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三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成18年度 委員会会議録 > 平成18年12月12日 教育警察常任委員会 会議録

平成18年12月12日 教育警察常任委員会 会議録

予算決算特別委員会教育警察分科会

会 議 録

(開 会 中)

開催年月日   平成18年12月12日 自 午前10時 6分 ~ 至 午後 4時52分

会議室   502委員会室

出席委員   8名

委員長 中嶋 年規  君
副委員長 北川 裕之  君
委員 清水 一昭  君
委員 竹上 真人  君
委員 岩田 隆嘉  君
委員 三谷 哲央  君
委員 辻本  正  君
委員 橋川 犂也  君

欠席委員   なし

出席説明員

[警察本部]

本 部 長   大庭 靖彦  君

警務部長   笠間 伸一  君

生活安全

部  長   大滝  治  君

刑事部長   中西 秀輝  君

交通部長   児玉  忠  君

警備部長   伊藤  章  君

その他関係職員

[教育委員会]

教 育 長   安田 敏春  君

        副教育長兼経営企画分野

        総括室長   鎌田 敏明  君

        教育支援分野

        総括室長   東地 隆司  君

        学校教育分野

        総括室長   坪田 知広  君

        生涯学習分野

        総括室長   前川 耕一  君

        研修分野

        総括室長   上島  均  君

その他関係職員

[生活部]

        安心安全まちづくり

        特 命 監   工藤 好洋  君

                      その他関係職員

傍聴議員   0名

県政記者クラブ   5名

傍 聴 者   10名

議題および協議事項

I 警察本部関係

【常任委員会】

 1 議案の審査

   ● 議案 第20号 「三重県警察の組織に関する条例の一部を改正する条例案」

 2 所管事項の調査

   ● 県民しあわせプラン第二次戦略計画(仮称)中間案について

   ● その他の事項について

【分科会】

 1 予算議案の審査

   ● 議案第 1号 「平成18年度三重県一般会計補正予算(第3号)」の関係分

 2 所管事項の調査

   ● 平成19年度当初予算要求状況について

II 教育委員会関係

【常任委員会】

 1 請願の審査

   ● 請願 第36号 「『命の大切さ』を学ぶため学校における飼育動物に関する教育推進について」

 2 所管事項の調査

   ● 県民しあわせプラン第二次戦略計画(仮称)中間案について

   ● その他の事項について

【分科会】

 1 予算議案・予算関連議案の審査

   ● 議案 第 1号 「平成18年度三重県一般会計補正予算(第3号)」の関係分

   ● 議案 第17号 「公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」

   ● 議案 第18号 「公立学校職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例案」

   ● 議案 第28号 「三重県営鈴鹿スポーツガーデン体育館の指定管理者の指定について」

 2 所管事項の調査

   ● 平成19年度当初予算要求状況について ほか

III 委員協議

【常任委員会関係】

 1 常任委員長報告について

 2 閉会中の継続審査・調査申出事件について

【分科会関係】

 1 分科会委員長報告について(予算議案・予算関連議案・予算調査)

【会議の経過とその結果】

〔開会の宣言〕

I 警察本部関係

【常任委員会】

 1 議案の審査

   ● 議案第20号 「三重県警察の組織に関する条例の一部を改正する条例案」

 (1)審査

   1) 当局から資料に基づき補充説明(大庭本部長説明)

   2) 質疑

     な し

 (2)採決

     議案 第20号     挙手(全員)     可決

 2-1 所管事項の調査(第二次戦略計画(仮称)中間案等について)

 (1)当局から資料に基づき補充説明(大庭本部長説明)

 (2)質疑

○中嶋委員長 では、委員の皆様、ご質問等がありましたらお願いしたいんですが、ここの部分では今後の県政運営にかかわる事項を中心にしていただきまして、19年度の予算要求に係る事項は後ほどの分科会で質疑をお願いしますので、今後の県政運営に係る事項を中心にご質問等がございましたら、お願いしたいというふうに思います。

○辻本委員 13ページの緊急的ソフト対策の推進で「犯罪に巻き込まれた被害者やその家族・遺族に対する支援」という、具体的にはどういうことなのか、ちょっと教えてください。

○笠間警務部長 具体的な内容ということですね。はい。現在、社団法人みえ犯罪被害者総合支援センターができております。この組織を中心にして、当然、県警の方にも対策室がございますので、被害者の方々が置かれている現状、特に悲惨な状況にある方もおられますので、そういう現状を広くお知らせして、理解を得るとともに、地域も巻き込みまして、支援体制の仕組みづくりを構築するというような事業を進めてまいります。

○辻本委員 ちょっとようわからんのですけど、犯罪被害者が住んでいる地域の人たち、その人たちにどういうふうな理解を求めて行くんかということですね。

○笠間警務部長 広報活動、特に内部的にはシステム、そういうものを構築して、適切な被害者の声におこたえするような、リアルタイムにおこたえできるような体制は当然努めますけれども、そのほかに、先生おっしゃるような支援をどうやって知らしめていくか。広報活動が中心でございますけれども、広報啓発活動ということで、先ほど申し上げましたセンターと協力しまして、いろいろな形で広報活動を進めていくということで、その内容については、これから検討させていただくということです。

○中嶋委員長 よろしいですか。

 ちょっとお聞きしたいんですけど、地域を巻き込んだ犯罪被害者支援の仕組みをつくると冒頭おっしゃられましたよね。それが、その広報啓発していくことなんですか。犯罪被害者がいらっしゃる地域の方に広報啓発していくわけですか。ちょっと答弁になっていないと思うんですけど、笠間警務部長、もう一回。

○笠間警務部長 地域に民間の支援組織等ございますので、その方々について被害者支援についてのシステム、これについての情報提供あるいは研修会、この研修会は周知徹底、広報もございますけれども、地域のリーダーをつくるというような研修会も当然含むものでございますけれども、こういうふうな人材育成も含め、あるいは被害者の方々への県民の皆様、こういう方々の理解と協力を求めるという啓発活動、あるいは、それより更に一歩進んでボランティアへの参加促進。あるいは、支援センターで様々な活動を行っていますが、それの紹介も当然含みますけど、それに対する側面的な支援、あるいはセンターからの支援機能の強化も図っていくというようなことを考えております。

○中嶋委員長 わかりました。ほかに。

○清水委員 3ページ、またあるいは4ページのスーパー防犯灯なんですけども、これは2004年度から整備してきていただいているんですが、利用率というのはどんなものですか。

○大滝生活安全部長 利用率は、10月末現在の資料しか手元にはございませんが、県内で今まで通報を受けたのは、全部で有効通報が59件ございます。その中には暴走族の情報、酔っぱらいが来て困るとか女性が倒れているとか、いろいろでして、それ以外にも、いたずらや誤報を数えますと、1,016件の通報をいただいておりまして、かなりいたずらが多いということでございます。

 これにつきましては検挙事例もございまして、17年と18年にそれぞれ窃盗事件とか器物損壊事件で、通報をいただいたことによって検挙しているというような事例も四日市とか桑名市内であります。以上でございます。

○清水委員 高齢者あるいはまた子どもたちを含めての通報できる装置ということで有効だとは思うんですけども、ちょっと発想を今後変えていただければですね。ミニスーパー防犯灯、3カ年2億円程の予算措置がされているんですが、例えば小学校なんかは、今、地域なんかでいろいろ防犯パトロール隊が出て、非常に活動をされているわけなんですが、高校なんかの通学路で、鈴鹿市内もあるんですけど、五、六百メートル、水田の中の農道のようなところが通学路になっていて、真っ暗なんですよね。そこの近辺でわいせつ行為なんかの事件も発生しておりますし、学校なんかが防犯灯なんかを要望しても、なかなか設置できないという状況なんですわ。そういったところにスーパーミニ防犯灯を今後、繁華街じゃなくて、そういった盲点のところですね、そういうところに設置していただくような形になればありがたいなと思うんですが、いかがでしょうか。

○大滝生活安全部長 スーパー防犯灯やミニスーパー防犯灯につきましては、これは重点プログラム事業ということで平成16年から3か年計画で設置をしていただいたわけですが、当面、犯罪の多発地帯につけるということでご理解、ご承認いただきまして設置いたしましたが、18年度でひとまず完了ということを考えております。それで、今後は、より効果の上がる通報訓練等を積極的に広報していきたいと。

 それから、委員ご指摘のライトの、電気の話ですが、これは県の知事部局でもいろいろやっていただいておりますが、啓発も平成6年から地域安全活動の一貫としてやっています。平成9年にセーフティライトアップ運動と名前は変えておりますが、これは自治体とか職防とか民間とか企業などへ働きかけて、街灯以外に家庭の門灯や、工場とか企業であれば、外周へなるべく付けていただきたいということで、啓発も、外灯を明るくするという運動に取り組んでいる次第でございます。

○清水委員 それはわかるんですが、周辺が水田地帯で何もないような、そんな事業所もないようなところで、そういった運動はあまり効果がないもので、18年度でこの事業は終了するそうですが、何らかの効果のある対策を考えていただければなという思いで質問したんですが、今後、これはずっと、どのぐらいの耐久性があるのかわかりませんけども、有効な通報が59件で、いたずらなんかが1,016件ということで、それだけの通報に対応するから繁忙ですよね、署員の方々も。これは何らか今後どうするのか考えていった方がいいかなと、そんな気もしますけども、この防犯灯。

○大滝生活安全部長 子どものいたずらは多いです。今現在、啓発は園児とか小・中学生に対して積極的に広報しております。地元では、もう少し高いところへつけたらどうだという話もあったのですが、高いところへ付けてしまいますと、せっかく子どもが緊急事態でベルを鳴らそうとしても届かないということもありますので、リスクはある程度承知の上で、広報して予防に努めてまいりたいと考えております。

○中嶋委員長 よろしいですか。ほかに。

○竹上委員 ちょっと教えてほしいと、見た感じなんですけど、9ページの新しい基本事業の目標を決めましたでしょう。被害者相談の満足度なんですよね。これはみえ犯罪被害者総合支援センターができましたですよね。こういうふうなものができるというのはすごくいいことだなと思って、この前も、たしかこの常任委員会でしたっけ、見させてもらって、ああ、なるほどなと思って帰ってきたんですよ。それで、また交番には交番相談員というふうな形で置いていただいておるんですよね。ただ、満足度が指標なんかなという気がすごくしますのよ。犯罪被害者の方がまず来ることが大事な話ではないか。犯罪の件数に対して一体どれぐらいの人がこの相談に果たして来るんだろうと。

 そこのね、そういうところが大事なような気がしまして、犯罪と言ったって、凶悪犯から、いろいろあって、例えば交番で相談することもありますでしょうし、署でやることもあるでしょうし、また、こういった支援センターへ来て相談をしていただくケースもあるんだろうけど、現実に被害者の方がどんだけ要するに相談に来てもらうかがまず初めの指標なんじゃないかなと。その上で満足がどうか。

 でも、不満足やったらというのは、どんなケースなの。その場でアンケートをするんでしょう。被害者から見た相談対応の充実度合いについてアンケート調査をするんでしょう。それ、不満足で出すのかね。対応が悪いと怒っているだけのことですよね、不満足ということは。普通の人は、相談に来たら、普通は満足と出すんじゃないのという気がするんですよ。そうすると、指標的にもし作っていただくんなら、どんだけの人が相談に来ていただいたんだというところをまずやらないと、何かしら目標になっていないような気がするんですよ。

 その次もそうなんです。基本事業の目標で、安全を守る活動基盤の整備というふうな中で目的があって、基本事業の目標が、片や凶悪犯の検挙率なんです。片や施設の充実度なんです。これも相談室が設けられること、交番がバリアフリー化されることが果たして目標値なのか。これも要するに、どんだけの方が相談に来たのかであるとか、そこがやっぱり、例えばバリアフリー化するということは多分想定しておるのは車いすの方であるとか、そういった方を想定しておるんですから、そのうち何人の車いすの方に来ていただいたとか、そういうことでないと。

 別に悪いこととは思いませんけど、今、県だってそんなに潤沢な予算があるわけじゃなくて、交番に全部、相談室を必ず設けよ、バリアフリーに全部改修せえよという話ですよね、これは。本当にそうなのと。現実にどんだけの人が来ていただいて、どんだけの相談があって、だから、やっぱり要るんですよというふうなものでないと、私はぴんとこないんですよ。本来的な定量的に目標設定するということはすばらしいことなんだけど、そういう目標設定をするんなら、例えば犯罪被害に遭われた方に支援センターがありますよという周知がどんだけ図れていて、どんだけの人が来るかということの方がずっと大事なような気がするんですけど、どうでしようね。

○笠間警務部長 先生おっしゃるのはごもっともだと私も思います。多くの被害者の方がおられますけれども、その方々が支援を求められて、支援センターなり県警の対策室、中心は支援センターの方にはこれからなっていくとは思うんですが、相談に来ていただけるか。当然、そのための施策として県警としては支援センターとタイアップしましてサポートカードの配布等も進めております。ですが、その被害者の全体の中から、どのぐらいの方が来られるか。というのは、要は、その中には支援は要らないという方も当然おられるわけで、被害といっても軽微な被害もございますし、全くそんな援助は要らないという方もおられるんで、それをどこで測るか。そのうちの被害者サポートカードを配ったうちの何%が来られれば目標値かというところも設定しづらいのかなということです。

 実は、ここもですね、この相談の満足度も、おっしゃるように、要は満足じゃない者が怒るためにやるのかというご指摘もごもっともなんですが、まだ、これは全く今までそういうものはとっておりませんので、とりあえず、こういう目標値を設定したものなんですけれども、ただ、先生のご意見を踏まえて、改善できるものがあれば、ちょっと検討はしてまいりますけれども、被害者の中から何%来られるのかというところの目標値を設定しづらいというふうに現状、県警の方では考えております。

 あと、もう一つ、基盤整備の関係でございますけれども、この中で先ほどのご意見のような形で設定することも可能だと思うんです。この基本事業の項目自体が基盤整備でございますので、すべてをバリアフリー化するということは多分、財政的にも無理だとは思いますけども、やはり基盤を整備して、被害者の方あるいは相談に来られる方、県民の方がお見えになりやすいものについて、きちんと器を備えておくということで、こういうふうな目標を設定したということでご理解をいただきたいと思います。

○竹上委員 ハードの方は、そういう意味合いもわかります。

 犯罪被害者の方は、聞いていますと、初めてのことだから、実は、これは議会も悪いんだと思うんですよね。目標に達していなかったら、文句を言うじゃないですかね。せやから、どうしても、安直なと言ったら悪いですけど、そういう目標を設定しがちやと思うんですけども、実際に全犯罪被害者の中で相談に来る人というのはそんな、パーセントで言や低く、高くもなるはずが私もないと思います。軽犯罪もあれば、いろいろありますからね。例えば凶悪犯に限った場合、どれぐらいの人が来るの。それもやってみやんと、わからんというところもありますわね。だから、目標設定がしづらいというような気はするんですよ。だけども、本来やっぱり、支援センターができて、これがどんだけの被害者の方に浸透しているであるとか、そんなことがもっと私、大事なような気がしますのよ。

 そうすると、例えば凶悪犯の中の被害者の人はどんだけこの支援センターに足を向けてくれたかとか、本来やっぱりそうでないと、支援センターの意義がどんどん薄れてくるんじゃないかなと。その目標値に届かんかったからいかんとか、いいとか、そういう話じゃないとも思うんですね、こういう話は。だもので、あまり満足度と言われると、すごく何かぴんとこない。それは、まず相談のテーブルに乗るということが大事であって、それで満足する、満足しないというのは、多分こういった支援センターは一所懸命やってくれると思う。ただ、被害者の方はいろんな心理的なものであるとか、そういったもので、それで満足するかどうかというのは、これまた違う話のような気もするんですよ。だもので、一度それは、こういう支援センターができた、これがやっぱり周知されていく意味でも、少し考えてもらいたいなと思います。意見でもう終わっておきますんでね。

○中嶋委員長 では、ほかにございませんか。

○三谷委員 次の二次の戦略計画の目標に刑法犯の認知件数が上がっていまして、それに対しての県の副指標として凶悪犯の検挙率を上げていただいた。そのほか、基本事業もそれぞれ具体的な絶対数を目標にされているということは評価できると、こう思います。

 特に凶悪犯の検挙率等は80%という非常に高い目標値を上げていただいておるんですが、80%というのは他の県に比べると、どうなんですか、いろいろでしょうけれども。

○中西刑事部長 本年10月末の締めのデータでいきますと、全国の平均検挙率68.8%。ちなみに、三重県は75.3%ということでございます。

○三谷委員 それでは、この80%というのは、努力次第では達成が可能な数値というふうに理解をさせていただいてよろしいんやろか。これは非常に高いなと思ったんですが。

○中西刑事部長 目標管理数値としては、そのプロセス管理をきちんとすれば、達成可能かなというふうに私は考えております。

○三谷委員 それから、もう一つ、先ほど議会意見に対する対応のご説明があって、マネジメントの話なんですが、本部長のお話を伺っていますと、要は、警察は県庁の他の部署とは組織とかルールが違うんで、独自でやっているんで、マネジメントとかと言われても、同じようにはいきませんよ、これは国が示していく中で独自でやっておるんで、議会の意見は多少は聞くけれども、そう大した取組はできませんよというような、そんなふうに理解できたんですが、どうなんですか。

○笠間警務部長 決して議会のご意見を軽視するということではございません。警察としては、先ほど本部長が説明をいたしましたように、全国警察は統一をとって教育、あるいは人事管理等についても部長クラスは、地方警務官等で配置しておるというような形もございますし、ある部分、警察庁、国の方できちんと計画を立て、それについての検証をするというシステムもございます。

 当然、あと監察制度、これは警察はきちんと整っておりまして、年4回、管区警察局が監察する、それと、同じく年4回、警察庁も監察をする。あるいは、一般の方、県民の方のご意見を聞くということで、警察署協議会も数多く開きまして、各署にも置いてございます。そこでご意見を聞いて、また、それを全体集約して、県内でまとめて警察署協議会の全体会議ということでもご意見を聞く。いろいろな場で、なるべくマネジメントに必要な形でご意見を今まで広くいただいておりますし、きちんと警察庁、当然、公安委員会もそうでございますけども、そういうふうな形でマネジメントできているというふうには思っておるところでございます。

○三谷委員 内部のマネジメントシステムというか、評価システムはそれなりの制度的に整備されていると、こう思うんです。しかし、それで覆い切れないところが結構あって、いろいろ不祥事が出たり、そういうようなこともこれありなんで、議会も含めて、外部からの評価とかマネジメントとかがきちっとできるような、そういう仕組みをやっぱり三重県は三重県としてある程度考えていかなければいけないんではないですかということを前からお願いをしておるんであって、そこらへんの指標化ができるような指標がなかなか見えてこないんで、あえて申し上げておるわけです。

 先ほどの本部長のお話だと、国の方のそういう評価システムがあるし、マネジメントはやっていますよというご説明で、しかも公安委員会がありますと。確かに公安委員会があるのはわかっておるんですが、公安委員会はそのままきちっとそんなに機能しておるんかなというのは僕らはよくわからない。本会議でも公安委員さんに1回質問しようと思うんですが、なかなかさせていただけないということもありましてですね。

 だから、そこらへんのところ、やっぱり三重県としてのマネジメント、こういうものを新しく三重県としてはやっていますよというところが見えてこないと、今の本部長のお話だけではよく、国の方のルールに従ってきちっとやっていますから、大丈夫ですよと、こう言っておられるにすぎないんではないかと、こう思うんですが、三重県独自の部分というのはどこにあるんですか。

○笠間警務部長 教育の面では、国の予算をいただいて警察官教育を行っており、それに対するマネジメント、これについても警察庁の指導で計画から、研修からすべて行っている。ただ、それについて、県はそれを国から言われたことだけをやっているのかということではなくて、一応、教育の面で例えて申し上げれば、ある程度、その中についてきちんと県でいろいろな教養の項目、施策等を、実際に行っております。それにつきましては、当然、警察庁の検証があったときについても、それを報告して評価をいただくということでは進めておるとは考えております。

○三谷委員 先ほど本部長が言われた議会意見をある程度酌んでマネジメントを充実させていかれると言ったのは、どこですか。その教育の面ですか。

○笠間警務部長 例えで申し上げたのは教育の面でございますけども、あと例えば個人の意見、要は職員の意見ですね。県も職員の意見を取り入れて、アンケート調査などをされて、例えば福利厚生の面でも満足度を測ったりされておりますけれども、県警も独自に身上把握、個人面談等で、これはかなりの回数、年間2回、3回と、必要があれば、それ以上の形で、各職員に対して幹部がきちんと面談をして、いろいろな意見を吸い上げて、その満足度なり、あるいは業務に対する意見等を吸い上げて、それをきちんと組織にのっとって上まで上げていく。それについてきちんと本部長まで上げて、それに対するものをちゃんと施策に反映させていくという形で進めております。

○三谷委員 今おっしゃったことは、それは他県ではなされていないけども、三重県で独自で考えてやっていますよということですか。

○笠間警務部長 他県でも同じような、似たような形ではやっております。ただ、その中身について、その様式あるいは進め方については、それぞれの県で独自にやっておるということでございます。

○三谷委員 もういいですけども、やはり議会からいろいろ注文が出たようなことというのは、それはある程度、国の制約とか、制度的な、法的な制約は当然あるにしても、できるだけ生かしていっていただくということが大事だと、こう思いますので、その点、ぜひお願いをしたいと、こう思います。

○大庭本部長 ありがとうございます。内部的な統制をどうするかという話と、それとシステムとしてどういうマネジメントシステムをつくるかということについては申し上げたとおりのことでございますけれども、委員を始めといたしまして、この場でいろいろいただいたご意見あるいは本会議等でいただいたご意見につきましては、先ほどの説明の第1点目、これもまさに前回のご指摘を踏まえて取り入れたものでございますので、時に応じて、いただいたご意見を施策に反映し、また今回のように次の機会にご報告できることもあれば、しばらく時間もかかることもあると思いますけれども、議会からの意見は一つ一つ真摯に受けとめて対応していきます。

 ただ、一つ言えるのは、全体としての枠組みをどうするかということについては、先生もご指摘のとおり、国としての、警察という国全体で行っているもの、部分があるものについての枠組み、制約というものと、若干、県の知事部局の部分と、そのへんの違いがあるということについてはご理解をいただきたい。

 ただ、個別の事項についてご指摘いただいたことは県民の皆さんの声を反映したものであると考えますので、それを対応させていくように、これから努めていきたいと思います。よろしくお願いします。

○中嶋委員長 よろしいですか。ほかにございますか。

          (「なし」の声あり)

○中嶋委員長 ほかになければ、第二次戦略計画中間案等に対する調査を終了いたします。

 2-2 所管事項の調査(第二次戦略計画(仮称)中間案等以外について)

 (1)当局から資料に基づき補充説明(大庭本部長説明)

 (2)質疑

○中嶋委員長 ご質問等がありましたら、お願いしたいんですが、この後、分科会もございますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

○辻本委員 交通事故についてちょっとお伺いしたいんですが、道路別に事故件数というのは出ているんでしょうか、いないんでしょうか。

○児玉交通部長 交通統計を出しておりまして、各道路別の事故は、その道路別に出ております。

○辻本委員 道路によって走る台数が違うと思うんですが、その台数に対してどんだけの事故かという事故率というんですか、事故割合というんか、そんなものはございませんか。

○児玉交通部長 各道路の台数はおおむね5年に一度出していますが、その数に関して、その場所、場所によって件数はなかなか拾いがたいところもございまして、数としては走行台数に対しての事故発生率というものは出しておりません。

○辻本委員 道路交通法というのは全国共通の法律だと思うんですが、例えば、この道路のこの区間は追越し禁止であるとか、あるいは、この区間は30キロ制限だとかというのは、これは県で独自に決めるんじゃないかと思うんですが、私とこ、私の住まいしているところには県道伊勢大宮線というのと伊勢南島線というのがありまして、伊勢南島線というのはほとんどが破線になっています。追い越し可能な線なんですね。ところが、伊勢大宮線は、私が家を出てから伊勢市まで全部黄線なんですね。だから、事故が少ないんか、多いのか、そんなことを1つはお聞きしたかったんですが。

 ただ、それも、わからなければいいんですが、30キロ制限であるために事故が起こったり、あるいは60キロ制限であるので事故が起こったり。例えば40キロ制限だけども、40キロで走っておる人はほとんどいない。ほとんどの人が流れに沿っていけば、60キロで走らなならん。こんなこともあるんじゃないかと思うんですね。前に私もその見直しをせんのかということをお聞きしましたら、いや、見直しはやっていますよということで、30キロのところが40キロになったんですね。あるいは、40キロが50キロになったりということはあったそうですけども、事故と規制とのかかわりというのは年々見直してもろておるんかなということを思いますんで、同じ県道であっても、伊勢南島線は追い越しができるんですけど、伊勢大宮線は全然できない、こんなことになっていますんで、事故との件数とか、あるいは車の走行台数とか、そんなことにかかわってくるんかなというふうに思いましたんで、ちょっとお聞きしたんですが、もう答弁はよろしいで。

 走りやすい道路と走りにくい道路、公安委員会がここはそうした方がええのうというぐらいなことで決めるんじゃなくて、やっぱり実態を調査してもろて、そして見直してほしいなと、こういうふうに思うんですが、今の車というのは、私の乗っておる車でも、知らんとおるとぴゅっと120ぐらい出るんですね。出ないようにはできないんで、足をすっと置いておると、120ぐらいで走っていく。そんな車なんですね。高速の話ですよ。そういう普通の県道は足を置いて120では走りませんわね、実際、危なくて。そんなところは別ですけど、とにかくそういう規制のための規制があるような気がしますんでね。

 なぜ伊勢南島線と伊勢大宮線は、同じような幅なのに、そういう走行規制があるんか、そんなこともよくわかりませんだもので、お聞きしたんですけど、その説明はよろしいで。ただ、実態に即して、走っている人たちも納得するような規制にしてほしいなと。それはスピードは出した方が快適ですから、早よ走れるようにせいというのは一般の人だって思いますけど、あまりにもそういうための規制と違うんかなという。一ぺん、実態調査してもろてですね。だから、伊勢大宮線と伊勢南島線と事故件数がどう違うんかというのは僕も聞きたかったんで、お聞きしたんですけど、それはわからんようですから、結構ですけど、そのことを今後検討していただきたい。

 この間、NHKテレビでやっていましたけど、あれ、何という道路でしたか、ダブル線からシングル線になるところがあって、そのシングル線がまたダブル線に戻るところ、そういうところでたくさん事故が起こっておると。愛知県の幸田町だったと思うんですけど、そんなふうに、道路の構成とか、そんなんで事故がよく起こるところもあると思いますし、いろいろなそういうことを勘案していただいて、規制も見直していただきたいということをお願いしておきます。

○児玉交通部長 最近のデータを持っていませんので、正確なものは出ないんですが、去年の見直し、最高速度の見直した路線、区間等につきましては、50キロの解除が3区間、約5キロ、それから40キロの解除が9区間、約16キロ、30キロの解除が11区間、約10キロというようなことで、毎年、一応、その場所、場所については各地域の意見等も聞きながら見直しをしておるところでございます。今、先生おっしゃられた伊勢大宮線と伊勢南島線については具体的な数を持っていませんので、ご答弁しかねますけども、見直しをしているということをご理解いただきたいなと。

 それから、先ほどお話しありましたボトルネックの関係につきましても、これから年末にかけて渋滞が予想されまして、警察の方から各関係機関の方へも要求、要望いたしています。交通事故もさることながら、渋滞も発生しておりまして、年末にかけてなかなか解除できない渋滞が予想されるところも中にあるということをご理解いただきたいなと。

○辻本委員 年末年始、神宮に向けて、たくさんの車が来ます。上の道路が込むものですから、下へおりてきます。また下も混雑をします。そんなことで、後ほどで結構ですから、伊勢大宮、伊勢南島、それからサニーも走っていますね。そのへんの通行量と、それから事故発生件数なんかがもしわかったら、資料をください。

○中嶋委員長 児玉交通部長にちょっと確認なんですけど、辻本委員がおっしゃられているのは交通事故発生の箇所とその規制との見直しというか、交通事故が発生している場所、特に多発しているところとか、そういうところを踏まえて、そういう規制の見直しはされているのかどうかというところについてはどうなんですか、イエスかノーかで言うと。

○児玉交通部長 事故がありましたら、その都度、事故のところ、大きな事故ですけども、確認に行っておりまして、それに対して見直しをしておりますので、全般的なものは当然そうなんですけども、事故にあわせても確認をしております。

○中嶋委員長 よろしいか。他に。

○三谷委員 ちょっと教えていただきたいのは、交番・駐在所再編の効果の検証なんですが、ここに出ている数字は再編した地域のパーセンテージが、こういうふうに減りましたよとか、増えましたという。これ比較、本当に検証しようと思うと、再編していない地区と再編したところがどうなのか、どう違うのかという、その数字を見せていただかないと、どれだけの効果があるのか、よくわからないんですが、それを教えていただけませんか。

○大滝生活安全部長 再編した地区について検証しましたので、再編していないところとの数字については今まだ手元にはございません。

○三谷委員 例えば刑法犯の認知件数やったら、全体に3年連続、下がってきているわけでしょう。ですから、全体に減っておるわけですね。だから、再編効果を見ようと思うと、していないところがどの程度減って、したところがどれだけ減ったとかですね。検挙人員も、したところはこれだけ増えましたよ、していないところはこうですよと、その比較が出ないと、わからないんですが。

○大滝生活安全部長 県内全体と再編したところというのはあるんのですが。

          (「再編していないところと再編したところ」の声あり)

○大滝生活安全部長 それはまだ、今、再編している最中です。

○三谷委員 最中と言ったって、16年度のやつと17年度のやつが出ておるんやで、何も18年度のやつを今出せと言うておるんと違うんで。

○大滝生活安全部長 今後検証してまいりたいと、このように思います。

○三谷委員 それはぜひ後でまた、資料でも結構ですから、作っていただいて、見せていただきたいと思います。

 それから、もう一点、平成18年1月から10月の犯罪情勢の匿名性の高い知能犯罪の認知状況等を見せていただきまして、まだまだオレオレ詐欺だとか架空請求、融資保証金詐欺等が多いなという感じがするんですが、これは認知状況で、検挙状況はどうなんでしょうか。

○中西刑事部長 昨年中と今年について申し上げます。

 平成17年中は75件、12人を検挙いたしまして、件数、人員とも前年を上回る実績を上げております。

 今年に入ってからは、この10月末現在で、オレオレ詐欺関連で25件、4人を検挙しているところでございまして、今年に入って少し減少傾向にありますので、思ったように検挙実績は伸びておりません。以上です。

○三谷委員 75件、12人というのは、これは全部オレオレ詐欺ですか。架空請求とか融資保証金詐欺も入っての話ですか。

○中西刑事部長 振り込め詐欺全体です。

○三谷委員 分けて教えていただけませんか。オレオレと架空請求、融資保証金と。

○中西刑事部長 オレオレ詐欺が46件、架空請求詐欺が29件、融資保証金ゼロ件、トータル75件、前年対比プラス69件、こういうことです。

○三谷委員 融資保証金詐欺というのはなかなかつかまえるのは難しいんですか、これは。

○中西刑事部長 いずれも難しいんです、3つとも。被害者は三重県の人なんですけれども、悪の足場が東京方面ですので、捜査員をその都度派遣してやっていかなければならないので、かなり捜査コストがかかります。そういう中でできるだけ悪用される銀行口座の捜査をやっていくとか、携帯電話の不正売買等の犯罪をこまめに検挙していくということを日々重ねておるところでございます。

○三谷委員 結構です。わかりました。

○中嶋委員長 ほかにございますか。

○竹上委員 駐車違反の話なんですけども、要するに4分の3が駐車監視員なんでしょう。やっている駐車監視員は四日市と津だけですよね。道交法改正以降の話ですから、どの集計になっておるのかわからないけど、要するに県警本部として4分の3が監視員が駐車違反の切符をやったと。これが想定しておったということなのか、意外に多いわということなのか、どうなんです。

○児玉交通部長 一応、件数では想定、これぐらいの数は検挙してもらえるのではないかなというので、想定の中に入れています。確かに先生おっしゃられたように、警察官の検挙数は少ないんですが、それは、そこまで力が及んでいなかったという部分があるのではないかと思います。

○竹上委員 別に警察官がようけ取り締まれと私言うておるわけじゃなくて、三重県の道路に占める割合で言えば、非常に小さい地域で、こんだけの検挙をするわけですよ。前から申し上げておるとおり、これは道交法が改正されて、つかまえるなという話は多分ないですけども、前の話やと、監視員が行って切符を切るまでにはやっぱりある程度の時間があるんで、それで、そこの、ちょっとした用で寄る人なんかはそこで帰れるだろう、切符は切られないだろうみたいなことを、この前、ちょっと聞かせていただいたように思うておるんですけどね。多分そんなこともなっていないんだろうと、この件数を見る限りは。私自身が申し上げると、これはこれで事象として駐車違反がなくなるんやから、ええことであるけれども、実際に、そこであった商店への影響とか商店街への影響は一体どうなんだ、そういったことまで把握をしておられるのかどうかということなんですよ。それらはどうですか。

○児玉交通部長 駐車の関係は、その規制についても、その近辺で活動が行われている荷さばきあたりの時間も考えて、意見を聞いた上で実施をしておりまして、商店の売り上げについてどこまで影響が及んだかとまでの調査はしておりません。

○竹上委員 今、これは前からいつも申し上げることなんですけども、この道交法の改正と、いわゆるまちづくり3法の改正というのはどうも相反するわなと、ずっと思うておるんですよ。現実にこういうふうな検挙がなると、あそこへ買い物に行ったら、つかまるから、やめておこうという話になるはずなんです。私としては、悪いとは言わないんだけど、本当にどれぐらいのところになって切符が切られているのか。本当のところ、ちょっとした買い物に行く程度まで切符を切っているような実態があるのかどうかね。

 そこはやっぱりもうちょっと見きわめて、監視員の方というのは、これも自分の仕事ですから、駐めてあったら、切らざるを得んというふうなことなんでしょうし、また全国的なトラブルを見ておると、監視員の方に体当たりしていった人がおるとか、悪いこと、おかしなやつも中にはおるんでしょうけど、現実なところとして、どこまでが許容範囲か。駐車違反は、これは悪いことだというのは十分わかった上で、しかし社会的な受忍の限度みたいなものが本来やっぱりあるんじゃなかろうかなというふうに思うたりするんです。要するに、目の前で、あそこへ買い物に行くのに、その前にちょっと駐めるぐらいのことで、それが本当に道路交通上、非常に交通を阻害しているのかというところの部分だと思うんですが、実際のそういうふうな時間というのは、どれぐらいを見ておるんですか。

○児玉交通部長 時間でいいとか悪いとかというような問題ではなく、例えば一般の人が、ちょっとそこへ買い物に行くから、ここに一、二分止めてもいいじゃないかということは事故を誘発する原因になります。ですから、基本的にはだめなんですね。駐車場があるところへ車を止めていただくことが必要だろうと。ですから、ほんの5分ぐらい止めるの、いいじゃないかという部分については、そこまでいいということは言えません。ただ、人の乗り降り、荷物の積みおろしのために5分間の停車は除くと、法で定めておりますので、あくまでも荷物の積みおろし、それから人の昇降のためのものでありまして、駐車、ものを買いに行くというようなのは即駐車違反になりますので、ご理解いただきたいなと。

○竹上委員 説明としてはよくわかります。ただ、この実態的な話で言うと、やっぱりちょっと多いよなと。警察の方が駐車違反を取り締まれと言うつもりはないですが、非常に限られた区域で駐車違反の監視員を入れたら、それが三重県全体の駐車違反の4分の3を占めているという実態というのはやっぱりどうも変だわなというふうに私なんかは思います。少なくせいとも別に申しませんけども、また警察の方も頑張って、ようけ駐車違反を取り締まれと、このことも別に申し上げませんし、実態的にはどうも何かぴんとこない話かな。意見だけで終わっておきます。

○中嶋委員長 ほかにご質問。

○岩田委員 今までから質問がずっと出ておったと思うんですけど、僕は初めて聞かせてください。名阪国道なんです。一般国道で60キロということです。実態を申し上げます。僕、家を出てから、その名阪に乗って来るんですけども、それで関のインターまで24キロあるんです。関からこちらが18キロですか。それが、その24キロ走ってくるのに20分で来るんですよ、走行車線を走って。実態はそうなんです、追い越し車線やなしに。これはもはや、60キロで行くと、速度をちょっとオーバーしておるんですけども、これでないと、普通、走っておると、大体80キロぐらいで走行車線を毎日走っております。

 これを追い越していくのは100キロ以上の人なんですけども、事故が多いし、もちろん台数がものすごい、1日7万台と言われているぐらい多いという中では、これはどないか、警察の方では一体どう思っておられるんかなと。60キロを伸ばす、80キロにするということは、構造上具合いが悪いということだと思います。それで、トラック、大型がどっと走っております。これらと乗用車とは全く性能やとか走行が違うという中で、一体どうこれを名阪国道の交通規制については思っておられるのかな。一ぺん聞かせてください。

○児玉交通部長 名阪国道は今年になって10人の方が死亡事故で亡くなっています。高速道路ではゼロです。一般道路なんですね。名阪国道は、各インター間が非常に短い。ですから、高速道路には上げられないというような状態で、形態的には高速道路と同じような形態になっているというようなところで、非常に取締りも難しい。あるいは、自動車専用道路でございますので、一般の人が入ってこれないというようなところで、実勢速度が上がっているのではないかと思います。各高速隊の取締り、あるいは地域の方々の安全についてもその活動をしておりますし、昨日も私、伊賀のインターの方で啓発活動に行ってまいったんですが、先生おっしゃるような状況がありまして、なかなかそれをよくしていくというのは難しいなと考えております。

○岩田委員 例えば取締りをきつくすればということもあろうと思うんですけども、乗用車をスピード違反で覆面パトカーか何かで止めておるということはたびたび見るんです。大型トラックを止めているということは全く見ないんです。走るのは同じように走っておるのに、僕、毎日走っておるんやで、大型トラックも100キロで走っておるんです。これは、今、止めて、検挙ですか、切符を切っているのは一度も見たことないんですけど、これの統計というのはあるんですか。

○児玉交通部長 今、手元には数は取っておりませんが、切符処理についてはデータ確認ができると思います。ただ、大型車については、そこでの取締りに伴う再事故といいますか、事故を起こす可能性が高いということもあると考えられます。といいますのは、止まってやっていますと、そこへ追突していく。この間も、渋滞のところへ、ぼうっと運転して車が追突して、3名の方が亡くなりました。そういうような実態もあるのかなと思っております。

○岩田委員 それで、数字があれば、教えていただきたいと思いますけど。

 ならば、実はドイツあたりでは片側3車線なもので、一番左側の走行車線はトラック専用というのがあると思うんです。それで、名阪については大型のトラックが、そうしたことで、同じように走っておるのを止めると、事故再発になるということであれば、大型のトラックを規制するというような方向はないんですか。

○児玉交通部長 大型トラックの経済活動をストップするような形になりますので、非常に大型トラックを抑制していくというのは難しいのではないかと思われます。

 それから、第二名神が平成19年、来年、開通をしますと、名阪にかけて今以上に通行量が増えて、危険が増してくるのかなと懸念しているところでございます。

○岩田委員 大型車が100キロ、120キロで走っているんですよ。これも全く危険だと思うんです。そこらへんの規制を、乗用車で、例えば僕が、60キロの速度規制なもので、60キロで走る、とてもじゃないが、後ろがつかえて何ともならん。これは流れに沿って80キロで走らなければならんということがちょこちょこあるんですけども、大型車はそれをまた追い越していくというのがあるというのがちょこちょこ見られます。こうなると、余計、僕、危ないんじゃないかなというような気がするんですよ。あれ、ブレーキの、恐らく荷物を積んでおって下り、構造上、やっぱりカーブが多いのと上り下りの勾配が全然普通の高速道路とは違うというところがあると思うんですけども、こんなことで、そこらへんのところが僕、考えられんのかなと思うんですけど、無理ですか。

○児玉交通部長 取締りの関係につきましては非常に難しいところもあるんですが、大型車にスピードリミッターを装着することを義務づけ、速度を出せないようにする法規制がされました。これから発売されるものは全部リミッターがついていますので、そういう面ではかなり速度が抑制されるのではないかと思っております。

○岩田委員 要望です。リミッターとか、あるいはヒャコベーターとかがあって、会社そのものがそういったことに工夫が出るという指導をやっぱり警察としてもしていくということがいいんじゃないかなというのも気がするんですけども、その点、これからひとつよろしくお願いします。

 終わります。

○中嶋委員長 ほかにございますか。

          (「なし」の声あり)

○中嶋委員長 ほかになければ、これで警察本部関係の常任委員会を終了いたします。

【分科会】

 1 予算議案の審査

   ● 議案第 1号 「平成18年度三重県一般会計補正予算(第3号)」の関係分

 (1)当局から資料に基づき補充説明(大庭本部長説明)

 (2)質疑

    な し

 (3)採決

     議案 第 1号の関係分     挙手(全員)     可決

 2 所管事項の調査

   ● 平成19年度当初予算要求状況について

 (1)当局から資料に基づき補充説明(大庭本部長説明)

(休  憩)

 (2)質疑

○中嶋委員長 それでは、19年度の当初予算要求状況につきまして、ご質問等がございましたらお願いします。

○竹上委員 ちょっとだけ。新しい警察署ができあがりますでしょ。特に県産材の話でございまして、警察の建て替えにおいては、是非とも県産材をふんだんに使っていただきたい。特に松阪の新しい庁舎、松阪はやっぱり木材のまちですのでね。是非とも使って貰いたいというのが一つです。

 それと信号機の話なんですが、予算を潤沢になんかようけ要求していただいてありがたい話ですけどね、設置基準なんですよ。どうも最近聞いてると、既設の交差点で設置基準があるんだと。5メートルやったかな、無いと信号機付きませんというふうなことをよく私言われるんです。ここへ信号機の要望あるんやけどどうやろと、というと5メートルの幅員がないと。そんでないところというのはちょっと信号機は付かないんだ。なんでかというとそういう基準になっとんのや、というふうな話を聞くんです。

 そしたら、今付いとる信号機で5メートル無いとこはどうすんのや、と聞きますと、付いとるやつは仕方がない。付いとるやつは仕方ないんやったら、5メートルなかっても付けてもいいんじゃないのと思うんですけども、それは本当かしらというのをちょっと聞かせてもらいたいんです。

○笠間警務部長 最初のご質問でございますけども、松阪警察署は、平成21年3月ころ完成の予定ですけど、県産材を使わせていただく計画に当然しておりますし、外観等も城下町ですので、それに合ったような外観で建てるような形で進めております。

○児玉交通部長 信号機の設置基準でございますが、全国的に、警察庁の方が考え方というのを統一しておりまして、「一方通行の場合を除き、赤信号で停止している自動車等の側方を自動車等が安全にすれ違うために必要な道路幅員が確保できる場合」というふうに定めておりまして、おおむね5.5メートル以上となっております。ですから、その基準に合っているかいないかというのは、その目安として決めてはございます。

○竹上委員 既設の交差点で5.5メートルがとれへんところは信号機を取らなあかんのですか。

○児玉交通部長 今までの道路については、その道路幅員5.5メートルがなくても通行は可能なのかということで判断されているんではないかと思います。その現場は見ておりませんが、これは古い、かなり前からの基準ですので、多分、その幅員は確保されているんではないかと思います。

○竹上委員 現に町中では5.5メートルなかってもついておるところはいっぱいございますしね。おおむね5.5ということは、5メートルでもちゃんとすれ違えばええということで解釈しておったらええんですか。

○児玉交通部長 信号機にもいろいろありまして、例えば一灯点滅というような、幅員が狭い道路で、1か所だけ点滅する信号がついている場合がございます。これは、その基準から除かれますけども、基本的に、正常4交差点における信号機を設置するというような場合は5.5メートルというのを基準に置いています。

 特例で車線4メートルという分野も中にはございますけども、これは古いところでございますので、その場所を見てみないと、いっぱいあるということを今おっしゃられましたが、そのへん理解できていません。

○竹上委員 わかりました。あまりくどくど言うたらあきませんけども、実際に信号機を欲しいなと、確かに、おると、これは欲しいわなと思うようなところは町中でございまして、それで、それが例えば5.5メートルなかって、5メートルとかぐらいのところやと、広がらんと付かないと、今後なった場合に、町中って、そうそう広がりませんやんね、それは。でも、交通事情を見ておって、やっぱり危ないなというふうなところは、そういうのを考えられる余地が本当にないのかしらということなんですよ、申し上げたいのは。

 そこらへんの基準というのがおおむね5.5やったら、大体、普通車しか入らないところが多いんで、普通車なんて横幅1.5メートル程度のものですよね。そうすれば、4メートルもあれば、十分すれ違えるんじゃないかなと思たりもするんですが、このおおむねの概念を厳密に5.5ないと、これはあきませんでということなのかどうかだけ、ちょっと確認したかったんですよ。その点、お願いします。

○児玉交通部長 委員は道路幅員だけをおっしゃってみえますが、信号機を設置しますと、当然、歩行者もおりますので、車だけの問題ではございません。歩行者が滞留できる場所がないと、かえって信号機をつけることによって危険性が増すという場合が出てまいりますので、必ずしも5.5メートルの有無が問題ではないと思います。ほかにもいろんな設置基準というのがございまして、例えば主道路の自動車の往復交通量が多くて、歩行者が容易に主道路を横断できない場合であって、かつ横断歩行者が相当数に上るとともに、直近に信号機や立体横断施設等がない場合とか、いろんな条件を見ながら設置をしてございますので、道路幅員だけが条件ではございません。

○竹上委員 そんだけ聞かせていただければ、十分です。ありがとう。

○中嶋委員長 他に。

○三谷委員 新規の重点事業の生活安全センターとしての交番機能強化事業ということで、19年度1億685万5千円要求をされるということなんですが、ここで交番相談員の拡大配置というのが一つのメインになっておると思うんですけども、この1億余りで、この交番相談員というのはどれくらい増えてですね、それで、これは他県、三重県交番相談員の配置というのはおくれていると僕は聞いておるんですよ、岐阜とか、そういうところに比べると。だから、どの程度の、他県と比べて、どのあたりまでいくのか。それ、ちょっと教えていただけませんか。

○大滝生活安全部長 現在、県下には57の交番がございまして、交番相談員は13警察署31交番32名を配置しております。今回の計画では平成19年度で15名ぐらい増員を要望し、あとは平成20年以降も適正な配置に努めて、全交番に交番相談員を配置していきたいと思っております。

 それから、2点目のご質問の他県の状況でございますが、中部管区内の状況については資料がございますので、ご報告させていただきたいと思います。交番数に対しての配置率でございますが、岐阜は100%、愛知は31.9%の配置をしております。それから、富山が67%、それから石川が87%、福井が76%ということで、三谷委員のご指摘ありましたように、三重県は現状でいきますと現在54%といった状況でございます。

○三谷委員 交番相談員さん1人16万円ぐらいのお金で来ていただけるわけですから、特に空き交番、空き駐在というのは非常に住民にとっては、せっかくあっても、不安材料なものですので、ぜひ積極的にお願いをしたい、こう思っております。

 それから、もう一つ、これも新規の重点事業の犯罪抑止の最前線拠点整備事業で19年度新規で1億4,900万円、この説明を読んでいますと、犯罪抑止のための拠点となる交番駐在所を緊急に整備しますと、こう出ておるんですが、これは新規の駐在というのは認められるんですか、必要があれば、駐在所の。

○大滝生活安全部長 今回は新規というよりも、説明で申し上げましたように、治安拠点としての整備としての建て替えを考えております。

○三谷委員 そうすると、これは今回ということですが、来年度以降、必要があれば、駐在所等の新設をするという可能性もゼロではないということですか。

○大滝生活安全部長 そのとおりでございます。

○三谷委員 すると、あきらめかけておったキサキの2番目の駐在もまた声を大きいしていけば、可能性があるということですね。

 もう一点、これは防災危機管理部の方の担当になるんで、直接ではないかと思うんですが、施策番号311の防災対策の推進の中で、新規事業で国民保護推進費として国民保護計画に基づく訓練を実施する云々で出ておるんですが、これは当然この訓練には警察も協力されると、こう思うんですが、19年度でどの程度の訓練をされるご予定なのか、ちょっと教えていただけませんでしょうか。

○伊藤警備部長 お答えになるかどうかわかりませんけれども、今のところは、基本的にはまだ具体的なすり合わせは行っておりません。今、防危部の関係をおっしゃってみえると思うんですけれども、警察としても当然ながら防危部が、主担当となって行っている国民保護計画の中にメンバーとして入っておりまして、警察としては人命救助なり緊急交通路の確保なりといった警察の担当する部分もございまして、加入し、かつまた定期的に定例会なんかもやっていただいておりますので、そこへは必ず県警の幹部も出席して、会議を重ねております。今年、この春から国民保護計画が動き出しておりますけれども、具体的にはそれの図上訓練が行われるというところまでは来ていると聞いておりますが、それから先の実践訓練というのはまだこれから計画していく段階だと認識をしております。ということでよろしゅうございますでしょうか。

○三谷委員 国民保護計画での住民に対する基本は避難計画なんですね、避難訓練なんですよね。これは当然、警察が主体になってやられることだと、こう承知しておるんですが、今のお話ですと、まだ19年に具体的な訓練実施をするということではないということですか。まだ図上訓練程度のことを19年度は継続してやっておかれるということでしょうか。

○伊藤警備部長 この春から県の実施計画、国民保護計画を県が議決をいただいて出したと。今年度は、それを具体的に今度は、今、委員のおっしゃるように、各自治体ですね、それぞれの市町の方におろして、現在、計画を策定段階でございます。ということから、避難計画等々につきましては県の指導下にありますけれども、県の指導を受けて、それぞれの自治体がさらに具体的な避難計画に入っていくという段階になってくると思うんですよね。だから、そういう意味で、申し上げたのは、今年度に、それぞれ警察署単位の、警察署長がですね、現場の計画に参画しておりますので、そのレベルの話で具体的な住民の避難計画が出てまいると、このように認識をしております。来年度にはきちっとした形に。

          (「来年度、19年度の話でしょう」の声あり)

○伊藤警備部長 今年度中に各市町長さんが長になる国民保護計画ができ上がる予定でございますので、よろしくお願いしたいと。

○三谷委員 計画ができ上がったら、その計画に従って具体的な訓練等も検討されるということですか。

○伊藤警備部長 そのとおりでございます。よろしくお願いします。

○清水委員 竹上委員の信号のことに関連して、岩田委員が前、一般質問で県内要望が400ちょっと、何カ所ということで答弁があったと思うんですけども、先ほどの竹上委員が質問した道路に適した幅員なんかの基準は、その要望事項は全部、基準をクリアした上での箇所ですか。

○児玉交通部長 各地区からの要望は400か所ぐらいございまして、その400か所のうち緊急に必要と認められる箇所、それから設置が可能な場所を優先的につけています。それが、この4か年計画で約140か所ぐらいあるだろう。ただ、大体1年で10キロぐらい新設道路等ができておりますので、そこに充当する信号機等もございますし、あるいは既設の道路での必要性の部分、そこを見ながら、新設道路対応分と通学路等既設道路対応分とに分けて要求した数がおおむね140か所と。

○清水委員 そうすると、約260か所は基準外であると、そういう意味にとっていいんですかね、要望箇所。

○児玉交通部長 住民からの要望については、ここへ設置してほしいという要望がありましても、先ほどの信号機の設置基準からいって、これはかえって信号機を設置することによって危険性が増すというようなところは要望には沿いかねる。ただ、要望として上がっているのは400か所以上はあるということでございます。

○清水委員 すると、鈴鹿は大変お世話になって、つけていただいているんですけども、以前、二、三年前に、鈴鹿署でですね、70何か所、今現在出てきているということを聞いた記憶があるんですが、そうすると、署で受け付ける要望の箇所と県警本部の方で把握している箇所とはマッチしているんですかね。人口比例というか、道路なんかの計算でいくと、そうすると鈴鹿が70何か所やったら、三重県下で7、8百か所ぐらい出ているのかなという気はしたんですが。

○児玉交通部長 人口比でやっているわけではございませんので、あくまでも400か所というのは各警察署の方から要望が上がってきた数を警察本部の方で集約した数が約400か所があると。その中でも、緊急に必要性、中には、これはちょっと狭過ぎて、つかんじゃないかという部分もございますので、そういう部分を除きますと、緊急に必要なところというのは100か所以上あるという数でございます。それについて今度の4か年でその整備をしていこうというところでございます。

○清水委員 あまりにも現実と要望箇所の数が乖離しているもので、非常に県民も行政不信と申しますか、岩田委員も前言ったけども、まだ10何年かかるんやないかというような形で県民の方々が誤解される面もあるかと思いますので、ある程度、公表の箇所というのは、設置できる箇所ですな、基準もクリアして、それをまた要望箇所数ということで公表していった方がいいんやないかなという気がしますよね。あまりにもあらゆるものを受け付けて、400か所のうちの今年度45基というようなことやと、県民にとっても、本当にこれ、現実的にやってもらえるんやろかということで、ちょっと行政不信を招く可能性があると思うんですが。

○児玉交通部長 委員おっしゃるように、要望が100%聞けたら、それにこしたことはないかと思います。警察としても1基でも多く設置したいなというふうに考えておりますが、厳しい予算上の措置もございますし、設置場所によっては危険性を増すところもありますので、また道路、その年によって道路形態が変わりますと、今まで、ここは関係なかったのが、急に新しい道路ができますと、そこへ必ず信号機は設置しなければならない。設置した方が危険性が増すという場面が出てまいりますので、固定観念で、ここへ要望があるから、これだけ、この順でやるぞというわけにはまいらないと思います。

○清水委員 だから、交通量とか、いろいろ勘案して的確にやってもらうとは思うんですが、ちょっと妙なところにつくと、ドライバーから苦情の電話が入ったり、非常に多いということも聞いておりますので、適正な箇所にひとつ今後とも緊急度の高いところと申しますか、配置していただきますように、要望しておきます。

○中嶋委員長 他に。

 信号機の方でちょっと聞きたいんですが、これは起債の対象にはなるんですか。

○児玉交通部長 70%が起債でございます。起債を多くしていただきますと、信号機も設置しやすいのかなという感じがします。しかし、財政当局は非常に厳しい考え方を持っておりますので、なかなか要望に沿うというようにはされていないのが実情でございます。

○中嶋委員長 わかりました。ほかにご質問ございませんでしょうか。

          (「なし」の声あり)

○中嶋委員長 ほかになければ、警察本部関係の常任委員会及び分科会を終了いたします。

(休  憩)

II 教育委員会関係

【常任委員会】

 1 請願の審査

   ● 請願 第36号 「『命の大切さ』を学ぶため学校における飼育動物に関する教育推進について」

 (1)審査

   1) 当局から補充説明(上島総括室長説明)

   2) 質疑

○中嶋委員長 ご質疑があれば、お願いします。

 私の方から。今、専門研修をやっていただいているわけですが、今現在は獣医師の方の協力なりはされていらっしゃらないという、そういう認識でよかったでしょうか。

○上島総括室長 現在は獣医師の方々の協力を得てということではございませんので。

○中嶋委員長 わかりました。ほかにご質疑はございませんか。

          (「なし」の声あり)

○中嶋委員長 なければ、質疑を終了いたします。

 (2)採決

     請願 第36号     挙手(全員)     採択

 2-1 所管事項の調査(第二次戦略計画(仮称)中間案等について)

 (1)当局から資料に基づき補充説明(安田教育長説明)

 (2)質疑

○中嶋委員長 それでは、ご質問等ありましたら、お願いしますが、今後の県政運営に係る事項を中心にお願いしたいというふうに思います。ご質問等ある方、挙手願います。

○辻本委員 聞いたことがあるかわかりませんけど、人間力の定義はどんなのですか。

○安田教育長 人間力もいろんなところで定義がなされておりまして、国の方でも定義をされておりますし、今回の文化力の中でも人間力という表現をさせていただいております。文化力の中では人間力といいますのは、要は人がその文化をさらに進めていく力といいますか、文化に貢献できる、活用できるパワーを人間力というふうに言われておりますけれども、私どもの方では、もう少し広い観点から、自立して、きちっとした基礎・基本も身につけながら、社会に参画していける、力強く生きていけるパワーといいますか、力、そういったものを人間力というふうに総称させていただいております。

○辻本委員 昔から言うておった知徳体が一本になって、いろいろその3面で充実していくというのを人間力と、こんなふうに解釈したら、違いますか。

○安田教育長 少し前には、もう少し狭義に生きる力というような言葉も使っておりましたけれど、生きる力にさらに力強さといいますか、いろんな社会での順応性といいますか、そういったことも含めており、まさに原型は知徳体につながるものだというふうに思っております。

○中嶋委員長 ほかに。

○竹上委員 関連。今の話で、前に私、教育長に生きる力って何やと聞いたら、その話やったですね。知徳体の話で、今度また人間力でしょう。生きる力と人間力の違いというのは、何か今の話を聞いておると、ようわからんのですけども、これは多分、文化力の中の言葉をとってきたと思うんですけど、この人間力という言葉は。生きる力も、去年までどこの文章を見ても、生きる力、生きる力のオンパレードで、今年になったら人間力というのは、どうも節操がないような感じがするんですよ。いっそのこと、生きる力で通した方がええんじゃないですか。

○安田教育長 これは国の考え方も、多分に、私ども参考にさせていただいておりまして、生きる力というのは、今のお話のように、まずはベースにあるのは基礎・基本があって、しっかりとそれを身につけて、さらに体力も、あるいは豊かな心も含めてということで、生きる力という表現をさせていただいておりましたが、国の方でも別途また人間力の育成ということが、これはもう少し広い意味で使われておりまして、そこに、生きる力よりは概念が大きいのかなというふうに思ってですね。全然使わないというわけではないんですけれど、人間力は、例の文化力の中でも共通した言葉が出てまいりましたし、こういう表現でまとめ方がわかっていただけやすいのかなというようなことでまとめさせていただきました。大きくは、生きる力よりは人間力の方が概念が大きいというふうに考えていただきたいと思いますけども。

○竹上委員 そこのところが何かちょっとわからない。普通の感覚で言うと、生きる力、生きる力と言い続けて、はや四、五年ぐらいで、やっと生きる力ということが定着し出したかなというところへ、また今度、人間力という話になるでしょう。実際、わかりづらいというのがすごくあるんですよ。どう違うかというのは、どうもイメージ的な話で語られているような気がしますよね。

 文化力指針の中でも特に人間力という言葉は誤解を招く表現やなとつくづく常々思っておったんです。言うたら、人が生きる、人間が生きる力ということですね、人間力ということは。文化力指針の中で、この前もいつぞや、どこかで申し上げたんですが、県が文化力指針を作って人が生きる力までうんたらかんたら言うのはあまりにも失礼な話じゃないかと。人間力、地域力、創造力というのは、誤解を招くような表現で、特に人間力というのはちょっと失礼な話で、誤解を与えかねない表現だなということは申し上げたことがあるんですよ。だもんで、あまり変えやん方がわかりやすいなという気がしておるんです。

 これはあまりここで議論すると長なるんで、やめますが、もう一つだけ言わせてください。8ページの県立図書館のレファレンス利用件数とあるでしょう。県が作るものではわけのわからん言葉をあまり使たらあかんと思うんです。日本語でやっぱりこれは表現していただく方がええんじゃないかなと思います。以上です。

○中嶋委員長 特によろしいですか、ご答弁は。

○安田教育長 レファレンスとは、図書館のこの分野では、大きく言うと、相談なんですけれど、レファレンス機能というようなことを図書館にはつきもののように言いますので、たまたまこういう表現をさせていただいております。表現については一度また検討させていただきたいと思います。

○中嶋委員長 ほかに。

○三谷委員 この重点事業の元気の「『人間力』の向上/みえの人づくり」、これですね。これは重点事業で上げられていますが、こういう性格のものというのは、どちらかというと、みえの舞台づくりの方の、いわゆる中長期に腰を据えてやるべきことで、あまり緊急性をもってですね、大急ぎでやらなければいかんという事業ではないような気がするんですが、これはなぜ舞台づくりじゃなくて、重点事業なんですか。

○安田教育長 庁内でも重点事業と舞台づくりと、いろいろ何度も何度も議論を重ねてきたわけでありますけれども、重点事業を緊急性ということだけにとらわれますと、本当に教育の場合はコンパクトになってしまうというか、小さなものになってしまいますし、なかなかその成果も見にくいようなところがありまして、私の気持ちとしては、やっぱり教育は人づくりそのもの、逆に言うと、人づくりは百年の計というふうに言われますけれども、人づくりそのものは県政の中で最も重要なものではないのかなと、この全般がですね。そういうとらえ方から入って、最後、具体的にそれをいろいろ積み重ねていくと、今、当面、何が必要なんだということは、ニート、フリーターの問題等も含めて、やはりしっかりとした社会への参画意識を持った人材の育成が一番大事だと。

 そこへ着目した教育というのが大事じゃないかというようなことで、こういうまとめ方をさせていただいたところでして、必ずしも緊急性という部分にとらわれますと、重点事業じゃないじゃないかというふうなこともあるかもわかりませんけれども、ただ舞台づくりというのもちょっと、舞台づくりというのは、どちらかというと、いろんな、多様な主体が組み合わさって一緒にやっていきましょうというところがありますので、それでも違うのかなという気がして。私どもとしましては、その前の緊急性以前のところで、大きく県政の中で、あるいは教育行政の中で最も大事なのはこれなんだと、これが重点なんだという考え方でここへまとめさせていただきましいた。

○三谷委員 先ほどのご説明で、「『人間力』の向上/みえの人づくり」のこれを県が他の主体に期待する取組ということで、たくさんの主体の方々とも協働しながらやっていかなければいかんというお話だったと思うんですよ。そういう意味からすれば、まさに舞台づくりの方の話だろうと、こう思いますし、ニート、フリーター対策でこれを重点事業にしたというのは、それはちょっとおかしいと、こう思いますが。

○安田教育長 ニート、フリーター対策だけという意味ではございませんで、今、教育の中でいろんな課題がある大きなものの一つであるという意味でございます。教育そのものはいろんなことに対応していくというのはおかしいですけど、そういう社会現象に対応した教育ということでなくて、しっかりとしたビジョンを持って教育は行っていきますので、その課題の一つとしてニート、フリーター対策があるという、そういうとらえ方なんです。

○三谷委員 ここで舞台づくりと重点事業の議論をしてもしょうがないんですが、例えば、みえの地域絆創生事業というのは、これは舞台づくりの方で教育委員会が上げられていますよね。だから、事業の性格からすると、ぶっちゃけたところは、どちらがお金がつきやすいのかという選択やろうと、こう思うんですけど、もう少しきちっと整理される方がええんではないかなという気がします。それはもうそれでよろしいわ。

 ちょっと教えてもらいたいんですが、先ほどのお話の特別支援教育の推進で、主な取組でLDやADHD等への理解や指導の充実、個別の教育支援計画を作っていきますよというお話だったんですが、これだと、相当、きちっとやろうとすると、人員等も充実させないと対応ができないと、こう思うんですが、こういう計画をきちっと実行していこうと思うと、あとどれくらい人が要るというふうな予想をされているわけですか。

○安田教育長 これは、当初、国が抱いていました状況とは随分といろいろ変わってまいりまして、こういう形で制度そのものは変わりますけれども、体制そのものはほとんど変わらないというのが今の考え方でございます。

 ここにありますのは、1つは、今、県立の盲聾養護学校はセンター的な機能を果たしてというふうな、これは職員により専門性を身につけて、時間の工夫は必要でありますけれども、小・中学校の要請に応じて、いろんな指導といいますか、支援をするというのが1つですね。

 もう一つのLD、ADHDという子どもさんは、これは現在も各クラスにほとんど1名ぐらいの割合でいらっしゃるわけですね。そういう子どもたちをそれぞれの担任が今教育をしているわけでありますけれど、これを今度、特別支援教育ということで、この範疇に入れて教育をしましょうと、場合によったら、その部分、部分で取り出しで通級のような形で教育をしましょうという、こういうことでして、ベースはそのクラスにずっといるわけでありますので、そこのところの人員は特に変わらない。

 もう一つは、個別の支援計画といいますのは、これは今の障害児学級といいますか、それから障害児教育を受けている子どもさんたちはほとんど作られております。要は、これもLD、ADHDの子どもさんたちにこれをいかに作るかということでありますので、全校がですね、各学校にコーディネーターというのを置きまして、中心的に校内の特別支援教育をどうしていくかというコーディネートをする人材を、これは校務分掌として置くわけでありますけれど、そういう人が中心になってそれぞれの子どもさんのこういう支援計画を担任と相談しながら進めていくということです。ただ、コーディネーターもいくら何でも校務分掌でしんどいじゃないかということで、そういう要望といいますか、要求はありますけれど、なかなかこれは国の方で予算化まで結びついていない。

 もう一つは、通級の部分でありまして、そのLD、ADHDの子どもさんたちも部分的には通級で特別に指導する必要があるというふうなときには、学校に一つ一つクラスを作るんではなくて、複数の学校で子どもさんらが集まったところでそういう学級を持つ。これについては人がやっぱり要りますのでというふうなことなんですが、国の今の予算の要求状況を見ていましても、ほとんど、全国割をすると、ほんの1人か2人ぐらいしか三重県の場合でも回ってこないような、そういう状況でありますので、基本的には現在の体制でやっていかざるを得ないのかなと、こんな状況でございます。

○三谷委員 そうしますと、よくわからんのですが、担任の先生の負担というのが、今のご説明どおりだと、かなり増えてくるんではないかなと感じますが、それはそう心配しなくてもいいんですか。

○安田教育長 担任の先生は、今こそ、よくわからない状態で、かなり負担感があると思うんですね。多動性ということで、ずっと落ちつかずに、動き出したり、そういう子どもさんが1人みえると、その担任はいろいろ戸惑いますけれど、やはりこういう計画をきちっと持って、しかも全校でコーディネーターを中心にバックアップしてやっていきましょうねということで体制が整えば、今よりも特に精神的な負担は軽減されるんではないかなというふうに思っておるんですけど。

○三谷委員 またゆっくりとさせてもらいますけども。

 それから、もう一点だけ。子どもたちが安心できる学習プログラムの中で、先ほど第一次戦略計画の総括の方の話なんですが、不登校対策がなかなかうまくいっていないということで、今度、今後の取組で臨床心理士の配置ということなんですが、この原因の方は多様化・複雑化する要因への十分な対応が困難で、目標を下回る見込みですということで、それの具体的な取組として教育センターへの臨床心理士の配置ということが書かれていると思うんですが、具体的な取組って、この臨床心理士を配置するだけですか。

○坪田総括室長 不登校につきましては様々な要因がありまして、それに対する対処策も違うわけでございますけれども、1つは、今の適応指導教室、教育支援センターと三重県では呼んでいますけれども、それの活動について活発化を図るというのが一つ重要かなと思っておりますし、フリースクールとの連携で、いろいろな受け皿をさらに増やすと、新しい時代の公の力もかりるということもまた大事だと思っています。

 また、学校に復帰する際の要因が今まで分析されていなかった。それがいじめであったのか、それとも学校での部活動の人間関係であったのか。そういうものはしっかり学校で把握していただいて、それを取り除いていただく試みをこれまでよりしっかりやっていただくということで、かなりの復帰率を上げることはできると思っておりますが、それに加えて、全般的に、要因にかかわらず、心のケア体制というのをさらに充実していく、心をもっと受けとめていく体制を充実するということも引き続き重要だということで、それら全体で相まって、この不登校対策事業、新年度へ向けては、これまで以上の効果といいますか、実効性が期待できるというふうに考えております。

○三谷委員 今度は、その具体的な展開というのは、この基本事業の12205の健やかな心を育む教育の推進の、指導により登校できなかった児童の割合の云々のこの取組に繋がっていくということですか。

○坪田総括室長 はい。いくつかに跨りますけれども、そこにも繋がるものでございます。

○清水委員 10ぺージの基本事業12103の家庭の教育力の充実ということで、特出しということなんですが、これはあくまでも保護者がですね、教育に意欲のある方に対しての学習プログラムということの理解でいいんですかね。

○安田教育長 これはなかなか、学校なり、私ども教育委員会の方からいろんな形で積極的に言っていくところは、誤解を招く恐れがあるんですけども、いろんな子どもさんの教育に際して、やっぱり親の方も、もっと勉強する必要があるんじゃないかということなんですね、一言で言いますと。そういう方々を、これまでですとどちらかと言うと子育て支援、子どもを育てるのをいろんな地域の方々が指導者になっていただいて、こういった場合はこうですよ、ああですよ、あるいは講習会を開いていただいて指導していただいてきたわけですけども、そうじゃなくて、もう少し広げて、子どもさんが小学校になっても、高学年になってもですね、やっぱり子どもに家庭としてはこういうことをきちっと教えていくべきだ、親としてはこうあるべきだということを教えるべきというよりは、むしろ勉強していただく。お互いに議論も、そういう方々同士で議論もしていただきながら勉強していただくという、そういう考え方が日本だけじゃなくて世界的にかなり強くなってきまして、そういうプログラムをまず用意して、そういう場を我々としては提供していくべきじゃないかと、そういうふうな考え方に基づいております。ただ、おっしゃっていただきましたように、意欲のある方じゃないと、なかなか出向いてもらえませんので、そこのところに大きな段差がある、できるのはやむを得ないかなと思っておりますけども。

○清水委員 そうなんですよね。現場が一番やはり困っているのは、例えば不適格な保護者っているじゃないですか。例えば自分の子どもも朝、起こしても起きないもので、担任の先生に起こしに来てくれとか。例えば、ある保護者は一日中パチンコをして、勝てば夕食は子どもに与えるけどもというような、そんな実態が現実にあるもので、そういった保護者に対してもっと教育できる─教育って、適格な保護者たり得るように、それをやはりしていくのが本来のあれじゃないかなと思うんですけども、そういったことは全くここには含めていないわけですよね。

○安田教育長 大きな意味では、ねらいとしては、そういったことも含まれると思いますが、なかなか、どうアプローチしていただけるかといいますか、たどり着くかということですね。そういう本当にきちっと考え直していただきたい方が、これを進んで勉強していただくというのはなかなか難しいところがあると思います。しかしながら、いろんな啓発とか、そういったことでもって、そういう情報はこちらからは発信していけるんじゃないかなとも考えております。いずれにしても、そういうこれまであまり言われていなかったところに少し力を入れて発信をしていきたいなというのがこの考え方でございます。

○清水委員 そういった不適格保護者に対する教育と申しますか、そういうのはなるべくできるような形で進めていっていただければなと思います。

○岩田委員 ちょっと関連。この地域あるいは保護者との連携をとった教育ということで、もちろん保護者の中にいろんなんがいると思うんですけども、今、団塊の世代を含めてシルバーの方々が非常に多いじゃないですか。この方々が直接、例えて言うば、自分とこの家の孫に言うと、嫁や息子にしかられるで、これはあまりかかわらんとこえと、それに任せておいたらいいと言って、外へ出ていくと、子どもは子どもで勝手気ままになって、親と同じようなことをやっていくというのがようけあるんです。ところが、家へ帰ると、じいちゃん、ばあちゃんでは、やっぱりそこらへんの人間的な教育というのはまだしっかりと見つめていて、これではと思ても、うちでは言えんというのがようけあるんですけども、これは学校でそういったことを、よその子どもにやったら言うたって、自分のところに怒ってきやへんで、そんな制度というか、そんな事業のカリキュラムとか、そんなことは考えられないんですか。

○安田教育長 これは三重県がやるという意味じゃないんですが、いろいろ、この親学の部分でも事例を見ておりますと、例えば学校がもう少し、今これまで以上に舞台になって、学校をステージとしながら、そういう親の方々も集まっていただいて、教える人は今おっしゃっていただいたような団塊の世代の人であるとか、あるいは、もっと専門的に小さい子どもさんを直接技術的に育てる、そういったノウハウを持ってみえる方であるとか、いろんな考え方の方々に講師になっていただいて、そこでともに勉強していただくと。そういう場づくりをしているところもありますので、そういった方法であれば、自分の家庭でなくて、学校等では自分の思いをいろいろ言えるということになるんかなと思いますが。

○岩田委員 特にこう思うんですけど、小さいときのこれだけという節度だけはやっぱり学んでもらわんといかんし、青年になったときのはやる心をいかにコントロールするか、もう一度立って見直すことを学んでいただくということが必要だし、その親御さん、成人になったときには、これが正義感だということもやっぱり学ばなければならん、熟年になったら、それらを助言することを学ぶということが一つの僕は生涯学習の中の一環だと思うんです。こんなことをうまく連携できるような方向がないかなということを日頃から思っているんですけども、ひとつまたどこかでそういったことができれば、尽力いただければありがたいと思います。

○中嶋委員長 ほかにございませんか。

○北川副委員長 ごめんなさい、副委員長で申し訳ないんですが、三谷委員の特別支援教育の関係の話で、ちょっと追加で聞かせていただくんですが、LDとかADHDのお話が先程あって、通常学級の中でカバーできない、ケアできない部分を別途見ていく場合に、人の問題やと思うんですが、その学校に特別支援学級という形でそういう子どもさんを対象に学級を1つ設けるということではなくて、どこかにまとめて、その地域内のどこかの学校にまとめて、そういう学級を作って、そこに移動させるというお話のように聞こえたんですが、そういう形なんですか。

○安田教育長 今の設計はそういう、いわゆる通級というんですけれども、複数の学校の中で1つ拠点校的に学級を設置して、必要なある週のある時間帯だけはその子どもさんがそこへ集まって教育を受けるという、そういう方法もこの特別支援教育の全体の設計図の中にはもう入っておりますけれども、なかなか、いろんなタイプの子どもさんがいらっしゃいますので、しかも、そんなに人数が集まって本当に教育ができるのかなという問題もありますし、なかなか具体的には課題も問題点もたくさんあるのかなというふうに思っておりますけども。

○北川副委員長 教育長おっしゃってくれたとおりのところが心配で、LDなりADHDの子どもさんを、それがまた複数、たくさん集まっていただいても、結局、マン・ツー・マン、1人の生徒さんに対して先生が1人という形でようやく対応できるような恐らく現場の様子じゃないかなと思うんですが、どこかにまとめてやれるということでもないんだろうと思うんです。また、その移動ということも考えると、なかなか厳しいのかなという感じもいたしますので、19年度の予算にもかかわってくることだろうと思うんですが、まだ、今、どういう形になるかというのは、今のご答弁ですと、はっきりしていないということなんですか。

○安田教育長 通級の部分については、ほとんどまだはっきりしておりません。あとは、それぞれの今のこの自分が所属するクラスで基本的な教育を受けるわけでありますから、そこでの教育、今度は教育をする側というか、学校側がこの前と違って、きちっと特別支援教育の対象としていくますよという位置づけをするという大きな違いはありますけれども、子どもさんにとっては、そんなに大きくは変わらないのかなというようなところがあると思いますけども。

○北川副委員長 特に特別支援教育のスタート自体がこういうLDなりADHDの子どもさんを含めとる形でフォローしていこうということが趣旨だったと思うんですけど、今のお話だと、結局、そういう子どもさんに対するケアがあまり現況と変わらないということになるんでしょうかね。

○安田教育長 先ほどのお話にも関連いたしますけれど、やはりそれは個別の教育指導計画を作り、特別支援教育の対象として担任にしても、学校にしても、その子どもさんを教育していくという点では、これまでのように、全く一般の子どもと同じですよと、差はないですよというような形でやっていくよりは、その子どもさんにはより適した教育が実施できるんではないかなというふうに思っております。要は、その個別の支援計画がどんな形になっていくかというのがあるかと思いますが、それは、いきなり、この子どもさんの支援計画というのはなかなか難しいところがありますので、特別支援学校の方からもある程度支援をしながら、そういった個別の計画作りをまずはスタートしたら進めていくのかなと、このようなことを今考えております。

 ただ、もっと具体的にいろんな学校での取組なりノウハウといいますか、そういうものを身につけていただくために、今、手引書のようなものも県教委で考えておりまして、そういったものに基づきながら、いろんなことを参考にしていただきながら、全教職員が対応していただきたいなというふうに思っておるところでございます。

○北川副委員長 どういう形になるにしろ、個別の新計画を作っていただいていも、やっぱり人がいないと、結局それが絵にかいたもちということだと思いますので、その学校で処理、完結できるのか、地域の中でどこかでという形になるのかは別にしましても、そういう人の増員といいますか、いつも言われることですけれども、その点についてはしっかりと対応していただきたいと思いますので、要望させていただいて、終わらせてもらいます。

○中嶋委員長 ほかにございますか。

 私の方から2点。1点は、三谷委員がおっしゃられたように、これは教育委員会だけではないんですが、重点事業とか舞台づくりなんですけれども、どうもよく精査されていないなということを感じておりますので、このことについては教育委員会だけではなくて全庁的な問題としてまた議論させていただきたいというふうに思いますし、これもご答弁要りませんけれども、これも予決の委員会の場で私申し上げた事例の一つとして、放課後子ども対策のことですね。これは生涯学習の施策の中と、いわゆる子どもの子育てのところと、両方とも入っているということについて、やはり施策上の位置づけというものについてはより精査をしていただきたいなというふうなことを思っております。要は、それを含めて、重点事業、舞台づくりプログラムの精査、それと施策体系の精査ということは、これは全庁的な問題として検討していただかなならんかなというふうに思っておるのが1点です。これについては特にご答弁要りません。

 もう一つ、重点プログラムにも上がっていて、今度の二次戦略にもたびたび上がってくる学校経営品質の件なんですが、私自身もその経営品質のアセッサーを持っていた経験上、役に立つものだとは思っているんですけれども、今まで導入してきた件数とか研修を受けた先生の数とか、そういうところしか成果に上がっていないんですね。果たして、これまで学校経営品質を入れてきた成果は一体何で、なぜ第二次戦略の中でさらに取組を進めていこうとされているのかの説明をお願いしたいんですが。

○安田教育長 まず、数から入りますけれども、県立学校はもうすべて導入をし、小・中学校についても6割から、さらに最終的に8割ぐらいまで伸ばしていきたいと、どうしても、そのあとの2割ぐらいのところには導入にも時間がかかるというところはあるわけでありますけれど、ほぼ三重県内の学校は経営品質という道具を使いながら経営改善をやっていますよというふうな状況に早くしていきたいなというふうに思っております。問題は中身でありまして、当初、やはり私どもも反省があるんですが、普及をまず第一優先にしながら、ツールも含めて、どんどん、こういう形でやるんですよ、やるんですよというようなことを中心にやってきたために、とにかく導入すればいいだろうということで、ごく一部の人間だけでやってしまったり、みんなが十分議論をしながら全体を高めていくという最も肝心なところがおろそかにされていたりというようなことで、まだまだ本当の意味で活用、魂を入れていくのには、さらに努力が要るのかなというふうに思っております。

 ただ、効果という点につきましては、これは知事部局の方でもやっておりますけれども、非常に代表的な取組といいますか、そういったものを年に1回は必ず、皆さんに集まっていただいて発表会のようなものをしながら、参考にしていただいている。中には、学校の経営、学校運営ということだけではなくて、子どもたちにもしっかりとPDCAサイクルを学習の中に取り入れていったり、学習そのもの、教育そのものもこういう考え方で子どもたちに伝えている、伝わっている、そういうふうな状況もございますので、それぞれにこれは、成果というのは学校によって違いますし、その進度も違いますけれども、前進はしているんではないかなと、こんな考え方をしておりますけれど。

○中嶋委員長 もともと学校現場というのはPDCAサイクル的なものはあったわけですね。それに加えて、学習の部分だけではなくて、学校運営の仕組みそのものにPDCAをちゃんと入れて、より改善していこうという経営品質の考え方だとは思うんですが、私いつも思うのが、結局、ペーパーワークだけに終わっていて、十分な権限と財源が学校におろされていない中で、PDCAサイクルをいくら回そうと思っても、改善していこうにも改善しようがないじゃないかというふうな現場の声もあろうかと思うんですが、そのことについて、この二次戦略の中で、今言われたように、普及を図ってきたのが第一次戦略の中心だとすれば、まさにここに書いていただいている、定着して改善活動に取り組んでいただくことが大事だと。それに伴う現場への権限だとか財源についてもこの二次戦略の中では取り組んでいかれるおつもりがあるのかないのか、安田教育長、ご答弁お願いします。

○安田教育長 財源という部分については特別にこれまでも予算を確保しながら、そういう特徴ある取組に対しては、わずかでありますけども、学校それぞれ支援をしてきたという経緯がございますし、これからも続けていきたいなというふうに思っております。まさにおっしゃっていただきましたとおり、この第二次戦略計画の中では、もう魂を入れ、これを活用していく、さらに、それをきちっと改善につなげていくというところで初めて経営品質の意味がありますよというところを重点に取り組んでいきたいなと。

 ただ、財源はそういうことでありますが、それ以外のところで権限のことも含めての考え方を拡大してというところは今までございません。これは各学校からそういう声が上がってくれば、またそのときには検討していきたいなというふうに思っておりますけれど。

○中嶋委員長 これで私の方は終わりますけども、経営品質を入れる意味合いというのは、やっぱり現場に仕事を任せる、その中で自己改革を図っていただいて、よりよい教育サービスをしていただくための経営品質というツールだと思いますんで、そのツールを十分生かせるようなバックアップというのは、これは県の教育委員会として十分していただきたいということをお願いしておきます。

 ほかにございますでしょうか。

          (「なし」の声あり)

○中嶋委員長 それでは、ほかになければ、第二次戦略計画中間案等に対する調査を終了いたします。

 2-2 所管事項の調査(第二次戦略計画(仮称)中間案等以外について)

 (1)当局から資料に基づき補充説明(安田教育長・鎌田総括室長・前川総括室長・坪田総括室長説明)

 (2)中嶋委員長から資料を配付し補充説明

(休  憩)

 (3)質疑

○中嶋委員長 所管事項につきましてご質問等がございましたら、お願いいたします。

○三谷委員 この教育振興ビジョン第四次の推進計画もそうなんですし、それから先ほどご説明いただいた第二次の三重県生涯学習振興基本計画も同じなんですが、教育振興ビジョンに基づいて、そちらの方ときちっと整合性をとられながらやっておられるということなんです。ところが、この教育振興ビジョンというのは平成10年度の策定ですから、当時、北川さんが知事のときですよね。そのころは文化力も新しい時代の公もなかった時代で、生活者起点の県政でニューパブリックマネジメントを軸に県政を推進してこられた。ところが、今、野呂さんになって、「みえけん愛を育む“しあわせ創造県”」を目指して文化力だとか新しい時代の公、このごろ、知事に言わせれば、ニューパブリックガバナンスやと、こうおっしゃっています。

 だから、基本的な考え方が違うものの中で作られたビジョンに基づいて、今新しく野呂さん流のいろんな考え方を入れた振興計画とか、そういうものを作られるという、どこか無理があるんではないか。もうそろそろ、ここまで書やられるなら、教育振興ビジョンそのものの見直しというのに入るべきではないかと、こう思うんですが、いかがでしょうか。

○安田教育長 以前も委員からもそういうお話をいただいたわけでありますけれども、もともと、ここで上げさせていただいていますのは、基本目標、重点目標・施策にしましても、かなり教育としては、そのときの状況よりももう少し上のところというか、普遍的な部分がかなりあるというふうに思っていまして、国も含めて大きな流れの中であまり左右されるものじゃないかなと私どもは思っております。ただ、おっしゃっていただきましたように、大きくいろんな状況が変化してきたときに、これが全然不動のものであるというわけではありませんので、そこのところは、今回やらせていただいています戦略計画の進め方の中でかなりそういったものも織り込んでやってきたというのがこれまでのやり方でございます。

 ただ、今、ご承知のように、例えば、この前もちょっとご質問いただきましたけど、教育基本法であるとか─教育基本法そのものもあまり影響を私は受けないなと思っておるんですけれど、それに基づいていろんな制度改革をこれからどんどん仮に国が行ってきたときに、果たしてこのままでいけるかどうかというのは大いに問題があるかなと思っております。ただ、これを抜本的に見直そうとしますと、私ども事務局の内部で短期間にやるべきものじゃなくて、やはりいろんな外部の方も入っていただいて、しっかりと再構築しなければならないということもございますし、そういう大がかりに取り組んでいく必要は、これからしばらくの間、様子を見た上で、見きわめていきたいなと。場合によっては、これは一応4年間の戦略計画、これは22年を目標にやらせていただいておりますけれど、状況によっては前倒しぎみに、そういったところにも新たに、重複しますけれども、二次的な教育振興ビジョンというのを作っていく必要も出てくるかなと、こんなことを今思っているところでございます。

○三谷委員 先ほどの人間力の話も同じなんですが、結局、新しい言葉が次々と出てくる中で、やはり平成10年のものというのはもう耐用年数が来るんではないかと。このあたりで、新しくまた次の4年間ということのスパンが語られるわけですから、そろそろ一番基本の部分の検討というものも始める時期に来ているんではないか。でないと、だんだん無理が生じてくるという感じがしてしようがないんです。そのあたりのことろもぜひ前向きにご検討いただければと思いますが。

○安田教育長 今、本当に微妙な時期というか、難しい時期だというふうに思っておりまして、もう少し国全体で行われている教育改革そのものが形が見え、形ができてきた頃には、しっかりと私どももう一度、一つ一つチェックしながら、考え直していきたいなというふうに思っているところでございまして、恐らく、これは4年間このまま全部ということにはならないのかなという気もしております。

○中嶋委員長 ほかに。

○辻本委員 今のことに関してですけど、やっぱり私は、教育は百年の計をということを言われるんで、国がある程度の考え方をまとめたら、それをずっとやっていくという方に固まらないと、詰め込みがいかんから、ゆとりやと、今度はゆとりがいかんで、塾へ行けとか、そういう子ども教育をどうするんやということが基本的に固まっていない。今度の教育基本法にしても、何を子どもたちに求めようとするのかということがよくわからない、どういう子どもを作ろうかというのがよくわからない。結局、そういう説明がですね、具体的な説明がないままに、ただ法が、まだ決まっていませんけど、改正されるということで進んでいます。そのへんに教育の基本的な考え方を国がやっぱりきちっとせないかんのやないかなというふうに私は思います。

 そういう国の下で県は、時に文部省から嫌みを言われたり、命じられたり、あるいは、させられたり、したり、そんなことをやっているというところにいろんな問題が発生してきて、そして、いじめ問題もそんなところから出てきておるんと違うかなと私は思うんですね。そのいじめの最たるものは刺客を送ったという小泉方式の、顕著、あれだと私は思うんやけど、それはそれとして、要するに、いじめが起こって、まず大事なことは、いじめられた子どものケア、これがまず第1ですね。その次に、いじめとる子どもに対する指導ですね。それが2番目。それに対応して学校は、いじめ問題が起きたら、それを学年の問題あるいは全学校の問題として、教員全部がその問題に真剣に取り組む、こういうことがあったんかな、どうかなということが私、一番心配をするんです。

 それは担任と学年主任でええやないかとか、担任と生徒指導とか、そんなんでやればええやないかとかというふうなことになると、話がだんだん大きくなっていくんで、そのときに学年でやるなり、あるいは、小さい学校なら、全職員でやると。こんな体制ができておるんかどうかなというのが、国がふらふらしておるんで、それに基づいて現場も何でおれらだけ苦労せんなんねんということがあって、そこへ忙しいということもあって、なかなかそのことについてみんなで取り組むということ、姿勢が欠けておるんやないかなと私は邪推しますんで、そのへんはどうかなということをちょっとお聞きしたいなと思うんですわ。

○坪田総括室長 いじめ問題の対応につきましては、ただいまのご指摘のとおり、これまで多くの学校では一生徒指導主事任せ、担任任せということで、なかなか校長のリーダーシップのもとで学年全体、学校全体でやるという雰囲気を平素から持っていたところは少なかったんじゃないかと。今般の一連の事件で緊張感が高まり、そういう取組を始めとる学校というのが急速に増えておりますが、そのような体制を維持できるかどうかというのは、常にそういう情報提供というか、緊張感を持たせることをやっぱり教育委員会としての責任で市町教委も県教もやっていかないと、また3年、4年たつと、これは危ういぞということは思っておりまして、重要なご指摘だと思いますので、それを踏まえながら、今後、生徒指導担当や学校長への指導を適切に行ってまいりたいと思います。

○辻本委員 先ほど経営品質の向上ということを取組でやってきてもらったと、その成果はどうなんやという質問がありましたが、的確に答えられないような問題と違うかなというふうに思ったんですが、その経営品質の向上に取り組んできて、そして今度のいじめというのがその取り組んできたことの成果としてどうあらわれておるのかということは、教育委員会としてはどういう認識をしてみえるんか、ちょっとそのへん、お聞かせいただけますか。

○安田教育長 なかなか難しい質問だと思いますけど、学校経営品質そのものはやはり、ああいったツールを使うことによって、もちろんPDCAサイクルをベースにしながら常に継続して改善を図っていくというその大きなねらいというのはあるわけですが、それを進めていく中で、非常に我々としては期待をしているのは学校の中で、特に教員間なんですけれども、コミュニケーションといいますか、対話を通じていろんなことを進めていきますので、いろんなことで物事を共有しながら学校全体で事を進めていけるというところがあると思います。

 そういった中で、このいじめ問題についても、今、坪田総括が言いましたように、これまでの反省の中で十分に学校として共有されていない、ごく一部の人間で、そんなに大きな問題として取り扱われていないというような状況で来ておりましたけれども、今後、そういうふうなことをすべて共有していくというふうにしたときには非常に、経営品質をやっていないところに比べて迅速にといいますか、浸透しやすいんではないかなと。要は、日頃のコミュニケーションができ上がっている、そういう状況でありますので、かえって、いじめ問題についても対応しやすいんではないかなと、そのようには思いますけれども、なかなか直接結びつけるというのは難しいところがございますけども。

○辻本委員 教育改革をやっていくんだという前提があって、それには、その学校経営品質の向上というのが一つ大きな役割をするんだというふうな形でやってきてもろたわけですよね。それで、その経営品質の向上というのは、僕はよく知らんけども、人が人を教えて、人が人を裁いていくというときに、一番大事なのは何なんか。信頼関係やと思うんですね、人間と人間との信頼関係。校長と教員、教員と生徒、それから保護者と教員、学校と一般の人、そういうふうな信頼関係があって初めて人間教育というんか、教育ができていくんで、そのことが欠けていて、そして、形の上だけで経営品質か何か知らんけども、そんなようなことに取りつかれ過ぎなんと違うかと私は思うんですけどね。

 ただ、僕の誤解かわかりませんから、それは訂正してほしいと思いますが、僕は経営と思わんのやけど、学校は運営やと思ているんですね、学校運営の基本は人間関係であると。だから、担任は生徒ときちっと信頼関係を作りなさい、校長は教員と信頼関係を作りなさい、また教員は保護者と、地域の人と信頼関係を作りなさい、こういう極めて単純なことができていないんと違うかなと。それが教育改革の基調でなければいかんと僕は思うんですが、そのいじめの問題を学校全体の問題として取り扱わない、あるいはその学年の問題としてやらない、あるいは地域の問題としてやらないというようなことではなかなかいじめがなくならないし、また次に起こるんと違うかなという予測をみんなさせられるんじゃないかなと思うんですね。

 教育委員会が家庭の教育何とかかんかという文章がありますけど、まずそのことをどう建て直すか─建て直さんでもええ部分もありますけど、全体として今私が申し上げたような信頼関係がきちっと構築されておるかということについて、ひとつ検証をしてもらいたいなと思うんですが、何か所見があれば、教えてください。

○安田教育長 確かにおっしゃるとおりでございまして、信頼関係がないことには教育は成り立たないというふうに思います。経営品質そのものは、これは目的ではなくて、一つの手段、いわば道具でありますので、これを十分に活用しながら信頼関係の構築なり、あるいは、今、いじめの問題では、全体で共有されていないというところはありましたけれど、全体で共有するためには、この学校経営品質が非常に有効なものであるというふうに思っておりますので、ぜひともそういったものをさらに活用しながら信頼関係が築けるように。もともとが経営品質そのものがきちっと子どもたちあるいは保護者の皆さんを中心に据えながら学校運営を進めていくということでございますので、そこできちっとそういう信頼関係も築きながら進めていかなければ、それが根幹にあるものだというところは変わりがないというふうに思っていますので、十分にこれは、決して相反するものではなくて、有効に活用していけるものだというふうに思っておりますけれども。

○辻本委員 その経営品質というのが道具であるとすれば、道具というのは使い方によってものすご違うんですね。ナイフというのも道具です。これは使い方によって随分、凶器ともなれば、いい道具になるんですね。その経営品質が道具であるとしたら、僕はそういう扱い方の難しさというものもあるんやないかなと思いますけども、私、よく勉強していませんから、わからないですけども。

○安田教育長 決してナイフのようにネガティブな、悪影響というのは私はないと。多少時間を食いますので、学校の中でそれがどんと座り過ぎていて、先生方の時間をさらに圧迫するというところは若干あるかもわかりませんが、それ以外、経営品質をやることによって悪影響、悪効果というのは私はあまりないんではないかなと。むしろそういう効用の方が随分多いんではないかなというふうに、こう思いますけれども。

○辻本委員 もうやめますけど、経営品質の向上というのがいろんなところに出てくるわけですね、教育委員会の施策の中心的な考え方として。それで私は、いじめが起こって、どうやこうやというときに、その道具はきちっと使われたんかなというふうに思いますんでね。それで、今おっしゃったように、経営品質の向上ということでいろいろ勉強しなければいかん。そのために時間が要りますね。そんなことも先生方には一つの負担になっておるんと違うかなと。自然に、おまえ、担任としてこんなことをせなあかんぞというような中で出てくるものとちょっと違うんと違うかなという気がしたもので、それでお伺いもしたかったし、僕の不勉強もさらけ出したいなと思うて、しゃべったんですけどね。

 とにかく、いずれにしても、いじめをきちっと終息させなければいかんと。それには、今私が申し上げたようなことが基本やし、そして教員間、校長と教員、教員とその起こった生徒ですね、起こした生徒、起こされた生徒、それから地域の人々、これがきちっとならないと、いじめ、今のような陰湿ないじめね。昔も、僕らが子どもの頃、ありましたよ、いじめが。力の強いやつがおって、「おう、こら」とやって、やられた、そんなんありました。ありましたけども、それは別にそこででからっとしたものでありましたから、今の陰湿なものになっていなかったじゃないかと思うんですけどね。

 それで、いじめはなくならないと思うんです、私は、形は変わっても。形は変わっても何でも、子どもが学校へ来られないようないじめ、こんなものはやっぱりあってはいかんし、それは何としても阻止してもらいなければならんために、いろいろなことを私も申し上げてきたし、そんなことを特に目につけてやってほしいなというふうに思いますんで、よろしくお願いします。

 教育委員会は難しいですよ、今ね、本当に。大変やと思います、教育委員会は。現場も大変やけどね。現場はそこのところで起こった事象だけですけど、教育委員会は全般にわたってどうなんかなと見てもらわないかんし、上からおりてきますからね。この上からおりてくるというのがどうも僕は問題やと思うんでね。あんたらにはね返せと言ったて無理やね。仕方のない部分もありますけども、そんなふうに、いろんなことで左右されるということがあって、そして子どもたちも敏感に察して、いじめというのは起こっておるんと違うかなと僕は思うんですね。そんなことをよく見ていただいて、いじめ問題に取り組んでいただきたいなということをお願いして終わります。

○中嶋委員長 ほかに。

○竹上委員 まず、1つ目は、教育振興ビジョンの話なんですけども、今のお二人の議論を聞いていて、そうなんだなと思いましたけど、今の教育改革というのは、ある面では地方の裁量権をどこまで認めていくかという作業のような気がしてはおるんですよ。ただ、義務教育に関して言えば、やっぱり一律性であるとか統一性であるとか、そういうのが求められますし、学校経営品質に関しても、私、実は、そういう危惧もあるんです。職員、いわゆる教職員の意識改革というところでは成果が多分あるだろうし、一種、学校教育というのはタコつぼ化というんですか、そういった状態にあるのが意識改革が図られていく。ところが、少し勘違いした校長先生があらわれると、いわゆる統一性であるとか一律性というのが図られていくんではないかなという危惧はあるんです。学校経営というふうな観点から、目標を著しく違ったものにしていけば、それは学校間の差異というのはおのずと出てしまうという面があるんじゃなかろうかなと思てはおるんですけども。

 そういった面で、先ほど三谷委員がご指摘されたように、一回やっぱり検証すべきなんだろう、学校経営品質について。とり入れた、初め、モデル校でやっていましたですよね。そういうところはもう既に3年ぐらいたっておるかと思うんで、一度、どういった形で変わっていったかというのを検証を何らかの形でしていただけたらなと。これ1つ目、要望でございます。

 ただ、振興ビジョンに関して言うと、ですんで、今、教育改革の話が国の方でもずっと進んでいます。そして、また我々の地方でもこういった話がやっぱり出てくる。そうなりますと、例えば、ちょっとあれなんですが、政権がかわった、例えば北川さんから野呂さんにかわった、政権がかわったから、振興ビジョンを見直すという視点はちょっと私もぴんとこないところもあるんです。教育というのは辻本委員言われるような百年の計というふうに考えれば、地域政策が変わったら、教育の振興ビジョンが変わってしまうというのも、そこまでどうなのかなという気もいたします。

 それで、その具体的な中身をぱらっと見ますと、これは全く解せないなと思ておるんですが、第一編と第二編があまりにも食い違うような形がするんですよ。第一編で基本的な考え方と、それから体系表を作っておいて、第二編になったら、プログラムがI、II、IIIと出てきて、第一編のところの体系表のものがばらばらに入ってしまうというやり方は、これはやっぱり理解しづらいなという感じがします。

 それと、前にも、前回の素案、案でしたかね、出たときに申し上げたんですけれども、教育ビジョンというふうな部分で語るときに、学力ってどこに入るんだと。確かな学力という部分があまりにも欠落しておるような気がするんですよ。書いてあるのは、たしか48ページのところだけかと思います。その中の1項目というふうな扱いでは、三重県の教育振興ビジョンという中身においてあまりにも学力を軽視していないか。地域づくりというのは人づくりであって、人づくりの原点は教育であるならば、やはり確かな学力というものがもう少し前面に出ないと、教育振興ビジョンたり得ないんじゃないかなというふうな感じがいたしますんで、いま一度、ちょっと考えていただきたいなと思います。

 次の話を言いますと、教育、生涯学習、それからスポーツ振興計画、ぺらぺらっと今、中身を見て思たんですが、なぜに、例えば文化力と生涯学習であるとか、さらには新しい公と生涯学習であるとかという記述がね、非常にまじめに作られておるのかもしらんけれども、いわゆるベースの部分が表に出てきて、それが冒頭語られるというのは、私から見ると、非常にぴんとこない。そのベースがあって、その上での話があるべきでして、逆に読んでおる人が人間力と生涯学習とか創造力と生涯学習なんて読まされたら、わからないですよ、これ。それは、これを作る前の段階の議論であるべきなんでないのか。これが表に出てくる話でもないと思うのよ。ですから、もう少しわかりやすい作り方で、読んでおる人がわかるようにしないと、少しぴんとこないなという感じがします。このスポーツ振興も一緒です。スポーツと人間力なんて言われても、スポーツと創造力とかと言われても、これはちょっとぴんとくる話じゃないわなという。その議論の前段であるべきことじゃないかと思うんですよ。

 それから、先ほどのいじめの話なんですが、まさしく一番初めに清水委員が言われた、この10ページに書かれておる親の、家庭の教育力というところの話が、やっぱりどうも欠落をしていっているんじゃないかな。いじめのところで、これは私最近よく思うことなんですが、いじめの問題に関して唯一語られない部分が親の話やと思ておるんです。今のご説明でも、加害生徒の話、被害者生徒の話が出てくるけども、その保護者の話は一切出てこないですね。本来的には、例えば加害者である生徒の保護者、ここの話はやっぱり出てこなくてはおかしいと私は実は思ておるんです。その家庭の話、家庭の教育というのがやっぱりしかるべき形でなくては、こういった問題も解決していかないだろう。ならば、そういったいじめのことに関してもう少し、今度、基本事業で考えていただいておるんなら、そこの部分でも保護者に関するものはひとつ事業として何か考えてもらえんかな。これは要望でございます。

 それから、最後に、さっきの一般入試の話なんですが、いわゆる前期選抜、後期選抜というのをやりますよ。前からこれは言うておる話なんですけれども、名前が変わるだけで、現実的にどうなるかというところの話です。要するに、前期選抜で、どれぐらいの枠で絞っていくのか。私は、正直、後期選抜、3月にある一般試験というのが本来の姿である、前期選抜というのがそれほど大きな部分を占めてはやはりおかしいんじゃないかというのが私は常に思ておることなんですが、前期選抜というのはどれぐらいの枠か。それは各学校によりますよという話なのかね。それとも、アッパーをやっぱり県教委としては考えますよ、アッパーはここまでで、それ以下で各学校で判断してもらえればいいというふうな形にするのか。そこのご所見をお伺いしたいと思います。

○坪田総括室長 ただいま入学者選抜についてご指摘をいただきました。

 前期につきましてどのぐらいがいいかということでございますけれども、現状で3割前後の数で前期で入っております現在の特色化選抜と入試選抜でございますけれども、これにつきましては大きく考えた場合、今の一般入試、学力を中心とした入試と、それ以外のなるべく尺度でとる入試とのバランスもあると思いますし、時期の関係もあると思います。

 例えば前期選抜がもう少し日程上後ろにあれば、そういうものが併存しても、3学期の中学校教育への悪い影響とかがないという意味では、単なる入試選抜の尺度の多様化ということで是認される面もあるのかなとも考えておりますので、長期的には総合的に考えていきたいと思っていますけども、短期的にはあまり前期が今の水準よりも大きくならないという方向で、県として、設置者の責任として各学校から協議を受けて、それに対して助言し、調整をしていきたいということでございます。各学校によって今、前期で100%をとっていて、それで結構うまくいっている、地域からの中学校からもそれでいいと言われている学校を無理に後期にもやりなさいということで引き離す気はございませんが、ただ、何の考えもなく、地域からも反発を受けつつ拡大するとか、これまでも大きく広げていて、逆に他の学校からの非常に反発を買った学校については、今後、この20年度改革を契機に調整を図らせていただくことになるだろうと考えております。

 我々の今の目算では、まだいろんな協議というか、それがスタートした段階ですけれども、当初一、二年ではそう大きくは実は変わらないということで、またさらには中学校の教育というもの、これは中学校教育の義務教育の指導という面でも指導していきたいんですけれども、その影響ということを入試選抜の中でも考えて、しっかり我々としても調整というか、責任を果たしていきたいと思っております。

○鎌田総括室長 振興ビジョンの学力の部分についてなんですけれども、今までの第三次までは、学力の定着という言葉は基礎・基本の学力の定着というのを中心に書いてきました。今回は、さらには定着に向上というふうなところまで書き込んできたというふうなことは若干変えた形で進めております。

 具体的に、重点の先ほどご説明させていただいた8ページあたりを見ていただきますと、先ほど竹上委員おっしゃいました48ページと言われたのは8ページの(2)のところ、「学力」と「志」を育む教育の推進というあたりのお話かと思うんですが、さらには8ページのその下の少人数教育というのも当然学力の定着、向上というふうなところで述べさせていただいて、これを重点として進めていきたいということで、ちょっと前へ出させていただいた。あと、それぞれの施策のところには数カ所ですね、全部で5つぐらいの施策はそういう意味で整理をさせていただいております。

 それから、もう一つは、最初の一編と二編がちょっと変じゃないかというふうなご指摘なんですが、一編の基本的な考え方、特徴につきましては基本的に5ページ以降こういうふうにまとめましたというのをあらわしました。変に見える部分というのは3ページかなと思うんですが、3ページにつきましては、現在の教育振興ビジョンの体系表をどこにもあらわさないのは見てもらうのにかえって困るかなということで、ここの位置に上げさせていただいたんですが、それぞれの施策を、先ほども申しましたけど、見る目を、視点を変えてですね、重点的な取組というか、教育力向上プログラムとして特にこういうところをやりたいんですよというのをまとめさせていただいたのが第二編になっていますというふうなあたりで、しっかりこちらでも整理を再度したいと思いますけども、矛盾ないように、これはしていきたいというふうに思っています。

○安田教育長 いじめの問題の中での家庭教育の部分なんでありますけれども、おっしゃるとおりだというふうに思います。私ども、実は、あの問題が起きた直後に、子どもたちにチラシ、メッセージを出したんでありますけれど、みんながあなたの味方ですよというチラシを出したんですが、そのときにも、いろんな関係者の方々と協議をしたときに、PTAの方から、これは保護者の視点、PTAからの視点も、家庭のあれも入れるべきじゃないかというご意見もあったんですけれども、いろいろ議論したときに、あの段階で家庭を入れますと、かなり世論も含めて、学校、教育委員会は何だと。そういう問題をまた親も含めて責任転嫁するのかみたいな思われ方というか、受けとめ方をされるおそれがあったということで、あくまでも学校サイドからの呼びかけということで、ああいうまとめ方をさせていただきました。全体的にそういう流れになっておりまして、したがって振興ビジョンにしても、あるいは戦略計画の、あるいは予算の中にしましても、おおむね一方通行といいますか、学校としての取組を主に上げさせていただいております。

 ただ、おっしゃっていただきますように、十分に家庭教育力、場合によったら地域教育力も含めて、いじめをなくすためには必要であるということは当然のことであると思います。再生会議もようやく、この前、緊急アピールというのを出しましたけど、家庭と地域の考え方が大事だというのを打ち出しておりますけれども、なかなかそれがこの計画の中へ、いじめ問題としての形として落とすまでには至っていない。これも今まで出ておりました親学のところで十分子どもへのしつけとか、そういった基本的なことを身につけるためには親がしっかりと教育してくださいよみたいなことはこの中で盛り込んでいけるのかなというふうに思っていますが、いじめだけ特出しをした家庭での役割あるいは地域での役割というところになると、若干誤解を招くおそれもあるというようなことで、こういうまとめ方をさせていただきました。以上でございます。

○竹上委員 経営品質。

○中嶋委員長 経営品質のどういう成果があったのかということを明らかにしたい。

○竹上委員 いや、検証をするかしないか。

○中嶋委員長 竹上委員、もう一回、ちょっと質問内容。

○竹上委員 経営品質の具体的な検証を今後していくかどうかという話です。

○安田教育長 経営品質につきましては、申し上げておりますように、一つのツールでありますので、検証というよりは、どんな結果、どんな効果が得られたかということについては常に把握、追っていきたいというふうに思っています。したがって、逆効果というのはあまり想定を我々としてはしていないんですが、この経営品質を使って、こんな具体的な改善に結びつきましたというようなことは、できるだけ事例を多く把握して、それをまた県内の多くの学校にフィードバックしていきたいなと、こう思っております。

○竹上委員 今のいじめの話、よくわかりました。

 それと、学力の話は、振興ビジョンを本当に作るんやったら、やっぱり1項目どこかに学力の向上なり確かな学力なんかがぼんとあるべきやというのは私はいつも思いますのさ。それがどうして無いのというところなんですよ。それはまず一ぺん考えてもらいたい。

 それから、さっきの経営品質の話、今、辻本委員も言われたように、経営品質というものに関して、皆さん方が県教委はかなり強力にこれは進めてきておる、県独自の策の大きなものであると私思ておるんですよ。それをやったときに、やっぱり一定のこういった成果がありました、こういった効果がありましたというところはある時点ではっきりしないと、人の目に触れて、評価を受けて、初めてこういったものは成り立っていくものやと思うんです。だもので、ぜひとも一回きちんとしたものを出さないと、今日みたいな議論にどうしてもなってしまう。それは県教委の中のフィードバックじゃなくて、外へやっぱり一回出すべきやと思います。

○安田教育長 経営品質、特にですね、今後そういった考え方でまとめていきたいと思っています。

○中嶋委員長 ほかに。

○清水委員 いじめ問題で、この間も一般質問させていただいて、ちょっと時間がなかった面があるんですけども、この51ページか、これをずっと見させてもらうと、この間も言ったように、中学1年のいじめというのが一番発生件数が高いですね。その次2年生ということで、やはりこの中学1年生のいじめ問題を集中的にある程度クリアできれば、必然的に2年、3年のいじめというのも減少してくると思うんですが、何らかの形で中学1年生に対する対策というのが打ち出せることはできないのかなと思いまして、お聞きしたいんですが。

 それと、もう一点は、文科省のあれによってアンケート調査をやりましたよね。これは各校一律で、同じ基準でやられたのかどうか、ちょっとそのへん教えてください。

○坪田総括室長 初めに、中学1年の対策でございますけれども、従来から小・中連携の事業や中1生を中心にという少人数学級など、さまざま取り組んできました。そういうような検証をしながら、今後、各学校で一番まだ中1に課題があるところは、引き続き、そこに手厚くいろんな対策を立てると思いますし、小・中連携を進めてくると思いますが、今回ちょっと新たにこちらで考えておりますのは、新規事業とも絡むんですけれども、また先般、都留文科大学の河村先生という人から1つの研究発表があって、新聞にも報道されたわけでございますけれども、学級の状況というものと、それと、いじめが起きやすい、発生の関係というものを、この先生はいろんな、10万人の児童・生徒へのアンケートを踏まえて発表されたわけでございます。

 それについて一番大きな見出しとしては、生徒と先生が友達関係のなれ合い学級は一番いじめが起きやすいというようなことも言われたわけでございますが、この調査は単なる学級の見かけ上の分析だけではなくて、各子どもたちが自分の学校でどういう状況にあるか。例えば中学校でも、小学校のとき問題なかったけれども、他の小学校と一緒になって、クラス替えのときの関係ですごくいづらい関係になるとか疎外されているとか、たまたま自分と合わない子どもに暴力的な行為を受けるんで、どうも侵害行為を受けているということを認知するとか、また逆に先生からものすごく評価されるから自分としての自己肯定感が高まるとか、こういうのが先生との関係や友達との関係でもさまざまである。

 これまでは、そういうものを一方的に観察して対応しようということで、結局何か起こらないと対応できなかったわけでございますが、これからは中1という一番の節目になる、また環境が大きく変わる、担任制ではなくて5教科とかの教科担任制になるという中で一番揺れ動くときですから、そういう学級におけるその子の自己認識の状況というのをしっかりこの調査方法を使ってそういうのを認識して、それによって個々に応じた対応をしていこう。その際、スクールカウンセラーと一緒になって、その子に対応するとか、または学年団とかで大きな学校経営全体でその子どもの対応を考えるとか、そういうことを組織的にやっていくきっかけにもなろうかなというふうに思っておりますし。

 こういう分析をもとにした研修の充実というものが、これまでの、どちらかというと、スローガン的な研修よりも、こういう子どもにはこういう対応をすると、非常にいじめというのは発生しにくいというようなことを具体的にやっていただいた方がいいのかなということで今後進めていきたいと思いますし、新規事業でも「いじめゼロ」と名を打った調査研究事業で本格的な取り組みを県としても考えているところでございまして、非常に中1の問題は大きいものだというふうに考えております。

 2点目で、文部科学省のアンケート調査につきまして、これは全国一律の基準でございました。従来の例えば一方的であるとか強い者から弱い者をいじめるとか継続をしているとか、そういう定義については特に変わっておりません。全体として、総論として、いじめられた子の立場に立って、より幅広く調査を行ってくださいということが変わっていただけで、それを受けて全国の県を通じて、市町を通じて、学校を通じて調査した結果、非常に多くの数字が上がってきた。

 ただ、我々も見ていますと、市町によっては、より積極的に掘り起こしといいますか、実態調査を新たにやる形で掘り起こしてくれたところと、そうではなくて、これまでより若干意識を持っただけで、二、三名の件数しか上がってこなかったところと、ちょっと差があるのかなと考えておりますので、どうして一律のものでそうなるのかなというものは、この数字が上がって以来、我々も少し現場に問い合わせるなどして検証を進めているところでございますんで、そういうものの検証結果を踏まえて、国にも提言したいですし、県としても調査方法を考えていきたいと思っております。

○清水委員 1つ、アンケート調査は県教委としては一律の方向で指示をしたけれども、そういった形で件数がちょっと不自然なというようなところもあったということですね、実態は。これは今後、どのような方法でアンケートがとられたか調査するということでよろしいですか。

○坪田総括室長 今回の調査は必ずしも本人へのアンケートという形ではなくて、学校の、これまでどおり、教職員に対してそういうものを相談や、また観察で認知しているかというものでしたので、それに加えて市独自でアンケート調査を全児童・生徒にやったところとそうじゃないところと、その手法のやり方はかなり分かれた面がありましたが、国としては必ずしもそれをやれということではなかったために、そういうような手法の差というものは今回生まれてしまったのかなと思いますので、手法についての統一も含めて、これは国、都道府県も統一してやっていかないと、全国的にきちんと比較できる調査にはならないのではないかという問題意識を持っていますので、国の方でも大きくいじめや自殺の調査方法について今見直しの検討をしていますので、そういうところに返していきたいというふうに思っております。

○清水委員 やはりある程度一律の調査結果であるということが望ましいと思いますので、今後、そういった点、ひとつよろしくお願いしたいということと。

 いじめって、どんな社会にでもあると思うんですわ。極端な話、議会内にもあるかもわからんような状況の中で小学生なり中学生が潜在的に今の時点でまだいじめられているというような状況を考えると本当にかわいそうやから、何とか、これは長い時間が必要だと思いますけども、先ほど坪田さんが言われたような形でひとつ対処をしていただきたいなということを要望しておきます。

○中嶋委員長 ほかに。

○北川副委員長 今のいじめの清水委員の話に関連して、中1が非常に多いということの中で、少人数学級、清水委員も一般質問で言われていたと思うんですけれども、中学校は35人の設定をされていると思うんですけれども、いじめの発生状況とそういう少人数学級との関係というか、効果というか、そのへんは何か出ているものはあるんでしょうか。

○安田教育長 まだ特にいじめは、これまで年間でも314件というふうな報告がベースになっていますので、今回の新しい措置も含めて、そういった分析までには至っておりません。

 ただ、やはりおっしゃっていただきますように、中1にいろんなことが、問題行動が集中しているというのは確かでございまして、2年程前から私どもが小学校から中学校への移るときの、いわゆる中1ギャップと言っていましたけれど、その大きな落差を少しでもやわらげるためにということで連携をしていくべきだということで事業も組ませていただいておりますが、そのときに見たものでも、やはり例えば暴力行為でありますとか不登校でありますとか、そういう子どもさんの通常じゃない問題が起きるのは小学校6年生の約3倍ぐらいなんですね、データから見ますと。大きくぐっとはね上がってしまうということですので、そこに着目して、この35人学級というのも小1、2、3といかずに中学校へ行ったというのも、そういうところが大きな理由でありますので、恐らくではありませんが、いじめも多少そういう関係はあると思います。しかし、そこのところまで十分には分析までには至っておりません。

 同時に、なかなかそういうことが理由だったとしても、一気に少人数学級をそれをもとにして進めていくというのも、非常に今苦しい状況でございますので、私どもとしましては、限られたそれこそ財源の中、選択と集中の中で、どこが一番重要かというところについては、やっぱり中1というのがかなりウエートが高いのかなというふうな考え方をさせていただいております。

○北川副委員長 いじめの問題はいろんな分析の仕方があると思うんですね。最近一番よく言われるのは、やはり小学校高学年や中学校、高校で出てくる時点というのはもう既にその地点が原因ではなくて、乳幼児期の子育ての仕方から発しているという考え方もあるように聞いています。それがどの程度信憑性があるのかどうか、私は専門家じゃないんで、わかりませんけれども、風が吹けば、おけ屋がもうかる式の話でいくと、最後は私自身は、今の日本人の働き方のあり方まで変えていかないと、ここで親業の話も出ていますけれども、結局、そんなものを設定されたとしても、それをいろいろ学んだりする環境に今の若い人はあるかと言うと、恐らく働き方の中ではないのかなという感じもしています。

 ただ、それを議論すると、時間があれなんですけども、中学や高校の現場というのは恐らくもう既に発生をしてしまったそういう子どもさんの何か心のゆがみの部分が外に噴き出してきている時点ですから、根っこからとめるというのはなかなか難しいんだろうと思うんですね。そういう意味では、まさに対症療法的なことでしかなかなか補えない部分だろうというふうに見ていくと、やはり少人数学級というものを中学の1年にフルに財源的にも思い切って持っていくということをやっていかないと、これはなかなか対処が現実できないんじゃないかなと。

 選択と集中の話はわかるんですけれども、命にもかかわる話ですし、また三重県のこれからの若い世代の生徒、子どもさんを育てていくという観点からも、やっぱりそこに人とお金をかけていくという思い切ったことをしないと、だめなんじゃないかなというふうに思います。財政的には厳しいのは重々承知ですけれども、それでそのまま流していくと、本当に何も解決しないし、何も変わっていかないと思うんで、そこのところは財政との駆け引きもありますけれども、ぜひ前進をしていただくように要望させていただいて、終わります。

○中嶋委員長 よろしいですか。ほかに。

 では、私の方から、調査書のことについていろいろと諸点お伺いしたいと思います。

 こういう結果として8点ぐらいの差がある、学校、高いところと低いところと。ここには示していないんですが、そのばらつき度合いというのを見てみても、50を平均とした偏差値の考えからいくと、78から30幾つまでという非常にばらつきがあるというのは、これはわかるわけですね。まず、この現状についてどのようにお考えなのか、お答えをまずいただきたいと思うんですが。

○坪田総括室長 調査書のばらつきにつきましては、当方でも中学校側、また入試に当たって、いろいろな情報、データを集めておりますので、従来から問題の一つであるという認識を持っておりました。その中でのばらつきでも、これは教科によってまたそのばらつきの度合いが大きい、小さいというものもある。そして、学校、地域によっても、いろんなばらつきのその特性があるという中で、これはどのようにして、それを適正化していったらいいかという課題でございましたが、今、ばらつきだけを見た認識からしますと、その学校の実態等を見ますと、ある程度比例的な部分もあり、著しく単に辛いとか甘いだけではないのかなという部分もありますが、そういう情報を度外視しても、これはぶれがあるなというのが、先ほど申しましたが、受験生の影響としましてはプラ・マイ5点の影響というものが合否判定のとき出てくるなというものは感じているところで、それについては入試の方で不公平感がないようにしていかなければいけないというふうなことを感じております。

○中嶋委員長 今のご答弁の中で、学校、地域、ばらつきがあるけれども、ある程度比例的なところがあるという、そこはどういう意味ですか。もう少し詳しく説明いただけますか。

○坪田総括室長 比例的といいますのは、これは目的に準拠して、どのような評価をつけるかというのがこれまでの相対評価という、単に割合で割り振るというところからこの絶対評価に移ったときの大きな変化でございまして、ある学校で目的に準拠して例えばみんなが一定のテストで100点がとれるという観点から全員に5をつけても、これはおかしくないわけでございます、制度的には。

 それがかつての相対評価のときは、そのうちの7人ぐらいにしか5をつけられないということで、その中でふだんの成績などを見て、そのうちの限られた人数だけ5をつけて、あとは4に落とすというような作業が行われていたということでございまして、絶対評価の方が学校の実態に即すという面からすると、より公平性を達成できる面も一部ではあるということでございますが、それは地域ということではなくて、学校ごと、学級ごとでそういうことがあるということで、それが総体となって大きな差に見えるところも生じてきているのかな。

 また、5教科以外の4教科の成績のつけ方というのが学校によってちょっとシステムが違う面がありまして、より学校全体で調整するところとしないところ、そういうようなことを奨励している地域と、でない地域のところで9教科というところで見た場合に結構違いが広がって見えるところもあるのかなということは我々の分析した結果として感じているところでございます。

○中嶋委員長 そうしますと、2つありまして、そういう評定の仕方、ばらつきがあって、今おっしゃられたように、これも細かく見ていくと、5教科以外の美術だとか音楽だとか保健体育、技術家庭、そういうもののばらつきの方が大きいなというのは私も感じるんです。それは偏差を出してやっていないんですが、そういった全体のもとで、これは今、最新の情報データですけれども、当然、前年度、前々年度もこういったものがあるわけですよね。

 まず、それをどういうふうに適正化していこうという努力をされてきたのか。

 それと、今回の入学者選抜制度の見直しの中で、こういう実態を踏まえて、どういうふうなところを工夫されたのか。その2点をお答えいただきたいんですが。

○坪田総括室長 これまでも、これは14年度に導入されておりますので、それが終わった15年度初頭からもう既に何年か、これらを把握し、適正化するということの意識を持つ機会はあったわけでございます。

 それで、これは別途いろんなところで、入試にはかかわらず、この評価についてどうすべきか、どうなっているのかというのは、この絶対評価導入時からの一番これを不安がったのは現職の教員方でございます。総合学習と選択教科と並んで、この絶対評価というのは非常に戸惑っているということがありましたし、保護者の側は非常に負担、不安が大きいということがございました。

 それらを受けて、平成16年度、17年度に県内の小・中学校の評価基準というものをそもそも作ってやっているかどうかについて実態を調査し、作っていないところには、そういうものを作って、しっかりと評価をするようにという指導をしてまいりました。これの影響として、16年度は小学校で72.5%しか評価基準を作っていなかったのが、その1年後の17年度には98.3%まで高まってきております。もう既に18年度ですから、これは完全なものになっているものと承知しております。

 また、保護者への不安解消ということで、16年度は54%しか保護者の説明を学校が実施していなかったのが、17年度には77.2%、現在では8割を超える数になっていると思いますが、このようなことを通じて、また、もちろん評価の目利きができるというそれぞれの教員の資質を上げないといけませんので、そういうことで研修、教務担当者を対象とした評価に関する研修会を県教育委員会としてもやってきたところでございます。それは常々進めておりますし、この秋以降はさらに、この入試の改革も含めて小・中学校の関係、市町村教育委員会を通じて指導を徹底してございますし、来る今週金曜日にも三重県の市や指導主事全体を集めとる会議がございますので、そこでもそういう指導を徹底したいと考えております。

 このようなことを踏まえ、いろんな是正の動きがありますが、それでいても、まだまだこのようなプラス・マイナス5点と思われるような、またいろんな尺度によっていろんな差が把握できますし、また教科ごとのばらつきというものも依然として生じているわけでございますが、このようなことを受けまして、先ほども少し申し上げましたけれども、要は不公平感といいますか、実際の実力差というのもあるんですが、それ以上に評価の甘い、辛いといったもので、あの中学校だから、甘かったから、あの子は受かった、うちの子はだめだったというようなことが実際、保護者の間で非常に大きな問題となっているという状況もPTA等から受けまして、我々として考えたのは、実際にこの47ページにあるような、そのような選抜方法をとった場合に、辛くつけられたということで、同じ点数をとっていながら、不合格になってしまうケースというのをなくそうということで、いろいろ分析をし、検討した結果として今回の改正をさせていただいたところでございます。

 あるモデルを申しますと、これまで例えば210点であったものの、学力検査の成績が、調査書が34ほどしかなかったということで不合格になっていた。要は、左上の一番端っこ、外れたところになりますが、そこに位置していた受験生についてはこれまで不合格となっていた。逆に、調査書が45点満点であった、それで200点しかない、要するに10点少ないという場合でも、この右下のところですが、ぎりぎり、第2次合格の一番隅っこになりますけれども、合格になっていたケースがあるという逆転現象も実際起こっております。

 そういうものを解消するために、そのようなケースが起こるのは、実は、すべての学校ではなくて、ほんの一部の10数校で発生するケースなんですけれども、その学校について、そういう不公平がないように、すべてのデータを集めて検討した結果、このように、そのような学校については学力検査の結果を重視するということを宣言していただいて、左上の楕円をきっちりとると言っていただくと、合格最低点が同じところでそろうというようなことで、調査書によるプラ・マイ5のぶれというものは、こういうふうに生じてこないということがわかってきたということで、それを導入させていただきました。

 全般的に、このような信用できない調査書をどうするかとなるんですが、さらに、これは今の現行の学習指導要領で、履修問題ではないですけれども、この絶対評価をしっかりやっていくというのは一つのやらなければならないことになっていますんで、それを入試に使うかどうかというのはある意味県の独自性かもしれませんが、そこについては少しきっちり、慎重に、丁寧に関係の方々の意見を聞いて検討したいと思っておりますし、先ほどの5教科以外の4教科の問題として、これもばらつきも多いわけでございますが、そういう指導を今後さらに徹底するとともに、それらをもし外すことになった場合の中学校教育の影響、要するに5教科以外、受験科目以外についてどのような学習態度になるかというようなことを中学校側からもしっかり意見を聞きながら、この調査書の扱いについては抜本的なことも含めて検討はしたいと思いますが、今時の改革については、これで大きな問題は発生しなくなる、かなり前進しているものというふうに我々としては認識をしております。

○中嶋委員長 今縷々ご説明いただいたわけですが、もちろんいろんなそういう努力もしていただきながら、採点基準ですか、それを100%なり各学校に備えつけていただくようにしたというふうな努力の中で、実際そのばらつきの度合い、それは改善されてきているのかというのをお聞かせいただきたいのと。

 それから、今、47ページの選抜方法のイメージ図を使ってお話しいただいたわけですが、これって、でも、あくまでもイメージの中の話ですよね。各学校ごとに、そういう配点の仕方だとか、この調査書の利用の仕方、判断基準ですね、合否の、それをどこまで明らかにしていく気なのか。今の話というのは、この図だから、それなりの説明になっているんですよ。だけど、実際の高校入試する者にとっては、この学校は何点だったら、どうだとか、そういうのというのは全くわからないわけですよね。ましてや、後期選抜の方ですが、調査書の第3学年における各教科の学習の記録及び特別活動の記録等により、およそ募集定員に当たる者の数をまず選んでいるんですよね。そういうやり方って、どうなんですかというところを問いたいんですが。

○坪田総括室長 47ページのイメージ図につきましては、イメージと言っている表現が適切じゃないかもしれませんが、一応すべてこの方法に従って学校はやっていただいております。ですから、この方式というものを外したところは絶対ないということで、すべての学校が45点満点の調査書の、上から定員の数を線を引っ張る形で、その中から学力検査で高い順を引いていくという形は変わりません。これまで、この楕円形に入っていた総合的に判断して決定というところが、これは各学校によって任されていた部分でありまして、これについてちゃんとはっきりさせる。そのはっきりさせ方としては、そこの部分については調査書を見ないで、学力検査だけでとっていいというのが今回の大きな改善点でございますし、それについては事前に公表するということで、これまでも総合的判断ってどう総合的かとわからなかったことが今回の改善案によって明示的になっていくということで改善が図られるというふうに考えております。

 また、合否判定後のどういうふうに詳細な説明を合格者、不合格者にしていくということにつきましては、より研究をしていきたいと思っております。

○中嶋委員長 あと、前段のいろいろと努力していただいてきている中で、ばらつきですね。絶対評価のばらつきのものは改善されてきたのかどうかというのは、どうですか。

○坪田総括室長 これについてはまだまだ至らないというふうに客観的に思える部分もあるんですけれども、改善を少しずつしてきております。

○中嶋委員長 それは具体的なデータとしては出されないんですか。

○坪田総括室長 現在、手持ちではないですけれども、また提出をさせていただきたいと思っております。

○中嶋委員長 私の要望なんですけど、これは今、20年度からの中で改善を施されていこうとしているわけですね。高校入試って本当にその生徒にとっては人生を左右する大事なものだと思うんですよね。そういう15年度から把握されてきながら、対応が遅過ぎるんじゃないかというのがまず1点です。遅きに失しているんではないかということが1点。

 それから、こういう客観的なデータというのを、幸いにして、ご協力いただいた方から私はいただいたわけですが、こういったものは本当は学校名もこれはわかるわけですよね。そこまで出せとは私は申し上げませんが、やはり保護者の方とか、この制度について今後ご意見を伺っていくに当たっては、こういう現実があるんだよということを前提に議論してもらわなければいけないんじゃないかと。そういう情報をちゃんと提供していただかんならんのじゃないかというのが2点目です。

 それと、今申し上げたように、どれぐらいのぶれがあるのかというのがこれでわかるわけですよね。第3学年時のと言っても、前期選抜のあたりからいけば、当然2学期の終わりというのは最新になるんですかね。ということは、各学校から平均値を出してもらえば、どれぐらいの偏差があるか、ばらつきがあるかというのはわかるわけですよね。そういう中で、調査書の採点を利用するに当たって、そのばらつき度合いを踏まえた上で補正をかけるとか、そういうことも可能なんではないかと。それは当然、どこの中学校はどういうぐあいの位置にあるか、平均からですね、そういうのを見た上でですけれども、その中学校から出願している生徒さんの調査書については補正をかけるとか、そういうことは今のパソコンを使った中ででは、技術的には私は可能だと思うんですね。

 そういった具体的なアクションとして、信頼をしていただける、絶対評価を100%、50の平均に合わせようというのは、私は絶対これは無理だと思っているんですね。当然、生じてくる。そして、また学校間、教科間のばらつきというのは、冒頭申し上げたように、その学校が力を入れているところとか、そういうものによっても違ってくる。だけれどもですよ、こういうばらつきを前提として、できるだけ小さくするという努力、それと、ばらつきがある中で、より公正な入試選抜の資料としていくための努力というのはすぐさま私はやるべきだというふうに思っておりますので、その点については重々ご検討いただきたいなというふうに思いますし、それについては第1回定例会で、どのような対応をされるのかということについて明確にご説明をいただきたいということをお願いしておきます。

 何かコメントありますか。

○坪田総括室長 ただいまのご指摘を踏まえて、しっかり取り組みを進めていきたいと思っております。

○辻本委員 関連、一言お願いしたい。絶対評価というのは、これは横並びではないわけですね、全然。横並びでないものを求めて、それを横並びにして、差がないようにしようというのは、もともと絵のないところに絵をすげるみたいなもので、到底、私は不可能だと思うんですよ。そやで、三重県が教育改革を先んじて行う県であれば、三重県は内申書は不要にします、こういうことをして、三重県は入学選抜試験の点数で選抜をします、こうすれば、高校側も楽やし、中学校側も楽やし、本人も、おれの書いたやつはやっぱりあかんだかなということもわかるし、それを何とか公平にしようとするところに無理があってね。そんなことは百も承知で、またこれ国で決めとるんでしょう、この絶対評価でしなさいというのは。各県で苦労しているのは知らずにやっておるわけですから、私は、こんなん、選抜は学力点一発にしますと言った方が本人も納得するし、学校もよくわかるし、高等学校も楽や。こんなふうに思いますんで、それも一ぺん検討してください。

○坪田総括室長 そのようなご意見も踏まえさせていただきたいと思います。

 調査書を使う、絶対評価になってから少しいろんな問題が出てきたんですけれども、調査書は本来、3年間しっかり勉強した、生徒会活動をやった、部活動をやった、そういうプラスの評価をして、15歳というまだ弱冠、若い身で、1回の、1日のテストで心理的な不安もある、プレッシャーもある中で、多少成績がふだんよりもとれなかった、実力が出せなかったという子もしっかり見ていこう、そういう3年間の活躍も評価していこうという、本当はそういうプラスになる制度でございますんで、そういう観点も踏まえて、この評価書のあり方を考えないといけないと思うんです。

 定数・点数化の是非というのと評価書のプラスの方をちゃんと使っていくということはちゃんと、しっかり別に考えながら、総合的に我々は改善策を考えていきたいというふうに思っておりますので、また全般的に保護者や本日情報提供いただいた全国学習塾協会の三重県協議会、いろんな方々のご意見を聞きながら、この取組を進めていきたいと思います。ありがとうございます。

○中嶋委員長 ほかにございませんでしょうか。

          (「なし」の声あり)

○中嶋委員長 ほかになければ、これで教育委員会関係の常任委員会を終了いたします。

【分科会】

 1 予算議案・予算関連議案の審査

   ● 議案 第 1号 「平成18年度三重県一般会計補正予算(第3号)」の関係分

   ● 議案 第17号 「公立学校職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」

   ● 議案 第18号 「公立学校職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例案」

   ● 議案 第28号 「三重県営鈴鹿スポーツガーデン体育館の指定管理者の指定について」

 (1)当局から資料に基づき補充説明(安田教育長説明)

 (2)質疑

○中嶋委員長 それでは、ご質疑があれば、お願いいたします。

○辻本委員 給与改定の小学校、中学校、高等学校で大変な差があるんですが、片方は増えておるし、片方は減っておるという、かなりな差があるんですが、これはどういう理由で差がある。

○安田教育長 これは、1つは、プラスが出てくるというのは、給与改定の分で地域手当というのを新設いたしまして、増額をしている部分がございます。その増額の部分と、一方では、これは毎年ほとんど減額になりますけれども、昨年の、1年前の10月1日現在の人をベースにした人件費計算、さらに5月1日の段階で、かなり実人員がクラス数の変動等によって変動いたしますけれども、それもある程度想定をした上で当初予算というのは組むわけですが、しかしながら、今のこの時点に、ことしの10月1日現在になりますと、相当ずれがある。そのずれはほとんどは予算を下回るというのがこれまでの通例でございまして、そのずれ方にそれぞれ小学校、中学校、高等学校に差があるということで、若干こういう数値の差が出てくるという、こういう状況でございます。

○中嶋委員長 よろしいですか。

 ほかにご質疑ございませんでしょうか。

          (「なし」の声あり)

○中嶋委員長 なければ、議案に対する質疑を終了いたします。

 (3)採決

     議案 第 1号の関係分ほか3件     挙手(全員)     可決

 2 所管事項の調査

   ● 平成19年度当初予算要求状況について ほか

 (1)当局から資料に基づき補充説明(安田教育長説明)

 (2)質疑

○中嶋委員長 それでは、ご質問等がございましたら、お願いします。ございませんか。

○辻本委員 1つ。後で結構なんですが、いわゆる県単教職員の変化、過去5年間ぐらい、ちょっと教えてくれませんか。

○安田教育長 後ほどまた提出させていただきますが。

○中嶋委員長 ほかにございませんか。よろしいですか。

          (「なし」の声あり)

○中嶋委員長 ほかになければ、教育委員会関係の常任委員会及び分科会を終了いたします。

III 委員協議

【常任委員会関係】

 1 常任委員長報告について           正副委員長に一任

 2 閉会中の継続審査・調査申出事件について   別紙のとおり決定

【分科会関係】

 1 分科会委員長報告について(予算議案・予算関連議案・予算調査)

                         正副委員長に一任

 〔閉会の宣言〕

以上、会議の要綱を記し、ここに押印する。

平成18年12月12日         

教育警察常任委員長          

予算決算特別委員会          

教育警察分科会委員長  中 嶋 年 規

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