三重県議会 > 県議会の活動 > 委員会 > 委員会会議録 > 平成24年度 委員会会議録 > 平成24年8月17日 議員提出条例検証特別委員会 会議録
議員提出条例検証特別委員会
会 議 録
(閉 会 中)
開催年月日 平成24年8月17日(金) 自 午前10時1分 ~ 至 午前11時35分
会 議 室 301委員会室
出席委員 9名
委 員 長 中嶋 年規
副委員長 長田 隆尚
委 員 小島 智子
委 員 森野 真治
委 員 小野 欽市
委 員 奥野 英介
委 員 服部 富男
委 員 中村 進一
委 員 永田 正巳
欠席委員 なし
出席説明員 なし
事務局職員 次 長 神戸 保幸
企画法務課長 野口 幸彦
政策法務監 山本 道雄
委員会書記 議事課副課長 山本 秀典
企画法務課主査 中西 宣之
傍聴議員 なし
県政記者クラブ 2名
傍 聴 者 1名
協議事項
1 三重県地域産業振興条例の検証について
2 委員会の中間報告案について
【会議の経過とその結果】
〔開会の宣言〕
1 三重県地域産業振興条例の検証について
①議会事務局から資料に基づき、条例の制定経緯、各条項等について説明(山本政策法務監)
②委員間討議
〇小野委員 5ページの中ほどの第3条第1項、主体的に取り組むのところで、「第1項は確認的に規定したものである」というふうに書いていただいてます。主体的に取り組むということは、事業者は自らの努力によって経営の向上を図るべき存在であるというのはごくごく当たり前のことなんですが、これを確認的に規定する必要があったんでしょうか。当たり前のことで、事業者はこれをやらなければ事業がなり得ない、つぶれていく。県の職員というのは税金に基づいて生活していますが、事業者は自分で働かなければ金が回ってこないので生活ができません。であれば自主的に取組をするのは当たり前のことです。ここに規定しなければいけなかったんでしょうか。
それともう一つは、11ページの第5条第3項第3号、「経営資源を確保することが困難な場合があり、これを補完するための支援を行うものである」、読めば当たり前なんですが、これをする場合、行政というのは自分たちだけの狭い範囲の中で、社会通念や社会常識というものを無視しながら動いてるところがある。365日土日以外は行政は動いている。しかし、社会は今お盆で休みのように、ある程度の長期の休暇というのはそれぞれにとりながら社会生活を営んでいるにもかかわらず、自分たちの生活実態を押しつけた上で、その範囲で活動しなさいと求めているところがある。基本的にそういうことが社会通念とずれた行政の考え方で、乖離をしながら産業振興条例を規定することにかなり無理があると思いますが、その点についてはどんなふうにお考えですか。
〇中嶋委員長 事務局的には答えづらい話で、つくったのは我々議員なので、それについての御意見と承らせていただきます。それに対して各委員の皆さんも御意見があろうかと思いますけど、まず1点目のところの確認をさせてもらいますが、第3条第1項で、当たり前のことを規定したのはなぜかというところ、必要ないんじゃないかという意見ですね。それと、第5条第3項第3号、中小企業の経営基盤の強化についての経営資源の確保のところをとらえての御発言であったんですが、それよりは産業振興に対する県の政策の姿勢というところが主たる御意見だったのかなと思うんです。もう一回後段のほうの説明を、特に経営資源という切り口からおっしゃっていただいたと思うんですが、それよりもう少し広い範囲での御意見かなというふうに承ったんです。
〇小野委員 まさにこの条例をずっと読ませていただくと、県は、県はという言葉が随分出てきますが、県という存在自体が上から目線で県民あるいは事業者に対するお仕着せの条例の認識があるんではないかなというふうに私は読めるんです。三重県がしたるよと。だから、みんながちゃんとしなさいよみたいな。本来は、三重県というのは県民や事業者にとって邪魔にならない存在で、個々ができないことをトータル的にやっていく行政の集合体だと思うんですが、どうもこの条例から読みとれるものは、三重県は上にあるんだと、お前さんたちがやるんだから、我々がちゃんとしてやるから言うこと聞けみたいな感覚がありはしないかなという気がします。そこら辺はもう少し、僕の見方が偏っているのかもしれませんが。もし御指摘があれば教えていただければいいですが。もう少し県民に添った条例というものにならなければいけないんではないか。ここに書いてあるのは当たり前のことです。農林水産業にしたって産業の振興にしたって。よくこんなものをつくったなという気がします。議会というのはちょっと見方がおかしいんじゃないかなと僕はこれを読んでいて思うんです。立場がね。議会ってそんなにえらいものかと。
〇中嶋委員長 議会がつくって県に施策をしなさいよという条例になってるわけですが、そこの視点が、県が産業振興を施してあげるよというふうな、本来であればサポート役なりもっと影に回って自主的な県民の事業者の活動をサポートする立場であるべき県のスタンスが、この条例ではそうじゃないと。そこが感じたところだという御意見だというふうに受け止めさせてもらいます。その上で、この条例をどう見直すべきかという話になっていくかと思うんですが、特にそこで具体的にこういうところを直したほうがいいんじゃないかとか、より踏み込んだ御意見があればぜひ教えていただきたいんです。
〇小野委員 まさに今御指摘を委員長からいただいた部分は、7ページの第5条、基本方針の中の経営の革新のところなんかが特にそうなんですが、議会がつくったといいながら、議会で制定して行政にこれをやれというふうな条例の趣旨からいうと、そこら辺まさにもう少し県民あるいは事業者に寄り添う形の条例に文言もチェックをしていただくとありがたいなというふうに思うんです。施策としてもう少し県民や事業者が中へ入ってこれるような、本当に必要なことをこの中でうたってますかと。現実に、振興しましょうという条例ですが、振興するために県民や事業者がこれをやってくださいと行政側に注文をつけたときにすぐできますか。なかなかできないんです。というのは、基本的な規定をした条例がもう一つあったりして、その壁を超えることができない。産業振興条例というのをつくるんであれば、これを土台にして県民や事業者がもっと事業拡大にすっとスイッチしていけるということにならなければいけないと思うんです。どうもそこの補完が本当にできてるのかなという気がします。
〇中嶋委員長 今の御意見をまとめますと、まず第3条第1項で事業者が主体的に取り組むという当たり前と言われるところを残しておく必要があるのかという御意見と、第5条の基本方針について、県が施策を施すというふうな視点の書き方にもなっているという観点からも、内容について、第5条について、第1項、第2項、第3項とも見直すべきではないかという御意見と理解させていただきます。
委員の皆さん、ほかに、このことについてでも結構でございますし、それ以外のことでも結構ですので、御質問、御意見等ございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇永田委員 逐条解説を説明いただいたんですが、平成16年、17年につくり上げたわけです。それから今日に至ってるわけですが、国際化の問題をもう少しこの際条例の中に取り上げていくことが大事かなと。今まさにグローバル化の時代を思うときに、国際化の時代にあって、三重県政としてそういう産業の振興に対して国際化を図って、それに対して県政が、例えば情報の提供なり産業の仲介役となって連携の役目を果たしていくとか、資源的な助成、援助をしていくとか、もう少し国際化についての見地が書かれるべきだな、盛られるべきだなと、こう思っていたわけです。前文に国際化という言葉がありますけれども、ここで見てもいま一つ足りないような、もう少し突っ込んだことにならないといけないなと思いましたので申し上げました。
〇中嶋委員長 地域産業振興条例ということではあるけれども、グローバル化の時代に対応したような県としての取組、姿勢というものも入れるべきではないかという御意見というふうに。
〇永田委員 そうですね。もう大分時代が変わってきたと思うんです。
〇中嶋委員長 委員の皆さん、どうぞ。この件に関してでも結構でございますし、その他御質問、御意見ございましたら。
〇小島委員 今までの議論とはかみ合わないかもしれませんが、前文の前段というのは、いろんな情勢が変わってきたのでと永田委員がおっしゃいましたがそのとおりだろうなと思うんです。最後の三行の理念、例えば、「もって地域経済の健全な発展と県民生活の安定向上に寄与するため、この条例を制定する」というような考えは残していってもいいのかなと思います。それぞれの産業についての条例ができてきた中で、この条例の存在意義はどこにあるのだろうということなんだろうと思うんです。例えば、小野委員は第3条第1項のところで言われましたけれども、5ページの第2項のところで、「地域社会と密接な連携を確保し、地域社会における課題について協調して取り組む」というような考えですとか、9ページの(8)、第8号の商店街対策のところで書いていただいてはあるんですが、「地域の人々の身近なふれあいの場として、地域文化の伝承やコミュニティの形成など地域づくりに大きな役割を果たすことが期待される」、そういうことが地域における産業の振興によってもたらされることが大切なのではないかと思うんです。その考えというのは、この条例ではなくてもいいのかもしれませんが、何らか残していくべきだろうなと思います。前回中村委員が言われたと思いますが、それぞれ縦割りの産業の横ぐしを通す理念だと私は考えます。地域産業というと小さい事業者がたくさん寄り集まってというのもそこにもちろん入ってくると思うんですが、その事業者たちの責務は何であるか。地域づくりを応援するために県は何をすべきかというような中身で、全体をつくり直すのが面倒であれば、面倒というのは変ですけど新しい考え方で、地域を大切にする例えば小規模事業者のあり方を新たに考えることもありかなと思います。
〇中嶋委員長 今の御意見は、例えば第3条第2項で、事業者が地域社会に対する課題に協調して取り組みなさいとか、第5条第1項第8号で、商店街の活性化というのはコミュニティづくりと、地域づくりの観点として必要だけど、果たしてこの条例でそれをカバーできるのかという御意見ですかね。加えて、そういうことであるならば地域づくりについては縦割り行政を打破するような規定というのが必要じゃないのかと。そういう御意見というふうに承らせてもらってよろしいですか。
〇小島委員 はい。
〇中嶋委員長 ほかに委員の皆さん。今日出していただいた御意見をもとに今後議論していくポイントをさらに絞っていきたいと思っております。
〇奥野委員 まず、この条例が必要なのかどうか。平成17年にできて、検証して効果があったのかということか。小野委員が言われたけど上から目線とか、条例とはこんなもんなんかな、上から目線で書いてしまう、意図はそうじゃなくても文章にするとこんなもんになるのかなという感じがします。理念条例であるので、僕の今言った効果はなくてもいいのかもわかりませんが、これを直したり新しくしたりする作業をするのか、なしにするのか。要するに、地域産業振興条例というのがほかの条例、観光条例とかの上位になるのか横並びになるのか、そういうところではないでしょうか。これができてからいろんな条例ができた。今までの議論の中でかぶってきていると。かぶっているので、果たしてこの条例は必要なのか。地域だけ外して残しとくかという、そういう考え方もある。さっき言われた横ぐしになってる部分もありますから、それも必要なのかなというような気もするし、この条例自体が意味をなしているのかなというような気がする。なくてもいいのかなというような気がしないでもない。なしにして新しく、本当の理念条例みたいな形でつくってもいいのかなというような気がしないでもないですけど、条例をなくすというのは議会のプライドが、僕はいなかったのでプライドがずたずたになってもいいんですが、古い人らはおらがせっかくと思う。それでも平成16年に合併でごちゃごちゃしているときに県議会は暇だったんやなと僕はずっと感じていた。それぞれの市町村がこのまちがなしになるかなしにならないかと切羽詰まって、もう必死のときに議会でのんきにこんなものをつくっていたのか、くだらないとこだなと僕はずっとさっきから感じていた。明日なしになるかあさってなしになるか、おれもやめないといけないのかどうかというときに、議会でこんなくだらない、くだらないとは言いませんけど、理念条例をつくっていたのかなという。そういうときにつくられたというのが、何かポイント外れの議会かなというような気がしないでもないので、余り必要ないかなというような気がします。
〇中嶋委員長 奥野委員のほうからは、条例そのものの存在意義が果たしてどうなのかと、廃止も含めた検討を再度してはどうかというふうな御意見と承らせてもらいました。その中で必要と思われるようなことがあるならば、またこれは別のステージになると思いますが、そういった条例を新たにつくる必要があるんだったらつくったらどうかという御意見と承らせていただきました。
〇奥野委員 直すというのは非常に大変な作業だと思う。流れが条例にあるじゃないですか。それをここだけ手直しして、つけ加えるというのは簡単なんですが、削除して直すということは非常に難しい部分があると思う。それが完全に時代にマッチしてなかったら簡単なんですが、削除して新しくその上へつけ加える。問題があるのならずばっと全部なしにして新しくつくったほうがいいような気がします。
〇中嶋委員長 ほかに委員の皆さん御意見ございませんか。御質問も含めて。
〇中村委員 この条例をつくってから、先ほどからずっと出てますように、観光振興に関する条例だとか、あるいは食を担う農業及び農村の活性化に関する条例とか、こういうのが出てきたというのは、条例をつくった当時、その前からそうなんですけれども、三重県の南北格差の問題だとか、それから地域の経済がどんどん落ちていく中で、何とかしないといけないんじゃないかという中で、必死でいろんなことを考える中でこれができ上がったんじゃないかと思うんです。これでは追いつかないということで、具体的な条例が次から次へと出てきたと捉えてるんですけれども、特に今もしこれを修正していくということであれば、私は当時よりももっと地域は疲弊してしまってるというふうに思っています。いろんなことをしてきたけれども、観光についてはそれなりの一定の動きもあるのかなという感じはしますけれども、末端のほう、三重県の隅っこのほうへ行きますとどんどん商店街も毎日のように厳しい状況に追い込まれてるし、それぞれが必死で、さっき小野委員が言われたけれども、自分なりに一生懸命やろうとしとる。自分が動かないと、ということでやってるけれども、後継者はどんどん少なくなっていくし、学校なんかは人口が減っていくから統廃合も進む。学校の統廃合が進むとその地域のコミュニティがまた衰退していく。そういうことが今なお続いてるんです。だから、今の置かれてる現状に対してこの条例をどう、この条例のどの部分をどう手直しすると生かせるのかという、その辺をちょっと勉強というかチェックをしていきたいという思いはあります。
農業の部分だとか、あるいは農村の活性化の部分だとか、みえの観光振興に関する条例など、全体の中の一部を補完するような条例が後からくっついて穴埋めをしているのが事実なんですけれども、中小零細企業対策とかそういったものがまだまだ、今いろんな形で条例化に向けての動きもないことはないと思うんですけれども、それを促すような形での直し方というものをもう少し議論をしていく必要があるんではないかなと思います。今の三重県の状況を見たら、この条例の意図するところまで行ってないという、そういう感じがしますので、何とかできないかなと。具体的にどこをどうというところまではまだ持ってないです。
〇中嶋委員長 今の御意見というのは、この条例をつくった当時に比べても地域経済はより疲弊していて、この状況に対応できる規定というのがもう少しないか見直すべきではないか。特に中小企業が疲弊しているということで、中小企業振興条例的なものを促す内容というものを例えば盛り込むとか、そうした観点も含めて、地域経済振興という観点をより強めたような中身で見直しができないかなと、そういうふうな御意見と承らせてもらってよろしいですか。具体的なところでは特に今のところないということですね。
ほかに委員の皆さん御意見、御質問等ございませんでしょうか。
〇服部委員 10ページの第5条第3項の農林水産業を除く産業の振興に係る基本方針なんですが、第3号で「中小企業の経営基盤の強化に必要な経営資源の確保に努めること」というふうに出ております。農林水産業を除いた商工業についての経営資源を確保しなさいという意味合いなのかなととってるんですけれども、どうなんでしょうか。委員長に教えていただきたいんですが。
〇中嶋委員長 ここは特に中小企業に焦点を置いた条項になってまして、中小企業は特に経営資源が不足しているということで、県として必要な経営資源の確保に努めなさいよということでございますので、服部委員が読まれたとおりでよろしいかと思います。
〇服部委員 資料2に農林水産業と商工業を1次から3次産業までまとめて一本の条例としてのというふうにございますけれども、農林水産業に対してはある程度施策の中で県行政としてもしっかりと資源の確保とかに関しては非常に前向きに動いてもらってるのはよくわかるんです。同じようにまとめた地域産業振興条例であれば、農林水産業を除くという項目がいかがなものかなと。財源も非常に厳しい状況の中ですけれども、全体的に経営資源の確保に努めるというふうに文言を改めてもいいんじゃないかなと思うんです。その点だけお願いしたいなと。これを継続して直していくのであれば、そういった議論をしていただきたいなと思うんです。
〇中嶋委員長 今の御意見は、特に必要な経営資源の確保ということについては、今の条文では中小企業を中心に書いているけれども。
〇服部委員 商工業ですね。
〇中嶋委員長 商工業ではなくて、中小企業ということなんです。商工業でも大企業は関係ないので。
〇服部委員 農林水産業を除くと書いてあります。
〇中嶋委員長 全産業を対象に経営資源の確保ということをするべきではないかという御意見ということですね。
〇服部委員 はい。
〇中嶋委員長 ほかに御質問、御意見ございませんでしょうか。
〇長田副委員長 先ほどから議論が出ていますが、この条例でちょっとややこしいのは、産業振興条例なのか地域振興条例なのかよくわからないところで、それがまず1つなのかなという点があると思います。制定時の検討会では主な論点の中に地域という視点を規定するというふうに整理されてますので、地域という視点が今必要なのかどうなのかというところをまず議論していただいて、必要であれば地域性のところを重視したほうがいいのかなと。その中で、地域という規定があるにもかかわらず産業の規定をしているところがまた複雑で、その産業のところは別の条例で出てきていますので、まずはこの地域という視点が要るかどうかでこの条例の存在意義があるかどうかが出てくるかなという気がするんです。
〇中嶋委員長 この条例というのは産業振興の純粋な条例という意味合いプラスアルファ地域づくり条例みたいなところも若干入っているというのは私も感じていて、その地域の視点というものが果たしてこの条例で必要なのかどうかという議論が必要ではないかという御意見と承らせていただきました。
ほかに御意見、御質問等ございませんか。
事務局にちょっと確認なんですけど、制定時に執行部との協議を計8回もやってるじゃないですか。これは意外に多いかなというふうに思ってまして、もちろん検討期間も非常に長かったわけなんですが、特に執行部と8回もやった中身で、意見の対立があったというふうに思うんです。議提議案に対して執行部が8回も協議の場を持つというのは。どこに執行部との意見の相違というか、すり合わせる必要があって8回も協議されたのかというのを経緯の中でわかれば御説明いただきたいんです。
〇山本政策法務監 正しく理解してるかわからないんですけれども、理念条例とするのか具体的な条例とするのか、そういうところでの考え方の違いが大分あって、執行部としてはできる限り理念的なものを、実際に計画するのは実施計画だとかそういうところで執行部がやると。そういうふうな形にしてほしいという御意見が強かったんではないかなと、そういうふうに思っております。
〇中嶋委員長 そうしますと、理念条例でとどめるべきという結論になったということは、極めて執行部との間では良好な結果になったということでございます。我々も見直すとした場合、具体的な施策として、例えば先ほどグローバル化に対応した助成の制度をつくるべきだというふうな御意見ももしかしたらあるかもしれませんが、例えば具体的にそこまで突っ込むというのはこの条例の見直しをするに当たっても避けたほうがいいのかなということだけ共通認識とさせていただければと思います。それでよろしいでしょうか。
〇奥野委員 理念条例なので、余り触らないほうがいいのではないかというような気がします。忙しいときにせっかくそこまでやったわけなので。ほかの条例と横並び的な考え方で進めていったらいいのかな。これを直すとか削除とか、つけ加えるというのは非常に作業的に難しいような気がします。実際に言って、つくったやつを否定するわけなので、否定とは言いませんが、否定に近い形で削除して新しくするわけです。理念条例なので、いろんなとり方でとったらいいのではないかなと思います。
〇中嶋委員長 委員の皆さん、ほかに御質問、御意見ございませんか。
〇中村委員 制定時のプロセスの中で、さっきの説明だと、かなり押し合いへし合いがあったというのは、議会側としては何とか地域の疲弊を戻そうということで、ちょっとでも具体的に動かせるような条例にしようということに対して執行部側はなるべく理念にしてくれと、そういう動きだったという意味ですか。そうではないんですか。執行部がやるというのに、理念にしてくれと議会が言ったんですか。
〇山本政策法務監 そこまで読みとれません。
〇奥野委員 平成12年かな、生活創造圏があったじゃないですか。各ブロックに分ける。それはもう数年前に廃止されて違う条例ができたんですけど、何かそこのところの絡みもあったのかなというような。あれは生活創造圏ビジョン。その後これができたわけですよね。
〇中嶋委員長 この条例ができてるときにはまだ生活創造圏ビジョンの振興条例は並行してあるというか、もう既にできてて生きてた状態です。
〇奥野委員 それがなくなって新しい条例ができて、ちらっと先に書いてあったけど、生活創造圏との絡みというのがこの条例をつくるときにあったんですか。絡みというか影響というか。あったと思うんです。生活創造圏は地域のことですので。
〇中嶋委員長 かわりのものじゃないですが、三重県地域づくり推進条例では生活創造圏ビジョンという考え方がなくなるので。
〇奥野委員 後でつくったやつは取ってつけた条例なので。ないのでつくろうかというような感じで。生活創造圏ビジョン推進条例というのは北川知事時代に執行部がつくったやつですか。
〇中嶋委員長 生活創造圏ビジョン推進条例は議会ですね。議提議案でつくったんですよ。生活創造圏ビジョン推進条例がなくなるので地域づくり推進条例となったんですが、地域産業振興条例は生活創造圏ビジョン推進条例とは直接リンクはしてなくて、地域という考え方の基本に8つの生活創造圏があるよねという、そこの絡みだったのかなというふうに読みとれるんです。
山本政策法務監、わかる範囲でどうですか。
〇山本政策法務監 今おっしゃられたことかなと思います。ここでも例えば地域は生活創造圏で考えられるというふうに説明しております。
〇中嶋委員長 そういう意味では、副委員長がおっしゃられたように地域というところがクローズアップされてきているところがあって、非常に複雑な条例になっているような気もします。分野別の条例は比較的すっきりしてると思うんです。見直すにしてもあくまでも理念条例の範囲内でというところ、ここだけ確認をさせていただきたいんですが、それでよろしいでしょうか。
〔「結構です」の声あり〕
〇中嶋委員長 その上で、今後の進め方について副委員長と協議させてもらいたいので、暫時休憩させてもらってもよろしいですか。では、暫時休憩をさせていただきます。
(休 憩)
〇中嶋委員長 先ほど皆様からいただいた御意見を踏まえまして、正副委員長のほうで今後の進め方について協議をさせていただきました。多岐にわたる御意見があったんですが、入り口のところから、この条例がまさに必要かどうかというところの議論、これをもう一度するべきではないかということの結論に達しました。そのために、本日の3項目めで皆様にお諮りするんですが、参考人の方に一度御意見を伺いたいと。その参考人の方には、当初三重県の産業はどうなってるんだとか基礎的な話をお聞きしようと思ったんですが、そうではなくてストレートに今の三重県の産業界から見てこの条例そのものの存在意義があるんでしょうか、またこの条例に掲げている地域性にこだわった意義というのが今の三重県産業にとって必要なのでしょうかというところを直接聞かせていただくような、そういう参考人招致をさせていただいた上で、改めて委員の皆様とこの条例を廃止するのか見直すのか、そこの結論をまず一回出して、廃止となった場合には、その影響も含めて改めて執行部等からも御意見を聞かなきゃいけないというふうに思います。見直すとした場合には委員の皆様方から、今日いろいろと御意見をいただいたところであるんですけれども、改めて具体的な見直し案というものを出していただいて議論していきたいなという方向で行きたいと思っております。その際に、今日の資料2にありますように、この条例をつくっていく際に関係する10団体との意見交換というのをさせていただいております。例えば、もう廃止にしましょうという場合においてもそうですし、一定の見直しをしようとして見直し案ができた場合もそうなんですが、一たん関係団体の皆様には文書での回答も含めて意見照会をさせていただくべきではないかという意見も出たところであります。まだ先が見えないんですけれども、先ほど申しましたようにまずは参考人を招致して、その御意見を聞かせていただいて、この条例そのものの存在意義、それから地域性にこだわる意義ということを踏まえて、廃止するか、見直しするかという議論を再度させていただきたいと思うんです。このような進め方で皆さんどうでしょう。よろしいでしょうか。ちょっと我々の中でも煮詰まっているところもあるかと思いますので。どうですか。
〇奥野委員 参考人招致では、やめるかやるか、何を聞くんですか。なしにして結構ですかとか、そういうことを参考人を呼んで聞くんですか。
〇中嶋委員長 参考人の方にはしっかり今日説明させていただいたようなこの条例の各条項の内容も含めて、制定の経緯も含めて説明した上で、今この三重県産業を取り巻く環境も踏まえて、そこのあたりの説明もいただきつつ、地域性にこだわるという意義、この条例が果たす役割についての御評価もいただきながら御意見を承りたいなと思います。
〇奥野委員 議員が議提条例をつくろうとしたときに、参考人に来ていただいたわけです。それで、もう10年足らずでやめるかどうかというのを呼んで聞くこと自体が僕は余りにも軽率というのか、仮に自分がそういう立場になったら、お前らばかにするなよ、条例なんてそんな何年後に廃止かどうかってまた呼ぶのかというふうに、僕だったらそう思います。それぐらい条例をつくるというのは重いものではないのかなと。
〇中嶋委員長 奥野委員がおっしゃられてるのは関係団体のほうということですね。
〇奥野委員 関係団体です。内々はよろしいですよ。執行部は暇な時間に来てもらって聞いたらいいだけのことですが、だけど団体の人に対しては失礼な形になるのではないかと思います。そういう思いを持って条例をつくったわけなので、条例というようなものは10年では。短期的な条例もあれば中長期的なものもあれば半永久的なものもあるでしょう。だけど、僕はこの条例というのは中長期的な長いものじゃないのかなと思うんです。短期じゃないと思うんです。そしたら、その団体に議会のメンツが今度はない。議会はこの程度のものかと思われはしないかという危惧があります。そんな気がするんです。それは半永久的に、手直しはあると思うよ、さっき言ったつけ加えはあると思うけど。だけど、廃止かどうかというのを聞くのは。
〇中嶋委員長 私の説明がちょっと足らなかったので。参考人というのは関係団体ではなくて、いわゆる有識者の方から御意見を一回お伺いしたいと思っていまして、三重県産業のことについてよくわかってらっしゃる方で、具体的には中小企業の経営者の方も含めて、そうした方からこの条例の存在意義であったりとか、地域性にこだわる意義のことについての率直な御意見を聞かせていただいた上で、それをもとに我々が廃止するないしは見直しをするんであれば具体的にどう見直すのかという議論をさせていただきたい。その後に関係団体の方との意見交換も必要ではないかなと思っているんですけれども。おっしゃるように関係団体の方に、我々が廃止しますという結論を出したら、廃止することについて意見はどうですかと聞くだけになるので、そこの部分は言われることはよくわかります。
〇奥野委員 やっぱりこちらで決めてから聞くべきです。
〇中嶋委員長 関係団体についてはですね。
〇奥野委員 我々議員というのは決断をしてから聞くべきで、私たちはこのように決めましたけどといって聞くのならいいけど、どうですかって普通聞きますか。
〇中嶋委員長 私もそういう思いで一緒です。ここの意見を一定出した上で、廃止するという結論、ないしは見直すんであれば具体的にここをこう見直しますという意見を持って関係団体の方にお伺いしようという思いです。
〇奥野委員 それならよろしいです。継続したいんだけれども、ここの部分を直したいんだと。これはほかの条例と横並びで重複する部分も結構あるので廃止するんだと、そういう理由はいくらもあると思うけれども、こうやってみんな議論してるわけなので、結論は出すべきだと僕は思います。それ以後聞くのはいいけど。ちょっと意見くださいって、あっちがやめようと言ったら我々もやめるのか。あっちがこう直せといったら直すのかというふうになるんじゃないんかなと思います。十分に検討していただいて、その方向で行くのがいいのかなと思います。
〇中嶋委員長 この条例をつくるときにも10団体と意見交換をされてらっしゃるんですが、そのときも一応検討会としての条例の文案をつくった上で、それを説明した上で御意見を伺うという形をさせていただいたようです。我々も関係団体との意見交換をするに当たっては、我々としての意見をまとめた上で、それに対しての意見交換になろうかということは奥野委員が言われたとおりですし、私もそういうつもりで申し上げたんですがちょっと言葉が足らなかったので。その以前に、参考人の視点から、いわゆる有識者と言われる方からの率直な御意見を一回聞かせていただいて、我々が今後の議論、廃止するのか見直しするのかというところの入り口の議論になるんですが、そこの参考にして、一定の結論を得た上で次へ進んでいくというステップをしたいなということが今正副委員長で議論させていただいた進め方の結論なんです。
〇奥野委員 わかりました。
〇中嶋委員長 よろしいでしょうか。
〇奥野委員 はい。
〇中嶋委員長 済みません、まどろっこしい説明になって。
そうしましたら、本日の事項書の3番目の参考人の出席要求ということについて、先に改めて御協議させていただきたいんです。そうした形で有識者を参考人として招致をして御意見を伺いたいと存じますけれども、改めて皆さんよろしいでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
〇中嶋委員長 御異議なしと認めまして、参考人を招致して意見をお伺いする機会をつくりたいと思います。人選なんですが、正副委員長で今協議していまして、県の産業政策にも精通している県内の中小企業の経営者の方であったり、県内経済を研究している立場の研究員の方との調整というのを実は進めておりまして、ただ日程等も含めて調整がまだ十二分にできておりませんので、ここはちょっと正副委員長にお任せいただいて、改めて日程も含めて委員の皆様にお諮りをさせていただきたいと思います。そういうことで御理解いただきたいと思います。
〇小野委員 参考人をそうやって選んでいただくのは結構ですが、4月以降もそうなんですが、三重県という冠がある経営者協会であったり商工会議所等の関係団体であったりしても、例えば突然去年ぐらいによその地域から三重県にみえて、その団体の代表になられたような方を、今三重県の商工業の代表だからと呼ばれるようなことはやめてください。現実に現場がわかってる人をぜひ参考人として呼んでいただくように調整をお願いしたいと思います。
〇中嶋委員長 全く同じ思いでございますので、了解いたしました。
では、この件に関してはよろしいでしょうか。
〔「はい」の声あり〕
〇中嶋委員長 地域産業振興条例の検証と参考人の出席要求については以上のとおりとさせていただきます。
2 委員会の中間報告案について
〇中嶋委員長 前回の委員会で、地域産業振興条例まで絞ってきたということの中間報告をしてはどうかということで、案をつくって皆様にお諮りするということになっています。23本の議員提出条例について検証作業を行い、対象条例を絞り込んだ結果、三重県地域産業振興条例になりましたと。今後、どうしていくかという話にも若干触れた委員長報告案をつくりましたので、これについて皆様で御協議をお願いします。
〔事務局が委員長報告案を朗読〕
〇中嶋委員長 この報告案につきまして委員の皆様の御意見をお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。よろしいですか。
〔「はい」の声あり〕
〇中嶋委員長 私としては最後に、年内を目途に検証結果を取りまとめ、必要に応じ条例の廃止も含めた見直しという言葉を加えさせてもらおうかなと。今日の議論を踏まえてですね。廃止もありかもしれないということで。
〔「改廃」の声あり〕
〇中嶋委員長 改廃ですね。条例の改廃を含めた見直しを行うことです。
〇小島委員 4ページの「今後も引き続き」の上段のところなんですけど、「②これらの条例が制定されるとともに、産業活動のグローバル化が進展するなかで、「地域」という視点が産業振興の条例に必要かどうかなど」と書いていただいてあるんですけど、今、ここだけじゃなくてもっと違う意味での地域とのかかわりってどうなのかという意見を申し上げたところで、産業がグローバル化してる中で地域というあり方がどうかということだけではなかったという気がするんです。ぜひ小さな視点も委員長報告に入れていただけないでしょうか。グローバル化してる中で地域が必要かどうかということがここには書いていただいてあるんですが、それだけではなくて、小さな地域を大切に守っていくということも産業振興の結果起こることだと思うのですけれども、そういう意味での地域という視点が必要なので、今後も継続させていくべきかどうかというあたりも視点の中に入れ込んでいただけるとありがたいと思います。地域という見方は恐らく2つあって、1つは大きなところからグローバル的な視点からの地域はどうか、もう一つは、もっと根本的なところからの地域の見方だと思うんです。そこをぜひ入れ込んでいただけるとありがたいと思います。
〇奥野委員 グローバルとは別個に地域の視点からという意味じゃないんですか。これはこれでいいけれども、それとは別に地域という小さいところから産業を考える。
〇小島委員 もっと小さいとこからの地域という視点を持った上でこの条例が必要かどうかという。適合しているかどうかということも入れていただけたらいいかなと思います。
〇中嶋委員長 そういうので長くなるのを避けるには、②のところで「これらの条例が制定されるとともに、産業活動のグローバル化が進展するなかで」というのを全部とってしまうというのもあるのかなと思うんです。今日の議論も踏まえて、おっしゃるとおりで、地域という視点が産業振興の条例に必要かどうかというところでまとめて言わせていただくというのも案なのかなと今聞かせてもらいながら思ったんです。趣旨はよくわかりました。細かな文案については正副委員長にお任せいただいてよろしいですか。
〔「お願いします」の声あり〕
〇中嶋委員長 ほかに御意見はよろしいですか。
正副委員長で再度修正させていただきまして、第2回定例会が9月18日に開会しますので、修正案をまとめて9月18日の本会議で委員長の中間報告をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕
〇中嶋委員長 それでは、そのようにさせていただきます。
本日御協議いただく事項は以上でございますが、次回の委員会の日程については、参考人の方の意見聴取ということで、参考人の候補者の方と日程を調整の上、改めて皆様とも御調整をさせていただいて御連絡をしたいと思っております。基本的に参考人の方の日程を優先した中で決めさせていただくこともあろうかと思いますので、皆様にちょっと無理をお願いすることもあるかもしれませんが、そのあたりもお含みおきをいただきたいと思います。
〔閉会の宣言〕
三重県議会委員会条例第28条第1項の規定により記名押印する。
議員提出条例検証特別委員長 中嶋 年規