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三重県議会 > 県議会の活動 > 本会議 > 意見書・決議 > 平成28年定例会2月定例月会議で可決した意見書及び決議 > 科学的根拠に基づいた捕鯨及びイルカ漁の持続的実施並びに商業捕鯨の再開を求める意見書

科学的根拠に基づいた捕鯨及びイルカ漁の持続的実施並びに商業捕鯨の再開を求める意見書

科学的根拠に基づいた捕鯨及びイルカ漁の持続的実施並びに商業捕鯨の再開を求める意見書

 我が国の捕鯨は、縄文時代から伝統的に沿岸で鯨類資源を害することなく行われ、その鯨肉は食用として、鯨油、骨、ヒゲ等も貴重な取得品として利用されてきた。本県においても、近世には志摩地方から熊野灘沿岸域において捕鯨が行われていた。また、捕鯨は伝統文化とも結び付いており、捕鯨の様子を再現し、大漁と厄除けを祈願する鯨船行事が県内の各地で行われている。その中でも、四日市市富田地区で行われる鯨船行事については、ユネスコ無形文化遺産への登録を申請しており、地元では伝統文化の保存に向けた取組が進められている。
 しかし、捕鯨業を取り巻く国際的な環境は厳しく、1988年以降商業捕鯨が禁止されたままであり、また、2014年3月には、国際司法裁判所に我が国の調査捕鯨の違法性を指摘されたところである。
 もっとも、この判決を踏まえた新しい南極海鯨類捕獲調査計画が策定され、昨年12月、調査捕鯨が再開されたが、調査捕鯨に対して強硬な姿勢を示す反捕鯨国や反捕鯨団体が存在している。他方で、一律的な商業捕鯨の禁止によって豊富な鯨類まで保護されることにより、海洋生態系のバランスが崩れることや、増加したクジラがカタクチイワシ、サンマ、オキアミなどを食べるため、漁業に深刻な影響を与えることが懸念されている。
 また、イルカ漁に関しても、我が国における追い込み漁が国際的な批判を受け、追い込み漁で捕獲されたイルカの購入を中止する動きが見られ、本県においても、水族館においてイルカの調達が困難になるなどの影響が出ている。
 もとより、鯨類は重要な食料資源として、他の水産資源と同様に、科学事実に基づいて持続的に利用されるべきである。また、各地の食生活は、それぞれの生活環境や自然、歴史に基づいて発展し、維持されてきたものであり、鯨類を捕食することは、そのような食習慣を有する地域にとってかけがえのない文化であることも理解されるべきである。
 よって、本県議会は、下記の事項について特段の措置を講じられるよう強く要望する。
  

                                    記

1 鯨船行事などの伝統文化を保存する取組を進めるとともに、我が国の捕鯨やクジラに関連する文化等について、国内外へ的確に情報を発信すること。

2 捕鯨及びイルカ漁の技術の継承等を図るため必要な支援を行うとともに、商業捕鯨の早期再開を含む鯨類資源の持続的利用の実現を図ること。

3 新しい南極海鯨類捕獲調査計画の確実な実施を図るとともに、反捕鯨団体による過激な反対運動に対して毅然とした対応をとること。
 

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

    平成28年3月22日

             三重県議会議長 中 村 進 一

(提 出 先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
文部科学大臣
農林水産大臣
水産庁長官

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