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三重県議会 > 県議会の活動 > 本会議 > 議員提出条例 > 三重の木づかい条例案

三重の木づかい条例案

議提議案第一号
   三重の木づかい条例案
 右提出する。
  令和三年二月二十六日
提出者
中瀬 信之
山本 佐知子
田中 祐治
山本 里香
濱井 初男
杉本 熊野
谷川 孝栄
今井 智広
中森 博文
西場 信行

   三重の木づかい条例
目次
 前文
 第一章 総則(第一条―第十一条)
 第二章 木材利用方針(第十二条)
 第三章 基本的施策(第十三条―第十六条)
 第四章 施策の推進(第十七条・第十八条)
 附則
 三重県は県土の約三分の二を森林が占め、優良な木材の産地として発展してきており、県民は古くからその潤沢な森林資源の恵みを受けて、暮らしの中に息づく豊かな木の文化を育んできた。
 人に優しく、また、再生可能で二酸化炭素を貯蔵する機能を有するなど環境への負荷が少ない資源である県産材をはじめとする木材(これを使用した木製品を含む。以下単に「木材」という。)を利用することは、県土及び海洋を含めた自然環境の保全、地球温暖化の防止等の森林の有する多面的機能の持続的な発揮につながるとともに、林業及び木材産業の健全な発展による地域経済の活性化にも資するものであり、とりわけ県民の健康で快適かつ豊かな暮らしの実現に寄与するものである。
 しかしながら、高度経済成長期以降、人々の生活様式の変化等により、住宅をはじめとする様々な分野で木材に代わり他の素材等が使用され、木材利用は減少傾向にあり、また、長期にわたって木材価格が低迷するなど、木材利用を取り巻く状況は深刻である。
 一方で、近年、木材利用に係る技術の開発及び木材の新用途への活用が進むとともに、木材が心身にもたらす好ましい効果についての研究成果が明らかにされてきており、また、平成三十年の建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)の改正により木造建築物等に係る制限の合理化が図られるなど、木材利用の推進に向けた気運の高まりもみられる。
 このような中、我々は、木材利用の意義を改めて認識し、県民一人一人の人生を豊かなものにするためにも、県、市町等が整備する公共建築物等における木材利用とともに、日常生活及び事業活動における住宅、社屋等への木材利用に積極的に取り組み、様々な形で暮らしの中に木を取り入れることで、三重県において木の文化を継承し、発展させていかなければならない。
 ここに、我々は、三重の森林づくり条例(平成十七年三重県条例第八十三号)と相まって、森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるとともに、林業及び木材産業の健全な発展により地域経済を活性化させ、そして県民が健康で快適かつ豊かな暮らしを営むことができるようにするため、県を挙げて木材利用の推進を図り、その中でも県産材を最も優先して利用する「三重の木づかい」を進める社会を実現することを決意し、この条例を制定する。
   第一章 総則
 (目的)
第一条 この条例は、木材利用の推進に関し、基本理念を定め、及び県の責務等を明らかにするとともに、木材利用の推進に関する施策の基本的な事項を定めることにより、県民及び事業者の参加の下、木材利用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって森林の有する多面的機能の持続的な発揮並びに林業及び木材産業の健全な発展による地域経済の活性化に資するとともに、県民の健康で快適かつ豊かな暮らしの実現に寄与することを目的とする。
 (定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一 県産材 三重の森林づくり条例第二条第三号に規定する県産材(これを使用した木製品を含む。)をいう。
 二 木材利用 建築基準法第二条第五号に規定する主要構造部(第十三条第一項において単に「主要構造部」という。)その他の建築物の部分の建築材料、工作物の資材、製品の原材料等として木材を使用することをいう。
 三 森林の有する多面的機能 森林の有する県土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、公衆の保健、地球温暖化の防止、林産物の供給等の多面にわたる機能をいう。
 四 公共建築物 公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律(平成二十二年法律第三十六号。以下「公共建築物等木材利用促進法」という。)第二条第一項に規定する公共建築物をいう。
 五 森林所有者等 三重の森林づくり条例第二条第一号に規定する森林所有者等をいう。
 六 林業事業者 森林施業(造林、伐採その他の森林における施業をいう。)を行う者をいう。
 七 木材産業事業者 木材の加工又は流通の事業を行う者をいう。
 八 建築関係事業者 建築物の設計又は施工の事業を行う者をいう。
 九 教育関係者等 教育及び保育(以下この号及び第九条において「教育等」という。)に関する職務に従事する者並びに教育等に関する関係機関及び関係団体をいう。
 (基本理念)
第三条 木材利用の推進は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。
 一 県産材の利用の拡大が三重の森林を守り、又は育てることに資することに鑑み、三重の森林づくり条例と相まって、県産材の利用を最も優先して推進するとともに、森林資源の循環利用を図ることにより、本県の豊かな森林資源が次の世代に継承され、及び森林の有する多面的機能が持続的に発揮されるよう行われること。
 二 木材の輸送に係る二酸化炭素の排出量を抑制するよう消費地からできる限り近接した地域にある森林から生産された木材の優先的な利用に努めること等により、環境への負荷の低減に寄与するよう行われること。
 三 林業及び木材産業の健全な発展が地域経済の活性化につながることに鑑み、木材の経済的価値の向上が図られるよう行われること。
 四 木材利用を積極的に行うことが県民の健康で快適かつ豊かな暮らしの実現につながることに鑑み、そのような暮らしの実現に資するよう木材の優れた特性を生かすとともに、県民及び事業者の意識の高揚及び自発的な取組を推進するよう行われること。
 五 県、国、市町、森林所有者等、林業事業者、木材産業事業者、建築関係事業者、教育関係者等並びに県民及び事業者が相互に連携し、及び協力して効果的に行われること。
 (県の責務)
第四条 県は、基本理念にのっとり、木材利用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 県は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、森林所有者等、林業事業者、木材産業事業者、建築関係事業者、教育関係者等並びに県民及び事業者との協働に努めるとともに、国との緊密な連携を図るものとする。
 (森林所有者等の責務)
第五条 森林所有者等は、基本理念にのっとり、多様な需要に応じた良質な県産材の供給に資するようその森林の適切な整備及び保全に積極的に努めるとともに、県が実施する木材利用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
 (林業事業者の責務)
第六条 林業事業者は、基本理念にのっとり、森林の適切な整備及び保全、多様な需要に応じた良質な県産材の供給並びに人材の育成に積極的に努めるとともに、県が実施する木材利用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
 (木材産業事業者の責務)
第七条 木材産業事業者は、基本理念にのっとり、多様な需要に応じた木材の有効利用、安定的な供給及び品質確保の推進並びに新用途の開発、その供給する木材に関する正確かつ適切な情報の提供、加工技術の継承及び一層の向上並びに人材の育成に積極的に努めるとともに、県が実施する木材利用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
 (建築関係事業者の責務)
第八条 建築関係事業者は、基本理念にのっとり、木材に係る知識の習得、木材の活用及び普及、木造建築技術の継承及び一層の向上並びに人材の育成に積極的に努めるとともに、県が実施する木材利用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
 (教育関係者等の責務)
第九条 教育関係者等は、基本理念にのっとり、森林環境教育及び木育(以下「森林教育」と総称する。)の推進、そのための人材の育成並びに他の森林教育の推進に関する活動を行う者との連携に努めるとともに、その関係する教育等に係る施設において木材利用に積極的に努めるものとする。
 (県民及び事業者の責務)
第十条 県民及び事業者は、基本理念にのっとり、木材利用の意義について理解を深め、その日常生活及び事業活動を通じて木材利用に積極的に努めるとともに、県が実施する木材利用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
 (県と市町との協働)
第十一条 県は、市町が木材利用の推進に重要な役割を有していることに鑑み、基本理念を踏まえつつ、県とともに公共建築物等木材利用促進法第四条に規定する責務を十全に果たすことができるよう、市町に対し、その地域の特性に応じ、県と協働して、木材利用の推進に関する施策を策定し、及び実施するとともに、その整備する公共建築物等において木材利用に積極的に努めることを求めるものとする。
2 県は、市町が実施する木材利用の推進に関する施策の策定及び実施を支援するため、情報の提供、技術的な助言その他の必要な措置を講ずるものとする。
   第二章 木材利用方針
第十二条 知事は、木材利用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、木材利用方針を定めるものとする。この場合において、木材利用方針は、公共建築物等木材利用促進法第八条第一項に規定する県の区域内の公共建築物における木材の利用の促進に関する方針として定めるものとする。
2 前項の木材利用方針(以下単に「木材利用方針」という。)においては、公共建築物等木材利用促進法第八条第二項に規定する事項のほか、次に掲げる事項を定めるものとする。
 一 木材利用の推進に関する目標(県が整備する公共建築物における木材利用の目標を除く。)
 二 木材利用の推進を図るために必要な施策に関する基本的事項
 三 森林教育、木材利用の推進に係る普及啓発等に関する基本的事項
 四 その他木材利用の推進に関し必要な事項
3 木材利用方針を定めるに当たっては、県産材の利用を最も優先して推進することを基本とするものとする。
4 木材利用方針において定める公共建築物等木材利用促進法第八条第二項第二号の目標については、定量的に定めるよう努めなければならない。
5 知事は、木材利用方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 知事は、毎年一回、木材利用方針に基づく施策の実施状況について議会に報告するとともに、これを公表しなければならない。
   第三章 基本的施策
 (県の率先利用)
第十三条 県は、その整備する公共建築物において、木材利用方針で定めるところにより、原則として県産材を使用し、木造化(建築物の新築、増築又は改築に当たり、主要構造部の全部又は一部に木材を使用することをいう。)又は木質化(建築物の新築、増築、改築又は模様替に当たり、天井、床、壁、窓枠等の室内に面する部分又は外壁等の屋外に面する部分に木材を使用することをいう。)を行うものとする。
2 県は、その整備する公共土木施設その他工作物及び調達する物品において、自ら率先して県産材の利用に努めなければならない。
 (木材利用の推進)
第十四条 県は、木材利用の推進を図るため、次に掲げる事項について必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
 一 県以外の者が整備する公共建築物における木材利用の推進に関すること。
 二 公共建築物以外の建築物における木材利用の推進に関すること。
 三 建築物以外の分野における木材利用の推進に関すること。
 四 木材利用の推進に関する研究及びその成果、技術等の普及に関すること。
 五 木材利用の推進に寄与する森林所有者等、林業事業者、木材産業事業者、建築関係事業者及び教育関係者等の人材の育成及び確保に関すること。
 六 県産材の魅力の向上の促進及び県産材の国内外への販路拡大に関すること。
 (森林教育、普及啓発等)
第十五条 県は、森林教育、普及啓発等の積極的な実施を通じて、木材利用の推進に関する県民及び事業者の理解を深めるとともに、木材利用の推進に向けた県民及び事業者の気運の醸成に努めなければならない。
 (顕彰)
第十六条 県は、木材利用の推進に関し特に優れた取組を行った者の顕彰に努めなければならない。
   第四章 施策の推進
 (体制の整備)
第十七条 県は、木材利用の推進に関する取組の円滑かつ効果的な実施を図るため、国、市町、森林所有者等、林業事業者、木材産業事業者、建築関係事業者、教育関係者等並びに県民及び事業者との協議の場を設けるなど、県及びこれらの者が相互に連携し、及び協力することができる体制の整備に努めなければならない。
2 県は、木材利用の推進に関する施策を県の部局等の枠を超えて総合的かつ計画的に推進するために必要な体制の整備に努めなければならない。
 (財政上の措置)
第十八条 県は、木材利用の推進に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
   附 則
 (施行期日)
1 この条例は、令和三年四月一日から施行する。ただし、第十二条の規定は、同年十月一日から施行する。
 (経過措置)
2 この条例の施行の日から前項ただし書に規定する規定の施行の日の前日までの間における第十三条第一項の規定の適用については、同項中「木材利用方針」とあるのは、「公共建築物等木材利用促進法第八条第一項の規定に基づく県の区域内の公共建築物における木材の利用の促進に関する方針」とする。
 
提案理由
 県民及び事業者の参加の下、木材利用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって森林の有する多面的機能の持続的な発揮並びに林業及び木材産業の健全な発展による地域経済の活性化に資するとともに、県民の健康で快適かつ豊かな暮らしの実現に寄与するため、木材利用の推進に関し、基本理念を定め、及び県の責務等を明らかにするとともに、木材利用の推進に関する施策の基本的な事項を定める必要がある。これが、この議案を提出する理由である。
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