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三重県議会 > 県議会の活動 > 本会議 > 議員提出条例 > 花とみどりの三重づくり条例案 逐条解説

花とみどりの三重づくり条例案 逐条解説

【前文】
 花壇の花、街路樹をはじめとする花とみどりには、人を癒やす効用、良好な景観の形成に資する効用等がある。そのため、古来より街道に松、桜等の並木が整備されたり、生花が親しまれたりするなど、それぞれの地域に根ざす花とみどりを活用したまちづくりが行われるとともに、文化も伝承され、また、創出されてきた。
 現代においても、花とみどりは多岐にわたり活用されており、例えば、社会福祉施設等での花とみどりの活用、訪れた人がその地域に親しみを覚える端緒となるような花とみどりの活用といったように様々な場面において花とみどりを活用することが注目されている。
 また、花とみどりの活用が多様な主体の連携協力の下で行われることは、地域社会の(きずな)の形成、維持及び強化に資することも期待される。
 しかし、現在の三重県においては、花とみどりが十分に活用されているとは言い難い。管理の効率化、道路空間の安全確保や地域の声への対応として強度に(せん)定され、又は伐採される街路樹が散見されるとともに、生活環境の変化等により、花を飾る習慣も失われつつある。
 このような中、花とみどりの活用の意義を改めて認識し、多様な主体の連携協力の下、県有施設等における花とみどりの活用、街路樹等の機能の発揮、花とみどりの文化の振興等に積極的に取り組むことで、県民生活における花とみどりの活用を推進することが求められる。
 ここに、我々は、県を挙げて花とみどりの活用の推進を図ることで、花とみどりで優しさあふれる健やかなふるさと三重を実現することを目指し、この条例を制定する。
【趣旨】
 前文では、条例制定の背景や趣旨を明らかにしている。

 第1段落では、花とみどりには様々な効用等があること、また、その効用等を活用したまちづくり並びに文化の伝承及び創出が行われてきたことについて述べている。

 第2段落では、第1段落で述べたもののほか、現代において、その効用等を期待して花とみどりの活用が進められている場面について述べている。

 第3段落では、花とみどりの活用が多様な主体の連携協力の下で行われることは、地域社会の絆の形成等に資することが期待されていることについて述べている。

 第4段落では、花とみどりには第1段落から第3段落までに述べた様々な効用等が期待できるにもかかわらず、現代の三重県では、花とみどりが十分に活用されているとは言い難い状況であることについて述べている。

 第5段落では、これまでの段落で述べた状況を受けて、我々県民の花とみどりの活用の推進の意義及びその推進に関する心構えを明らかにしている。

 第6段落では、これまでの内容を踏まえ、「花とみどりで優しさあふれる健やかなふるさと三重を実現すること」を目指す本条例制定に向けた思いを述べている。

【解説】
1 「人を癒やす効用」
 花とみどりには、一般的にストレスを軽減させる効用があるとの研究結果1がある。さらに、ストレスが軽減されると免疫機能が改善するとされている。これらのことから、花とみどりの活用を推進することにより、県民のストレス軽減や免疫機能改善が期待されている。

2 「花を飾る習慣も失われつつある」
 切り花の1世帯当たりの年間購入額は、平成9年をピークとして減少し、また、若年層ほど購入金額が低いといった現状2がある。
 若年層を中心に、花とみどりを育て、飾ることの意義や思いをどのように伝えていくかが、取り組むべき課題の一つとして挙げられる。

1 令和3年12月7日の委員会での宮崎参考人(千葉大学環境健康フィールド科学センター自然セラピー研究室)からの意見聴取等
2 「家計調査」(総務省)参照

   第一章 総則
 (目的)
第一条 この条例は、花とみどりの活用の推進に関し、基本理念を定め、及び県の責務等を明らかにするとともに、花とみどりの活用の推進に関する基本的施策等を定めることにより、多様な主体の連携協力の下、花とみどりの活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって個性豊かで活力ある地域社会及び心豊かな県民生活の実現に寄与することを目的とする。
【趣旨】
 本条は、本条例の目的を定めたものである。

 本条例は、花とみどりの活用の推進に関し、
 ① 基本理念を定め(、及び)
 ② 県の責務等を明らかにする(とともに、)
 ③ 花とみどりの活用の推進に関する基本的施策等を定める(ことにより、)
多様な主体の連携協力の下、花とみどりの活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって個性豊かで活力ある地域社会及び心豊かな県民生活の実現に寄与することを目的としている。

【解説】
1 「基本理念を定め」
 第2章の基本理念の規定を指す。

2 「県の責務等を明らかにする」
 第3章の県の責務等の規定を指す。

3 「花とみどりの活用の推進に関する基本的施策等を定める」
 第4章の基本的施策から第7章の施策の推進までの規定を指す。
 
 (定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一 花とみどり 観賞の用に供される植物及び街路樹等をいう。
 二 街路樹等 街路樹その他の良好な景観の形成に資する植物をいう。
【趣旨】
 本条は、本条例における重要な用語について定義を定めたものである。

 なお、本条例における重要な用語でありつつも、定義を定めていない用語として「花とみどりの活用(の推進)」があるが、花とみどりの活用については、
 ① 活用の場面が多岐にわたり、その場面を限定することは、本条例の趣旨に反すること
 ② 活用の場面に応じて、その活用の仕方も多岐にわたり、活用の仕方を限定することもまた本条例の趣旨に反すること
から、特に定義を定める(意味を限定する)ことをしていないが、本条例において特に重視する活用の場面及び活用の仕方については、基本的施策等において示すこととしている。
 
【解説】
1 「花とみどり」
 次の①又は②のいずれかに該当するものとして定義している。
 ① 観賞の用に供される植物
 ② 街路樹等(街路樹その他の良好な景観の形成に資する植物)

 なお、①及び②は、必ずしも相反するものではなく、例えば、沿道に咲く桜の木のように、①及び②のいずれにも該当するものも想定される。

2 「観賞の用に供される植物」
 花きの振興に関する法律(平成26年法律第102号)(以下「花き振興法」という。)第2条第1項において、「花き」の定義として用いられている表現であり、本条例においても同様に解釈すべきものとして定義している。

 具体的には、切り花(キク、バラ等)、鉢もの(シクラメン、観葉植物等)、花木類(ツツジ等)、球根類(チューリップ等)、花壇用苗もの(パンジー等)、芝類、地被植物類(ササ等)が挙げられるが、これらに限定されず、観賞の用に供される植物であれば、広く該当するものと解する。

3 「その他の良好な景観の形成に資する植物」
 例えば、防災のために設置された樹木等が考えられる。

   第二章 基本理念
 (多様な主体の連携協力)
第三条 花とみどりの活用の推進に当たっては、県、国、市町、県民及び事業者等の多様な主体が相互に連携し、及び協力して効果的に行われるよう努めなければならない。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に当たっての基本理念として、多様な主体の連携協力を定めたものである。

 花とみどりの活用の推進を効果的に行うためには、例えば
 ① 国道沿いの歩道に、国が花壇を整備し、県が花苗を提供し、地域の住民が花植えを行い、市が水やりを担うといった役割を分担することによって、来訪される方の目を楽しませる景観を創出する
 ② 道路沿いに整備された花壇それぞれについて、花壇の前に事務所を構える事業者や、公募により決定したボランティアが管理するとともに、当該管理を行う事業者・ボランティアの名称を花壇に掲出する
といった国、市町、県民及び事業者の多様な主体が相互に連携し、及び協力することが重要であるため、基本理念として規定したものである。
 
 (県民及び事業者の意識の高揚等)
第四条 花とみどりの活用の推進に当たっては、県民及び事業者の意識の高揚を図りつつ、自発的な活動が促進されるよう努めなければならない。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に当たっての基本理念として、県民及び事業者の意識の高揚等を定めたものである。
 
 花とみどりの活用の推進に当たっては、県民及び事業者に強制して行うものではなく、県民及び事業者の意識の高揚を図りつつ、自発的な活動、例えば、県民及び事業者がその管理する敷地内に花壇を整備する、地域で行われる花植え又は除草等の作業に積極的に参加すること等を促進し、持続的に取り組まれることを目指す必要があるため、基本理念として規定したものである。
 
 (花とみどりの効用等の有効活用)
第五条 花とみどりの活用の推進に当たっては、花とみどりの人を癒やす効用、良好な景観の形成の機能等を生かして行われるよう努めなければならない。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に当たっての基本理念として、花とみどりの効用等の有効活用を定めたものである。
 
 花とみどりの活用の推進に当たっては、単に花とみどりを活用するのではなく、花とみどりの人を癒やす効用、良好な景観の形成の機能等を生かして行うことが効果的であるため、基本理念として規定したものである。
 
【解説】
1 「人を癒やす効用、良好な景観の形成の機能等」
 人を癒やす効用、良好な景観の形成の機能のほか、例えば、環境保全機能、緑陰形成機能、交通安全機能等が想定される。

2 「人を癒やす効用、良好な景観の形成の機能等を生かして」
 例えば、花とみどりが良好な状態で植栽、装飾又は管理されている状態を維持すること等が考えられる。

   第三章 県の責務等
 (県の責務)
第六条 県は、前章の基本理念(以下この章において単に「基本理念」という。)にのっとり、花とみどりの活用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 県は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、国、県民及び事業者との協働に努めるものとする。
3 県は、第一項の施策の策定及び実施に当たっては、可能な限り、県内の事業者が生産する花とみどりを活用するよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に当たっての県の責務を定めたものである。

 県の責務として、
 ① 花とみどりの活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な策定及び実施(第1項関係)
 ② 関係主体との協働及び連携(第2項関係)
 ③ 県内の事業者が生産する花とみどりの優先活用(第3項関係)
を規定している。

 なお、③については、地域産業育成のために規定したものであり、県が花とみどりを調達する場合には、その趣旨を考慮の上、調達に係る諸規定に基づいて実施されることを当然の前提としている。

【解説】
<第3項関係>
1 「可能な限り、県内の事業者が生産する花とみどりを活用」
 可能な限り、県内の事業者が生産する花とみどりを活用することが望ましいが、例えば、活用しようとする花とみどりの品種が県内の事業者では生産されていない場合に、当該品種に代えて県内の事業者が生産する品種を活用することまでを求めるものではない。
 
 (県民及び事業者の役割)
第七条 県民及び事業者は、基本理念にのっとり、花とみどりの活用の意義について理解を深め、その日常生活及び事業活動を通じて花とみどりの活用に積極的に努めるとともに、県が実施する花とみどりの活用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に当たっての県民及び事業者の役割を定めたものである。

 県民及び事業者が花とみどりの活用の推進の主体となることが、花とみどりがあふれる三重を実現する上で期待されるところであり、その役割について規定したものである。

 県民及び事業者の役割として、
 ① 花とみどりの活用の意義について理解を深めること
 ② 日常生活及び事業活動を通じた積極的な花とみどりの活用
 ③ 県の施策への協力
を挙げている。

 なお、県民及び事業者の主体性を尊重するため、表現としては、「努めるものとする」としている。

【解説】
1 「事業者」
 実際に花とみどりを活用し得る者として事業者を捉えているため、特定の事業に限定することはなく、医療や福祉に係る事業者、教育機関等を含め、あらゆる事業に係る事業者を、その対象としている。 

2 「事業活動を通じて花とみどりの活用に積極的に努める」
 花とみどりに直接関与しない事業者であっても、例えば、店舗を有する事業者であれば、店舗に花を飾るといった取組等が想定される。
 
 (県と市町との協働)
第八条 県は、市町が花とみどりの活用の推進に重要な役割を有していることに鑑み、基本理念を踏まえつつ、市町に対し、その地域の特性に応じ、県と協働して、花とみどりの活用の推進に積極的に努めることを求めるものとする。
2 県は、市町が実施する花とみどりの活用の推進に関する施策の策定及び実施を支援するため、情報の提供、技術的な助言その他の必要な措置を講ずるものとする。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に当たっての県と市町との協働を定めたものである。

 花とみどりの活用の推進に当たっては、県民との距離が最も近い行政主体である市町が特に重要な役割を有していることに鑑み、県と市町との協働について第6条第2項とは別に、県が重視すべきものとして定めたものである。

 なお、本条の規定については、県と市町の対等な関係の下で運用されることを当然の前提としている。

【解説】
<第1項関係>
1 「市町が花とみどりの活用の推進に重要な役割を有していること」
 市町は、住民に身近な基礎自治体として、まちづくり等において、花とみどりの活用の推進に大きな役割が期待されていることを表現したものである。

2 「その地域の特性に応じ」
 市町によって、また、同一市町であっても、その地域によって、花とみどりの活用の推進の適切な在り方は異なることが想定されることから、県内一律の施策でもって花とみどりの活用を推進するのではなく、それぞれの地域の特性に応じて花とみどりの活用を推進することが必要であることを規定したものである。

3 「市町に対し(…)求める」
 例えば、協定を結ぶことなどが想定される。

<第2項関係>
4 「その他の必要な措置」
 財政的支援、人的支援といった支援措置が想定される。
  
   第四章 基本的施策 
 (県有施設等における花とみどりの活用)
第九条 県は、その設置し、及び管理する道路、庁舎その他の施設(以下この条において「施設」という。)において、その施設の特性に応じ、花とみどりを活用するものとする。
2 県は、県以外の者が設置し、又は管理する施設において、その施設の特性に応じ、花とみどりが活用されるよう必要な支援を行うよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、県有施設等における花とみどりの活用について定めたものである。

 第1項では、県有施設について、その特性に応じて、花とみどりを活用することを定めている。

 第2項では、県有施設に限らず、県有施設以外の施設についても、当該施設の特性に応じて、花とみどりが活用されるよう必要な支援を行うよう努めることを定めている。

 なお、花き振興法第16条第1項において「(…)地方公共団体は、公共施設及びまちづくりにおける花きの活用に努める(…)」ものとされている。

【解説】
<第1項・第2項関係>
1 「施設の特性に応じ」
 施設にあっては、通路や外周に沿って植栽ポットを設置するといった花とみどりの活用を基本としつつ、例えば、一般の県有施設では良好な景観の形成のため、定期的な花の植替え、樹木の剪定等の作業を必要とする一方で、東海自然歩道、大杉谷登山歩道等の自然公園施設では、人の手が加えられていない自然そのままの植生を保存するとともに、当該自然公園施設を利用していただくための維持管理を行う等、当該施設の特性に応じた活用の仕方が求められることを規定したものである。

<第2項関係>
2 「県以外の者が設置し、又は管理する施設」
 市町等の公共団体に限らず、県民又は事業者が設置し、又は管理する駅、商業施設等の施設も対象としている。

 なお、県が設置し、指定管理者が管理する施設については、県以外の者が管理する施設であるため、本規定の対象となる。
 
 (街路樹等の機能の発揮)
第十条 県は、その管理する街路樹等が有する良好な景観の形成の機能その他の機能が十分に発揮されるよう必要な施策を講ずるものとする。
2 県は、県以外の者が管理する街路樹等が有する良好な景観の形成の機能その他の機能が十分に発揮されるよう必要な支援を行うよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、街路樹等に関する取組について定めたものである。

 なお、街路樹等を新たに植栽することについては、第9条で規定しており、本条は、既に植栽された街路樹等の維持管理等について規定したものである。

【解説】
<第1項・第2項関係>
1 「その他の機能」
 例えば、環境保全機能、緑陰形成機能、交通安全機能等が想定される。

2 「十分に」
 第5条において、街路樹等(花とみどり)の活用の推進に当たっては、街路樹等(花とみどり)の効用等を有効活用することが既に規定されているが、街路樹等については、よりその有する良好な景観の形成の機能等を発揮させる必要があるため、強調の意味を込めて規定したものである。

<第1項関係>
3 「必要な施策」
 例えば、街路樹の剪定又は伐採において、その街路樹がある土地の特性に応じて、街路樹が有する良好な景観の形成の機能その他の機能が発揮されるよう方針を立てること等が想定される。

 なお、第9条の規定に基づき、市街地の道路等の施設には、その特性に応じて、街路樹等を用いることを検討することが望ましい。

 また、良好な景観を確保するための剪定の実施や交通安全や災害防止の観点から樹木の再生、植替え、樹種の変更、間引き、撤去等の実施が想定される。

 なお、いわゆる「雑草」を除草すること等についても、街路樹等が有する良好な景観の形成の機能その他の機能を十分に発揮させるために必要な施策として想定される。

<第2項関係>
4 「必要な支援」
 例えば、街路樹が有する良好な景観の形成の機能その他の機能が発揮されるような街路樹の管理方法に関する情報の提供等が挙げられる。
 
 (社会福祉施設等における花とみどりの活用の促進)
第十一条 県は、社会福祉施設その他花とみどりの人を癒やす効用が十分に発揮できる施設における花とみどりの活用を促進するため、必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、いわゆる「園芸福祉」の推進を念頭に置いた規定であり、花とみどりに接することを通じて、社会福祉施設等の入所者等の生きがいづくり、健康の維持及び増進、仲間づくり等を目指すものである。

 第9条の「施設」に「社会福祉施設」等は含まれると解されるが、本条では、「社会福祉施設」等の有する性質に鑑み、当該施設には、特に花とみどりの人を癒やす効用の発揮が期待されることから、第9条とは別に規定したものである。

 なお、花き振興法第16条第1項において、「(…)地方公共団体は、(…)社会福祉施設その他花きの人を癒す効用が十分に発揮できる施設における花きの活用の促進に努めるものとする」とされている。

【解説】
1 「社会福祉施設」
 老人、児童、心身障がい者、生活困窮者等社会生活を営む上で、様々なサービスを必要としている者を援護、育成し、又は更生のための各種治療訓練等を行い、これら要援護者の福祉増進を図ることを目的とした施設(参照:平成22年版 厚生労働白書)。

2 「その他花とみどりの人を癒やす効用が十分に発揮できる施設における花とみどりの活用」
 例えば、医療施設における庭への花の植栽、エントランスへの観葉植物の設置等が想定される。
 
 (花とみどりの文化の振興)
第十二条 県は、生花その他の花とみどりの文化の振興を図るため、日常生活における花とみどりの活用の促進、花とみどりに関する伝統の継承、花とみどりの新たな文化の創出等に対する支援、花とみどりに関する知識等の普及その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、生花その他の花とみどりの文化の振興を図るため、
 ① 日常生活における花とみどりの活用の促進
 ② 花とみどりに関する伝統の継承
 ③ 花とみどりの新たな文化の創出等に対する支援
 ④ 花とみどりに関する知識等の普及
 ⑤ その他必要な施策
を講ずるよう努めることを定めたものである。

 なお、花き振興法第16条第3項において、「(…)地方公共団体は、花きの文化の振興を図るため、日常生活における花きの活用の促進、花きに関する伝統の継承、花きの新たな文化の創出等に対する支援、花きに関する知識等の普及その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする」とされている。

【解説】
1 「日常生活における花とみどりの活用の促進」
 例えば、記念日に花を贈る文化の醸成に向けたPR、家に花を飾るための工夫の紹介等が想定される。

2 「花とみどりに関する伝統の継承」
 例えば、生花文化の継承に向けたPR、現にまちづくりにおいて活用されている街路樹等についてそれを引き続き維持していくこと等が想定される。

3 「花とみどりの新たな文化の創出等に対する支援」
 例えば、街路樹文化(街路樹に親しむ活動及びその活動の文化的所産)を育むためのPR、創出された新たな文化を後世に引き継いでいくための支援等が想定される。

4 「花とみどりに関する知識等の普及」
 例えば、花の育成方法の研修会の開催等が想定される。
  
 (花とみどりの教育等の推進)
第十三条 県は、子どもに対する花とみどりを活用した教育及び保育が地域の住民等と連携協力するなどして効果的に実施されるよう、必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、子どもに対する花とみどりを活用した教育及び保育の推進に関する規定である。
 
【解説】
1 「子ども」
 学校教育のみならず、地域の中で行われる教育及び家庭内で行われる教育も花とみどりの教育として想定しているため、「児童、生徒等」3ではなく「子ども」4と表記している。
なお、その対象については、本条例において厳密に規定するものではないと考えるが、例えば、こども基本法(令和4年法律第77号)においては、「こども」を「心身の発達の過程にある者」と定義しており、子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)においては、「子ども」を「十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者」と定義していることを踏まえ、そのいずれかに該当する者と広く解釈すべきものと考える。

2 「必要な施策」
 例えば、学校の花壇作り等の花とみどりの活用において、世代交流を伴った地域活動を行うことに対する支援、花とみどりの教育等を行おうとする者に対して、その教育等が効果的に実施されるよう県として助言その他の支援を行うこと等が想定される。

3 花き振興法第16条第2項においては、「(…)地方公共団体は、児童、生徒等に対する花きを活用した教育(…)の推進を図るため必要な施策を講ずるよう努めるものとする」と「児童、生徒等」を対象としている。
4 他の条例の表記に倣い「子供」又は「こども」とせず、「子ども」表記としている。

 
 (花とみどりの名所づくりの推進)
第十四条 県は、名所に関する情報の提供、新たに名所となる花とみどりを活用した場の整備その他の花とみどりの名所づくり(次項において「花とみどりの名所づくり」という。)に努めるものとする。
2 県は、花とみどりの名所づくりを行い、又は行おうとする県民、事業者及びこれらの者で構成される民間の団体に対して、必要な支援を行うよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの名所づくりを推進するための規定である。

 なお、第2項においては、「県民、事業者及びこれらの者で構成される民間の団体」を支援対象として規定しているが、例えば、国、市町等の支援対象としていない者に対して県が支援を行うことを否定するものではない。
 
【解説】
<第1項・第2項関係>
1 「名所」
 県民等にとっての憩いの場、訪れてみたいと思える場、訪れた人が親しみを覚えるきっかけとなる場等が想定される。

2 「花とみどりの名所づくり」
 例えば、
 ① 既にある名所に関する情報を提供するため、名所百選の公開、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)等において、県民等から名所を写真等で募る場を整備すること
 ② 新たな名所をつくるため、新たに名所となる花とみどりを活用した場を整備すること
が想定される。

<第2項関係>
3 「これらの者で構成される民間の団体」
 県民又は事業者で構成される民間の団体を指し、例えば、地元のボランティア団体等が想定される。
 
 (人材育成等)
第十五条 県は、花とみどりの活用の推進に寄与する人材の育成及び確保に努めるものとする。
2 県は、花とみどりの活用の推進に寄与する産業の支援に努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に寄与する人材の育成及び確保並びに産業の支援に努めることを規定するものである。
 
【解説】
<第1項関係>
1 「花とみどりの活用の推進に寄与する人材」
 例えば、地域の花壇整備に従事する者、街路樹の剪定等に専門的な知識を有する者(例:街路樹剪定士5)等が想定される。

<第2項関係>
2 「花とみどりの活用の推進に寄与する産業」
 例えば、花き生産者、花き市場関係者、造園建設業者が従事する産業等が想定される。

5 一般社団法人日本造園建設業協会が行う認定資格。樹木の生理・生態や街路樹に関する専門知識と、伝統的な職人芸とも言える技能を併せ持ったスペシャリスト。街路樹の美観を維持し、機能・効用を最大限に発揮させるために必要な能力を充分に備える。
参照:一般社団法人日本造園建設業協会WEBサイト「美しい街路樹を守り育てる 「街路樹剪定士」」(一部加工)

 
 (情報収集等)
第十六条 県は、花とみどりの活用の推進を専門的知見に基づき効果的に実施するために必要な情報の収集及び提供、調査研究の推進等を行うよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進を専門的知見に基づき効果的に実施するために必要な
 ① 情報の収集及び提供
 ② 調査研究の推進
などを求めるものである。
 
【解説】
1 「専門的知見に基づき効果的に実施するために必要な情報(調査研究)」
 例えば、どのような品種の花とみどりが、どのような状況で活用されることによって、花とみどりの人を癒やす効用が十分に発揮できることにつながるか、街路樹をどのように管理すれば良好な景観の形成につながるか等の情報(調査研究)が想定される。

2 「(情報の)提供」
 例えば、県民に対してウェブサイト等を通じて、当該情報を提供すること等が想定される。

3 「調査研究の推進」
 例えば、調査研究の委託、調査研究を行う者への支援等が想定される。
 
 (県民及び事業者の理解の増進等)
第十七条 県は、花とみどりの活用の推進に関する県民及び事業者の理解を深めるとともに、花とみどりの活用の推進に向けた県民及び事業者の気運が醸成されるよう必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に関する県民及び事業者の理解を深めるとともに、花とみどりの活用の推進に向けた県民及び事業者の気運が醸成されるよう必要な施策を講ずることを定めたものである。
 
【解説】
1 「必要な施策」
 例えば、県民及び事業者に向けた花とみどりの活用の意義及びメリット等の広報活動、花とみどりの活用の優良事例の紹介、本条例の内容の周知等が想定される。
 
 (顕彰)
第十八条 県は、花とみどりの活用の推進に寄与した者の顕彰に努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、基本的施策として、花とみどりの活用の推進に関する顕彰について定めたものである。

【解説】
1 「花とみどりの活用の推進に寄与した者」
 例えば、花とみどりの活用に積極的に取り組む県民又は事業者、他の者の参考となる活動を行う県民又は事業者等が想定される。

2 「顕彰」
 例えば、花とみどりの活用の推進に寄与した者に対する表彰制度の創設、花とみどりの活用の推進に関するコンクールの開催等が想定される。

()   第五章 基本計画
第十九条 知事は、花とみどりの活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、花とみどりの活用の推進についての基本的な計画(以下この条及び次条において「基本計画」という。)を定めなければならない。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
 一 花とみどりの活用の推進に関する基本的な方針
 二 花とみどりの活用の推進に関する主要な目標
 三 前章に規定する基本的施策その他の施策のうち、花とみどりの活用の推進に関し、県が総合的かつ計画的に講ずべきもの
 四 前三号に掲げるもののほか、花とみどりの活用の推進に関し必要な事項
3 前項第二号の目標については、定量的に定めるよう努めなければならない。
4 知事は、基本計画を定めようとするときは、あらかじめ花とみどりの三重づくり推進会議及び市町長の意見を聴くとともに、議会の議決を経なければならない。
5 知事は、基本計画を定めるに当たっては、県民の意見を反映することができるように、必要な措置を講ずるものとする。
6 知事は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
7 前三項の規定は、基本計画の変更について準用する。
8 知事は、毎年一回、基本計画に基づく施策の実施状況について議会に報告するとともに、これを公表しなければならない。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための「基本計画」の策定について定めたものである。

 この基本計画を定めようとするときは、
 ① あらかじめ推進会議及び市町長に意見を聴く(第4項関係)
 ② 議会の議決を経る(第4項関係)
 ③ 県民の意見を反映することができる措置を講ずる(第5項関係)
ものとしているが、これは花とみどりの活用の推進に当たっては、
 ① 市町や事業者との連携協力の下、専門的視点を踏まえて検討されること
 ② 県(議会及び知事)として検討すること
 ③ 県民と一体で取り組むために県民の意見を反映させること
が必要であることから規定したものである。

 また、この基本計画については、中長期的な計画を想定しており、例えば、附則第3項の本条例の規定の検討期間と合わせて、おおむね4年とすることが考えられる。
 
【解説】
<第3項関係>
1 「定量的に定めるよう」
 基本計画に実効性を持たせるための規定であり、例えば、花とみどりを活用している県有施設の数、花植えに係るボランティア団体等の登録数、花とみどりの名所の整備箇所数等の数値で表すことができる目標を設定することが求められる。

<第5項関係>
2 「県民の意見を反映することができる(…)措置」
 例えば、パブリックコメントの実施等が想定される。

   第六章 花とみどりの三重づくり推進会議
 (設置及び所掌事務)
第二十条 花とみどりの活用の推進に関する施策を調査審議するため、知事の附属機関として、花とみどりの三重づくり推進会議(以下「推進会議」という。)を置く。
2 推進会議は、次に掲げる事項について調査審議する。
 一 基本計画に関する事項
 二 花とみどりの活用の推進に関する施策に関する事項
 三 前二号に掲げるもののほか、知事が必要と認める事項
3 推進会議は、前項に規定する事項に関し、知事に意見を述べることができる。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に関する施策を調査審議するため、知事の附属機関として、花とみどりの三重づくり推進会議の設置及びその所掌事務について定めている。

 推進会議を設置する趣旨は、県が花とみどりの活用を総合的かつ計画的に推進するためには、県以外の行政機関との連携協力の下、専門的視点を踏まえて、花とみどりの活用の推進に関する事業に従事する者の意見を聴きながら進めることが必要であるところにある。

【解説】
<第1項関係>
1 「知事の附属機関」
 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づく附属機関である。

<第2項関係>
2 「基本計画に関する事項」
 第19条第4項において、知事が基本計画を定めようとするときは、推進会議に意見を聴くこととしている。

 また、第19条第7項において準用する第19条第4項において、基本計画を変更しようとするときについても、推進会議に意見を聴くこととしている。

3 「花とみどりの活用の推進に関する施策に関する事項」
 第4章の基本的施策に限定されず、花とみどりの活用の推進に関する施策であれば、広く推進会議の調査審議の対象であると解される。
 
 (組織等)
第二十一条 推進会議は、委員二十人以内で組織する。
2 前項の場合において、男女のいずれか一方の委員の数は、委員の総数の十分の四未満とならないものとする。ただし、知事がやむを得ない事情があると認めた場合は、この限りでない。
3 委員は、関係行政機関の職員、学識経験のある者、花とみどりの活用の推進に関する事業に従事する者その他の者のうちから知事が任命する。
4 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 前各項に定めるもののほか、推進会議の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
【趣旨】
 本条は、推進会議の組織等について定めたものである。

【解説】
<第3項関係>
1 「委員は、関係行政機関の職員、学識経験のある者、花とみどりの活用の推進に関する事業に従事する者その他の者のうちから知事が任命する」
 委員の候補については、
 ① 関係行政機関の職員
 ② 学識経験のある者
 ③ 花とみどりの活用の推進に関する事業に従事する者
を例示として挙げている。

 その理由は、第20条の趣旨に記述のとおり、県が花とみどりの活用を総合的かつ計画的に推進するためには、県以外の行政機関(①)との連携協力の下、専門的視点を踏まえて(②)、花とみどりの活用の推進に関する事業に従事する者(③)の意見を聴きながら進める必要があるためである。

 条文上、①から③までの者は、いずれも委員の候補の例示に過ぎず、必ずしもそれぞれに該当する者を委員に任命しなければならないわけではないが、特に考慮すべき事情がない限りは、それぞれに該当する委員が一人はいることが望ましい。

2 「関係行政機関の職員」
 例えば、国又は市町の花とみどりの活用の推進に関する業務を担当する職員等が想定される。

3 「学識経験のある者」
 例えば、花とみどりの効用等又は造園学等の研究者等が想定される。

4 「花とみどりの活用の推進に関する事業に従事する者」
 例えば、花き産業に従事する者、街路樹の剪定等に従事する者、花とみどりの文化の振興に従事する者等が想定される。

   第七章 施策の推進
 (体制の整備等)
第二十二条 県は、第六条及び第八条の責務等を果たすため、必要な体制を整備するとともに、花とみどりの活用の推進に関する専門的な知識及び技術を有する職員の確保及び資質の向上に努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に係る体制の整備について定めたものである。

【解説】
1 「必要な体制の整備」
 例えば、「花とみどりの活用の推進に関する事務を処理する専門監の設置」、「主に本条例を所管する担当課(班)の設置」、「部局をまたいだ推進本部の設置」、「富山県において取り組まれている「(公財)花と緑の銀行」のような多様な主体が連携協力できる体制の整備」等が想定される。

2 「花とみどりの活用の推進に関する専門的な知識及び技術を有する職員」
 例えば、花き花木の種類についての知識を有する者、維持管理についての知識及び技術を有する者、街路樹剪定士等が想定される。

3 「専門的な知識及び技術を有する職員の確保」
 例えば、「前述の専門監に外部人材を登用すること」、「花とみどりに関する専門職を採用すること」等が想定される。

4 「専門的な知識及び技術を有する職員の(…)資質の向上」
 例えば、「職員に対する研修の実施」等が想定される。
 
 (三重県花とみどりの日及び三重県街路樹の日)
第二十三条 花とみどりの活用の推進に関する県民及び事業者の理解を深めるとともに、花とみどりの活用の推進に向けた県民及び事業者の気運を醸成するため、三重県花とみどりの日及び三重県街路樹の日を設ける。
2 三重県花とみどりの日は県民の日条例(昭和五十一年三重県条例第二号)第一条第一項に規定する県民の日と同一の日とし、三重県街路樹の日は十一月十一日とする。
3 県は、三重県花とみどりの日及び三重県街路樹の日には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、花とみどりの活用の推進に関する県民及び事業者の理解を深めるとともに、花とみどりの活用の推進に向けた県民及び事業者の気運を醸成するため、三重県花とみどりの日及び三重県街路樹の日について定めたものである。

 なお、本条では、「三重県街路樹の日」を設けることとしているが、その趣旨は、街路樹については、県民の接する機会が多く、また、現状として、前文で言及しているとおり、管理の効率化、道路空間の安全確保や地域の声への対応として強度に(せん)定され、又は伐採される街路樹が散見されることから、県民及び事業者の気運を醸成するために街路樹の日を設けることが特に必要であると考えられるためである。

【解説】
<第2項関係>
1 「県民の日条例(昭和51年三重県条例第2号)第1条第1項に規定する県民の日と同一の日」
 令和5年2月28日現在、県民の日は、4月18日と規定されている。

2 「十一月十一日」
 街路樹が立ち並ぶ様子を図形的に解釈(「1111」)したもの。

<第3項関係>
3 「その趣旨にふさわしい行事」
 ⑴ 三重県花とみどりの日
  例えば、花とみどりを施設に植え、又は観賞するイベントや花とみどりを感謝とともにプレゼントし合うことの啓発等が想定される。

 ⑵ 三重県街路樹の日
  例えば、街路樹文化を育むため、街路樹に親しむイベントとして、街路樹についての講演会、街路樹の木陰を利用した催し、多様な主体で連携して行う街路樹周りの花植え又はいわゆる「雑草」の除草等が想定される。
 
 (財政上の措置)
第二十四条 県は、花とみどりの活用の推進に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
【趣旨】
 本条は、本条例に基づく施策を実効性をもって推進するためには一定の財政措置が必要になることから、その点を担保するため、財政上の措置について定めたものである。

   附 則
 (施行期日)
1 この条例は、令和五年四月一日から施行する。ただし、第六章の規定は、同年十月一日から施行する。
【趣旨】
 本項は、本条例の施行期日について定めたものであり、原則として、令和5年度から本条例が施行されることを規定したものである。

 なお、第4章から第7章までの規定について、施行の日以降に求められる事項及び考え方は以下のとおり。

<第4章>
 予算編成を含め施策の検討が求められる。
 なお、当該規定を前提に基本計画が策定され、かつ、令和6年度予算の編成においても、本条例を根拠として検討が必要なため、令和5年度(令和5年4月1日)から施行する。

<第5章>
 基本計画の策定作業が求められる。
 なお、基本計画が実際に運用される時期を令和6年度(令和6年4月1日)からと想定すると、基本計画の策定作業は、令和5年度中に行う必要があるため、令和5年度(令和5年4月1日)から施行する。

<第6章>
 推進会議が設置されている状態が求められる。
 なお、令和5年4月1日に推進会議を設置することは困難なため、令和5年4月1日から6月経過後の令和5年10月1日から施行するものとし、そのために必要な準備行為については、その日の前においても行うことができるものとする。

<第7章>
 予算編成を含め施策の検討が求められる。
 なお、当該規定を前提に基本計画が策定され、かつ、令和6年度予算の編成においても、本条例を根拠として検討が必要なため、令和5年度(令和5年4月1日)から施行する。

※ 令和4年度に本条例に基づく事業を行うことは困難であるため、公布の日から施行するものではなく、原則、令和5年度(令和5年4月1日)からの施行とする。
 
 (準備行為)
2 推進会議の委員の選任のために必要な行為その他の第六章の規定の施行のために必要な準備行為は、同章の規定の施行の日前においても行うことができる。
 【趣旨】
 第6章の規定は原則的な施行日から遅れて令和5年10月1日から施行することとしているが、当該規定の施行時に、花とみどりの活用の推進に関する施策を調査審議するためには、推進会議の委員の任命等を事前に進めておく必要があるため、第6章の規定を施行する前から準備行為を行うことができるものとしている。
 
 (検討)
3 この条例の規定については、この条例の施行後おおむね四年ごとに検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。
【趣旨】
 本項は、本条例の見直しについて、規定したものである。

 なお、見直しの主体については、特定の者を明示せず、議会、知事のいずれが行ってもよいものとしている。

 また、見直しの時期については、議会、知事のいずれかが、その任期の内に一度は見直しを検討することが望ましいと考えることから、その任期である4年を目安としている。
 
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