候補(案)で5点掲げていただいていて、「誰もが」というのが(5)で出てくるものがあって、これを考えていたときに、「誰もが」という言葉があることでいいこととして、自分自身が差別を受けない、しないのも当然なんですけれども、誰もが差別をする側にも、差別を受ける側にもなり得るということで、当事者意識が高まるという意味では、「誰もが」という言葉はあったほうがいいのかなというのを考えながら思っていたんですけれども、ただ、ここの文章でいくと、小島委員が言われたように「誰もが」って言葉があることによって、社会的な要素が少し狭まってしまうという感覚も同じことを考えています。何かそれを解消できないかなと考えているところもあったんですけれども、どうするといいのかなという感覚は、同じことを私も考えておったんですけれども、例えばその後の「人権が尊重される社会の実現」の「社会」というのは、「もって誰もが不当な差別その他の人権侵害行為を行うことのない」社会、ここも社会にかかっていると見ていいんですか。

○水谷政策法務監 おっしゃるとおりで、行うことのない社会、尊重される社会が、いずれもが社会にかかっていると思います。

○山内委員 ありがとうございます。ちょっとよく分からないんですけれども、今、政策法務監が言われたように、人権侵害行為を行うことのない社会、人権が尊重される社会、社会をもう一つ手前に持ってくることで、小島委員のおっしゃる広い意味での捉え方がもしできるのならば、そういうのもありかなとか、そんなことは考えておったんですが、ごめんなさい、答えになっておりませんが。

○北川委員長 このことについて、第1条の目的なので、入り口の一番大事なところなので、もう少し御意見、あるいは具体的な表現も含めて、頂けるとありがたいですが。

○藤田委員 今おっしゃった内容というのは私も同感なので、表現については委員長にお任せして、いろいろ考えていただいたほうがいいのかなというふうに思います。
 趣旨は、やはりする側、される側、容認する側といろいろな視点があって、そんなことも含めて社会としてなくしていこうというのは、お集まりの委員は同じような思いだと思いますので、その表現の方法について御検討いただくということでいかがですか。

○北川委員長 この議論のきっかけのところで、石田委員はいかがですか。ごめんなさい、指名させてもらって。お聞きしておかんと分からへん、やはり。

○石田委員 皆さん、全然違うことを言っているんじゃなくて、一緒のことをおっしゃっていると思うので、それをどう文章に表すかだと思うんです。
 私が思うのは、この目的、第1条の最後の段で「人権が尊重される社会の実現」、これでもう全部実は含んでいると思っていて、その中でこの「人権が尊重される社会の実現」は、する側、される側、それから周囲も全部含んでいる話だと思っているんです、最後のこの一文で。ただ、その中で特出しするのは、特に我がこととして、自分がしないというのを強調するためにその前の一文がついていると思っているんです。ですから、私はこれでいいと思っているんですけれども。

○北川委員長 このことについて、ほかに御意見がなければ。

○石垣委員 以前に私も、誰もが不当な差別というのは、しないということと、させないということと、そして許さないということ、この三つが非常に重要なのかなというお話もさせていただいた中で、恐らくこの「人権侵害行為を行うことのない」ということは、まさしくしないという部分だと思っています。この文章は、私は非常に重要だというふうにも思っておりますが、恐らく小島委員、またほかの皆さんが言うように、ここの部分をさせないことと、またそれを絶対許さないんだというところも目的に書くべきなのかなというふうな意味合いに取らせていただきまして、まさしく皆さんがおっしゃるとおりだなというふうにも思っております。
 文章としては、そういう意味では付け加えるというような形が一番いいのかなと。代わりになる言葉というよりかは、何かこう付け加えていただくようなことがいいのかなというところまでは自分でも考えたんですが、その後の文章というのはなかなか考えられていないので、委員長、副委員長に一任させていただくような形で、ぜひお願いさせていただきたい。自分としては、その3点が非常に目的の中でも重要だなというふうな思いがありましたので、お話をさせていただいた次第です。

○石田委員 趣旨は変わりませんので、盛っていただくことには何も反対もしませんので、お任せします。

○北川委員長 では、少し早いですけれども、換気休憩を取らせていただこうと思いますので、暫時休憩いたします。再開を午後2時5分とさせていただきます。

(休  憩)

○北川委員長 休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
 先ほどの目的、第1条のところの後半の部分、「もって」以下の部分ですけれども、2案考えましたので、御議論いただければと思います。
 一つは、複数の方が言われていたようにミックス型です。行うことも受けることもということで、「誰もが不当な差別その他の人権侵害行為を行うことも受けることもない、人権が尊重される社会の実現を図ることを目的とする」という案と、もう一つは、そういう加害被害の人権侵害行為の部分ではなくて、もう少し全体を含んだ形でということで、「もって不当な差別その他の人権問題のない人権が尊重される社会の実現を図ることを目的とする」、こういう2案を事務局ベースでつくらせていただきました。
 一つは、「行うことも受けることもない」、もう一つは、「不当な差別その他の人権問題のない」という表現ですけれども、いかがでしょうか。

○藤田委員 先ほど問題になっておりました行うこと、受けることで、見過ごすということも入るのではないかというニュアンスで、私は受け取ったんですけれども、そこまで並立でやれと言われたら、行うことも受けることも見過ごすこともないというところまで行かんとあかんのと違うかなと思うんですが。

○北川委員長 受けることのないというのは、ある意味、そこの部分も含むとも考えられますけれども、より明確にするという意味では、そういう考え方もできますけれども、もう標語のようになりますけれども。

○東委員 ここまで来たら三つとも入れたらいいじゃないですか。さっき石垣委員が言ったみたいに。より明確です。

○中村委員 2番はちょっと幅広になったような感じはするけれども、ちょっと分かりにくい。やはり1番やったら一般の県民の皆さんに分かりやすいし、さっきの傍観者的なところを入れるというのはすごく大事なんじゃないかなと。行う、受ける以外に、やはり傍観が物すごく多いんじゃないかなと藤田委員の話を聞いて思いました。

○北川委員長 条文的にどうかというところはあるので、そういう御意思やと思いますので、そこは文言整理をさせていただかなきゃいけませんけれども、基本的に行うことがないこと、それから傍観することがないこと、それから、そうした差別をはじめとする人権侵害行為を受けることがないという三つのないということを並べるということで、整理させてもらってもいいですか。どうでしょう。条文的には、並びを変えたほうがいいという事務局の意見もあって、人権侵害行為を行うこと、受けること及び傍観することのないという並びが事務局的にはどうかということですけれども。

○石田委員 その並びの順番、ちょっと違和感があって、差別行為をする人がいるでしょう。それで、差別行為を受ける人がおりますよね。それを取り巻く社会があって、罪深いのはする人で、その次に周囲がそれを傍観するので、受ける人には何も本来非がないのかなと。だって、する人と周囲が理解すれば、受ける人は自動的になくなるので、順番は、行為をしないと、傍観が2番目に来て、それによって受ける人がなくなるのかなと。

○北川委員長 行うこと、傍観すること、そして受けることのないと言ったほうが分かりやすいような気がするけれども。

○山本委員 私は、大前提は差別を受けない社会で、受けない社会をつくるためには、差別をしない、傍観しない、許さないと。何というか、今これは救済を含めて、差別のない社会とはどんな社会なんかと、一番困っているのは差別を受けた人が困っているということを考えたら、差別を受けない、そのためには差別をしない、そして傍観しないということで、主体というか禁止するということではなくて、主体をやはり差別されているところに持ってくるというイメージを、その並びも分かるし、でもこういう並びもあるなというふうに思いました。差別されないということが大前提だっていうふうに思ったので、そこのところをみんなでまた考えたいと思います。

○稲森委員 その傍観というニュアンスを、例えばですけれども、人権が尊重される社会づくりの中で差別を許さないということで、周りにいる人も含めてここへ含めるのも一つなんかなと思ったんですけれども。受けない、行うことのないということに加えて、差別を許さない、人権が尊重される社会の実現というところに、そういう傍観という意味合いもかかってくるのかなというふうに。

○北川委員長 傍観ということの表現を、許さないという言葉で表現するという意味合いですね。
 目的のところは前段がありますので、あくまでも「もって」とあるので、ここで実現される社会というか、結果をここに書いている形なので、どの方の御意見も正解であって、見る角度というか、どこに力点を置くかというところになるのかなと思います。

○石垣委員 私が思う三つというのは、行わない、受けない、そしてそれをということではなくて、まず主体が自分自身、それぞれ一人ひとりがまず人権侵害行為を行わないということと、またそれを他者にも人権侵害行為をさせないというところと、三つ目がたとえ人権侵害行為が今現在あるという状況の中で、あったときにはそれを許さないという、そういう三つの視点なのかなというふうに自分自身でも思っておりまして、1点目の二つ、正副委員長がお示しをいただいた中で、一つ目がすごくいいなと思うんですが、その一つ目の中でも、行うことも受けることもないという、この受けることもないというところに私は違和感をすごく覚えているので、受けない社会づくりのためには、自分が行わない、そして他者にも行わせないという、そして、たとえあったとしてもそれを許さないという、この三つの観点が大事なのかなというふうに思うと、受けることもないというところがどうも自分の中でしっくり来ないというところがあるので、ぜひ皆さんの意見ももうちょっと伺いたいなというふうに思います。

○山内委員 石垣委員の御意見、しない、させない、許さない、に賛同するところであと一つ、小島委員のおっしゃる社会、狭義の意味にならないようにという意味では、この社会の実現とあるんですけれども、社会が変わっていかなければならないという意味があると思うんです。今の社会構造を変えていかなければならない、差別を生まないためにというところと、もう一つは、石垣委員がさっきおっしゃったけれども、実際は差別がどうしてもあるところを今回解消していこうということなので、解消するためにも社会が後押しをしていく、そういった社会に変わっていかなければいけないということなので、構造的に発生させない社会に変わっていくということと、あと発生した場合には、被差別者を応援していくというか支援していく社会になっていかなければならない、二面性の変革があると思うんです。ですので、ここで社会の実現ですと言ってしまうと、なかなかそこまで思いが至らないのかなと。ただ社会の変革とかと書いてしまうと、あまりにも言葉が強いかなという意味合いを思っているんです。
 私個人の思いですけれども、SDGsという言葉を出させていただいていて、それを共生社会とか誰一人取り残さないという文言で表現していただいていて大変ありがたいんですけれども、もう一つ、それだけではなくて、あくまでも持続可能な開発目標と、開発というところが一つ大事かなというところを考えると、そういった社会の実現並びにその開発とか、これ実現と開発が逆なので、社会の開発を目指して実現を図るとか、何か変革という言葉が強いのであれば、SDGsからの言葉を取って開発という、社会の開発を進めていくみたいな言葉があってもいいのかなというのを少し思っておったんですけれども。

○北川委員長 委員長として個人的な意見をちょっと言わせていただくと、いろいろな意見を今聞かせていただいて、どの方の御意見もそのとおりのことばかりで、それを全て網羅できたら一番いいと思うんですけれども、なかなか限られた行数の中で、どう表現するかということになると思うんです。我々が求めてきたものは、やはり誰一人差別される人がいない社会というのが、もう最終的な結果目標という考え方があって、その手前の行為をする人をつくらないとか、傍観する人をつくらないとかいう部分というのは、結果というよりはどちらかというと、その手段というか手前の部分という思いがあって、だからこそ、この後の基本理念以降でいろいろな手だてをつくりました。相談体制から、なかなか言うことを聞いてくれなかったら申立てによって助言や勧告もしましょうと、これは手段の部分で、啓発教育も含めてですけれども、加害者をつくらなかったり、あるいは差別意識がある人の気持ちを変えてもらったりとか、その行為をやめてもらったりとかいう手段をやるわけですよね。最終的な結果としては、やはり差別を受ける人がいなくて、何のプレッシャーもなく自己実現を誰もができるという社会が最終目標なのかなと思うと、そこの最終目標の部分だけを「もって」以下で書けばいいのかなと。手段はあくまでもその手前の施策や手法であって、結果論がここにあればいいのかなという意味では、単純に、もともと差別を受けることのないということで、シンプルに元の考え方でいいのかなというふうには個人的には思っていたところはあります。
 しかし、もう少しやはりいろいろな思いを含んだ表現のほうがいいということであれば、ちょっと時間をいただいてつくり込みをしないと、皆さんの意見を全部盛り込むというのは、なかなか難しいかなというのは正直、今思っています。

○東委員 今、委員長の御発言を聞きながら思ったんですが、確かにそのとおりで、「もって誰もが不当な差別その他の人権侵害行為のない」と、「行う」というのを外しちゃったら、受動もどうもないわけで、これそのものがない、人権が尊重される社会の実現を図るとしたら、委員長の思いが実現しないのかなと思ったりしました。「行う」とするから、行う側と受ける側が発生するのであって、周りも発生するので。

○小島委員 私もそう思います。その三つの事柄とかをきちんと書き込むのであれば、私は前文にそれを書けばいいと思うんです。前文にそこをきちんと落とし込んでおけば、目的のほうに何とかの「ない」で、それはこういう意味が含まれているというふうに読み取れる。テクニック的にそういう読み取りができるのかどうかはよく分かりませんが、前文にちゃんと考え方を書けば、後ろは「ない」で統一しても構わないと思うんです。前文のほうが文章としては書きやすいじゃないですかね。目的に長く書くのはちょっと。

○北川委員長 今、東委員の表現ですと、その前に提案したうちの一つにも似通っている部分あるんですが、誰もがという主語は外させていただいて、「もって不当な差別その他の人権侵害行為のない人権が尊重される社会の実現」とすると。

○藤田委員 もっと短くしたらいいんとちゃいます、今の話。要は、「もって不当な差別のない、人権が尊重される社会」と。もって、結果として不当な差別のない、人権が尊重される社会の実現を図ることが目的です。そこまで削ってもいいんとちゃいます。削るんだったら。
 で、委員長が言われたように、その後に何をこんなふうにしてこうやっていくんですよということを我々が具体的に書き込むわけだし、先ほど小島委員がおっしゃったように、詳しく書くのであれば前文にもう少し書き込んでおくということで、目的のところは委員長がおっしゃったようにシンプルにしたほうが。

○北川委員長 もって不当な差別のない、と削ぎ落としてしまうという御意見もありますが。
 事務局から、不当な差別とそれを包含する人権問題と二つの構築になっているので、差別と人権問題というのを両方入れてほしいということなので、「不当な差別その他の人権問題のない」、これさっき再開後に言わせてもらった内容なんですけれども、「もって不当な差別その他の人権問題のない」という表現はどうですかということですが。

          〔発言する者なし〕

○北川委員長 一旦その案にさせていただきましょうか。時間もあれですので。また当然、会派意見もありますので、出していただければと思いますが、現段階でその案にさせていただいてよろしゅうございますか。

          〔「はい」の声あり〕

○北川委員長 ほかに、題名以外で御意見はいかがでしょうか。

○中村委員 前文で、ちょっと感想というか感じたところ。
 3段落目なんですけれども、「三重県においては、不当な差別」云々のところですけれども、「先人たちの努力により、県民の間において人権を大切にする意識が醸成されてきた」とか、「県においても人権が尊重される社会の実現に関する施策に積極的に取り組んできた」とか、何か一生懸命やってきたみたいなイメージがあるんですけれども、それだけ一生懸命やってきたら、こうやって一生懸命条例をつくる議論もないのかなというふうに思いますので、やってきたというよりか、やられていないからつくっているので、その辺ちょっと文章を整理してもらったらいいかなというふうに思います。
 ということで、書き直しというか、少し思ったんですが、先人たちの努力というか、先人たちが不当な差別をはじめとする人権問題の解消に向け取り組んできたことによりということで、さらっといってもらって、「県民の間において人権を大切にする意識が醸成されてきた」と、これはいいんですけれども、こうした中で、三重県議会は全国に先駆けて人権宣言を決議した、これも事実なので、次は「県においても」、ここは「人権が尊重され社会の実現に関する施策に取り組んできた」ということで、何か積極的に取り組んできたというよりか、さらっとやってきたというふうに、施策に取り組んできたぐらいにしておいたらどうかなということを感じましたので、議論していただきたいと思います。

○北川委員長 3段落目の「三重県においては」のところの5行のところですね。もう一回、文章を言っていただけますか。

○中村委員 「先人たち」のところからでよろしいですか。

○北川委員長 三重県。

○中村委員 三重県においては、先人たちが不当な差別をはじめとする人権問題の解消に向け取り組んできたことにより、県民の間において、人権を大切にする意識が醸成されてきた。こうした中、三重県議会では平成2年に全国に先駆けて人権県宣言を決議し、県においても人権が尊重される社会の実現に関する施策に取り組んできた。
 別に中身を変えているわけじゃないですけど、ちょっと威張り過ぎという感じが。

○北川委員長 もうちょっとさらっと。努力とか積極的というのを入れずに、さらっと書いたほうがいいという御意見ですね。

○稲森委員 全体としてくどくて、もうちょっと平易な言葉で中学生、高校生が見ても読めるような内容を、例えばですます調にするとか、何とかのその他とかも、条文の関係上載せているんでしょうけれども、そういうのを取っ払って、もうちょっと分かりやすい文章にしたほうがいいと思います。
 1個気になるのは、ここにるる国の法整備について掲げられているところなんですけれども、どちらかというと、地方自治体のほうが人権に関する条例制定とかが一歩進んでいるように僕は思っていて、国連機関とか自由権規約委員会とかから、やはり日本政府の対応というのは包括的な人権の法整備がないということを再三勧告を受けているわけで、やはりそういうことを考えると、県でこういうことをやってきたということを中心に書いたほうが僕はいいんじゃないかというふうに思います。
 日本政府が国連機関や条約機関から言われている、勧告を受けているような事柄というのは、どういうことがあるのかということも、この委員会で情報共有ぐらいしておいたほうがいいんじゃないかなというふうに思います。何か日本政府の今の置かれている立ち位置というのを国際人権という視点から。

○北川委員長 分かりやすい文章にということ、いわゆるですます調の話については、以前議論をさせていただいて、差別に関わる重要な条例ということもあって、ですます調じゃない形で表現したいということで、正副委員長からは決めさせていただいたんですけれども。ですますよりも中身の問題かなとは思いますけれども、中身のことについて申し上げると、確かに順番は条約で、国の法律、そして県の取組と、こうなっていますけれども、別に上からという意図ではなくて、ここはやはり条約があって、それに基づいて人権三法もつくられて、その流れの中で我々、今また一つの条例をつくろうとしているという、ステップとしての表現という形で、こう順番にさせていただいているというところも少し御理解はいただきたいなというふうには思います。
 中学生にも分かる表現でというのはよく言われることなので、少し堅いという印象はあるかも分かりませんけれども。

○稲森委員 数が多くて、「その他」とか、「関する」とか、気になるんですけれども。

○北川委員長 このあたりは、事務局で法律、条例の慣例的な言い回しを使っているというところがあるので、どこまでどうか。少し表現を柔らかくすることができる部分は、事務局とも相談して詰めたいと思います。今、どこをどんなふうにというのは申し上げられませんけれども、少し柔らかい印象になるような努力はしてみたいと思いますが、よろしいですか。

○山内委員 1点、中村委員の御意見でちょっと気になったんですけれども、「努力」という言葉と「積極的」という言葉を抜いていただいた。「積極的」は抜いていいかなと思うんですけれども、この「努力」は、先人たちの努力なんですけれども、先人というのは恐らく被差別者を指すのかなと。その人たちが、差別解消に向けて努力してきたことを指すのかなと考えると、ひょっとしたら努力を抜くのはどうなのかなという思いがあったものですから、そこだけ少し気にはなったんですけれども。そこを言わんとしているのか、その先人を指すのが何かなと。

○北川委員長 事務局、これは、もともと先人の意味ってどこまでどんなふうに含んでいる考え方なんですか。
 小島委員から上田音市さんの話とか、そういう具体名もあったんですけれども、それを先人に言い換えたという形になっているということですね。

○稲森委員 国の法整備のことを言ったんですけれども、国の法整備についても、やはりこういう地方自治体なりから声が上がってきて、国を動かして人権三法なりができてきたという順番があると思うので、地方自治体の条例を、私たちが地方自治の本旨に誇りを持って条例をつくるのであれば、今、山内委員がおっしゃったところも大事にしながら、順番とかも考えていく必要があるんじゃないかなと思いました。

○北川委員長 少しその辺も考えてみます。
 ただ、法律の中には、地方公共団体の取組についても言及されているので、そういう流れをちょっと大事にさせていただいたということなので、言われることも分かりますので、必ずしもこの順番でないと、ということもあるかも分かりませんので、少し検討させていただきます。
 先ほどの3段落目のところについて、「積極的」というところを外させていただきましょうか。ということでいいですか。
 それと、目的をシンプルにした分だけ、この5段落目、6段落目の書きぶりをどうしようかというところはあるんですけれども、小島委員から指摘のあった下から2行目の「行うことのない」の部分も関連しますので、いかがいたしましょうか。
 6段落目のところだけ先に整理しておきましょうか。その手前に「あらゆる不当な差別その他の人権侵害行為を許さないと改めて宣言する」ということで、ここに一旦「許さない」という言葉は出てきますが、その後も「誰もが不当な差別その他の人権侵害行為を行うことのない、人権が尊重される社会を実現する」、この文言は元の目的案と同じ文言になっていますが、目的のほうは「不当な差別その他の人権問題のない人権が尊重される社会」というふうに変えました。
 そこの行うことのないとか、受けることのないだとか、傍観することがないだとか、差別を許さないということも含めてですが、そういう表現を前文に書くんだったら書けばいいよねというお話だったと思いますが、いかがしましょうか。

○石垣委員 私がその目的の部分でお話させていただいたことに関しては、前文のほうに記載されているからこそ、目的のほうに入れるべきだという、そういう観点でお話させていただいていたので、前文のところに、それこそ4段落目、5段落目の部分から「人権侵害行為を受けたもの等にその解決に係る責任がないことは当然」であるということで、受けることのないということに関しては、目的には入れる必要がないんじゃないかというような思いは、この部分には入っていると思いますし、「社会として解決していくことが必要」であって、「不当な差別その他の人権問題の解消に向けて一人一人が取り組んでいかなければならない」、社会側のほうが変わる必要があるという文章も、この前文には入っているというふうな考えからいくと、私は前文に関しては、この形でよろしいんじゃないのかなというふうに思っております。

○北川委員長 3ページにありますように、6段落目は、5段落目までに書いていただいた内容を踏まえ、「あらゆる不当な差別その他の人権侵害行為を許さないことを宣言した上で、条例制定に向けた決意を述べています」という段落になっています。ということも踏まえて、どういう表現がいいですか。事務局的には、ここは目的の表現と一緒のほうがきれいだということだと思うんですけれども、それに合わせていくというか、もう少し踏み込んだ表現を残しておくかというところになります。
 目的はさっき、「もって不当な差別その他の人権問題のない、人権が尊重される社会の実現を図ることを目的とする」というふうにさせてもらいましたね、たしか。幅広く取るのに、人権問題。その前段も人権問題を使っていますので、もうさらりと合わせておきますか。
 あるいは逆にこのまま「行うことのない」という表現で使っておくか。あるいは、上には差別を許さないという表現があるので、行うことも受けることもないというふうに書き加えるか。

○藤田委員 やはり、先ほどの議論に行き着くのではないかなというふうに思いますけれども、行うことのないという限定的な表現を入れるんであれば、傍観者のない、傍観しないというようなことも入れる必要があるような気がしますので、事務局のおっしゃった、きれいな方法のほうがいいのかな、人権問題のないという表現のほうがいいのかなというふうに思います。

○北川委員長 目的と合わせるということ。

○藤田委員 合わせるという。
 意見は分かれるのかなというふうに思いますけれども、この行為を行うことのないということであれば、受けないというのと傍観しないというような表現も付け加えないと、ちょっと整合性がないんとちゃうかなというふうに思いますけれども。

○小島委員 稲森委員の言ったことと関係するんですけれども、どんな社会がいいんだろうということを、もうその前段で書いてあるわけですよね。「あらゆる不当な差別その他の人権侵害行為を許さないと改めて宣言する」わけですよね。で、私たちはそれを許さないよということはもう宣言すると書いてあるんですよ。で、こうこうこんな社会を実現することを目指していこうと決意して、この条例を制定すると言っているので、何かもうその宣言の後に不当な差別とか人権侵害行為と改めて要るのかなと思うんです。例えば一人ひとりがその存在を認められるとか、生き生きと生きられるとか、そういう社会なんじゃないかなと思うので、でもそうすると、あまりにも文章の感じが違ってきてしまうので、合わないなと思いながら、さっきから。でも、そういうことなんじゃないですか。平易な言葉で分かるように書くというのは。
 前にこういう資料をいただきましたよね。11月1日に、いろいろな県でこういう条例がありますよということで、こうやって一覧を、今ずっと全部見ておるんですけれども、やはり平易なんですよ。そこまで割と堅くないんです。もっと短いしというので、何か、もしこういう言葉がいいとか、ああいうのがいいとか、目的があるからそれを一緒に書くとか、そういう考えではなくて、メッセージとして、この前文案でいただいたときに、何をしたいかが分かるとか、どんな社会をつくりたいか分かるという。この後はやはり条文とかなので、いろいろなテクニカルな部分とか入れておかなあかんことってきっとあるんだと思うんですけれども、もうちょっと何かこう、これを読んでもろうたら分かるという感じかなと思いながら、見ていました。

○北川委員長 例えばSDGsといえば誰一人取り残さないとか、そんな表現ということですか。

○小島委員 この中で一番新しいのは川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例なんですけれども、例えば最後は、「ここに、川崎市は、全ての市民が不当な差別を受けることなく、個人として尊重され、生き生きと暮らすことができる人権尊重のまちづくりを推進していくため、この条例を制定する」と書いてあるんです。割とこうイメージができるなという気がしているんですけれども、そんなことを言い出したら全部見直しをということになっちゃうので。

○北川委員長 逆にシンプルに、決意という意味では前段に、人権侵害行為も差別も許さないと宣言すると書いてあるので、もう単にそのまま「人権が尊重される社会を実現することを決意し」と、間のこの人権侵害行為を行うとか受けるとか、そんな文章のところは外してしまってもいいのかなとも逆に思うんですが。

○石田委員 肝は最後の段落とちゃうんかなと思うんですけれども。最後の「ここに、私たちは」でつらつらと来て、それを決意してこの条例を制定すると、もう前文の肝はここかなと私はそう見ているんですけれども。
 その中に、あらゆる不当な差別を許さないというのは、社会の問題。それから、人権行為を行うことのないというのは、もう行為者の問題で、社会と行為者が二つ並べて書いてあって、ここに私たちは、そういうことのない社会を実現するため決意し、この条例を制定すると。私は肝はこの最後の段落と捉えているんですけれども。どっちかというと、削るんやったら上のほうかなと。

○北川委員長 どうまとめましょうか。決意の部分ではあるので。気持ちの部分なので。今すぐということでなければ、持ち帰りの中で御議論いただいて、上げてきていただいても結構ですので、そういう形でお願いしましょうか。

○山本委員 人権が尊重される社会になったらどんな社会になるのかなという、人権が尊重される後のイメージって何かなと思って、それは私たちが豊かな人間関係をつくれるということなのかなと。ちょっとまた論が外れていくか分からんけれども、人権が尊重される社会はどんな社会かと具体的にイメージできるといいなとは思ったんです。それはどんなのか、反発し合わないとか、いろいろな境遇や様々な意見や、そんな中でお互いをリスペクト、尊重しながら築いていく社会は、それぞれの人が豊かな人間関係を構築できる。もっとほかに素晴らしいことはあるのかもしれないと思うけれども、ぱっと今思うのは、豊かな人間関係がつくれるというような、そういう人権が尊重されるとどうなるかなというところがイメージできるようなことが、何か素敵なことが発案できやんかなと思うんですけれども。そういうのが少し入れば、分かりよいというか、堅い文章じゃないかなと、これは思っただけで正解がないです、今はまだ。でも、そういうこの先に目指すところというのがあればいいのかなとは思いました。

○北川委員長 先ほども申し上げたように、6段落目は条例制定に向けた決意を述べているという項目なので、せっかくなので、もうそんなに時間のかかることではありませんから、こんなふうな表現にしたいなという思いを会派意見として上げてきていただけますか。整理は大変になりますけれども、そこはまた正副委員長に委ねていただいて、ベストチョイスになるかベターチョイスになるかは別にして、整理させていただこうと思いますから。時間も経過していますので、それを残してですが、ほかにどうですか。

○藤田委員 ほかということで、何がどうということではないんです。ずっと引っかかっていたことが一つあるんです。
 それは、先ほど議論されたその一つ上のところなんですけれども、「私たちは、自他の人権を尊重し、不当な差別その他の人権問題の解消に向けて一人一人が取り組んでいかなければならない」というこの表現で、責任は個人にありますよというように最後の結びで感じるんです。
 当然、我々一人ひとりというのは重要なんですけれども、やはり社会としてなくしていくという、みんなでなくしていくということを主眼として今回の条例をつくっているような気がするんで、一人ひとりがその思いになったら問題解決するよね、確かにそうではあるんやけれども、この条例の趣旨からいったときに、解消に向けてわざわざ「一人一人」という表現が要るのかなと。この辺が物すごく引っかかるんですが、皆さん方はすんなり入られましたか。全てが個人の問題にいってしまわへんかなという、そんな気がいたしました。

○北川委員長 「一人一人」って、言い換えれば誰もがという意味合いでここにはめてある言葉だとは思うんですが、イメージ的にどうなんだという御意見が出ましたけれども、それに関して御意見ございますか。

○小島委員 ちょっとだけ書きぶり変えたら「一人一人」は生きるかなと思って。例えば「社会として解決していくことが必要である」と書いていただいてあって、社会として解決していくことが必要だよね、社会の中の問題っていうこともあるよねという認識の下という意味ですよね。なので、私たち一人ひとりが社会構成員だよねということを含めると、私たち一人ひとりが、これがいいかどうかは分かりませんが、言葉は、例えば、「当事者であるとの認識の下」とか書けば、はっきりするかなと思いますけれども。

○北川委員長 当事者の。

○小島委員 「私たち一人一人がその当事者」でもいいと思うんです。「その」というのは、社会として解決していく当事者です。「であるとの認識の下、自他の人権を尊重し、不当な差別その他の人権問題の解消に向けて取り組んでいかなければならない」。

○北川委員長 もう一回、初めから。

○小島委員 「私たち一人一人がその当事者であるとの認識の下」と認識を説明して、そこに「一人一人」を入れたらどうですか。「私たち一人一人がその当事者であるとの認識の下」。

○北川委員長 「私たち一人一人が」。

○小島委員 「その当事者である認識の下」として、その後、その文章をそのまま生かしたらどうですか。「自他の人権を尊重し、不当な差別その他の人権問題の解消に向けて取り組んでいかなければならない」。

○北川委員長 当事者意識の下でということを入れるということになるんですね。

○小島委員 そこに「一人一人」を入れれば。だって、その意識を持つのは一人ひとり、当たり前なんですから。個人のすべきことというふうに入れたかったら。

○北川委員長 「私たち一人一人がその当事者であるとの認識の下、自他の人権を尊重し、不当な差別その他の人権問題の解決に向けて取り組んでいかなければならない」と続けるということですね。
 いかがですか。

○藤田委員 結構です。

○北川委員長 よろしいですか。では、そのように書き換えさせていただきたいと思います。
 ほかにはいかがですか。
 もしあれば後ほど、時間もあれですので、最後題名だけ決めておきたいと思っておりまして、それを決めた形で各会派の持ち帰りをしていただこうと思いますので、資料6の条例の題名について、事務局からお願いいたします。

○水谷政策法務監 それでは、資料6を御覧ください。
 まず、冒頭に書かせてもらっていますが、条例の題名の基本的な考え方としまして、一般論ですけれども、「簡潔であると同時に、その内容をできるだけ正確に表現するという要請を満たすものでなければならない」というふうに書物の中で言われております。
 その考え方を持った上で、これまでの委員間討議を踏まえまして、候補を幾つか考えてみました。
 まず、この〇〇のないというような形の、まず〇〇というのを変数にして下のマル1からマル5に書いてございます。一旦、この〇〇のないような形でフレームとして(1)から(5)を考えていただければと思うんですが、例えば、〇〇にマル1の「差別」を置いて文章の骨格を考えていただければと思うんですが、(1)ですと「差別のない人権が尊重される三重をつくる条例」というふうに考えますと、これは現行条例なり、あるいは先ほど引用されました川崎市の条例名なども参考になるかと思います。
 これに対して、委員間討議で過去にも御議論ございましたけれども、これだと能動的でないとか、あるいは読み方が分かりにくいというような御意見もあろうかと思います。一応、「〇〇のない」、「差別のない」というのは「三重をつくる」にかかるというふうに考えられます。
 次、(2)の骨格の文章ですと、より能動的というか、あるいは前文に合ったような表現として、「差別を許さない人権が尊重される三重をつくる条例」ということで、この場合も「差別を許さない」、「〇〇を許さない」というのは三重にかかってくるかなと思います。
 次に(3)としまして、もう少し能動的であるということを、(2)のバリエーションといいますか、「〇〇をなくし、人権が尊重される三重をつくる条例」というような案も考えられます。ただ、この場合、法制執務的に条例の題名に点が入るのはあまり一般的ではないということが考えられますのと、「〇〇をなくし」というのは恐らく「三重をつくる」、動詞が「なくし」と「つくる」が並列になるのかなというふうに考えられます。これのバリエーションとして、(4)「なくし」をさらに「解消し」というようなことも考えられます。「〇〇を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例」。
 (5)は、さらにこれよりも目的とか、「誰もが〇〇を行うことのない」というふうにする場合は、この辺は今の御議論からはちょっと外れてくるかもしれませんが、こういった考え方もできるかと思います。
 あと、〇〇の中に、では何を入れるのかということですが、津市の意見にもございましたけれども、これをあまり差別だけに捉えると、ほかのものが捉えられなくなるんじゃないかというような御意見もございましたが、まずここの〇〇の中の案としては、マル1は端的に「差別」ということで、本文に忠実ではない、本文の中では「不当な差別」という定義がございますので、そちらとは若干整合しませんけれども、川崎市などでそのような使い方をしておりますので「差別のない」というふうにいうことも可能ですし、マル2の案としては、本文との定義に合わせた「不当な差別のない」というふうな書き方もできます。
 マル3は、差別以外のものもあるというようなことで「不当な差別等」と書いたり、マル4「不当な差別その他の人権問題」というような形で、本文に忠実な書き方がございますし、あと、マル4のさらにバリエーションとして「不当な差別をはじめとする人権問題」ということで、不当な差別をより強調したような案も考えられます。
 幾つか候補を考えさせていただきましたけれども、もちろんこれに限られるものではございません。御議論いただければと思います。

○北川委員長 現状は「人権が尊重される三重をつくる条例」、そこに今回は差別解消ということを盛り込むというか、入れ込んで、全部改正という形にさせていただくわけですから、そのニュアンスを付け加えるという題名になるのかなというふうには思いますが、題名について御意見がありましたらお願いしたいと思います。
 能動的なイメージがプラスされて入ればいいのかなというのが、以前からのうちの委員会のニュアンスだったとは思いますが。「差別のない」ではちょっと弱いよねというふうな御意見がずっとあったかなとは思いますが。

○藤田委員 今の意見を聞かせていただいて、「不当な差別をなくし、人権が尊重される三重をつくる条例」というのは、いかがですか。

○北川委員長 (3)ということですね。「不当な差別をなくし、人権が尊重される三重をつくる条例」。

○稲森委員 では、僕は(2)で「差別を許さない人権が尊重される三重をつくる条例」で。

○北川委員長 「差別を許さない人権が尊重される三重をつくる条例」。
 ほかの方は。

○山内委員 私は、そこだけ言ってしまうとあれなので、理由もつけて言わせていただくんですけれども、(4)なんですが、まず「不当な差別」って限ってしまうと、これが正しいんですけれども、取られ方によっては、何らかの理由付けにされるとあれなので、端的に「差別」がいいのかなと思って、「解消し」のほうが、なくすとか行わないとか禁止というよりは、差別原因にしっかりアプローチして根源を断つという意味合いが解消という言葉にあるのかなという思いと、あとこのレジリエンスという感覚も社会にあるという感覚もあるのかなと思うので、「差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例」がいいかなというふうに考えておったんです。

○北川委員長 結構分かれますね。投票せなあかん。
 ほかの方は御意見どうでしょう。もういっそのこと、みんな出してください。今三つですね。(2)、(3)、(4)のパターンで。
 (1)のパターンの方いらっしゃいませんか。

○東委員 「差別のない」、理由は字数が少ないほうが。

○北川委員長 一旦休憩しましょうか。時間が経過したので暫時休憩をさせていただいて、再開を午後3時25分とさせてください。

(休  憩)

○北川委員長 休憩前に引き続いて会議を再開させていただきます。
 題名の件で先に、津市からこの間も御意見、東委員にも頂いていましたけれども、題名についての御意見がありましたので、確認だけしておきたいと思います。
 ちょっと読ませていただくと、題名に「差別のない」を加えることに、若干の疑義があります。人権問題は、「貧困問題」や「医療機関でのインフォームド・コンセント」など、必ずしも差別する側と差別された側があるような課題だけでは無いことは承知されていることと思います。そうした中で、この「差別のない」の文言を追加することで人権を尊重することが、狭義的なものや限定的な行為などに捉えかねないことを懸念するところですという御意見がありました。
 当然ながら、対応案としては委員会で検討しますということになっているわけですけれども、この内容だけ先に整理させていただきたいと思うんです。資料6で、米印の〇〇と入れるところにマル1からマル5までありますけれども、マル3、「不当な差別等」、マル4、「不当な差別その他の人権問題」、マル5、「不当な差別をはじめとする人権問題」、こういう表現を事務局的に対応案として考えてあるわけですけれども、この扱いについてどうするか御意見いただければと思います。
 前回は東委員から、とはいえやはり差別は前に出す、それを議論してきたわけなので、それを強調してということを言われたと思いますけれども、そういうことで委員会としてはいいですか。

○東委員 今の津市の御意見は「差別のない」だけだと狭まってくるという意味ですね、確認なんですけれども。「等」とか入れないと広がらないという意味ですか。

○北川委員長 もちろん後ろに人権が尊重されるというのはあるものの、前に「差別のない」とつくことによって、差別解消だけの条例ですよねと。ただ、人権問題は差別だけではありませんから、狭い意味になりませんかという御意見と理解しています。

○山内委員 私もこれ、なるほどという感覚が一見最初はあったんですけれども、例えば貧困問題で、私の感覚なんですけれども、これは社会が差別をする側で、それで苦労されている方が差別される側かなということで、この人権課題、貧困問題は差別する側と差別される側がいないと書いていますよね、読み方として。私は、貧困問題は社会がその方を差別しているというふうに捉えているので、ここは成立はするんだろうなとは思って、「差別のない」だけでも狭義にはならないのかなというふうに自分は納得しておったんですけれども。

○東委員 私が素直な気持ちで最初に申し上げたのは、人権が尊重される三重をつくる条例というのがあります。より差別というのを強調しようという、冠をかぶせたという意味合いなんです。なので、それによって狭まるものなんですかねというのが、今でもクエスチョンなんですね。だから、もし狭まるというのやったら、もうそのまま「人権が尊重される三重」というふうなことでもいいかなと思う。

○北川委員長 これは政策法務監、差別のないとか、どれにするかは別にしても、差別だとか不当な差別だけが前にあるという表現だと、狭まるということに本当につながるんですか。

○水谷政策法務監 どちらかというと読みようの、制定者側の認識の問題になろうかと。そのように重ねることで狭い意図で、そのようにつけているというふうに言えばそうなるし、「はじめとする」みたいに代表例を先に言って、後ろに広い意味ですというふうに、長くなりますが、要は制定者側の思いを出せれば別に大丈夫かと思いますが。

○北川委員長 という事務局の意見も含めて、どうしましょうか。

○小島委員 政策法務監に御説明いただいたように、私たちとしては取って解釈をして、例えば「差別のない」とか、「差別を許さない」とかいうことであっても、狭める意図はない。課題を明らかに、新たに分かるように出しただけであって、社会問題と言えるような人権問題については、人権が尊重される三重をつくっていくんだというところの中に含んでいくという解釈でいいと思います。
 差別のないというところで、もし狭まるという認識がおありであれば、例えばもう一つ踏み込めば、(2)の「差別を許さない」ということであれば、それは意思を含むというか、そのあたりがもう少し明確になるのかなということは思いますが。

○北川委員長 どうでしょうか。我々としては、狭い意味に捉えているのではなくて、もともとの人権条例があって、その上に差別解消を目指して取り組んできた流れの中で、それを前に持ってくるという考え方なので、マル3、マル4、マル5あたりまでは考えなくてもいいのではないかという共通認識でよろしいですか。大丈夫ですか。
 では、それも踏まえた上で、もう一度2番目のところに戻ってもらって、(1)から(5)まであるわけですが、今、(5)以外は全部出ているんですよね。先ほど小島委員のほうから「差別を許さない」ということでおっしゃっていただきましたけれども、ほかの皆さんはいかがでしょうか。

○中村委員 (2)と(3)を両方とも。〇を入れるところを。

○北川委員長 複数回答という意味ですか。

○中村委員 ただ、もうちょっとインパクトのあるように、「あらゆる差別を許さない」、「あらゆる差別をなくし」、どちらにしようかなと思って迷っています。

○北川委員長 「あらゆる」を差別の前につけるということ。

○中村委員 もう大きく。

○北川委員長 ほかの方はいかがでしょうか。
 それぞれにニュアンスはやはり込められていると思いますので、我々が選ぶとしたら、今回つくった条例の中身にどれが一番沿っているのか、あるいは我々がもともと目指した思いがどこにあるのかということを踏まえて、選んでいただけるとありがたいですが。

○東委員 さっき小島委員がおっしゃっていますが、意思を持つということであれば、それはもう「許さない」とかいうほうがきついですよね。きついと思います。インパクトがある。だから、そもそも「差別のない」と頭につけようと言ったのは、インパクトがあるということが主張のあれですので、やはりインパクトがあったほうがいいといえばいいですよね。

○北川委員長 ほかの皆さんはいかがでしょうか。
 今、一つ、二つ、「許さない」という表現の御意見が出ましたけれども。

○石田委員 会派へ複数示さないほうがいいんとちゃうかなと思うんですよ。1個にしたほうがいいと思って。
 ついでに自分の意見を申し上げると、あまり理屈を深く考えずに直感的に(2)かなと思います。会派へは一つにして出したほうがいいじゃないかなと思いますけれども。

○北川委員長 中の内容はいろいろ変えてもらってもいいんですけれども、題名を、あまりころころというのは確かにあれなので。「許さない」という表現が複数重なりましたけれども。

○山本委員 私も「許さない」で。(1)か(2)か迷ったところですけれども、さっき津市が心配されていた人権が尊重されるのが一部になるんじゃないかというイメージをもし持たれる人がある可能性があるとしたら、その一部というイメージに聞こえそうだけれども、「許さない」というのは宣言をしていて、並列のイメージが大きいので、「差別を許さない、人権が尊重される」でいいと思います。

○北川委員長 「差別を許さない」というところで御意見が重なりましたけれども、もしよければそれを仮称案としてお出しする形で御了承いただけますか。
 その前に、中村委員から「あらゆる」という言葉の付け加えがありましたけれども、その部分はどうですか。
 奈良県は、あらゆる差別の撤廃及び人権の尊重に関する条例というのがあるそうです。

○山内委員 1点、石垣委員の言われた大分市、資料が手元にすぐ出せないんですけれども、それはどんな題名でしたっけ。

○石垣委員 あらゆる差別の撤廃及び人権の擁護に関する条例、そういった内容だったと思います。

○山内委員 ありがとうございます。
 私が、さっき解消と言ったのは、もう少し柔らかいという意味も含めてだったので、「許さない」は非常に厳しい言葉なんですけれども、そこにさらに「あらゆる」をつけると、今は撤廃にかかってくるんですよね、先ほどのは。あらゆる差別を撤廃というのは分かるんですけれども、「あらゆる差別を許さない」となると、非常に強いんです。何というか、我々も差別を絶対しないと思っているかもしれませんけれども、する可能性もあって、いろいろな可能性を考えると、非常に「許さない」自体強い言葉なんですけれども、そこに「あらゆる」までつけると強過ぎるかなという感覚はありますけれども。

○北川委員長 という御意見も。

○東委員 確かに厳し過ぎるかもしれないですね、「許さない」というのについては。「あらゆる」をつければ特に。だから、「許さない」って厳し過ぎるんじゃないかなという気はします。インパクトがあり過ぎるという。その辺は、子どもが受ける印象ってどうなのかなというのは子どもに聞いてみたいですね。何かすごい、許さない、許さんぞともし先生から言われたら萎縮しないですか。どうですか。

○稲森委員 差別ですから、それをやはり県の条例って県民ほとんど、これをつくったとしても、新聞に出たとしても知らんのですよ。だから、やはりインパクトがあって、こういう啓発に、せいぜい知ってくれて題名ぐらいかなと思うんですけれども、非常に啓発の効果があるんじゃないかなと。子どもの頃ってあまり、こういうオブラートに包んだ言葉って分かりにくいんじゃないですか。

○北川委員長 いろいろ御意見が出ていますが、どうでしょう。

○藤田委員 我田引水をしゃべりますと、やはりこの条例って差別をなくしたいというのが主眼にあるのかなというふうに思っているんです。そういうので、その点がどうしても立ち並ぶというのはどうかと思いますけれども、やはり「差別をなくす」というような表現のほうがいいのかなというふうには再度思い直したんですが。

○北川委員長 「許さない」じゃなくて、「なくす」。それは元に戻ってしまいますけれども、話が。

○藤田委員 白紙委任でも構いませんので。「許さない」というのが決意ということであれば、そういう方法もあるのかなというふうに。あえて動詞にすることによって意思を、ないということではなしに、なくすんだという、そういう意味を入れたほうがいいのかなと。
○北川委員長 最初、「差別を許さない」という表現でコンセンサス取ったところですけれども、「あらゆる」について、受け止め方に両意見が出ましたので、間を取ったら変ですけれども、「差別を許さない」というところにとどめて条例案とさせていただくということではどうでしょうか。

          〔「はい」の声あり〕

○北川委員長 よろしいですか。では、そのようにさせていただきたいと思います。
 会派意見でまた意見は出していただいていいので、こんな中身だったらこういう表現のほうが適しているとかいう御意見もいただいて結構だと思います。
 それでは、本日、委員の皆さんからいただいた意見の反映については、正副委員長に御一任を願いたいと思うんですが、よろしいでしょうか。決まったことはできるだけ修正したいと思います。決まらなかったことは一定このままいきますので、また改めて会派意見の中で意見を出していただければと思いますが、よろしいでしょうか。

          〔「はい」の声あり〕

○北川委員長 では、そのようにさせていただきます。
 本日、委員からの御意見を反映した条例中間案につきましては、後ほど委員の皆さんにお配りさせていただきますので、次回の委員会、これは1月だったと思いますけれども、までに各会派に持ち帰っていただいて、御検討いただきたいと思います。
 それから、併せて同時に、その中間案を執行部の全部局に書面にて意見照会を行うことといたしますので、御了承願いたいと思います。
 以上で、条例案中間案についての委員間討議を終了いたします。
 次に、本委員会の今後の活動計画について御協議願います。
 12月23日の委員長会議において報告する必要がございますので、現在の状況に合わせて、本委員会の活動計画を資料7のとおり修正したいと思います。12月までは今日の21日を含めて現状を書かせていただいて、1月には中間案の決定を何とかさせていただいて、それをもって2月中にパブリックコメントを行って、そして3月にはそのパブリックコメントに対する意見の回答を考えたりだとか、それを修正するかどうかを議論させていただいて、全員協議会での説明、条例案まで何とか3月中にはつくりたいなというふうに思っております。今、言えるところはそんなところまでになりますけれども、よろしいでしょうか。

          〔「はい」の声あり〕

○北川委員長 では、そのようにさせていただきます。
 以上で、活動計画の修正についての委員間討議を終了いたします。
 次に、次回の委員会ですが、各会派からの意見及び執行部からの意見を踏まえて、引き続き条例案中間案の検討を行いたいと存じますが、日程等詳細については、この後の委員協議で協議いただきたいと存じますので、御了承願います。
 本日御協議いただく事項は以上でございますが、特に何か御意見がございましたらお願いいたします。

          〔発言する者なし〕

 
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
差別解消を目指す条例検討調査特別委員長
北川 裕之

 

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