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平成18年第3回定例会 請31

受理番号・件名 請31 「障害者自立支援法」の改善について
受理年月日 平成18年9月22日
提出された
定例会
平成18年第3回定例会
紹介議員 舟 橋 裕 幸   中 森 博 文   中 嶋 年 規
付託委員会 健康福祉病院常任委員会
請願要旨  平成18年4月から一部施行された「障害者自立支援法」は、障害者福祉サービス体系を抜本的に見直し、障害者の地域生活支援を前進させるため、身体障害、知的障害及び精神障害に係る福祉サービスを共通の制度の下で一元的に提供することとし、サービス支給決定の透明化、就労支援の強化等に併せて、サービス利用に対して定率負担を導入するといった内容となっている。
 しかしながら、在宅福祉に係る大部分の事業(地域生活支援事業)が、三位一体改革の大義のもと財源の裏づけもなく、各市町村に施策が押し付けられ、また利用者負担についても財政の豊かな大都市部では自治体独自の軽減策が講じられるなど、従来以上に地域格差が生じつつある。
 これまで利用できたサービスが利用できなくなったり、利用者負担の過重からサービスを受けられなくなるなど、このままでは、法の理念である障害者の地域生活の推進は逆に後退することになる。
 三重県では、他県に先駆けてグループホームの家賃補助制度を創設したことは、一定の評価ができるが、障害者一人ひとりの自立と充実した地域生活を守るため、県議会におかれては、私達の要望を理解いただき、地方自治法第99条の規定に基づき、国に対して意見書を提出するとともに、三重県においてもさらなる対策を講じられたく請願する。

1 利用者の原則1割負担等について
 応益(定率)負担の考え方による1割負担の導入は、私達障害者とその家族の生活を大きく圧迫するものであり、このことによりサービス利用を諦めたり、利用日(回)数を減らしたりするケースも出てきている。こうした現状を踏まえ、利用者負担軽減策を早急に講じること。
 (1)従来の支援費制度は、95%程度の在宅障害者が利用負担金なしで成りたっていたが、今回の障害者自立支援制度では、上限管理のもとにおける介護給付の各種事業と、訓練等給付の支援は、生活保護世帯は0円、低所得1は15,000円、低所得2は24,600円、一般世帯は37,200円の4区分であるが、自立支援医療、補装具は原則1割の応益負担になっている。 また、その上に地域生活支援事業においても応益負担を原則としていて、3重・4重の利用者負担を生活保護世帯を除く全ての低所得者に課しているので、4段階を6段階程度に区分した上で、きめ細かく対処すること。
 (2)特に、授産施設においては、障害者自立支援法が施行された4月以降、受け取る賃金(工賃)よりも、利用費、給食費の方が高いという逆転現象が起きている。「働けば働くほどお金がかかる」ということであり、一般社会では考えられないことを障害当事者は強いられていることになる。こうした状況を踏まえ、利用者負担経費などを助成する軽減措置を早急に講じること。
 (3)また、障害福祉サービスの自立支援給付、自立支援医療及び補装具の複合利用にあたっては、サービスごとに1割負担とせず、自立支援給付等の個人給付を通算して上限設定が行われるよう方策を講じること。

2 小規模作業所について
 障害者自立支援法による新体系への移行について、小規模作業所に通所している障害当事者やその家族のみならず、運営や作業指導などに当たる職員にも先行きに対する不安が広がっている。
  新たな事業体系へ移行を希望する小規模作業所に対しては、スムーズな移行の実施ができるよう支援を図ること。また、移行が法定化できない作業所や小集団でなければ適応が困難な障害者にも配慮するため、現在の三重県障害者小規模作業所設置運営要綱及び補助金交付要綱による事業の存続を図ること。

3 ホームヘルプサービスについて
 (1)非定型(長時間派遣)のホームヘルプサービスを利用している者、特に単身や障害、疾病などのある最重度障害者等にとっては、サービス量の低下は命に関わることである。現在のサービス支給量を平成18年10月以降も維持できるよう対策を講じること。また、10月以降、新たに申請する者についてもサービス量に格差が生じないよう、市町に周知徹底を行うこと。
 (2)知的障害者や精神障害者の場合、重度な人であっても、障害特性が障害程度区分に反映されにくい仕組みとなっており、そのためホームヘルプサービスの「見守り」や「促し」などの介助といった生活援助が受けられなくなる可能性も大きい。そうならないように知的・精神障害者等の障害特性をよく理解し、それぞれのニーズにあったサービスが確保できるよう対策を講じること。

4 グループホーム等の「居住の場」について
 グループホームでのホームヘルプサービスが利用できなくなることにより、障害者への日常生活支援の維持が困難になる。今後も継続して日常生活支援が行えるよう支援体制の強化を早急に講じること。
  また、「日払い方式」や報酬基準・単価の見直しにより、小規模グループホームほど運営が厳しくなることが予想される。小規模グループホームへの運営支援策を早急に講じること。

5 地域生活支援事業について
 相談支援事業や地域活動支援センター・移動支援事業など「地域生活支援事業」の内容は、障害者の日常生活と大きく関わっている。こうした事業の充実に向け、十分な予算の確保を図ること。

6 移動介護について
 10月以降の移動支援事業への移行にあたっては、現行制度と同じ内容が継続して使えるよう、また、一人ひとりの利用時間について短縮がおこらないような対策を早急に講じること。

7 コミュニケーション支援について
 (1)手話通訳及び要約筆記並びに触手話及び指点字等を同格と位置づけ、その質と量を確保するための必要な体制整備を図ること。(地域生活支援事業に関するガイドライン作成にあたって、この点を留意すること。)
 (2)聴覚障害者情報提供施設及び視覚障害者の情報機器取り扱い技術(点字の読み書き能力を含む。)を向上させるための事業をコミュニケーション支援事業に位置づけること。

8 障害福祉計画などについて
 障害福祉計画などの障害者施策を推進するに当たっては、まず障害当事者やその家族および関係者の意見が十分反映できる仕組みを作ること。
 具体的には、障害福祉計画の策定委員や市町村(認定)審査会委員の中に実際に地域で福祉サービスを受けている障害当事者などを複数名入れるとともに、年に数回定期的に知事と障害当事者並びに家族を含めたその支援者との話し合いの場を設定すること。
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