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ひきこもり支援コラムNo.3 「人にやさしい社会をめざして」~令和4年度第1回ひきこもり支援フォーラムより~

令和4年4月16日(土)、三重県総合文化センターにて「第1回ひきこもり支援フォーラム」を開催し、382名と多くの皆さんが来場されました。
第1部では、「8050(はちまるごーまる)問題について~豊中市社会福祉協議会の取組から~」と題し、全国初のコミュニティソーシャルワーカーである豊中市社会福祉協議会事務局長の勝部麗子さんによる講演を行いました。
「8050問題」とは、80代の高齢の親と50代の無職やひきこもり状態の子どもを取り巻く社会的な課題を象徴する言葉です。
第2部では、「ひきこもり支援推進の課題は何か」をテーマにしたシンポジウムを行いました。
勝部さんの講演の中で、特に印象に残ったお話をご紹介します。

(1)ある男性の事例から

不登校がきっかけで7年間ひきこもっていた男性。彼の自宅を訪問した際、彼はメダカを飼育し、メダカ
を心の支えにしていた。そこで、メダカの育て方を教えてほしいと協力をお願いし、社会福祉協議会の活動
に参加してもらうことになった。
「ひきこもりは引き出す、外に出ればいい」というイメージではいけない。本人のいろんな特技、思いを引き
出すことからはじめる支援
が重要。

(2)SOSを出せない人にどう向き合っていくか

ひきこもり状態にある方や家族は、なかなか相談窓口につながらず、助けを求めることが難しいケースが多い。そのため、社会の中で解決していく仕組みづくりや地域づくりが大事である。
ひきこもり状態にあることを本人はご近所の人にあまり知られたくない。支援活動の中で、身近な地域の相談窓口や民生委員を紹介しても、知り合いがいるからと敬遠する人もいる。
もう少し広域的に利用できる相談窓口や居場所があるといい。

(3)8050問題の背景

社会が大きく変わり、特に就職氷河期世代の方は派遣、非正規雇用、解雇等により、生活が不安定になった。働けない、あるいは働きたくてもチャンスがない状況にあり、社会から排除されてしまったり、親と子どもの価値観の違いから理解しえない状況がある。「8050問題は経済構造によって生まれた平成の遺産」である。 

(4)支えられていた人が支え手に

ひきこもり状態の方の居場所づくりや中間的就労支援を実施されている「豊中びーのびーのプロジェクト」の取組について紹介されました。
今の仕組みで苦しくなった方を、今の仕組みの中に無理やり押し込めても、社会参加できない。本人に合った社会参加の方法を考えていく必要があるため、担い手のいない活動に協力してもらっている。例えば、夕刊配達、ポスティング、高齢者宅での草むしり等。
「支えられていた人が、支え手に変わる。」そして、多くの人との関わりの中で元気になっていく。
 
『社会が人に優しくなっていくこと』をめざしていきたい。」との言葉に強く共感しました。ひきこもりは、「本人や家族のせいではなく、社会全体の課題を反映したもの」としてとらえる必要があります。
 
三重県では、全国初となるひきこもり支援に特化した計画「三重県ひきこもり支援推進計画」を策定し、令和4年4月からスタートしました。
詳しくは、「三重県 ひきこもり」で検索
<https://www.pref.mie.lg.jp/FUKUSHI/HP/m0329000054.htm>
 
「一人で、家族だけで抱え込まないで!」
 
まずは、身近な相談窓口または三重県ひきこもり地域支援センター(三重県こころの健康センター)まで、ご相談ください。
 
ひきこもり相談機関一覧は、「三重県 こころのケアガイドブック」で検索
※「こころのケアガイドブック」-「Ⅲ 専門相談編」-「1 ひきこもり専門相談」(三重県こころの健康センター作成)
<こころのケアガイドブックはこちら>

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